作曲者 曲名 推薦盤 簡単なコメント
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 アルフレート・ブレンデル(P) ジェイムズ・レヴァイン(指揮)
(Philips)
若書きの地味な作品とのイメージを完全にひっくり返したブレンデルの快演。
ブルッフ スコットランド幻想曲 チョン・キョンファ(Vn) ルドルフ・ケンペ(指揮)
(DECCA)
全編、スコットランド民謡のかたまり。名盤揃いだが、チョン・キョンファの熱っぽい歌い回しで。
エルガー チェロ協奏曲 ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc) バルビローリ(指揮)
(EMI)
デュ・プレの、全身をこの曲に捧げたような、一世一代の名演!
ゴルトマルク ヴァイオリン協奏曲 イツァーク・パールマン(Vn) アンドレ・プレヴィン(指揮)
(EMI)
世紀末ウィーンの爛熟を音にしたようなコンチェルト。
ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲 レオニード・コーガン(Vn) ピエール・モントゥー(指揮)
(BMG)
グリュミオーが「絶対演奏したくない」と言った、良く言えば民俗色豊かな、悪く言えば下品な曲。でも、コーガンの切れのいいヴァイオリンだと、リズムと推進力に満ちた名曲となる。
マルティヌー ピアノ、ティンパニと弦楽のための二重協奏曲 ジェイムズ・デプリースト(指揮)
(BIS)
1930年代、簡素で小編成ながら緊張感に満ちた佳曲が次々と生み出された。ヨーロッパの政治情勢と、おそらく無関係ではないだろう。バルトークの「弦チェレ」が有名だが、この曲も素晴らしい。張りつめた雰囲気の再現に秀でたデプリースト盤を推す。
モーツァルト 協奏交響曲 K.297b ハインツ・ホリガー(Ob) ほか マリナー(指揮)
(Philips)
「フルートとハープのための協奏曲」に近い、華麗で楽しい世界が満喫できる。必ずレヴィン校訂版(クラリネットがなく、フルートが入る)で。
モーツァルト 協奏交響曲K364 寺神戸亮(Vn) & シギスヴァルト・クイケン(Va & 指揮)
(DENON)
第2楽章、ヴァイオリンとヴィオラの歌い交わす情趣の深さ、暖かさ。
モーツァルト ホルン協奏曲第1番 K.412 ローウェル・グリアー(Hrn) ニコラス・マッギガン(指揮)
(HMF)
実はモーツァルト最晩年の作とわかった名作だが、なぜか斉諧生の職場では昼休みの終りごろにこの曲が放送されていた。
プーランク オルガン協奏曲 ジョージ・マルコム(Org) アイオナ・ブラウン(指揮)
(DECCA)
プーランクの真面目な方の作風の器楽曲での代表作。オルガンとオーケストラの曲だとサン・サーンスの交響曲が著名だが、こっちの方が名作ではないか。
プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番 チョン・キョンファ(Vn) アンドレ・プレヴィン(指揮)
(DECCA)
第2楽章のめくるめく音彩には魂を奪われる。両端楽章の抒情も美しい。
ショスタコーヴィッチ ピアノ協奏曲第1番 マリヤ・グリンベルク(P) ロジェストヴェンスキー(指揮)
(Toriton)
弦楽合奏とトランペット1本という妙な編成のオーケストラとピアノが*競走*するような曲。グリンゴルツ盤はタッチが明確かつ強靱、低回せずにグイグイ音楽を打ち出していく。一気呵成に駆け抜けるフィナーレのコーダには目眩く思い。
ショスタコーヴィッチ チェロ協奏曲第1番 アルト・ノラス(Vc) アリ・ラシライネン(指揮)
(FINLANDIA)
深刻さと諧謔味が複雑に綯い混ざり、音の運動性も楽しめるという、いかにもショスタコーヴィッチという味わいの曲。ホルンとティンパニが大活躍。待望のノラス盤は、強烈な表現力・訴求力に心えぐられる。
R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番 ラルス・ストランスキー(Hrn) アンドレ・プレヴィン(指揮)
(DGG)
ウィンナ・ホルン独特の野太い音で、力強く朗々と吹き上げる。聴いていて実に愉しく、若き日のシュトラウスの軒昂たる意気を満喫できる。バックも「ノリ」のいい積極的な音楽。
R・シュトラウス クラリネットとファゴットのための二重協奏曲 エドゥアルド・ブルンナー(Cl) & ミラン・トゥルコヴィッチ(Fg) ローター・ツァグロセク(指揮)
(Koch-Schwann)
シュトラウス晩年の侘び寂びを感じさせる名作。でも本人は、音楽で描いた「美女(=クラリネット)と野獣(=ファゴット)」のつもりだったとか。
ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) ブライデン・トムソン(指揮)
(DENON)
中期のストラヴィンスキーに見られる、軽妙さと運動性が最高に発揮された、隠れた名曲。カントロフが曲の真価を明らかにしたといっていい名演。
ヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲第22番 ローラ・ボベスコ(Vn) クルト・レーデル(指揮)
(Philips)
曲の冒頭、哀調を帯びた第1主題が流れ出すと、ちょっと胸がキュンとする。後はもう、名旋律の洪水。ブラームスが「私にもこんな曲が書けたらなぁ」と愛好したとか。ヴィオッティはモーツァルトと1歳違いでイタリア生まれのヴァイオリン奏者。
ヴィニヤフスキ ヴァイオリン協奏曲第2番 イツァーク・パールマン(Vn) ダニエル・バレンボイム(指揮)
(DGG)
ヴァイオリニストがヴァイオリンの魅力を発散させるために書いた協奏曲。旋律美あり、アクロバティックな名技あり。しかも、この種の曲としてはオーケストラの書き方もそこそこ充実。