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2006年05月31日(水)

フェドセーエフの白鳥の湖 [2006年5月]

ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響
チャイコフスキー;バレエ音楽「白鳥の湖」(Eurodisc)
日曜に実演を聴いたフェドセーエフとモスクワ放送響、録音は数多あり、なかなか全点蒐集とはいかないが、ぼちぼち揃えていきたいもの。
チャイコフスキーのバレエ音楽のうち「胡桃割人形」は架蔵しているが、他の曲はまだだったところ、某オークションで当盤を見つけたので落札したもの。オイロディスク盤は貴重だろう。
CD3枚組、1985年モスクワでの録音。

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2006年05月28日(日)

フェドセーエフのショスタコーヴィッチ [演奏会出没録]

久しぶりにコンサートホールで外来オーケストラを聴く。ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響来日公演の最終日である。
今日の会場は、兵庫県立芸術文化センター・大ホール
首都圏以外では当公演のみ。
先日、小ホールで合唱を聴いたが、大ホールは初めて。最上階(4階)の前列に席を取ったが、多少箱庭的な音像にはなるものの、音圧は十分あり、音的には物足りなさをまったく感じなかった。
視覚的にはステージが遠い感じだが、音が真っ直ぐ上がってくる。客席の奥行きが短めなのが良いのかもしれない。
 
今日の曲目は、
 チャイコフスキー;祝典序曲「1812年」
 チャイコフスキー;弦楽セレナード
 ショスタコーヴィッチ;交響曲第10番
というもの。何よりフェドセーエフの実演では初めて聴くショスタコーヴィッチが楽しみ。
 
オーケストラの配置は、左右にVnを分け、Vcは左寄り、Cbが一番後ろに横一列。
編成は17-16-14-12-9という大型。
Vcのトップにヴィクトル・シモン老が座っておられたのは心強かった。
また、金管は左からTrp-Tb-Tuba-Hrnの順で横一列。Tubaが舞台真ん中に位置するのは珍しいのではないか。
打楽器は舞台上手に集められていた。5年前の京都公演で人気を博したガロヤン氏は今日も元気にTimpを叩く。
女性楽員が色々のドレスを着ていたのも目を惹いた。
Fl首席のマリア・フェドートワさんは彼女らしい黒のかっちりしたドレス。
 
1曲目の「1812年」が始まるや、弦合奏のざっくりした味わい深い音色に惹きつけられる。粗いといえば粗いし、ピッチの微妙なずれも感じられなくはないのだが、それを「暖かい風合い」として心地よく感じてしまえるのが面白い。
 
御存知のとおり下手をするとお祭り騒ぎになってしまいかねない曲だが、フェドセーエフがしっかり手綱を締め、剛直な音楽が一貫した痛快な演奏で、たいへん楽しめた。
もちろん金管はエキストラの4人を加えてバリバリ鳴っているし、打楽器チームは大活躍。
4階にいた関係か、金管の音圧はあまり感じられず、終結では打楽器がかなり目立つことになった。
最後の小節(2小節?)では鐘が増強され、それまで大きめの鐘3つを1人の奏者が叩いていたのに加えて小さい鐘のセットを小太鼓奏者がカキコキカキコキと叩く。あれあれ、鐘ってこんなに目立ってたっけ?と多少あっけにとられる終結となった。
考えてみれば、CDでは大砲やら教会の鐘やらが動員されることが多く、コンサートホールでこの曲を聴くことは珍しい。通常どのような音が鳴っているのか、よく知らないのだ。
 
2曲目弦楽セレナードも、ざっくりした風合いの弦合奏で、チャイコフスキーの旋律美をじっくり味わえる好演となった。
第1楽章冒頭は、しばしば引き絞るように絶叫調で歌われるが、フェドセーエフはmf程度に抑えて優美に奏で始める。
特別変わった処理や極端なテンポの変動などは加えず、オーソドックスな音楽づくり。
ベタベタの浪花節でもなく、かといってドライに漂白されてもおらず、基本的にはスタイリッシュな造型の中に、ロシアの情感が自ずから湧き上がる
第2楽章中間部や第3楽章では、時に大きくテンポを落とすなど、つぼを外さないところが素晴らしい。
 
メインのショスタコーヴィッチ;交響曲第10番では、弦合奏の音色がチャイコフスキーとは一変して実に緻密になったことに、まず驚かされた。
正直、前半では「ツアー最終日だから疲れているのかな」と思わないでもなかったのだが、何の何の。
そして、その下でかすかに主題を吹き出すClの音色の美しかったこと!
木管はフェドートワさんのFlはもちろん、寂びの利いた音色が素晴らしかったFg(第3楽章のソロには感激)、その他の奏者も完璧といっていい素晴らしさだった。
金管がまた佳く、もちろんパワーは十分だが、野放図さ・荒さは抑えられ、きちんとコントロールされた吹奏が、惻々と音楽の意味を伝える。
第3楽章のHrnによるEAEDAモチーフの意味深さ!
 
