- 1894年、24歳で夭折したルクーが死の床で
- 「第2楽章のしめくくりかたがわかった!
- 第3楽章の主題も全部、浮かんできた。
- この曲は3楽章にするんだから、そうしたら終りだ。
- 終楽章は前の二つより、もっともっと美しくなるよ!」
- と、うわごとのように口走ったという未完の佳曲。
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- 第2楽章の結尾は作曲者の死後に師ダンディが補筆した。
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- 名作ヴァイオリン・ソナタと同様、巨匠イザイから委嘱されたもので、
- 「その細部に至るまで考えていくと自分でも怖ろしくなるほどの情感を、この曲に盛り込もうとしているのです。」
- 「子供らしい喜び、春のあけぼのの情景…そしてまた秋と涙のメランコリー、あるいは最も痛ましい叫び…僕は自分の魂のすべてを音楽に注ぎ入れようと、心身をすりへらしています。」
- と書き送った、文字どおり彫心鏤骨の遺作である。
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- 引用はSFM盤LPの解説(濱田滋郎)より。
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- 斉諧生この曲を愛惜すること久しく、1930年代のSP録音は未架蔵ながら、LP・CDは手に入る限りの盤を蒐集してきた。
- 以下、CD9種を録音年順に配し、最後にLP2種を掲げる。
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