音盤狂日録


1月31日(日): 昨日書いたCDプレイヤーの不調は、結局治癒していなかった。いずれ、メーカーに修理を依頼することになるだろう。
 買い換えの誘惑から身を守らねば…(^^;

 金沢の老舗、山蓄に頼んでいたCDが届いた。

ハンス・ロスバウト(指揮)南西ドイツ放送響、ブルックナー;交響曲第5番(ARKADIA)
海賊盤は買わない主義の斉諧生だが、例外として探していたロスバウトのブルックナー。
第3番は前に東京で入手できたが、第5番が手に入らず苦慮していたところ、山蓄さんのお世話で購入することができた。

  このところ取り組んでいる、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、終日イーゴリ・マルケヴィッチの録音を聴く。
 マルケヴィッチといえば『春の祭典』、今日は、CDになっている次の5点をすべて聴いてみた。

フィルハーモニア管(1951年録音)(TESTAMENT)
モノラル録音。
 
フィルハーモニア管(1959年録音)(TESTAMENT)
ステレオで再録音したもの。なんでも、クランペラーが何かの録音をキャンセルしたため、オーケストラのスケジュールに空きができ、急遽、行われたセッションであったとか。
 
日本フィル(1968年録音)(KAPELLE)
3回目の来日での東京文化会館ライヴ。
 
スイス・ロマンド管(1982年録音)(CASCAVELLE)
ジュネーヴ・ヴィクトリア・ホールでのライヴ。
 
スイス祝祭管(1951年録音、第2部のみ)(RELIEF)
ルツェルン国際音楽祭50周年記念盤。ライヴ。

1月30日(土): 困っている。
 斉諧生使用中のCDプレイヤーの調子がどうもおかしいのである。
 CDの内周部(先頭トラック付近)で音飛びが激しいのである。特に休日の朝とか本業から帰宅した夜とか、部屋が冷えている時間帯に顕著。
 奥座敷MLで相談してみると、レンズクリーナーを使用すると治るケースが多いとのこと、早速昨日、電気屋に赴いた。
 CDプレイヤーは上面に蓋が開く形式=レンズが露出しているので、綿棒に洗浄液をつけて拭き取るタイプのクリーナーを購入(Sony製)。
 繰り返し拭いてみて、とりあえず、ほぼ収まっているが、機械が暖まってきたからかもしれない。さて明朝、どうなるか。

 通販業者からLPが届いた。

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)コンセール・ラムルー管ほか、L・ブーランジェ;「深き淵より」・「ピエ・イェズ」ほか(仏EMI、LP)
ステンハンマルと並んで全録音蒐集を心願としているのがリリー・ブーランジェ「ピエ・イェズ」愛惜佳曲書に掲げた。ステンハンマル以上に録音が少なく、斉諧生の手許にあるCDは、小品も含めて、10枚強にすぎない。
マルケヴィッチはリリーの姉、ナディア・ブーランジェに作曲を学んだこともあり、リリーの作品を多く録音している。これは、そのうち代表的な盤。
オリジナルは米・EVERESTの音源で、CDもEMI・EVEREST両方から出ている。
CDはどちらも架蔵しているが、LPはEVERESTの粗悪な再発盤しかなかったので、今回、仏EMIの初出(?)盤をオーダーしたもの。
なお、このLPには表記がないが、録音に際してはナディアが監修に当たっている。
 
ガブリエル・フォーレ合唱団、フォーレ;合唱曲集(全曲)(米TURNABOUT、LP)
LP時代にはワーナー・パイオニアから国内盤が出ていた音源で、レクイエム以外のフォーレの合唱曲集として珍重されていたもの。
とりわけ『ラシーヌの雅歌』は多くの合唱ファンの紅涙を絞った佳曲の名演であった。
人口に膾炙した盤にも関わらず未CD化、復刻が待望される。
したがって斉諧生も国内盤LPしか架蔵していないが、『ラシーヌ〜』のクライマックスで音が割れる難があり、今回、米盤をオーダーした。
なお、演奏団体は少年合唱で、トマジ;「12のコルシカの歌」で知られる少女合唱の「ガブリエル・フォーレ合唱団」とは別団体。

1月29日(金): 

 

ベルリン古楽アカデミー、バッハ;ブランデンブルク協奏曲(全曲)(HMF)
またまたブランデンブルクを購入。
この団体は初めて聴くことになるが、リコーダーにマリオン・フェアブリュッヘン、トランペットにフリートリッヒ・インマーを擁する。
その他では、チェンバロはラファエル・アルパーマン、独奏ヴァイオリンはミドリ・ザイラー(第4番)、クリスティーネ・ブッシュ(第1・5番)といった名前が掲げられている。
 
和波孝禧(Vn)イザイ;無伴奏Vnソナタ(全曲)(Somm)
若い頃からイザイを得意とし、26年前に世界初のステレオによる全曲録音を行った和波が、満を持して再録音。
公式ページに録音・発売のニュースがあったので、店頭に並ぶのを鶴首して待っていたもの。
最近でこそ、若手を中心に次々と新譜が出、演奏会でも取り上げられるイザイだが、LP時代には和波盤とクレーメル盤しかなかったものだ。
(当時のクレーメルは「変な曲ばかり弾くソ連の若手」という印象だった。)
プロデューサーは経験豊富なジョン・ボイドン、ENIGMAやASV、IMP等のレーベルで、ワン・ポイント録音にこだわってきた人である。
英Somm Recording社からのリリースだが、アート・ユニオンから国内盤仕様で流通している。

1月27日(水): 

 

ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)ウィーン・フィル、メンデルスゾーン;交響曲第4・5番(DGG)
国内盤は既に『レコード芸術』で月評まで出ているが、ようやく輸入盤が入荷したので購入。
第5番「宗教改革」は、LP時代にトスカニーニ盤に接して以来好きな曲で、主目的はこれを聴くこと。
いち早く購入された佐々木@Volkerの部屋さんも「指揮者の意図するところと音楽とがマッチし、かつ、オケも、その意図を十分に理解して充実した演奏をしている」と高評しておられる。
第5番は1996年6月のムジークフェライン・ザールでのライヴ録音。
第4番は初稿に当たる1834年版も収録している。
 
ゲオルク・ショルティ(指揮)シカゴ響ほか、ショスタコーヴィッチ;交響曲第15番ほか(DECCA)
この交響曲は出れば買うことにしているので、とにかく購入。
ショルティ(やカラヤン)は聴かず嫌いできた傾きもあり、シカゴ離任後、その音楽に深みを加えていったと言われるショルティの最後の録音の一つとして、味わってみたいものである。
ムソルグスキー;序曲「ホヴァンシチーナ」・歌曲集「死の歌と踊り」をカプリング。
 
