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2006年11月30日(木)

プシホダの遺産 [2006年11月]

ヴァッサ・プシホダ(Vn) レオポルド・カセッラ(指揮) ルガーノ放送響 ほか
ドヴォルザーク;Vn協 ほか(PODIUM)
プシホダの未発表音源を熱心にCD化してくれているPODIUMレーベル、久しぶりに新譜が出るというのでアリアCDさんにオーダーしていたもの。
彼の十八番ドヴォルザークは、これで4種類目。うちスタジオ録音はSPのケンペン盤で、同演異マスタリング盤が何種類も出ている。
今回は1954年3月18日、スイス・イタリア語放送の音源である。
その他には、
モーツァルト;Vn協第3番(オトマール・ヌッシオ(指揮) ルガーノ放送響、1953年6月5日)
と小品2曲。
ところで、当盤に "Vol.11" の表示があったので、架蔵品を確認してみると、"Vol.8" までしかない!
レーベルの公式Webpageには "Vol.9" も "Vol.10" も掲載されているので、買い漏らしていることになる。
何としても入手せねば…!!

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イギリスのデュリュフレ [2006年11月]

ロバート・シャープ(指揮) トゥルーロ大聖堂聖歌隊 ほか
デュリュフレ;レクイエム ほか(LAMMAS)
アリアCDさんのWebpageで、蒐集しているデュリュフレ作品の未架蔵盤を見つけたのでオーダーしたもの。
楽譜の版が問題になる曲だが、ここでは1947年のオルガン版に拠っている(ただし "Pie Jesu" でのVc独奏は省略)。
高声部は少年合唱により、 "Pie Jesu" もトゥッティで歌われる。
その他、デュリュフレ宗教合唱曲集ということで、4つのモテットミサ「クム・ユビロ」「我らが父なる神よ Nôtre Père 」を収録している。
トゥルーロという街は初耳だが、イングランド南西部、コーンウォール州の州都とのこと。大聖堂は(公式Webpageあり)、街の重要な観光資源らしい。
レーベルも初めてだが、公式Webpageを見ると、教会音楽(合唱、オルガン)を主なレパートリーとしているようだ。
直接注文できるようなので、ナディア・ブーランジェ作品を含む1枚をオーダーしてみた。

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2006年11月29日(水)

弦楽六重奏版K.364 [2006年11月]

アンサンブル・ウィーン ほか
モーツァルト;協奏交響曲 K.364 & P五重奏曲 K.452(Koch)
某オークションを見ていたら、好きなK.364の、弦楽六重奏曲版のCDが安価で出品されていた。
演奏者もフォルカーさんが高く評価しておられる団体なので、落札してみた。
録音が2000年8・10月と比較的新しく、第1Vnは、フォルカーさんが「なんともいえない、いい味が出てる」と評されるパウル・グッゲンベルガーではなく、現在のライナー・ホーネックになっている。
斉諧生的には、これもよし。ホーネックも聴いてみたい人なので。
カプリングはPと管楽器の五重奏曲 K.452をピアノ(アンドレアス・フレーリヒ)と弦楽器の四重奏曲に編曲したもの。
原曲は偏愛の作品のひとつなので、こちらにも興味を惹かれる。
なお、現在のメンバー紹介は、日本のマネジメントのWebpageで読むことができる。

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ジョンゲンの「月の光」 [2006年11月]

ジャン・ピエール・ヘック(指揮) リエージュ・フィル ほか
ジョンゲン;カンタータ「コマラ」・「月の光」(Musique en Wallonie)
某オークションを見ていたら、蒐集している作曲家の一人ジョンゲンの未架蔵盤が出品されていた。
いつも参考にさせていただいているあんぐらCD博物館さんで調べてみると、メインのカンタータはジョンゲンの出世作だが、習作期の作風で推薦できないとのこと。
しかしながら、フィルアップの「月の光」(管弦楽版)は、「『海』を思わせる流麗甘美なオーケストレーションには溜息しか出ません。滑らかな弦部の響きも陶酔感満点。」とのこと。
これは聴かざるべからずと落札してみた。
2003年2・9月、サル・フィルハーモニクでの録音。
なお、「月の光」(ピアノ版)が併録されているが、こちらは1973年録音の既発音源。

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2006年11月28日(火)

マタチッチ・N響ライヴ3点 [2006年11月]

ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮) NHK響
ベートーヴェン;交響曲第6番 ほか(Altus)
 
ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮) NHK響
ブルックナー;交響曲第5番(Altus)
 
ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮) NHK響
ショスタコーヴィッチ;交響曲第1・9番(Altus)
 
本業が一山越えて気が緩んだのか、少し体調が思わしくない。
とはいえ別に暇になったわけではないので、出勤も出張もせねばならない。
夕方からの出張先が繁華街の中だったので、そのまま某大型音盤店に吸い込まれ(苦笑)、芳しくない体調のせいか精神に張りがなく、生理的(?)欲求を抑えきれず大量に購入(自滅)。
まずマタチッチのライヴ3点。
このうち特に注目するのがブルックナーで、1967年11月21日東京文化会館での収録…すなわち宇野功芳師が再三言及している「ぼくが心底から彼に傾倒したのは、二回目の来日公演におけるブルックナーの『第五』」(『モーツァルトとブルックナー』帰徳書房)に相当する公演だろうと思われるからである。
ことにアダージョの、これこそブルックナーといいたい深い美しさ、そしてスケルツォの豪快な迫力と生々しいリズムはまさに魂の祭典にまで高められ(略)ぼくは実演において、初めてブルックナーの醍醐味を満喫したのである。」(上掲書)
いつも貴重なデータを参考にさせていただいている「海外オーケストラ来日公演記録抄」によると、11月21・22日の2回公演だったようなので、宇野師が聴いたのは翌日の演奏だった可能性もある。
しかし通常、評論家は初日に行くものだし、マタチッチの芸風からして1日違いで大違いということもなさそうだから、このCDがその記録と考えてよいだろう。
3枚ともブックレットには指揮者・北原幸男氏の回想が掲載されている。
1982年、当時N響の指揮研究員という肩書きでウィーンに滞在しホルスト・シュタインに師事していた氏は、N響事務局の依頼でマタチッチをドゥブロクニクの自宅に訪ねて、来日を交渉したのである(その結果が1984年の最後の来日公演)。
とにかく先生はブルックナーの音楽を、そしてオーケストラの響きを愛していらっしゃって、リハーサルのときに、『いまここの響きだ』というようなところになると、ほんとうに無邪気な表情で最前列に座っているわたしのほうを振り返るんですよね。それはもう嬉しそうに。そのときの音楽の息遣いはほんとうに見事で、わずかな手の動きで素晴らしい音響空間が目の前に広がるんですね。ほんとうにゴシック聖堂のようなしっかりとしたフォルムがあって、しかもその響きがある一点に向かって凝縮されているという印象ですね。
 