全曲を通じて、ショスタコーヴィッチの音楽の持つ不安・恐怖・緊張・葛藤がビシビシと、「これでもかこれでもか」と伝わってきて、その意味で非常に辛かった。
プログラム冊子の解説には「アレグロの幸福感にみちた歓びの音楽となる」と書かれた第4楽章の主部以降でも、軽薄なまでに明るい主題を埋もれさせてしまうように、不安感や恐怖が音化されてゆく。カタルシスのない、出口の見えない音楽。
終結と同時にブラヴォーを叫んだ人がいたが、あの演奏にそのような反応ができるとは、ちょっと信じられない思いだ。
 
もっと絶望的な音響を生み出す指揮者・オーケストラがあるかもしれないけれど、フェドセーエフとモスクワ放送響の音色はあくまでも美しいところが、空恐ろしい。
やはり底知れぬ実力を持つコンビだ。
なお、招聘元のblogに、指揮者のインタビューが掲載されている。
 
アンコールは、ショスタコーヴィッチの比較的珍しい作品を2曲。
1曲目は劇音楽『条件つきの死者』op.31より「ワルツ」
サキソフォンを加えて、ちょっとジャズ風の、けだるくも美しい音楽。交響曲の「解毒剤」にはピッタリだった。
ミュートを付けたTrpの弱奏の見事さには驚いた。最初、ハーモニカでも加わったのかと思ってステージを見わたしても誰も楽器を持っていない。実はTrpが完璧にコントロールされたppで吹き抜いているということに気付いて、舌を巻いた。
2曲目は、映画音楽『司祭と下男バルダの物語』op.36より「バルダの行進曲」
金管と打楽器だけの編成による、痛快なマーチ。ちょっと交響曲第5番第4楽章の一部を思わせる。
 
楽員が退場しても拍手鳴りやまず、フェドセーエフがステージに姿を見せ、スタンディングオーヴェイションに応えて終了。

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2006年05月26日(金)

ワルベルク最期の録音 [2006年5月]

ハインツ・ワルベルク(指揮) デュイスブルク・フィル
ブルックナー;交響曲第5番(confido)
今日の日本経済新聞朝刊の最終面・文化欄に、今年度末でOb奏者としての活動に終止符を打つ宮本文昭氏の回想が掲載されていた。
ケルン放送響の首席奏者(19年)としての活躍が有名な宮本氏だが、その前にフランクフルト放送響(5年)、更にその前にエッセン・フィルに3年在籍した。
エッセンで音楽監督をしていたのがワルベルクで、宮本氏は「格別の目をかけられた」という。R・シュトラウス;楽劇「サロメ」を上演したときのエピソードは興味深い。
ワルベルクは2004年9月29日に亡くなったが、これは同年1月21・22日に指揮した演奏会のライヴ録音で、彼の最期の録音であり、追悼盤としてリリースされたものらしい。
ブックレットには、彼が使っていたスコア(第4楽章冒頭)や、その表紙に書かれていた校訂者ノヴァークの献辞の写真が掲載されている。
なお、ワルベルクとデュイスブルク・フィルによるブルックナーには、第8番のCDもある(1996年録音、confidoレーベル)。
これはアリアCDさんからお届けいただいた。
 
(附記)
宮本氏の回想には、「客演指揮者の中で一人だけ忘れられない人」として、イーゴリ・マルケヴィッチが挙げられている。
最晩年にフランクフルトに客演したときはもう、ほとんど耳が聞こえず、足取りもおぼつかなかったが、凄まじい執念を感じさせる眼力と集中力で楽員を巨大な世界へと誘った。

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ヤラスのシベリウス・プライヴェート盤 [2006年5月]

ユッシ・ヤラス(指揮) フィンランド放送響 ほか
シベリウス;歌劇「塔の乙女」(A.N.N.A.、LP)
eBayヤラスのシベリウスの非商用録音が出品されていたので、逃すべからずと落札したもの。
"PRIVATE RECORD NOT FOR SALE"と刷り込まれた白いジャケットに、演奏者名などだけが素っ気なく印刷されており、録音の経緯や曲目解説などは一切ない。
1981年1月、ヘルシンキで録音されたとあり、Marianne Haggander、Pia Gunn Ancker、Peter Lindroos、Jorma Hynninsenといった歌手の名前がクレジットされている。
1896年に書かれた初期の作品で、演奏時間38分ほどの短いオペラ。CDではネーメ・ヤルヴィ盤(BIS)、パーヴォ・ヤルヴィ盤(Virgin)がある。
B面の余白に、マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)によるベートーヴェン;歌劇「ヴェスタの火」(断片)が収められている。

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2006年05月24日(木)

パレーとリリー・ブーランジェを聴いた彫刻家 [求書読書録]

高田博厚『私の音楽ノート』(音楽之友社)
某オークションに、ポール・パレーブーランジェに関する記載があるという古書が出品されていた。
著者は著名な彫刻家で、1931〜57年に渡仏し、ロマン・ロランとの交友は有名。
当時のパリなどでずいぶんいろいろと音楽を聴かれたことが書かれており、中でもパレーが指揮するコロンヌ管の演奏会を高く評価しておられる。
ことに『第九』の時には、すこし背のこごんだ長身のパレーが、バトンを振りながら自分も合唱する。熱情がこちらにも伝ってきて身ぶるいする。
私はフランスのポール・パレーからシャルル・ミュンシュ、アンドレ・クリュイタンスに来る一系列のベートーヴェン指揮を極愛している(これはガブリエル・ピエルネからピエール・モントゥーに行くフランス的な指揮とは別となるが)
また、当時の日本ではまったくといっていいくらい知られていなかったリリー・ブーランジェ作品の実演に接して、いたく感銘を受けられた。
宝石のような作品の発見
彼女の全作品が宗教音楽であったというよりも、彼女の生命そのもの、作品そのものが宗教的であった。敬虔を感じさせ祈りたい心を誘う純粋性というものがあるが、彼女はまさにその宝玉であった。
 
実は、この本を学生時代に一度読んだ記憶がある。その時に何も気付くことがなかったのは恥ずかしい。
パレーについては、昨日、GRAND SLAM盤が届いたところ。コロンヌ管のポストを辞した経緯については両方に記載があり、いずれ小伝でも御紹介したい。

