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2006年08月31日(木)

シューリヒト・ロスバウトらの談話集 [求書読書録]

ミュラー・マライン & ラインハルト『ヨーロッパの音楽家 その体験的告白』(佐々木庸一訳、音楽之友社、1965年)
某オークションに、かねて捜していた古書が出品されたので落札。
原題は "Das Musikalische Selpstportrait" (音楽的自画像)、北ドイツ放送局が収録した談話(インタビューの質問をカットして編集)を活字に起こしたもの。
原著では50編、そのうち38編を翻訳したというが、残り12編に誰が入っていたのか、興味津々。
もちろん日本では知名度の低い人を外したのだろうが、1965年時点では無名でも現在では違うかもしれない。それ以上に、斉諧生的に重要な人が含まれてはいなかったか、気になるところだ。
とりあえず38人のラインナップは以下のとおり(太字は斉諧生的に重要な人)、
(作曲家)
ブラッハーフォルトナーアイネム
(指揮者)
ワルターシューリヒトパウムガルトナーベームロスバウトミトロプーロスセルシュミット・イッセルシュテットヨッフムヴァントフリッチャイミュンヒンガー
(弦楽器奏者)
マイナルディシュナイダーハンメニューイン
(鍵盤楽器奏者)
ラウハイゼンヴァルヒャ
(歌手)
ライダーメルヒオールレムニッツベルガークローゼホッタークンツグリュンマーメードルゴルツヴィントガッセンウィンタースヴァルナイゼーフリートシュトライヒルートヴィヒケート
(その他)
リーバーマン
このうちシュミット・イッセルシュテットの談話は、TAHRAのCD(TAH363〜65)のブックレットに掲載されているものと同一。

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2006年08月30日(水)

ノイマンのマーラー第1第4 [2006年8月]

ヴァーツラフ・ノイマン(指揮) チェコ・フィル
マーラー;交響曲第1番(CANYON)
 
ヴァーツラフ・ノイマン(指揮) チェコ・フィル ほか
マーラー;交響曲第4番(CANYON)
ノイマンの逝去によって中絶してしまったCANYONでのマーラー全集、生前はほとんど無関心だったのだが、例えばズィコフさんのページなどでの賛辞を拝読するにつけ、聴きたくなってしまい、少しずつ集めている。
今回、某オークションで第1・4番を入手することができた。
第1番は1992年9月、第4番は翌93年11月、プラハのルドルフィヌムでの録音。
第4番での独唱はパメラ・コバーン(Sop)。
残すは第3番のみとなったが、これは難関になるだろうなぁ…。

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藤森亮一のバッハ [2006年8月]

藤森亮一(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(MEISTER MUSIC)
N響の藤森氏のCDは、ずっと中古かオークションで入手してきたが、最も聴きたかったバッハが某オークションに安価で出品されたので落札。
送料を含めても新品の半額以下だったので喜んでいる。
2000年1〜3月、ヨコスカ・ベイサイド・ポケットでの録音。もちろんMMレーベル自慢のデ・ゲアール製マイクによる。

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2006年08月29日(火)

サンノゼ響のヒンデミット [2006年8月]

ジョージ・クリーヴ(指揮) サンノゼ響
ヒンデミット;交響曲「画家マティス」(BAINBRIDGE)
eBayを見ていたら、愛惜佳曲書にも掲げた「画家マティス」の未架蔵盤が出品されていた。
発送先が "United States, Europe, Canada" に限定されていたのだが、この曲は是非聞きたいとeBayのメッセージで依頼し、目出度く入手。
なんと1曲だけ、収録時間が30分に満たない。1984年の録音だからLPの尻尾を引き摺っている頃だが、それにしても(苦笑)。
指揮者は初めて聞く名前だが、こんな人らしい。
オーケストラはカリフォルニアで最も古い団体だとブックレットに紹介されているが、今はシリコンバレー響に改組されているようだ。

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2006年08月26日(土)

パウムガルトナーのモーツァルト・ライヴ [2006年8月]

ゲザ・アンダ(P) ベルンハルト・パウムガルトナー(指揮) ザルツブルク・モーツァルテウム管
モーツァルト;P協第22番・交響曲第31番「パリ」 ほか(OEHMS)
以下の5枚はアリアCDさんから。
日本での評価は(多分)あまり高くないのだが、斉諧生としては好きなモーツァルト指揮者であるパウムガルトナーのライヴ盤が出るというのでオーダーしていたもの。
1956年8月19日、ザルツブルク音楽祭のモーツァルト・マチネーとしてモーツァルテウム大ホールでライヴ録音された音源で、オーストリア放送(ORF)による。
もちろんモノラル、強奏時の弦合奏に少し硬さ(歪み?)を感じるが、分離の良い美しい音質だ。
標記2曲のほか歌劇「牧人の王」序曲と、リタ・シュトライヒ(Sop)が歌う演奏会用アリア3曲を収めている。

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ブリュッヘンのモーツァルト・ライヴ [2006年8月]

フランス・ブリュッヘン(指揮) ザルツブルク・モーツァルテウム管
ハイドン;交響曲第84番 & モーツァルト;交響曲第38番「プラハ」 ほか(OEHMS)
OEHMSからリリースされたザルツブルク音楽祭ライヴからもう1点、ブリュッヘンのものを。
古楽系・モダンピリオド系全盛の今日、彼が1980年代に18世紀管でモーツァルトやベートーヴェンを振りはじめた頃の鮮烈さは歴史上のものになってしまったような感もあるが、斉諧生にとっては忘れられない指揮者である。
1990年の来日時に京都会館第2ホールなどという演劇・演芸用の中ホールで聴いた(まだマイナーな存在だったのだ)、「田園」や「リンツ」の胸が熱くなる響きは、ついこの間のことのように思い出すことができる。
このライヴは1995年8月20日、パウムガルトナー盤同様、ザルツブルク音楽祭のモーツァルト・マチネーとしてモーツァルテウム大ホールでオーストリア放送(ORF)によりライヴ録音された音源。
時期的にはブリュッヘンの音楽が輝きを失っていく頃で少し心配だが(この年12月に京都で聴いた「合唱」は良くなかった)、あの弾けるような生命力に満ちた音楽を聴けることを期待したい。
標記2曲のほかハイドン;リラ・オルガニザータ協第3番 Hob.VIIh-3(リラ・オルガニザータをリコーダーで代用)をカプリング。

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DRデイヴィスの初期ブルックナー3連発 [2006年8月]

デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮) リンツ・ブルックナー管
ブルックナー;交響曲第1番 (1866年版)(ARTE NOVA)
 
デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮) リンツ・ブルックナー管
ブルックナー;交響曲第2番 (1877年版)(ARTE NOVA)
 
デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮) リンツ・ブルックナー管
ブルックナー;交響曲第3番 (1889年版)(ARTE NOVA)
これまで第4・8番がリリースされたDRデイヴィスのブルックナー、一挙に3曲がリリースされた。
既出の2曲はいずれも初期稿での録音だったが、今回は第1番が初稿、第2番が第2稿、第3番は後年の改訂稿を採用している。「D.R.デイヴィス自身が解釈する最もブルックナー演奏にふさわしい版を選」んだという。
同じデイヴィスでもコリンやアンドルーと違って「暴れん坊」の印象が強いデニス・ラッセルだが、どんな初期ブルックナーを聴かせてくれるのか、楽しみである。
3曲とも2005年のライヴ録音で、第1番が6月7日、第2番が同年2月22日、第3番が2月27日、いずれもリンツのブルックナー・ハウスで収録された。

