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2006年09月30日(土)

2台ピアノによるプシシェ [2006年9月]

クリスチャン・イヴァルディ & ノエル・リー(P)
フランク;交響詩集(ARION)
eBayを見ていたら、フランクの交響詩「プシシェ」の2台ピアノ版のCDが出品されていた。
管弦楽による録音は、全曲盤・組曲盤とも蒐集するようにしている曲なので、これも逃すまじと落札。
他に「アイオリスの人々」「呪われた狩人」「贖罪」を収録している。
編曲者が表記されていないので、作曲者の手になる譜面であろうか。
なお、演奏者なり楽器なりについて "pianos" と表記されているので、四手ピアノではなく2台ピアノと判断している。
1994年2月、ポワシー劇場での録音。

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2006年09月29日(金)

コバケンの暴論(?)書 [求書読書録]

小林研一郎『小林研一郎とオーケストラへ行こう』(旬報社)
本業で入り用な書籍を捜すため、通勤の乗換駅の、いつも行く方(隣に音盤店あり)とは反対側にある大型書店に行く。こちらの方は少しフロアが狭いのだが、一部の分野については品揃えが良いのである。
目標の本は無かったのだが、えてしてそういう時に限って違う分野で色々と見つかってしまうもの、ついつい大量に購入する羽目になった。
うちクラシック音楽関係ではこの2冊。
堂々と「著者 小林研一郎」と標記されているが、彼が直接書いているとは思えない。大部分はゴーストライター(編集者?)の手になるものだろう。「お得なチケット」を執筆するコバケンなんて…(苦笑)。
ただし、一部の記事、例えば「指揮者・小林研一郎」などは、彼の談話をもとに編集者がまとめたものではなかろうか。
中でも異彩を放つのは「第三章 コバケン的音楽のすすめ」で、約30人ほどの作曲家についての解説が掲載されている。これは絶対ゴーストライターには書けないだろう内容で、例えば
(メンデルスゾーン)「精神性の面での迫力に欠けているのが惜しいです
(シューマン)「交響曲では、情緒のひらめきを大きく反映させることができていないですね。
(ブルックナー)「弦楽器には音の渦をより増幅させるためだけに存在しているような部分がたくさんある
(チャイコフスキー)「(交響曲第3番の)第五楽章だけはまったく雰囲気が違っていて、この作品を不滅のものとしないのです。私が部分的にカットしたものを出したら、もっと有名になるかもしれません。
(ドビュッシー)「斬新さをねらいすぎたようです。(略)もう少し大衆を考えてくれていたら、うれしかったなと思います。
(バルトーク)「彼の惜しいところは、ハンガリーに生まれて民謡を取材しすぎたこと、現代に顔を突っ込みすぎたこと、才能がありすぎたことかもしれません。もうちょっと才能がなくて、もうちょっとクラシックなスタイルで曲を書いていたら、わたしたちはもっと彼の音楽から、恩恵を受けたかもしれません。
といった調子なのだ!
もちろんそうした「暴論」は一部で、
(ベートーヴェン;交響曲第3番第2楽章)「ハ長調になってまばゆく輝く部分などは、まさに自分が歩んできた道にこんな光があって、私はその道を今、天国に向かいますといっているような気がします。
(シベリウス;交響曲第2番)「あの冷たい湖のように澄んだ音って何でしょう。ヴァイオリンだけがピーと弾いている音に、冷たくて何一〇センチも凍っている湖の、その氷の冷たさの上を吹いてくる風を感じるのです。
などの箴言も多数ちりばめられている。

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中野雄の対談書 [求書読書録]

中野雄『音楽に生きる』(求龍堂)
「資生堂 サクセスフル エイジング講座」というカルチャーセンター(?)の記録風書籍。
対談相手に宇野功芳師が含まれているので買わざるべからず。
頁を繰っていて驚愕、なんと師の結婚写真が1頁大で掲載されている。1984年とのキャプションがあり、斉諧生が師のレコード・コンサートで謦咳に接していた頃は、まだ独身でいらっしゃったということになる(だからどうなんだ、と突っ込まれそうだが)。
ちょっと面白かったやりとり。
中野「諏訪内晶子さんのことですが、宇野先生、最初わりあい無関心だったのに、突然、『あれは世界一だ』とかいい始めた(笑)。私が『ちょっと誉めすぎだ』と言ったら、『誉めるときはもっと誉めないと』。
宇野師「そうそう。誉めるときは徹底的に誉めないとだめですよ。それじゃないと印象に残らないものね(笑)。(略)
悪口をいうときも徹底的に言わないとだめ。だから、ほかの人が誉めている演奏家がよくないときは、こっちは徹底的に悪口をいうし、新人がデビューして凄くいい場合、ちょっとオーバーぐらいに誉めて関心を呼ばないとだめですね。
中野「そうか。そういう点で、先生の気持ちの中にちゃんとマーケティングの精神があるんですね。
 
宇野師以外では小林亜星天満敦子アンネット・ストゥルナート(ウィーン国立歌劇場専属歌手、日本人)、佐藤眞との対談、その他篠崎史紀らの文章が収められている。

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2006年09月28日(木)

スウェンセンのドヴォルザーク [2006年9月]

ジョーセフ・スウェンセン(Vn & 指揮) スコットランド室内管
ドヴォルザーク;Vn協 ほか(LINN)
(申し訳ありませんが、本文は後日掲載します。)

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FPZ新譜はVcとのデュオ [2006年9月]

フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn) & ハインリヒ・シフ(Vc)
ラヴェル;Vn & Vcソナタ ほか(ECM)
(申し訳ありませんが、本文は後日掲載します。)

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2006年09月27日(水)

イッセルシュテットのベールヴァルド [2006年9月]

ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮) ストックホルム・フィル
ベールヴァルド;交響曲第1・3番(瑞TELESTAR、LP)
イッセルシュテットは1955年から1964年までストックホルム・フィルの首席指揮者を務め、僅かながら録音も遺している。
そのうち最もまとまったものが、当ベールヴァルド作品である。
CDは架蔵済み。LPも米Nonesuch盤ならよく見かけるのだが、さすがに買う気になれず、独TELEFUNKEN盤を捜していた。
eBayにオーストラリアの中古音盤店が北欧音楽を大量に出品した中に瑞TELESTAR盤があり、これはこれで原産地ものと見なせるので、落札してみた。(他にも何点か応札したのだが、取れなかったのは残念。)
1962年2月、ストックホルムの王立音楽院大ホールにおける録音である。
それにしても、このオーケストラとステーンハンマルの曲は演奏しなかったのだろうか。10年も在任しておれば、主な管弦楽曲は採り上げていてもよさそうなものだ。録音が残っておれば…。

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2006年09月26日(火)

ベリルンドのショスタコーヴィッチ [2006年9月]

パーヴォ・ベリルンド(指揮) ロシア国立管
ショスタコーヴィッチ;交響曲第8番(PentaTone)
HMV

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ミュラー・ショット新譜 [2006年9月]

ユリア・フィッシャー(Vn) ダニエル・ミュラー・ショット(Vc) ジョナサン・ギラード(P)
メンデルスゾーン;P三重奏曲第1・2番(PentaTone)
HMV

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リズレヴァントのバッハ [2006年9月]

