音盤狂日録


2月28日(日): 

  このところ取り組んでいる、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、昨日に引き続き、パブロ・カザルスの録音を聴く。

マールボロ音楽祭管&プエルト・リコ音楽祭管、ハイドン;交響曲第45・94番(CBSソニー)
マールボロ音楽祭管、ハイドン;交響曲第95番(米CBS、LP)
マールボロ音楽祭管&プエルト・リコ音楽祭管、モーツァルト;交響曲第35〜41番(CBSソニー)
マールボロ音楽祭管、ベートーヴェン;交響曲第1・2・4・6〜8番(Sony Classical)
マールボロ音楽祭管、ベートーヴェン;交響曲第7・8番(CBSソニー)
マールボロ音楽祭管、シューベルト;交響曲第5番(Sony Classical)
マールボロ音楽祭管、メンデルスゾーン;交響曲第4番(CBSソニー)
マールボロ音楽祭管、ベートーヴェン;序曲「エグモント」&ブラームス;ハイドン変奏曲(Sony Classical)
アイザック・スターン(Vn)ウィリアム・プリムローズ(Va)プラド音楽祭管、モーツァルト;協奏交響曲K.364(Sony Classical)

2月27日(土): NHK教育TV『トゥトゥ・アンサンブル』(斎藤雅広が妙な格好をしてピアノを弾いている番組)を見ていたら、一昨日買った長谷川陽子(Vc)『ノルウェーの森』で打楽器パートを担当しているクリストファー・ハーディが出演していたので吃驚。

 「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿は、明日が締切。パブロ・カザルスを集中的に聴く。

マールボロ音楽祭管、バッハ;管弦楽組曲(全曲)&ブランデンブルグ協奏曲(全曲)(Sony Classical)
 
長谷川陽子(Vc)ブルース・スターク(P)クリストファー・ハーディ(Perc)『ノルウェーの森』(VICTOR)
一聴して不満なのは、音の取り方。心配していたとおり、マルチマイクのオンマイク録音、打楽器のみ妙なエコーが付く。通常より小音量で聴いた方が良さそうだ。
あるいはラジカセ、ミニコンポなりカーステレオで聴かれることを想定した音づくりなのかもしれない。普通のポピュラー・アルバムであれば、それが当然である。
しかしながら、長谷川さんのチェロは、そういう「ながら聴き」を拒否する真摯な音楽を奏でている。
「What a Wonderful World」「ララルー」といった曲の歌い抜き方は尋常ではない。「星に願いを」の哀切な響きも、原曲を遙かに超えるものだ。
また、編曲もそれにふさわしい手の込んだもので、とりわけ11分を超す「スカボロ・フェア」は、もはや一個の独立した幻想曲となっており、誠に聴き応えがある。
例えば某マイスキーがやっているような、歌曲の声楽パートをチェロに置き換えたような安直なアルバムではない。こういう音楽を、例えば車を運転しながら聴き流せる人っているのかしら?
斉諧生のごとき長谷川さんのファンには嬉しい1枚で、愛聴に堪えるものだが、はたして売れるのだろうか…ちょっと心配。
なお、元来が器楽曲である「Waltz for Debby」は、本家ビル・エヴァンスの名演が耳にあるだけに、ちょっと不満が残る。

2月26日(金): 

 

ケラーQ、バッハ;『フーガの技法』(ECM)
この団体はノーマークだったのだが、『クラシックCDベストテン1999』(音楽之友社)渡辺和彦氏が「この高みにまで達するのは至難の技」と第1位に掲げたのをはじめ、評判がよいようなので、一度聴いてみようと購入。
いかにもECMらしい、白黒のジャケット写真も雰囲気がよい。このレーベルのアートワークは好みだ。
実は、先日、CHANNEL CLASSICSのリコーダー四重奏によるものに店頭の試聴機で接し、それは買わないのだが、この曲を四重奏で聴いてみたくなって思いだしたのである。
 
ルネ・ヤーコプス(指揮)ベルリンRIAS合唱団ほか、バッハ;ミサ曲ロ短調(Berlin Classics)
レーベルと指揮者・演奏団体の組合せが珍しい。
今、中古音盤堂奥座敷で、この合唱団とマーカス・クリード(この盤でも合唱指揮者としてクレジットされている)によるプーランク;宗教合唱曲集が議論されており、議論に参加の皆さんからは概して高評が寄せられている。
ヤーコプスは次々回あたりにモンテヴェルディ;聖母マリアの夕べの祈り(HMF)が取り上げられる見込みもあるので、その際の比較にもなろうかと、購入。
先だって『冬の旅』を聴いたクリストフ・プレガルディエンも参加している。
 
ジャン・フルネ(指揮)日本フォーレ協会編成による男声合唱・オーケストラほか、フォーレ;レクイエム(カメラータ東京)
今月新譜随一の話題盤、フルネ4回目のフォーレ;レクイエム。
この曲の版の問題はブルックナーの交響曲並みにややこしいのだが、ここでは1893年版(校訂版が1994年に出版された)を用いている。
この版で録音したいというフルネの希望により、日本フォーレ協会が企画・製作された盤だそうだ。
また、合唱は少年と男声によること、「ピエ・イェズ」の独唱はボーイ・ソプラノによること、当時のフランス風ラテン語の発音に基づくこと、というのがフルネの要求だったそうだ。
合唱には東京少年少女合唱隊、オーケストラに矢部達哉(Vn)川本嘉子(Va)吉野直子(Hp)松崎裕(Hrn)といったところが参加している。
カプリングにフォーレ;小ミサ曲が入っているのも嬉しいが、収録時間にはまだまだ余裕があり、ここは「ラシーヌの雅歌」をフィルアップしてほしかったところだ。
 
ウト・ウギ(Vn)ラマール・クローソン(P)ベートーヴェン;Vnソナタ第5・7番(伊GRUPPO、LP)
中古盤フェアを覗く。思ったよりクラシックのLPが陳列してあり、閉店までの僅かな時間ではチェックしきれなかったのが残念。
最近、こういうフェアではまず室内楽の箱から見るようにしている。オーケストラもののところは、大抵、漁られた後で珍しいものがないが、こういうところには結構残っているからだ。
特に、LP時代のマイナー・レーベルで未CD化の(というより会社・版権そのものが行方不明だったりする)録音が見つかることがある。
これもそういったものだろう。ファクトリー・シールドのままの美品である。
録音は1979年10月、ミラノ。ウト・ウギが売り出してきた頃のものだ。
第5番「春」で、美音の洪水が聴けるのではないかと購入。
ジャケットも丁寧なつくりで写真も豊富、1980年にN響との共演に来日したときの、どこかのお寺で柄杓で水をすくっている写真まで載っている。(^^)
 