その他の曲目と収録日は次のとおり。
ベートーヴェン;交響曲第6番
ベートーヴェン;序曲「レオノーレ」第3番
ワーグナー;楽劇「マイスタージンガー」第1幕前奏曲
(1967年11月25日、新潟県民会館)
 
ショスタコーヴィッチ;交響曲第1番
(1969年5月20日、東京文化会館)
ショスタコーヴィッチ;交響曲第9番
(1967年1月12日、東京文化会館)
 
それはそうと、現在のサッカー日本代表監督のイビツァ・オシム氏はサラエボ、マタチッチはザグレブ、現在の国は違うが旧ユーゴの出身という点では共通している。
顔立ちや体つきは勿論全然違うのだが、なんとなく似た雰囲気を持つように思うのだが〜「賢者」と枕詞をつけたいような〜、さてどうだろう?

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ケーゲル・ライヴ3点 [2006年11月]

ヘルベルト・ケーゲル(指揮) ライプツィヒ放送響 ほか
ベートーヴェン;交響曲第9番「合唱」(WETBLICK)
 
ヘルベルト・ケーゲル(指揮) ドレスデン・フィル
シューマン;交響曲第4番 & ブラームス;交響曲第2番(WETBLICK)
 
ヘルベルト・ケーゲル(指揮) ドレスデン・フィル
マーラー;交響曲第1番(WETBLICK)
まとめ買いはマタチッチかケーゲルかどちらかにしようと思いつつ、ついと誘惑に負けて両方をレジへ持っていってしまう。
ベートーヴェンは1987年7月31日、シューマンは1980年10月14日、ブラームスは1988年11月22日、マーラーは1981年2月25日の録音。
こうしたケーゲル晩年の演奏記録を前に、欲求を抑えることができようか?
会場はベートーヴェンとブラームスがゲヴァントハウス、シューマンはライプツィヒ・コングレスハレ、マーラーはドレスデン・クルトゥーアパラストであった。

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リステンパルトのシンプル・シンフォニー [2006年11月]

カール・リステンパルト(指揮) ザール室内管 ほか
ブリテン;シンプル・シンフォニー ほか(Accord)
このシリーズが出たとき、うっかり見逃していたリステンパルトの演奏。
常々愛読させていただいているCD購入日記さんの記事で気づき、愛聴しているブリテン作品ならば是非にと考えていたところ、今日立ち寄った音盤屋のワゴン・セール品中に発見、これこれ、と買い取ったもの。
1959年7月の録音。
メインはルイ・オーリアコンブ(指揮) トゥールーズ室内管によるラモー;六重奏のための6つのコンセール(1960年6月録音)、ジャケット表にはこちらの記載しかないのでリステンパルトを見過ごしたのだ。

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ムジカ・アンフィオンというアンサンブル [2006年11月]

ピーター・ヤン・ベルダー(指揮) ムジカ・アンフィオン
バッハ;ブランデンブルク協(全曲)(BRILLIANT)
上記リステンパルト盤と同じワゴンから発見。
目に留めた最初、なんだブリリアントか再発音源だろう、と無視しかけたのだが、ふと手にとって吃驚。
ソリストにスヴィールストラ山縣さゆりウィルベルト・ハーツェルツェットといった18世紀管でよく見た名前が並んでいる。
これは聴かねば、少なくともコレクションとして買っておかねばと思い、レジへ持参した。
2006年5・6月、オランダ・ライデンのロクホースト教会での録音。
アンサンブルの公式Websiteで調べてみると、テレマン;ターフェルムジークの全曲録音などもあるようだ。また捜さねば。

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ライナーのバッハとモーツァルト [2006年11月]

アンドレ・チャイコフスキー(P) フリッツ・ライナー(指揮) シカゴ響
バッハ;P協第5番 & モーツァルト;P協第25番 ほか(BMG)
ライナーの遺産の中でも不遇な位地にあった録音。
モーツァルトはピアニストがその後に無名化したせいか、あるいはライナーの剛直なイメージと合わないとされたせいか、LPでも入手が難しかった。
それが、録音されながらお蔵入りになったバッハ(発売時にはモーツァルト;歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲に差し換えられた)とのカプリングで、CDに復活したからには買わざるべからず。
1958年2月、シカゴのオーケストラ・ホールでの録音(序曲のみ翌年3月の収録)。

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ルーツベルクのニルセン [2006年11月]

