音盤狂日録


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7月31日(土): 

 通販業者からLPが届いた。

イルジー・スターレク(指揮)RIASシンフォニエッタ、ガーデ;弦楽のためのノヴェレッテ第1番ほか(独schwann、LP)
愛惜佳曲書にも掲載したガーデの未架蔵音源を見つけたので、オーダーしたもの。
「ロマンティックな組曲とセレナード」という、国別で選曲された10枚程度のシリーズの1枚。これはデンマークとスウェーデンの盤で、標記の他、
ニールセン;小組曲
ダグ・ヴィレン;弦楽セレナード
を収録。
このシリーズはLP時代末期に店頭で非常によく見かけたもので、バーゲンの常連だったのだが、その頃に気づかなかったのは悔やまれる…といっても、当時は曲の存在すら知らなかったのだが(^^;;;
 
ロベール・カサドシュス(P)ハンス・ロスバウト(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ベートーヴェン;P協第5番(蘭Philips、LP)
ロスバウトの未架蔵音源なので、オーダーしたもの。廉価盤。
1961年2月3〜4日のステレオ録音で、1962年12月29日に死去したロスバウトにとって、最後のレコードになった仕事である。
現代音楽のスペシャリストとされるロスバウトだが、ベルリン・フィルとのハイドンやエクス・アン・プロヴァンス音楽祭でのモーツァルトの歌劇等でドイツ古典派の骨法を聴かせてくれるので、これも耳にしておきたい演奏。
珍しい顔合わせだが、ロスバウトは晩年、コンセルトヘボウ管にしばしば客演していた。
未CD化と思っていたが、竹内さんのHans Rosbaud Discographyによれば、CD化されたことがあるようだ。

 

ロベール・カサドシュス(P)ハンス・ロスバウト(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ベートーヴェン;P協第5番(蘭Philips、LP)
さっそく聴いてみた。残念ながら、盤の状態があまり良くないが…。
冒頭の和音からして、いわゆるドイツ的な「タメ」が全くない、アタックの鋭い響きが飛び出してくる。
速めのテンポですべてがピタピタと決まっていくのが、快感この上ない。
ロスバウトの手にかかると、ちょっとした木管の合いの手や楽器の重ね方が、手に取るようによくわかる。音楽の仕組みがどんどん解き明かされていく。
また音程がよいのである。音色が素晴らしいのである。銘器コンセルトヘボウ!
カサドシュスのピアノも美しいタッチでどんどん弾いていく。ベートーヴェン的な巨大さはないかもしれないが、実に小気味よい。時に見せる慣習的なリタルダンドが、むしろ残念なくらいだ。
カサドシュスというとモーツァルトとラヴェルが有名で、ベートーヴェンは不評だったらしいが、現代の聴衆にこそ受け入れられるスマートなベートーヴェン演奏だと思う。
丁寧なCD復刻で、この名演が甦ることを期待したい。
 
ウェイン・マーシャル(P)バリー・フォージー(指揮)BBCビッグ・バンド、「Swing it!」(Virgin)
とにかく楽しいアルバムである。当分、休日の朝は、この盤から鳴らし始めることにしたいくらいだ。
「アンヴィル・コーラス」など、来るぞ来るぞとわかっていても、例の主題がサキソフォン合奏で吹き鳴らされると、本当に笑えてしまう。
スウィング・ジャズには不案内な斉諧生だが、極めて上質な音楽であることに疑いはない。
マーシャルのピアノは美しいし、管のプレイヤーも腕達者、録音も優れている。
大いに推薦したい。

7月26日(月): 

 

シクステン・エールリンク(指揮)ストックホルム・フィル、シベリウス;交響曲全集(FINLANDIA)
最初の発売予告から、どれだけ経ったろう…鶴首待望の一巻である。
1952〜53年にかけての収録で、初の全集録音であった(DECCAのコリンズの全集は1952〜55年の録音)。
エールリンクは今も健在だが、1918年生まれだから録音当時は30歳台半ばだったわけだ。
この演奏は、以前からLPで集めてきたのだが、なぜかいちばんポピュラーな筈の第2番が、いまだに手に入らない。ようやくCD復刻された。
その上、オリジナルLPのジャケットやレーベルの写真が掲載されるなど、マニアにとっては嬉しい造りになっている。
LPはMercuryから出たもの…と思っていたら、Metronomeというスウェーデンのレーベルがオリジナルだったとは、ブックレットで初めて知った。
オリジナルのアナログ・テープの状態が悪かったため、LPからの復刻(いわゆる「板起こし」)を行ったという。
なお、オーケストラ名は、LPではStockholm Radio Symphony Orchestraと表記されていたが、今回のリリースでは上記のように訂正されている。
 
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)ロシア国立響、「哀 〜Sorrow」(TRITON)
「スヴェトラ・アダージョ」とも呼ぶべき企画盤。
既発音源の寄せ集めでなく、1998年4月のオリジナル録音である。
このCDは、以前、エフゲニー・スヴェトラーノフのページの掲示板スヴェトラーノフ普及促進委員会で大きな話題になっていたので、気にしていたところ、国内盤が出たので、さっそく購入。
曲目は、
アルビノーニ;アダージョ
バッハ;管弦楽組曲第3番より「アリア」
グルック;「精霊の踊り」より「メロディ」
グリーグ;「ペール・ギュント」より「オーゼの死」
ベートーヴェン;交響曲第3番より第2楽章
ワーグナー;「神々の黄昏」より「ジークフリートの葬送行進曲」
ブルックナー;交響曲第9番より第3楽章
というもの。斉諧生的にはベートーヴェンとワーグナーに期待。
 
ベネデット・ルポ(P)ペーター・マーク(指揮)ルガーノ・スイス・イタリア語放送管、シューマン;P協ほか(ARTS)
名匠マークの録音は一つも見落とせないと思っているが、今回はシューマン;ピアノと管弦楽のための作品全集
あまり録音がない小協奏曲op.92序奏とアレグロop.134の他、4本のHrnのためのコンチェルトシュトゥックop.86のピアノ版という珍品を収録。
独奏者は1963年イタリア・バリ生まれ、1989年のクライバーン・コンクール等で入賞歴があるとのこと。
 
ウェイン・マーシャル(P)バリー・フォージー(指揮)BBCビッグ・バンド、「Swing it!」(Virgin)
マーシャルという人は不思議な人で、オルガニストとしてサンサーンス;交響曲第3番のソロを弾いたり、オーレ・エドヴァルド・アントンセンと共演したCDがあったりする一方で、指揮者兼ピアニストとしてガーシュウィン;管弦楽曲集を録音したりしている。
今回は、1930〜40年代の所謂「スウィング・ジャズ」の名曲のアルバムである。
斉諧生は、少しだけジャズを聴くが、1950年代のモダン・ジャズが主。
ビッグ・バンドには必ずしも興味はないのだが、マーシャルのピアノとあらば、聴いてみたいと購入。
17曲を収めるが、「A列車で行こう」「ス・ワンダフル」「ビギン・ザ・ビギン」「スィング、スィング、スィング」など定番のほか、「ビゼー・ハズ・ヒズ・デイ」「アンヴィル・コーラス」といったクラシック音楽を借用したナンバーも演奏されているのが興味を惹く。
ジャケットはカーキ色のジャケットに身を包んだピンナップ・ガールのイラスト(少々安っぽいのが残念)、ブックレットにもグレン・ミラーが連合軍の慰問演奏をしている写真が掲載されていたりして、第二次大戦中の雰囲気を醸し出す。

7月25日(日): 

 

ポール・パレー(指揮)デトロイト響、シューマン;交響曲第3番(Mercury)
LPで聴いていたが、CDでは初めて聴くと思う。
LPより音のエネルギーが低音寄りのような気がするが、とても1956年とは思えない録音である。
演奏は、もう実に立派、速めのテンポでキビキビ、ビシビシ決めていく。
とにかくパレーの演奏は、お聴きいただきたいと思う。
 
小林研一郎(指揮)チェコ・フィル、チャイコフスキー;交響曲第5番(EXTON)
小林研一郎の最良の状態が聴ける盤だと思う。
さすがチェコ・フィルで、弦合奏は終始、カロリーのある音色で厚く・美しく響く。
トランペットが突出しがちな金管の強奏の響きが未整理なのが少し気になるが、実演的な盛り上がりとも言えるだろう(ライヴ録音ではない)。
第1楽章冒頭の弦のペザンテが、ずっしり響く。10小節のクレッシェンドも実に味が濃い。
コーダでの加速・減速の動かし方も面白く、終結で唸りをあげるコントラバス・セクションの強力さに舌を巻く。
第2楽章では弦、主題を歌うホルン、合いの手のオーボエ、いずれも美しさの極み。
142小節でのfffの盛り上がりは凄絶、音楽が静まって170小節の溜息のようなピツィカートには心を打たれる。
第3楽章は、もう満点の出来。
第4楽章は、小林の唸り声から始まる。
弦の響きは絶好調、序奏の終わり近く41〜47小節での粘りは物凄い。
主部に入ると猛烈な勢いで飛び出していく。そこからは、もう文句の付けようのない、これぞチャイコフスキー、という演奏。
楽章後半、すこし音が薄くなる感じがあるのが残念。スタジオ録音ながら、極めてライヴ的と言えるかもしれない。
 