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アフィニス文化財団設立10周年記念盤 [2006年5月]

v.a.
「日本のオーケストラ」(アフィニス文化財団)
アフィニス文化財団が発行するアフィニス・サウンド・レポートは度々頂戴しているのだが、周年記念盤の「日本のオーケストラ」は入手できていない。
これまで5周年・10周年・15周年の3回にわたって発行されているのだが、頒布が終わっていたり一般には出しておられなかったり。
蒐集している高関健大阪センチュリー響をはじめ、垂涎の音源が多く含まれているので、何とか音だけでも聴ければと思っていた。
偶々某オークションへの出品があり、とうてい無理だろうと諦めつつ応札したら、なんと落とすことができたのである。
今回入手できたのは10周年記念盤で、CD4枚組に24のオーケストラの演奏が収録されている。
財団のWebpageには詳細が掲載されていないので、煩を厭わず全部書き写してみる。
(おおよそ団体所在地で北から順)
 尾高忠明(指揮) 札幌響
 エルガー;交響曲第1番第3楽章(1997.9.11)
 村川千秋(指揮) 山形響
 シベリウス;交響曲第4番第4楽章(1998.1.25)
 外山雄三(指揮) 仙台フィル
 バルトーク;歌劇「青髭公の城」から(1996.9.6)
 高関健(指揮) 群馬響
 武満徹;「夢の時」(1996.6.18)
 飯森範親(指揮) ニューフィル千葉
 ブラームス;大学祝典序曲(1997.10.5)
 シャルル・デュトワ(指揮) NHK響
 ラヴェル;「ダフニスとクロエ」から(1997.12.6)
 デヴィッド・シャローン(指揮) 東京都響
 R・シュトラウス;交響詩「ドン・ファン」(1997.10.19)
 小林研一郎(指揮) 日本フィル
 黛敏郎;「饗宴」(1997.3.6)
 高関健(指揮) 新日本フィル
 コダーイ;ガランタ舞曲(1997.12.6)
 大野和士(指揮) 東京フィル
 マーラー;交響曲第6番第2楽章(1997.11.11)
 秋山和慶(指揮) 東京響
 コリリアーノ;交響曲第1番第1楽章(1997.5.30)
 ゲルト・アルブレヒト(指揮) 読売日響
 ベートーヴェン;交響曲第9番第1楽章(1997.12.18)
 パスカル・ヴェロ(指揮) 新星日響
 ラヴェル;「ラ・ヴァルス」(1997.1.25)
 飯守泰次郎(指揮) 東京シティ・フィル
 ワーグナー;「マイスタージンガー」前奏曲(1997.10.24)
 現田茂夫(指揮) 神奈川フィル
 團伊玖磨;管弦楽幻想曲「飛天繚乱」(1997.10.28)
 岩城宏之(指揮) オーケストラ・アンサンブル金沢
 プロコフィエフ;古典交響曲(1996.11.12)
 武藤英明(指揮) 名古屋フィル
 チャイコフスキー;交響曲第4番第4楽章(1997.7.18)
 井上道義(指揮) 京都市響
 ペルト;入祭文(1997.5.12)
 朝比奈隆(指揮) 大阪フィル
 ベートーヴェン;序曲「レオノーレ」第3番(1998.1.22)
 高関健(指揮) 大阪センチュリー響
 リスト;交響詩「プロメテウス」(1997.3.6)
 ウリ・マイヤー(指揮) 関西フィル
 スメタナ;交響詩「モルダウ」(1997.4.5)
 トーマス・ザンデルリンク(指揮) 大阪シンフォニカー
 ブラームス;交響曲第1番第4楽章(1996.6.20)
 十束尚宏(指揮) 広島響
 ハイドン;交響曲第97番第1楽章(1997.2.27)
 小林研一郎(指揮) 九州響
 チャイコフスキー;スラヴ行進曲(1998.2.14)
 (1998年に製作されたセットなので、1997年の音源が多いようだ。)
何と3つのオーケストラと登場する高関健をはじめ朝比奈隆、尾高忠明、小林研一郎、パスカル・ヴェロら注目の指揮者の演奏が聴けるので、たいへんに楽しみである。
特に村川千秋のシベリウスや飯守泰次郎のワーグナーといった「十八番」ものへの期待は大きい。

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2006年05月23日(火)

近衛秀麿の評伝 [求書読書録]

大野芳『近衛秀麿』(講談社)
日本でのクラシック音楽演奏史において欠くことのできない人物の一人、近衛秀麿の評伝が出版された。
実兄の文麿は戦前・戦中期の政治家として、強い関心を持っている人でもあり、この機会に秀麿のことも十分知っておきたいと購入。
既に渡辺和氏のblogに短評が掲載されているし、かねて秀麿をとりあげておられるよしじゅんさんの掲示板でもコメントされているので、参照されたい。
もちろん孫に当たるチェリスト水谷川優子さんのblogでも、紹介がある。

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史上最速(?)の田園 [2006年5月]