ゲイル・インゲ・ロツベルグ(Vn) ホーヴァル・ギムセ(P)
ニルセン;Vn作品集(afontibus)
いつもお世話になっているノルディックサウンド広島の "Release Information" を見ていたら、いろいろ興味を惹かれるCDが掲載されていたので何点かオーダー、そのうち在庫のあったニルセンが届いた。
ルーツベルクはベルゲン・フィルのコンサートマスター、オスロ弦楽四重奏団の第1Vn奏者。
このレーベルは、彼自身が運営するものらしい。
試聴できるようになっているので、一寸聴いてみたところ、冴え冴えとしたヴァイオリンの音色に耳を奪われ、入手せざるべからずと決心したもの。
当盤には、Vnソナタ イ長調Vnソナタ第2番、無伴奏Vnのための前奏曲、主題と変奏及び前奏曲とプレストを収めている。
2001年3月、ベルゲンのトロルホール及びヨンダール教会で録音された。

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カプソン新譜(遅れ気味) [2006年11月]

ルノー・カプソン(Vn) ゴーティエ・カプソン(Vc)
バッハ(ノイマン編);VnとVcの20の二重奏曲 ほか(Virgin)
カプソン・ファンを公言しておきながら、しばらく買いそびれていた新譜の二重奏曲集を購入。
標記バッハは20曲中7曲の抜粋、その他バルトークアイスラーマルティヌーなどを収める。
2005年3月、パリのIRCAMでの録音。

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ドルフレルのバッハ無伴奏 [2006年11月]

セバスチャン・ドルフレル(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(VNP)
いつも貴重な情報を参考にさせていただいているt.sさんのWebpageで見て気になっていたCD。
ノルウェーのレーベルと言うことに気がついて、ノルディックサウンド広島に取り寄せをお願いしたところ、上記ニルセンのオーダーとほぼ同時に入荷があり、合わせて送っていただいた。
ドルフレルは1966年生れ、イーストマン音楽学校からベルリン高等音楽院に進み、ベルリン・フィル(カラヤン・アカデミー)やベルリン・ドイツ・オペラを経て、1995年からベルゲン・フィルの首席Vc奏者を務めているとのこと。
(今日の荷物は、期せずして同じオーケストラの首席奏者が揃ったことになる。)
t.sさんの評では
穏やかで優しさが感じられる佳演です。丁寧に,丹念に,心を込めて演奏されているところに好感を持ちます。
とのこと、楽しみである。
第1〜3番は1998年1・6月、第3〜6番は2001年8月・2002年9月、ともにノルウェー・ベルゲンのストレトヴェイト教会での録音。

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田部さんのホルベア [2006年11月]

田部京子(P)
グリーグ;ホルベアの時代から ほか(DENON)
税抜き3,000円もする国内盤新譜を買うには抵抗も少なくないのだが、ほかならぬ田部さんがほかならぬグリーグ作品を録音したからには買わざるべからず。
カプリングの組曲「ペール・ギュント」第1番は作曲者自編によるピアノ独奏版、更に抒情小曲集から8曲というのにも、もちろん心惹かれる。
2006年8月、上野学園石橋メモリアル・ホールでの録音。
なお、Classical CD Information & Reviewsさんのレビューが既に掲載されている。

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アンスネス小品集 [2006年11月]

レイフ・オーヴェ・アンスネス(P)
「ホライズンズ」(EMI)
昨年の羅府遠征から間もなく1年という記念に、グリーグのソリストだったアンスネスの小品集を購入。
全22曲には、シベリウスモンポウ(「湖」!)、グリーグハルヴォルセンといった贔屓の作曲家の音楽が並んでいる。
実演でアンコールに弾いたメンデルスゾーン;無言歌は、ここに収録されているop67-2 嬰ヘ短調だったろうか?
特設Website andsneshorizons.com もある。

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JFK追悼ミサ [2006年11月]

エーリヒ・ラインスドルフ(指揮) ボストン響 ほか
モーツァルト;レクイエム(BMG)
LP時代末期に「幻の名盤」というと真っ先に挙がるのが、このレコードではなかったか。
人口に膾炙しているわりには覆刻の話がなく、よく『レコ芸』あたりの読者質問コーナーで話題になっていたものだ。
それがCD化されたというので是非聴かねば…と考えていたもの。
申すまでもなく、1964年1月19日、前年11月に暗殺されたジョン・F・ケネディ追悼ミサのライヴ録音。
CD2枚組で、オルガンの前奏や司祭たちの祈りなど、カトリック(JFKは現時点でアメリカ史上唯一のカトリックの大統領)によるミサ典礼のほとんど(司式のカッシング枢機卿の説教は省かれている。これはLPも同様)を収録している。
演奏自体は気合いの入ったもので、さすが伝説の名演の名に恥じない。同曲を愛好するならば、必聴盤の一つに数えられよう。
ただし、残念ながら録音状態が良くない。残響が多すぎて(マイクも遠いのか)鮮明さを欠き、また、強奏時にいくぶん歪みを感じるときがある。
RCAの黄金時代を築いたジョン・ファイファールイス・レイトンによる収録だが、こういう特殊な機会のものゆえ、若干の不備はやむを得ないだろう。

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2006年11月24日(金)

オルムソウスキのハイドン [2006年11月]

フランコ・マッジョ・オルムソウスキ(Vc) ジャン・ピエール・ワレーズ(指揮) アンサンブル・オーケストラ・ド・パリ
ハイドン;Vc協第1・2番(ADES)
某オークションに未知のチェリストのハイドンが出品されていた。
指揮がワレーズであり、また、この時期のADESは渋い音盤が多いことに鑑み、格安ということもあって落札してみた。
調べてみると、ERATOにローレンス・フォスターとのエネスコ;協奏交響曲の録音があり、架蔵している(汗)ことがわかった。
録音データは明記されていないが、マルPは1984年。

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2006年11月22日(水)

ハンドリーのRVW続く [2006年11月]

ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロイヤル・リヴァプール・フィル ほか
RVW;海の交響曲(第1番)(EMI)
1枚ずつバラで中古を蒐めてゆくことにしたハンドリーのRVW交響曲集、今度は某オークションで「海の交響曲」を落札。
前2枚同様、"EMI EMINENCE" シリーズ(EMX番号)である。
1988年7月、リヴァプールのフィルハーモニック・ホールでの録音。

