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2005年07月26日

鶴我裕子『バイオリニストは肩が凝る』

鶴我裕子『バイオリニストは肩が凝る』(アルク出版企画)
NHK響のVn奏者による、『音楽現代』『フィルハーモニー』への連載を主体とした文集。
同種の著作は、茂木大輔氏のものをはじめ数多いが、その中では比較的「本音」に近い線で書かれている感じである。
どうもブロムシュテットスクロヴァチェフスキは嫌われ、シュタインスヴェトラーノフマタチッチなどが好まれているようだ。
Web上で見る限り、そうした著者の姿勢(たぶん楽員の平均的な反応だろう)に多少反発を覚える向きもあるようだが、斉諧生的には次の記述で著者の真摯さを評価できると思っている。
たとえば、1回しか経験していないブーレーズ。あのとき、かれのレヴェルの高さについていけない自分を痛感し、『足を引っぱって申し訳ない』と思った。目が点になったまま終わった演奏会のあとも、『あの人のお役に立てるほど、うまくなりたい」と切に思った。

投稿者 seikaisei : 2005年07月26日 22:38

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