和波孝禧(Vn)北川暁子(P)シューベルト;Vnソナタ「デュオ」・幻想曲(日コロムビア、LP)
これは掘り出し物!
1970年前後は、日本のレコード会社が、結構、日本人作品や日本人演奏家のレコードを作っていた。
このLPは1973年7月の録音、和波さんのごく初期のものである。
録音の存在は知っていたし、曲も大好きな「幻想曲」なのだが、たぶん無理だろうと諦めていた。
それに巡り会えたので、歓喜して購入。
残る小品集イザイ;無伴奏Vnソナタ全集も、いつか手に入れたいものだ。

2月25日(木): 

 

長谷川陽子(Vc)ブルース・スターク(P)クリストファー・ハーディ(Perc)『ノルウェーの森』(VICTOR)
長谷川陽子さんの新譜が出たので、早速購入。初のポピュラー・アルバムである。
収録曲は、
ノルウェーの森(ビートルズ)
美女と野獣(ディズニー、同名映画)
What a Wonderful World(ルイ・アームストロング)
Waltz for Debby(ビル・エヴァンス)
星に願いを(ディズニー、『ピノキオ』)
チム・チム・チェリー・ラプソディ(ディズニー、『メリー・ポピンズ』)
ミッシェル(ビートルズ)
ララルー(ディズニー、『ダンボ』)
スカボロ・フェア(サイモン&ガーファンクル)
エーデルワイス・ファンタジー(『サウンド・オブ・ミュージック』)
編曲はピアノも担当しているブルース・スタークによるもの。
後援会「ひまわり」の公式サイトにある陽子の日記によると、プロデューサーからのオファーは数年前からあったそうだが、
何年もの月日が私に必要だったのは納得の出来るアレンジが必要だったから。
ただただ好きな曲のメロディ・ラインをチェロで弾くだけなら巷に沢山あるし、下手すればとても安っぽくなってしまう。スターク製アレンジとの相性を確かめるために、VoicesのCDにもユニット参加したり、その為にこのアルバムはずいぶん長い時間をかけてやっと誕生した。
 
とのこと。
上記ページに録音時の画像があるが、スタジオ収録の模様、音的には多少心配。

2月22日(月): 

 

佐渡裕(指揮)フランス放送フィルほか、バーンスタイン;交響曲3番「カディッシュ」ほか(ERATO)
佐渡裕は斉諧生の同郷、同年生まれということになる。
だからというわけではないが、彼のCDは全部(といってもまだ3枚目だが)買うようにしている。最初のイベール作品集(NAXOS)など、なかなか素晴らしかった。
もちろん国内盤はとうに出ていたが、ようやく輸入盤が店頭に並んだので購入。
カプリングはチチェスター詩篇、ソロはジョゼフ・ミルズという、オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団員が歌っている。残念ながら、ライナーノートにも写真が無く、美少年かどうかはわからない。(^^;
 
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)ヤク・ヴァン・ステーン(指揮)オランダ放送フィル、エルガー;Vc協ほか(CHANNEL CLASSICS)
気になっている古楽器派のチェリスト、ウィスペルウェイが、とうとうエルガーに進出した。
しかも、カプリングはルトスワフスキ;Vc協だから、もっと先まで来ているわけだ。
どうかなぁとも思うが、エルガーとなると見逃せない。ついつい買ってしまった。
ライナーノートはウィスペルウェイ自撰、エルガーの自演盤等を研究した云々とある。果たして出来映えや如何。
 
エルマー・オリヴェイラ(Vn)ロバート・ケーニック(P)ほか、ルクー;Vnソナタ&ショーソン;Vn、Pと弦楽四重奏のための協奏曲(Biddulph)
アメリカの実力派ヴァイオリニスト、オリヴェイラ。「チャイコフスキー・コンクールで優勝した、ただ1人のアメリカ人ヴァイオリニスト」というのが謳い文句になっている。
アイザック・スターン一派とは一線を画したがために業界では不遇をかこっているらしいが、CDが少しづつ出てきた。
ましてや曲が最愛のルクーのソナタ、買わざるべからず。カプリングもショーソンとは嬉しい限り。
ショーソンではヴィスタ・ヌオヴァ・アンサンブルという団体が共演している。
SP復刻で知られるBiddulphレーベルだが、これはもちろん新録音、1995年8月のもの。

2月21日(日): 

 「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿は、昨日でマルケヴィッチを脱稿したので、引き続き、パブロ・カザルスに取りかかる。

斉諧生執筆の原稿では、現在、次の演奏家のものが上記URLで公開されている。
  ポール・パレー(指揮)
  ルネ・レイボヴィッツ(指揮)
  宇野功芳(指揮)
  和波孝禧(Vn)
  アルト・ノラス(Vc)
 また、カール・フォン・ガラグリ(指揮)が待機中。
ワルターほどではないが、カザルスにはリハーサル録音がかなり遺されている。まず、今日は、それをいくつか聴いた。
プエルト・リコ音楽祭管、シューベルト;交響曲第8番「未完成」第1楽章(Sony Classical)
1957年のプエルト・リコ音楽祭でのもの。このとき、カザルスが心臓発作で倒れ、本番はアレクサンダー・シュナイダーが弾き振りした。
このため、リハーサルの録音がLP化され発売されたが、それをCD化したもの。
CDブック『カザルスの思い出』(主婦の友社、1990年)付属のCD
『カザルスは語る』(日CBSソニー、LP)
『カザルス ホワイトハウス・コンサート』付属の特典盤。
 
以下は通常の演奏。
マールボロ音楽祭管、メンデルスゾーン;交響曲第4番「イタリア」(Sony Classical)
1968年7月のライヴ録音。
 
マールボロ音楽祭管、シューマン;交響曲第2番(Sony Classical)
1970年7月18日のライヴ録音。
 
最近買ったものを全然聴かないのも欲求不満が溜まるので、次のCDを聴く。
 
タンゲディア・デュオ、ピアソラ;『タンゴの歴史』ほか(RIVOALTO)
なるほど工藤さんのお薦めだけあって、素晴らしい演奏だった。
斎藤充正氏が『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』(青土社、1998年)の中で、この曲の演奏にはリズム感が決定的に重要だ、と力説しておられる趣旨が良く分った。
切れの良いリズムから、音楽の「意味」が、どんどん立ち上がってくる感じだ。
フルートのヴィブラートが少ないのも、斉諧生好み。

2月20日(土): 斉諧生は、自作(キット)の真空管アンプ(プリ、メインとも)を使用している。
 真空管(ファンは「球(タマ)」という)は、面白いことに、メーカーや製造年代等で音が違う。このあたり、LPによく似ている。