小林研一郎(指揮)名古屋フィル、ショスタコーヴィッチ;交響曲第5番(EXTON)
これも小林研一郎の最良の状態が聴ける盤だと思う。
第1楽章冒頭、チェロより先に聞こえるのが、指揮者の猛烈な呻き声。
彼の声は、全曲を通じて実に良く録れている。ファンなら我慢できると思うが、普通の聴き手にはちょっと厳しいかもしれない。(^^;;;
こちらは完全なライヴ録音で、燃えに燃えているにもかかわらず、演奏の完成度は実に立派
弦が弾き飛ばしているようなところは一切ない。繊細なところは繊細きわまりなく、激しいところも楽譜にあるアクセントをないがしろにせず、きちんと弾いている。
一部、ホルンとオーボエの非力さが見えるのが残念。それを除けば、バーンスタイン&ニューヨーク・フィルの東京文化会館ライヴ(Sony Classical)を超えるといってもよかろう。
 
なお、江崎友淑さんのページで、録音時の話を読むことができる→ここを押して
 
レナード・バーンスタイン(指揮)ウィーン・フィル、シベリウス;交響曲第5番(DGG)
「交響曲5番」が3つ並んだ。(^^)
先週の第7番ほどではないが、違和感の拭えないシベリウス。
この曲の持ち味である「晴朗さ」が生きてこないのだ。
特に、弦の厚ぼったい表情付けが煩わしい。
また、本来はウィーン・フィルの魅力であるはずのオーボエが、ここでは浮きまくっている。奏者の問題か、シベリウスが多用するような音程にウィンナ・オーボエが機構的・機能的に合わないといった問題でもあるのだろうか?
 
クラウス・テンシュテット(指揮)ベルリン・フィル、シューマン;4本のHrnのためのコンチェルトシュトゥック(EMI)
1978年、まだテンシュテットが「驚異の新人指揮者」だった頃の録音である。
馴染みのない曲なのだが、キビキビと小気味よい演奏だと思う。上記パレーの交響曲もそうだが、シューマン壮期の曲にはこういうアプローチが斉諧生の好みだ。
当時のベルリン・フィルのホルン・セクションも立派だが、できることなら、ラルス・シュトランスキーを筆頭に現在のウィーン・フィルのホルン会(@フォルカーの部屋)で聴いてみたいものだ。
 
トルルス・メルク(Vc)ハンス・フォンク(指揮)ケルン放送響、シューマン;Vc協(EMI)
正直言って、斉諧生的には、まだまだよく判らない曲である。メルクの演奏は例によって達者なものなのだが、それでも「?」印は外れない。
メルクの音には全く不満はない。ただ、ひょっとしたら、彼の実に良く鳴るチェロは、この曲には健康的すぎるのかもしれない。
 
ハインリヒ・シフ(Vc)ベルナルト・ハイティンク(指揮)ベルリン・フィル、シューマン;Vc協(Philips)
この曲への「?」を外せないものかと、ずいぶん前に買ったシフ盤を取り出す。
これは「チェリスト長谷川陽子の部屋」中「おしゃべり広場」で、長谷川さん御自身が「私はこの曲に関しては勿論ヨーヨー・マ、そしてシフがお気に入りです。」とおっしゃっていたもの。
冒頭のチェロ独奏、甘い音が憂いを帯びて美しい。思わずハッとした。
とにかく、この人の高音の甘い美しさは天下一品だろう。
低音の鳴りはあまり良くないし、ボウイングの切れもイマイチ、全体としては好みを外れるチェロだが。
いくぶん綿々と歌うところが、却ってこの曲には合っているような気がする。
 
トルトゥリエノラスイッサーリスといったあたりで、少しづつ聴いてみたが、どうも、まだまだ「?」は外れない。
もう少し勉強が必要なようだ。
 
トルルス・メルク(Vc)レイフ・オーヴェ・アンスネス(P)ショパン;Vcソナタ(SIMAX)
これも実は馴染みの薄い曲。
今やEMIの売り出しピアニストになったアンスネスも、録音時にはまだ20歳。しかし既に美しい音を聴かせる。
もちろん、メルクのチェロも負けずに美音で伸びやかに歌い抜く。
 
トルルス・メルク(Vc)コダーイ;無伴奏Vcソナタ(SIMAX)
ほとんどのチェリストがまなじりを決して挑戦して最後には気息奄々になりかねない曲なのだが、メルクは、余裕綽々で演奏しているようにさえ聴こえる。
特に、A線(チェロでいちばん音が高い線)の高域での音程の正確さと音の柔軟性は、他のどのチェリストも及びもつかない。他の人が音程だけで精一杯のところで(外しちゃう人もいる)、なお歌う余裕があるのだ。
一聴すれば「唖然、茫然」間違いなしの1枚である。
 
ヴァンサン・ヴァルニエ(Org)ジャン・スーリス(指揮)ジャン・スーリス声楽アンサンブル、デュリュフレ;レクイエム(Syrius)
思いがけず(と言ったら失礼か)、よい演奏だった。
独唱・合唱・オルガンとも上手く、最後まで気持ちよく聴けた。
静謐な美しさではグラーデン盤(BIS)に一歩を譲るが、宗教的心情の流露という点では上回るだろう。

7月24日(土): 

 通販業者からLPが届いた。

ピエール・アモイヤル(Vn)ほか、アルマン・ジョルダン(指揮)モンテ・カルロ国立歌劇場管、ベートーヴェン;三重協奏曲(仏ERATO、LP)
アモイヤルにこの曲の録音があるとは知らなかった。フレデリック・ロデオン(Vc)、アンヌ・ケフェレック(P)との顔合わせ、1978年5月の録音である。
贔屓のヴァイオリニストゆえ、とにかく購入。
 
アニー・ダルコ(P)モーリス・アンドレ(Trp)ジャン・フランソワ・パイヤール(指揮)パイヤール管、ショスタコーヴィッチ;P協第1番ほか(仏ERATO、LP)
この曲は好きな曲なので、見れば買っているのだが、通販業者のカタログでこの盤を見たときには吃驚した。
たしかに有名トランペット奏者を起用して録音されることのある曲だから、アンドレに吹かせた盤があっても不思議ではないのだが…
ピアノがフランス系の曲しか見たことのないアニー・ダルコ、その上、指揮がパイヤール! パイヤールのショスタコーヴィッチ!!
これは聴かねば…!とオーダーしたもの。
B面にはダルコの独奏によるピアノ・ソナタ第2番をカプリング。
 
テレーゼ・ファレ・フィジオ(指揮)ガブリエル・フォーレ合唱団、トマジ;12のコルシカの歌(仏DECCA、LP)
狂喜乱舞の一枚である。この盤が手に入る日が来るとは思わなかった。
学生時代にさる大学の女声合唱団の演奏会で聴いて、あまりの美しさに絶句した。その当時なら国内盤LPがテイチクから出ていたはずだが、買いそびれていた。
気づいたときには廃盤の憂き目。かろうじてFMのエア・チェック・テープを後生大事に抱えていた。
合唱関係者には隠れもない名曲の名盤だけに探す人も多いらしく、どこの店で聞いても「まあ無理でしょう」との返事。
先年、同じ指揮者・合唱団による再録音盤(SONPACT)が出たので飛びついたが、演奏の質は目を覆うばかりに低下していた。かろうじて東京少年少女合唱隊が3曲だけを歌った盤(カメラータ東京)で渇を癒していたものである。
テイチク盤にはIPG原盤の表示があったが、これはフランス・デッカ。1973年12月の録音で、当時流行していたクオドラフォニック・エンコード(4ch)の表示がある。
解説がごく簡単で歌詞カードが入っていないことからすると、あるいは再発盤かもしれないが、何の、大満足である。

 さっそく聴いてみる。

アニー・ダルコ(P)モーリス・アンドレ(Trp)ジャン・フランソワ・パイヤール(指揮)パイヤール管、ショスタコーヴィッチ;P協第1番(仏ERATO、LP)
なかなか面白く聴けた。
予想どおりというか、フランス風の美しい演奏、しかしながらパンチもサタイアもない。ショスタコーヴィッチとしてはいかがなものか。
とはいえ、聴く価値は十分にあった。
第2楽章で遅めのテンポで弦合奏が耽美的な美しさを聴かせるところ、第3楽章でピアノが奏でる詩的な高音の美しさ、そして貫禄十分ながら出しゃばらないアンドレの巧さ。
CD化してくれれば、一定の評価は得られると思うのだが。
 
テレーゼ・ファレ・フィジオ(指揮)ガブリエル・フォーレ合唱団、トマジ;12のコルシカの歌(仏DECCA、LP)
ああ、もう何も言うことはない、この美しい歌!
ピンと張った少女合唱特有の声質が清い。大人の女声合唱とも少年合唱の中間、色彩感と硬質さを併せ持っている。
そして時折見せるポルタメントが、青い微かな媚態を思わせるのだ。

7月23日(金): 

 