ジャン・クロード・カサドシュス(指揮)国立リル管ほか、ベルリオーズ;「キリストの幼時」(NAXOS)
最近、注目しているJCCだが、これは曲も好きなので、出るのを待ちかねて購入したもの。
とりわけ「2本のフルートとハープのトリオ」は、高校生時代に関わったクリスマス劇の伴奏音楽として馴染みが深い。
ある年に録音を流したところ、お客さんに非常に好評で、翌年からは生演奏に切り替えたものだ。
ぜひぜひ、耳にしていただきたい。

1月25日(月): 

 

茂木大輔(Ob)アンサンブル、「イタリアン・リサイタル」(FONTEC)
茂木@N響@ヒゲのオーボエ吹き の新譜。この人の文章は好きなので(もともと筒井康隆山下洋輔も好きなもので…)、ついでに(?)CDも何やかや、全部持っている(^^;
もっとも、今回のは見送ろうと思って、CD屋では買わなかったのだが、次に行った中古盤屋で格安のを見つけたとたん、レジに持っていってしまった。(^^;;;
しかし、発売日は今日ですよ! どうして中古盤屋に?
さて、中味は昨年6月3日のカザルスホール・ライヴで、N響ほかのお友達連中とのアンサンブル。
ベルリーニ、ヴィヴァルディ、マルチェッロ、ポンキエッリといった、イタリア・プログラム。
終わりの方にヴェルディ;「女心の歌」「乾杯の歌」が収録されているが、これは蠣崎@読売日響古部@新日フィル、とのトリオ。
つまり、「三大テノールごっこ」なんだそうな。(^^)
なお、ライナーノートによれば、文章書きの方は、いったん止めて、CD録音に取り組むとか。そろそろネタも苦しそうだったから、大慶大慶。

1月24日(日): このところ取り組んでいる、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、終日カール・フォン・ガラグリの録音を聴く。
 これまで同様、今日も試聴録は不掲載、後日、手を加えて「逸匠列伝」にアップする予定ですので、よろしく御理解ください。
m(_ _)m


1月23日(土): 中野 雄『丸山真男 音楽の対話』@文春新書を読了。
 著者のことは、トリオやアート・ユニオンでLP・CDを製作して来た人として知っていたが、学生時代に丸山真男のゼミナールに所属していたとは驚き。
 これは、折に触れての音楽談義を中心に、恩師の想い出をまとめた一本。
 
 政治思想史家・丸山真男が音楽に造詣深かったことは、『フルトヴェングラー』@岩波新書でも知られるが、ここまで時間と精力を注いでいたとは、思わなかった。
 LP・CDの量はともかく、楽譜が、幅1.5メートル・全6段の棚にびっしりと収められ、そのいずれにも丹念な書き込みが…というのは尋常ではない。ワーグナー;『指環』のスタディ・スコアなど、解体寸前まで酷使されたとか(書き込みの写真も掲載)。
 
 新書判250頁ほどの内容は多岐にわたるが、その中心は、
  (1)「調性」「ソナタ形式」「響き」をキーワードにした音楽美学
    (ベートーヴェンとワーグナーが主に取り上げられる)
  (2)フルトヴェングラーを軸にした演奏論
    (ケンプのピアノも好んでいたとか) である。
 目新しい主張があるわけではないが、上記のような蓄積が背景にあるからか、「あの丸山真男が」と思うせいか(^^;、結論の当否は別にして、有無を言わせぬ説得力を感じる。

「少なくとも純粋器楽の作品でベートーヴェンを超える作曲家は現れていない」
「ただ美しいだけではない。意味をもった音、意志をもち、思想をもった音が音楽には必要なんです。」
 「人類の音楽は、フルトヴェングラー戦時中の演奏をもってその頂点とするんじゃないだろうか。」
(戦後のスタジオ録音は、「茹ですぎたうどん」。)

 もちろん、*本業*との関わりから、ワーグナーとヒトラーとか、フルトヴェングラーとナチス・ドイツとか、音楽と政治の絡み合いを論じた部分も興味深い。
 御一読をお薦めしたい。

 CDが届いた。

エサ・ペッカ・サロネン(指揮)ロサンジェルス・フィル、シベリウス;「レミンカイネン」組曲・「エン・サガ」(Sony Classical)
とっくに架蔵していると思いこんでいたが、どうも勘違いをしていたようなので、あらためてMusic Boulevardにオーダーしたもの。
サロネン&ロス・フィルは、マーラー;第3とかブルックナー;第4とかを聴いても、この音でシベリウスを演奏してくれたら…と思わずにはいられない、透明度の高いもの。既に「クッレルヴォ」が出ているが、早く交響曲全集に取り組んでもらいたいものだ。
 
イェヒム・ブロンフマン(P)エサ・ペッカ・サロネン(指揮)フィルハーモニア管、ラフマニノフ;P協第2・3番(Sony Classical)
そろそろ買おうかなと思ったら、CD屋の棚から消えていたので、Music Boulevardにオーダー。
 
アルディッティ四重奏団、ベートーヴェン;「大フーガ」&クセナキス;「テトラス」ほか(GRAMAVISION)
「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」野々村さんが執筆されたアルディッティ四重奏団の記事を読んで、この団体を聴いてみたくなり、とりあえずベートーヴェンも含まれている、この盤をMusic Boulevardにオーダーしたもの。
 
「ヨン・フォシェルの芸術」(Caprice)
これはノルディックサウンド広島さんから情報をいただいたので注文した。
店頭では見かけていたのだが、中味が分からなかったので買っていなかったのだ。ありがたいお店である。
フォシェル(1868〜1941)はスウェーデンのバス・バリトン歌手。アルマヴィーヴァ伯爵やドン・ジョヴァンニからリゴレット、オランダ人やヴォータンを持ち役にして国際的に活躍(メトロポリタン歌劇場でマーラーの指揮で『スペードの女王』の「エレツキー公」役を歌ったこともある。)、後年、ストックホルム王立歌劇場の監督兼オペラ部門の責任者を勤めたほか、声楽教師としてもユッシ・ビョルリンクらを育てたとか。
彼が、歌曲の伴奏者として、オペラの指揮者として、しばしば協演したのが、誰あろう、ヴィルヘルム・ステンハンマル
1901年には演奏旅行をともにして50回のコンサートをこなしたというし、ステンハンマルがストックホルム・オペラの指揮者だった頃には、『ドン・ジョヴァンニ』『さまよえるオランダ人』のタイトル・ロールを何回も歌っている。
そして、この4枚組CDには、ステンハンマル(P)伴奏の録音が、7曲収録されているのである!
 