プロフェッショナルな観点からすると、「面白い」んじゃなくて「いいかげん」なのかもしれないが。

 今日、エイフルさんから松下製の12AX712BH7A(いずれも球の型番)が届いた。昔は大きな電器屋ならざらに売っていたものだが、今では結構な入手難である。

 音質的に最上のものは1950〜60年代の欧米製なのだろうが、日本製の品質の良さも評価されている。

 これをプリアンプの初段・終段に入れ替えてみた。これまでは作った(キットを買った)ときのまま、たぶん東欧製のものが入っていたのである。
 まだ少し聴いただけだが、やはり音質が良くなったと思う。解像度や鮮烈さが向上したように感じるのだ。

もっとも、ここがオーディオの曲者で、いじると必ず音が良くなったような気がする面もある。(^^;

 Music BoulevardからCDが届いた。
 3枚ともショスタコーヴィッチ関連である。

キャロル・ローゼンバーガー(P)ジェラルド・シュウォーツ(指揮)ロサンジェルス室内管、ショスタコーヴィッチ;P協第1番(DELOS)
一昨日のコーツ盤(CORONA)同様、ある人からお薦めいただいたもの。店頭に探したが見当たらないのでオーダー。
その人にとっての現在のベスト演奏、「ピアノの音色に深みと丸みがあって魅力的。鋭角的に演奏されやすいこの曲を、軽くならず繊細に歌いあげて」いるとのこと。
カプリングはプロコフィエフ;交響曲第1番ストラヴィンスキー;兵士の物語。後者では斉諧生御贔屓のデヴィッド・シフリンがクラリネットを吹いているのが楽しみ。
1980年の録音なので、デジタル最初期ということになる。録音的には大当たりかハズレかどちらかだろう…。
 
オレグ・ヴォルコフ(P)ヴァレリー・シナイスキー(指揮)モスクワ・フィル、ショスタコーヴィッチ;P協第1番(BRIOSO)
これも、上記の方が、「一筋縄では捉えられない演奏」「極めつけに面白い」とのコメントを付されており、気になるのでオーダーしてみた。
こういう妙なマイナーレーベル(会社はアメリカにある)が入手できるのは、ネット通販の強みだ。
ピアニストは、1958年生まれ、ジャケット写真を見ても不敵な(?)一癖ありげな面構えだ。
カプリングはシュニトケ;ピアノと弦楽合奏のための協奏曲(1979)。
録音はいずれも1995年6月。
 
ピエール・フルニエ(Vc)ヤシャ・ホーレンシュタイン(指揮)スイス・ロマンド管、ショスタコーヴィッチ;Vc協第1番(CASCAVELLE)
ショスタコーヴィッチ関連をいろいろ検索していたら、アレッというのが引っ掛かったので、オーダー。
チェロの「貴公子」として鳴らしたフルニエが、ショスタコーヴィッチをレパートリーにしていたのは、少々驚きだったのである。
1962年12月19日のヴィクトリア・ホールでのライヴ録音。
カプリングは
シューマン;Vc協(フェレンツ・フリッチャイ、1957年2月6日)
マルティヌー;Vc協(1955)(ヴォルフガング・サヴァリッシュ、1978年3月15日)
というもの。
このレーベルが出した一連のスイス・ロマンド管ライヴは、マルケヴィッチやビーチャムを発売早々に買ったし、国内盤扱いでも流通していたから、これを見落としていたのは合点がいかないのだが…。

 このところ取り組んでいる「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、イーゴリ・マルケヴィッチの録音を聴く。ようやく脱稿した。
 しかし、締切は今月一杯なのに、まだあと9人、残っている…。(T_T)

まず、プロコフィエフ;古典交響曲の聴き比べ。
フィルハーモニア管(TESTAMENT)
1951・52年のスタジオ録音。
日本フィル(学研)
1968年3月13日のライヴ録音。
 
日本フィル、メンデルスゾーン;交響曲第4番「イタリア」(学研)
1970年6月4日のライヴ録音。
フィルハーモニア管、チャイコフスキー;『胡桃割人形』組曲(TESTAMENT)
フィルハーモニア管、ラヴェル;『ラ・ヴァルス』(TESTAMENT)
スペイン放送響、ラヴェル;『ボレロ』(Philips)
チェコ・フィル、グノー;聖チェチリア・ミサ(DGG)
ラムルー管、L・ブーランジェ;『深き淵より』・『詩篇第129番』ほか(EVEREST)
スペイン放送響、サルスエラ名曲集(Philips)

2月19日(金): 本日深夜、NHK総合『トップランナー』村治佳織嬢が御出演。
 凛々しいというか、大人らしくなられたというか…、ああ、こんなに強い人だったんだ、と感心させられた。
 面白かったのは、「弾き語りなんかするんですか?」との問いに、なぜか焼き肉屋の話が始まったこと。
 何でも、パリで詰まらない焼き肉屋(肉は薄いわ、鉄板はちゃんと熱くなってないわ)に行った後、口惜しさを紛らわせようと、皆で『宇宙戦艦ヤマト』を歌ったのだそうな。
 
 この番組、最近では樫本大進、以前には佐渡裕など、クラシック系アーティストが、よくゲスト出演するので、チェックが欠かせない。
 司会が益子直美さんなのも嬉しいところだ。斉諧生は、彼女が共栄学園高校で「春の高校バレー」に出場した頃からのファンで、イトーヨーカドーの日本リーグ制覇の時など、TVの前で万歳三唱したものである。(^^;
 
 なお、村治嬢に関する有用な掲示板があるので、ファンの方は是非、御覧いただくとともに、新しい情報をお寄せください。URLは→ここ

 

有田正広(Fl)ほか、ヘンデル;フルートのための作品全集(DENON)
有田さんの笛は大好きで、新譜が出れば買うことにしている。
ヘンデルは、昔、ARCHIVの国内製作盤で『木管楽器のためのソナタ全集』があり、その中核となっておられた。
今回は、擬作やトリオ・ソナタ等、4曲を加えての「現時点で最も完備した全集」(帯の謳い文句)なのだそうだ。
有田千代子(Cem)中野哲也(Gamb)寺神戸亮(Vn)菅きよみ(Fl)諸岡範澄(Vc)が参加している。
ライナーノートは有田自身が執筆した充実したもの。

2月18日(木): 

 