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2006年08月25日(金)

ギブソンのチャイコフスキー [2006年8月]

アレクサンダー・ギブソン(指揮) ロンドン・フィル
チャイコフスキー;幻想序曲「ロメオとジュリエット」・序曲「1812年」 ほか(Collins)
ギブソンが晩年ロンドンでCollinsに遺した録音から、未架蔵のチャイコフスキーが某オークションに出品されていたので落札したもの。
標記2曲と幻想序曲「ハムレット」を収めている。
録音年月の記載はないがマルPは1989年、録音場所はロンドン近郊のバーキング・アセンブリー・ホール(1812年)、ワトフォード・タウン・ホール(他の2曲)。

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チャイコフスキーの四季弦楽合奏版 [2006年8月]

デヴィッド・ゲリンガス(Vc & 指揮) プフォルツハイム南西ドイツ室内管 ほか
チャイコフスキー;「四季」 ほか(ebs)
ピアノ曲「四季」を編曲する試みは、例えばガウク編の管弦楽版(一昨年フェドセーエフの実演を聴いた)が有名だが、ここではロシアの作曲家でクリンのチャイコフスキー博物館で長年働いたレオニード・シャッツによる、ナレーション付きの弦楽合奏版が採り上げられている。
いつも拝読しているロシア室内楽ファン倶楽部さんは「個人的には、ゲリンガスの指揮による弦楽合奏版が好き。並み居る編曲版中でも、もっともチャイコの世界に近いかも。また、曲間に詩の朗読も入っていて、イイ雰囲気ッス。」と評しておられる。
ナレーターはアレクサンドル・ゲリンガス、多分指揮者の子息だろう。
フィルアップにゲリンガスが独奏した夜想曲・メロディ・ユモレスクの小品3曲を入れている。
1998年3月、ニーフェルン・エシェルブロン、キルンバッハハレのアメリウスザールでの録音。
ゲリンガスの指揮盤というのに興味を惹かれ、某オークションで落札したもの。

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木野雅之の四季 [2006年8月]

木野雅之(Vn) オッコ・カム(指揮) 日本フィル
ヴィヴァルディ;Vn協集「四季」 & ヤナーチェク;シンフォニエッタ(日本フィル自主製作)
上記はチャイコフスキーだったが、こちらはヴィヴァルディの四季。
曲はともかく(あまり興味がない)、木野氏の独奏盤は聴いておきたい。偶々某オークションで安価な出品があったのを機に落札したもの。
カプリングの筋が不明だが、要するに1994年3月の客演から名演を集めたということだろうか。ヴィヴァルディは3月12日、ヤナーチェクは3月17・18日、サントリーホールでの録音。

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バッハとブゾーニ [2006年8月]

セルジウ・ルカ(Vn) デヴィッド・ゴラブ(P) アルバート・フラー(Cem)
バッハ;Vnソナタ第6番 & ブゾーニ;Vnソナタ第2番(FACET)
比較的録音の少ないブゾーニの第2ソナタをルカが演奏しているというので、某オークションで落札したもの。
録音データの記載がないがマルPは1987年、ただしAAD表示。

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浦川宜也のモーツァルト [2006年8月]

浦川宜也(Vn) 岡本美智子(P)
モーツァルト;Vnソナタ集(fontec)
カイルベルト治下のバンベルク響でコンサートマスターを務めたことで高名な浦川氏の音盤はあれこれ買ってきたが、当盤は4枚組で1万円を超す価格ゆえ、買いそびれてきた。
先日某オークションで破格の安値で出品され、そのまま(!)落札できたもの。
外箱がちょっとくたびれていて、全体に煙草の臭いが染みついているが(苦笑)、値段を考えれば問題にならない。
ハ長調 K.296からヘ長調 K.547まで、16曲を収めている。
ブックレットに大岡信氏が寄稿しており、「最もみごとな諧調に達した演奏(略)どの瞬間の音をとっても、ただ音が鳴っているという感じではなく、演奏者の『心』が、深い思いで、あるいは熱い思いで鳴っている」と賛辞を呈している。
1990年11月〜91年6月、田園ホール「エローラ」での録音。

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ホイトリンクのバッハ無伴奏 [2006年8月]

ヴェルナー・ホイトリンク(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(gutingi)
ホイトリンク四重奏団というとEMI系の国内盤廉価LPを思い出すのだが、室内楽愛好家には評価の高い団体。
ヴェルナー・ホイトリンクは、その第1Vnを弾いていた奏者であり、独奏家としても教育者としても高名な人だったらしい。
1921年、チェコ国境に近いドイツ東部のエルツ地方のアウエで生まれ、ドレスデンとケルンで学び、18歳でハノーヴァー・ニーダーザクセン響のコンサートマスターに就任、のちハノーヴァー国立歌劇場管に転じた。
1950年にライプツィヒの国際バッハ・コンクールで入賞し、この年から無伴奏Vnソナタとパルティータ全曲演奏会を開き始めたとのこと。
当盤は1999年8月、ヴェニクセン(ハノーヴァー近郊)のコンサートホールでの録音というから、80歳近いときの演奏である。
いつも参考にさせていただいているt.s.さんのWebpageに、「暖かく懐の深さを感じる好演奏」との紹介がある。

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2006年08月24日(木)

"I would like to listen ..." [求書読書録]

井阪紘『一枚のディスクに』(春秋社)
『レコード芸術』誌に連載されていた井阪氏の文章が単行本にまとめられたので買い求める。
2003〜04年の2年分プラスアルファながら300頁近い分量で、けっこう読みごたえがあった。
著者は、若い頃、数日間ながら直接接したウォルター・レッグから
演奏に変更を加えたいときは、"I would like to listen ..." という言い方で、あくまでも命令するのではなく、聴き手の代表者として、また、この演奏をまとめる責任者として、正直に直接にアーティストと話をしなさい
と強く諭されたという。
演奏者や同業者との交友や録音作業のエピソード、愛着ある機材の思い出などに、このレッグの教えを遵奉し誠意と謙虚さをもって仕事をしてきた著者の姿が感銘深い。
月刊誌の連載記事として流れてしまうのではなく単行本にまとまったことが本当に喜ばしく感じられる。

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プリュデルマシェのベートーヴェン [2006年8月]

ジョルジュ・プリュデルマシェ(P) モーシェ・アツモン(指揮) ブルターニュ管
ベートーヴェン;P協全集(TRANSART)
名手プリュデルマシェは最近TRANSARTからベートーヴェンシューベルトのソナタ全集が出ているが、同じレーベルから前者の協奏曲全集が出るという。
これは買わざるべからずだが、国内の通販siteでは3枚組で7,000円前後の値付けで多少怯んでいたところ、eBayに格安の出品があり、送料を含めて3,000円弱で入手できた(^^)。
2004年7月、フランス・シャンパーニュ地方のランスで開催された「夏のフラヌリ音楽祭」でのライヴ録音で、例の4つめの「ハーモニック・ペダル」を備えたブリュートナー・ピアノを使用しているとのこと。
ベテラン・アツモンの棒も頼もしそうだ。

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藤田容子のプロコフィエフほか [2006年8月]

藤田容子(Vn) 湯口美和(P)
R・シュトラウス;Vnソナタ & プロコフィエフ;Vnソナタ第1番 ほか(LIVE NOTES)
藤田容子さんといえば、1980年代にバンベルク響に在籍し、いまや伝説的といっていい、1982年来日公演におけるヨッフムとのブルックナー;第8交響曲(NHKホール)では、コンサートマスターの隣に席を占めておられた。
音盤ではシューベルト;幻想曲などを架蔵しているところ、久々に出た新譜が、music Fieldに安価で出品されたので落札したもの。
標記2曲以外にベートーヴェン;Vnソナタ第3番をカプリング。
2005年2月、三鷹芸術文化センターでの録音である。