ポール・パレー(指揮) デトロイト響
ベートーヴェン;交響曲第6・7番(GRAND SLAM)
パレーが1950年代初めに録音した(勿論モノラル)ベートーヴェンがCD覆刻されるというので、リリースを待望していたもの。
なかなか手近の音盤店に現れないので、HMVにオーダーしたところ、すぐ届いた。
LPは架蔵しているのだが盤質が今ひとつだったので、音のきれいな覆刻盤が出たことは非常に喜ばしい。
また、沼辺信一氏の手になるライナーノートも詳細なデータやライヴ音源の紹介などがあり、貴重なものである(当「斉諧生音盤志」まで御紹介いただいた)。
「田園」の演奏は惹句どおりの超快速ながら、その音楽は「筋金入りの強度」(沼辺氏)。アメリカの団体とは思えぬフランス風の音色と相まって、誠に胸のすくベートーヴェンといえよう。
「惚れてしまえば〜」のクチではないかと言われるかもしれないが、ぜひ一度耳にしていただきたいと願う。

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オーストラリア室内管の自主製作盤4種 [2006年5月]

ダニエル・ミュラー・ショット(Vc) リチャード・トネッティ(指揮 & Vn) オーストラリア室内管
ベートーヴェン;交響曲第3番第4楽章 & ブラームス;二重協第1楽章 ほか(自主製作)
エマ・ジェーン・マーフィー(Vc) リチャード・トネッティ(指揮 & Vn) オーストラリア室内管
ハイドン;交響曲第44番・Vc協第1番 ほか(自主製作)
リチャード・トネッティ(指揮 & Vn) オーストラリア室内管
モーツァルト;交響曲第31・41番 ほか(自主製作)
リチャード・トネッティ(指揮 & Vn) オーストラリア室内管
ベートーヴェン;交響曲第7番第3・4楽章 & ブラームス(アンゲラー編);コラール前奏曲 op.122より ほか(自主製作)
eBayにオーストラリア室内管のプロモーション用自主製作盤4種がまとめて出品されていた。
全曲収録されていない音源があるのは残念だが、ミュラー・ショットの演奏は押さえておきたいと思い、落札した。
おおよそ2000〜2005年に録音されたものである。

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2006年05月22日(月)

ヴェラーのスメタナ [2006年5月]

ヴァルター・ヴェラー(指揮) イスラエル・フィル
スメタナ;「わが祖国」(DECCA)
ウィーン・フィルのコンサートマスターから指揮者に転身した一人、ヴェラーの初期録音にスメタナがあり、折を見て入手をと思っていたところ、eBayに安価に出品されたので落札したもの。
1978年の録音(アナログ収録)で、LP初発時には交響詩「ハーコン・ヤール」をフィルアップして2枚組になっていた。
CDを聴く限りなかなかの優秀録音ゆえ、いずれはオリジナルLPも入手したいものである。

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フランクのP五重奏曲未架蔵盤 [2006年5月]

エリアーヌ・ロドリゲス(P) アンソール四重奏団
フランク;P五重奏曲 ほか(Sony)
どこから辿り着いたのかもう思い出せないのだが(汗)、ピアニストの公式Webpageのディスコグラフィに、蒐集している標記フランク作品のCDが掲載されていたので、オーダーしてみた。
折り返しメールが来て、請求書を送るから代金が振り込まれ次第、発送するとのこと。郵便局からベルギーの銀行口座あてに送金することになり、けっこう高くつくことになってしまった(汗)。
自主製作盤と思っていたのだが、届いてみればベルギーSony製作にかかる市販CDだった。もちろんこの手の「メジャーレーベルのローカルリリース盤」は、日本の店頭には並びにくいので、貴重には違いない。
ピアニストはリオ・デ・ジャネイロ生まれ、5歳でリサイタルを開き、6歳でオーケストラと共演したという。
19歳からベルギーに居を移して研鑽を積み、23歳の時エリーザベト王妃国際コンクールで入賞し、以来、ベルギー・オランダ・ドイツを中心に活動している。また、四重奏団はベルギーの若い団体らしい。
1993年8・9月にベルギー・ゲントで録音された。
カプリングはヴュータン;弦楽四重奏曲第1番(1869)、こちらは世界初録音とのこと。

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2006年05月20日(土)

パレーのトマなど序曲集 [2006年5月]

ポール・パレー(指揮) デトロイト響
「フランス序曲集」(英Mercury、LP)
パレーのMercury録音を英EMIプレスで蒐集するプロジェクト、しばらく進んでいなかったが、このところeBayで比較的安価な出品があり、先日のスッペ序曲集同様、落札できた。
収録曲はエロール;序曲「ザンパ」オーベール;序曲「王冠のダイヤモンド」トーマ;序曲「ミニヨン」・序曲「レーモン」ボワエルデュー;序曲「白衣の婦人」アダン;序曲「我もし王者なりせば」

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アリアーガのカルテット未架蔵盤 [2006年5月]

フィデリオ四重奏団
アリアーガ;弦楽四重奏曲第1・2番(英PYE、LP)
先日掲載したとおり今年が生誕200年に当たる夭折の作曲家アリアーガ、彼の作品の録音は蒐集しておきたいと考えているところ、未架蔵盤がeBayに出品されたので落札したもの。
演奏者についてはライナーノートに紹介がないが、同じレーベルにブリテンティペットディーリアスの録音があるので、イギリスの団体であろう。
第1Vnクラレンス・マイアースコー、第2Vnチャールズ・マイナルディ、Vaヘンリー・マイアースコー、Vcデニス・ネスビットという名前が記載されている。
録音年月も明記されていないがマルPは1972年、録音場所はロンドンのウィグモア・ホールとある。

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2006年05月19日(金)

マルケヴィッチのチャイコフスキー全集 [2006年5月]