セルジュ・チェリビダッケ(指揮)シュトゥットガルト放送響、ブラームス;交響曲全集(DGG)
ようやく輸入盤が出た。
斉諧生の学生時代(1980年代初頭)、よくこのコンビの演奏がNHK−FMで放送されたのを思い出す。
あのころは「むちゃくちゃテンポが遅いテンポで話題づくりをしている」「カラヤンをボロクソに言って受けを取っている」「録音しないことで付加価値を狙っている」と、際物視していて、真価が分からなかった。汗顔の至りである。
各小売店を見比べたが、京都ではタワー・レコードが一番安そうなので、そこで購入。
各曲の収録は、
第1番;1976年10月21日、マンハイム、モーツァルトザール。
第2番;1975年4月11日、シュトゥットガルト、リーダーハレ。
第3番;1976年11月19日、同上。
第4番;1974年3月23日、ヴィースバーデン、クルザール。
ボーナスCDに第4番第1楽章のリハーサル(約27分)が付いているが、これは1976年11月のもの。
なお、ライナーには今後の発売予定として、
(1) ロシア音楽集;『展覧会の絵』『シェヘラザード』『火の鳥』プロコフィエフ;交響曲第5番ほか
(2) R・シュトラウス;『ドン・ファン』『死と変容』『英雄の生涯』ほか
(3) フランス音楽集;『海』『夜想曲』『スペイン狂詩曲』『ダフニス』第2組曲『ラ・ヴァルス』ほか
が告知されており、これらも楽しみなことだ。
もっとも、斉諧生はEMIから出たBOXもろくに聴けていない…(^^;;;
 
エイドリアン・ボールト(指揮)ロンドン・フィル、シベリウス;交響詩集Vol.1&Vol.2(OMEGA)
1956年、シベリウス在世中の録音。ジャケット裏には作曲者がレコード会社に寄せた謝辞が掲載されている。
第1集には『エン・サガ』『トゥオネラの白鳥』『ポヒョラの娘』『吟遊詩人』『レミンカイネンの帰郷』
第2集には『タピオラ』『大洋女神』『夜の騎行と日の出』『フィンランディア』『テンペスト』前奏曲
が、それぞれ収められている。
もちろんモノラル録音。
敬愛するボールトのシベリウス、買わざるべからず。
もっとも彼の交響曲録音は残っていない様子なのが残念。
 
ポール・トルトゥリエ(Vc)ほか、『トルトゥリエ稀覯名演集』(EMI)
アルト・ノラス師匠の師匠、トルトゥリエも好きなチェリスト。
彼のモノラル〜ステレオ初期の録音がCD4枚分、復刻されたので喜んで購入。
このフランスEMIが出している『les introuvables de 〜』のシリーズは、本当に嬉しいシリーズだ。
主な収録曲は、
ハイドン;Vc協(フルネ&コロンヌ管)
オネゲル;Vc協(ツィピーヌ&フランス国立放送管)
ベートーヴェン;Vcソナタ第1〜4番
ブラームス;Vcソナタ第1・2番(以上カール・エンゲル)
シューベルト;アルペジオーネ・ソナタ
グリーグ;Vcソナタ(以上ロベルト・ワイス)
といったところだが、
自作;デュオ
がモード夫人との共演で収められているのが嬉しい。これは昨秋、ノラス師匠と長谷川陽子さんのデュオ・リサイタルで聴いて気に入った曲なのだ。
 
ギュンター・コーツ(P)ロルフ・クライネルト(指揮)ベルリン放送響、ショスタコーヴィッチ;P協第1番ほか(CORONA)
この曲は何でも買ってしまうくらいのお気に入り。
ある人から薦められて探していたのだがずっと見つからず、ふと、今日、ショスタコーヴィッチの交響曲の棚に発見、即購入。
その人にとってはベストを争う演奏なのだそうで、トランペット(ヴィリー・クルーク)とピアノ、オーケストラの実力が揃っていて「まさに掛け合う妙が楽しい」とのこと、大いに期待したい。
カプリングはヘルベルト・ケーゲル交響曲第1番、こちらは既に別な組合せで架蔵済み。
 
ヤシャ・ハイフェッツ(Vn)アルフレッド・ウォーレンシュタイン(指揮)ほか、コルンゴルト;Vn協ほか(BMG)
「『ハイフェッツ大全集』を中古かバーゲンで揃えるプロジェクト」がいつの間にかスタートしたらしく(^^;、今日立ち寄った中古屋(昨日のところとは別)で、第21巻を購入。
最近流行の兆しを見せているコルンゴルト(1953年録音)の他、ミクロシュ・ロージャ;協奏曲(1956年録音)・協奏交響曲(第2楽章のみ、1963年録音)、ワックスマン;カルメン幻想曲(1946年録音)が収められている。
いずれもハリウッドの映画音楽で活躍した人々であり、筋の通ったカプリングといえよう。
 
ヤシャ・ハイフェッツ(Vn)エマニュエル・ベイ(P)ほか、ベートーヴェン;Vnソナタ全集(BMG)
これも「『ハイフェッツ大全集』を中古かバーゲンで揃えるプロジェクト」、第21巻と同じ中古屋で購入、これは第16巻に当たる。
通常はCD4枚を要するベートーヴェン全集が、3枚に収まっているのも技巧派で鳴るハイフェッツならでは、かもしれない。
伴奏者は第9番「クロイツェル」のみブルックス・スミス、これはステレオ(1960年録音)。
この曲には大物ピアニスト;ベンノ・モイセイヴィッチとの競演(1951年録音)もあるが、こちらは第7巻に収録、もちろん架蔵済み。
それ以外の曲はモノラルで、1947〜1952年の録音である。
 
タンゲディア・デュオ、ピアソラ;『タンゴの歴史』ほか(RIVOALTO)
これは『タンゴの歴史』の、フルートとギターによる演奏の決定盤として、工藤さんからお薦めいただいていたもの。
長く探していたが、イタリアのマイナーレーベルのこととて見つからず、口惜しい思いをしていたのだが、一昨日発見し、取り置いてもらっていたのを、今日、購入。
フルートはバルバラ・タルタリ、ギターはクラウディオ・ファリノネという人。
その他、「オブリヴィオン」「アディオス・ノニーノ」等、ピアソラのスタンダード曲を収録。
なお、「タンゲ*リ*ア・デュオ」というのも同じようなディスクを出しているのでお間違いのないように…。
 
アナトリー・ヴェデルニコフ(P)バッハ;パルティータ(全曲)(BMG)
これは野々村さんからお薦めいただいたもの。
野々村さんは、クラシック井戸端会議「名演奏家の名盤はこれだ」でもヴェデルニコフを執筆しておられ、その中でもこの演奏に触れておられる。
「反復も指定通り行った文字通り『譜面に忠実』な演奏だが、音楽が一瞬たりとも無味乾燥に陥らないのは、彼の声部弾き分け能力の賜である。」
とのこと、鍵盤独奏音楽は買わない原則の斉諧生だが、これには期待して購入。
 
レナード・バーンスタイン(指揮)ニューヨーク・フィル、バッハ;マタイ受難曲(Sony Classical)
バーンスタインの『マタイ』、もちろん英語歌唱だし、かなりのカットを施してCD2枚に納まるほどになっている。
録音は1962年4月、この頃のバーンスタインは、異端も異端の指揮者でしかなかった。それがバッハのしかも『マタイ』を演奏、録音したのだから、批評は極めて冷たかった。LP時代以来、国内盤は出ていなかったかもしれない。
彼の指揮振りに引っかけて「指揮者が(指揮台の上で)磔になっても…」等とも揶揄されたらしい。
『マタイ』なら買う斉諧生としては興味津々、買わざるべからず。
なお、バーンスタインによる『マタイ』のレクチャー(約16分)がフィルアップされている。

