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2006年06月29日(木)

宇野功芳ディスコグラフィ [求書読書録]

宇野功芳『クラシックの聴き方』(音楽之友社)
宇野師の新著。
前半は山崎浩太郎氏による宇野師の生い立ちと「音楽の聴き方」に関する聞き書き、同じく山崎氏との対談「ベートーヴェンの交響曲演奏と大巨匠の音楽」。
前者では父・牧野周一に関する少し詳しい回想や、生後3か月の写真・高校生時代のポートレートなど、面白い新出の材料もあるが、概ね既出の著作で触れられていた内容。
後者も、山崎氏のリードによって細部で興味深いコメントは出ているものの、大筋では既出の言説の範囲を越えるものではない。
後半は、『レコード芸術』誌の連載の再録。「音楽歳時記」(2002年)、「志木折々」(2004〜05年)が収められている。
ただし、最後に7頁分の「宇野功芳 年代順全ディスコグラフィ」が掲載されている点で、本書の価値は限りなく高い。
とりわけ、KTU女声合唱団や早蕨会合唱団、跡見学園女子大学合唱団などとの自主製作盤についても、詳細曲目・演奏年月日・会場等のデータが記載されており、非常に貴重だ。
いずれ宇野功芳 ディスコグラフィに、それらのデータを追加したい。
今後期待したいのは、宇野師の年譜。
「保健所のアルバイトをしたが、失敗ばかりでクビになった」等々、過去の著作で語られている事跡をきちんと確認したいし、また(宇野ファンには有名なネタだが)「本当に愛し合う者は結婚すべきでない」という言明(『たてしな日記』)をひっくり返したのがいつか等、興味は尽きない。

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2006年06月27日(火)

モントゥーの稀少ライヴ [2006年6月]

ピエール・モントゥー(指揮) フランス国立放送管 ほか
「1952〜58年 ライヴ録音集成」(M & A)
白髭翁モントゥーがフランス国立放送管を指揮した1950年代のライヴ録音がまとまって発売された。
国内の通販サイトなどでは1万円前後の値付けだが、M & Aの公式Websiteでは59.7ドルになっており(期間限定特価)、こちらが割安だろうとオーダーしたもの。
発注から約10日で到着、8,000円強で入手できた。
CD8枚組に21曲が収録されている。主なものとしては、
 ベートーヴェン;交響曲第2・7・8・9番
 フランク;交響曲
 チャイコフスキー;交響曲第5番
 プロコフィエフ;古典交響曲
 ワーグナー;序曲「さまよえるオランダ人」
 R・シュトラウス;「死と変容」
 ヒンデミット;「いとも気高き幻想」
 ドビュッシー;「映像」・「遊戯」
 ストラヴィンスキー;「ペトルーシュカ」(1911年版)・「春の祭典」
 レスピーギ;「ローマの松」
 モーツァルト;P協第24番(独奏ロベール・カサドシュス)
といったところ。
録音状態も良く、楽しみなセットだ。

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ステーンハンマル新譜! [2006年6月]

マリ・レアベク(P) オッコ・カム(指揮) デンマーク国立放送響
ステーンハンマル;P協第2番 & グリーグ;P協・序曲「秋に」(EMI)
いつもお世話になっている北欧音楽MLの方から御教示いただいたCD。
デンマークEMIのローカルリリースで普通には国内に入荷しないこと、ドイツの通販サイトでは入手できそうだが送料が高いことで、二の足を踏んでいた。
しかし、いち早く入手されたユビュ王の食卓さんの「何と素晴らしい演奏!(略)今年のベスト10に入りそうな感じです。」というrコメントを拝読して、居ても立ってもいられず、amazon.deにオーダーしたもの。
ピアニスト(公式Websiteがある)は、まだ30歳を少し越したばかり、デンマーク・ドイツ・ノルウェーで学び、師の中にはステーンハンマル作品をSP期に録音したハンス・ライグラフの名もある。
2005年1月、コペンハーゲンのデンマーク放送コンサート・ホールでの録音。
なお、「ユビュ王〜」さんには当盤がCCCDの可能性がある旨コメントされているが、斉諧生のところではPCで問題なく再生できたので、通常CDという可能性もある。