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2006年08月23日(水)

ボロディンQのショスタコーヴィッチ [2006年8月]

リューボフ・エドリーナ(P) ボロディンQ
ショスタコーヴィッチ;P五重奏曲 ほか(Victor)
某オークションを見ていて、工藤さん
完璧といって良い名演。ショスタコーヴィチが頭の中で聴いていたであろうロシア流儀の太く暖かい音色と、正確な技術が楽譜を余すところなく音化している。(略)全ての音に切なくも暖かい情感が満ちている。
と評された名演の国内盤CDが出品されているのに気付き、落札したもの。
1968年の録音で、第1Vnはデュビンスキーの時代である。
ストラヴィンスキー;弦楽四重奏のための3つの小品をフィルアップしている。

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藤川真弓のプロコフィエフ [2006年8月]

藤川真弓(Vn) クレイグ・シェパード(P)
プロコフィエフ;Vnソナタ第1・2番 ほか(ASV)
藤川真弓さんのプロコフィエフがeBayに出ていた。
白っぽいジャケットの廉価盤はよく見るが、初出の輸入レギュラー盤を目にすることは珍しく、しかも安価。これはこれはと落札したもの。
ソナタ2曲に5つのメロディをフィルアップしている。
1989年3月、ロンドン近郊モーデンの聖ペトロ教会での録音。
ASVの初期CDはレーベル面が茶色く変色することがあり、これも少し色が濃くなっているが、再生に異常はなさそうだ。

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2006年08月22日(火)

ステーンハンマルVnソナタの新録音 [2006年8月]

エリサベト・ソイテン・シュナイダー(Vn) ウルリク・ステアク(P)
ステーンハンマル;Vnソナタ & アウリン;4つの水彩画 ほか(CLASSICO)
ステーンハンマル作品の新録音というと、このところ「3つの無伴奏合唱曲」ばかりだった印象がある(苦笑)。
久しぶりに大曲の新録音しかもVnソナタというので、早くからノルディックサウンド広島にオーダーして、入荷を心待ちにしていたもの。
当盤は2005年6月、デンマーク・フールサングでの録音。これまでの最新盤(オルソン(Vn) & ネグロ(P)、BIS)が1995年録音だったから、ちょうど10年ぶりということになる。
Vnのエリサベト・ソイテン・シュナイダーは、王立デンマーク音楽アカデミーで学んだ後、アメリカでイシドア・コーエンらに師事。王立デンマーク管とデンマーク国立放送響の首席を経て、現在は母校で教職にあるとのこと。
カプリングはアウリン;「4つの水彩画」・「ロマンス」アルヴェーンの歌曲をVn編曲したもの。
アウリン作品は愛惜佳曲書に掲げたものであり、こちらも楽しみ。

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ギター二重奏による交響譚詩 [2006年8月]

デュオ・ウエダ
伊福部昭;日本組曲・交響譚詩 ほか(SAKURA SOUND)
先日の「わんぱく王子の大蛇退治」以来、時ならぬ伊福部ブームが起こっている(笑)。
関連サイトをあちこち見ていると、交響譚詩のギター二重奏版の録音があるらしい。おまけにSF交響ファンタジー第1番も同編成で演奏しているという。
これはどうしても聴いてみたいという好奇心を抑えきれず、演奏者の公式Webpageからメールでオーダーしたもの(代金引換郵便利用)。
演奏者(上田英治・上田ちよ)は御夫婦で、御主人(1968年京都市生れ)が子どもの頃から映画等を通じて伊福部ファンで、ギタリストとして古代日本旋法による踏歌トッカータなどを演奏しておられた(両曲とも英治氏の独奏で当盤に収録)。
ぜひ日本組曲など管弦楽曲もギター二重奏で弾いてみたいと奥様に録音を聴かせたところ、御主人以上に伊福部音楽のファンになってしまい、ついに当盤の録音に至ったとのこと(ゴジラ・グッズも熱心に蒐集、身長1.5mの人形がリビングに飾られているらしい)。
とりあえず交響譚詩を聴いてみたが、音楽に違和感が無く、あたかもオリジナルのギター曲であるかのように響く。大変興味深い。
2005年3月、京都のスタジオ・ジェネシスでの録音。

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2006年08月21日(月)

ペラシーのモーツァルト [2006年8月]

フレデリック・ペラシー(Vn) タチアナ・パヴロヴァ(P)
モーツァルト;Vnソナタ集(BNL)
いつも待望しているペラシーの新譜、モーツァルトのソナタ集が出たのは、いつもお世話になっているt.s.さんのファンsiteで御教示いただいていた。
BNLレーベルはなかなか国内店頭に入荷しないが、fnac.comあたりは送料が高いので単独では発注しにくい(先日ムレサヌのルクーほかをオーダーしたときに忘れてしまっていたのが痛い)。
先だってamazon.frのMarketplaceに出品されているのを見つけ、これならまだまし、と購入したもの。
収録曲はハ長調 K.296ホ短調 K.304変ロ長調 K.378イ長調 K.526の4曲。
2005年12月、フランス・ドゥーのパッサヴァンにおけるスタジオ録音。

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加藤知子さんのフランクほか [2006年8月]

加藤知子(Vn) 伊藤恵(P)
フランク;Vnソナタ & フォーレ;Vnソナタ第1番 ほか(fontec)
疾うに架蔵しているつもりで、一昨日ジャンドロンのフォーレを買った中古盤屋の棚に放っておいたCDだが、念のため帰宅してから調べてみると、あろうことか未架蔵であることが判明。
慌てて所要のついでにちょっと遠回りして店を再訪、購入したもの。
標記2曲にメシアン;主題と変奏をフィルアップ。
1993年5月、田園ホール・エローラでの録音。

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デメンガのバッハ未架蔵分 [2006年8月]

トーマス・デメンガ(Vc) ほか
バッハ;無伴奏Vc組曲第1番 ほか(ECM)
 
トーマス・デメンガ(Vc) ほか
バッハ;無伴奏Vc組曲第2番 ほか(ECM)
上記加藤盤同様、中古盤屋での買い直し。
デメンガのバッハは何枚か持っていたはずだが何番があって何番がないのか、とんとわからず(恥)、どちらを買うか迷った末に両方とも買い控えたところ、架蔵品は第3・4番ということがわかったので、今日行ったときに2枚とも購入。
第1番の方にはシャーンドル・ヴェレシュの、第2番にはB.A.ツィンマーマンの、それぞれ無伴奏Vnソナタ・無伴奏Vcソナタ ほかをカプリングしている(Vnはトーマス・ツェートマイヤー)。
1991年12月(第1番)及び1995年7月(第2番)に録音された。

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ムストネンのプロコフィエフ [2006年8月]

オッリ・ムストネン(P)
プロコフィエフ;組曲「シンデレラ」 ほか(Ondine)
これも再訪した中古盤屋で購入。
ピアノ独奏盤は買い控えを原則にしており、新譜の時は見送り。
一昨日も見送りを自分に申し渡していたのだが、中古格安の誘惑に、とうとう例外として許可を出してしまった(汗)。
メインはバレエ音楽「シンデレラ」から作曲者が編曲したピアノ曲集3つ(op.95・op.97・op.102)。
更に「子どもの音楽」op.65と小品2曲をフィルアップ。
2004年9月、フィンランド・エスポーのセッロ・ホールでの録音。