小林研一郎(指揮)チェコ・フィル、チャイコフスキー;交響曲第5番ほか(EXTON)
江崎友淑さんがCANYONから独立して新しいレーベルを興された。これはその第1回リリースから。
小林研一郎の「チャイ5」といえば、十八番中の十八番。
中でも、宇野功芳氏が絶讃しながらいまだにCD化されない幻の名演、新星日響を指揮した1982年6月28日のライヴ盤(FONTEC、LP)が有名である。
斉諧生は小林研一郎の実演にかなり接しているが、この曲は聴いたことがない。とにもかくにも期待して購入。
スラヴ行進曲をフィルアップ。
なお、新星日響盤の再発は、今後も望み薄だろう。オーケストラにすれば、あまり名誉でない仕上がりである。
 
小林研一郎(指揮)名古屋フィル、ショスタコーヴィッチ;交響曲第5番(EXTON)
上記同様、EXTONレーベルの第1回リリースから。
この曲も小林研一郎十八番の一で、斉諧生も1995年11月19日に京都市響を指揮した実演に接したことがある。
その時は、熱演ながら、「コバケンならば、もっともっと…」と思った。
ライナーノートによると、これまで2回にわたってライヴ収録しながら、「本当に成功したコンサート」のレベルに達していないためにリリースしなかったという。
この1999年2月18日の愛知県芸術劇場でのライヴ収録は、文字どおり三度目の正直、これも期待して購入。
 
ヴァンサン・ヴァルニエ(Org)ジャン・スーリス(指揮)ジャン・スーリス声楽アンサンブル、デュリュフレ;レクイエムほか(Syrius)
大好きなデュリュフレのレクイエムの新盤が店頭の試聴機に入っていたので、少し聴いてみたところ、合唱が良さそうなので購入。
この曲は管弦楽版もあるのだが、Org伴奏盤に佳演が多いように思う。これまでグラーデン盤(BIS)を愛聴してきたが、フランス系の演奏家の味に期待したい。
その他、
ミサ・クム・ユビロ
グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット
主の祈り
を収録。
なお、ライナーノートによれば通常12〜25人編成の合唱団なのだそうだが、この録音では33人がクレジットされている。

7月22日(木): 

 

ラルフ・カーシュバウム(Vc)バッハ;無伴奏Vc組曲(Virgin)
この曲集のCDも何組目になったろうか?? (^^;;;
先日、クラシック招き猫突撃!隣の盤ごはんだったと思うのだが、どなたかが(失礼、失念しましたm(_ _)m)、カーシュバウムをfavoriteとして薦めておられたので、気になっていた。
今日、久しぶりに覗いた"La Voce"に在庫があったので、購入してみたもの。

7月20日(祝): 

 通販サイトCD UniverseからCDが届いた。
 初めて利用したところだが、検索システムの使い勝手も良かったし、日本語サポートもあるようなので(後日メールが来た)、結構使いやすいかもしれない。
 なお、オーダーから2週間程度で入荷したことになる。

フェレンツ・ファルカシュ作品集(HUNGAROTON)
ファルカシュ(Ferenc Farkas)は1905年生まれ、没年は記載されていないので、まだ存命なのかもしれない。
1969年の作品「古風な小協奏曲」を、ミクロシュ・ペレーニ(Vc)が独奏しており、彼の音源は蒐集していることから、オーダーしたもの。
管弦楽はジョルジ・レヘル(指揮)ブダペシュト響、1974年の録音である。演奏時間9分40秒(^^;;;
その他、組曲「悪戯学生」「哀しみと慰め」等を収録。後者はヤーノシュ・フェレンチク(指揮)ハンガリー国立響の演奏。
 
ミクロシュ・ペレーニ(Vc)ロラン・スークス(P)ほか、コダーイ;Vcソナチネほか(PRAGA)
ペレーニの未架蔵音源の蒐集、続く。
コダーイのVc曲ではVcソナタ無伴奏Vcソナタが有名だが、この「ソナチネ」は、元来、ソナタの第1楽章として作曲されたもの。
1910年の初演時にはこの楽章が演奏されたが、その後、現行の第1楽章に差し替えられ、1922年に独立した楽曲として出版されたという。
1979年11月11日、プラハでのスタジオ録音。
その他、
ヨゼフ・スーク(Vn)アンドレ・ナヴァラ(Vc);VnとVcの二重奏曲(1967年9月5日)
ピエール・フルニエ(Vc)無伴奏Vcソナタ(1959年5月18日)
といったライヴ録音等を収める。
 
ジャン・ピエール・ロレー(指揮)フランス・オラトリオ管・合唱団、「世界でいちばん美しいレクイエム」(EROL)
このアルバム・タイトルをお読みになって、誰のレクイエムの録音と思われただろうか。モーツァルト? フォーレ? デュリュフレ? それともグレゴリオ聖歌??
答は、「そのすべて」。
あろうことか、16種のレクイエム等から部分部分を抜き出して並べ直して、「世界でいちばん美しいレクイエム」を構成した…という珍企画。
煩を厭わず、誰のレクイエムのどの部分を取り出しているか、書き抜いてみる。
INTROIT;グレゴリオ聖歌
INTROIT;シューベルト(D.433)
KYRIE;デュリュフレ
DIES IRAE&TUBA MIRUM;ヴェルディ
MORS STUPEBIT;テオドール・グーヴィ
REX TREMENDAE;ジェイムズ・デマース
RECORDARE;ロイド・ウェッバー
CONFUTATIS;ドヴォルザーク
LACRYMOSA;モーツァルト
DOMINE JESU CHRISTE;ベルリオーズ
HOSTIAS;プレイエル
QUAM OLIM ABRAHAE;アイブラー
SANCTUS;グノー;オラトリオ「死と生」
BENEDICTUS;ラッスス(5声)
HOSANNA;ケルビーニ
PIE JESU;リリー・ブーランジェ;ピエ・イェズ
AGNUS DEI;サン・サーンス
LIBERA ME;スッペ
IN PARADISUM;フォーレ
グレゴリオ聖歌、ラッススからロイド・ウェッバーまでという幅広さ! あまりの「ごった煮」ぶりに怒る人もいらっしゃるだろうか。
で、なぜこのディスクをオーダーしたかというと、↑太字のとおり、リリー・ブーランジェの「ピエ・イェズ」を収録しているから。全録音蒐集プロジェクトの一環である。
ライナーノートがフランス語だけのため、オーケストラや合唱団の正体はよく判らないが、合唱団は10団体の連合体の模様である。
1997年4月、パリでの録音。

 ちょっと特集的な聴き方をしてみた。

バッハ;無伴奏Vc組曲第1番
最近買い込んだ、比較的マイナーなチェリストの録音をまとめ聴き。
全6曲の中では地味な方の曲だが、プレリュードのアーティキュレーションなど、けっこう奏者ごとに差が出るはず…という目論見。
ヤン・フォーグラー(Berlin Classics)
斉諧生的には一番期待している若手なのだが、このバッハはちょっと期待はずれ。
古楽派を意識しているのか、どうもブツ切れのフレージングで、流れが重い。なんだか、譜読みをそのまま聴かされている感じ。
サラバンドも歌に欠ける。
ベートーヴェン、シューベルトなどは良かった人なのだが。
 
ペーター・ブルンス(OPUS111)
フォーグラーとドレスデンの首席を分け合うブルンス。
これも古楽派の影響が濃いチェロだと思う。音価を自由・短めに処理する傾向が強い。
クーラントがスピーディで面白かったが、全体の印象は、あまり強くない。
チェロの音も、斉諧生的には魅力を感じない種類のもの。
フォーグラーともども思うのだが、現代において、バッハを演奏する難しさを抱えているのが彼らの世代なのではなかろうか。
この2つの録音では、それが未消化のまま提出されている感じがする。
 
ラルス・ブロムベリ(Tonart)
その点、1935年生まれのブロムベリは、その手前で、自分が信じたバッハを演奏している。
美音ではないが、斉諧生的には好みの渋い音。
アルマンドでの音の張りは精神の輝きであり、サラバンドのたっぷりした足取りは大いなる自信を感じさせる。
メヌエットIでの独特のアーティキュレーションの剛毅なこと!
今日聴いた中では、最も感銘を受けた演奏であった。この曲集を愛する人には、ぜひ聴いていただきたい気がする。
 
ユリウス・ベルガー(Wergo)
聴いて面白く、知的な刺激に富む点では、随一。これも必聴の演奏だと思う。
プレリュードのテンポはかなり速め、開放弦の響きも美しい(ガット弦使用)。最後の小節ではガクンとテンポを落として、ゆっくり和音を開いていくのが、なんとも快感である。
クーラントは目の眩むような速さで駆け抜ける。実に小気味いい。
サラバンドが、余り歌わないのは残念だが、やはり古楽派の影響か。
メヌエットが無類に面白い。
Iでは、遅めのテンポをとり、アクセントを効かせながら、独特のフレージング。そして、あっと驚いたのは、普通の演奏とは逆に、IIの方が速くなること。実に新鮮で、これがまた美しい。
ジーグはリズミックに、鮮やかに弾ききる。
 
ナサニエル・ローゼン(John Marks)
ブロムベリやベルガーの後では、ちょっと分が悪い。
悪い演奏でないことは確かだ。誠実によく弾いている。
ただ、音的に飛び抜けた魅力があるわけではないし、解釈も中庸というか個性が無いというか。
 
ミクロシュ・ペレーニ(Vc)ジョルジ・レヘル(指揮)ブダペシュト響、ファルカシュ;「古風な小協奏曲」(HUNGAROTON)
極めて保守的な作風、パロディ的な要素もない。
ペレーニの音もおとなしく、淡々と、それなりに美しい旋律を奏でていく。
 