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ミュラー・ショット新譜 [2006年6月]

フォーグラーQ & ダニエル・ミュラー・ショット(Vc)
シューベルト;弦楽五重奏曲・弦楽四重奏曲第10番(Profil)
上記ステーンハンマル盤のオーダーに際し、併せて(たぶん)まだ日本に入荷していないProfil盤を注文。
このところムタープレヴィン夫妻との共演など、急速にキャリアを築いているミュラー・ショットの新譜である。
もちろん当盤のメインはフォーグラー四重奏団で、彼らが共演してきたボリス・ペルガメンシチコフの追憶に捧げられている。
2004年10月、ケルン・ドイツ放送局の大ホールにおけるライヴ録音。

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ウィーン弦楽六重奏団の「フィレンツェ〜」 [2006年6月]

ウィーン弦楽六重奏団
チャイコフスキー;「フィレンツェの思い出」(PAN CLASSICS)
これも上記ステーンハンマル盤のオーダーに併せて、ずっと気になっていたCDを注文したもの。
畏友かとちぇんこさんのDer Nachtwind、いつも参考にさせていただいているロシア室内楽ファン倶楽部さんの両方で、強く推奨されていた。
緊密なアンサンブルのなかに、やわらかな光が満ち溢れ、イヤな音ひとつしない美しい弦楽合奏(略)チャイコフスキーが思い描いたイタリアのまぶしい風景が、強烈に胸をしめつけ」(Der Nachtwind)、「『フィレンツェの思い出』の冒頭の、あの情熱の滾る弾きっぷりは、ウィーンの団体、というよりはヴェーグの弟子たち、ということで合点がいく。(略)節度あるアンサンブルを保ちながら、「フィレンツェ〜」のフィナーレでは、ここまでやるかという燃焼を見せつける。すげえぜ。」(ロシア室内楽ファン倶楽部)
2001年11月、スイス・ブルーメンシュタインでの録音。

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トーテンベルクのバッハ無伴奏 [2006年6月]

ローマン・トーテンベルク(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(MCS)
1911年ポーランド生まれ、若くしてシマノフスキとのジョイント・リサイタルやアルトゥール・ルービンシュタインとの演奏旅行を行い、長じてはミヨーの第2協奏曲を作曲者と初演したヴァイオリニスト、トーテンベルクのバッハ。
いつも参考にさせていただいているt.s.さんのWebpageが、eBayで入手可能との情報を提供してくださり、直ちに落札したもの(複数枚の在庫があるようだ)。
全6曲がCD3枚に収められており、トラックが1曲ごとになっている(つまり1枚2トラック)のは少し不便だが、音質は良好で、力のあるリアルな音色を堪能できる。
録音データ等は記載されていない。eBayのページには「1955年、ベルリンでの録音」と掲載されていたが、とても50年前の音には聴こえない。

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三谷礼二氏のプロデュース盤その2 [2006年6月]

遠藤幸子(Vo) 永瀬純子(P)
「日本童謡集 I」(Mitani & IZU Friends)
先だって「恋歌激唱」という1枚を入手した三谷礼二氏のプロデュース盤、奇縁というのか、20年間現物を見たこともなかったのに、1月と経たない間に残りの音盤の大半3枚をまとめて某オークションで入手できた。
当盤は、たぶんシリーズ第1弾にあたるもので、「七つの子」から「赤とんぼ」まで20曲の童謡を収めている。
ブックレットには宇野功芳野中映細川周平渡辺和彦氏らが寄稿し、特に宇野師は
まさに三谷さん演出の歌であり、歌手の選定、曲目の編成、歌手の表現、さらにはピアノ伴奏のすみずみにいたるまでが、完全に三谷節で統一されているのだ。(略)ここまで歌を(歌手を)錬磨するのは大変な業であったと思うが、彼と彼女はそれを完璧にやりとげてしまったのだ。
と書いている(宇野師も同様の試みを来月発売予定のCDで行うようだ)。
1986年12月、伊豆・働楽荘での録音。

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三谷礼二氏のプロデュース盤その3 [2006年6月]