2月16日(火): 

 初めて覗いた中古盤屋で長年の探求盤を入手できた。(^^)

ヘンリク・シェリング(Vn)ジョン・バルビローリ(指揮)ヘルシンキ・フィルほか、シベリウス;Vn協ほか(Intaglio)
珍しいことに、いわゆる海賊盤である。
ジャケットには、オーケストラは「ヘルシンキ室内管」、録音場所は「ロイヤル・フェスティヴァル・ホール」とあるが、実際には、1965年9月13日、ヘルシンキ大学講堂におけるヘルシンキ・フィルの演奏のライヴ録音であるとされる。
1965年はシベリウス生誕100年に当たり、その記念公演として行われた演奏会である。これについては大束省三氏の著書『遙かなる北欧に』(三修社)に詳しい。
この日のプログラムは、
  交響曲第7番
  ヴァイオリン協奏曲
  交響曲第1番
というもの。9月12・13日の両日にヘルシンキでコンサートを行い、その後、ヨーロッパ各国を巡演したそうだ。
少し長くなるが、大束氏の回想を引用する(氏は12日の演奏会を聴かれた)。
ヴァイオリン・ソロは本当にもう必死でした。それは音楽というよりも生命の限界に挑む戦士のようでした。私にはいまでもはっきりと、あのとき指揮台の上でバルビローリが、ちょうど親鳥が羽をひろげるように両肩を前に張りながら弦の群を抑制していた姿が浮かびます。そして同時にオーケストラの最前列、そして二列目、三列目の人たちの指揮者を見上げる燃えるようなまなざしを。それは信頼のまなざしであり、しかも抑えても抑えても生命の内奥から吹き上げてくる力の躍動をどうしても抑えることができないではありませんか、と訴えてでもいるようでした。指揮者と独奏者とオーケストラがいのちといのちをぶつけ合い、奔流となって沸騰し渦巻いていました。
 
実はこのCD、1992年頃に出たものだが、その時は交響曲第7番が入っている方だけを買って、こちらは見送っていた。いまさらシェリングのシベリウスでもあるまい…などと不遜なことを考えたせいだ。
その後、同曲のベスト盤とも目されることを知り、また日本シベリウス協会の研究誌『フィンランディア』第19号(1995年)に掲載された義江彰夫先生の論文「シベリウス《ヴァイオリンコンチェルト》の内実と位置」でも、この演奏が絶讃されたことから、ずっと求めていたが得られなかったもの。
BBSナニワ音盤道で松永@花月さんから御教示いただいた中古盤屋を、今日、覗いてみたところ、ついに巡り会えたので欣喜雀躍して購入。
なお、バッハ;2本のヴァイオリンのための協奏曲(第2Vn;ホセ・ルイス・ガルシア)、モーツァルト;Vn協第3番(以上イギリス室内管との弾き振り)をカプリング。

2月14日(日): 

 昨日に引き続き、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、イーゴリ・マルケヴィッチの録音を聴く。

今日のメインは、チャイコフスキー;交響曲第6番の聴き比べ。
ロンドン響(Philips)
1962年1月のスタジオ録音。全集の一。
フランクフルト放送響(JOY)
1977年のライヴ録音。海賊盤。
NHK響(NHKサービスセンター)
1983年1月12日のライヴ録音。自主製作盤。
 
ハインツ・キルヒナー(Va)ベルリン・フィル、ベルリオーズ;交響曲「イタリアのハロルド」(DGG)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、チャイコフスキー;交響曲第4番(TAHRA)
1978年5月12日のライヴ録音。
フィルハーモニア管、ストラヴィンスキー;バレエ音楽「ペトルーシュカ」より3つの踊り&プロコフィエフ;バレエ音楽「鋼鉄の歩み」(EMI)
フィルハーモニア管、ウェーバー;「舞踏への勧誘」、ショパン;マズルカ、ファリャ;「三角帽子」より3つの踊り&スカルラッティ;「上機嫌な貴婦人」(TESTAMENT)
フィルハーモニア管、チャイコフスキー;「白鳥の湖」組曲(TESTAMENT)
フィルハーモニア管、サティ;「パラード」&リャードフ;バレエ音楽「キキモラ」(TESTAMENT)
ロンドン響、ストラヴィンスキー;バレエ音楽「ミューズを先導するアポロ」(Philips)
ベルリン・フィル、ハイドン;オラトリオ「天地創造」(DGG)

2月13日(土): 

 

クリスティアーネ・ジャコテ(Cem)マルコ・リッツィ(Vn)エマニュエル・パユ(Fl)アゴスティーノ・オリツィオ(指揮)ブレシア・ベルガモ音楽祭室内管、バッハ;管弦楽組曲第2番・ブランデンブルグ協奏曲第5番ほか(FONE)
パユのバッハというので聴いてみたくなり、購入したもの。
1990年2月のライヴ録音というから、パユがバーゼル放送響の首席だった時期、パリ音楽院を卒業するかしないかといった頃である。
FONEレーベルらしく、オーディオ的にも凝っているらしい。ライナーノートによると、ノイマン製の真空管式マイクをワンポイントで使用、信号は加工せずに、そのまま2トラックでデジタル録音したとか。
なお、これは村松楽器のWebpageを見て、メールでオーダーしたもの。わずか4日間で入手できた(代金引換郵便)。

  このところ取り組んでいる、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、引き続き、イーゴリ・マルケヴィッチの録音を聴く。

今日のメインは、マーラー;交響曲第1番の聴き比べ。
トリノ・イタリア放送響(Stradivarius)
1967年3月10日のライヴ録音。
フランス国立放送管(Disques Montaigne)
1967年6月21日のライヴ録音。ステレオ収録の正規音源からのCD化。
フランス国立放送管(ORIGINALS)
1967年のライヴ録音。上記Disques Montaigne盤と同一の演奏。こちらはモノラルだが、音の状態は悪くない。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(TAHRA)
1982年3月5日のライヴ録音。  
 
フランス国立放送管、ハイドン;交響曲第101・102番(EMI)
パリ・コンセール・ラムルー管、ブラームス;交響曲第4番(DGG)
日本フィル、ブラームス;交響曲第4番(学研)
フランス国立放送管&合唱団、ストラヴィンスキー;詩篇交響曲(Disques Montaigne)
スペイン放送響、ファリャ;「恋は魔術師」(Philips)
スペイン放送響、シャブリエ;狂詩曲「スペイン」&グラナドス;スペイン舞曲第4・8・9番ほか(Philips)
フランス国立放送管、ストラヴィンスキー;「プルチネッラ」組曲(EMI)
クラウディオ・アラウ(P)フランス国立管、ブラームス;P協第2番(INA)
アルトゥール・グリュミオー(Vn)アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ベルク;Vn協(Philips)