録音は1903年というから考古学的な(^^;ものだが、これが買わずにおれようか。
曲目は、
ワーグナー;「おごそかな広間よ」(『タンホイザー』より)
モーツァルト;「ドン・ジョヴァンニのセレナード」(『ドン・ジョヴァンニ』より)
グノー;Avant de quitter ces lieux(『ファウスト』より)
ヴィデーン: Vallarelat
ゲイエル: Den nalkande stormen
 同  :Skarslipargossen
ショーグレン: Jahrlang mocht' ich dich so halten
 
また、他のピアニストの伴奏ながら、ステンハンマルも6曲を歌っている。
「フュリア」(『4つのスウェーデンの歌』より、op.16-4)
「スヴァーリエ」(カンタータ『ひとつの民族』より、op.22-2)
「船は行く」(歌曲集『歌と印象』より、op.26-5)
「幸福の国への旅」(歌曲集『歌と印象』より、op.26-8)
「森の中で」(歌曲集『歌と唄』より)
 
ステンハンマルが1927年11月20日に没すると、翌年1月13日に行われた追悼演奏会で、フォシェルは彼の歌劇「ティルフィン」のアリアとカンタータ「一つの民族」を歌って、盟友を送ったのである。
 
なお、4枚組のメインはモーツァルト;歌劇「フィガロの結婚」(全曲)のライヴ録音(1937年5月9日、イェーテボリ劇場)。その他、アリアや北欧の歌曲も多数収録。

 

ヨン・フォシェル(Br)ヴィルヘルム・ステンハンマル(P)アリアと歌曲(Caprice)
さっそく、ステンハンマルのピアノを聴く。
太古レコードの復刻だが、声は鮮明。なるほど、美しく、力のある声だ。
しかし、ピアノの方は遠くでコロコロ鳴っている趣、美しく清潔な音に聴こえることは聴こえるが、はたしてどこまでステンハンマルの音を伝えるか…?
まるでフォルテピアノみたいに聴こえるが、1903年といえば、ピアノはまだまだ改良途上の楽器ではなかったか。
音楽の方も、伴奏ということもあるだろう、きわめて地味なもの。
一方、歌唱は、豪傑風とでもいおうか…(^^;、音符には至って無頓着、例えば藤原義江みたいな感じ。
やや一本調子で、細やかな表出に欠けるが、これは、あるいは当時の録音方法(マイクが無く、演奏者の出す音の力で、そのまま原盤を刻む方式)のせいかもしれない。
1903年といえば、まだエジソンの蝋管方式も健在、蓄音機もこんな感じ(→URL)だったころだ。

 今日届いたディスクをもとに、ステンハンマル年譜作品表とディスコグラフィにデータを加える。


1月20日(水): 書店で次の2点を購入。
中野 雄『丸山真男 音楽の対話』文春新書
秋山邦晴+武満徹『シネ・ミュージック講座』フィルムアート社
詳細は、読了後に。

 

オーレ・クリスティアン・ルード(指揮)スタヴァンゲル響、トヴェイト;「ハルダンゲルの100の民謡旋律」組曲第1・2番(BIS)
最近、北欧音楽ファンが注目し始めたトヴェイトを初めて購入。
民謡旋律をそのままオーケストレーションしたもの、と聞いたように思うが、はたして、どんな曲であろうか?
 
クイケン四重奏団、寺神戸亮(Va)モーツァルト;弦楽五重奏曲第2・5番(DENON)
この組合せのモーツァルト、第2弾。
寺神戸さんは買うことに決めているので、国内盤新譜ながら、即購入。

1月18日(月): 

 

ダヴィード・オイストラフ(Vn)キリル・コンドラシン(指揮)ソビエト国立響ほか、グラズノフ;Vn協&カバレフスキー;Vn協ほか(OMEGA)
1952〜53年、オイストラフ盛期の録音。
カバレフスキーの指揮は作曲者、またグリエール;ロマンスをフィル・アップ、こちらはコンドラシンの指揮。
グラズノフは、昔(LP期)、ビクターから1,000円で出ていたものと同じではないかと思う。ドヴォルザーク;Vn協とのカプリングだった筈。
レーベル名はOMEGAだが、VANGUARDと言った方がとおりがいいかも。
 
レジ・パスキエ(Vn)フセイン・セルメット(P)ほか、フローラン・シュミット;Vnソナタほか(VALOIS)
フローラン・シュミットの室内楽曲集が、ワゴン・セールに出ていたので購入。前から気になっていたのだが、高めの値付けに二の足を踏んでいたもの。
Vnソナタは2楽章構成、30分を要する大作。『詩篇第47番』『サロメの悲劇』の作曲者がどういうVn曲を書いたのか、興味津々。
その他、2台のピアノのための3つの狂詩曲、ピアノ四重奏による『ハザード(ハサール? 原綴はHasards)を収録。
 
オッリ・ムストネン(P)ベートーヴェン;変奏曲、舞曲とバガテル集(DECCA)
ムストネンは昔から(『展覧会の絵』あたりから)贔屓にしているピアニストなのだが、この盤は、収録曲のあまりのマイナーさ(^^;に二の足を踏んでいたもの。
ワゴン・セールに出ていたので、ようやく購入。
ムストネンといえば、今朝のBS2「クラシック・アワー」で昨年のリサイタルを放送していたのだが、録画し損なってしまった。テープを買っておくのは忘れなかったのだが…(T_T)
 
鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパンほか、バッハ;カンタータ全集第9巻(BIS)
鈴木さんとBCJのバッハは出たら買うと決めているので、とにかく購入。
もっとも第4巻あたりから全然聴けていないのだが…(^^;
今回は、BWV24、76、167を収録。

1月17日(日): 

 「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」向けに、ポール・パレーの録音を聴き、原稿を書く。

シカゴ響自主製作CDから拾い聴き。
ハンス・ロスバウト(指揮)モーツァルト;序曲「魔笛」(1962.11.4)
粘り目の序奏は意外だったが、ゆったりしたテンポの主部に入って、なるほどと感心。実にぴったりした速度。
例によって対位法の線が明確な音楽、見事なもの。
音的には、1962年のものとしては少々寂しく、高域が硬い。
 
フリッツ・ライナー(指揮)モーツァルト;交響曲第31番(1961.4.15)
実にタカ派のモーツァルト。強めのアクセントが加えられ、華麗な曲想と相まって、ブリリアントな音楽になっている。
これも音的には、1961年のものとしては少々寂しく、高域が硬い。
 
レオポルト・ストコフスキー(指揮)ベートーヴェン;交響曲第8番(1966.3.24)
ストコフスキー独特のふっくらした弦合奏の響き。管楽器やティンパニが抑えられている感じがするが、録音上の問題か、ストコフスキーのバランスなのか。
演奏は実に典雅なもの、古き佳き維納、といった趣。これは意外だった。
ただ、低弦の動きを克明に生かしているのが面白い。なるほど、曲の書き方として、独立した動きが目立つ。
メヌエット主部の反復をすべて省略しているのには吃驚。さすがストコフスキー、お客が退屈しないようにとの配慮かも。
 
フリッツ・ライナー(指揮)ベートーヴェン;交響曲第8番(1958.2.6)
爆発するような開始に驚く。第1楽章は、かなりの猛スピード。
終楽章はあまり速くない。372〜379小節に3回出る持続音をかなり粘るが、これはストコフスキーも同じだった。
終結近く480小節以降、ティンパニを強打させるのが迫力十分だが、録音が十分捉えきっていないのが残念。
 