ロルフ・リズレヴァント(Lute)
バッハ;リュート曲集(ASTREE)
あの雑誌がクラシック音楽を特集したというので話題になった『エスクァイア(日本版)』9月号(7月24日発売)。
特集の柱が2本あって、一つが「ロシア・ピアニズム」一つが「古楽器サウンド」。
後者の記事で、4人の演奏者が大きく採り上げられており、サヴァールクリスティアレッサンドリーニは有名だが、もう1人のリュート奏者は初めて聞く名前だった。
それがリズレヴァントで、どうやらECMからリリースした新作アルバム " Nuove musiche " が方々で話題になっている様子。
それを聴いてみようかとも思ったが、『天空のスピリチュアル』なる国内盤タイトルがどうにも胡散臭く、パス。
あれこれ捜してみると、バッハ作品集を出しているというので、HMVにオーダーしたもの。
収録曲は、組曲 BWV995組曲 BWV997フーガ BWV1000組曲 BWV1006aの4曲。
リズレヴァントは1961年オスロ生まれ、生地の音楽アカデミーでリュートとクラシック・ギターを学んだ後、バーゼルでホプキンソン・スミスにリュートとバロック・ギターを学ぶ。
1986年からジョルディ・サヴァール率いる諸団体に加わり、1994年に初のソロ録音。また1993年から自分の団体「アンサンブル・カプスベルガー」を主宰している。
ただし、上記『エスクァイア』の記事によれば、オスロでリュートを勉強しながらジャズ・クラブでギターを弾いていたらしい。即興演奏の骨法は、バロックもジャズも同じで、
その時代の弾き方、様式、音楽的感受性を踏まえた上で、あとは自分自身のイマジネーションによって音楽をクリエイトしなくてはいけない。
と語っている。
2000年10月、ベルギー・ボーランドの教会での録音。

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ブーランジェP独奏曲新録音 [2006年9月]

シャルロット・ミュラー(P)
「女性作曲家P作品集」(MSR)
(申し訳ありませんが、本文は後日掲載します。)

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期待どおりの一書 [求書読書録]

工藤庸介;『ショスタコーヴィッチ全作品解読』(東洋書店)
(申し訳ありませんが、本文は後日掲載します。)

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期待外れの一書 [求書読書録]

『武満徹 没後10年、鳴り響く音楽』(河出書房新社)
上記工藤著を捜しているときに音楽書のコーナーで見つけ、表紙に「特別エッセイ・武満眞樹」「インタヴュー・小沼純一」「対談・青山真治×大友良英」とあるので、買ってみた。
一読して落胆、上記の3編以外はほとんど既出の文章の再録で、資料的にも見るべきものがない。

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2006年09月25日(月)

リスト室内管のハイドン [2006年9月]

ジャン・ピエール・ランパル(Fl) ピエール・ピエルロ(Ob) ヤーノシュ・ローラ(指揮) フランツ・リスト室内管
ハイドン;Fl & Ob協集(Sony Classical)
蒐集しているリスト室内管の未架蔵盤2枚組が某オークションに出品されていたので落札。
もちろんランパルやピエルロも聴いてみたい奏者ではあるのだが、彼らの盤を管弦楽のために入手する人は珍しかろう。以前、別な出品者から驚かれたことがある(苦笑)。
1984年10〜11月、ブダペシュトのSashalomカルヴァン派教会での録音。

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2006年09月23日(土)

ウギの四季 [2006年9月]

ウト・ウギ(Vn & 指揮) 聖チェチリア音楽院合奏団
ヴィヴァルディ;Vn協集「四季」 ほか(BMG)
イタリアの美音家ウト・ウギのCDは少しずつ蒐集しているところ、未架蔵しかも西独プレス盤が某オークションに安価で出品されていたので落札したもの。
協奏曲集「調和の霊感」第6番 op.3-6をフィルアップしている。
1988年3月、ローマでの録音。

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畑中良輔氏の歌唱 [2006年9月]

畑中良輔(Br) 三浦洋一(P) ほか
「歌の翼に」(Victor)
畑中良輔氏は長年『レコード芸術』の声楽新譜評を執筆しておられ、その他にも種々の評論を拝読している。
しかし斉諧生的には、かつて宇野功芳師が名著『名曲とともに』の中で、
畑中良輔のバリトンによる大中恩の『五つの抒情歌』(ビクター)も美しい。詩も曲もロマンティックの限りだし、演奏もしみじみと心に訴えて来る。
と書かれ、実際にレコード・コンサートで聴かせてくださったことが印象に強い。
爾来二十数年、畑中氏の名前を見るたびに思い出さずにはいられなかったのだが、迂闊にもCD化されていたことに気付いていなかった。
某オークションでの出品を見て吃驚、ドキドキしながら落札したもの。
その大中恩;五つの抒情歌のほか、信時潔;沙羅などの日本の声楽曲、ヘンデル;オンブラ・マイ・フメンデルスゾーン;歌の翼になど、31曲が収められている。

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2006年09月22日(金)

リベラ・クラシカのハフナー [2006年9月]

有田正広(Fl) 鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ
ハイドン;交響曲第76番 & モーツァルト;交響曲第35番・Fl協第1番(TDK)
オーケストラ・リベラ・クラシカのCDは聴き逃せないと思いつつ、国内盤新譜に手が伸びにくい資金事情が継続しており、このところ購入が滞っている(汗)。
幸い、某オークションに出品された最新盤を落札することができた。
有田さんのFlも久しぶりなので、楽しみである。
2006年1月29日、浜離宮朝日ホールでのライヴ録音。

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ヨェーテボリ響自主製作盤 [2006年9月]

マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮) ヨェーテボリ響
「ヨーロッパの精華」(自主製作)
ヨェーテボリ響の公式Websiteを見ていたら、ディスコグラフィの頁に、現在の首席指揮者・ヴェンツァーゴとの自主製作盤が記載されている。
通販業者のWebpage等にも掲載されているので、いずれ国内にも入荷するのだろうが、↓の100周年記念盤も気になったので、直接オーダーすることにした。
公式Websiteのフォームからでは、なぜかうまくいかないので、メールで問い合わせ、カード情報を送信して処理してもらった。
収録曲では、アルヴェーン;祝典音楽シベリウス;序曲「カレリア」といった北欧音楽が目を惹く(しかし渋いセレクションだ)。
その他ではバッハ;「我らが神は堅き砦」ウェーバー;「舞踏への勧誘」リスト;メフィスト・ワルツ第1番ヴェルディ;序曲「運命の力」ラヴェル;ボレロエルガー;愛の挨拶R・コルサコフ;スペイン奇想曲と、対照的にポピュラーな管弦楽曲が並ぶ。
2005年8・11・12月及び2006年1月、ヨェーテボリ・コンサート・ホールでの録音。

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ヨェーテボリ響100周年記念盤ただし期待外れ [2006年9月]

ネーメ・ヤルヴィ(指揮) ヨェーテボリ響 ほか
「ヨェーテボリ響 1905-2005」(自主製作)
ヨェーテボリ響の記念盤というと、LP時代にBISが出した1930〜78年の貴重な音源を集成した5枚組(しかもその期間中の完璧なディスコグラフィ付き)を思い出す。
それに匹敵する内容を期待してオーダーしたのだが、何とも期待外れ。
曲目的にはステーンハンマルあり、ラーションあり、グリーグ、シベリウス、ニルセンと、言うこと無しなのだが、音源はすべてDGGの提供。
ブックレットは曲目解説に毛が生えた程度の薄っぺらなもの。
そういえば、以前、北欧音楽系の知人から情報を頂戴していたような気がする…(大汗)。

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ルクーVnソナタSP覆刻を祝す [2006年9月]