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2006年08月19日(土)

テンシュテットのショスタコーヴィッチ [2006年8月]

クラウス・テンシュテット(指揮) ミュンヘン・フィル
ショスタコーヴィッチ;交響曲第5番 ほか(WEITBLICK)
休日出勤の帰り道、気の重かったイベントが片付いた解放感から、久しぶりに音盤屋をハシゴ。
テンシュテットのライヴ盤も雨後の筍状態で、とてもフォローし切れないまま、ほとんど全部を放っている(汗)。
それでもショスタコーヴィッチとなると気になる上、syuzoさんのblogによると録音状態も良いらしい。
これは聴かざるべからずと思っていたところ、某音盤店で「6,000円以上買うとダブルポイント」という悪辣な(笑)フェアがあり、購入に踏み切る。
カプリングは録音の少ないヤナーチェク;ラシュスコ舞曲
1975年3月、バイエルン放送のスタジオでの収録。おそらくセッション録音と見られるとのこと。

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カエターニのショスタコーヴィッチ [2006年8月]

オレグ・カエターニ(指揮) ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響
ショスタコーヴィッチ;交響曲第1・15番(ARTS)
カエターニのショスタコーヴィッチ・チクルス、第4〜7番を買ったあと、フォローしきれていないのが気になっていた。
15曲の中でも好きな作品ベスト3に数えたい第15番を、ようやく購入(まだ第8〜11番が残っているが…)。
2004年3月(第1番)及び2005年6月(第15番)、ミラノ・オーディトリアムでのライヴ録音。

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プレヴィンのバターワース [2006年8月]

アンドレ・プレヴィン(指揮) ロンドン響
「アンドレ・プレヴィンズ・ミュージック・ナイト 2」(EMI)
1976年12月の録音で、プレヴィンとロンドン響が出演していたBBC-TVの人気番組をもとに製作されたLPのCD化。
夭折の作曲家バターワースの代表作の一つ青柳の堤が収録されている。
実はLPを一昨年購入しているが、この国内盤が世界初CD化とのこと、やはり買わざるべからず。
収録曲はLPと同じで、バターワース以外は
グリンカ;序曲「ルスランとリュドミラ」
バーバー;弦楽のためのアダージョ
ファリャ;「三角帽子」から3つの舞曲
ドビュッシー;牧神の午後への前奏曲
J.シュトラウス2世;皇帝円舞曲

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ホルベアの時代から新譜 [2006年8月]

ステファン・バラット・ドゥエ(指揮) オスロ・カメラータ
グリーグ;ホルベアの時代から ほか(NAXOS)
見れば買っている曲の一つ、「ホルベアの時代から」の新譜。
先日から気になっていたところ、今日行った音盤屋で「NAXOS2割引」セールをしていたので、これを機に購入。
2つの悲しき旋律抒情小曲集からの編曲などをフィルアップしている。
演奏団体は1998年に設立された20人弱の弦楽アンサンブルで、モルク(Vc)やアントンセン(Trp)らと共演を重ねているとのこと。
2005年8月、オスロのロメダーレン教会での録音。

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マイヤースのブルッフ [2006年8月]

アン・アキコ・マイヤース(Vn) 岩城宏之(指揮) オーケストラ・アンサンブル金沢
ブルッフ;Vn協第1番 ほか(Warner)
先日逝去された岩城氏の追悼盤のようなリリースだが、独奏者も含め特に思い入れのある演奏者ではないので買わずにいた(失礼)。
ところが最近、Web上でブルッフの評判を見かけることが多く(例えばこちら)、彼女の進境を確認できるのであればと購入に踏み切ったもの。
カプリング(というかメイン)はブラームス;交響曲第1番
2005年3月19日、石川県立音楽堂コンサートホールでのライヴ録音。

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ジャンドロンのフォーレ [2006年8月]

モーリス・ジャンドロン(Vc) 岩崎淑(P)
フォーレ;Vcソナタ第1番 ほか(Victor)
ハシゴのうちの一軒は中古盤屋。以前は三日にあげず通っていたのだが、通勤経路が変わって立ち寄りづらくなり、ネットオークション流行の影響か新入荷もはかばかしくなくなったので、ずっと御無沙汰していた。
久しぶりに来てみると、さすがに色々並んでおり、あれこれ悩んで(ダブるのでは?とか)、1枚に絞る。
1972年11月に来日した折りに録音したもので、RCA時代の井阪紘氏の仕事。
標記ソナタのほか、エレジー夢のあとにシシリエンヌなど小品7曲とラヴェル;フォーレの名による子守歌を収めている。

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90歳のチェリスト [2006年8月]

青木十良(Vc) 水野紀子(P)
バッハ;無伴奏Vc組曲第5番 & カザルス;鳥の歌(N & F)
この大家のバッハ;無伴奏は、以前、85歳時の第6番があった(架蔵済み)。
今回、5年を経て90歳の(!)第5番がリリースされ、『ラジオ技術』8月号で新忠篤氏が絶賛しておられる。
標記2曲だけとはいえ、聴かざるべからずと購入したもの。
2006年3月、浜離宮朝日ホールでの録音。

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ノースのダウランド [2006年8月]

ナイジェル・ノース(Lute)
ダウランド;リュート曲全集 第1巻(NAXOS)
LINNレーベルに素晴らしいバッハがあったナイジェル・ノースの新録音がNAXOSからリリースされた。
これ以上ないのではと思わされた好録音のLINN盤に比べて音質的に聴き劣りしないか心配ではあるが、ダウランドの愁色にはもだしがたく、上記グリーグ同様「NAXOS2割引」セールを機に購入。
2004年7月、カナダ・オンタリオのニューマーケット、聖ヨハネ・クリソストモ教会での録音。

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吹奏楽版ロンド・イン・ブーレスク [2006年8月]

秋山和慶(指揮) 東京佼成ウィンドオーケストラ
伊福部昭;バーレスク風ロンド ほか(佼成出版社、LP)
先日DVDを見た映画「わんぱく王子の大蛇退治」で、スサノオが船出するシーンに勇壮な行進曲が付されている。
典型的な所謂「伊福部マーチ」で、丸木から削りだした舟には不釣り合いなくらいなのだが、それでも胸が高鳴るのは抑えきれない(笑)。
この音楽が引用されているのが標記の作品。
日本フィルによるCDには「倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク」というタイトルで収録されているが、当初は吹奏楽曲であった。
ここでも演奏している東京佼成ウィンドオーケストラからの委嘱により1972年に作曲され、その後、和太鼓を加え、更に管弦楽用に編曲して前記のタイトルになったという。
このところ伊福部作品のことを調べる上で参考にさせていただいている「インチキ教授のホームページ」(名前とは正反対の優れたWebpage)で、「聞いていてうきうきしてくる軽快で楽しい演奏だ。この曲は吹奏楽ヴァージョンのほうがお奨めである。」とコメントされている。
それは一度、聴いてみたいとCDを捜したのだが、どうやら『東京佼成ウィンドオーケストラの40年』という書籍の附録らしく、現在は入手不可能な様子。
某オークションを検索してオリジナルのLPが廉価で見つかったので落札したもの。
1984年7月、東京・普門館で収録された初期デジタル録音である。
リード;法華経からの三つの啓示松下真一;交響的幻想曲「偉大への賛歌」をカプリング。

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2006年08月18日(金)

シトコヴェツキーのショスタコーヴィッチ [2006年8月]