ミクロシュ・ペレーニ(Vc)ロラン・スークス(P)、コダーイ;Vcソナチネ(PRAGA)
現行のソナタ第1楽章は民俗的な要素を見事に昇華した素晴らしい幻想曲だが、こちらは何となくブラームスやリストあたりを連想させる手堅い作風。
ペレーニも気合の入った朗々たる演奏を聴かせる。いつもながら見事なものだ。
音は非常に生々しく、とても20年前の録音とは思えない。
 
ジャン・ピエール・ロレー(指揮)フランス・オラトリオ管・合唱団、「世界でいちばん美しいレクイエム」(EROL)
↑のラインナップを見て、いったいどうなることかと思ったが、意外に抵抗なく聴けた。相当考え抜かれた選曲のようだ。
モーツァルトのあと、静かにベルリオーズが導入されるのも、いい味わいだった。
合唱はかなり多人数、曲によっては大味。
肝心のリリー・ブーランジェ;ピエ・イェズは、ソプラノ独唱が、ちょっと場違いな大ぶりの歌唱でイマイチ。

 今日届いたブーランジェのCDのデータ・ジャケット画像をリリー・ブーランジェ 作品表とディスコグラフィに追加。


7月18日(日): 

 

ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮)北ドイツ放送響、ブルックナー;交響曲第4番(TAHRA)
先日聴いた7番がなかなか良かったので、今日はカプリングの4番を聴く。
結論としては、7番以上に良かった。ほとんど抵抗なく、みごとなブルックナーを聴くことができる。
譜面に忠実、アンサンブルはガッチリ、基本に徹しきった「凄さ」!
オーケストラの実力が、やや貧しい録音(聴きづらくはない)を超えて、実感される。とてもライヴとは思えない。
第1楽章、遠くに響くホルンが美しく、それを受ける木管の腰を落ち着けたリズムが心地よい。
79小節以降の第2ヴァイオリンの対位旋律を明確に鳴らすのも基本どおり。
119小節で加速するのが唯一、気になった箇所だが、その方が曲の弱さを救えるのかもしれないと思う。
↑で少し不安になったのだが、305〜329小節のクライマックスでは堂々と幅広いテンポをとってくれた。みごと。
365〜377小節でのフルート独奏はヴィブラートを排した音色が佳い。金管も含めて、この時代のNDR響の管の実力は目を見張るものがある。
第2楽章、9小節で主題を出すヴァイオリンの音色の繊細さ! 25〜30小節での弦合奏の美しい音色!
82小節以下のフルートも美しさの限り。
221小節以下のクライマックスでは、Langsamer指定を生かしてかなりテンポを落とすのが、ブルックナー・ファンには快感。ティンパニを押さえているのはチト物足りないが。
第3楽章も充実。
第4楽章では、最初に盛り上がってffで主題を出すところ(43小節以下)での腰の重いリズムがピッタリ。
また、たいていの凡庸な指揮者がテンポを上げる105小節で遅いテンポを維持しつつもたれないリズムで進めていくところ、他の諸盤を圧する素晴らしさである。
139小節以下ではティンパニを抑えてふっくらした響きを作るのが面白い。両論あるだろうが…。
237小節以下や310小節以下での金管の吹奏は見事見事、三連符でのリズムのタメも、ブルックナー好きのかゆいところに手が届くよう。
終結で1・2番ホルンが上下行する音型を強調するのは面白いバランス。
 
前に第7番を聴いた日にも書いたが、イッセルシュテットがブルックナーのスタジオ録音を残してくれなかったことは痛惜の極みだ。
 
レナード・バーンスタイン(指揮)ウィーン・フィル、シベリウス;交響曲第7番(DGG)
怖いもの見たさで聴き始めた。
いきなり、冒頭のティンパニが、たぶん硬いバチを使っているのだろう、これ以上ないほど明確に鳴る。もう次の低弦との音色のつながりも何も飛んでいるので、「あ、*違う*な」と思ってしまう。
そう開き直ると、ウィーン・フィルの弦合奏の分厚くて暖かい響きを、かえって楽しめるから不思議だ。
この曲の「核」となるトロンボーンの主題が、くっきり鳴らないのは非常に不満。2回目、3回目に出るところでも、ちょっと混濁気味になって音楽の意味を失っていると感じられる。
終結近く、ラルガメンテから弦だけになるところは、バーンスタインが唸りまくってマーラーの緩徐楽章のクライマックスの如し。
ここまで*違う*と、腹も立たない。オーケストラの豪奢な響きを楽しんだ25分間であった。
 
スザンナ・ステファニ(P)オレグ・カエターニ(指揮)ロベルト・シューマン・フィル、ピツェッティ;P協「盛夏の歌」ほか(MARCO POLO)
イタリアの作曲家らしからぬ抒情美である。北欧音楽の味わいさえ感じられる。
ちょっと、とりとめのない感じはするが、楽しめる曲だった。
 
ジネット・ヌヴー(Vn)ジャン・ヌヴー(P)ブラームス;Vnソナタ第3番(TAHRA)
1949年9月21日の録音ということは、ヌヴーの悲劇的な事故死の約1月前に当たる。
実に素晴らしい演奏である。これがスタジオ録音(並みの音質)であれば、この曲の決定盤としてもよいのではないか。ヌヴーの鼻息が耳につくのも、ちょっと惜しい。
音色もヴィブラートも美しく、弓が弦に吸い付くようなカンタービレの伸びが、尽きぬロマンの湧出を感じさせる。
決して派手に燃え上がる演奏ではないが、内側にたぎる情熱が輝きを放ち続けているのだ。
ヌヴーのソナタは、正規録音ではドビュッシーしか残されておらず、その意味でも、この録音には大きな価値があるといえよう。
 
エドアルド・ペロン(指揮)デトロイト聖母被昇天洞窟教会管・合唱団ほか、パレー;ジャンヌ・ダルク没後500年記念のミサ曲ほか(Grotto)
ちょっとアマチュアっぽい演奏である。
録音は極めて生々しく、ひょっとしたらオーディオ・マニア向きかもしれないが、演奏ノイズ等、普通に鑑賞するにはかえって抵抗があった。
 
モーゲンス・ダール(指揮)ユトランド室内合唱団、「ライヴ」(PAULA)
ステンハンマル;「後宮の庭園に」(3つの無伴奏合唱曲より)の演奏は、極めて美しいもので、満足満足。
曲によってはライヴ的な傷を感じるものもあったが、総体的には美しい音楽を美しい演奏で聴けて、よかった。
一つ驚いたのは、ニルス・ラ・クール(Niels la Cour)という人の「ラテン語による3つのモテット」第1曲
グレゴリオ聖歌の「今日キリスト生まれたまえり Hodie Christus Natus est」の旋律をそのままに、和声付けを施したものなのである。
実は、ブリテン;キャロルの祭典の第1曲も同じ手法なのだが、ラ・クールの方が美しいのではないか。
合唱関係者は、クリスマス・コンサート用に注目なさった方がよいかも。
ちょっと季節が早いか。(^^;;;

 さるステンハンマルの音楽を愛好される方から、スウェーデン音楽情報センター発行のステンハンマルのパンフレット(コピー)を頂戴した。
 その巻末に作品リストとディスコグラフィが掲載されており、それをもとにステンハンマル・作品表とディスコグラフィを改訂。
 これで、作品番号で欠番だったところが、op.41を除いて、すべて埋まった。
 また、ディスコグラフィでは、エリク・エリクソン(指揮);「スヴァーリエ」「3つの無伴奏合唱曲」の録音の存在が確認できた。CDになっているかどうかは不明だが、蒐集の意欲を新たにしたのであった。


7月17日(土): 

 

エドアルド・ペロン(指揮)デトロイト聖母被昇天洞窟教会管・合唱団ほか、パレー;ジャンヌ・ダルク没後500年記念のミサ曲ほか(Grotto)
このCDの存在を知ったのは、斉諧生現用のヘッドフォン、STAXの非公式ファンページからリンクが張ってあったTHE BINAURAL SOURCEのサイト。
名前のとおり、ダミー・ヘッドを使ったバイノーラル録音によるCDである。
ジャンヌ・ダルクの没後500年に当たる1931年、当時は作曲家としても知られていた名指揮者ポール・パレーが書いたミサ曲で、2種の自演盤の他、最近の録音(Reference Recordings)もあるなど、代表作とも言える作品。
その未知の録音とあらば、パレー・ファンとして入手せざるべからず。上記サイトからオンラインでオーダーしたもの(セキュア・モード付き)。
指揮のペロン師は、若い頃、パレーが指揮するデトロイト響の演奏に親しみ、なかんずく、1962年、離任に際して自作のみでプログラムを構成したコンサートで、このミサ曲を聴き、非常に強い印象を受けたという。
ライナーノートもペロン師の執筆で、8頁にわたり21の譜例を駆使した楽曲分析は圧巻。
演奏は、1998年の復活祭の期間中に行われた3回のライヴ録音から編集されたもの。オーケストラ・合唱団の詳細は、不明。
モーツァルトベッリーニドニゼッティシュポーアの声楽曲をカプリング。いずれも同教会でのライヴ録音。
なお、オーダーから入荷まで10日ほどだった。
 
