(1) | 『ボザイ・プレイズ・ボザイ』 〔即興第2番op.27(1976)〕 |
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作曲者自演(リコーダー)のバックを務める弦楽三重奏に加わっている。ピツィカートやコルレーニョで忙しくしているばかりで、ペレーニを聴くCDとは言いづらい。 | |||
アッティラ・ボザイ(Rec)エステル・ペレーニ(Vn)シャーンドル・パップ(va) 〈録音;1978年〉 [Hungaroton HCD31936] (輸入盤CD) |
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(2) | ボザイ;チェロ・ソナタop.35(1988〜89) | ||
チェロ・ソナタは、急・緩の2楽章16分ほどの曲で、非常に雄弁な音楽。ペレーニのテンションも高く、録音も優秀で、聴き応えのある音が出ている。 | |||
イムレ・ローマン(P) 〈録音;1991年〉 [Hungaroton HCD31789] (輸入盤CD) |
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(3) | エトヴェシュ;《サイ Psy》(1996) | ||
ペレーニが演奏しているのは、「Psy」という8分ほどの曲だけ。マリンバ、フルート、チェロが点描風に鳴る音楽で、ペレーニの高音の音程の良さが光っている以上の内容は、聴きとりにくい。 | |||
ゾルターン・ラーチ(マリンバ)、ゲルゲイ・イットゼーシュ(fl) 〈録音;1999年〉 [BIS CD948] (輸入盤CD) |
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(4) | ファルカシュ;古風な小協奏曲(1969) | ||
曲名「古風な小協奏曲」のとおり、擬古典的な作品で聴きやすい音楽だが、演奏時間も10分弱という短さ、少し食い足りない。 | |||
ジョルジ・レヘル(指揮) ハンガリー放送響 〈録音;1974年〉 [Hungaroton HCD31851] (輸入盤CD) |
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[Hungaroton SLPX11749]
(輸入盤LP) |
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(5) | イェネイ;《ヘラクレイトスの水位標》 | ||
演奏時間3分弱、チェロが高音域で弾くメロディをピアノが模倣して、突然途切れる。曲のタイトルからして意味不明、評価に困る音楽である。 | |||
ゾルタン・コチシュ(P) 〈録音;1989年頃〉 [Hungaroton SLPX12971] (輸入盤LP) |
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(6) | コダーイ;チェロのための作品全集 | ||
再録音は、期待に違わず、途方もなく素晴らしい名演。技術はますます高く、音色はますます深く、音楽はますます円熟し、ペレーニ・ファンにとっては「新約聖書」と言える3枚組。 | |||
デネシュ・ヴァーリョン(P)タカーチュ・ナジ(Vn) 〈録音:2001年〉 [HUNGAROTON HCD 32196〜98] (輸入盤CD) |
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(7) | コダーイ;チェロ・ソナタop.4、無伴奏チェロ・ソナタop.8 | ||
コダーイの旧盤で、長くペレーニの代表盤だったもの。技術的にも音楽的にも十二分に満足できる名演ながら、最新盤は更にその上を行く。 | |||
イエネー・ヤンドー(P) 〈録音;1976年〉 [Hungaroton HCD31046] (輸入盤CD) |
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[Hungaroton SLPX11864] (輸入盤LP) |
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(8) | コダーイ;チェロとピアノのためのソナチネ(1920) | ||
コダーイのチェロ作品集だが、ペレーニはソナチネ1曲だけ、無伴奏ソナタはフルニエの演奏。この曲には3種の録音があるが、勢いという点では、この盤が一番。 | |||
ロラーント・スーチ(P) 〈録音;1976年〉 [Praga PR250 065] (輸入盤CD) |
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(9) | コダーイ;チェロとピアノのためのエピグラム(1954)、テッサリーニ;チェロ・ソナタ ヘ長調 | ||
ローティーンの頃に録音の話が持ち上がったのだから、よほど神童として有名だったのだろう。平易な曲目が選ばれている感じだが、のびやかなカンタービレには感心させられる。 | |||
ティボル・ヴェーネル(P) 〈録音;1960年頃〉 [Qualiton M LP1570] (輸入盤LP) |
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(10) | クルターク;作品集 〔ヤーノシュ・ピリンスキー;ジェラール・ド・ネルヴァル(1984/86) 〕 |
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CD1枚の中でペレーニが演奏しているのは、わずか1分20秒の超小品のみ。 | |||
〈録音;1985年〉 [Hungaroton HCD31290] (輸入盤CD) |
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[Hungaroton SLPX13878] (輸入盤LP) |
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(11) | クルターク;リガトゥーラ;フランセス・マリーへのメッセージ(答のない質問への答)op.31/b(1989) | ||
ペレーニの出番は「リガトゥーラ」という、ヴァイオリン2本、チェロ2本とチェレスタのための作品だけ。3分半ほどの静謐な音楽。なぜか2とおりのテイクが収録されている。 | |||
ジェルジ・クルターク(チェレスタ)オットー・ケルテス(vc)アンドラーシュ・ケラー、ヤーノシュ・ピルツ(Vn) 〈録音;1995年〉 [ECM 453 258-2] (輸入盤CD) |
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(12) | クルターク;二重協奏曲op.27-2(1989〜90)、他 | ||
クルターク作品のみによる演奏会のライヴ盤(2枚組)。コチシュとの二重協奏曲では、ピアノが遠い鐘のように鳴り、チェロが切れ切れに歌う印象深い終結など、なかなか美しい音楽である。 | |||