2月12日(金): 

 

ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指揮)BBCフィル、ショーソン;交響曲ほか(CHADOS)
斉諧生御贔屓の指揮者の一人、息子トルトゥリエはCHANDOSのフランス物を一手に引き受けて百科全書を完成させる勢いだが、今度はショーソンの交響曲を録音。
この曲はパレーフルネも得意にしている曲だけに聴き逃すわけにはいかない。即、購入。
『ヴィヴィアン』『祭の夕べ』『テンペスト』という、珍しい交響詩3曲をカプリング。
 
オスモ・ヴァンスカ(指揮)ラハティ響、シベリウス;「カレリア」組曲ほか(BIS)
期待のシベリウス指揮者、ヴァンスカの新譜が出たので、これも即購入。
BISレーベルにはヤルヴィが一通り録音しているせいか、ヴァンスカは世界初録音くらいの変わったものばかり出してくる。今回は、
「カレリア」組曲の初稿
ライナーノートによると、通用版との大きな差異は、「間奏曲」ではタンバリンのパート、「バラード」では通常コール・アングレで奏される旋律がバリトンの歌唱になっているところだそうだ。
劇音楽「クリスチャン2世」の初稿の初の完全録音
通用の組曲版は5曲だが、7曲を演奏。
劇音楽「ペレアスとメリザンド」の初稿の初の完全録音
通用の組曲版は9曲だが、10曲を演奏、曲順を一部入れ替えた上、「三人の盲いた姉妹」にソプラノの歌唱が入っている。

2月11日(祝): 

 Compact Disc ConnectionからCDが、通販業者からLPが届く。

フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn)ロバート・コーエン(Vc)ヴォルフガング・マンツ(P)ユッカ・ペッカ・サラステ(指揮)ほか、ベートーヴェン;三重協奏曲ほか(EMI)
FPZの未架蔵盤をオーダーしたもの。これで彼の録音は全部揃ったはず。
もっとも若いころに(まだまだ若いけど)ドイツのマイナー・レーベルにLPを録音してたりするかもしれない、という恐怖はあるが。
CD2枚組で、残りはチェロのコーエンの独奏による、ドヴォルザークエルガーの協奏曲とチャイコフスキー;ロココ変奏曲
 
アンサンブル・アデル、フォーレ;P四重奏曲第1番・P五重奏曲第2番(Accord)
これは中古音盤堂奥座敷の次回課題盤。工藤さんの御推輓である。
京都の音盤屋で見当たらないので、オーダーしたもの。
 
シベリウス・アカデミー四重奏団、シベリウス;弦楽四重奏曲全集(FINLANDIA)
この団体は、アルト・ノラスがチェロに参加しているので、基本的には揃えようと考えている。
曲がシベリウスでもあり、前から買おう買おうと思っていたが、音盤屋では結構な高値なので見送っていた。最近、店頭では見なくなっているので、ネットで探してみたら割と安価だったので喜んでオーダーしたもの。
4曲が収められているが、3曲までは習作か初期の作品。唯一、ニ短調の曲(op.56)が、「親愛なる声」の副題で知られる。
なお、ニ短調は初出のLPで架蔵済、カプリングはショスタコーヴィッチ;第14番
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)パリ・コンセール・ラムルー管、ビゼー;「カルメン」第1・2組曲&「アルルの女」第1・2組曲(蘭Philips、LP)
1960年頃の録音、国内盤LPでもありふれたものだったが、なんとなく買いそびれていたので、オーダーしたもの。
オリジナルとかの大層なものではなく、後年の廉価盤である。
なお、「アルルの女」組曲には、1969年にモンテ・カルロ国立歌劇場管を振った演奏もあり、DENONからCD化されている。その盤では、「カルメン」組曲はポール・パレーが指揮している。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)パリ管、プロコフィエフ;「ピーターと狼」&ブリテン;「青少年のための管弦楽入門」(仏EMI、LP)
ブリテンは国内盤LPでも出ていたが、いつもジョルジュ・プレートル(指揮)サンサーンス;「動物の謝肉祭」とのカプリングだった。
これがオリジナルの組合せかと思ってオーダーしたのだが、また謎が深まった。
マルPの表示が、ブリテンは1969年、プロコフィエフは1976年なのである。
果たして、それぞれのオリジナルはどのような姿だったのだろう?
プロコフィエフはClaude Piepluなる人のナレーション入り。もっともフランス語ゆえ、「ピーター」と言わず「ピエール」である。
一方、ブリテンはナレーション無し、斉諧生的には好ましい。
なお、ブリテンにはフィルハーモニア管を振ったモノラル録音があった。このときのカプリングは「動物の謝肉祭」で、そちらのみCD化されている(TESTAMENT)。

  このところ取り組んでいる、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、引き続き、イーゴリ・マルケヴィッチの録音を聴く。

まず、幻想交響曲の聴き比べ。
ベルリン・フィル(DGG)
1953年録音。
パリ・コンセール・ラムルー管(DGG)
1961年録音。
日本フィルハーモニー管(学研)
1965年4月15日のライヴ録音。  
パリ管、プロコフィエフ;『ピーターと狼』&ブリテン;『青少年のための管弦楽入門』(仏EMI、LP)
パリ・コンセール・ラムルー管、ケルビーニ;「アナクレオン」序曲&オーベール;「ポルティーチの唖娘」序曲(DGG)
ロンドン響、ストラヴィンスキー;「4つのノルウェーの情景」・「サーカス・ポルカ」(Philips)
 
以下は、マルケヴィッチ以外。
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキー(指揮)ハレ管、ブルックナー;交響曲第4番(IMP)
5年ほど前に発売された録音で、当時、あまり感心しなかった記憶がある。
最近、Mr.Sのブルックナーは急激に評価の上がっているので、聴き直してみた。
実にがっちりとしたブルックナーだが、ちょっとハレ管の音が、弦合奏・金管ともに薄いようだ。録音のせいかオーケストラの個性か、どちらだろう?
スクロヴァチェフスキーのブルックナーの旧録音には、ワルシャワ国立フィルを指揮した第3番というのもあるが、これも、実は、あまり印象に残っていない。
Mr.Sにはドイツのいいオーケストラ、いい録音でブルックナーの全集を残してもらいたいものだ。
 
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキー(指揮)ハレ管、ショスタコーヴィッチ;交響曲第5番(IMP)
昨日のログを書きながら、聴いてみた。
やはり音の緊張感が全く違う。堪能した。