アンリ・コック(Vn) シャルル・ファン・ランケル(P)
ルクー;Vnソナタ(グッディーズ)
新譜情報をメール・マガジンで配信してもらっているグッディーズから、先だって狂喜乱舞したいニュースが届いた。
SP時代の名演として知られるアンリ・コックのルクーを覆刻するというのである。
直ちにオーダーしたところ、先日入荷の連絡があり、代金送料を振り込んで到着を待っていたもの。
CD-R仕様で、PCで印刷したとおぼしい手作り感溢れる白ジャケット。もう少し何とかならなかったのかとも思うが(苦笑)、この貴重な覆刻には文句などつけられない。
覆刻作業には新忠篤氏が協力されたとのことで、氏の手になる他の覆刻盤同様、針音ノイズを敢えて排除せず、鮮度の高い再生音を聴かせてくれる。SPの面が替わるところも、敢えてつながず、ギャップを残す。
なお、録音年が従来1930年又は1932年と言われていたが、この盤では1932年と表記されている。
近々、第2回の発売も企画されているようだ。
できればコックが加わっているルクー;P四重奏曲も覆刻してもらいたいものだ。

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コルトのシベリウス [2006年9月]

カジミシュ・コルト(指揮) ニュー・フィルハーモニア管
シベリウス;管弦楽曲集(英DECCA、LP)
贔屓の指揮者の一人、コルトにシベリウス録音があることは承知しており、CDでも見かけていた。
アナログ録音ゆえ、できればLPでと思っていたところ、eBayに安価で出品されていたので落札。
録音データは明記されていないが、マルP・マルCは1977年。当時DECCAが熱心だった"Phase4"方式で録音されたらしく、そのロゴがジャケットに入っている。
収録曲は、交響詩「フィンランディア」「トゥオネラの白鳥」組曲「カレリア」「悲しきワルツ」と、シベリウス管弦楽曲集としてはこれ以上ないほどのポピュラー名曲である。

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2006年09月20日(水)

マルケヴィッチの芸術 [2006年9月]

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) シンフォニー・オヴ・ジ・エア
ベートーヴェン;交響曲第3番 ほか(DGG)
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) モスクワ・フィル ほか
ヴェルディ;レクイエム(Philips)
先月、ユニバーサルからマルケヴィッチの芸術と題してDGG・Philips音源で全20点のシリーズが発売された。
基本的にはオリジナル・ジャケットを採用していることもあり、全点買っておきたいのは山々だが、ほとんどはCD架蔵済み。DGG ORIGINAL MASTERSのセット物との重複が多い。
とはいえ見落とせない音源がいくつかあり、特に「エロイカ」の余白に収録されたインタビュー(1957年2月、ニューヨーク)と、世界初CD化のヴェルディ;レクイエムは、是非とも買わざるべからず。
 
インタビューは16分ほどのもので、アメリカでのスケジュールや「春の祭典」、作曲家としての活動、レコーディングや教育活動について、語っている(対訳付)。
終わり近くで「どこかのオーケストラの音楽監督になることをお考えですか?」と訊ねられたときに「ずいぶんぶしつけな質問ですね(笑)。」と回答を避けたのは、彼のキャリアの背景を想像させて興味深い。
また、自分のレコードの中で特に気に入っているものは、という問いに、ハイドン;天地創造(ベルリン・フィル、DGG)を挙げているのも面白い。
 
初CD化で音質面に期待したヴェルディだが、残念ながら大きな改善は見られなかった。メジャー・レーベルから発売される録音(1960年)として、水準に達するものではない。
どこかに良質なマスター・テープが残っていないものだろうか(嘆)。

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見落としていたノイマンのマーラー3番再発 [2006年9月]

ヴァーツラフ・ノイマン(指揮) チェコ・フィル ほか
マーラー;交響曲第3番(EXTON)
ノイマン晩年の、未完となったマーラー交響曲全集(CANYON)を少しずつ集めてきた。
先月末、オークションで第1・4番を入手したときの記事で、
残すは第3番のみとなったが、これは難関になるだろうなぁ…。
と書いたばかりだが、今日立ち寄った音盤屋にEXTONレーベルからSACDハイブリッド規格で再発されたものが並んでいる。
どうも国内盤には目が行き届かないので行けない。反省の極みだ。
1994年8〜9月、プラハ「芸術家の家」ドヴォルザーク・ホールでの録音。
ポストホルンを名手ミロスラフ・ケイマルが吹いている。
もちろんズィコフさんの評価は
もう、なんと言ったらいいのか分からない。圧倒的な演奏である。
と最高級のもの。

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見落としていたブーランジェ新譜 [2006年9月]

佐藤俊介(Vn) 佐藤卓史(P)
「プレリューズ」(LIVE NOTES)
佐藤俊介という若いVn奏者がイザイ;無伴奏Vnソナタや小品集を出しているのは知っていたが、そこまでは追っかけきれないやと放置していた。
先日、当盤のピアニストの公式WebsiteからヴァイオリニストのWebsiteへ飛んで、ディスコグラフィをチェックしていると、今年3月に発売されたこの小品集にリリー・ブーランジェ;夜想曲が含まれていることに気がついた。
これはしたり!
『レコード芸術』誌にも曲目詳細が載っているのに、チェックを怠っていた(汗)。
早く入手せねばと焦っていたところ、今日、退勤時に立ち寄った音盤屋に在庫があり、これ幸いと購入したもの。
ブックレットによれば、現在パリでジェラール・プーレに師事している佐藤が、レッスンで「夜想曲」を弾いたところ、プーレは「実になつかしい。私の父がいつも演奏していた曲だよ」と言ったという。
プーレの父ガストン(1902〜1974)は指揮者としても知られているが、元来ヴァイオリニストで1917年5月にドビュッシー;Vnソナタを作曲者と初演した人物である。
ブーランジェ作品のほか、16曲の小品を収める(詳細は公式Website参照)。
2005年11月、神奈川県・伊勢原市民文化会館での録音。

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2006年09月19日(火)

日系Vn奏者のバッハ無伴奏 [2006年9月]

シュザンナ・ヨーコ・ヘンケル(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(the spot records)
WWWのどこをどう彷徨ったのかシュザンナ・ヨーコ・ヘンケルというVn奏者の公式Websiteを見つけた。
一つ前が指揮者・川本貢司氏のblogだったことは憶えているが、そこまでの流れは記憶が消失してしまった(汗)。
ヘンケルは1975年ドイツ人の父親と日本人の母親という音楽家の家庭に生まれ、1997年のエリーザベト王妃コンクール、1998年及び翌年のティボール・ヴァルガ・コンクールなどで入賞。その後ドイツで活動し、現在はクロアチア出身の夫君とともにザグレブに住まいするとのこと。
バッハ;無伴奏Vnの全曲盤をリリースするというので独amazonにオーダーしようと考えていると、Web上の知人からCD Babyでも入手できると教えていただいた。
送料が格段に安い後者にオーダー、10日ほどで到着したもの。
2004年7・8月、ドイツのヴィーブレヒツハウゼン・クロスターグートの聖マリエン教会で録音された。
なお、使用楽器は1705年製G.B.ロジェリ。

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ブーランジェP独奏曲新録音 [2006年9月]

シェイラ・アーノルド(P)
「主題と変奏」(MASTER ARTS)
リリー・ブーランジェの作品が収録されているCDを独amazonで見つけてオーダーしたのだが入荷しないので、Marketplaceの方で購入したもの。
例によってフェミニズム・アルバムで、エリザベート・ジャケ・ド・ラ・ゲール(1665〜1729)やルイーズ・ファランク(1804〜75)、タチアナ・コマロヴァ(1968〜、ピアニストラルス・フォークトの奥さんらしい)の作品を収めている。
ド・ラ・ゲールの作品はハープシコードで、ファランクの作品はエラールのフォルテピアノで、ブーランジェとコマロヴァは現代のスタインウェイで、弾き分けているのが特徴。
目当てのブーランジェ作品は、録音の多い「明るい庭で」・「古い庭で」・「行列」の3曲と、これがようやく2種目の録音となる「主題と変奏」が含まれている。
なお、アーノルドはインド生れのドイツ育ち、ザルツブルク・モーツァルト・コンクールやクララ・ハスキル・コンクールでファイナリストに選ばれ、ヨーロッパを中心に演奏活動を行っているとのこと。
↑の公式Websiteによれば、他に数点のCDを出しているようだ。
2002年9月、WDRケルン放送局のクラウス・フォン・ビスマルク・ザールでの録音。