ドミトリ・シトコヴェツキー(指揮) 新ヨーロッパ・ストリングス
ショスタコーヴィッチ;室内交響曲 op.73 ほか(hänssler)
某オークションを見ていたら、シトコヴェツキーが弦楽合奏を指揮したCDが廉価で出品されていた。
ショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲を編曲したもので、蒐集している第8番 op.110ではなく第3番 op.73ではあるが、やはり聴いてみたいところ。
同じ作曲家の前奏曲とスケルツォ op.11ストラヴィンスキー;ニ調の協奏曲ほかをカプリングしている。
1996年11月、ノイマルクト・イン・デア・オーバーファルツのライトシュターデルでの録音。

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リスト室内管とクレヴェンジャーのハイドン [2006年8月]

デイル・クレヴェンジャー(Hrn) フランツ・リスト室内管
ハイドン;Hrn協第3・4番 ほか(TELDEC)
退勤時に立ち寄る書店・音盤屋が入っているビルの1階で中古盤フェアが開催されていた。
クラシックの品揃えは必ずしも良くなかったが、蒐集しているリスト室内管の未架蔵盤を見つけたので購入。
1966年以来シカゴ響の首席奏者を務めるクレヴェンジャーとの共演で、ハイドンのニ長調2曲(Hob.VII:d3及びHob.VII:d4)とミハエル・ハイドン;Hrn小協奏曲 ニ長調を演奏している。
録音データは明記されていないがマルPは1984年、初期デジタル録音のようだ。

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レーグナーのブルックナー第8 [2006年8月]

ハインツ・レーグナー(指揮) ベルリン放送響
ブルックナー;交響曲第8番(独ETERNA、LP)
LP期に国内盤で購入したままCDでは架蔵していないレーグナーのブルックナー第8。
eBayで独盤LPが出ていたので、ついつい落札。
1985年の録音である。

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2006年08月17日(木)

ボニーのシャトレ座リサイタル [2006年8月]

バーバラ・ボニー(Sop) マルコム・マーティノウ(P)
「北欧の『詩人の恋』」(TDK、DVD)
2001年1月31日、パリ・シャトレ座におけるリサイタルの映像。前半にシューマン;「詩人の恋」を、後半にシベリウスグリーグら北欧の歌曲を配した一夜である。
中でもステーンハンマルの歌曲を5つ、「薔薇に」・「逢い引きから帰ってきた女の子」・「アダージョ」・「フュリア」・「森の中で」を歌っているのは絶対に見逃せない。
以前NHKで放送されたことがあり録画もしているが、勿論買わざるべからず、amazon.co.jpにオーダーしていたもの。
なお、歌唱映像の間に挿入されたインタビューで、ボニーは
ステーンハンマルはスウェーデン最大の作曲家です。『森の中で』は北欧の最も完璧な歌曲という人が多いのです。スウェーデン人の倫理や文化そして自然愛を表す曲です。
と語っている。

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2006年08月16日(水)

オネゲルのパレー批判 [求書読書録]

オネゲル(塚谷晃弘訳);『化石への呪文』(カワイ楽譜、1971年)
Web上の知人(という以上に斯界の権威のお一人)から御教示いただいた著作。
オネゲルには『私は作曲家である』という本もあり吉田秀和氏の訳によって流布している。
本書は、『私は〜』の出版以前に新聞雑誌等に発表した文章からの自選評論集(1948年刊)と、遺稿集(1957年刊)を併せ訳したもの。
パレーに関する文章は1946年頃のもので(初出データ等が掲載されていない)、約3頁。
この指揮者のレパートリーが保守的であり、フランス音楽でもフランク・フォーレ・ドビュッシー・ラヴェル・デュカといった過去の大家しか採り上げない、現存する作曲家・若い作曲家を支援する考えを持っていないことを痛烈に批判している。
喜劇の中で、アカデミーに立候補しようと思い、辞書を丸暗記しにかかる滑稽役がいる。しかしどうしてもAを越えることができない。Aで始まる言葉に関しては誰にも負けないが、ほかの言葉についてはまったく何も知らない。あの棒ふり氏はこの男と同じように思える。
…と辛辣な筆誅を加える。
 
たしかにパレー(1886年生れ)のレパートリーが、イベール(1890年生れ)より下ることはないと思われる。
ただ彼も作曲家であったから、自身の音楽観が牢乎としており、例えばミヨー(オネゲルと同じ1892年生れ)やプーランク(1899年生れ)といったジャズの洗礼を受けた世代や、それ以降の無調や十二音音楽系の作曲家を採り上げることができなかったのではなかろうか。
ちょっと贔屓の引き倒しかもしれないが、斉諧生としてはそのように考えている。
 
(追記)
またまたWeb上の知人から御教示をいただいた。
それによれば、パレーはプーランク;田園の奏楽のピアノ協奏曲版を初演しているほか(ソロは作曲者)、ミヨー作品ではP協第1番・プロヴァンス組曲などを採り上げているとのこと。
不十分な調査でいい加減なことを書いてしまい汗顔の至り。m(_ _)m
再度、御教示に心から感謝の意を表したい。
(以上08月18日)

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山下和仁のバッハ [2006年8月]

山下和仁(G)
バッハ;リュート組曲(CROWN)
山下和仁が日本クラウンに録音したバッハ作品のうち無伴奏Vn・無伴奏Vc両曲集は既に架蔵しており、残りのCDが、ずっと気に懸かっていた。
彼の録音はギターを弾く方から注目されているのだろう、某オークションでも、しばしばかなりの高値をつけることがある。
当盤も何度か指をくわえて見送ったが、ようやく定価の半額以下で落札入手することができた。
バッハのリュート作品として通常演奏される7曲のうち、無伴奏両曲集と重複する3曲を除いたホ短調 BWV996ハ短調 BWV997(イ短調に編曲)、変ホ長調 BWV998(ニ長調に編曲)、前奏曲 BWV999に、無伴奏Flパルティータ BWV1013を編曲したものを加え、計5曲を収めている。
1991年9月、つくばノバ・ホールでの録音。
残るは2003年録音の小品集、これも気長に捜してゆきたい。

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2006年08月15日(火)

映画『わんぱく王子の大蛇退治』のこと [注目情報]

7月27日の項に、本名徹次(指揮) 日本フィルによる伊福部昭;交響組曲「わんぱく王子の大蛇退治」(KING)のCDを購入したことを記した。
ぜひ元の映画を見たいと思い、先日、近所のレンタルビデオ店でDVDを借り出してきた。
伊福部が音楽を担当した唯一のアニメーション映画で、クラシック・ファンにはあまり知られていないかもしれないが、アニメ・ファンには1960年代の古典的名作として隠れもない作品ということである。
 
もちろん、母親に連れられた小学生を客層としている映画ゆえ、限界というか突っ込みどころも多いのだが、それを超えて伊福部音楽は感動的。
基本的には東映動画伝統の「ほのぼの」系のキャラクターが大和絵ふうの平面的な絵柄で描かれている画面に、音楽が生命を吹き込んでいる。
 