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) ロンドン響
チャイコフスキー;交響曲全集(英Philips、LP)
マルケヴィッチ・ディスコグラフィで大きな「穴」になっていた、ロンドン響とのチャイコフスキー全集のLP。
第1〜6番に「マンフレッド」交響曲を加えた7枚組の箱物がeBayに安価で出ていた。
初発はバラの筈だし、Philipsなら蘭盤がよいのだがとも思いつつ、一気に揃うのに魅力を感じて落札。もっとも送料を含めると、そこそこの値段になってしまったが(汗)。
残念ながらブックレットは曲目解説だけの簡素なものだった。

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2006年05月18日(木)

ジャズ版ブランデンブルグ協 [2006年5月]

アート・ファーマー(Trp) ベニー・ゴルソン(指揮) ニューヨーク・オーケストラ
バッハ(ゴルソン編);ブランデンブルグ協(ALFA)
某オークションを眺めていたら、ジャズ版のブランデンブルグ協というのが出ていた。こういうのには好奇心を刺激されてしまい、ついつい落札。
原曲のうち第1番(第3楽章を省略)、第3番第5番第3楽章を採り上げている。
いつも演奏上の処理が問題になる第3番第2楽章の和音を、8分半ほどのバラードに拡大し、アート・ファーマーのトランペット・ソロをたっぷり聴かせる。また随所に女声合唱(スキャット)を響かせるなど、かなり原曲から離れた処理となっており、そうした箇所では、あまりバッハを聴いている気がしない(苦笑)。
1989年1月、ニューヨークでの録音。

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2006年05月17日(水)

ペロン師のパレー交響曲録音 [2006年5月]

エドゥアルド・ペロン(指揮) デトロイト聖母被昇天洞窟教会管
パレー;交響曲第1・2番 ほか(GROTTO)
パレー作品の発掘・蘇演を進めてこられたデトロイト聖母被昇天洞窟教会のペロン神父が、ついに交響曲の録音を果たされた。
いつもお世話になっているユビュ王の食卓さんの情報で発売を知り、直ちに公式販売サイトからオーダーしたもの。
いつもながら丁寧な楽曲解説が付されており、頭が下がる。ぜひ一度、デトロイトにペロン師を訪ねたいものだ。
第1番は2004年3月7日、第2番は2005年3月14日、いずれもデトロイト聖母被昇天洞窟教会でのセッション録音。
両曲ともパレーの自演があるが、第2番は「完全版の世界初録音」とのこと。
更にピアノ曲子守歌のペロン師による管弦楽編曲版をフィルアップしている。

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マルケヴィッチのモンテカルロ録音 [2006年5月]

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) モンテ・カルロ国立歌劇場管
チャイコフスキー;管弦楽曲集(英Concert Hall、LP)
マルケヴィッチはレコーディング・キャリアの晩年、Concert Hallレーベルでモンテ・カルロのオーケストラを振って何枚かのLPを遺した。
そのうち最も貴重なものは「モンテ・カルロのディアギレフ」リリー・ブーランジェ;「ファウストとヘレネ」(世界初録音)であろうが、十八番ともいえるチャイコフスキーの管弦楽曲なども振っている。
そのうちの1枚、入手し損ねていた幻想序曲「ロメオとジュリエット」(前後5回録音したうちの4回目)、イタリア奇想曲スラヴ行進曲のLPをeBayで落札。
モンテ・カルロでの一連の録音については、レーベルの消滅という事情もあり、CD覆刻が進んでいないのは遺憾とするところ。この盤もCD化されていないはずである。
録音データは明記されていないが、ディスコグラフィによれば1969年収録とされており、マルPも1970年の表記になっている。

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2006年05月16日(火)

ヒナステラ未架蔵盤 [2006年5月]

ジョージ・マナハン(指揮) リッチモンド・シンフォニア ほか
ヒナステラ;協奏的変奏曲 ほか(ELAN)
ヒナステラの代表的管弦楽曲の一つ、協奏的変奏曲の未架蔵盤がeBayに安価で出ていたので落札。
指揮者のマナハンはアトランタ生まれ、ミネソタ・オペラやニューヨーク・シティ・オペラの首席指揮者や音楽監督を務めてきたとのこと。
カプリングはカステルヌオーヴォ・テデスコ;P協 op.92カルロス・スリナッチ;P協。両曲のソリストはサンティアゴ・ロドリゲス
1989年6月、バージニア州立大学芸術センターでの録音。

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オリヴェイラのアクロン [2006年5月]

エルマー・オリヴェイラ(Vn) ジョゼフ・シルヴァースタイン(指揮) ベルリン放送響 ほか
アクロン;Vn協第1番 ほか(NAXOS)
上記ヒナステラ盤のSellerの他の出品をチェックしていると、贔屓の実力派エルマー・オリヴェイラの未架蔵盤が格安になっており、ついでに落札したもの。
アクロンの作品では、ハイフェッツが愛奏した小品「ヘブライの旋律」が有名だが、それ以外ほとんど聴いたことがなかった。
カプリングの組曲「ゴーレム」(ジェラルド・シュウォーツ(指揮) チェコ・フィル)、劇音楽「ベルシャザール」より(ジェラルド・シュウォーツ(指揮) バルセロナ響)ともども、古代ユダヤや旧約聖書に由来する音楽とのこと。はたしてどのようなものであろうか?
Vn協は1998年7月ベルリンのイエズス・クリストゥス教会、他の2曲は2000年にプラハとバルセロナで録音された。

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2006年05月12日(金)

リスト室内管未架蔵盤 [2006年5月]

ヤーノシュ・ローラ(指揮) フランツ・リスト室内管
ヘンデル;合奏協奏曲集 op.3(DENON)
某オークションに、贔屓のリスト室内管の未架蔵盤が出品されていたので落札したもの。
作品3の全6曲を収録している。基本的には弦楽アンサンブルの団体だが、木管楽器奏者について特段の記載はない。
Hungaroton原盤で、1984年頃にブダペシュトの改革派教会で録音された。