モーゲンス・ダール(指揮)ユトランド室内合唱団、「ライヴ」(PAULA)
これはノルディックサウンド広島から送っていただいたCD。
ステンハンマル;「後宮の庭園に」(3つの無伴奏合唱曲より)を演奏しているので、購入したもの。
残念ながらステンハンマルはその1曲のみ、あとはノルゴーリンドベリ等の北欧曲のほか、ビクトリアモンテヴェルディヒナステララフマニノフ等を収める。
ユトランド合唱団は、1982年に現指揮者ダールが創立した25名編成の合唱団。1997年にヨーロッパ放送連合の合唱コンクールで1位入賞云々、とライナーノートにある。
そのコンクールでの歌唱を含め、ステージや生放送での録音を収録したCD。

7月16日(金): 

 祇園祭・宵山の人出の中、CD屋を廻る。

ジネット・ヌヴー(Vn)ほか、ベートーヴェン;Vn協&ブラームス;Vn協ほか(TAHRA)
ヴァイオリンのヌヴー、チェロのデュ・プレは、その音楽の強烈な説得力において、別格ともいうべき存在である。
また、両者とも悲劇的な最期を迎えたことも、逆に存在感を強いものにしている。
この3枚組はヌヴーのライヴ録音集成、ほとんどは未発表音源。これは買わずにいられないものだ。
ハンス・ロスバウト(指揮)南西ドイツ放送響、ベートーヴェン;Vn協(1949年9月25日)
独奏はきれいな音で、全く問題なし。管弦楽の分離がやや悪いが、年代を考えればやむを得ない。むしろ、当時のスタジオ録音よりも上かも。
これのみ既出音源。
ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮)オランダ放送フィル、ベートーヴェン;Vn協(1949年5月1日)
アセテート盤のサーフェス・ノイズ(?)があるが、ソロはきれいに入っているし、管弦楽もレンジは狭いものの歪み感がなく、聴きやすい。
ロジェ・デゾルミエール(指揮)フランス国立管、ブラームス;Vn協(1948年4月25日)
ヴァイオリンのエネルギー感は他の曲より入っているが、どこか、音が割れる感じがつきまとう。管弦楽の強奏は聴きづらい。
ジャン・ヌヴー(P)ブラームス;Vnソナタ第3番(1949年9月21日)
少し音が遠い感じで、ピアノのフォルテに飽和感があるが、ヴァイオリンはきれいに録れており、鑑賞には全く十分な状態である。
なお、インタビュー(1949年3月5日、9月10日)を収録、またポートレート等のミニ写真集付き。
 
ポール・バリット(Vn)キャサリン・エドワーズ(P)スタンフォード;Vn作品集(hyperion)
スタンフォード(1852〜1924)はアイルランド出身のイギリスの作曲家。
ロマン派音楽絶頂期のドイツに学び、帰国後は、アイルランドの民謡を素材にイギリスにおける国民楽派音楽の旗手として活躍した。
以前に「アイルランド狂詩曲」等の管弦楽曲を聴いたことがあるが、新譜でヴァイオリンとピアノのための作品集が出ていたので、買ってみた。
Vnソナタ2曲と「哀歌」「5つの性格的小品」を収める。
ヴァイオリニストも北アイルランド生まれ、イギリス室内管のコンサートマスターだそうだ。
 
パヌ・ルオスト(Vc)コダーイ;無伴奏Vcソナタほか(ALBA)
トルルス・メルクに驚愕して以来、北欧のチェリストというと、どうしても気になってしまう。
特に、フィンランドのレーベルからのリリースなので、ひょっとしたら、アルト・ノラスの弟子筋で、期待できるのではないか、と思って購入。
曲目も、好きなコダーイの他、クラム;無伴奏Vcソナタ(1955)、ハーヴェイ;プラトー曲線(1982)、リンドベリ;ストローク(1984)というもの。コダーイとクラムはメルクもSimaxに録音していたので、比べるのも面白いかもしれない。
ライナーノートによると、ルオストは1971年生まれ、シベリウス・アカデミーの出身だが、師匠はノラスではなく、リスト・ポウタネンという人。
なお、ALBAレーベルの公式サイトがある。
 
オットー・クレンペラー(指揮)ケルン放送響ほか、モーツァルト;歌劇「ドン・ジョヴァンニ」(TESTAMENT)
最近、TESTAMENTレーベルから、クレンペラーが色々出ているが、また大物が出現。
1955年5月17日、ケルンにおける演奏会形式での上演のライヴ録音である。クレンペラーが初めてこのオペラをイタリア語で上演した演奏なのだそうだ。
音的には、最上のモノラルとまではいかず、強奏時に濁ってしまうが、声も管弦楽も音はしっかりしており、エネルギー感は十分、懸念無用である。
主なキャストは、次のとおり。
  ドン・ジョヴァンニ  ジョージ・ロンドン
  ドンナ・アンナ    ヒルデ・ザデク
  ドン・オッターヴィオ レオポルト・シモノー
  騎士長        ルートヴィヒ・ウェーバー
  ドンナ・エルヴィーラ モード・クニッツ
  レポレロ       ベンノ・クッシェ
  ツェルリーナ     リタ・シュトライヒ
  マゼット       ホルスト・ギュンター

7月13日(火): 

 

河原泰則(Cb)ライナー・ホフマン(P)「ダブル・ベース幻想曲」(LARGO)
河原氏のコントラバスは、とにかく音程が良く、その点ではゲイリー・カーあたりよりも、気持ちよく、安心して聴くことができる。
ところが、LARGOレーベルから、2枚目の小品集が出ていることを、ずっと知らなかった。
収録曲は、ラフマニノフ;ヴォカリーズシューマン;アダージョとアレグロ等の編曲もの5曲と、ボッテジーニによるコントラバスのオリジナルを4曲。
あちこちの通販サイトで検索してみたがヒットせず、困っていたところ、上記レーベルのWebpageにOnline Shopのページがあることに気付き、さっそく発注したもの。
オーダーは7月5日だったから、1週間程度で届いたことになる。
ただし、オンラインではセキュア・モードに入らなかったので、御注意されたし。

7月12日(月): 

 

レナード・バーンスタイン(指揮)ウィーン・フィル、シベリウス;交響曲第5・7番(DGG)
斉諧生も参加している北欧音楽メーリング・リストで、カラヤンのシベリウスやバーンスタインのシベリウスが話題になっている。
カラヤンについては僅かながらCDも架蔵しており聴いたこともあるのだが、バーンスタイン晩年の演奏は、聴かずに敬遠してきた。
MLの投稿を拝読しても、どうやら指揮者の強烈な個性に染め上げられた演奏には違いないようだが、そこを評価する向きもあり、まあ一度は聴いてみようと、購入したもの。
第1・2番の録音もあり、あるいはそちらの方が抵抗が少ないかもしれないが、あえて、後期の曲を選んでみた。(^^;;;
 
リッカルド・ムーティ(指揮)ベルリン・フィルほか、モーツァルト;レクイエム・「アヴェ・ヴェルム・コルプス」(EMI)
知人から「アヴェ・ヴェルム・コルプス」のお薦め盤を尋ねられているのだが、意外と手持ちのCDが少なく、選択に困っている。
ここはスウェーデン放送合唱団ストックホルム室内合唱団を起用した録音を聴いてみないと…と思い、購入したもの。
御存知の方も多いと思うが、この両団、「合唱の神様エリク・エリクソンが組織・育成してきた、世界有数の―最高峰といえるかもしれない―合唱団である。
これと、あとは手持ちから、もう一人の合唱の神様ロバート・ショウ指揮のアトランタ響・合唱団盤(TELARC、アルバム・タイトルは"Choral Masterpieces")を挙げることになるだろう。

7月11日(日): 

 昨日届いたパレー盤のデータ・ジャケット画像を名匠列伝パレー・ディスコグラフィに追加。


7月10日(土): 

 大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コースのサマー・コンサートを聴きに行く。
 会場は、大学構内の音楽棟リハーサルホール。斉諧生の自宅からは、片道2時間強を要するのだが、ズラタン・スルジッチと、このオーケストラの音楽には、5月に聴いた「フィンランディア」「運命」で惚れ込んでいるので、苦にならないのである。
 Anja@SALONEN & AYA KINGDOMさん、sasaki@CD三昧日記さん、waiwai@misteriosoさん、他お二人と御一緒させていただいた。

今日は、ガラ・コンサート風のプログラム。
ソリストに選ばれた学生達の晴れ姿も初々しく、頬笑ましかった。
 
ペルゴレージ;スターバト・マーテル(第1・6・8・12曲)(第1・12曲は合唱による。第6曲独唱;谷原めぐみ、第8曲重唱;松本聖子・林加奈子)
第1曲は、ゆっくりした、しかし、もたれないテンポとリズムが素晴らしい。合唱も美演。
第6曲の独唱や第8曲の重唱は、ちょっと斉諧生的には不得手なジャンルなのだが、美しい声の歌唱だったと思う。声量や表現力は未だしの感もあるが。
 
マンフレディーニ;2本のTrpのための協奏曲(ニ長調)(重奏;丹下緒・山本育世)
バロック・トランペット(小さい楽器)は演奏が難しいと聞くが、なかなか良く吹きこなしていた。
これでもう少し発音にアタックがあれば、輝かしさが増したものと思われる。
2楽章のテンポがずいぶん遅く始まったので、吹けるのかな?と思ったら、この楽章、トランペットは休みなのだった。(^^)
いつもながら、このオーケストラの弦合奏は美しい。
 