クロード・エルフェ(P)ルネ・レイボヴィッツ(指揮)パリ放送響、シェーンベルク;P協(米Period、LP)
アナトリー・ヴェデルニコフ(P)イーゴリ・ブラジュコフ(指揮)モスクワ放送響、シェーンベルク;P協(DENON)
エマニュエル・アックス(P)エサ・ペッカ・サロネン(指揮)フィルハーモニア管、シェーンベルク;P協(Sony Classical)
アルフレート・ブレンデル(P)ミヒャエル・ギーレン(指揮)バーデンバーデン南西ドイツ放送響、シェーンベルク;P協(Philips)
1944年、シュトイアーマン(P)ストコフスキー(指揮)NBC響による初演の際、「望もうと望むまいと、その精神を変革するほどの強制力をもつ体験」と言われた曲だが、う〜ん、斉諧生には、まだまだ、その真価を味わうことが出来ない。
エルフェ盤は論外、アックス盤は独奏が甘いとしても、ブレンデル&ギーレン盤とヴェデルニコフ&ブラジュコフ盤の聴き分けまでは、なかなか… 
まだまだ勉強が必要だ。
 
ペーター・エトヴェシュ(指揮)アンサンブル・モデルン、シェーンベルク;室内交響曲第1番(BMG)
ミヒャエル・ギーレン(指揮)バーデンバーデン南西ドイツ放送響、シェーンベルク;室内交響曲第1番(Philips)
この曲も斉諧生にはまだまだ難解。
比較すれば、エトヴェシュ盤はシャープでクリア、ギーレン盤はよりロマンティック(表現主義的)。
 
ポール・パレー(指揮)フランス国立放送フィル、フランク;交響詩「プシュケ」&ルスール;「祝祭序曲」(仏Carthagene、LP)
1972・73年の録音だから、パレーは90歳近いはずだが、まったく弛緩するところのない音楽には感服。
フランクでは歌いながらオーケストラをリード、むせ返るような官能美の旋律を奏で、クライマックスでは励声一番、オーケストラを叱咤する。

1月16日(土): 

 通販業者からLPが届いた。

ポール・パレー(指揮)フランス国立放送フィルほか、フランク;交響詩「プシュケ」&パレー;7つの歌曲ほか(仏Carthagene、LP)
パレー最晩年のライヴ録音盤のうち、未架蔵だったものが入手できた。
フランクは組曲版。パレーの自作は、1911〜13年というから、かなり初期の作品。ソプラノと管弦楽のための曲で、歌唱はデニーズ・モンタイユ。ともに1973年録音。
ダニエル・ルスールという人が1951年のトゥールーズ国際音楽祭の依嘱で作曲したという「祝祭序曲」をフィルアップ、これは1972年録音。
このレーベルからは、あと1点、自作の交響曲第2番が出ており、こちらも同じ業者のカタログに掲載されたのだが、取れなかった。残念。

 先週からの引き続きで、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」向けに、宇野功芳の録音を聴き、原稿を書く。

 今日届いたパレーのLPのデータとジャケット画像をディスコグラフィに追加。


1月15日(祝): 

 

シカゴ響自主製作CD第5巻「客演指揮者たち」(CSO)
12月に大量購入したシカゴ響自主製作CDのうち店頭に並ばなかった「客演指揮者篇」が、シカゴ響のオンライン・ストアから届いた。
CDは$23.5だが、送料が$45(@_@)、結局、日本のタワーレコードで買うのと、そんなに違わない。
  #まとめ買いをすれば別かも知れないが…。
以下、収録曲目を掲げる。
ユージン・オーマンディ(指揮)ブラームス;大学祝典序曲(1982.5.27&30)
レオポルト・ストコフスキー(指揮)ベートーヴェン;交響曲第8番(1966.3.24)
レナード・スラトキン(指揮)フィンジ;夜想曲@「新年の音楽」(1983.5.13)
クラウディオ・アバド(指揮)ウェーベルン;管弦楽のための6つの小品(1984.2.3&4)
トーマス・シッパース(指揮)バーバー;序曲「醜聞学校」(1966.8.6)
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)モーツァルト;「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(1967.3.3)
ジョージ・セル(指揮)ベートーヴェン;序曲「プロメテウスの創造物」(1968.3.21)
エルネスト・アンセルメ(指揮)ファリャ;組曲「三角帽子」第2番(1968.1.25)
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)ドビュッシー;交響詩「海」(1978.1.14)
シャルル・ミュンシュ(指揮)ルーセル;組曲「バッカスとアリアーヌ」第2番(1966.7.5)
斉諧生的に最も期待しているのはストコフスキーのベートーヴェン。
以前紹介した前川誠郎『西からの音』@彩流社に、「抑制のきいた名演で私はこの人の本当の姿をそこに初めて見たような想いをした」とある。
 
ケンブリッジ・バロック・カメラータ、バッハ;ブランデンブルグ協(INTIM MUSIK)
ジャケットに、なんと、「第7番」の表記。
その正体は、ヴィオラ・ダ・ガンバ・第3番ト短調BWV1029からの編曲、というので買ってみた。このソナタも好きな曲なので…。
ライナーノートによれば、このソナタは初め協奏曲として構想されたとの説を立てる者があり、それを受けて1988年にダンカン・ドゥルースという人が編曲したものという。
楽器編成は第6番と同じ、これは少々いただけない。ブランデンブルグ協を貫くバッハのコンセプトからすれば、当然、第1〜6番のいずれとも異なる編成を取らざるべからず。
そうでなければ、本来無関係な「ブランデンブルグ協奏曲第7番」を、あえて名乗る意味がない。
また、この編曲、ライナーノートではハ短調と書かれているが、ジャケットにはニ短調と記されている。これもよくわからぬ。
「外れ」でなければ、よいのだが。
INTIMはスウェーデンのレーベルだが、演奏者は名前どおりイギリスの団体。
 
ナタン・ミルシテイン(Vn)アナトール・フィストゥラーリ(指揮)ブラームス;Vn協ほか(EMI)
Capitolレーベルのリマスタリング・シリーズの新譜が出ていた。
ミルシテインは、この曲を3回録音しているが、その2回目に当たるもの。ステレオでは初録音ということになる。
1回目はウィリアム・スタインバーグ(指揮)ピッツバーグ響のモノラル録音(1953〜54)で、これも、このシリーズで既に復刻されている。
3回目はDGGから出たオイゲン・ヨッフム(指揮)ウィーン・フィル盤で、これも名演奏の令名高いもの。LP時代の一時期、決定盤的存在であった。
この2回目の演奏にも名演を期待して購入。フィストゥラーリの至芸にも期待したい。
なお、特徴があるのはカデンツァで、通常、ヨアヒム版が演奏され、稀にクライスラー版が用いられるが、ミルシテインは1回目と3回目で自分の版を使っている。
ジャケットには明記されていないが、おそらくこの2回目の録音でも、同様ではなかろうか。
カプリングは同じブラームスで、エーリヒ・ラインスドルフ(指揮);交響曲第3番、オーケストラはいずれもフィルハーモニア管
 
マイケル・レビン(Vn)レオン・ポマーズ(P)「モザイク」(EMI)
これもCapitolレーベルのリマスタリング・シリーズで、夭折の名ヴァイオリニスト、レビンの小品集。
ピアノ伴奏によるショパン;夜想曲等のほか、無伴奏でバッハ;無伴奏Vnソナタ第3番イザイ;無伴奏Vnソナタ第3・4番を収める。
なお、ジャケット裏の曲目リストには、トラック13が欠落しているが、これは上記バッハ。

 松も取れるので、トップページの画像を山本紅雲(1896〜1993)「樹間赤陽」に戻す。


1月12日(火): 先日は『週刊プレイボーイ』、今日は『女性自身』(!)を買ってしまった。
 斉諧生もついにおかしくなった…というわけではなく、すべては村治佳織
 どういう戦略か、このところ村治嬢のメディア露出がすさまじい。『女性自身』など、表紙に御登場!
 「いいとも」も近いか?!

