フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュ、シューリヒトの時代をなつかしむのはタイム・マシンでもないと不可能なことだが、ついこの間まで来日や新録音を心待ちにしていた名指揮者たちが次々と世を去っていく。
　
　また、鮮烈な演奏を聴かせてくれた新鋭指揮者も、いつのまにか平凡な、ルーティン・ワークに堕してしまう例に事欠かない。

　斉諧生にとって、いま、感動的な実演を期待できるのは、日本人指揮者だけになってしまった、といっても過言ではない。

　すなわち、期待する日本人指揮者達の列伝を立てる。

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