遠藤幸子(Vo) 呉恵珠(P)
「遠藤幸子 衝撃のライヴ」(Mitani & IZU Friends)
上記CDに続き、1987年12月21日に東京・駒場エミナースで行われたコンサートの全曲を収録したライヴ盤。
「童謡集」にも収録されていた「七つの子」・「故郷」等の童謡から、ブラームス;「愛のまこと」フォーレ;「夢のあとに」等の歌曲まで、20曲を歌っている。

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三谷礼二氏のプロデュース盤その4 [2006年6月]

前田那大子(Vo) 青島広志(P)
「アメリカン・ラブソングス」(Mitani & IZU Friends)
歌い手が変わり、曲目もガーシュウィン;「ポーギーとベス」ジェローム・カーン;「ショー・ボート」からの歌(計17曲)となっている。
「ポーギー〜」は好きな曲なので、一二もなく落札。
録音データが記載されていないが、マルPは1989年。

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2006年06月22日(木)

ヤン・フォーグラーほかのK563 [2006年6月]

ベンヤミン・シュミット(Vn) アントワーヌ・タメスティット(Va) ヤン・フォーグラー(Vc) ほか
モーツァルト;ディヴェルティメント K.563 ほか(Sony BMG)
期待の独墺系チェリスト、ヤン・フォーグラーの未架蔵盤。
たしかどこかのWebpageで情報をいただいたと思うのだが失念(汗)、ドイツ・ソニーのローカル・リリースで一般には入荷せずタワーレコードで取り扱っているというのでオーダーしたもの。約1か月を要した。
フォーグラーが芸術監督を務めるモーリッツブルク音楽祭に関連した製作されたCDで、2005年8月、音楽祭終了後にライヒェンベルク福音派教会で録音されたもの。
カプリングは弦楽四重奏用に編曲された「フィガロの結婚」。序曲ほか7曲を演奏している。作曲者と同時代の無名編曲者による組曲を、フォーグラーがアレンジした楽譜を使用したとのこと。
こちらの演奏者は、フォーグラーのほか、コリン・ヤコブセンミラ・ワン(以上Vn)、タチヤナ・マスレンコ(Va)。
なお、2006年のモーリッツブルク音楽祭はカプソン兄弟バイバ・スクリデエレーヌ・グレモーらを招き、エサ・ペッカ・サロネンを「コンポーザー・イン・レジデンス」として行われるとのこと。

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2006年06月21日(水)

カザルスの未発表ライヴ盤 [2006年6月]

イェフディ・メニューイン(Vn) レスリー・パーナス(Vc) パブロ・カザルス(指揮) カザルス音楽祭管
ブラームス;二重協 ほか(DOREMI)
カザルスが指揮したブラームス;二重協がリリースされるとの情報に接し、アリアCDさんにオーダーしていたもの。
1969年5月29日のライヴということで、プエルト・リコのカザルス音楽祭での演奏と思われる。
モノラル収録のようで、管弦楽は少しラジオ的だが、音自体は生々しく(特に独奏)、悪くない。
カプリングはパーナス独奏でチャイコフスキー;ロココ変奏曲(ジェルヴァース・ド・ペイエ(指揮) ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ)、ブロッホ;「シェロモ」(アンタル・ドラティ(指揮) 北ドイツ放送響)。

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ミュラー・ショットのエルガー [2006年6月]

ダニエル・ミュラー・ショット(Vc) アンドレ・プレヴィン(指揮) オスロ・フィル
エルガー;Vc協 & ウォルトン;Vc協(Orfeo)
EMIのデビュー盤以来注目しているミュラー・ショット、DGGにデビューしたかと思えば、当盤ではプレヴィンのサポートでイギリス音楽を録音するという快進撃ぶり。
年内にはヤコフ・クライツベルクバイエルン放送響の付けでショスタコーヴィッチ;Vc協第1・2番のリリース予定があるという。
2005年8月、オスロのフィルハーモニック・ホールでの録音。
これもアリアCDさんから。

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ギトリスのプライヴェート盤その1 [2006年6月]