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2006年09月18日(祝)

マルケヴィッチのグリンカ [2006年9月]

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) コンセール・ラムルー管 ほか
グリンカ;歌劇「皇帝に捧げし命」(仏EMI、LP)
マルケヴィッチが遺した録音のうちLPを架蔵していないものを少しずつ補っていこうと考えているところ、標記グリンカ作品がeBayに安く出ていたので落札してみた。
もっともオリジナルではなく1980年頃に発売されたらしい再発盤。

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2006年09月15日(金)

宮下誠の新著 [2006年9月]

宮下誠『20世紀音楽 クラシックの運命』(光文社新書)
出張にでかけて昼食時間に最寄りの書店を覗くと、昨年の正月休みに『迷走する音楽』(法律文化社)をワクワクしながら読んだ宮下誠の新著が並んでいたのに吃驚。もちろんすぐ購入。
帯に「流れを俯瞰 ヴァークナーからジョン・アダムズまで」とあり、450頁ほどの大冊にヴァーグナー・ブルックナー・ブラームスからライヒ・グラス・ナイマン・アダムズまで、無慮84人の作曲家が採り上げられている。
著者は、「20世紀が『わかって』、『楽しくて』、『おもしろい』、そしてなおその上、今を生きるわたしたちに何らかのかたちで深く関わりを持つ『認識』をはらむ音楽をいかに多く生産してきたか」を概観し、読者にそれらの曲を聴いてもらいたい、という。
比較的紙幅が与えられているのは、マーラーシェーンベルクヴェーベルンオルフブゾーニヒンデミットアイネムRVWショスタコーヴィッチメシアンシュニトケリームといったあたり。
他は1頁内外、1曲のみという程度の扱いであるが、人選・選曲・選盤に著者の苦心が感じられる。
斉諧生的にはステーンハンマルが
交響曲にはなお後期ロマン派の余薫が満ちているがすでに北欧のみが生み出しうる独特の個性を確かに感じ取ることができる
と評価されているのが嬉しいところ(独立の項目を立ててもらうには至らなかったが、新書の規模ではやむを得まい。リリー・ブーランジェも掲載されていない)。
なお、巻末の音盤紹介で、シマノフスキの項に「作曲者自演盤が安価で入手可能」と書いてあるのは不審。おそらく次のルトスワフスキの記事の一部が誤って入り込んだのであろう。
 
(附記)
斉諧生はまだ斜め読みだが、既に庭は夏の日ざかりさんに充実したレビューが掲載されている。(9月17日)

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2006年09月14日(木)

長谷川陽子さんのシューマンを聴く [演奏会出没録]

多忙化する本業の合間を縫って、大阪フィル第401回定期を聴きに行く。
会場は、ザ・シンフォニー・ホール。
我らが長谷川陽子さんが出演され、シューマン;Vc協を演奏されるからには、聴き逃せない。
彼女の同曲、斉諧生は初めてなのだ。
指揮はイルジー・ビエロフラーヴェク
これまであまり重視してこなかった人だが、最近BBC響の首席指揮者に就任。
プロムスあたりで聴いた人の話では、とても良い指揮者ということなので、期待したい。
 
1曲目はヤナーチェク;歌劇「死の家の記録」序曲
ヤナーチェクのオペラには馴染みがなく(課題の一つには数えているのだが、何せ課題が多すぎる(苦笑))、初めて聴く曲。音盤も架蔵していないのではないか?
性格的な主題がロンド形式で展開される、わかりやすい音楽。ドヴォルザークスメタナに近いものを思わせる。
トランペットが主題を悲痛に叫んで曲を閉じるのも、オペラ本体へのつなぎとしてわかりやすい造り。
打楽器のパートで耳慣れない音がしているので何かと思ったら、金属製の鎖を下に置いた金属板(?)に落としているのだった。
ドストエフスキーの原作どおり監獄が舞台だから、受刑者の存在を象徴する音なのだろう。ちょっと具体的すぎるように感じたが。
 
2曲目が目的のシューマン
実はこの曲、今のところ苦手な音楽。どう聴けばよいのか、まだよくわからない。
今日のパンフレットに
(シューマンの)交響曲第1番・第2番をライプツィヒ・ゲヴァントハウスで指揮してくれたメンデルスゾーンへのオマージュでもありました。急緩急の3楽章を切れ目なく演奏するスタイルは、(略)メンデルスゾーンの傑作、ヴァイオリン協奏曲(1844)がモデルです。
とあり、ああなるほど、と思った。あの曲と同じ世界だと思って聴けばよいのだ。
果たして長谷川さんの独奏は、力こぶを入れず、インティメイトな歌を紡ぐ趣。
まあ技巧的なパッセージが(メンデルスゾーンと違って)華やかな印象を与えないのは、シューマンの持ち味のうちかもしれない。
管弦楽の鳴りも重からず。しっとりとした美しいテクスチュアでソロをサポートする。
これも指揮者の手腕・音楽性と感じ入った。モーツァルトなども聴いてみたい人だ。
なお、アンコールは無し。
 
メインのマルティヌーも、たしか初めて聴く。正直申して、この作曲家の渡米後の作品には、あまり期待していない。
第1楽章はガーシュウィンの名でも出てきそうな、賑やかな音楽。第2楽章ではトリオで弦の歌が美しく、第3楽章は高音域で歌うVnとピアノが鳴らす鐘の音が少しだけショスタコーヴィッチ;交響曲第5番を思わせる。
この曲でもビエロフラーヴェクは素晴らしく、的確な棒さばきで力強くオーケストラをリードし、みごとな音楽をまとめ上げた。
大フィルの音も含めて、喧噪にわたらず、しっとりした音楽になったのは、指揮者の力だろう。
マルティヌーの管弦楽作品をCHANDOSやSupraphonに多数録音しているから、十八番なのだろうけれど。
曲自体への苦手感は解消できなかったけれども、ビエロフラーヴェクは、また聴いてみたい。
モーツァルトやブラームス、あるいはマーラーやストラヴィンスキーあたりが、彼の実力を十二分に発揮できるプログラムではなかろうか。

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Mr.Sのベートーヴェン第4弾 [2006年9月]

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮) ザールブリュッケン放送響
ベートーヴェン;交響曲第5・6番(OEHMS)
↓のモンテヴェルディをHMVにオーダーする際、25%引になるよう、膨大なウィッシュリスト(苦笑)から在庫があって比較的安価な盤から選んだもの。
第5番は2005年10月、第6番は同年10〜11月、それぞれザールラント放送局大ホールでの録音。
「田園」の終楽章、ピアノに音量を落とすところで「シーッ」という指揮者の声が入っているのは、ライヴ収録がもとになっているのか、それともスタジオ録音「にもかかわらず」なのだろうか?