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アッカルドとヒコックスのエルガー [2006年11月]

サルヴァトーレ・アッカルド(Vn) リチャード・ヒコックス(指揮) ロンドン響
エルガー;Vn協 & ウォルトン;Vn協(Collins)
まだまだ録音の少ないエルガーとウォルトンのVn協、未架蔵盤を某オークションで見かけたので落札したもの。
新譜の時も見ていたが、アッカルドとイギリス音楽の組合せに少し違和感を覚えて買わなかったのである。この頃はヒコックスへの認識も薄かった。ともに反省。
1991年12月、アビー・ロード・スタジオで録音された。

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吹奏楽版ロンド・イン・バーレスク2枚目 [2006年11月]

汐澤安彦(指揮) 東京佼成ウィンド・オーケストラ
伊福部昭;和太鼓と吹奏楽のための「ブーレスク風ロンド」 ほか(Victor)
今年の所謂「マイブーム」であった『わんぱく王子の大蛇退治』(特集ページも早く書き上げねば!)の音楽が引用されている「ロンド・イン・バーレスク」、斉諧生が最初に聴いたのは広上淳一(指揮) 日本フィル盤に収録された管弦楽版。
ただし最初の版は1972年、この団体のために書かれた吹奏楽バージョンで、1984年、秋山和慶の指揮で録音され、そのLPは先だって入手した。
別な音源があると知り、店頭で捜していたのだが見つからず、某オークションで比較的安価な出品があったのに接して落札したもの。
1999年2月、新座市民会館で録音された音源だが、楽譜は秋山盤と若干異なる。
東京音大のバンドによるアメリカ演奏旅行のために改訂されたもので、終結部が加筆され、日本的な音色を加えるため和太鼓が編入された。この盤は「和太鼓〜」版での初録音ということになろうか。
カプリングはバンドのための「ゴジラ」ファンタジーバンドのための「ゴジラ」マーチ、更に効果音として「ゴジラ」足音「ゴジラ」鳴き声が付されている。
前2者はアマチュアが演奏会で採り上げやすいように編曲されたもの(和田薫による)、2つの効果音はコンサート会場での演出用とのことである。
ブックレットに「演奏上のアドバイス」という記事が掲載されているあたり、いかにも演奏会用だ。

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2006年11月20日(月)

ロシアのチェリスト作曲家の作品集 [2006年11月]

ルドヴィート・カンタ(Vc) 上田晴子(P)
ダヴィドフ;Vc作品集(国際楽器)
お店にはなかなか行けないがblogを愛読しているJEUGIA 梅田ハービスENT店
11月17日付けの記事で、このCDが紹介されていた。
夢見るような楽想、伸びやかなメロディを持ち、なぜこれがもっと演奏されないのか理解できない、シューマンの作品と言われても納得してしまうような、まさにど真ん中のロマン派音楽
という惹句はもとより、ピアノが先日実演で感心した上田晴子さん、是非にと聴きたくなり、版元国際楽器のWebpageから「通販してくれないか」と申し込んだ。
折り返し電話があり、商品到着後に郵便振替で払込みという条件で、すぐ送ってくださったもの。
一聴したところ、なるほどロマンティックな佳品ばかり、これは良い音盤である。
2005年8月、石川県立音楽堂コンサート・ホールでの録音。

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2006年11月19日(日)

「プラハの春」のアンチェル [2006年11月]

カレル・アンチェル(指揮) チェコ・フィル
スメタナ;「わが祖国」(Radioservis)
先日購入した松本大輔『それでもクラシックは死なない!』を読んで、ぜひ聴きたくなったCDを2点、某オークションで落札した。
(本来なら松本さんのアリアCDにオーダーすべきところだが、届くまで待ちきれないので、手っ取り早い方で入手してしまった。
届いたところで聴く時間が取れるのはずっと先なのだが(苦笑)。)
全曲、いいかげんに聴いていいところなど1秒たりともない、血と涙の鉄の名曲である。そしてどの1秒にも『生きろ! 生きて前を向け!』というアンチェルの希望に満ちた叫びが聞こえてくる。
1968年5月12日、「プラハの春」音楽祭オープニング・コンサートのライヴ…というよりも、いまや歴史的名辞となった「プラハの春」、すなわち1968年の春から夏にかけて起こったチェコスロヴァキアの体制改革運動の直中の記録なのである。
録音状態は良好、弦の高音域が少し硬いが、全体に生々しく力がある。歴史的記録としてではなく、鑑賞の対象として十二分に評価できる音質だ。

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カントロフの落ち穂拾いを兼ねて [2006年11月]

マイケル・ロール(P) ハワード・シェリー(指揮) ロイヤル・フィル ほか
ベートーヴェン;P協全集(三重協含む)(Membran)
上記アンチェル盤同様松本大輔『それでもクラシックは死なない!』掲載盤を某オークションで落札したもの。
きらめくような打鍵(略)何よりこの圧倒的なスピード感。
という独奏ピアノへの期待ともども、三重協ジャン・ジャック・カントロフ(Vn)が加わっているからには、いつまでも放っておくことはできない。
(チェロはラファエル・ウォルフィッシュ)
1995年3〜4月にウェンブリーのCTSスタジオ(P協)、同年10月にワトフォード・コロシアム(三重協)で、それぞれ録音された。

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2006年11月16日(木)

「現代のシューリヒト」 [2006年11月]