イヴリー・ギトリス(Vn) ジョルジュ・プリュデルマシェ(P)
「イヴリー・ギトリス 第1集」(PODIUM)
アリアCDさんのWebpageに、PODIUMが製作するプライヴェート盤(CD-R)の情報が掲載されていた。
PODIUMらしいヴァイオリニストのライヴ録音ばかりで、興味深い顔ぶれが並んでいるが、全部揃えるわけにもゆかず、ライヴで是非聴きたい人であるギトリスのものをオーダーしていたところ、今回、そのうち2枚だけが送られてきたもの。
収録曲はヒンデミット;Vnソナタ第1番バルトーク;無伴奏Vnソナタブラームス;Vnソナタ第3番(第1・3・4楽章)フランク;Vnソナタ(第1・2楽章)と、少々半端なものも含んでいる。
1970年頃の録音というが、レンジの狭い音質で、時々雑音や脱落があり、一般の商品には適しないだろう。

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ギトリスのプライヴェート盤その2 [2006年6月]

イヴリー・ギトリス(Vn) ジョルジュ・プリュデルマシェ(P) ほか
「イヴリー・ギトリス 第2集」(PODIUM)
こちらの収録曲はバッハ;シャコンヌパガニーニ;奇想曲第13・24番ドビュッシー;Vnソナタ(以上1975年)、パガニーニ;Vn協第2番(スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮) シュトゥットガルト放送響、1972年6月13日)など。
録音の状態は上記第1集同様。

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マタチッチの「エレクトラ」 [2006年6月]

ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮) シュターツカペレ・ベルリン
R・シュトラウス;歌劇「エレクトラ」 & 交響詩「死と変容」(WEITBLICK)
これもアリアCDさんからで、新譜で買いそびれていたものがセールで安くなっていたのでオーダーしたもの。
HMVのWebsiteで許光俊氏が「オーケストラがうめき、うなり、叫び、イライラし、ギラつき、邪念をにじみ出させる。楽器のひとつひとつの役割が鮮明だ。とりつくろったお行儀のよさなどありはしない。主人公は、復讐で頭がいっぱいで、周囲から異常者扱いされている。その憑かれた人間の暗い情熱が鮮やかに伝わってくる。」と評していたのが印象に残っている。
1957年10月、ベルリン国立歌劇場でのライヴ録音(モノラル)。オーケストラの強奏はやや硬いが、歌のエネルギーは十分感じられる。
カプリングの「死と変容」は1958年1月、やはりベルリン国立歌劇場でのライヴ録音(モノラル)。

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2006年06月19日(月)

サカリのブルックナー第7 [2006年6月]

ペトリ・サカリ(指揮) BBCウェールズ管
ブルックナー;交響曲第7番(BBC music magazine)
BBC music magazineの附録CDをeBayで落札するといういつものパターン。
下記シベリウス盤と併せ送料含め1,000円強で入手できたので、交通費を使って大阪まで雑誌を買いに行くより、よほど安くつく。
NAXOSレーベルへのシベリウス録音で知られたサカリだが、ちょっと聴いた範囲では、シベリウスの世界に通じるような清澄で流麗なブルックナー演奏になっているようだ。
2002年1月、ウェールズ地方スウォンジーのブラングィン・ホールでの録音。

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スヴェンセンのシベリウス第1 [2006年6月]

ヨーゼフ・スヴェンセン(指揮) BBCウェールズ管 ほか
シベリウス;交響曲第1番 ほか(BBC music magazine)
先だって東京都響ニルセン;交響曲第4番を指揮していったスヴェンセン、父系がノルウェー人で現在はコペンハーゲンに住んでいるという。
そんなことで北欧系の楽曲に縁があるのか、この2002年8月のプロムス・ライヴでもシベリウスを指揮している。
ブックレット所収のインタビューで、指揮者は「ロイヤル・アルバート・ホールの暑さが、火の出るようなこの交響曲の演奏を、更に熱くしてくれるでしょう!」と語っている(笑)。
カプリングは、ヤーノシュ・フュルスト(指揮) アルスター管によるニルセン;交響曲第1番
フュルストは、1970年代初めに第2番の指揮を依頼されて以来、ニルセンの交響曲に魅せられ、全曲を演奏してきたという。
2002年8月、ベルファストのアルスター・ホールでのライヴ録音。