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アニー・フィッシャーとボールトのモーツァルト [2006年5月]

アニー・フィッシャー(P) エイドリアン・ボールト(指揮) フィルハーモニア管
モーツァルト;P協第20・23番(EMI)
中古音盤堂奥座敷での2005年の5盤にHungaroton盤を選んだ、アニー・フィッシャーのモーツァルト。
そのきっかけになった福島章恭『モーツァルトをCDで究める』で紹介されている演奏で、
ボールト指揮のオーケストラは、人生の苦みと悲哀を包み込んでくれるような本当に暖かい音色であり、寂しさを慰めてくれるようなフィッシャーとの相性は抜群である。清楚な外見の裏側に同郷ハンガリーのリリー・クラウスにも似た熱い情熱が宿されていて、それがフィッシャーのピアノを特別な存在にしているのだ。第二楽章のきらめきと儚さに、フィッシャー芸術の神髄がある。
とのレビューが掲載されている。
また内藤晃さん
アニー・フィッシャーの、詩的で硬質なタッチ、ティーポの、憂いのある、しっとりとした、それでいてきりっと引き締まったタッチ、ともに音色は異なるものの、その音楽を貫いている確固とした意志力は同じだ。そして、その意志力には、確かに、女性ならではの『凛』とした気品が漂っている。
と書いておられ、是非聴かねばと思っていた。
前回のモーツァルト・イヤー1991年にCD化された盤で(それ以降は覆刻されていないと思う)、入手困難のところ、某オークションで何とか落札できたもの。
1959年2・4月、ロンドンのアビー・ロード・スタジオで、ウォルター・レッグのプロデュースにより録音された。

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バドゥラ・スコダとベーゼンドルファーのシューベルト [2006年5月]

パウル・バドゥラ・スコダ(P)
シューベルト;Pソナタ 変ロ長調 D.960(HARMONIC)
ピアノ独奏曲には手を染めまい染めまいとしているのだが、この曲をウィーンのピアニストが1923年製ベーゼンドルファー・インペリアルで弾きました…と言われると、ついつい某オークションで落札してしまった(汗)。
1986年4月、ウィーンのバウムガルトナー・カジノでの録音(たしかカメラータ東京もよく使っている会場だ)。

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2006年05月10日(水)

巨匠テンポと重量感 [2006年5月]

アルベルト・シモン(指揮) フランツ・リスト音楽院管
シューベルト;交響曲第9番(BMC)
アリアCDさんのWebpageで
冒頭のホルンのソロはたっぷり時間をとって、しかもヴィヴィラートを全くかけず歌われ、その悠然たる構えはまるでブルックナーを聴いているよう。それ以外もゆっくりとした巨匠テンポと重量感でこれまでの「グレート」のイメージを覆す。
と紹介されており、BMCレーベルならば信用できるだろうと、同店にオーダーしていたもの。
この指揮者はペレーニヴィヴァルディ;Vc協集で名前を見かけており、名前の感じから英米系の人と思いこんでいたのだが、実際にはハンガリー生れ。
若くして頭角を現したのだが、音楽に対する新鮮な感動やひたむきさを忘れがちなプロ・オーケストラの楽員に愛想を尽かし、教職に転じて若い学生たちとともに働くようになったのだという。
ここで指揮しているのもリスト音楽院の学生オーケストラで、1979年3月4日、リスト音楽院での演奏会をハンガリー放送がライヴ録音した音源である。

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王健の海頓 [2006年5月]

ジャン・ワン(Vc) ムハイ・タン(指揮) グルベンキアン管
ハイドン;Vc協第1・2番(DGG)
Web上の知人(海外在住)から、いわゆる「キリ番」踏みの記念として拝領したCDである。
ジャケットが華英両方で表記されており、見出しに掲げたのは勿論ソリストと作曲者。ちなみに指揮者は「湯沐海」、オーケストラは「古本加楽団」(実際には簡体字で書かれているが)。
1998年7月、リスボンのグルベンキアン財団大講堂での録音。

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ラウテンバッハーのバッハ無伴奏 [2006年5月]

ズザンネ・ラウテンバッハー(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(VOX)
ラウテンバッハーの再録音で、つとにアリアCDさんが「長い人生で最も手にとることの多い『無伴奏』のCD」と賞揚され、いつもお世話になっているt.s.さん
正統路線を極めたかのような堂々たる演奏! 何の迷いも感じられないひたむきな表現に,そして淀みのないテンポ感,静かな推進感に心奪われます。 深々とした重音の響きの美しさ,一つ一つの音のつながりの美しさ, これはもう芸術的「技」としか言いようがありません。
と熱烈な賛辞を捧げておられる演奏。
ひと頃はVOXの廉価盤でいくらでも手に入ったと記憶しているが、なぜか廃盤になってしまい、未架蔵を嘆いていた。
今回、アリアCDさんのリクエストで覆刻されたものを、同店から購入。
1973〜74年、シュトゥットガルトでの録音。CD-R仕様で、ジャケットは少々粗末だが、音質面では何の問題もない。

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辻井淳小品集第8巻 [2006年5月]