上岡敏之(指揮) 北西ドイツ・フィル
ブラームス;交響曲第4番(自主製作)
宇野功芳師が唐突に特定の演奏家を絶賛するのはいつものことだが(そして突然沈黙する)、それにしても『レコード芸術』7月号で、この指揮者のことを
彼は音符のひとつひとつに細かく緻密な神経を張りめぐらし、意味深く、しかも高級なニュアンスを持って語りかけたのだ。(略)ひょうひょうたる趣や、柔軟で力みのない感触は往年のシューリヒトの世界を彷彿とさせた。(略)ぼくはあえて言うが、現在ドイツ音楽を彼以上に振れる指揮者は世界中を見わたしても存在しない。
と書いたのには驚かされた。
更にアリアCDさんに当盤の情報が掲載されたときに、また驚かされた。
北西ドイツ・フィルの自主製作盤で入荷の見通し不明というので半分諦めつつオーダーしたのだが、アリアCDさんのお力か相当枚数が入荷して、無事届けられた。
2004年3月23日のライヴ録音。
なお、指揮者のファン・サイトがある。

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パウムガルトナーのモーツァルト(1) [2006年11月]

アルトゥール・グリュミオー(Vn) ベルンハルト・パウムガルトナー(指揮) ザルツブルク・モーツァルテウム管 ほか
モーツァルト;Vn協第5番(同曲異演集)(Orfeo)
ザルツブルク音楽祭の記録音源から、モーツァルトのVn協第5番(所謂「トルコ風」)を4種、CD2枚に収めたマニアックな組物。
アルトゥール・グリュミオー(Vn) ベルンハルト・パウムガルトナー(指揮) ザルツブルク・モーツァルテウム管(1956年8月5日)
エリカ・モリーニ(Vn) ジョージ・セル(指揮) フランス国立放送管(1959年8月3日)
ナタン・ミルシテイン(Vn) カール・ベーム(指揮) シュターツカペレ・ドレスデン(1961年8月13日)
ヴォルフガング・シュナイダーハン(Vn & 指揮) ウィーン・フィル(1973年8月4日)
勿論目当てはかねて蒐集しているパウムガルトナーであり、美音の最盛期にあったグリュミオーである。
モリーニとセルは、以前Sony Classicalから出たCDと同じ音源。

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パスキエのベートーヴェン [2006年11月]

レジス・パスキエ(Vn) エマニュエル・ルデュック・バロム(指揮) バルティック室内管
ベートーヴェン;Vn協・2つのロマンス(CALLIOPE)
Web上の知人から発売情報を得て気に懸けていたところ、今日偶々立ち寄れた音盤屋の新譜棚に並んでいたので早速購入。
2006年3月、サンクト・ペテルブルク・レコーディング・スタジオでの録音。

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テツラフ現代音楽を弾く [2006年11月]

クリスティアン・テツラフ(Vn) イラン・ヴォルコフ(指揮) BBCスコティッシュ響 ほか
マックレイ;Vn協 ほか(NMC)
テツラフの音盤は聴き逃すべからずと蒐集中のところ、アリアCDのカタログに現代音楽の録音が掲載されたのでオーダーしたもの。
スチュアート・マックレイ(MacRae)のVn協は、BBCプロムスの委嘱作品で、2001年にタスミン・リトルが初演し、翌年のエディンバラ音楽祭でテツラフが採り上げたとのこと。
2006年1月、グラスゴー・シティ・ホールでの録音である。
同じ作曲者の「ウゴリーノ伯の死」より2つの情景(スザンナ・マルッキ(指揮) バーミンガム現代音楽グループ)ほか2曲を収録している。
(ウゴリーノ伯はダンテ『神曲』の登場人物)

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ムローヴァのシューベルト [2006年11月]

ヴィクトリア・ムローヴァ(Vn) カティア・ラベック(P)
シューベルト;幻想曲 & ラヴェル;Vnソナタ ほか(Onyx)
一時期は一所懸命に蒐集したムローヴァだが、このところ新譜に乏しいのが気になっていた。
Onyxレーベルからラベック(姉妹の片方が伴奏者として登場するのは珍しいだろう)との二重奏が発売されるというので楽しみにしていたところ、上記パスキエ盤ほかと一緒に並んでいたので購入。
何といってもシューベルト作品は聴き逃せない。
もっとも2人の資質からすると、一番上出来なのはストラヴィンスキー;イタリア組曲あたりかもしれないが…。
2005年11月、パリのIRCAMで収録されたリサイタル仕立てのCDで、アンコールということだろう、クララ・シューマン;ロマンス op.22-1をフィルアップしている。

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パウムガルトナーのモーツァルト(2) [2006年11月]

ベルンハルト・パウムガルトナー(指揮) カメラータ・アカデミカ・ザルツブルク ほか
モーツァルト;歌劇名唱集(Orfeo)
ザルツブルク音楽祭の記録音源(1951〜2003年分)から、CD2枚に29曲を集成した組物。
例によって、蒐集中のパウムガルトナーの演奏が含まれているというので、アリアCDさんにオーダーしていた。
彼が指揮しているのは4曲で、
テレサ・シュティヒ・ランダルとの「シピオーネの夢」のアリア、
リタ・シュトライヒとの「牧人の王」のアリア、
ピエレット・アラリー & レオポルト・シモノーとの「恋の花つくり」の二重唱、
エヴァ・ブリンクらとの「カイロの鵞鳥」のフィナーレ。
その他、古くは
フルトヴェングラーグラインドル「魔笛」のフィナーレ(1951年)
ミトロプーロスシュトライヒ & シエピとの「ドン・ジョヴァンニ」の二重唱(1956年)
から、新しくは
アイヴァー・ボルトンディアーナ・ダムラウとの「後宮からの逃走」(2003年)
までを収める。

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コルトの「モツレク」 [2006年11月]

カジミシュ・コルト(指揮) ワルシャワ国立フィル ほか
モーツァルト;レクイエム(MUZA)
先日購入した松本大輔『それでもクラシックは死なない!』にもベートーヴェン;交響曲全集の記事が掲載されているが、蒐集中のコルトのライヴ録音が出るというので、アリアCDにオーダーしていたもの。
少し古く1979年12月、ワルシャワの国立フィルハーモニー・ホールでの収録だが、音質的な問題は何もない。高弦の響きも美しく、音場の奥行き・立体感にも優れている。
MUZAからLPも出ていたようなので、またそちらも入手してみたいものだ。