 昨日の項に書いた「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」で既に公開されている諸氏の記事が、いずれも力作、あれも欲しいこれも聴きたいと感じずにはいられない。

アナトリー・ヴェデルニコフ(P)ドビュッシー;前奏曲集第1巻、映像第1・2集、12の練習曲ほか(DENON)
先日、フランク;前奏曲、フーガと変奏に感銘を受けたヴェデルニコフは、やはりというべきか、野々村さんの執筆。
代表盤5点のうち、ベートーヴェンラヴェル&フランクシェーンベルクは架蔵済なので、今日はドビュッシーのセットを購入。

 

7日の項に書いたブーレーズのCDの記事に誤りがありました。
20世紀の名作「ル・マルトー〜」の初録音・決定盤として…
と書きましたが、下線部は誤り。
この盤は、ブーレーズ2回目の録音(1964年)です。
初録音は1956年、ドメーヌ・ミュジカルによる演奏で、仏VEGA原盤、1958年4月には国内盤(日ウェストミンスター、10インチ)も出ています。
野々村さんから御指摘頂戴しました。ありがとうございました。

1月10日(日): このところ取り組んでいる、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、一日の大半は宇野功芳の録音を聴く。
 なお、上記URLで既に一部が公開されており、今日現在、斉諧生執筆のものでは、ルネ・レイボヴィッツアルト・ノラスの記事を読むことができる。

 

マリー・クレール・アラン(Org)ジャン・ジャック・カントロフ(指揮)バンベルク響、プーランク;Org協ほか(ERATO)
この曲の名演にはなかなか出会えない。
この新録音に期待をかけていたのだが、結果としてはイマイチだった。
バンベルク響が無理をしてフランス風の音を出そうとしているために、オーケストラの響きが痩せてしまい、オルガン中心の録音バランスがそれに輪をかけている。
カントロフは速いテンポでスピード感のある音楽を指向しているのに、オルガン独奏は少々落ち着きすぎ。
カプリングのジャン・アラン;オルガン、ティンパニと弦楽合奏のためのサラバンドは、フランクの名曲の数々に通底する神秘性というか、宗教的な問いかけを感じさせる佳曲。
 
シェリー・マン(Drums)アンドレ・プレヴィン(P)ルロイ・ヴィネガー(Cb)、「マイ・フェア・レディ」(Comtemporary)
これはもう、素敵に素晴らしい演奏。プレヴィンのピアノの冴え渡っていること!
「君住む街で」でのしっとりとした歌、「アスコット・ガヴォット」のアップテンポのスウィング感、「教会に間に合うように〜」でのスウィング・ジャズ風の御機嫌なリズム。
もちろん、他の2人も気合の入った見事なプレイである。終曲「一晩中踊れたら」でシェリーがタンバリンを叩き出すのも微笑ましい。
楽器の音は、1956年録音とは思えないズッシリした質感を誇っているが、残念なことにマスターテープの劣化が聴きとれる。

1月9日(土): 昨日朝から、クラシック音楽系Webを揺るがしているCLASSICA問題、斉諧生の見解は次のごとし。
 まず、これは商売及び法律の問題ゆえ、「後から来たくせに非道い」等の「マナー」問題としては考えない。
 で、法律上の問題としてみれば、クラシカ@衛星放送の主張には、欠陥があるのではないか、という疑念が拭えない(というか、むしろ虚偽に近いのではないかと感じている)。

斉諧生は、商標法等の特許系法令はもちろん不案内、もともと法律の専門家ではないので(本業はソッチと少し関係があるが)、断言はしかねるが。

 考えたことを、昨日、応援メールとして出したのだが、今日のCLASSICAを見ると、同じことを考えていた人も多いようで、飯尾さんもその方向で考え直しておられる様子だ。
 現在の法律は有形物を前提にしているので、デジタル・データという無形物のやりとりの集積(しかも国境関係なし)であるネット上の問題を、扱い切れていない感が強い。
 ひょっとしたら、この問題、法律上の泥沼に陥る危険性もあるが、クラシック音楽系Webの草分けであり、斉諧生もさんざんお世話になったCLASSICAさんゆえ、なんとか支援していきたいと考えている。

 夕方から大阪へ赴いて、AYA改めAnja@SALONEN & AYA KINGDOMさん、城多@千駄木音盤要塞さんとオフミーティング。
 そのついでにCD屋、中古CD屋を回る。

アーロン・ロザンド(Vn)デリック・イノウエ(指揮)モンテ・カルロ・フィル、ベートーヴェン;Vn協&ブラームス;Vn協(VOX)
アメリカの実力派、ロザンドの二大協奏曲、買わざるべからず。
ところで、指揮者が"Derrick Inouye"という人なのだが、ライナーノートには一切説明なし。日系人かな?
 
オシー・レナルディ(Vn)ワルター・ロバート(P)、パガニーニ;24のカプリスほか(Biddulph)
先日、ブラームス;Vn協の復刻を買ったレナルディの1940〜41年のSP復刻(2枚組)が中古屋で安く出ていたので、購入。
ライナーノートを見て驚いたのは、カプリスにピアノ伴奏(ダヴィド編)がついていること。
その他、パガニーニ、エルンスト、モーツァルト、ブラームス、ドヴォルザーク、ツァルツィキ(Zarzycki)の小品とサン・サーンス;Vn協第1番(ピアノ伴奏)を収録。
 
アントニオ・メネセス(Vc)バッハ;無伴奏Vc組曲(Philips)
カザルス遺愛のゴフリラーを貸与されての録音として喧伝されたもの。輸入盤を待っていたが、出る気配がない。
今日、中古格安を見つけたので購入。
録音場所はカザルス・ホール、スタッフは萩元晴彦氏以下ことごとく日本人、純粋な国内製作盤のようだ。
 