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シマノフスキのVn協第1番 [2006年9月]

ジェニファー・コー(Vn) カルロス・カルマー(指揮) グラント・パーク管
シマノフスキ;Vn協第1番 & マルティヌー;Vn協第2番 ほか(CEDILLE)
韓国系アメリカ人(シカゴ生れ、ニューヨーク在住)のVn奏者ジェニファー・コーは、以前シューベルト;幻想曲ほかのCDを購入した。
シマノフスキ作品を録音したという情報をレーベルの公式Websiteで見かけ、これが第2番だったら即オーダーなのだが、と思っていた。
今回某オークションで安価な出品を見かけたのを機に落札したもの。
指揮者は時々見かける名前だが、オーケストラは初耳。シカゴの夏に行われるグラント・パーク音楽祭のレジデント・オーケストラで、1943年にニコライ・マルコが創設し、レナード・スラトキンデヴィッド・ジンマンらを首席指揮者に擁してきたという。
この音楽祭は、Jay Pritzker Pavilionという野外音楽堂を中心に行われる無料コンサートなのだそうだが、パヴィリオンのデザインがロサンゼルスのWDCHに似ていると思ったら、案の定、同じデザイナー(フランク・ゲーリー)の手になるものだった。
標記2曲のほかバルトーク;2つの肖像 op.5をカプリング。
シマノフスキは2004年7月、他は2005年7月に、シカゴ・ミレニアム・パーク内のハリス劇場でライヴ録音された。

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リステンパルトのモーツァルト [2006年9月]

ジャン・クロード・ペネティエ(P) カール・リステンパルト(指揮) ザール室内管
モーツァルト;P協第22・23番(Universal)
一昨日、イッセルシュテットエルリ盤を買った Accord - Universal シリーズのうち、店頭になかったものをHMVにオーダーしたもの。
リステンパルトはバッハ;フーガの技法以来、大ファンになった指揮者だが、モーツァルトではどうだろうか楽しみである。
Club Français du Disque 原盤、1967年4月録音。

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ピカイゼンの無伴奏曲集 [2006年9月]

ヴィクトル・ピカイゼン(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲) & パガニーニ;奇想曲(全曲) ほか(MELODYA)
ダヴィード・オイストラフの高弟ピカイゼンのバッハとパガニーニは、既にLPで架蔵している。
トレチャコフあたりと同様日本での知名度(一般的な評価)はあまり高くないようだが、バッハ演奏など実に真っ当で素晴らしい。
Web上の知人からCD入荷の情報を得て、コンサートの前に大阪の大型音盤店に立ち寄って購入したもの。
標記2曲集のほかハチャトゥリアン;無伴奏Vnソナタ「モノローグ」(ピカイゼンに献呈されたそうな)、ヴァインベルク;無伴奏Vnソナタ第3番などを収めた5枚組。
バッハは1971年、パガニーニは1967年の録音で、その他は1958〜83年に及ぶ。
なお、いつもお世話になっているt.s.さんが、既にバッハのレビューを掲載しておられる。

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マクリーシュのヴェスペレ [2006年9月]

ポール・マクリーシュ(指揮) ガブリエル・コンソート ほか
モンテヴェルディ;聖母マリアの夕べの祈り(ARCHIV)
7月にロバート・キング盤(Hyperion)が出たばかりの「ヴェスペレ」、早くも新盤が登場。バッハ以前の音楽では最高の傑作ゆえ、当然のことかもしれないが。
過去にシュナイト盤・ガーディナー盤という同曲の決定盤をリリースしてきたARCHIVによる新録音ゆえ、期待せずにはいられない。
HMVのWebpageで入荷済みという表示を見て、即座にオーダーしたもの。
マクリーシュらしく声楽は総勢12人のアンサンブルにより、曲順も独特(マニフィカトの後にソナタデュオ・セラフィムなどが配置される)。
また、器楽にはわざわざ2挺のヴァイオリンをこの録音のために特注したという(特別Websiteあり)。
斉諧生的には、6声のマニフィカトミサ・イン・イッロ・テンポレが略されたのは残念(そのためかCD2枚に収まっている)。
2005年11月、イギリスのケント州トンブリッジでの録音。

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2006年09月13日(水)

タバコフのマーラー3・6・9 [2006年9月]

エミール・タバコフ(指揮) ソフィア・フィル ほか
マーラー;交響曲第3番(CAPRICCIO)
 
エミール・タバコフ(指揮) ソフィア・フィル
マーラー;交響曲第6番(CAPRICCIO)
 
エミール・タバコフ(指揮) ソフィア・フィル
マーラー;交響曲第9番 ほか(CAPRICCIO)
タバコフとソフィア・フィルによるマーラーは、安価なことでも気になっていたのだが、やはりスペースのことを考えると、全集を買うのことは躊躇していた。
先だって楽天フリマで格安のばら売りがあり、欲しい3曲だけを注文したもの。
第6番は第2楽章スケルツォ、第3楽章アンダンテの順を採用。第9番には第10番アダージョをカプリング。
録音年月は第3番が1990年4月、第6番が1993年10月、第9番が1991年3月、第10番は1987年4月、いずれもブルガリア・ソフィアのブルガリア・コンサート・ホールでの収録。

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ヴェラーのハンガリー舞曲 [2006年9月]

ヴァルター・ヴェラー(指揮) ロイヤル・フィル
ブラームス;ハンガリー舞曲第1〜21番(DECCA)
贔屓の指揮者の一人ヴァルター・ヴェラーの未架蔵盤が某オークションに格安で出品されていたので落札。国内盤だが、デジタル録音でもあり、良しとしよう。
1982年5月、ロンドンのキングズウェイ・ホールでの録音。

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玉井菜採リサイタル盤 [2006年9月]

玉井菜採(Vn) 稲垣聡(P)
バッハ;無伴奏Vnパルティータ第1番 & プロコフィエフ;Vnソナタ第1番 ほか(自主製作)
某オークションを見ていたら、京都でよく演奏会に登場される玉井菜採さんのCDが出品されていた。どうやら自主製作盤らしく、興味を惹かれて落札。
1995年12月17日、滋賀県石部町文化ホール(現在は湖南市石部文化ホール)で行われたリサイタルのライヴ盤で、石部町教育委員会が製作し、関係者に配布したらしい(町長の個人名が「ジェネラル・プロデューサー」として明記され、献呈の辞まで入っているのが悪趣味だが)。
昨年から東京芸術大学助教授を務めておられる玉井さんも、当時は桐朋学園大を卒業(1994年)したばかり、オランダへ留学してヘルマン・クレバースに師事しておられた頃である。
お生れは京都(それゆえ京都で演奏会が多いのだ)、4歳の時に滋賀県大津市に転居されたことで、「本県出身演奏家」という扱いで上記ホールに登場しCDが製作されることになったらしい。
標記2曲の前にモーツァルト;Vnソナタ ト長調 K.301を、後に(アンコールか?)ヴィニャフスキ;スケルツォ・タランテラマスネ;タイスの瞑想曲が演奏される。

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バッハ無伴奏Vc組曲新入荷 [2006年9月]

ニコラス・ドゥルタイユ(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(Contréclisse)
9月2日の項に書いた、Nicolas DeletailleのバッハがCD Babyから届いた。
(このWebsiteはマイナーレーベルや自主製作盤が入手できるので本当に重宝する。日本でも同様のビジネスが成り立たないものか。)
ブックレットは2ツ折り、録音データとトラック・リストだけの簡素なもの。
公式Websiteによって略歴を追うと、ドゥルタイユは1979年ブリュッセル生れ。ベルギー・エリザベス女王音楽院とジュリアード音楽院に学び、独奏者・室内楽奏者として活躍中(日本にも来たことがあるらしい)。
この録音ではエリザベス女王音楽財団から貸与された1619年製アマティのチェロを使用している(第6番のみ2002年製のチェロ・ピッコロによる)。
この稿を執筆しながら聴いているが、なかなかの好演だ。
ドゥルタイユは今年1月にパウル・バドゥラ・スコダシューベルト;アルペジオーネ・ソナタをアルペジオーネとフォルテピアノで録音したというから、そちらもリリースが楽しみだ。
2005年9月の録音。