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2006年06月18日(日)

カントロフの未架蔵盤 [2006年6月]

エルヴェ・ジュラン(Hrn) ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮) フランス放送フィル ほか
ハイドン;Hrn協第1番 ほか(ARION)
某オークションで見つけたCD。
オーケストラとの共演、室内楽、ピアノとの小品と、Hrn奏者の様々な音源を集成した盤だが、中にカントロフが加わった曲が含まれているので見逃せないと落札したもの。
彼が演奏しているのはハイドン;Hrn・Vn・Vcのためのディヴェルティメント Hob.IV:5(Vcはローラン・ピドゥー)、ケックラン;Vn・Hrn・Pの2つの小品(Pはアリス・アデル)。
1994年3〜5月、パリのフランス放送103スタジオでの録音。

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シトコヴェツキーとゲリンガスのショスタコーヴィッチ [2006年6月]

ドミトリー・シトコヴェツキー(Vn) ダヴィド・ゲリンガス(Vc) ヤシャ・ネムツォフ(P)
ショスタコーヴィッチ;P三重奏曲第2番 ほか(hänssler)
これも某オークションで見つけた盤。
ピアニストは未知の人だが(1963年ロシア・マガダン生れという。演奏は悪くなさそうだ)、シトコヴェツキーとゲリンガスのショスタコーヴィッチ演奏ならば聴き逃せないと落札したもの。
カプリングはワインベルク;P三重奏曲 op.24ヴェープリク;3つの民族舞曲というマイナーなレパートリー。
2004年12月、ミュンヘンのバイエルン音楽スタジオで録音された。

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ヴァイオリンによるアルペジオーネ [2006年6月]

ヨーゼフ・スヴェンセン(Vn) ジェフリー・ケイハン(P)
シューベルト;アルペジオーネ・ソナタ ほか(BMG)
このところ指揮者としての活動が目立つスヴェンセンだが、最初はヴァイオリニストとしてデビューし(たしか髭面だった)、シベリウス;Vn協の録音もあった。
シューベルトも幻想曲ほかのCDもあり、架蔵している。
当盤は、シューベルト録音の第2集として製作されたものらしい。珍しく「アルペジオーネ・ソナタ」をヴァイオリンで演奏するほか、ソナチネ第1・3番ロンド D.895を収録している。
1988年5月、ニューヨークのRCAスタジオでの録音。

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2006年06月12日(月)

井上道義・下野竜也・矢部達哉インタビュー [求書読書録]

近藤憲一 ほか『知っているようで知らない指揮者おもしろ雑学事典』(ヤマハ)
全体としてはあまり気乗りのしない書籍だが、井上道義・下野竜也・矢部達哉3人それぞれのインタビューが掲載されており、一読の価値あるのではないかと購入、あっという間に読了。
いちばん過激に発言しそうなイメージの井上氏も含め予想外に穏当な内容で、指揮者の仕事とは、そのオーケストラの演奏伝統と折り合いを付けながら、曲を再現していくこと…という趣旨を異口同音に語っている。
矢部氏の発言から。
ジャン・フルネさんは、音楽のことしか考えていない聖人のような人。(略)彼も92歳だから、時々あいまいなときがあります。でも彼からは音楽、音楽、音楽がにじみ出ていて、見ていると天上に近いところまで行っちゃってる、その姿が見えるから、こちらとしてはひれ伏すしかないんです。
朝比奈さんもいろいろ言われたけど、最終的には音楽の本質を衝いていたんですよ、絶対。僕は彼のブルックナーを感動しながら弾きました。練習では溜息もついたけど、本番では、これを本質と呼ばずして何が本質だろうと思いました。
また楽員の匿名座談会が掲載されており、
僕、指揮者に感動して演奏中に涙を流したことがあるんです。アバドの先生だったカルロ・ゼッキという人で、曲はモーツァルトでした。
マルケヴィッチとやった『悲愴』もすごく良かったけど、メチャクチャ怖かった。もう片耳が弱っていたみたいだけど、聴こえない素振りをみせなかったし、目が鋭くてね。まさに『悲愴』な演奏で、弾いていて最初から感動しちゃいました
といった発言に目が留まった。