中でも特筆すべきは、アニメ界では伝説的名場面とされる、アメノウズメの舞と、スサノオとヤマタノオロチの戦闘のシーン。
前者は、まず伊福部が舞踊を想定して作曲し、それにバレエ指導者が生身の踊り手を使って振り付け、そのフィルムをベースにしてアニメーションが作画された(詳しくは監督・芹川有吾の回想を参照)。
CDのブックレット中でも、伊福部自身が
贅沢な作り方をさせて貰いました。このくだりの仕事は、『わんぱく王子』に限らず、私の映画音楽全体の中でも、際だって思い出深いものです。
と語っている。
したがって舞踊と音楽がみごとに一致し、大地と民族の生命を歌い上げた、短いながらも(3分半程度)「春の祭典」を思わせる、バレエとなっている。
なにぶん母子連れ向けの映画ゆえ、「掛出胸乳 裳緒忍垂於番登也」とはいかないが(笑)、そこはかとない官能性を漂わせた作画にも心惹かれる。
オタクの元祖唐沢俊一氏は、伊福部の逝去に当たり
私は伊福部昭の最高傑作は東映アニメ『わんぱく王子の大蛇退治』のテーマだと思っている。(略)オープニングテーマもいいが、アメノウズメの踊りのシーンの音楽は、まさに日本人の日本人による日本人のための曲、という、力強さとファンタジーとユーモアにあふれた名品である。
と、賛辞を捧げている(裏モノ日記 2006年2月9日)
 
後者は、この場面を作画した大塚康生氏(「ルパン三世」のTVシリーズや映画『ルパン三世 カリオストロの城』を担当したことで有名)が、
自分の描いたヤマタノオロチが動き回るのを観て、ものすごい充足感を感じた。これぞアニメの醍醐味だと、大喜びしましたね。その後も、それに似たようなことはあったけど、あの、目もくらむような喜びとはちょっと違うような気がする……。
と回想するほどの迫力と躍動感に満ちた画面に、伊福部の音楽が加わり、とても40年前のものとは思えない、手に汗握る戦闘シーンとなっている。
 
この映画と音楽については近いうちにまとめておきたいと考えているが、とりあえず、伊福部の音楽を好まれる向きには、ぜひぜひ「わんぱく王子の大蛇退治」(東映ビデオ)のDVDを御覧になるよう、声を大にしてお薦めしておきたい。

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2006年08月14日(月)

ブールとアンダのバルトーク [2006年8月]

ゲザ・アンダ(P) エルネスト・ブール(指揮) バイエルン放送響
バルトーク;P協全集(col legno)
ロスバウトの跡を襲って南西ドイツ放送響の首席指揮者となったブールは、かねて注目の指揮者の一人。
当盤も新譜の時に買うかどうか迷って、50年代のライヴ(もちろんモノラル)という音質面への危惧から、見送っていたもの。
偶々某オークションで安価な出品を見つけたので落札したもの。
もちろん独奏者はバルトーク演奏のスペシャリスト、悪かろうはずはない。
1957年4月26日、ミュンヘン、ヘルクレスザールでのライヴ録音。

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ジョンゲン室内楽曲集 [2006年8月]

アンサンブル・ハルペジオ
ジョンゲン;Hpを含む室内楽曲集(TALENT)
まだまだ一般的な知名度は低いが(誤って「ヨンゲン」と表記されることも多い)、フランクやショーソンと同程度に気になっている作曲家。
いつもお世話になっているあんぐらCD博物館さんのWebpageで紹介されているTALENT盤が、安価でeBayに出品されていたので落札したもの。
収録曲は、
五声の協奏曲(Hp、Fl、Vn、Va、Vc)、三重奏のための2つの小品(Hp、Fl、Vc)、序奏と舞曲(Hp、Va)、ゆるやかな踊り(Hp、Fl)、ワルツ(Hp)
演奏はラヘル・タリトマン(Hp、公式Webpage)、エリック・メロン(Vn)らによる。
録音データは明記されていないが、マルPは2002年。

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2006年08月10日(木)

日フィル自主盤 [2006年8月]

小林研一郎(指揮) 日本フィル ほか
「管弦楽名曲集V」(日本フィル自主製作)
コバケンの音源を含む日フィル自主盤の新譜が出るというのでアリアCDさんにオーダーしていたものが届いた。
メインはエルヴィン・ルカーチによるストラヴィンスキー;組曲「火の鳥」だが、小林研一郎指揮ではボロディン;「韃靼人の踊り」ラヴェル;亡き王女のためのパヴァーヌチャイコフスキー;花のワルツの3曲が入っている。
そのほか渡邉暁雄先生のチャイコフスキー;ワルツ(「白鳥の湖」より)オッコ・カムチャイコフスキー;ワルツ(「眠りの森の美女」より)飯守泰次郎によるヴェルディ;凱旋行進曲(「アイーダ」より)などを収めている。

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2006年08月07日(月)

コヴァーチュのモーツァルト [2006年8月]

デーネシュ・コヴァーチュ(Vn) ジュラ・ネーメト(指揮) ブダペシュト・フィル ほか
モーツァルト;Vn協第3・4・5番(Hungaroton)
ハンガリーの名ヴァイオリニスト、コヴァーチュ(1930〜2005)の未架蔵盤がeBayに出ていたので落札したもの。
ジョルジ・レヘル(指揮) ブダペシュト響による第4番はLPで架蔵しているが、第3・5番は初めての音源なので有り難い。
"White Label" シリーズの1枚。
収録年月は不詳。マルP1990年とあるが、ADD表示となっているので、これはCD発売の年代であろう。

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工藤すみれ小品集 [2006年8月]

工藤すみれ(Vc) 江口玲(P)
「パンペアーナ」(Philips)
最近ニューヨーク・フィルに入団したという(御本人のblog参照。楽員名簿には未掲載)、工藤すみれのデビューCD。
アルバムタイトルのとおり、ヒナステラ;パンペアーナ第2番を演奏しているので発売時から着目していたところ、某オークションで格安の出品があり落札したもの。
そのほかショパン;序奏と華麗なるポロネーズカサド;愛の言葉ラフマニノフ;ヴォカリーズフォーレ;エレジーなど計13曲を収録。
1999年10月、笠懸野文化ホールでの録音。

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2006年08月06日(日)

クロサキのバッハ [2006年8月]

ヒロ・クロサキ(Vn) ヴォルフガング・グリュクサム(Cem)
バッハ;Vnソナタ第4・6番 & 無伴奏Vnパルティータ第2番(ORF)
いつもお世話になっているユビュ王の食卓さんで、ORFレーベルの直販が送料も安く配送も早いという情報を得た。
カタログをあれこれ眺めて、ヒロ・クロサキのバッハをオーダー。
2005年のトリゴナーレ古楽祭のライヴ盤で、サヴァール(指揮) エスペリオンXXIの演奏が収録されたものと組み合わせられた2枚組もあるのだが(ユビュ王の食卓さんが取り寄せられたもの)、今回はクロサキの1枚だけに絞った。
2005年6月20日、音楽祭が開かれているザンクト・フェイト・アン・デル・グラン(オーストリア・ケルンテン州)のラートハウスにおけるライヴ録音。

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ルクーの自主製作盤 [2006年8月]

マルグリット・フランス(Vn) 小佐野圭(P)
フランク;Vnソナタ & ルクー;Vnソナタ(自主製作)
2日の項に記載したアンゲルブレシュト作品の邦題を調べているとき、「Marguerite」と「フランス」でWebを検索すると、「マルグリット・フランス」というヴァイオリニストの名前がヒットした。
そのWebpageへ飛んでみると、「CD販売」のページがあった。
こうなると赤い布を見た牛のようなもので(苦笑)、そのリンクをクリックすると、なんと(!)ルクーのソナタを録音したCDを販売しているではないか!!
すぐにメールして振込先等を確認し、代金送料計2,700円を振り込み、お願いして急ぎ送っていただいたもの。
フランスさんはパリ生れ、ジュネーヴ国際コンクール入賞ののちアンセルメ治下のスイス・ロマンド管の団員となり、1974年以来、日本に住んでおられるとのこと。
1994年9月、玉川学園で録音された。CD-R仕様。