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2006年11月13日(月)

ハンドリーのRVW2枚 [2006年11月]

ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロイヤル・リヴァプール・フィル ほか
RVW;交響曲第5番・組曲「フロス・カンピ」(EMI)
 
ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロイヤル・リヴァプール・フィル ほか
RVW;南極交響曲(第7番)・音楽へのセレナード(EMI)
ハンドリーのRVW交響曲全集、BOXにまとまっているのは知っているが、一部既に架蔵している盤もあり、また箱入り廉価盤があまり好きでないこともあり(どうも安っぽい)、中古かオークションで1枚ずつ蒐めてゆくことにした。
とりあえずeBayで安価な出物のあった2枚を落札。
第5番の方は1986年9月、第7番は1990年9月、それぞれリヴァプールのフィルハーモニー・ホールで録音された。

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トレチャコフらのショスタコーヴィッチ [2006年11月]

ヴィクトル・トレチャコフ(Vn) カリーネ・ゲオルギアン(Vc) パーヴェル・ギリロフ(P)
ドヴォルザーク;P三重奏曲第4番「ドゥムキー」 & ショスタコーヴィッチ;P三重奏曲第2番(gutingi)
某オークションに贔屓の奏者、トレチャコフとゲオルギアンの共演盤が出品されていたので落札。
ゲオルギアンの公式Webpageのディスコグラフィに掲載されているのだが市販されていない様子で(以前メールしてみたが梨の礫)、切歯扼腕していたCDの1枚である。
ドイツのKempenという町の教会で行われている演奏会シリーズでのライヴ録音で、1998年10月4日の収録とある。
主催者の公式Webpageを見つけた。

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2006年11月12日(日)

ツヴェーデンのブルックナー第2弾 [2006年11月]

ヤープ・ファン・ツヴェーデン(指揮) オランダ放送フィル
ブルックナー;交響曲第7番(EXTON)
先だって第4番が発売されて始まったツヴェーデンのブルックナー・チクルス、続いて第7番が出たので購入。
前作同様、宇野功芳師がライナーノートを執筆しておられ、
ズヴェーデンの演奏は常に豊かなハーモニーにあふれ、すべての楽器が鳴り切り、それでいてバランスが良い。(略) ズヴェーデンの指揮により、曲自体が得をしている気がする。
と賛辞を呈しておられる(ただし、手放しの絶賛ではなく、一部留保が付されている)。
2006年6月、オランダ・ヒルヴェルスムのMCOスタジオにおける録音。
江崎プロデューサーの日記によれば、同時に第9番も収録したという。
こちらのリリースも楽しみだ。

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ファウストの新譜ジョリヴェ [2006年11月]

イザベル・ファウスト(Vn) マルコ・レトニャ(指揮) ベルリン・ドイツ響
ジョリヴェ;Vn協 & ショーソン;詩曲(HMF)
音盤屋の新譜棚にファウストの新録音が並んでいた。
彼女はテツラフらと並んで独墺圏ヴァイオリン界の今後を担う逸材であり、ジョリヴェの協奏曲などこれまで聴いたことがなくとも買わざるべからず。
(ショーソンが組み合わされているのは、少しでも売上を良くしたいということだろうか?)
指揮がレトニャというのも面白い。以前、スロヴェニア・フィルの自主製作盤でマーラー;第3交響曲を苦労して入手した人だ。
(彼のバイオグラフィなどはマネジメントのWebpageを参照。少し前までバーゼル響の首席指揮者だったようだ。)

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そしてまた Want List が膨らむ [求書読書録]

松本大輔『それでもクラシックは死なない!』(青弓社)
いつもお世話になっているアリアCDの店主、松本さんの新著を買いに書店へ赴く。
前著から3年が経過し、その間に上記Websiteで紹介されたCDから約150点を掲載したとのこと。
(個人的には、もう3年?と不可解な気分である。歳を取るとそんな風に感じるものなのだろうか。)
今回も駄作は1本もないと思います。すべてが店主自身の宝物であり、多くのクラシックファンの方にとっても宝物になるだろうと確信しているものです。
と言い切る名演名盤の数々、これを読んでまた Want List が膨らむのだろう…(苦笑)。
詳細は、版元Webpageを参照されたし。

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2006年11月11日(土)

アントンセン名演集 [2006年11月]

ウーレ・エドヴァルド・アントンセン(Trp) アイナル・ヘンニング・スメビ(P)
「ヴィルトゥオーゾ・トランペット」(SIMAX)
トランペットという楽器の存在を感じさせない、途轍もない高みに達している演奏家、アントンセン。
彼のコンサートに2度ほど足を運んだが、得られた感動は大きかったものの、ガラガラの客席への失望も大きかった。もっと正当に評価されてほしい奏者の一人だ。
彼の未架蔵盤をeBayで見つけたので落札したもの。
フランセ;ソナチネオネゲル;イントラーダなど全9曲(いずれも20世紀の作品)を収録している。
1989年5月、ノルウェー・シーのサレン教会ホールでの録音。

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TROUTレコード新譜 [2006年11月]

花岡和生(Rec) ほか
ヘンデル;Recソナタ集(TROUT)
第1作のブラヴェ作品集以来、美しい演奏とCDのアートワークを楽しみに、ずっと買い続けてきた花岡氏の新作が出ると公式Webpageで発見。
即座にメールで予約したところ、発売と同時にお届けいただいた。
CD2枚組にソナタ6曲とトリオ・ソナタ2曲が収められており、竹嶋祐子(Vn)、西沢央子(Vc)、岡田龍之介(Cem)が参加している。
2006年3月、神奈川県立相模湖交流センターでの録音。
なお、ブックレット表紙の版画を製作しておられるのが木村繁之氏であることに気付いて、吃驚。
木村氏の立体作品は斉諧生宅を飾っているのである。まったく同一ではないが、こんな感じの陶作品である。

