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2005年09月03日

エンニオ・ボロニーニ名演集I

エンニオ・ボロニーニ(Vc) ドナルド・ケンプ(P)
ボロニーニ名演集(Muzelle)
副題"100 Years of the Incomparable Cellist Ennio Bolognini"
ボロニーニというチェリストのことは、中低弦倶楽部で教わった。
当盤のジャケットにも刷り込まれているが、かのピアティゴルスキーが「世界で最も偉大なチェリストは私でもなければフォイアマンでもない。アルゼンチンのボロニーニだ!」と絶賛したという。
1893年ブエノス・アイレス生まれ、父はイタリアからの移民でトスカニーニのもとで演奏したことのあるチェリストでもあった。その縁で、トスカニーニが彼の名付け親になったという。
父親に、次いでカザルスの師でもあったホセ・ガルシアに学び、12歳でデビュー。17歳の時にサン・サーンス自身の伴奏で「白鳥」を演奏したことがある。
30歳の時に渡米し、シカゴ響フィラデルフィア管の首席奏者を務めたのち、独奏者として活躍。
クリスティーネ・ワレフスカなど多くの弟子を育て、また作曲や指揮もよくした。
ボクシングや飛行機操縦に長じ、そもそもアメリカに来たのは伝説のチャンピオン、ジャック・デンプシーと対戦する「南米の猛牛」ルイス・フィルポのスパークリング・パートナーとしてだったというから驚く。
そのうえ、語学の天才で西・伊・仏・独・英を流暢に話し、イタリアの方言15種とヘブライ語、ギリシア語、ハンガリー語、ロシア語、日本語(!)で会話が可能であったという。
1979年、ラスヴェガスで没したが、晩年(1976~78年頃)のライヴ録音等を編集したCDが当盤で、バッハ;無伴奏Vc組曲第1番(「サラバンド」を欠く)のほか、小品12曲(自作やシベリウス;悲しきワルツモシュコフスキ;ギターなど)を収録している。
中でも自作「ガウチョのセレナータ」では、セゴビア譲りの(!)ピツィカートを披露している。
eBayで落札したものだが、どうやら製造元自身が何枚も出品している模様。

投稿者 seikaisei : 2005年09月03日 14:22

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