辻井淳(Vn) 藤井由美(P)
ドヴォルザーク;4つのロマンティックな小品 ほか(ISODA)
かつて京都市響のコンサートマスターを務めておられた辻井さんの小品集をアリアCDさんから。
第1巻から聴いているが、落ち着いた音色と懐かしい味わいが気に入って、これで8枚目。
今回の収録曲は、標記のほかヴィニャフスキ;ファウスト幻想曲サラサーテ;サパテアードポルディーニ;踊る人形ポンセ;エストレリータなど11曲。
2005年8月、滋賀県高島町ガリバー・ホールでの録音。このところ1年1枚ペースで製作されているようだ。

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2006年05月09日(火)

ホルヴァートのショスタコーヴィッチ [2006年5月]

ミラン・ホルヴァート(指揮) ザグレブ・フィル ほか
ショスタコーヴィッチ;交響曲第9番・P協第1番(蘭Philips、LP)
eBayで見つけた盤。
P協第1番は見れば買うようにしている曲だし、ホルヴァートという指揮者にも好奇心を煽られるところがあり、何より安かったので(笑)、落札したもの。

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クーベリックのセレナードDGG盤 [2006年5月]

ラファエル・クーベリック(指揮) ストックホルム・フィル
ステーンハンマル;セレナード(独DGG、LP)
その存在だけは知っていたクーベリックのセレナードDGG盤がeBayに出現したので狂喜乱舞、勢い込んで落札したもの。
LP両面に1曲だけを入れた贅沢なカッティング、ライナーノートはステーンハンマル研究の権威者、(故)ボー・ヴァルネル教授である。
手持ちのSwedish Society盤LPと鳴らし比べてみたが、一長一短、好みとしてはやはり原産地のスウェーデン盤に軍配を上げたい。

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マルケヴィッチのワーグナー [2006年5月]

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) コンセール・ラムルー管 ほか
ワーグナー;歌劇「タンホイザー」序曲 ほか(独DGG、LP)
マルケヴィッチのDGGステレオ録音で未架蔵になっていたワーグナーがeBayで安く出品されていたので落札したもの。
収録されているのは標記の「タンホイザー」序曲と歌劇「ローエングリン」第1幕と第3幕の前奏曲
B面はオイゲン・ヨッフム(指揮) バイエルン放送響による「パルジファル」前奏曲と聖金曜日の音楽
ちょっと不思議な組合せだが、この時期のDGGには変なLPが少なくないので、これもその系統か。

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パレーのスッペ英盤 [2006年5月]

ポール・パレー(指揮) デトロイト響
スッペ;序曲集(英Mercury、LP)
パレーのMercury録音のうち、LP未架蔵になっていたスッペ序曲集をeBayで落札。英EMIプレスによるAMS番号のものである。
Mercuryのステレオ盤LPはオーディオファイルということで、それなりの値段ではあるが、ひと頃よりずいぶん安くなったように思う。市場が落ち着いてきたのだろうか、パレーにはそこまで人気がないということなのだろうか?
収録曲は、有名な「軽騎兵」、佳曲「詩人と農夫」(軽騎兵よりずっと聴かれてよい名品)、そして「ボッカチオ」「スペードの女王」「ウィーンの朝昼晩」「美しきガラテア」

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2006年05月07日(日)

アリアーガの自筆譜 [注目情報]

今年は「スペインのモーツァルト」ことアリアーガの生誕200年に当たる。
もっとも彼の誕生日は1月27日、まさしくモーツァルトと同日なので、いささか時期はずれの話題で申し訳ないが、先ほど見つけたWebpageを御紹介したい。
生誕200年を記念して、生地ビルバオの市立図書館のWebsiteで特集ページが掲載されており、SPからCDまでのディスコグラフィ、図書館所蔵楽譜のpdfファイルなどが公開されている。
交響曲 ニ短調自筆譜(!)
弦楽四重奏曲については自筆譜出版譜(!)
貴重な記録と思われるので、ぜひ御高覧を。

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2006年05月06日(土)

スタークというヴァイオリニスト [2006年5月]

アレクサンダー・スターク(Vn) ベラ・シュタインブーク(P)
ベートーヴェン;Vnソナタ第5番「春」 & フランク;Vnソナタ(Mirrored Nature Records)
いつもお世話になっているユビュ王の食卓さんで御教示いただいた音盤。
ヴァイオリンの音色はまさに「ビロードのよう」、サロンコンサートのような距離感も絶妙。なんというか、SP録音の極上の復刻のような、特別な雰囲気を持つ音なのです。
との録音評に心惹かれ、レーベルの公式Websiteに飛んだ。
カタログには、まだ3点しか掲載されていないが、ユビュ王の食卓さんが
遅いテンポでじっくりと歌い込んだフランクが特に素晴らしいです。
とコメントしておられた1枚をオーダー(支払いはPayPal)。
スタークはリトアニア・ヴィリニュスの生れ、生地の音楽院卒業後、1987年にイスラエルに移住してイスラエル・フィルに加わり、現在はアシスタント・コンサートマスターを務めているとのこと。
また、ピアニスト(原綴 Shteinbouk )はベラルーシ出身で、日本でもしばしば演奏しているという。
2005年2月、カナダ・リッチモンドヒルでの録音。

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2006年05月04日(休)

OLCライヴCD第8回分 [2006年5月]

若松夏美(Vn) 鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ
ハイドン;交響曲第30・52番 & モーツァルト;Vn協第3番(TDK)
鈴木秀美氏率いるオーケストラ・リベラ・クラシカのライヴCDは耳にしておきたいと思っているのだが、第1回分から第7回分まで買ったところで止まってしまっていた。どうも国内盤新譜には手を出しそびれてしまう…(嘆)。
ようやく某オークションに安価な出品があり、落札したもの。
2004年2月20日、東京・浜離宮朝日ホールでの収録。