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ジョン・ルイスの平均律第4巻 [2006年9月]

ジョン・ルイス(P) ほか
バッハ(ジョン・ルイス編);プレリュードとフーガ vol.4(Philips)
先ごろ第1・2巻を入手したジョン・ルイスの平均律クラヴィーア曲集の最終巻が、某オークションに安く出ていたので購入。
この巻には第12・14・17・18・20・23・24番を収録しており、先行巻同様、プレリュードはピアノ・ソロ、フーガはVn(又はVa)・Cb・Gを加えている。
ブックレットにルイスの文章が掲載されており、
(自分の狙いは)バッハの原曲が持つ構造と各曲の性格をそこなうことなく、いかにして、そこに自然かつアーティスティックな仕方でインプロヴィゼーションの要素をとり入れるか、でした。
と述べている。
1989年12月、ニューヨーク・アセンション教会での録音。
さあ、残すは第3巻だ。

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2006年09月12日(火)

ハイティンクBPOのマーラー [2006年9月]

ベルナルト・ハイティンク(指揮) ベルリン・フィル
マーラー;交響曲第1番(Philips)
 
ベルナルト・ハイティンク(指揮) ベルリン・フィル ほか
マーラー;交響曲第3番(Philips)
 
ベルナルト・ハイティンク(指揮) ベルリン・フィル
マーラー;交響曲第5番(Philips)
マーラーの交響曲では3・6・9番と大地の歌を愛聴しているが、ハイティンクとベルリン・フィルの全集録音が未架蔵で気になっていた。某オークションeBayで、出てくることもあるのだが、けっこう高値が付いている。
いずれは廉価箱物化するだろうと気長に構えていたのだが、先日、某オークションに3曲まとめての出品があった。
格安とは言えないにしても、CD4枚分としては割安の値付けだったので応札したところ、無競争で落札できた。(あれ、再発のニュースか何かあったのかしらん、と不安になるのも「業」か…。)
まあ、レギュラー盤で少しずつ揃えるのも一興か。ココシュカの画をあしらったジャケットも美しいし。
(そういえば、かつてクーベリック盤LP(DGG)はクリムト、バーンスタイン盤CD(DGG)はエルテと、マーラー全集のジャケットは名画シリーズが目立つ。)
1番が1987年4月、3番が1990年12月、5番が1988年5月、いずれもベルリン・フィルハーモニーでの録音。

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シュミット・イッセルシュテットのハンガリー舞曲 [2006年9月]

ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮) 北ドイツ放送響
ブラームス;ハンガリー舞曲第1〜21番(Universal)
出張の帰りに音盤屋に寄ると、以前Accordレーベルが原盤を持っていた音源を、UniversalがまとめてCD化してくれるシリーズの一部が入荷していた。
当盤は元来、Club Français du Disque音源だが、LPはあちこちから再発されており、手もとにあるのは仏MUSIDISC盤。
おそらく今回が世界初CD化と思われる。もちろん、買わざるべからざる1枚である。
1962年9月、ハンブルク・ムジークハレでのステレオ録音。

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サロネンの「ハルサイ」新録 [2006年9月]

エサ・ペッカ・サロネン(指揮) ロサンゼルス・フィル
ストラヴィンスキー;バレエ音楽「春の祭典」 & バルトーク;組曲「中国の不思議な役人」 ほか(DGG)
今日音盤屋に立ち寄った目的の1枚。
サロネンの「ハルサイ」といえば、フィルハーモニア管を振ったSony盤が、極めてスマート、かつ目の眩むようなスピード感に満ちた名演だっただけに、新録、しかも手塩にかけてきた手兵とのライヴ盤には注目せざるべからず。
標記2曲にムソルグスキー;禿山の一夜(原典版)をカプリングしている。
2006年1月、ウォルト・ディズニー・コンサートホールでの収録。

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待望の覆刻エルリのバッハ [2006年9月]

ドゥヴィ・エルリ(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(Universal)
上記イッセルシュテット盤と同じシリーズから。
これはもう待望の覆刻!
エルリは1928年生れ、フランスの名手・名教師、現代音楽の旗手として有名な奏者だが、音盤には恵まれず、したがって日本では知名度が低いようだ。
彼のオリジナルLPはeBayあたりで、手の出ないような値が付いており、このバッハも半ば諦めていたところ。
思いがけず廉価でのCD化には万歳三唱で、今日は上記サロネン盤だけで辛抱する予定だったのが、当盤を見かけたからには放っておけず、レジへ持参したもの。
1969年録音。

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ステーンハンマルのピアノ曲全集第1巻 [2006年9月]

スタファン・シェーヤ(P)
ステーンハンマル;3つの幻想曲・「晩夏の夜」・Pソナタ ト短調(Altara)
イギリスの新興レーベルAltaraから、スタファン・シェーヤによるステーンハンマル;P曲全集(全3巻予定)が出ると聞いたのはいつだったか。
鶴首していたその録音の、1枚目が8月下旬にリリースされるというので、毎日毎日、レーベルの公式Websiteを見ていたところ、ようやく9月7日になってオンライン・ショップに掲載されたので、即座にオーダー。
1週間も経たずに届いたのは誠に嬉しい(送料込みで2,800円弱)。
しかもステーンハンマルのP独奏作品中、もっとも聴き応えのある3曲のカプリング! (1枚目に固めてしまっていいのかしら?)
かつては白面の貴公子だったシェーヤも、ちょっと老け込んだ顔になっているが、ピアニズムの深まりに期待したい。
2004年12月及び2005年6月、スウェーデン・ヴェステロスのコンサート・ホールで録音された。

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モルクの映像 [2006年9月]

パトリック・ガロワ(Fl) トルルス・モルク(Vc) ほか
モーツァルト;Fl四重奏曲第1番 ほか(日フォノグラム、LD)
ガロワにまだ「フルートの貴公子」という枕詞が付いていた頃、1991年に国内盤が発売されたレーザーディスク。
ガロワに関心がないわけではないが、このLDを捜していたのはほかでもない、モルクがチェロで参加しているからである。もしかしたら彼の日本におけるレコード・デビューではなかったか?
1990年夏のプラド・カザルス音楽祭におけるライヴ収録、とされている(マイクが映っていないのと、音の感じからして、音声と映像が別々に収録されたものかもしれない)。
モルクの様子も初々しいが、可笑しいのは他の3人が白のジャケットなのに彼だけが黒の上着を着ていること。
ジョルジュ・ブゾネが製作・監督した、正規の映像作品なのに、どうして白を用意してこなかったのだろう?(笑)
もちろん演奏の方は、モルクの美音と音楽性が存分に発揮されたものだが。
共演はペーター・ツァバ(Vn)、ピエール・アンリ・クセルブ(Va)。
カプリングはベートーヴェン;セレナード ニ長調で、FlとVnは同一奏者、Vaを往年の名手ワルター・トランプラーが弾いているのが凄い。
なお、ライナーノートで紹介されているのはガロワとトランプラーのみという点、年代を感じさせる。

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2006年09月11日(月)

ウト・ウギ未架蔵盤 [2006年9月]

ウト・ウギ(Vn) ヴォルフガング・サヴァーリッシュ(指揮) ロンドン響 ほか
ベートーヴェン;Vn協 & メンデルスゾーン;Vn協(BMG)
イタリアの美音家ウト・ウギのCDはそこそこ集めたつもりだったが、なんとこんな大曲を漏らしていたとは…!
eBayに出品を見かけ、念のためチェックしてみたところ、未架蔵に気付き、慌てて落札したもの。
共演者もベートーヴェンはサヴァーリッシュ、メンデルスゾーンはジョルジュ・プレートル、ともに看過できない名匠である。
ジャケットに蝶の写真が掲載されている廉価盤シリーズの1枚だが、ドイツ・プレスなのもポイント。概して、この時期のBMG盤はアメリカ・プレスとドイツ・プレスで音が違う(もちろん後者が優秀)。