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シベリウス後期Vn作品集 [2006年6月]

谷本潤(Vn) 野本哲雄(P)
シベリウス;Vn作品集 vol.1(MITTENWALD)
未知の奏者だが、シベリウス後期のVn作品集とあらば買わざるべからず。
第1巻収録は5つの小品 op.815つの田園舞曲より op.106-14つの小品 op.1153つの小品 op.116
谷本氏は1961年生れ、東京藝大卒業後、モスクワ音楽院のエドゥアルド・グラッチに学んだという。奏者自撰のライナーノートでも、
シベリウスの作品に共通した北国の自然を連想させる原初性や澄明感は、ロシアの荒涼たる雪原や延々と続く白樺林からも感じることができる
と、ロシア経験からシベリウスにアプローチしたと書いている。
もっとも「今回の録音に至る半年ほど前まではシベリウスがこれ程多くの、しかも魅力的なヴァイオリンの為の小品を残していたとは知らなかった。」と正直なところを述べているのには、多少危惧を感じないでもないが、「演奏者としてはその精神性にせまるにあたりスリリングな思いを重ねた」という洞察に期待したい。
2005年9月、東京・メトジカスタジオでの録音。

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ガリアーノのピアソラ映像 [2006年6月]

リシャール・ガリアーノ(アコーディオン) ほか
「ピアソラ・フォーエヴァー」(DREYFUS、DVD)
2003年の中古音盤堂奥座敷同人の5盤に選んだ、ガリアーノ七重奏団によるピアソラ・ライヴ。
DVDが出たというので、これは視聴せねばと思っていたところ、今日偶々立ち寄った音盤店の棚にあったので購入。
そちらは2002年8月29日スイスでのライヴだったが、当DVDは2005年6月8日パリのブッフェ・デュ・ノール劇場でのライヴ収録とある。ピアソラ所縁の会場だ。
ガリアーノのアコーディオン(曲によりバンドネオン)に加え弦楽5部にピアノという編成は同じだが、一部の奏者はCDから入れ替わっている(チェロがラファエル・ピドゥーアンリ・デマルケなど)。
また、ヴィオラが最近バッハを出したジャン・マルク・アパップなのはCDと同じ。
CDでは終楽章のみ収録されていたバンドネオン協が全曲入っているなど、曲数も増えている。

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ルングレンのフランク・シナトラ・トリビュート [2006年6月]

プッテ・ウィックマン(Cl) ヤン・ルングレン(P)
「アン・インティメイト・サリュート・トゥ・フランキー」(Gazell)
スウェーデンのジャズ・レーベルGazellの公式Websiteをチェックしたら、狙いどおり、ヤン・ルングレンの新譜が掲載されていた。
オンライン販売のページからオーダー、5日間ほどで到着したもの。
ただしCD本体が3,000円弱、送料を含めると3,800円ほどになってしまった(滅)。
Cl奏者はスウェーデンの大御所で、以前にもルングレンとの共演盤があり、当盤の録音時(2005年2月)には80歳というから凄い。今年2月に長逝してしまったので、これが遺作になってしまった。
"Once in a While" から"Night and Day"まで全15曲を収録。なお9曲目の"Where Do You Go ?" でルングレンは電子オルガン(?)を弾いている。

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ヴェラーのスメタナのLP [2006年6月]

ヴァルター・ヴェラー(指揮) イスラエル・フィル
スメタナ;わが祖国(英DECCA、LP)
先月22日にCDを入手したヴェラーの「わが祖国」、聴いてみたら録音が非常に美しく、これはオリジナルのLPで是非聴きたいと考えたところ、見透かしたかのように(苦笑)eBayに出品があり、落札したもの。
LP2枚組で、第4面に交響詩「ハーコン・ヤール」を収録している。
1978年2月、テル・アヴィヴのマン・オーディトリアムでの録音。

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2006年06月10日(土)

コルボのフォーレ [2006年6月]