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2006年08月05日(土)

飯守氏の「指環」 [2006年8月]

飯守泰次郎(指揮) 東京都響 ほか
ワーグナー;楽劇「ニーベルングの指環」(ハイライト)(fontec)
休日出勤の帰りに音盤屋(と書店)に寄り、あれこれ買い物。
書店でかなり買い込んでしまったので(汗)、音盤はこれ1枚に絞る。飯守さんのワーグナーとあらば、ポイントが貯まったりするまで待つわけにはいかない。
2005年4月22日、サントリーホールでのライヴ録音。
類似企画と異なり、歌手6人を動員して、「ラインの乙女達と黄金強奪」(アルベリヒが愛を呪い、ラインの黄金を奪う場)、ジークフリートとブリュンヒルデの「愛の二重唱」が、たっぷりと収録されている。この2場面でCDの半分ほど約40分を占めるのだ。
一方で「ワルハラへの入城」「森のささやき」は省かれ、「ワルキューレの騎行」「夜明けとジークフリートのラインへの旅」「ジークフリートの葬送行進曲」「ブリュンヒルデの自己犠牲」が含められている。

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チェクナヴォリアンの「シベ2」 [2006年8月]

ロリス・チェクナヴォリアン(指揮) ロンドン響
シベリウス;交響曲第2番(独RCA、LP)
チェクナヴォリアンのシベリウスは、タワーレコードのオリジナル企画で第1・4・5番がCD化されていた。
そこから漏れた第2番のLPをeBayで見つけて落札したもの。
まあ珍盤蒐集ということだが、曲が曲だけに、もしかしたら面白いかもしれない。
録音年月は不詳だがマルPは1982年、ワトフォード・タウンホールでのデジタル録音。

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オッテルローのマルタン [2006年8月]

ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮) シドニー響
マルタン;小協奏交響曲 ほか(濠RCA、LP)
上記チェクナヴォリアン盤の seller はオーストラリアの人で、オッテルロー晩年のLPを出品していた。
たしか初期CHANDOSからもリリースされていたように記憶しているが、音盤原産地主義の斉諧生としては濠洲盤を見逃すわけにはいかない。
面白いことにハープを独奏パートに持つ管弦楽曲で統一されており、標記マルタン作品(Hp、Cem、P)とドビュッシー;神聖な舞曲と世俗的な舞曲ラヴェル;序奏とアレグロ(Hp、Fl、Cl、SQ)がカプリングされている。
マルタン作品は好きで蒐集している曲なので、その面からも落札せざるべからざる音盤だ。
録音年月は明記されていないがマルPは1976年、シドニー・オペラハウスのコンサートホールでの録音。
(あの建物は「歌劇場」と書くとなんとなく感じが出ないので(笑)、片仮名表記とする。)

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2006年08月03日(木)

ラモンのシューマン [2006年8月]

シュザンヌ・ラモン(Vc) フィリップ・ド・シャレンダー(指揮) ブダペシュト響
シューマン;Vc協(Arkes)
このチェリストは、カトリーヌ・コラールと共演したブラームスバッハ;無伴奏Vc組曲以来、注目している。
しかしながら、Arkesレーベルが彼女の個人レーベルのため、国内の音盤店には入荷しないようだ。
fnac.comあたりなら扱っているのだが、FedEx利用で送料が高くつくので、単独では発注しにくい。
ずっと機会を窺っていたところ、ようやく↓のルクー2盤と併せることができ、オーダーに踏み切ったもの。
2004年11月28日、ブダペシュトのリスト音楽院大ホールでのライヴ録音。

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ミルドニアンとマータのヒナステラ [2006年8月]

スザンナ・ミルドニアン(Hp) エドゥアルド・マータ(指揮) フランス放送新フィル
ヒナステラ;Hp協 & ヴィラ・ロボス;Hp協(PG)
見れば買っているヒナステラ;Hp協の未架蔵盤がeBayに出ていたので落札したもの。
独奏者は高名な人、しかもマータの指揮というから期待せざるべからず。
カプリングのヴィラ・ロボスも、未聴の作品だが、興味を惹かれる。
1977年10月、パリのノートルダム・ドゥ・リバン教会での録音。

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ルクーVnソナタ新譜その1 [2006年8月]

イリナ・ムレサヌ(Vn) ダナ・チオカルリ(P)
ルクー;Vnソナタ & マニャール;Vnソナタ(AR Re-Se)
『レコード芸術』8月号の「海外盤試聴記」で採り上げられていたCD。
ルクーの新録音、しかもカプリングはマニャール。
評者(相場ひろ氏)によれば、
ルクーでは、(略)特に両端楽章での、推進力に満ちた火傷しそうに熱い表現は、この曲に新鮮な魅力を与えたと思う。
さらにすばらしいのがマニャールだ。(略)最後まで集中力と深い思考を途切らせずに弾き切っており、その雄大なスケールは、競合盤を大きく凌ぐと言っていいのではないか。
とのこと、これは聴かざるべからず!と直ちにfnac.comにオーダーすることとした。
Vn奏者は(公式ページあり)、ルーマニア・ブカレスト出身、現在はアメリカ・ボストンに定住している。
1997年のエリザベート王妃国際音楽コンクール(ニコライ・ズナイダーが優勝した年)でファイナリストとなったほか、多くのコンクールで入賞し、独奏者・室内楽奏者として活躍中とのこと。
P奏者もルーマニア出身で、パリのエコール・ノルマルで学び、ドミニク・メルレジョルジュ・プリュデルマシェに師事、クリスティアン・ツァハリアスとの決定的な出会いがあって特にシューベルトの世界に深く関わることになったという。
2005年12月、スイスでの録音。レーベルの公式ページあり。

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ルクーVnソナタ新譜その2 [2006年8月]

マリアンヌ・ピケティ(Vn) ローラン・カバッソ(P)
ルクー;Vnソナタ & ピエルネ;Vnソナタ・バスク幻想曲(Maguelone)
上記ムレサヌ盤を捜した際、fnac.comでルクーを検索したところヒットした未架蔵盤をオーダーしたもの。
こちらの方がレーベルとしては規模が大きい。
ピケティは12歳でパリ音楽院に入り、ピエール・デュカンジャン・ユボーに師事。卒業後は渡米してジュリアードでパールマンのマスタークラスで学んだ。
独奏者・室内楽奏者として活躍しつつ、現在はリヨン高等音楽院の教授を務めているという。イザイ;無伴奏Vnソナタ集のCDも録音しているとか。
2003年2月、パリのシャルル・ミュンシュ・オーディトリアムでの録音。

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ランパルのバッハ [2006年8月]

ジャン・ピエール・ランパル(Fl) トレヴァー・ピノック(Cem) ローラン・ピドゥー(Vc)
バッハ;Flソナタ全集(Sony Classical)
新譜の時にはまったく気付いていなかったのだが、このところ某オークションeBayで見かけては聴きたくなっていた、ランパル1984年録音のバッハ(作曲家の生誕300年記念とのこと)が、某オークションに格安で出品されていたので落札。
モダン楽器の王様とピリオド楽器の旗手(まだピノックが新進奏者扱いだった頃だ)という組合せだが、佐々木節夫氏の解説によれば
両者のあくまで自然で、しなやかな協調がある。(略)用いられる楽器の数百年のギャップを越えて、相手を立てつつ自己の音楽もきちんと主張する理想的なアンサンブルの実現につながったのである。(略)あるがままの率直さでのびやかに奏しながら、バッハに相応しい品格と、極めて流れの良い生彩にとんだ解放的な音楽を実現している
とのこと。
1984年11月、パリのノートルダム・ドゥ・リバン教会での録音。