エマニュエル・ベイ(P)カーメン・ドラゴン(指揮)ハリウッド・ボウル響、「ショパン・バイ・スターライト」(英Capitol、LP)
これは午前中に通販業者から届いたもの。
ショパンの有名曲をドラゴンが管弦楽(ピアノ独奏含む。)編曲した演奏。このうち「軍隊ポロネーズ」(これのみグラズノフ編)は愛惜佳曲書掲載。
もちろんCDは架蔵済なのだが、音の古さを如実に感じるので、LP、しかも英プレスのものなら良い音で聴けるのではないかとオーダーしてみた。

1月8日(金): 『FMfan』第3号を購入。
 斉諧生宅にはFM放送の受信設備はないのだが、特集「本誌評論家が選ぶ1998アルバム年間ベスト10」が読みたいからである。
 宇野功芳*尊師*は、第1席のジンマン(指揮)ベートヴェン;交響曲第7・8番以下、7点が交響曲。
 『レコード芸術』月評担当ジャンル*以外*でのセレクションが見たかっただけに、ちょっとがっかり。
 尊師の執筆活動、最近少々低下気味だけに、この特集を楽しみにしていたのだが…。

 交響曲以外の3点のうち、1点を購入。

イアン・ボストリッジ(Ten)ジュリアス・ドレイク(P)、シューベルト;歌曲集(EMI)
尊師曰く「現在最高の愛聴盤」「初めてF=ディースカウを聴いたとき以来のショックと感動をあたえられた」、これは買わざるべからず。
しかも、最近注目しているボストリッジとあっては、なおさらである。
「鱒」「野ばら」「楽に寄す」「魔王」等、有名曲を多数収録。

1月7日(木): 

 

ピエール・ブーレーズ(指揮)ほか、ブーレーズ;「ル・マルトー・サン・メートル」ほか(Ades)
元旦の項に記したプーランク;Flソナタ聴き比べが発端になって、中古音盤堂奥座敷MLでフルート奏者談義あり。
前に触れたランパルベイカー以外で名前の挙がったのが、セヴェリーノ・ガッゼローニ
彼の名演として野々村さんが推奨されたのが、これ。
もちろん、20世紀の名作「ル・マルトー〜」の初録音・決定盤として令名高い名盤だが、買うのは初めて。
ブーレーズ;Flソナチネ(独奏はジャック・カスタニエという人)、メシアン;七つの俳諧をカプリング。
 
マルティン・ニアリー(指揮)ウェストミンスター大聖堂合唱団ほか、ブリテン;「キャロルの祭典」ほか(Sony Classical)
年が明けてからこの曲を買うのは、ちょっと不自然だが…(^^;
「キャロル〜」は愛惜佳曲書掲載の曲、LP時代はウィルコックス盤(EMI)しか手に入らず、自演盤(DECCA)を図書館で借りたりして苦労したものだ。「知る人ぞ知る」曲だったと言っていい。
そういうわけで、以前は集めていたのだが、最近はどんどん新録音が出るので、ちょっと止めていた。
これも新譜で出たときには、気になりながらも見送ったのだが、「キャロル〜」以外の5曲中、3曲で、最近話題のイアン・ボストリッジがソロを歌っている。
その歌唱が素晴らしいと、「サロ様城」でお薦めをいただき、購入することにした。
 
シェリー・マン(Drums)アンドレ・プレヴィン(P)ルロイ・ヴィネガー(Cb)、「マイ・フェア・レディ」(Comtemporary)
プレヴィンのジャズ・ピアノは昔から好きで、最近の新譜は時々買ったりしていたが、1950年代のものは、あまりに多くて、一部を除いてほとんど持っていなかった。
ところが、これも最近、「サロ様城」で話題になったので、そろそろ手許に置きたいと、貯まっていたタワーレコードのポイントで、「xrcd盤」を購入(というか交換)。

1月4日(月): 今日から本業がスタート、短かったなぁ…。年末年始の休みは年末3日+年始3日じゃなくて、年末5日+年始5日くらいほしいもの。

 さて、「初荷」を仕入れに行く。

シュテファン・ザンデルリンク(指揮)ボーンマス・シンフォニエッタほか、ストラヴィンスキー;バレエ音楽「プルチネッラ」ほか(NAXOS)
「プルチネッラ」は組曲版が有名だが、これは歌入りのバレエ版全曲。
指揮者はクルトの息子、母はベルリン高等音楽院のコントラバスの教授だった人だとか。
1964年生まれというから、トマス@大阪シンフォニカの弟ということになるが、トマスは1942年生まれだから、ほとんど親子ほど歳が離れている。
まてよ、クルトは1912年生まれだから、52歳の時の子供というわけだ。(^^;
シュテファンのディスクは、前にロイヤル・フィルのシリーズで出ていたハイドンが端正・清新で音楽性豊かなものだったので、ちょっと注目している。
しかも、最近ブームのイアン・ボストリッジ(Ten)が歌っているとあっては、聴いてみる価値があるというもの。1993年の録音だから、かなりキャリアの早い時期か。
ボストリッジ以外にフィオナ・ジェーンズ(Sop)ヘンリー・ハーフォード(Bs)が出演。
カプリングは、「ダンス・コンチェルタンテ」(1942)という、ちょっと珍しい曲。
 
ドミトリー・シトコヴェツキー(Vn)バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(HAENSSLER)
1997年の新録音、シトコヴェツキーの再録音になる。
前のOrfeo盤(1984年録音)がなかなか良かった記憶があるので、これも買ってみる。
実は昨日、和波孝禧さんの素晴らしい録音を聴いているのだが、さて、シトコヴェツキーはいかなるバッハを?

1月3日(日): このところ取り組んでいる、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のため、終日和波孝禧の録音を聴く。
 これまで同様、今日も試聴録は不掲載、後日、手を加えて「提琴列伝」にアップする予定ですので、よろしく御理解ください。
m(_ _)m


1月2日(土): 

 

エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)レニングラード・フィル、モーツァルト;交響曲第33番(BBC LEGENDS)
ムラヴィンスキー得意のレパートリー、『評伝エヴゲニー・ムラヴィンスキー』によれば、48回の実演と4つの録音が記録されている。
うち1983年12月24日の録音は架蔵済(ERATO盤)。
これは1960年9月23日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライヴ。
とてつもない演奏らしいことは、中古音盤堂奥座敷同人、工藤さんから伺っていたが、いや、驚いた。
ヴァイオリンの歌う旋律が、綺麗な音で実にたおやか、チラッと媚態のようなものまで見せて、誠に美しい。
トリルの玉も見事に揃って、さすが、きちんと合わせているな、室内管編成にしてるのか、それにしても上手いもんだな…
などと思いながら聴いていたら、フォルテのところはボリューム感たっぷり、これはフル編成だ!!
もはや人間業とは思えない合奏力、アンサンブルの精度。しかも、「機械的」とはまったく無縁の音楽。
フレーズはたおやかで、リズムは弾力性に富み、カンタービレが美しいという…
なんか、異次元の演奏を聴いてしまった感じ。終わった瞬間の物凄い拍手喝采も当然といえよう。
このコンビの凄い演奏といえば、「ルスランとリュドミラ」序曲が有名だが、あれは速いだけといえば速いだけ、ここまで音楽的ではなかった。
 