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2006年09月07日(木)

死ぬまでに聴いておくべき14曲 [求書読書録]

大嶋逸男『クラシック、これを聴いてから死ね!』(青弓社)
行政書士・社会保険労務士を本業とする著者が「一音楽ファンとして感じたり考えたことを書き綴り、ひとつの集大成としてまとめた」ものという。
「一生のうちに聴いておくべき曲」として次の14曲を選び、それぞれかなり多くの演奏について短評を加え、いくつかに推薦・超推薦の印を付している。
アルビノーニ;アダージョ
バッハ;無伴奏Vc組曲
バッハ;マタイ受難曲
バッハ;アリア(管弦楽組曲第3番)
モーツァルト;Pソナタ第11番「トルコ行進曲」
モーツァルト;P協第21番
モーツァルト;交響曲第40番
モーツァルト;レクイエム
ベートーヴェン;Pソナタ第8番「悲愴」・14番「月光」
ベートーヴェン;交響曲第5番
フォーレ;レクイエム
マーラー;アダージェット
バーバー;弦楽のためのアダージョ
所々にコラムが挿入されていたり、巻末に「なるべく聴いておくべき曲」としてグレゴリオ聖歌から武満徹;ノヴェンバー・ステップスまでのリストが掲げられている。
題名の品格と多少保守的なセレクション・演奏観に疑問を持ちつつも、バッハ;無伴奏Vc組曲で我らが長谷川陽子盤に「推薦」印を付けておられる点を評価して、購入。

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コンドラシンとドレスデンのショスタコーヴィッチ [2006年9月]

キリル・コンドラシン(指揮) シュターツカペレ・ドレスデン
ショスタコーヴィッチ;交響曲第4番(Profil)
毎回同じことを書くのも恥ずかしいが、Profilレーベルのライヴ盤には食指の動く録音が多いものの、多すぎて(苦笑)フォローしきれていない。
当盤も気にはなったものの買わずにいたのだが、工藤さんの「音楽にまつわる覚え書き」を拝読して、これは聴かざるべからずと、あくる日に音盤屋へ馳せ参じて購入。
間違いなく本年最大の収穫である。(略)全体の確かな構成、息の長いクライマックスを実現する緻密な設計、唯一無比の適切なテンポ設定といった基本的な解釈は、当然ながら完璧。凄いのは、全ての音が圧倒的な表現力と意志を有していること。強奏部の凄惨さもさることながら、いつ暴発してもおかしくないぎりぎりの緊張感に貫かれた弱奏部の雄弁さが、際立って素晴らしい。長大な作品にも関わらずあっという間に終るように錯覚させられてしまう集中度の高さと、しばらくは他の音楽を聴きたくなくなるような巨大で深刻な余韻の前には、いかなる形容も無力だ。
1963年2月23日に行われた東ドイツ初演(ソ連国外での初演)のライヴ録音で、放送用に収録された音源のため、モノラルながら非常に優秀な音質である。

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2006年09月06日(水)

フランチェスカッティのショーソン「コンセール」 [2006年9月]

ジノ・フランチェスカッティ(Vn) ロベール・カサドシュス(P) ギレーQ
ショーソン;Vn、Pと弦楽四重奏のための協奏曲(グリーンドア)
蒐集しているショーソン作品、フランチェスカッティとカサドシュスの録音は米盤LP(6eyes)と仏Sony盤CDを架蔵しているが、グリーンドア盤の音質に期待して、某オークションで落札したもの。
仏Sony盤CDと比較試聴してみたが、音の柔らかさ・自然な伸びでは1枚も2枚も上。やや籠もる感じがつきまとうが、これは好きずきだろう。
なお、グリーンドア盤で気になるのは、録音データ等を記載していない点で、当盤も例外ではない。
Sony盤によれば1954年12月録音、翌年の作曲者生誕100年に向けた製作であった。

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シセルの北欧民謡 [2006年9月]

シセル・シルシェブー(Vo) ほか
「北欧の冬の夜」(Universal)
ノルウェーの歌姫、シセル・"クリスタルヴォイス"・シルシェブーがノルウェー、スウェーデンやデンマークの民謡を歌った新作アルバムがあるという。
クロスオーヴァーものは好かないが、北欧民謡とあらば是非聴いてみたいのだが、上記3カ国限定のローカルリリースで、一般の通販サイトでは入手できないらしい。
現地の通販サイトにオーダーしようとしたがシステムの不具合だか何だかうまくいかず、あちこち捜してeBay上で販売していたアメリカの業者から購入。
全部で13曲が歌われており、中に1曲、スペイン民謡として例の「禁じられた遊び」が入っているのが少し不思議だ。
編曲は勿論ポップス系の色彩が濃いが、弦楽セクションにトロンハイム・ソロイスツが加わっている。
ボーナスDVDが附属しており、内容は「シセル・イン・シンフォニー」(2001年)のライヴ映像であった。

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2006年09月05日(火)

ミュンヒンガーのベートーヴェン [2006年9月]

カール・ミュンヒンガー(指揮) シュトゥットガルト放送響
ベートーヴェン;交響曲第2・3・6・7番(Disky)
LP末期、第3・6番は国内盤が出ていたが、たしか「バロック専門家が無理に手を出した凡庸な出来のベートーヴェン」という趣旨の評で片付けられていたと記憶する。
(『レコード芸術』誌のイヤーブックで確認したところ、第2・7番も発売されていた。第3番は諸井誠氏が推薦、他の曲は無印。)
そのためリリース情報を見ても何の興味も起こさなかったのだが、浮月斎大人のblogを拝読していて驚愕。
自然な力感でありながら、何と氣品と氣骨があり、高邁な音樂精神に盈ちた演奏であることか! 「エロイカ」あたりではやや古風な表現も聽けるが、コクのある響き、和聲處理の純度の高さ、しかもざつくりした氣概も失はない堂々たる恰幅。雄大な響きと推進の流れに安心して耳を委ねてしまつた。さすがはアーベントロート門下生! 「エロイカ」や2番もよいが、特にこの「田園」の美しき歌たちと清冽さに心打たれてしまつた。
と絶賛しておられる。
これは自分で聴いて確認せざるべからずと、1,000円を切る価格で提供しているHMVにオーダーしたもの。
ブックレットは添付されておらず、ジャケットにもデータは記載されていないが、上記国内盤LPのデータでは、第6番が1979年5月、第3番が1983年10月、第2・7番が1985年11月の録音。
第3番は日本からのリクエストで製作されたものという。

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剛直ケンペンのブルックナー [2006年9月]

パウル・ファン・ケンペン(指揮) オランダ放送響
ブルックナー;交響曲第4番(グリーンドア)
最近盛行している板起こし覆刻CDの中では、グリーンドア盤の音質が優れており、斉諧生のツボを突く企画ともども感服しているのだが、いかんせん税込およそ2,500円では、なかなか手を出す気になれない。
今回、タワーレコードで3割強の割引セールがあったので、どうしても気になるもの2枚に絞ってオーダーしたもの。
ケンペンの指揮は、学生時代にベルリン・フィルとの「エロイカ」を聴いて以来(1,300円の廉価国内盤LPだった)、注目している。
彼にブルックナーの正規録音があるとは迂闊にも知らなかった。1954年のテレフンケン録音とのこと。