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2006年11月10日(金)

実演の感銘再び [2006年11月]

フランソワ・ルルー(Ob)
「ソロ・オーボエ」(fontec)
現役のOb奏者としては最高峰の一人、フランソワ・ルルーの実演は、平成14年5月30日大阪センチュリー響とのR・シュトラウス;Ob協に接したことがある。
柔らかい甘美な音色と絶妙のピアニッシモ、素晴らしいテクニックに聴き惚れた。
その直後、6月6日に武蔵野市民文化会館・小ホールでライヴ録音されたのが当盤。
実演での感銘の記念に買い求めたいと思いつつ、ずっと買いそびれていたのだが(国内盤新譜はいつもそうなる(汗))、ようやく某オークションで安価な出品を見つけたのを機に落札・入手した。
収録曲は、
C.P.E.バッハ;無伴奏Obソナタ
テレマン;12の幻想曲より
ブリテン;オヴィディウスによる6つの変容
シルヴェストリーニ;独奏Obの5つの絵
など。
(斉諧生が聴いたコンサートでは、ブリテンとシルヴェストリーニ作品の一部がアンコール曲として演奏された。)

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2006年11月09日(木)

ヴェデルニコフ弾くモーツァルトの短調 [2006年11月]

アナトリー・ヴェデルニコフ(P)
モーツァルト;Pソナタ第14番 & ロンド イ短調 K.511 ほか(DENON)
ヴェデルニコフを最初に聴いたのは、フランク;前奏曲、フーガと変奏
これは凄い人だと思った。
その後もベートーヴェン;Pソナタ第30〜32番など、感動的なCDを聴いてきたが、網羅的な蒐集は、あえて避けている。ピアニストやピアノ独奏曲にはあまり関心を持たないよう自制しているのだ(苦笑)。
とはいえ、好きなピアノ曲の一つモーツァルトのK.511の録音を某オークションで見つけてしまったからには聴かざるべからず、落札。
標記2曲に幻想曲 ハ短調 K.475がカプリングされている(CD収録はロンド、幻想曲、ソナタの順)。
1977年、モスクワでの録音という。

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2006年11月08日(水)

ハンドリーのディーリアス [2006年11月]

ヴァーノン・ハンドリー(指揮) アルスター管
ディーリアス;組曲「フロリダ」・北国のスケッチ(CHANDOS)
ハンドリーのイギリス音楽録音は極めて多岐にわたり、なかなかアーノルドあたりまでは手を伸ばせないが、もともと好きなディーリアスやRVWくらいは揃えてみたいと思っている。
(ディーリアスについては、指揮者がハンドリーでなくても揃えたいくらいだ。)
某オークションに出ていた、ディーリアスの未架蔵盤を落札。
1985年8月、ベルファストのアルスター・ホールでの録音。まだカズンズ兄弟がプロデューサーやエンジニアとして名前を連ねている頃だ。

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久保さん悠治氏のクライスラー [2006年11月]

久保陽子(Vn) 高橋悠治(P)
クライスラー;Vn作品集(LIVE NOTES)
数年前から久保さんのソロ・アルバムが自主製作で出ていて、ヴァイオリンはヴァイオリンで注目しているのだが、それ以上に、高橋悠治氏がクライスラーを弾くというのが何とも不思議で(クセナキスならともかく)、発売情報に接して愕然とした記憶がある。
例によって国内盤新譜ゆえ買いそびれていたのだが、某オークションに出てきたので落札したもの。
悪魔のトリルユモレスク愛の悲しみ・愛の喜び6つのスペイン民謡(これはファリャ作品だが)など、ポピュラーな作品ばかり13曲を収めている。
1994年10月、秩父ミューズパークでの録音。

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川畠成道を聴く [2006年11月]

川畠成道(Vn)
バッハ;Vnパルティータ第2番 & バルトーク;Vnソナタ(Victor)
川畠成道の令名は早くから耳にしていたが、ポピュラー小品集ばかりのCDリリースとも相俟って、実力よりも「物語」先行の演奏家ではないかと敬遠していた。
少し前に、いつも参考にさせていただいているt.s.さんのレビューを拝読、
なんと感情のこもった人間味溢れる演奏であろうか。気持ちが表現に,音色に,素直に表出されていると感じます。それでいて,技術的な切れ味の良さのために,感情過多でもたれることがなく,むしろ躍動的で引き締まった印象さえ受けます。いろいろな要素が高い次元でバランスが取れています。 素晴らしい!
との賛辞に、これは先入主が間違っていた、ぜひ聴かねば!と捜し始めた。
考えてみれば彼の師匠筋は、シェリングの愛弟子モーリス・アッソンや、ジェラール・プーレ、実力がないわけがない。
先日、某オークションで出品があり、幸い落札できたもの。
2003年11月、ベルリンのイエズス・クリストゥス教会での録音。

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鈴木大介の武満録音その3 [2006年11月]

保多由子(M-S) 鈴木大介(G) 寺島陸也(P)
武満徹;歌曲集(Victor)
ギター奏者の鈴木大介氏は、まだ実演を聴いたことはないが、いつもblogを愛読させてもらっている。
このblogに「君にタケミツを聴いてほしい」というカテゴリーがある。
それだけ思い入れを持つ人ならば、ぜひ彼の武満演奏を聴いてみたいと思っており、少しずつCDを買い揃えている。
今回、某オークションに未架蔵の歌曲集が出品されており落札してみた。
歌曲16曲が、あるいはギターあるいはピアノあるいは両者の伴奏で歌われている(編曲も鈴木・寺島による)。
2001年4・7月、沖縄・佐敷町文化センター「シュガー・ホール」及び東京のビクター・スタジオでの録音。

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イッセルシュテットの大ハ長調 [2006年11月]

ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮) 北ドイツ放送響
シューベルト;交響曲第9番(仏Philips、LP)
eBayを見ていたらイッセルシュテットの大ハ長調交響曲の安価な仏盤(再発)が出ていた。
この曲はあまりいいプレスのものを架蔵していないので、少しでもましになればと思い落札してみた。
盤には録音データが記載されていないが、ディスコグラフィによれば1959年5月、ハンブルクでの録音。

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2006年11月04日(土)

ロジェのモーツァルト [2006年11月]

パスカル・ロジェ(P) レイモンド・レッパード(指揮) インディアナポリス響
モーツァルト;P協第9・25番 ほか(Onyx)
カントロフ長谷川陽子さんとの共演で素晴らしいピアノを聴かせてくれるロジェの新譜がモーツァルトの協奏曲、それも好きな曲のカプリングなので店頭に並ぶのを楽しみにしていたもの。
ロンド K.386をフィルアップ。
なぜか録音年月の表示がないがマルPは2006年、収録場所はインディアナポリスのヒルベルト・サークル劇場(オーケストラの本拠地)である。

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2003年6月19日ライヴ [2006年11月]

ルドルフ・ブフビンダー(P & 指揮) ウィーン響
ベートーヴェン;P協全集(ORF)
2003年6月19日にベートーヴェンのP協全5曲を弾き振りしたライヴ録音(CD3枚組)。
ウィーン楽友協会大ホールで1日2回のコンサートを組み、11時からの1回目で第2〜4番、16時からの2回目で第1・5番を演奏したという。
前から興味を持っていたのだが、某オークションで安価な出品があったので落札してみた。

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ホロウェイのバッハ無伴奏 [2006年11月]

ジョン・ホロウェイ(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(ECM)
いつもお世話になっているt.s.さんのWebpageでリリース情報を得て、発売を待っていたもの。
バロック・ヴァイオリンのベテランホロウェイ満を持しての録音、ライナーノートも全文自撰である。
興味深かったのは、バッハのこの作品について強い影響を受けたものとして、自筆譜の手蹟と並んで、1970年代初期に接したイェフディ・メニューインのバッハ演奏を上げている点。
それも全曲演奏会などではなく、メニューインがアンコールとして弾いた、いくつかのばらばらの楽章だったそうだ。彼は当時メニューイン音楽祭管のメンバーだったというから、おそらく舞台上で聴いたのだろう。
2004年7・9月、オーストリアのサンクト・ゲロルドでの録音。使用楽器は1760年製フェルディナンド・ガリアーノ(ナポリ)とのこと。
なお、ECMレーベルは昨年にクレーメルの全曲盤を出したばかりだから、その点でも力の入った企画と推測される。

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2006年11月02日(木)

オッテルローのラヴェル [2006年11月]

ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮) ハーグ・レジデンティ管
ラヴェル;組曲「ダフニスとクロエ」第1・2番 & 高雅で感傷的なワルツ ほか(自主製作)
以前、当頁をblogで運用していた頃、オッテルローのフランク;プシシェの記事へのコメントで、彼の「ダフニス〜」が素晴らしいと教えていただいた。
元来は蘭Philips録音(1953年5月)だがハーグ・レジデンティ管(ハーグ・フィル)の自主製作盤で出ているとのこと。
ずっと気に懸けていたところ、某オークションに安価で出ていたので落札したもの。
カプリングは亡き王女のためのパヴァーヌ(1951年1月)、高雅で感傷的なワルツ(1954年4月)。

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ワーズワース英国小品集 [2006年11月]

バリー・ワーズワース(指揮) ロイヤル・フィル
「ブリティッシュ・ライト・クラシックス」(Warner)
DECCAへのRVW作品集以来、贔屓の指揮者の一人ワーズワースの英国小品集。
たしか山尾敦史さんが絶賛しておられた(今ちょっとソースを捜し出せない)と思い、輸入盤を捜していたところ、意外に見つからず、ようやく某オークションで落札したもの。
無慮18曲が収められているが、名前を知っているのはエルガー;夕べの歌アーノルド;イングランド舞曲程度。
あれこれ調べてみると、コーツ;ダムバスターズ・マーチは英国王室空軍のアブロ・ランカスター爆撃機隊の活躍する映画「暁の出撃(原題 "The Dam Busters" )」の主題曲だし、"Vanity Fair" (サッカレーの小説「虚栄の市」と関係があるのか?)の作曲者アンソニー・コリンズはシベリウスの交響曲全集を録音した指揮者その人であった。
2003年4月、ロンドンのヘンリー・ウッド・ホールでの録音。
なお、続編も出ており、そちらも入手したいもの。

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アリアーガ初出作品集 [2006年11月]

パウル・ドンブレヒト(指揮) イル・フォンダメント ほか
アリアーガ;声楽作品集(FUGA LIBERA)
斉諧生にとって今年2006年は、モーツァルトよりもショスタコーヴィッチよりも、アリアーガの生誕200年なのである。
Web上では、に生地ビルバオの市立図書館による特集ページを御紹介し、自筆譜の公開を喜んだところ。
しかしながら演奏会であれ音盤であれ、先の2人とは異なって、採り上げられた話を聞かなかったのだが、ようやくそれらしいCDが登場した。
これまで交響曲弦楽四重奏、せいぜい序曲「幸福な奴隷」がせいぜいだった録音レパートリーに、貴重な声楽作品集が加わったのである。
収録作品は、宗教曲が「オー・サルタリス」「スターバト・マーテル」の2曲、オペラ又は演奏会用のアリアが5曲。
20歳(厳密には19歳)で夭折したアリアーガの声楽曲は、これでほとんど全部である。
ドンブレヒトは古楽系Ob奏者として知られていたが、自身のオーケストラ「イル・フォンダメント」を設立して指揮活動も熱心に行っているとのこと。
2006年3月、ブリュッセルでのスタジオ録音。

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