ギュンター・ヴァント(指揮)ケルン・ギュルツェニヒ管、ブルックナー;交響曲第8番(独BASF、LP)
時間に余裕があるので、大曲を聴いてみようと思い、11月に東京で買ってきたヴァントを聴く。
ヴァントのことゆえ、もちろんハース版を使用。
録音は1975年頃、そのしばらく後のケルン放送響とのレコード同様、正統的なブルックナー。
聴衆の咳などが聞こえるので、どうもライヴ録音らしい。残響が豊かで長いので、ひょっとすると教会での演奏会かも。
ライヴのせいか、第1楽章の前半などちょっと落ち着かない感じだが、ホルンとオーボエが歌い交わすあたりから安定してきて、第2楽章以降はバッチリ。
ヴァントらしく、対位法的な動きを重視して、木管のちょっとしたモティーフなどもきっちり聴かせてくる。
ただ、ギュルツェニヒ管の限界か、例えばアダージョの最後のホルン四重奏など、もっと天国的な音を出して欲しいところ、ちょっと濁ってしまう。
まぁ、どうしても…という演奏でもないだろう。ヴァントの最初の録音という意味はあろうが…。
それに、録音バランス的にも少し問題で、ホルンが弱すぎる。単独で鳴っているときはまだしも、金管全体が吹奏すると、完全にトランペットとトロンボーンにマスクされてしまうのである。物足りないこと、おびただしい。
また、弦合奏のボディも、やや貧相。
 
ジョン・バルビローリ(指揮)ハレ管ほか、マーラー;交響曲第3番(BBC LEGENDS)
1969年5月3日、マンチェスター、フリー・トレード・ホールでの録音。ライナーノートによれば、ライヴではなく、演奏会の後に放送用に録音したものとか。
音はまずまずといったところで、鮮度的には、当時としてはともかく、現代ではやや物足りない。バランスはよいのだが、弦が少し薄くなっている。これは昔の演奏会録音の通弊だが。
第1楽章冒頭のホルンは極めて力強く、え、これがハレ管? と思ってしまった。
緊張感十分に進行、ヴァイオリン独奏は逆に柔らかく、トロンボーン独奏は苦みの効いた、血を吐くような音色で非常によい。
全体的に非常に完成度の高い演奏で、ほころびらしいものはほとんど見られない。ライナーノートにあるとおり、当時そのままLPとして販売されていても良かったくらいだ。
第2楽章はゆったりしたテンポ、オーケストラの共感が伝わってくる感じ。
第3楽章、ポストホルンが少し弱く、また聴感上も、トランペットとの対比(音色、距離感)が弱い。
第4楽章、アルトは声質・歌唱とも物足りないが、弦の表情は懐かしさの極み。
第5楽章では合唱が気合の入った立派な歌唱。
第6楽章は深々とした感動的な主題提示で始まり、それまで比較的テンポを動かさなかったバルビローリが、極めて陶酔的に、テンポを揺らす。
おかげでちょっと乱れるような部分もあるが、トラック5"Sehr Langsam"以降は感動的な遅さとピアニッシモ。終結の金管の和音も圧倒的。
EMIがバルビローリのマーラーに冷淡で、ごく一部の曲しか録音を残さなかったのが残念でならない、そんな気持になる名演である。
 
レイフ・セーゲルスタム(指揮)ラインラント・プファルツ国立フィル楽員ほか、R・シュトラウス;ClとFgのための二重小協奏曲(SIGNUM)
クラリネットの音がちょっと貧弱、ファゴットは良いのだが…
セーゲルスタムの音楽も、ちょっと見えない。音にしてみました的、というのは酷だが…。
 
ニコラス・クレオバリー(指揮)ブリテン・シンフォニアほか、R・シュトラウス;ClとFgのための二重協・Hrn協第1番(EMI)
こちらは美演。クラリネットが上手く、聴き映えがする。
R・シュトラウスでも、この曲はドイツの重厚な音より、イギリスの奏者・オーケストラの軽い音が似合うようだ。ファゴットなど、フランス式の方がよいかもしれない。
カプリングから、デイヴィッド・パイアットが吹くHrn協を聴く。
さすがに上手いが、こちらこそ、もっと重厚な音が似合う曲だ。
オーケストラの音も薄くて、物足りない。

 最近入手したレイボヴィッツのLP、ステンハンマルのLPのジャケット画像をそれぞれのディスコグラフィに追加。


1月1日(金): 実家へ年始に行って帰ってきたら、ちょうど「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート」が終わり近く、ポルカ『雷鳴と電光』が始まるところ。マゼールの寸劇をたっぷり拝ませていただいたが(^^;、ありゃどう見ても、世界中に「ニューイヤーコンサートの指揮者は飾り物でござい」という真実を暴露したのではなかろうか。(^^;;;
 それはともかく、ああいうときにホルンの面子が気になってしかたがないのは、毎日読んでいるフォルカーの部屋からの「洗脳」ですな。(^^)

 年始伺いやら年賀状印刷(今頃!)で、今日はあまり時間を割けなかったが、アニバーサリー系で2曲を聴き比べ。

ジャン・ピエール・ランパル(Fl)フランシス・プーランク(P)プーランク;Flソナタ(ADES)
本年生誕百周年の作曲家、プーランク(その他の人々については→生没年表参照)。
昨年秋から彼の室内楽のディスクが溜まっているので、一気に。
まず、初演者による初演(1957年)直後の録音、しかもピアノは作曲者という定盤中の定盤。
いやあ、ランパルの音の素晴らしいこと! 黄金の粒々がまぶされている感じ。
吹奏はいたって無造作、譜面をポンポン音にしている感じなのだが、それなのにセンス抜群の音楽になっている。素材としての音が素晴らしいせいもあるのだが、それ以上に、まさしく天衣無縫、天才の業である。
ただ、ちょっと雑に感じられなくもない部分も散見される。でも、「音」で許してしまうのである。
プーランクのピアノも柔らかいタッチが詩的で、好もしい。
 
ジュリアス・ベイカー(Fl)三浦洋一(P)プーランク;Flソナタ(KING)
こちらも大名人。ニューヨーク・フィルの首席、というだけではすまされない人である。
ランパルに比べ、ずっと考えて吹いている感じが伝わってくる。表現力、訴求力は遙かに強い
とりわけ、緩徐楽章でやや速めのテンポながらも、それに豊かな情感をのせていくあたりは凄い。
ただ、斉諧生的には、こういうヴィブラートが強く、呼気が漏れているような擦過音が耳につく音色は好みでない。
また、ピアノの録音が大味すぎて、ちょっと鑑賞に堪えない。これは残念。
 
ミシェル・デボスト(Fl)ジャック・フェヴリエ(P)プーランク;Flソナタ(EMI)
この人の名前は「デボスト」なのか「ドゥボ」なのか??? 国内盤の表記がバラバラで、いつも別人かと勘違いしかけるのだが。
第1楽章冒頭を抑えめに吹き始めてメランコリーを表出するあたりから、上手いのだが、「音」にパンチがなく、説得力が弱い。低音域の鳴りが悪いのもマイナス。
フェヴリエのピアノは標準的なもの。
 
