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2004年09月05日
六甲フィルのニルセン
- 神戸市を本拠に活動するアマチュア・オーケストラ、六甲フィルハーモニー管(公式Webpage)の第18回定期演奏会を聴く。
- 会場は神戸文化ホール・大ホール。
- かなり広い会場だが、十分な入りでなかったのは残念。
- かなり広い会場だが、十分な入りでなかったのは残念。
- 今日の曲目は、
- ニルセン;序曲「ヘリオス」 (指揮;松井真之介)
- ハイドン;交響曲第104番「ロンドン」 (指揮;森康一)
- ニルセン;交響曲第4番「消し難きもの」 (指揮;松井真之介)
- ニルセン;序曲「ヘリオス」 (指揮;松井真之介)
- という意欲的な選曲(指揮は両氏とも団員)。
- 京阪地区のプロ・オーケストラが嘆かわしいほど保守的なプログラムを組んでいる中、この団体や、ニルセン;交響曲第3番の京都フィロムジカ管、ステーンハンマル;セレナードのかぶとやま響などの活動が頼もしい。
- (もちろん、プログラムの保守性は、一般的な聴衆の嗜好を反映したものなのだろうが…。)
- 京阪地区のプロ・オーケストラが嘆かわしいほど保守的なプログラムを組んでいる中、この団体や、ニルセン;交響曲第3番の京都フィロムジカ管、ステーンハンマル;セレナードのかぶとやま響などの活動が頼もしい。
- 演奏の方も、そうした意欲を見事に映し出し、覇気に満ちた立派なもの。
- 特に、ニルセン;第4交響曲は素晴らしかった。
- ニルセンがこの曲に託したヒューマニティへの信頼を、オーケストラ全体が熱く歌い上げていたといっていい。
- 特に、ニルセン;第4交響曲は素晴らしかった。
- この曲の聴きどころ(見どころ?)、ティンパニ2台の右顧左眄しない強打はもとより、第3楽章冒頭のヴァイオリン群の悲痛な旋律、第4楽章冒頭の弦合奏の猛スパートなど、入場無料では勿体ないような音楽である。
- 「ヘリオス」も、太陽神の名にふさわしい壮麗さを構築。
- 冒頭・結尾のチェロの音色も佳かった。
- ハイドンも、ふっくらした響きを基本にした、暖かい音楽。
- ただ、演奏力がもう一段上がらないと、この作曲家の音楽の歓び・生命感が湧き上がってこないように思う。
- そして、アンコールがステーンハンマル;カンタータ「歌」より間奏曲!
- ふっくらした暖かい弦合奏の音色が素晴らしく、この曲を初めて耳にした人にも、音楽の美しさを満喫していただけたようだ。
-
- 全体を通じて、アマチュアゆえの技術的な限界はもちろん多々あったが、それを超えて感興が伝わってくる、良いコンサートだった。
- しばしば幼児の叫声が音楽の静寂を破ったのは残念だったが…。
- 全体を通じて、アマチュアゆえの技術的な限界はもちろん多々あったが、それを超えて感興が伝わってくる、良いコンサートだった。
投稿者 seikaisei : 2004年09月05日 23:04
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コメント
こんばんは。
ニルセンの第4交響曲、曲そのものはまさに「人間性への賛歌」なのですが、弾く方にとっては冒頭からコーダまで難攻不落の城壁というか常に断崖絶壁のような曲で、人様にお聴かせする形にするだけでも大変な曲です。斉諧生様がお聴きになられた演奏はさぞかし素晴らしかったのでしょうね。この「第4番」に果敢に挑むアマチュア団体はこの数年多いですね。実を言うと私も弾いたことあります。この曲を演奏会のために準備した半年間はいくつかの「消し難き」思い出と共に美しい思い出として心に残っています。すいません、つい余計なことを…。ともかくニルセンの「第4番」は素晴らしい、ということがいいたいだけなのです、失礼。
投稿者 「坂本くん」 : 2004年09月06日 23:22
坂本様、こんにちは。御投稿ありがとうございます。
たしかに客席から拝見していても、リズムの扱いなどややこしそうで、弾きやすい曲ではないように見受けられました。演奏体験をお持ちとは、羨ましゅうございます。
「不滅」として名前が知られているほどにはステージにかからないようですが、ニルセンの他の曲ともども、もっと演奏されてほしい音楽ですね。
投稿者 斉諧生 : 2004年09月08日 08:59
斉諧生様
どうもご来場ありがとうございます(って私が思いっきり関係者であることをばらしてみる)。
そして忌憚のないご意見もありがとうございます。
とうとう六甲フィルも斉諧生さんのような熱心な音楽ファンの批評の俎上(大げさですかね?)にのれるようになったみたいで、たいへんうれしく思っております。
とにかくハードな演奏会でした。不滅は坂本様のおっしゃるとおり冒頭からコーダまで本当に気が抜けません。最後の練習まで本当に闘いでした。私が気負いすぎて(7年ぶりに棒振りました)練習を必要以上にハードにしてしまったふしもあるのですが、それなりにお客さんに何らかの印象を残すことができて、頑張ったかいもありました。
また、アンコールの反響が予想以上にあったのには驚きです。やっぱりいい曲はたとえ無名であれ、ちゃんと人の心を惹きつけるものですね。
どうもありがとうございました。
投稿者 ジュスマルダホス : 2004年09月08日 22:48
ジュスマルダホス様、ようこそ。熱演でしたね! お疲れさまでした!!
投稿者 斉諧生 : 2004年09月11日 00:39
斉諧生さま、初めましてこんにちは。
貴方様のHPと御尊名はネット界ではつとに有名なので、こうして書き込みするのがドキドキするんですが、大好きなニールセン・ネタなので思い切って書き込みします。
私は関東在住なんですが、この演奏会同日、東京でも某アマオケがニールセン4番を演奏しており、偶然の一致を不思議に思ってました。
勿論その演奏会は聴きに行きましたが、客席に子供がたくさん来ており、子供達の騒ぎで鑑賞どころで無かったのが残念です。
その点、神戸では演奏会が十分に堪能なされたようで、羨ましいです。
私はニールセンの中では第5番を最も押しているんですが、流石になかなか実演には出くわしません。
むかしプロムスでチョン・ミュンフンがやったのを聴いたのがこのままでは最上になってしまいそうです。
これからも興味深く拝読してますので、よろしくお願い致します。
投稿者 隊員 : 2004年09月20日 23:59
隊員様、はじめまして。どうぞお気遣いなく書き込んでください。子供の騒ぎは(程度は違うかもしれませんが)神戸でもありまして、興をそがれた方もけっこういらっしゃったのではないかと思います。私自身は割り切って、気にしないようにしておりましたので、あまり強調して書いておりませんが。また私もニルセンでは5番が最も好きだったのですが、今回の皆さんのコメント等を拝読して、4番の魅力も再考しなければと思っております。では、今後ともよろしくお願い申し上げます。
投稿者 斉諧生 : 2004年09月21日 00:14