ブルッフ;Vn協第1番(独奏;時本さなえ)
ようやく曲が斉諧生の得意分野に入ってきたので、楽しんで聴けた。ソリストも、なかなか上手な人で、音色・音程等、破綻なく弾きこなしていた。
ただ、この曲は、それだけでは物足りないものがある。
例えば、第1楽章冒頭のモノローグ風の楽想が、いわゆる「つかみ」の部分なのだが、そこが弱い。
ソリストとしてやっている人たちは偉いもので、美しい音色なり瞬発的な表現力なりで、聴き手をグッと引き込んでしまう。
そういう「太陽のような個性」というものは、まだお持ちでないようだ。
あるいは、モーツァルトあたりならば、もっと美質が発揮できたかもしれない。
また、この曲の独奏は、ほとんど休みなしに歌い続けなければならないため、メンデルスゾーンあたりより、よほど体力が必要だと聞いたことがある。
今日のソリストも、やはり第3楽章の後半では疲れが出た様子。気力で頑張っておられたのが印象に残った。
なお、この曲から管楽器・ティンパニが編成に加わり、味の濃い、分厚いトゥッティを聴くことができた。特に第3楽章でのティンパニの打ち込みが印象的。
 
(休憩)
 
モーツァルト;序曲「フィガロの結婚」
かなり速めのテンポで一気に運んだ「フィガロ」。
木管の吹奏が、もう少し冴えていれば、もっと映えていたと思う。
終結で、指揮者が第1ヴァイオリンを向いて、強奏を指示していたのが記憶に残る。
ここでティンパニと金管を強奏させると、実に派手な効果があがるのだが、そうしなかったところに指揮者の音楽性があるといえよう。
 
モーツァルト;P協第21番(独奏;宮川純子)
懸念していたことだが、学校のピアノの常で、楽器の状態が悪く、どこまでがソリストの音なのか、よくわからなかった。
けっこうケロケロ弾く人で、モーツァルトより、もっと技巧的な曲の方が向いていたかもしれない。
 
ストラヴィンスキー;組曲「火の鳥」(1919年版)
序奏冒頭、弦やトロンボーンの弱奏で実に不気味な雰囲気が表出されたところから、さすが…の表現力。
ここまでやや不調だった管楽器陣も、名誉挽回の演奏を聴かせた。
「カスチェイ王の踊り」での切って落とすような打ち込みの厳しさと迫力は、このコンビの本領だろう。
「フィナーレ」も大きく盛り上がり、まずまず満足できる出来映えとなった。
 
斉諧生的には前回の「フィンランディア」「運命」のような感銘を受けるには至らなかった。
協奏曲で、どうしてもオーケストラを押さえるバランスになったことも一因。
次回の定期演奏会では大曲に取り組むはずなので、大いに期待したい。

 帰りにタワーレコード@梅田に立ち寄る。

ベンジャミン・ブリテン(指揮)イギリス室内管、モーツァルト;交響曲第35番&ハイドン;交響曲第95番ほか(BBC)
BBCのライブラリーからのリリースの続きが出ていたので、2点購入。
モーツァルト・ハイドンとも好きな曲なので、ぜひブリテンの演奏でも聴いてみたい。
ブリテンのモーツァルト;交響曲の録音は、DECCAから第25・29・38・40番が出ており(CDあり)、いずれも名演の評判が高かったもの。
ハイドンは、第45・55番のモノラル録音が、やはりDECCAから出ていて、これは5月に国内盤CDが出たばかりである。
全収録曲と日時は次のとおり。
ハイドン;交響曲第95番(1965年6月16日)
モーツァルト;交響曲第35番(1972年6月19日)
ベートーヴェン;序曲「コリオラン」(1966年6月14日)
メンデルスゾーン;序曲「フィンガルの洞窟」(1971年6月13日)
ドビュッシー;牧神の午後への前奏曲(1966年6月14日)
 
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)シャペル・ロワイヤルほか、ベートーヴェン;交響曲第9番(HMF)
昨年の来日公演での好評を仄聞していたヘレヴェッヘの第九が店頭に並んでいたので、さっそく購入。
録音も1998年10月とある。
 
スヴィヤトスラフ・リヒテル(P)ベンジャミン・ブリテン(指揮)イギリス室内管ほか、モーツァルト;P協奏曲第22番・協奏交響曲K.364ほか(BBC)
ブリテンのモーツァルト、続けて購入。
リヒテルとのK.482(1967年6月13日)は確か海賊盤も出ていたが、正規音源からのリリースは今回が初めてだろう。
K.364(1967年11月27日)の独奏は、アマデウスQノーバート・ブレイニン(Vn)ピーター・シドロフ(Va)
アダージョとフーガK.546(1967年6月13日)をフィルアップ。
 
ナタン・ミルシテイン(Vn)ウィリアム・スタインバーグ(指揮)ピッツバーグ響、チャイコフスキー;Vn協&ブラームス;交響曲第1番(EMI)
米CapitolへのLP録音で、"FDS=Full Dimensional Sound"を謳い文句に、好録音として当時喧伝されたシリーズ。そのCD復刻、嬉しいリリースである。
ジャケット写真はミルシテインの大写しのみ、交響曲より協奏曲がクローズアップされているCDも珍しい。
協奏曲は1959年4月6日のスタジオ録音で、ミルシテインのアメリカ・デビュー25周年を記念して発売されたもの。
既に国内盤CDも出ていたが、リマスターに期待したい。
交響曲は1956年4月17日の録音。
 
ナタン・ミルシテイン(Vn)レオン・ポマーズ(P)ほか、「アンコール」(EMI)
上記協奏曲同様、米Capitolへの録音の復刻。
ポマーズとはクライスラーやポルディーニ等の小品14曲を演奏しているが、シマノフスキ;夜想曲とタランテラ・アレトゥーザの泉ピツェッティ;歌第3番あたりが面白そうである。
その他、ルドルフ・フィルクシュニー(P)ドビュッシー;Vnソナタ(モノラル、初出音源)、カルロ・ブゾッティとの小品3曲を収める。
なお、ドビュッシーのソナタを除いては、すべて東芝から出ていた「ミルシテインの芸術」(12枚組)に収められていた。
 
ウィーン・フォルクスオーパー・モーツァルト・アンサンブル、モーツァルト(ヴェント編);オペラ・ハイライト集(NIMBUS)
最近、「魔笛」の編曲盤が次々に入手できているが、また見つけた。
モーツァルト自身、グラン・パルティータK.361やセレナードK.388等を書いたように、当時のウィーンでは木管合奏が盛んに行われていた。
また、「ドン・ジョヴァンニ」第2幕に登場するように、流行のオペラのアリア等を木管合奏に編曲した音楽が、娯楽音楽として演奏されることも盛んだった。
ヴェントも、そうした木管合奏のオーボエ(コール・アングレ)奏者として活動し、多くの作品と編曲を残した人物である(1745〜1801)。
この編曲は、おそらく室内での演奏用に、フルートと弦楽三重奏のために書かれたものである。
演奏者はハンスゲオルク・シュマイサー(Fl)ベッティーナ・グラティンガー(Vn)ペーター・サガイシェク(Va)クリストフ・パンティヨン(Vc)
「魔笛」以外に、「後宮からの逃走」「ドン・ジョヴァンニ」が収録されている。いずれの編曲もオペラ初演から1〜2年のうちに出版されたという。
 
ポール・パレー(指揮)デトロイト響、「フランス・オペラのバレエ音楽」(米Mercury、LP)
これは朝、通販業者から届いたLP。
収録曲は、
グノー;「ファウスト」のバレエ音楽・ワルツ
サンサーンス;「サムソンとデリラlのバッカナール
ビゼー;「カルメン」のジプシーの踊り
ベルリオーズ;「トロイ人」の王の狩猟と嵐
マスネ;序曲「フェードル」
トマ;「ミニヨン」のガヴォット
いずれも既にCD化されているが、オリジナルのLPを購入した。
少々高価であったが、パレーのLPの中でもあまり見かけないものであり、ボーナスも出たことなので、思い切ったもの。

7月9日(金): 

 

フランス・ブリュッヘン(指揮)18世紀管、ハイドン;交響曲第82〜87番(Philips)
ブリュッヘン&18世紀管のハイドンなので、即、購入。
いわゆる「パリ・セット」の6曲である。
録音は1996年。ヴァイオリンにヴェラ・ベスルシー・ファン・ダールの名前がないのは少し寂しい。
 
オスモ・ヴァンスカ(指揮)ラハティ響、シベリウス;組曲「レミンカイネン」ほか(BIS)
ヴァンスカのシベリウスの新譜が出たので、即、購入。
今回は、有名な作品22、「カレワラ」による4つの伝説曲である。
例によって世界初録音をいくつか収めている。
第1曲「レミンカイネンと島の乙女」の初稿(1896年版)、第4曲「レミンカイネンの帰郷」初稿(1896年版)と終結の別稿(1897年版)、第3曲「トゥオネラのレミンカイネン」初稿の一部(1896年版)である。
 
鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン、バッハ;カンタータ全集第10巻(BIS)
BCJのバッハは揃えるつもりなので、購入。
BWV105BWV179BWV186を収録。
もっとも最近の巻は、なかなか聴けていないのだが…。(^^;;;

7月6日(火): 

 

フレデリク・プラッシー(Vn)ペーター・フェラネツ(指揮)スロヴァキア国立コシュツェ響、ブラームス;Vn協&ショーソン;詩曲(BNL)
前にハイドンの協奏曲で美音に魅せられたプラッシーの新録音が並んでいたので購入。
少し線が細い印象があるので、ブラームスは、ひょっとしたら外れかもしれないが、ショーソンには期待できるはず。
 
木野雅之(Vn)江崎昌子(P)「エクスタシー」(G-face)
木野氏のヴァイオリンは骨太の音色と強靱な技巧が好もしく、ずっと買っている。
ヴィエニャフスキ;創作主題による華麗な変奏曲エルンスト;「ハンガリーの歌」による幻想曲ヴュータン;「夢」パガニーニ;「魔女の踊り」サラサーテ;バスク奇想曲イザイ;「エクスタシー」の技巧的な小品を収録。
 
小糸恵(Org)バッハ;フーガの技法(Temperaments)
オルガンによる「フーガの技法」は、前にヴァルヒャ盤を聴いて感銘を受けた。
先日、奥座敷主宰、浮月斎大人の更新に、このディスクが取り上げられていたので、購入。
ボルドー・聖十字架教会のオルガン(1748年建造)による。
 
フィリップ・ピエルロ(指揮)リチェルカーレ・コンソート、ドイツ・バロック室内楽曲集第5巻(RICERCAR)
ついに発見!!
このところ探し続けていたフンク;4本のバス・ガンバのための組曲ニ長調の録音である。
ネットサーフの最中、ふと、だいぶ前にブックマークしたきりのサイトEarly Music FAQに行ってみた。
そこにサイト内のサーチエンジンが付いていたので、Funckを入れてみたところ、このディスクがヒットしたのである。
この時は曲目詳細まではわからなかったが、それが、なんとも運良くCD屋の棚にあったのである。
ジャケット裏には、"Suite F-Dur"とあり、ひょっとして別な曲かも…と思ったが、移調している可能性もあると思って購入。
開封してみると、ブックレットには、ちゃんと"D-Dur"の表示があり、聴けば、まさしく、探している曲だったのである。\(^O^)/
なお、ACANTA盤とは収録曲・曲順に若干の異同がある。
他にシャイトヘンツェルらの作品を収める。

 さっそく聴いてみる。

フィリップ・ピエルロ(指揮)リチェルカーレ・コンソート、フンク;4本のバス・ガンバのための組曲(RICERCAR)
やはり、ガンバ四重奏はチェロ合奏より美しい響きである。
リズム感・テンポ感も随分異なり、これは見つけることができて、本当に良かった。

7月5日(月): 

 

エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管、バルトーク;管弦楽のための協奏曲&ストラヴィンスキー;「春の祭典」(DUTTON)
ベイヌム時代のコンセルトヘボウは、アンサンブルといい、音色といい、きわめて魅力的。
このコンビの録音なら、ぜひ聴いてみたいと購入。
バルトークは1948年、ストラヴィンスキーは1946年のSP録音。エンジニアはケネス・ウィルキンソンである。
 
スザンナ・ステファニ(P)オレグ・カエターニ(指揮)ロベルト・シューマン・フィル、ピツェッティ;P協「盛夏の歌」ほか(MARCO POLO)
ピツェッティは20世紀イタリアの作曲家、グレゴリオ聖歌を取り入れた美しいレクイエムで知られる。
P協があることは鈴木康之・矢口正巳『無名名曲鑑賞会』(文化書房博文社)で知っていた。
「あたり一面草花の萌え立つような南国の自然の喜びとそれが過ぎ去っていく寂しさ、といった情景がこの作者特有の透明な叙情性をもって心象的に見事な迄に表出されている。」
という説明、これは聴きたい!と思っていたが、LPを含め、なかなか手に入らなかった。やっとCDが出たので、飛びついて購入。
ピアニストはフィレンツェ生まれ、タチアナ・ニコライエワアリシア・デ・ラローチャにも学んだ人だという。
指揮は、マルケヴィッチの息子、1996年以来、このオーケストラの首席指揮者とケムニッツ・オペラの音楽監督を勤めているという。
ロベルト・シューマン・フィルは、ドイツのケムニッツ(旧カール・マルクス・シュタット)のオーケストラ。
同じ作曲者の前奏曲「フェードラ」「炎の交響曲」(映画「カビリア」より)をフィルアップ。
 
ジャン・ピエール・ランパル&クラウディ・アリマニィ(Fl)モーツァルト;「魔笛」(抜粋)ほか(DELOS)
「魔笛」となると見さかいのない斉諧生、全曲盤はもちろん、ハイライト盤も編曲盤も、見つけたら買っていると思う。
ネットで少し検索していたら、このディスクの情報を発見、CD屋で探したらすぐ見つかったので、購入。
これは、2本のフルートのための編曲。ジャケット裏には「作曲者自編」とあるが、これは確か俗説のはず。
しかしランパルがDELOSに録音していたとは知らなかった。アリマニィはスペイン生まれ、あるいはランパルの弟子かと思ったが、バイオには師匠筋は明記されていない。
他にW.F.バッハブラヴェテレマンデュヴィエンヌの作品を収める。

7月4日(日): 

 

ジョージ・セル(指揮)クリーヴランド管、ハイドン;交響曲第99番(Sony Classical)
Heritageシリーズの1枚(旧譜)。
"First Stereo Release"とあるが、ステレオ感は薄い。音場が中央に偏っている。そういう事情でこれまで発売されなかったらしい。
それはともかく、これも素晴らしいハイドン。
第1楽章主部のアレグロは、クリアでしかも疾走感がすごい。
メヌエットは、やや重めのリズムがドイツ・オーストリアの良き伝統を感じさせる。しかも、一切、停滞しない。
フィナーレのコーダでトランペットが突出するのもセルらしく、頬笑ましい。(^^)
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)ソビエト国立響、ブラームス;交響曲第4番(露MELODYA、LP)
1960年11月25日のモスクワ音楽院大ホールでのライヴ録音。
今日聴いたマルケヴィッチのモスクワ・ライヴでは最も録音年代が古く、そのせいか、ワウのような音の揺れがある(特に第1楽章の初めの方に顕著)。
演奏は素晴らしい。マルケヴィッチの同曲にはラムルー管とのスタジオ録音(DGG)、日本フィルとのライヴ盤(学研)があるが、最上ではないか。
第1楽章、冒頭の四分音符を儚げに引きずりながら入ってくるが、基本テンポはやや速め。
ソビエトのオーケストラだが、ロシア色のようなものは一切感じさせない。どんなオーケストラを振ってもマルケヴィッチの色に染めてしまう感じだ。
展開部の立体感は立派、中でも219小節以降の弦のピツィカートを、p指定を無視して強奏させる効果がめざましい。
コーダではティンパニの強打が効果的で、音楽にコクを加えている。
第2楽章冒頭のホルンは実に英雄的な吹奏。
ここでは遅めのテンポをとり、ヴァイオリンがピツィカートで刻むリズムは、32分休符を意識したもの。
41小節以下で旋律を出すチェロの音色が美しく、対位旋律を受け持つ第1ヴァイオリンを強めるのも、また美しい。
第3楽章でも強めのティンパニが好ましく、実に「乗り」のよい音楽。コーダの第337小節で急ブレーキを踏むのもマルケヴィッチらしい。
第4楽章各変奏の描き分けを強く意識しているようだ。
第1変奏でティンパニが他を圧して響くのは、いつものマルケヴィッチ。第3変奏で管楽器より低弦を強調するのがユニークで効果的。第4変奏は粘っこいフレージングと思えば第5変奏では一転して流れの良い音楽…という風である。
進むにつれて、音楽も演奏も、どんどん立派になっていく。
こうして聴いていると、交響曲数多ある中で、音楽の完成度と充実度に関しては、この曲が随一ではないかと思える。
まことに名曲の名演奏といえよう。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)ソビエト国立響、ショスタコーヴィッチ;交響曲第1番(露MELODYA、LP)
1963年2月28日のモスクワ音楽院大ホールでのライヴ録音。
前半2楽章は、モノラルながらレンジが広く、鮮度の高い音がしている。残念ながら、第3楽章以降で、ずいぶん大味な音になってしまうが。
演奏は、極めて表現意欲に満ちたもの。フランス国立放送管を指揮したスタジオ録音もあるが、比べものにならない。
第2楽章のアレグロのリズムの鮮烈なこと!
第4楽章の途中に出るティンパニ・ソロは、裂帛の気合が聴くものの肺腑を抉る。
今日聴いた3枚に共通して言えることだが、1950年代後半〜60年代前半に録音されたフランスのオーケストラ(ラムルー管等)との演奏よりも、このソビエト国立響とのライヴの方が、マルケヴィッチの音楽がストレートに表現できていると思う。
貴重なシリーズであり、丁寧なCD復刻を望みたい。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)ソビエト国立響、ワーグナー;「タンホイザー」序曲・「ワルキューレの騎行」・「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲(露MELODYA、LP)
1963年5月25日のモスクワ音楽院大ホールでのライヴ録音。
いずれも、オーソドックスな響きを基本にしつつも、ところによっては非ドイツ的なアプローチを見せる、マルケヴィッチらしいワーグナー演奏。みなぎる覇気が、ワーグナーの神髄を突いている
「タンホイザー」では、冒頭のトロンボーンこそ僅かにヴィブラートがかかって、いかにもロシアのオーケストラだが、演奏が進むにつれて、すっかりマルケヴィッチの手に入ってゆき、最後に巡礼の動機が戻ってくるところでは、実に感動的な吹奏を聴かせる。
195小節以降、ヴァイオリンが8部に分かれるところで、かなりゆっくりしたテンポをとるのが印象的。
「ワルキューレ」は、迫力充分。
「マイスタージンガー」のみ、やや音が落ちる。後半、3つの動機が並行して動くところでは、軽くアクセントをおいた歯切れの良いリズムをとる。こういうあたりに非ドイツ的な印象を受ける。
 