ミシェル・コルボ(指揮) ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル
フォーレ;レクイエム(avex)
2005年、コルボが手兵とともに来日した際のライヴ録音。発売時から店頭で何度も手に取ったのだが、1曲37分で3,000円という値付けへの抵抗感、また国内盤メジャーレーベルゆえ当分は入手可能だろうという見通しから、その都度、棚へ戻してきた。
先日、HMVの日替わりセールで安くなっているのを見つけ、この機を逃すべからずとオーダーしたもの。
2005年2月14日、指揮者71歳の誕生日に、東京オペラシティ・コンサートホールでのライヴ録音。
1893年第2稿のネクトゥー & ドラージュ版に拠り(フルネも日本での最新録音に用いていた)、ソプラノはシルヴィー・ヴェルメイユ、バリトンはマルコス・フィンク

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ボンガルツの画家マティス [2006年6月]

ハインツ・ボンガルツ(指揮) ドレスデン・フィル ほか
ヒンデミット;交響曲「画家マティス」 ほか(独ETERNA、LP)
愛惜佳曲書にも掲げた「画家マティス」の未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札。
ボンガルツ・ドレスデンという、旧東独の質実剛健派ゆえ、鬱勃たる音楽を再現してくれるのではないかと期待している。
カプリングはヴィトルド・ロヴィツキ(指揮) ワルシャワ国立フィルによるルトスワフスキ;葬送音楽
録音データは明記されていないが、1960年代末のものか。

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2006年06月07日(水)

パウムガルトナーのK.201 [2006年6月]

ジェルメーヌ・ティッサン・ヴァランタン(P) ベルンハルト・パウムガルトナー(指揮) ザルツブルク・カメラータ・アカデミカ
モーツァルト;交響曲第29番・P協第23番(グリーンドア)
このところ斉諧生には垂涎の音源を次々と覆刻するグリーンドア・レーベルから、愛聴するパウムガルトナー院長のモーツァルトがリリースされた。
しかもピアノ独奏はフォーレ録音で知られるティッサン・ヴァランタンであるから、まさに聴かざるべからざるCDだが、いつもながら国内盤新譜は買いそびれがち。
ようやく某オークションで安価な出品を見つけて落札したもの。
録音データが明記されていないが、1950年代半ばか(モノラル収録)。

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2006年06月04日(日)

Mr.Sのベートーヴェン第3弾 [2006年6月]

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮) ザールブリュッケン放送響
ベートーヴェン;交響曲第1・4番(OEHMS)
このところ本業が忙しく、ずっと音盤屋を覗くこともままならなかったが、ようやく大阪で立ち寄ることができた。
買いたい・聴きたいディスクは山ほどあるが(例えばフルネのラスト・コンサート!)、資金の制約の中、ポイント2倍の対象金額をクリアする程度に留める。
まずはスクロヴァチェフスキのベートーヴェン全集新作から。
第1番は2005年6月、第4番は同年10月、それぞれザールラント放送局大ホールでの録音。
この記事を書いていて、第2弾の第9番が買いそびれたままになっていることに気がついた(汗)。

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デプリーストのCl & Fg二重協 [2006年6月]

ジェイムズ・デプリースト(指揮) オーケストラ・アンサンブル金沢 ほか
メンデルスゾーン;交響曲第3番 & R・シュトラウス;Cl & Fg二重協(Warner)
東京都響の常任指揮者、人気漫画『のだめカンタービレ』(最近中だるみだが)への登場でも知られるデプリーストがOEKに客演した際のライヴ録音。
シュトラウス作品は愛惜佳曲書で採り上げた佳曲ゆえ聴かざるべからず、Clがヴェンツェル・フックス(ベルリン・フィル)、Fgがリヒャルト・ガレール(ウィーン響)というから、なおのこと。
2003年2月27日、石川県立音楽堂における収録。

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フレクサトーン [2006年6月]

ボリス・ベレゾフスキー(P) ドミトリ・リス(指揮) ウラル・フィル
チャイコフスキー;P協第1番 & ハチャトゥリアン;P協(Warner)
半年ほど前にラフマニノフ;P協第2・3番がリリースされたベレゾフスキー、指揮者とオーケストラはそのままに、レーベルがメジャーに移ってチャイコフスキーが発売された。
もちろん1990年のチャイコフスキー・コンクールの覇者だから、待望のスタジオ録音ということになる。
またカプリングが珍曲ハチャトゥリアンというのが目を惹く。この人のVn協は時々聴くが、P協はほとんど初めて。第2楽章でフレクサトーンという特殊楽器を使っているのだそうだ。
2006年2月、ロシア・エカテリンブルクのフィルハーモニア大ホールでの録音。