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カヴァコスのエネスコ [2006年5月]

レオニダス・カヴァコス(Vn) ペーテル・ナジ(P)
エネスコ;Vnソナタ第3番 & ラヴェル;ツィガーヌ ほか(ECM)
「ルーマニアの民族様式で」という副題を持つエネスコの第3ソナタは、シマノフスキのVn曲と同様、ぜひ聴き込んで「ものにしたい」作品の一つ。
出れば買うようにしてきたのだが、このところ妙に録音が増えてきて、この盤など買いそびれてしまっていた。
偶々某オークションに安価な出品があり、これ幸いと落札したもの。
カプリングはエネスコ;子どもの頃の印象 op.28ラヴェル;Vnソナタ(遺作)
2002年3月、チューリヒのDRS放送スタジオで録音された。

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2006年05月03日(祝)

マルケヴィッチの「金鶏」 [2006年5月]

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) コンセール・ラムルー管 ほか
R・コルサコフ;組曲「金鶏」 ほか(独DGG、LP)
マルケヴィッチは1950年代末にラムルー管を振ってDGGに多数の録音を行った。そのうち、これまでLPでは廉価再発盤しか架蔵していなかったR・コルサコフ作品がeBayに出品されていたので落札したもの。
R・コルサコフ作品といっても、実は同名の歌劇からグラズノフらが4曲の管弦楽曲を編んだもので、LPでは片面に収められている。
残り片面は、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮) レニングラード・フィルによるハチャトゥリアン;バレエ音楽「ガイーヌ」が占める。
このあたり、少しややこしい。
初発はモノラルだったようで、その時の番号は "19170" 、同じ作曲家の序曲「ロシアの復活祭」・序曲「五月の夜」をカプリングしていた。
手もとの資料で見る限り、この組合せのままステレオで出たということがなかったらしい。
当盤(番号は "136474" )は、「金鶏」組曲のステレオでのオリジナル盤ということになるのではないか(いわゆるチューリップ・レーベル、1966年頃か)。

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2006年05月02日(火)

ベイヌムのシベリウス録音覆刻 [2006年5月]

エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム(指揮) アムステルダム・コンセルトヘボウ管
シベリウス;交響詩「エン・サガ」・「タピオラ」 ほか(DECCA)
ユニバーサルが、旧Philips・DECCAのベイヌム音源をまとめてCDで発売した。
未架蔵音源も多々あるが、中でも絶対落とせないシベリウスの1枚を購入。「タピオラ」は世界初CD化というから尚更である。
その「タピオラ」と「エン・サガ」は、LP初期に"LXT-2776"という番号でリリースされ、岡俊雄氏が名著『マイクログルーヴからデジタルへ』(ラジオ技術社)の中で、特筆すべき名盤・名録音の一に挙げておられる。
新しいものを古めかしくやるベイヌムだと、シベリウスがちょうど頃合いのように聴かれ、イギリス人指揮者のようなメリハリのおもしろさは出てこないが、なかなかよかった。『伝説』に関する限り、いまだにこのレコードがぼくはいちばん好きだ。(略)
 弦の音が非常に美しくとられており、ことにメッツォ・フォルテから下の弱音が細部までよく入っている好録音であった。
両曲は1952年12月、アムステルダムでの録音。
1957年6月に録音された交響詩「フィンランディア」・「悲しきワルツ」をカプリングしている(いずれもモノラル)。

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南米の哀愁 [2006年5月]

ニクラス・シヴェレーフ(P)
「アルゼンチンのピアノ音楽」(ASV)
スヴェトラーノフのはやしさんのblogスヴェトラーノフ以外のオススメのディスク & 演奏でレビューを拝読したCD。
『これぞ南米の哀愁』って感じの曲が、雰囲気たっぷりの録音と演奏で堪能できる1枚なのです。
とのこと、ヒナステラピアソラの作品を収録しているとあっては聴かざるべからずと捜していたもの。
幸いeBayで安価な出品を落札できた。
演奏されているのは、ヒナステラでは3つのアルゼンチン舞曲 op.2ミロンガ(1937、op.3の歌曲の編曲)、12のアメリカ大陸風前奏曲 op.12(第2・4・6・8番)、Pソナタ第1番 op.22南米風舞曲 15アルゼンチン童謡によるロンド op.19
ピアソラでは「天使のミロンガ」「ブエノスアイレスの冬」「アディオス・ノニーノ」「オブリビオン」「ブエノスアイレスの夏」
更に、グアスタビーノ(1912〜2000)のソナチネ ト短調ガトを加えている。
2001年2月、イギリス・サフォークのポトン・ホールでの録音。
なお、ヒナステラについては飛中漸さんのヒナステラ作曲目録、グアスタビーノについては中南米ピアノ音楽研究所さんが詳しい。
それにしてもシヴェレーフという人、一方でステーンハンマルも録音しているのだから、レパートリーの広い人だ。
北欧と南米といえば舘野泉さんも同様だから、何か通底するものがあるのだろうか。

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2006年05月01日(月)

ジョン・ルイスの平均律第2巻 [2006年5月]

ジョン・ルイス(P) ほか
バッハ(ジョン・ルイス編);プレリュードとフーガ vol.2(Philips)
先月19日に第1巻を購入した、ジョン・ルイスの編曲による平均律クラヴィーア曲集の続巻が、某オークションに安く出ていたので購入。
バッハ第1巻の第4・5・8・9・16番を採り上げており、フーガではVn、Va、Cb、Gを加えている。
1984年1月及び85年10月、ニューヨークのラトガーズ教会で録音された。

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