ペーテル・エトヴェシュ(指揮) ブダペシュト祝祭管、ゾルタン・コチシュ(P) 〈録音;1993年〉 [Col Legno 31870] (輸入盤CD) |
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(13) | リゲティ;チェロ協奏曲(1966) | ||
第1楽章の怖いような緊張感の持続は、ペレーニの技術力をもって初めて可能になる表現ではないか。この曲のベスト盤だと確信するが、あまり知られていないのは残念。 | |||
ペーテル・エトヴェシュ(指揮) アンサンブル・モデルン 〈録音;1990年〉 [Sony Classical SK58945] (輸入盤CD) |
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(14) | リスト;室内楽作品集 〔エレジー第1番S.130〕 |
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ペレーニが参加しているのはエレジー第1番だけ、ハルモニウムとハープが入るオリジナルの編成をとっているのがポイントで、ピアノだけと共演した別録音よりも、良い響きがしている。 | |||
ラントシュ(P)ルビク(hp)マルギッタイ(ハルモニウム) 〈録音;1975、76年〉 [Hungaroton HCD11798] (輸入盤CD) |
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(15) | リスト;作品集 〔エレジー第1番S.130、同第2番S.131、忘れられたロマンスS.132 、悲しみのゴンドラS.134〕 |
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CDの半分ほど、4曲に参加している。「忘れられたロマンス」以外の3曲には演奏内容の優れた別録音があり、存在意義が薄れている。 | |||
イムレ・ローマン(P) 〈録音;1987年頃〉 [Hungaroton HCD12768] (輸入盤CD) |
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[Hungaroton SLPX12768] (輸入盤LP) |
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(16) | ミハーイ;チェロ協奏曲(1953) | ||
ミハーイ(1917-1993)のチェロ協奏曲は1953年の作品、第二次大戦前のフランスあたりで盛んだった作風を思わせる。なかなかきれいで、のびやかないい曲で、お薦めできる。 | |||
ジョルジ・レヘル(指揮) ハンガリー放送響 〈録音;1971年〉 [Hungaroton HCD31989] (輸入盤CD) |
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[Hungaroton SLPX11556] (輸入盤LP) |
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(17) | ショプロニ;チェロ協奏曲第2番(1984) | ||
チェロ協奏曲第2番(1984)という20数分の曲。ペレーニのチェロは快刀乱麻を断つが如しだが、音楽の方はこれといった特徴はない。 | |||
アンドラーシュ・リゲティ(指揮) ブダペシュト響 〈録音;1986年〉 [Hungaroton HCD32024] (輸入盤CD) |
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[Hungaroton SLPX12645] (輸入盤LP) |
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(18) | セーレーシ;作品集 〔パッサカリア〜アハティオ・マーテーの追憶に〜〕 |
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バルトークの作品番号を整理したセーレーシが、親友の死を悼んで書いた9分弱の小品。深い陰翳と緊張感のある音楽で、ペレーニの音にもそれが反映されている。素晴らしい音色だ。 | |||
アウアーSQ 〈録音;1998年〉 [Hungaroton HCD31727] (輸入盤CD) |
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(19) | 『リスト音楽院を救え!』 〔スーニョグ;トリオ・セレナード〕 |
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リスト音楽院の財政支援のためのCD。静かな優しい音楽で楽しめる。録音がオン・マイクなので、チェロの音がしっかり入っているのも嬉しい。 | |||
バラージュ・スーニョグ(P)、カールマン・ベルケシュ(cl) 〈録音;不詳〉 [Hungaroton HCD31841] (輸入盤CD) |
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(20) | 『エステル・ペレーニに捧ぐ』 〔ヴァイダ;ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲〕 |
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エステル・ペレーニ(1943年生れ)とはよく共演しているが、姉弟だろうか? 12分ほどの二重奏曲で、なかなかの佳曲。間奏曲の懐かしいメロディが印象的。 | |||
〈録音;不詳〉 [Hungaroton HCD31784] (輸入盤CD) |
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(21) | 『ハンガリアン・チェロ・ミュージック』 〔リゲティ;チェロ・ソナタ、ファルカシュ;バラーダ(1963)、ヴェレシュ;チェロとピアノのためのソナチネ(1933)、無伴奏チェロ・ソナタ(1966〜67)、リスト;エレジー第2番S.131、尼僧院の僧坊S.382、ドホナーニ;チェロとピアノのための「ルラリア・フンガリカ」op.32/d、他〕 |
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リゲティ作品も含め、いずれも比較的平明で聴きやすい音楽になっている。ヴェレシュの無伴奏ソナタは、2000年来日時のリサイタルで聴いた思い出の曲。 | |||
デネシュ・ヴァーリョン(P) 〈録音;1998〜99年〉 [Hungaroton HCD31835] (輸入盤CD) |
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