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村治佳織のDECCA第2弾 [2006年6月]

村治佳織(G)
「リュミエール」(DECCA)
ずっと買いそびれていた村治嬢のDECCA録音第2弾を輸入盤で購入。
収録曲は、サティ;ジムノペディ第1・3番 & グノシェンヌ第1番ドビュッシー;亜麻色の髪の乙女・月の光ラヴェル;亡き王女のためのパヴァーヌといったポピュラーどころから、ディアンス;サウダーデ第3番吉松隆;水色スカラーといった比較的新しい作品まで、バランスが良い。
2005年6月、イギリス・モンマスのニンバス財団コンサート・ホールでの録音。

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2006年06月03日(土)

三谷礼二氏のプロデュース盤 [2006年6月]

遠藤幸子(Vo) 呉恵珠(P) ほか
「恋歌激唱」(Mitani & IZU Friends)
オペラ演出家として著名な三谷氏が、晩年(といっても50歳代だが)に力を注いだ「伊豆高原オペラ・セミナー」での歌の研究から生まれたCDの1枚(数枚製作されたようだ)。
『音楽現代』誌などで三谷氏の評論は愛読しており、CDが出たことも知っていたのだが、まあ買うほどのこともあるまいと思っていたところ、1991年に急逝してしまわれた。
先だって遺稿集『オペラとシネマの誘惑』(清流出版)も出たが、ふと某オークションで当盤を見つけ、ぜひ三谷氏の音楽的主張を確認してみたいと、落札したもの。
収録曲はモーツァルト;「クローエに」「すみれ」「夕べの想い」からドニゼッティ;「彼女は死んだ」オッフェンバック;「手紙の歌」(ラ・ペリコール)、あるいはワイル;「スラバヤ・ジョニー」、更には「アカシアの雨が止む時」「白い花の咲く頃」「遠くへ行きたい」といった歌謡曲まで、多岐にわたる。
1986年12月、伊豆・働楽荘での録音。

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2006年06月02日(金)

ペッカ君のシベリウス! [2006年6月]

ペッカ・クーシスト(Vn & 指揮) タピオラ・シンフォニエッタ
シベリウス;Vn & 管弦楽作品集(Ondine)
フィンランドのレーベルOndineの公式Websiteは、折に触れてチェックしている。新譜の情報も早く、またオーダーしてから1週間以内に届く速さ!
先だってWebサーフのついでに覗いてみると、1999年のラハティ響初来日ツアーですっかりファンになったクーシスト兄弟の、弟・ペッカ君の新譜が掲載されていた。
しかもシベリウスのヴァイオリンとオーケストラのための作品集、これはすぐにでも聴きたいと、即座にオーダーしたもの。いつもながら素早く、6日で到着。
収録曲は2つのセレナード op.696つのユーモレスク opp.87 & 89組曲 op.117、そして指揮にまわって組曲「白鳥姫」 op.54
佳曲揃いで、まことに楽しみである。
2006年1月、フィンランド・エスポーのタピオラ・ホールでの録音。

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セーゲルスタムのシベリウス歌曲集 [2006年6月]

ソイレ・イソコスキ(Sop) レイフ・セーゲルスタム(指揮) ヘルシンキ・フィル
シベリウス;管弦楽歌曲集(Ondine)
上記Vn曲集をオーダーするついでに、かねて購入を予定していた管弦楽歌曲集を合わせて注文。
イソコスキも北欧音楽ファンに評価の高い歌い手だが、それ以上に最近のセーゲルスタムのシベリウス演奏からは目が離せない。
有名な交響詩「ルオンノタール」や管弦楽歌曲、ピアノ歌曲を管弦楽編曲したもの(作曲者自編以外にユッシ・ヤラスらの手になる曲を含む)19曲を収録している。
2005年10月、ヘルシンキのフィンランディア・ホールでの録音。

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