2月10日(水): 来年度の京都市響・主催公演のプログラムが発表された。
斉諧生的に重要なのは、オール・シベリウス・プロ(9月)。
ウーヴェ・ムント(指揮)
  フィンランディア
  「カレリア」組曲
  「レミンカイネン」組曲

というもので、うーん、もう少し後期の曲を入れてほしかったところ。
 
ムント氏に期待したいブルックナーでは、第7番が取り上げられる(3月)。
ただし、前プロが
  マーラー;亡き子をしのぶ歌(M-Sop;永井和子)
という組合せなのは、多少疑問。
 
また、ムント氏は11月に、
  プロコフィエフ;「3つのオレンジへの恋」組曲
  ストラヴィンスキー;Vn協(Vn;J・J・カントロフ)
  ストラヴィンスキー;ペトルーシュカ

という、前任者みたいな(^^;曲目を振るが、斉諧生としては、ぜひカントロフを生で聴いてみたいところ。
 
これ以外にムント氏が振る定期2回はバルトークベートーヴェンという組合せ。
  「皇帝」「オケ・コン」(5月、P;若林顕)
  「弦チェレ」第7番(9月)
 
注目の前音楽監督・井上道義氏は、わずか1回の登場(1月)ながら、なかなか凝った曲目、
  ハイドン;交響曲第103番「太鼓連打」
  コルンゴルト;Vn協(Vn;渡辺玲子)
  プロコフィエフ;古典交響曲

というもの。

 京都市交響楽団リクエスト・コンサート(指揮:大友直人)@京都コンサート・ホールを聴く。

今日の曲目は
シベリウス;交響曲第6番
ショスタコーヴィッチ;交響曲第5番
という妙なもの。
指揮者の前説によれば、
シベリウスへのリクエストがたくさんあり、中では2番・5番が多かったが、「シベリウスの交響曲なら何でも」というリクエストがあって、自分の我儘だが、京響がまだ演奏したことがないこともあって、6番を選んだ
とのこと。
それだけ指揮者の思い入れがあるなら、もしかしたら好演が聴けるかも、と考えたのだが…
シベリウス第1楽章が始まるや、げっそりしてしまった。
冒頭の旋律の流れが悪いのである。コラール風の大きな動きなのだが、内在するリズムがつかめておらず、なんともモタモタした感じ、手探りで歩いてるような調子である。
また、シベリウスらしい音づくりは意識しているようなのだが、音程がよろしくない。
ゆったりした動きが盛り上がると、ハープに軽快なリズムが出て、フルートが新しい動機を吹く、本来なら誠に鮮やかな印象を与えるはずの部分でも、その直前の総奏が無神経に強く、スムースに移行しない。
譜面ではメゾフォルテ>ピアノという指定なのだが…
これには頭を抱えてしまった。
弦楽器は十分に弾き込めていないのが明白、管楽器もハーモニーが濁ってしまう。
特にオーボエの音程が悪いと見た。
ハープも性急な強奏が目立ち、まるで美しくない。
第2楽章もリズムが重いし、
第3楽章では縦割りが過ぎて流動感が損なわれ、
第4楽章も清澄さに欠け、甘さ・重さが耳についた。
この曲の美しさの大半が損なわれ、初めて聴くような人には「わけのワカラン曲」という印象のみを与えたのではなかろうか。(T_T)
こういうレベルの演奏を許容した指揮者の責任も追及したいところである。
 
ショスタコーヴィッチは、前音楽監督・井上道義氏が好んで演奏したから、
日本ショスタコーヴィッチ協会会長!
さすがにソレらしい音にはなっていたが、総じて魅力に欠ける演奏でしかなかった。
第1楽章、冒頭の第1主題はともかく、ヴァイオリンがピアノで出す第2主題に、痛切さが全く不足。
ゆっくり目のテンポが、単に間延びしただけに終わってしまった。
第2楽章はリズムがどうにも重く、ショスタコーヴィッチのシニカルな味が、全然、出てこない。
ソレ*らしい*で終始。
第3楽章も、テンションが低く、ショスタコーヴィッチの演奏に期待したい、あの、胸をかきむしられるような感銘を得ることはできなかった。
一番の聴きどころ、第130小節からのチェロも、楽員は入れ込んでいるようであったが、音色に熾烈さが足りず、それを支えるコントラバスもカロリー不足。
ただ、フルートとクラリネットのソロは良かった。
これは全曲を通じて言える。
ホルンも、若い人が1番を吹いていたが、健闘。ファゴットも、まずまず満足できる出来映え。
十数年前なら木管セクションで唯一光っていたオーボエ・パートが、今や、足を引っ張っているのは残念。
第4楽章では、さすがに音は良く鳴っていたものの、なんとなく無駄遣いの感あり。
ブラヴォーの声も飛んだが、さてはて。
 
昨夜の随一の聴きものは、アンコールのショスタコーヴィッチ編曲;"Tea for two"
これは3分ほどの小品、1928年に当時の流行歌をオーケストレーションしたもの。
指揮者ニコライ・マルコが、ショスタコーヴィッチの才能を試そうと、「1時間で」という条件を課してアレンジさせてみたところ、40分で書き上げたという逸話がある。
なお、曲名は"Tahiti Trot"と表示されるときもある。
古くはロジェストヴェンスキー盤、最近ではシャイー盤等で、音としては知っていたが、ステージで聴けるとは思わなかった。
斉諧生は、P席(オケの裏、1,500円)に座っていたこともあり、管楽器の音色の絶妙な配合のセンスを楽しめた。
でも、トロンボーンはスライドを一杯に伸ばしたあたりで吹いているし、ファゴットは『春の祭典』の冒頭みたいな高音で七転八倒しているし、オーケストラには、なかなか意地悪な編曲のようだ。(^^;
会場で出会った知人曰く、「お口直しが一番美味しかった。」

 今日の演奏会を演奏会出没表に追加。


2月8日(月): 昨年10月、来日して京都市響モーツァルト;交響曲第40番等を指揮し、話題となった95歳の世界最長老指揮者、 イリヤ・ムーシンが、再び京都市響を指揮するそうだ。
 前回は、愛弟子西本智美のデビュー公演のお付き合いだったが、今回は単独公演の模様。じっくりリハーサルを積んだ、彼の実力が聴けるステージになるのではないかと期待している。

日時;4月24日(土)午後7時開演
場所;京都コンサートホール
曲目;
ベートーヴェン;交響曲第1番
R・コルサコフ;スペイン奇想曲
チャイコフスキー;ロココ変奏曲(独奏者未定)
前売;2月11日(祝)より

 