パトリック・ガロワ(Fl)パスカル・ロジェ(P)プーランク;Flソナタ(DECCA)
この人のフルートは、鳴りの良いところでは非常に美しい音がする。緩徐楽章の主題提示など、ちょっと聴き惚れる。
ところが、トリルの音の粒立ちや低音域での鳴りが悪く、全体的にはひ弱な感じがしてしまう。
ロジェのピアノは極めて雄弁。
 
ヴォルフガング・シュルツ(Fl)ジェイムズ・レヴァイン(P)プーランク;Flソナタ(DGG)
これはウィーンの奏者だが、やはり音色がまったく違う。奏法もかなり違うのでは?
やや陰翳を含んだ美音で、特に緩徐楽章とは相性がよい。
音域に関わらず鳴りが良い点ではデボストやガロワを上回る。やはり上手い人だ。
ヴィブラートが大きいのがやや好みからはずれる。
レヴァインのピアノは達者なもの。
 
マシュー・デュフォール(Fl)エリック・ル・サージュ(P)プーランク;Flソナタ(BMG)
前にも書いたが、このCD、フルートはデュフォールとエマニュエル・パユを起用しているのに、どちらがソナタを吹いているのか明確な表記を欠く。
まぁ、EMIに録音済みのパユが吹いていることは無かろうと思うので、デュフォールで記載しておく。
表現としてはデボスト、ガロワと同じ方向性を持つ。楽器の鳴りが良く、特に弱音のコントロールがしっかりしているので、ピアニッシモでの表現力が強い。特に、緩徐楽章の主題を弱音で吹きとおすあたり、なかなかの腕とみた。
 
今日聴いた6枚の中では、やはりランパルとベイカーの凄さが際だつ。
新しいものではデュフォールか。シュルツはちょっと特殊だろう。
 
ハンス・ロスバウト(指揮)ベルリン・フィル、シベリウス;交響詩「フィンランディア」(DGG)
今年は「フィンランディア」の初演百周年だそうだ(北欧クラシックCDで教えていただいた)。
曲調からいって、あまり差が出そうにないような気もするが、聴き比べ。
なるべく国籍を分散させてみた。
まずドイツ組。
冒頭から、ずっしり、どっしり、念を押すようなリズム。低弦の鳴りがもの凄い。これぞゲルマン魂か。(^^;
トランペットの音も渋いもの、弦の音色は暖かめ。最後は金管が炸裂。
 
レオポルト・ストコフスキー(指揮)彼の交響楽団、シベリウス;交響詩「フィンランディア」(EMI)
朝比奈隆がよく引き合いに出す、ストコフスキーの「フィンランディア」。
彼がフィンランドへ客演してこの曲を振ろうとしたとき、現地の日本大使館の関係者いわく、
「先週ストコフスキーが振ってボロクソに叩かれたばかり、あれは『君が代』か『海ゆかば』みたいなもので、とても外国人が振る音楽じゃない、やめた方がいい」
そこは朝比奈先生「契約したからには振る」と頑張って、オーケストラに向かって「君らがいつもやっているようにやってみなさい」。
…ああ、ゆっくりやればいいんだな、非常に暗い音楽にすればいい。
で、本番では足踏みがとまらない大喝采、…というおはなし。
余談が過ぎたが、この演奏、そんなに「アメリカ流に景気よく」やっているわけではないと思う。
ただ、例えば冒頭の音型の頭に強くアクセントを置いたり、アレグロに入ってから木管を強調(あるいは追加か?)して、全体に明るいサウンドになっているのは事実。
「フィンランディア讃歌」でもオーボエの音色が非常に強調され、現地の人からすると、違和感が強かったのかも。
 
ヨルマ・パヌラ(指揮)ヘルシンキ・フィル、シベリウス;交響詩「フィンランディア」(FINLANDIA)
上下を見渡すと、今日の聴き比べで指揮者・オーケストラともフィンランド、というのが無いので、急遽、この盤を追加。
なるほど、この曲に対する一般的なイメージに最も近い演奏。
冒頭はズッシリとしたスフォルツァンドを効かせて重々しく、弦の調べはフレージングをわざとぶつ切りにして悲劇的に。
「フィンランディア讃歌」の出るところではテンポを落とし、フルートの音色を効かせて清澄に。
終結では、大きくテンポを落として壮麗に。
ただ、この時期(1960年代末)のヘルシンキ・フィル、ちょっと技量が落ちるのが残念。
 
アレクサンダー・ギブソン(指揮)ロイヤル・フィル、シベリウス;交響詩「フィンランディア」(COLLINS)
冒頭、金管の和音がきれいに決まるのが快いが、全体に、やや響きが軽い。
音楽の運びは流麗、ティンパニを活躍させるのが面白い。
 
エサ・ペッカ・サロネン(指揮)スウェーデン放送響、シベリウス;交響詩「フィンランディア」(Sony Classical)
響きを濁さず、スカッとしたサウンド。とりわけ弦合奏の和声の美しさは、サロネンならではだろう。
「フィンランディア讃歌」が木管から弦合奏に渡ったところの、しっとりとした美しさは感動もの。
ただし、「本場物」的な情念というか怨念(?)は、無い。アレグロの部分も極めて軽やかに運んでいく。
言うならば、「涼やかな」フィンランディア。「独立闘争」云々より、「北欧の夜明け」といった趣が爽やかだ。
 
マリス・ヤンソンス(指揮)オスロ・フィル、シベリウス;交響詩「フィンランディア」(EMI)
冒頭、金管のオルガン的な響きが豊かで美しい。リズムも重め、一般的な「フィンランディア」のイメージどおりに進んでいく。
その点パヌラ盤に似るが、合奏力はずっと上。
ちょっと残念なのは、「フィンランディア讃歌」が速いテンポのまま進められ、終結で再現するところもあっさりしていること。
まぁ、テンポをいじって造型を乱すのを避けるためだろう。
 
小林研一郎(指揮)チェコ・フィル、シベリウス;交響詩「フィンランディア」(CANYON)
極めて重々しく、弦は熱っぽい。悪い言葉で恐縮だが、ナニワ節的。
縦の線が甘いのは棒のタメが強いせいか。
「フィンランディア讃歌」の木管がオーボエ中心のバランスになること等、全体に音色が暖色系。
日本人には一番しっくりくる「フィンランディア」かもしれない。
 
今日聴いた中では、トータルで見て最も一般的なのはヤンソンス盤か。
涼やかなサロネン盤、燃えるコバケン盤も面白かろう。

 初春恒例(といっても2回目ですが)、山本紅雲(1896〜1993)描くところの「鯛」(去年のとは別な作品)をトップページに、当ページに「卯」を掲載。


平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」に近代スウェーデンの作曲家ステンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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