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2006年08月02日(水)

ツヴェーデンついにブルックナーへ [2006年8月]

ヤープ・ファン・ツヴェーデン(指揮) オランダ放送フィル
ブルックナー;交響曲第4番(EXTON)
2日間の重い出張が何とか無事に終わったことを理由(言い訳)にして、音盤屋に立ち寄る。
目標の一つが当盤で、贔屓の指揮者の一人ツヴェーデン(CDには「ズヴェーデン」と標記されている)が国内盤に登場、しかもブルックナーとあらば早々に聴きたいと購入したもの。
驚いたことにライナーノートに宇野功芳師が登場、
ズヴェーデンというのは始めて(ママ)聴く指揮者名だが、この『ロマンティック』にはおどろいた。実に美しいのだ。立派でもある。
から始まって、「美感にあふれた音楽」「内声のすみずみまで生きて語りかけ」「涙ぐむような淋しさが漂う。ブルックナーがゆっくりと思索しつつ散策するのだ。」「トリオなど他の誰よりも速く、それでいて詩情に満ちている。」「スケールの大きい宇宙の鳴動」「心の表出そのもの」等々、賛辞の洪水なのだ。
2006年4月、オランダ・ヒルヴェルスムのMCOスタジオ(オーケストラのホームらしい)での録音。
なお、江崎氏によれば、今年6月には第7・9番の収録も完了したという。リリースが楽しみだ。

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ジョルダンのデュカ [2006年8月]

アルマン・ジョルダン(指揮) スイス・ロマンド管
デュカ;交響曲 & 舞踊詩「ラ・ペリ」(ERATO)
eBayで安価な出品を見かけ、デュカの交響曲は集めているので、疾うに架蔵しているだろうと思って念の為にチェックしてみたら、なんと欠けているので吃驚。
録音は1984年5月なので(場所はジュネーヴのビクトリア・ホール)、ずいぶん長い間、「持っているつもり」のままだったことになる。
どうやら「ペリ」だけはCascavelle盤で持っているようだ。

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アンゲルブレシュトの管弦楽作品 [2006年8月]

リチャード・カップ(指揮) フィルハーモニア・ヴィルトゥオージ
「フレンチ・ドレッシング」(ESS.A.Y)
これもeBayで落札したCDだが、聴いて吃驚、てっきりピアノ連弾版と思っていたアンゲルブレシュト;組曲「子供部屋」第3巻が、すべて管弦楽版だった!
作曲家としてのアンゲルブレシュトの代表作である「子供部屋」は、フランスの童謡を編曲した曲集で、第1巻から第6巻まで各6曲計36曲を収める。
元来はピアノ連弾版だが(P独奏版もある)、アンゲルブレシュト自身が管弦楽編曲を行っており、8曲分の自演盤LPが遺されている。自演盤には第3巻所収の曲がまったく含まれていないので、今回の録音は誠に貴重なものだ。
「子供部屋」は全音から日本語版楽譜が出版されているのだが(全2冊にまとめられている)、第3巻が含まれていない。そのため邦題がはっきりしないのだが、試訳すれば
(1) もう森には行かない (Nous n'irons plus au bois)
(2) 塔が建っている (La Tour prends garde)
(3) 行ってらっしゃい、デュモレットさん (Bon voyage Monsieur Dumollet)
(4) アヴィニョンの橋の上で (Sur le Pont d'Avignon)
(5) マルグリットはどこ? (Où est la Marguerite?)
(6) 道化師の結婚式 (Arlequin marie sa Fille)
(有名な第4曲以外は、自動翻訳サイトで英訳したものからの重訳なので、まったく自信がない。フランス語に堪能な方や、歌の題名としての定訳を御承知の方、ぜひ御教示くださいませ。<(_ _)>)
 
(追記)
Web上の知人の御厚意で、学識ある方から御教示をいただくことができた。それによれば、
(1) もう森へは行かない
(2) 見張り塔
(3) いってらっしゃい、デュモルさん
(5) どこにいるの、マルグリット?
(6) 自分の娘と結婚するアルルカン
とのことである。
あらためてお二方に、心から感謝の意を表したい。
(以上08月06日)
 
そして更に貴重なことには、「イヴの変容 La métamorphose d'Ève 」というバレエ音楽(演奏時間約12分)も収録されている。
当盤の簡単な解説によれば、アンゲルブレシュト夫人の公演のために作曲されたものという。この曲は自演盤もなく、おそらく世界初録音ではないか。
この指揮者は、ちょっと軽く見ていたが、これ程の発掘をしてくれるとなると、実に端倪すべからざる人ということになる。いや、驚いた。
 
そのほか、ミヨー;世界の創造プーランク;オーバードイベール;ディヴェルティスマンを収めている。
客席ノイズや拍手がありライヴ録音のようだ。収録データは明記されていないが、マルP・マルCとも2005年となっている。
 
なお、当盤はレーベルの公式サイトから購入可能なようだ。

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エーネスのモーツァルト全集 [2006年8月]

ジェームズ・エーネス(Vn & 指揮) モーツァルト・アニバーサリー管
モーツァルト;Vn協全集(CBC)
先日、ネットサーフの徒然にエーネスの公式Webpageを覗いてみると、モーツァルトの生誕250年記念でVn協全集をリリースしたという。
慌ててリンク先のCBCレーベルのオンライン・ショップへ行って、オーダーしたもの。CD2枚組が30ドル弱、送料を含め4,000円強。
協奏曲5曲とアダージョ K.261ロンド K.269ロンド K.373を収録している。
特筆すべきは、カデンツァをすべて自作していること。
オーケストラは、モントリオール響トロント響など北米のオーケストラからのピックアップ・メンバーで、弦合奏は5-5-4-4-2、2管編成。
2005年8月、トロント芸術センターのジョージ・ウエストン・リサイタル・ホールでの録音。

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小林武史氏の新譜 [2006年8月]

小林武史(Vn) 野平一郎(P)
フランク;Vnソナタ ほか(日本ウエストミンスター)
音盤店の店頭に小林武史氏の新譜が並んでいた。
小林氏のCDはずっと買ってきているが、たいてい中古やオークションだった(汗)。これはマイナー・レーベルのようなので、今を逃してはと思いレジへ持参。
標記フランク以外の収録曲はすべて日本人作品で、伊福部昭;カンティレーナ(Vnソナタより第2楽章)山田耕筰;野薔薇(同名の歌曲からの編曲)を収めているのもポイント。
先日の「わんぱく王子の大蛇退治」以来、伊福部作品には心惹かれるのである。
なお、CDには「天使のソナタ」というタイトルが付いているが、これは冒頭に収録された有馬礼子;Vnソナタの題名でもある。小林のために書かれ、このCD録音が初演になる作品とのこと。
同じ作曲者による「紫のアリオーソ」という曲も含まれているが、これも小林が初演した作品。
2006年4月、沖縄・シュガーホールでの録音。解説は片山杜秀氏が執筆している。

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レイボヴィッツのレリオ [2006年8月]

ルネ・レイボヴィッツ(指揮) パリ新交響楽協会管
ベルリオーズ;「レリオ」、あるいは生への復活(米LYRICHORD、LP)
eBayにレイボヴィッツの「レリオ」の英プレス盤が出ている…と思って落札したのだが、現物が届いてみると米盤であった。
米プレスならオリジナルのVOX盤を架蔵しているので、あまり意味はない。送料を含め1,000円程度の買物で傷は浅いのだが(苦笑)、ガックリ。

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