ペーター・ツァバ(指揮)ムジカ・ヴィタほか、ヒナステラ;弦楽のための協奏曲ほか(CAPRICE)
去年から凝っているヒナステラの新録音を見つけたので購入。
指揮者はハンガリー出身だが、ずっと北欧で活動している人。前にONDINEレーベルからクフモ・ヴィルトゥオージを振ったシベリウス;弦楽合奏曲集をリリースしていた。
この曲のCDは3枚目になるが、1枚目はカナダ、2枚目は今回同様スウェーデンの団体のもの。どうして北国ばかりなのであろう?
バーバー;弦楽のためのアダージョコープランド;弦楽合奏のための2つの小品Cl協(独奏;カリン・ドルンブッシュ)をカプリング。
 
エマニュエル・パユ(Fl)エリック・ル・サージュ(P)フランク;Flソナタ&フォーレ;Flソナタほか(SKARBO)
今を時めくベルリン・フィルの首席にして、二枚目映画俳優に見紛うばかりの美男子、若い女性に人気抜群のフルート奏者、パユの妙な盤を見つけた。
フランクとフォーレのヴァイオリン・ソナタをフルートに編曲したもの、前者はよくあるが、フォーレは珍しい。
1993年録音とあるから、ミュンヘン・フィルからベルリンへ異動した頃のものである。
ピアノのル・サージュは、先日、BMGレーベルから出たプーランク;室内楽曲集にも参加していたが、これを見ると、パユの古くからの盟友らしい。
買おうかどうか迷っていたが、サロ様城でお尋ねしてみたところ、フルートはもちろんピアノもセンス抜群の好演とのこと、まあ一度パユをちゃんと聴いてみようと購入。
なお、フォーレの小品、シシリエンヌ幻想曲をフィルアップ。

2月7日(日): 

  このところ取り組んでいる、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、先週に引き続き、イーゴリ・マルケヴィッチの録音を聴く。

ベルリン・フィル、シューベルト;交響曲第4番&ベルワルド;交響曲第3・4番(DGG)
パリ・コンセール・ラムルー管、オネゲル;交響曲第5番&ルーセル;「バッカスとアリアーヌ」第2組曲(DGG)
フランス国立放送響、ショスタコーヴィッチ;交響曲第1番&バッハ;「音楽の捧げ物」(マルケヴィッチ編)(EMI)
ロシア国立響ほか、ストラヴィンスキー;詩篇交響曲(Philips)
フィルハーモニア管、ドビュッシー;「牧神の午後への前奏曲」&ラヴェル;「ダフニスとクロエ」第2組曲(EMI)
ベルリン・フィル、ムソルグスキー(ラヴェル編);「展覧会の絵」(DGG)
 
以下は、マルケヴィッチ以外。
ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)ウィーン・フィル、メンデルスゾーン;交響曲第5番(DGG)
『レコード芸術』誌や「Volkerの部屋」「クラシック井戸端会議」の「CD立体批評室」でも好評の1枚を聴く。
とにかく美しい。弦合奏や木管の和音の美しさ! 古楽器の純正音律に慣れたガーディナーの指示もあろうが、さすがウィーン・フィルというべきか。
最近の録音で、これほど良く調和した「オルガン的和音」を聴けるのは珍しい。第1楽章の冒頭や終結、第3楽章の冒頭など、本当に美しい。
ただ、トスカニーニやミュンシュ、そしてパレーといった熱血漢たちが、この曲に込めてきた、火の出るような情熱には欠ける。
まぁ、ガーディナーとしては作曲年代(1830年)を考えれば、そうしたロマン的脚色は加えたくない、ということかもしれない。
したがって、全曲中では第3楽章アンダンテがベスト。
爽やかなメンデルスゾーンだった。
 
茂木大輔(Ob)アンサンブル、「イタリアン・リサイタル」(FONTEC)
ライヴということもあり、独奏や伴奏に多少の傷はあるが、音色も美しく、なかなか聴かせる。各曲のメロディも美しく、Ob名曲集として楽しめるもの。
とりわけ、ヴィヴァルディ;Obソナタが充実した出来。
アンコールの、蠣崎@読売日響古部@新日フィルとのObトリオによる「三大テノールごっこ」(ヴェルディ;「女心の歌」「乾杯の歌」)も楽しい。

2月6日(土): 中古音盤堂奥座敷幻燈板、『British Music Relay』のログが公開されました。

 

ミヒャエル・ギーレン(指揮)南西ドイツ放送響、ラヴェル;バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)(ARTE NOVA)
しばらく途絶えていたARTE NOVAからのギーレン、今度は1997年録音のラヴェルが登場。
通常はオーケストラの音色美や、舞台的な描写、曖昧な言葉だが「フランス的」雰囲気で聴かせるこの曲を、それらとは無縁なイメージのあるギーレンが、どう料理しているか興味津々、即購入。
なお、斉諧生はタワーレコードで購入したのだが、あとで他店と比較すると約3割もの価格差があり、ずいぶん損をしてしまった。(T_T)
 
インゴ・メッツマッハー(指揮)アンサンブル・モデルン、ケージ;16のダンス(BMG)
「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」で、野々村さんがアンサンブル・モデルンの代表盤の1席に推されている盤。
ケージはまともに聴いたことがないはずだが、「断片の密度の高さと浮遊する全体のバランスを巧みに取った演奏は、現代音楽ファンでなくても楽しめる。」とのこと。
ずっと探していた輸入盤を見つけたので、購入。

2月2日(火): 中古音盤堂奥座敷寓言会第15回大友良英他『ミイラになるまで』の議論のログが公開されました。
 即興音楽系の録音で、佐野史郎が絶食自殺者の日記を朗読しているという、ナントモ怪しい一盤です。
 こういう音楽には不慣れな上に、解剖とか死体とかが大の苦手の斉諧生、ろくろく議論に参加できておりませんが、野々村さん、鈴木Syuzo's Homepageさん、浮月斎さん等のバトル的談論をお楽しみいただければ。

 

ヤシャ・ハイフェッツ(Vn)ほか、ハイフェッツ大全集 第31巻(BMG)
こつこつ買い溜めているハイフェッツ大全集、未架蔵の巻を中古屋で見つけたので購入(いつか全巻揃えてやる???)。
収録曲は、
ベンジャミン;ロマンティック幻想曲(知らない作曲家だ)
ストラヴィンスキー;イタリア組曲(VnとVcの二重奏への編曲という珍品)
という妙なものをメインに、あとは小品を7曲。
 
スティーヴン・イッサーリス(Vn)ピーター・エヴァンス(P)マルティヌー;Vcソナタ第1〜3番(hyperion)
最近あまり店頭で見かけないhyperion時代のイッサーリスが入荷していたので、未架蔵のマルティヌーを購入。
ずっと、持っていると思いこんでいたが、どうも思い違いだったようなので、探していたもの。
マルティヌーのVcソナタというと、ピエール・フルニエが75歳の記念盤にアルペジオーネ・ソナタ等と一緒に録音したのを思い出す。あれは第1番だった(Sony Classical)。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」に近代スウェーデンの作曲家ステンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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