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アンゲルブレシュトのラヴェル・グリーンドア盤 [2006年9月]

デジレ・エミール・アンゲルブレシュト(指揮) シャンゼリゼ劇場管
ラヴェル;管弦楽曲集(グリーンドア)
上記ケンペン盤同様、タワーレコードのグリーンドア・セールから。
アンゲルブレシュトの仏デュクレテ・トムソン録音を英オリジナル盤から起こしたものという。
既にTESTAMENTからCD覆刻されているが彼の遺産は架蔵せざるべからず、本来なら発売と同時に購入すべきところだが、財布の都合で(汗)ついつい買いそびれていたもの。

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浦川さんのモーツァルト協奏曲全集 [2006年9月]

浦川宜也(Vn) 林千尋(指揮) ブラチスラヴァ・スロヴァキア国立放送響 ほか
モーツァルト;Vn協全集(fontec)
先だってのソナタ集に続き、買いそびれていた浦川氏のモーツァルト;協奏曲全集を某オークションで落札。
通常収録される第1〜5番だけでなく、第6・7番コンチェルトーネK.190・協奏交響曲K.364アダージョK.261・ロンドK.269・ロンドK.373まで収めた4枚組。
定価10,500円のところを5分の1程度で入手できたので有り難い。

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ミンツのフランス・ソナタ集 [2006年9月]

シュロモ・ミンツ(Vn) イェヒム・ブロンフマン(P)
フランク;Vnソナタ & ドビュッシー;Vnソナタ & ラヴェル;Vnソナタ(DGG)
1980年代、DGGに陸続と録音している頃はまったく興味を惹かれない奏者で、作品自体を集めているプロコフィエフシベリウスの協奏曲くらいしか架蔵しなかった。
あれと思ったのはジェラール・ドパルデューを声優に起用したストラヴィンスキー;兵士の物語盤(AUDIVIS)を聴いたとき。達者なソロに舌を巻いた。
ヴィヴァルディの協奏曲も根気よくレコーディングしているし(買っていないけれど)、彼を好む知人もおり、見直した方がよい人かもしれない。
…と思った頃にはDGG盤が入手しづらくなっており、臍を噛んでいたところ、当盤が某オークションに安価で出品されたので落札。
1985年6月、スイスのラ・ショー・ド・フォンでの録音。

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スウェーデン放送合唱団のモーツァルト [2006年9月]

マンフレート・ホーネック(指揮) スウェーデン放送響 & 合唱団
モーツァルト;レクイエム ほか(QUERSTAND)
スウェーデンの至宝というべきスウェーデン放送合唱団によるモーツァルトのレクイエムには、かつてムーティ盤(EMI)があった。
ようやく新録音がリリースされ、買わねば買わねばと思っているうちに、Web上にレビューが掲載され(例えばSignals from Heavenおやじの部屋2)、高い評価が与えられている。
やんぬるかな、と上掲ミュンヒンガー盤と併せてHMVにオーダーしたもの。
とにかく凝った構成で、鐘の音に始まり、グレゴリオ聖歌の短い朗誦、作曲者の書簡(朗読)、フリーメーソンの葬送音楽、グレゴリオ聖歌、ラウダーテ・ドミヌム(K.339より)、グレゴリオ聖歌、詩の朗読があって、ようやくレクイエムの入祭唱が歌い出される。
「キリエ」のあとにヨハネ黙示録が朗読され、その高揚に導かれて「ディエス・イレ」が爆発する。
ジュスマイヤー補筆版による「ラクリモサ」まで(つまり続唱 Seqentia の終わりまで)が演奏されると、グレゴリオ聖歌と黙示録朗読が入り、「ドミネ・イェズ」・「ホスティアス」(奉献唱)から再び「ラクリモサ」
今度はモーツァルトが力尽きたところで途切れ、そのまま静かにアヴェ・ヴェルム・コルプス。最後に鐘の音。
…という非常に考えられた構成で、聴き応えがある。
2001年11月15日、ストックホルムのベールヴァルド・ホールでの録音。もしかしてライヴ収録だろうか?

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スウェーデン放送合唱団のフォーレとデュリュフレ [2006年9月]

フレードリク・マルムベリ(指揮) スウェーデン放送合唱団 ほか
フォーレ;レクイエム & デュリュフレ;レクイエム(BIS)
上記モーツァルト同様、スウェーデンの至宝・スウェーデン放送合唱団の録音、しかも(ありそうで録音がなかった)フォーレとデュリュフレ!
昨年12月頃に出たのを買いそびれていたのだが(汗)、今回HMVにオーダーしたもの。
フォーレは当盤のオルガン奏者マッティアス・ヴァーゲルによるオルガン伴奏への編曲。となればもちろんデュリュフレはオルガンと独奏チェロの第2稿による演奏である。
独唱者はミア・ペーション(Sop、フォーレ)、マレーナ・エルンマン(M-S、デュリュフレ)、ウッレ・ペーション(Br)という顔ぶれ。
2004年4月、ストックホルムのヘドヴィーグ・エレオノラ教会での録音。

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2006年09月04日(月)

プフィッツナー歌劇のクーベリック盤 [2006年9月]

ラファエル・クーベリック(指揮) バイエルン放送響 ほか
プフィッツナー;歌劇「パレストリーナ」(DGG)
斉諧生の音盤棚に収まっているオペラの全曲盤には、ヴェルディプッチーニロッシーニが皆無に近く、反面、デュカ;アリアーヌと青髭だのショーソン;アルチュス王だのエネスコ;オイディプスだの、マイナーな作品が櫛比している。
その一つが前奏曲のみ有名な標記作品で、既にスウィトナー盤(Berlin Classics)を架蔵している。
当クーベリック盤の存在は知っていたが、これまで入手する機会を得なかったところ、偶々eBayで未開封盤が出ており、落札したもの。
スウィトナー盤でペーター・シュライヤーが歌っていた名題役は、ニコライ・ゲッダ
そのほかカール・リッダーブッシュベルント・ヴァイクルディートリヒ・フィッシャー・ディースカウヘルマン・プライヘレン・ドナートブリギッテ・ファスベンダーと綺羅星の如し。
何故か録音データが詳記されていないが、マルPマルCは1973年。

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2006年09月02日(土)

楽器アルペジオーネの情報Webpage [注目情報]

楽器としてのアルペジオーネに関する情報をまとめたWebsite「アルペジョーネの世界」を運営しておられる方からメールを頂戴した。
衰退した楽器本体が無くて、代用の楽器でこれほどまでに名演奏をされ親しまれている曲は歴史的にも類を見ないだろう。
という想いから出発し、種々の情報を収集され、楽器の復元製作に到達されている。
当「斉諧生音盤志」に「アルペジオーネ・ソナタ聴き比べ」のページがあることから御連絡をくださったものだが、上記Websiteの充実ぶりからすれば「提灯に釣鐘」で、誠にお恥ずかしい限り。
ともかくも、シューベルトの名曲を愛好される方、弦楽器に興味をお持ちの方には必見のWebsiteとして御紹介申し上げたい。
なお、楽器アルペジオーネに深い関心を持つチェリストとしてNicolas Deletailleという奏者が紹介されているのだが、この人にバッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)の録音があるそうだ。

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2006年09月01日(金)

とうとう購入 [2006年9月]

『わんぱく王子の大蛇退治』(東映ビデオ、DVD)
8月15日の項に書いた『わんぱく王子〜』、とうとうDVDを購入(HMVから)。
特設Webpageも鋭意編集中。
本当は「夏休みアニメ・スペシャル」と題して8月中に公開したかったのだが、間に合わなかった(汗)。

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