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2005年08月14日
カルショー回想録『レコードはまっすぐに』
- ジョン・カルショー『レコードはまっすぐに』(山崎浩太郎訳、学研)
- 盆休みの小旅行に出かける。…とはいっても、ごくごく近場のホテルに2泊するだけだが(苦笑)。
- 以前ならば、あそこを観光して、ここの美術館へ行って、宿に戻ればどの音盤を聴いて、と綿密な予定を立てたところだが、ようやくそれは非現実的、ということを悟った。
- 今回必須のテーマはただ一つ、本書を読了すること。
- 上梓されたのは本年4月のこと。
- すぐに関心ある項目の拾い読みはしているのだが、通読はまだだった。読み始めたら途中で止めることは不可能になることは明々白々(笑)、通勤電車に持ち込む等は下策、まとまった時間を確保できるときにと考えていたのである。
- 当初は黄金週間に読破する予定だったが、本業等の忙しさにかまけて、今までずれ込んだもの。ここを逃すと次は正月かもしれないと、不退転の決意で旅宿に持参した。
- 幸い、初日にそこそこ時間が取れ、深更に及んだものの、一気通読。
- なるほどDECCAの関係者や各演奏家に関するゴシップや辛辣きわまりない評価が、歯に衣着せぬタッチで述べられている。これでも、あえて伏せられた事実も多いのだろうけれど(カラヤン絡みのエピソードや裏話など、もっとあるはずだ。本国出版時点では指揮者健在だったから…)。
- 斉諧生的には、ハンス・シュミット・イッセルシュテットのCAPITOL録音をカルショーがプロデュースしていたこと、またカルショーの同僚として採用された子息エリック・スミスに関する
- 「父親譲りの辛辣なユーモアが趣を添えていた。」
- との記述に目を惹かれた(エリックをカルショーに紹介したのはピアニストジュリアス・カッチェンだったとのこと)。
- 何かにつけて対比されるEMI系のウォルター・レッグの回想録『レコードうら・おもて』同様、音盤愛好家の座右に置かざるべからざる貴重な好著であると、再度特筆大書したい。
- 以前ならば、あそこを観光して、ここの美術館へ行って、宿に戻ればどの音盤を聴いて、と綿密な予定を立てたところだが、ようやくそれは非現実的、ということを悟った。
投稿者 seikaisei : 2005年08月14日 22:31
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