ジョージ・セル(指揮)クリーヴランド管、バルトーク;管弦楽のための協奏曲(Sony Classical)
第1楽章冒頭のフルート独奏のほの暗い響きに、まず心を奪われる。オーボエも明るくなりすぎない。バルトークの音楽は、こうでなければ!
第3楽章冒頭のオーボエは絶佳。半音階の持つ色彩が見事に表出されている。この感覚は、現代の奏者の多くが失っているものだ。
第5楽章では、弦のアレグロのスウィング感がよい。ティンパニも表現力のある打ち込みを聴かせる。
問題のカットは、コーダ近く、弦を主体にした静かな音楽になるところ。確かに疑問。
 
イヴァン・フィッシャー(指揮)ブダペシュト祝祭管、バルトーク;管弦楽のための協奏曲(Philips)
第1楽章冒頭では、弦やフルートに、おののき、うちふるえるような繊細な表情が見られ、期待して聴き進めたが、ちょっと裏切られた。
健康的でインターナショナルな表現になっており、これなら、どこの国のオーケストラでも聴くことのできる音楽だ。
 
アンタル・ドラティ(指揮)ハンガリー国立管、バルトーク;管弦楽のための協奏曲(第3楽章)(Philips)
これは1969年、ドラティが里帰りしての録音。
冒頭の木管を主体にした音楽では、やや甲高い響きが凍り付くような「闇」を表現してやまない。これでこそ、ハンガリーのオーケストラが演奏するバルトークだ。
惜しむらくは弦合奏の響きが貧相なこと。演奏の問題か、録音もしくはCD化の問題か。
 
マイロン・ブルーム(Hrn)ジョージ・セル(指揮)クリーヴランド管、R・シュトラウス;Hrn協第1番(Sony Classical)
ライナーノートにあるブルームの談話では、録音の際、最初から最後まで通して演奏して、録り直しや編集はしていない…と言うことだ。
聴いてみても、あるいはそうかもしれないと思わせる勢いがある。
また、これはハイドンでもバルトークでも言えることだが、セルとクリーヴランド管の演奏には、どこか、室内楽的なアンサンブルの呼吸を感じるところがある。
 
チモフェイ・ドクシツェル(Trp)P・ポチュオレ(指揮)シベリウス・アカデミー管ほか、ショスタコーヴィッチ;P協第1番(Trp編)ほか(TRITON)
これは非道い編曲だ。決してお薦めできるようなものではない。
「美味しいメロディは、全部、ワシが吹く」という感じで、独奏ピアノからヴァイオリンからチェロから、どんどんいただいていくのである。
しかも摘み食いまでする。一つのフレーズの半分を自分が吹いて後半はピアノ任せ、などという破壊行為も厭わない。
旋律の改変やカットもやりたい放題・好き放題、第3楽章など頭と尻尾だけになってしまった。
名手も71歳になって(もちろんこの年齢でこの吹奏が可能なのは偉いが)、我が儘勝手がしてみたかったのか。
ライナーノートは木幡一誠氏、こういう演奏に「五線譜を縦横無尽に駆けめぐるドクシツェルの神出鬼没ぶりに圧倒される」とか「作品の根幹(パロディックな様相と名技性の追求)を…ドクシツェルの編んだ『トランペット版』が期せずして強調してみせる」などと提灯を持つのは、いったい、いかがなものか。
 
ミハイル・ペチュコフ(P)ユーリ・シモノフ(指揮)ボリショイ劇場室内管ほか、ショスタコーヴィッチ;P協第1番ほか(Great Hall)
この盤を引っぱり出してきたのは、ドクシツェルがトランペット・パートを受け持っているため。
奥座敷同人、工藤さんのショスタコーヴィッチ・ページ「貫禄の名演」と評されているとおり、ここでのドクシツェルは素晴らしい。
問題はピアノで、曲頭のソロはなかなかいい音で弾き始めるので一瞬期待させるのだが、進んでいくと、弦合奏とのアンサンブルは阿鼻叫喚の様相を呈する。
ピアノのアゴーギグが、おそろしく自分勝手なのだ。いくらライヴでも、これは酷い。
第4楽章の後半では調子が出てくるが、時すでに遅し。
第4楽章247小節でピアノが渾身のfffを叩くが、次の小節でトランペットがpで弱く吹き始めるのは、ひょっとしたら、ドクシツェルの皮肉かもしれない。
 
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ(Vc)ユージン・オーマンディ(指揮)フィラデルフィア管、ショスタコーヴィッチ;Vc協第1番(Sony Classical)
しばらく前に買ったHeritageシリーズの1枚。
この曲の初演が1959年10月9日(モスクワ)、その直後、11月8日にアメリカで作曲家臨席のもとに録音(もちろん世界初)されたのが、このディスク。
録音は良好、CD化も丁寧な復刻作業が行われており、音的には問題ない。さすがにチェレスタの音は丸っこいが…。
独奏チェロには意志的な緊張感を感じるが、感情のほとばしりといったものは見せない。
オーケストラも上手いものだが、この曲で重要な役割を果たすホルンとティンパニには、もう少し「破」の要素もほしい
やはり初演から間もないということで、もう一つ、曲が血肉になっていなかったのか、あるいは、作曲者の監修による世界初録音ということで規範的な演奏を…という意識が強かったのか。
この曲についても工藤さんのページを御覧ください。簡潔で要を得たコメントが素晴らしいです。

7月3日(土): STAXのイヤースピーカーを修理に出したことは6月27日の項に書いたが、それが戻ってきた。
 しかも、今日は再配達してもらったもので、最初に配達があったのは30日(水)だったから、即日、修理してくれたわけだ。
 前にLuxmanのCDプレーヤーの修理には1カ月ほどかかったことと比較すれば、STAXの良心的なサービスを強調しておきたい。
 なお、STAXのイヤースピーカーについては、非公式のファン・サイトもある。

 

「ベルリン・フィルの12人のチェロ奏者」(ACANTA)
とにかく素晴らしい響きだ。音程といい、音の張りといい、申し分ない。さすがベルリン・フィル。
フンク;組曲は全曲を通じて美しい。この演奏では、アルマンドが(コントラバス盤と比べて)かなり速いテンポだったので驚いたが、これはこれで良かろう。この曲は原曲のガンバ四重奏で聴いてみたい。
クレンゲル;讃歌の冒頭、持続音が重なっていくところの和音の美しさは感涙もの。重厚な和声に乗る旋律も、また感動的。
ブラッヒャーとフランセの曲も聴いていて飽きない面白さ、これはお買い得のCDといえよう。
 
カルマン・ベルケシュ(Cl)ミクロシュ・ペレーニ(Vc)バラージュ・スニョグ(P)スニョグ;トリオ・セレナード(HUNGAROTON)
よく見ると、作曲者がピアノを弾いているのだった。
一聴して驚いたのは、音の鮮度。とにかく生々しい。定位も前にグンと張り出してくる。Cl奏者の椅子の軋みまで、実に生々しく録れている。
これは放送用の録音らしいが、CD向けの加工を一切していないか何かなのだろうか。
曲は、非常に聴きやすいもの。大したことはないかもしれない。
とにかくペレーニの音が満喫できるので、嬉しい盤だった。
 
ル・トリオ・ディ・バセットほか、モーツァルト;「魔笛」(3本のバセットホルンとティンパニのための編曲)(K617)
音楽自体は、もちろん「魔笛」なので、とても楽しい。この音楽の幸せだけは、どんな楽器編成に置き換えても、不滅だろう。
2本のフルートへの編曲も知られているが、バセットホルンの音色の方が、「魔笛」の世界に近しいように思う。
ティンパニだけでなく、色々な打楽器が用いられ、風の音・雷鳴の音等まで響く。
更に、ところどころ、演奏者が台詞を喋っているのだが、これが実にいいところに入っている。全曲の中で、最も印象的な台詞を、しっかり押さえているのだ(冗談を言っているところもある)。
きっと、「魔笛」が好きで好きでしょうがない人たちに違いない…と、同病の斉諧生は思うのである。
なお、レーベルの公式ページがある。

 鮎の季節も終わりに近づいたので、トップページの画像を元へ戻す。
 また、開設以来初めて、コンテンツの表示を手直し。この間の更新の量・頻度などの実態に合わせた。


7月2日(金): 

 

セルジウ・チェリビダッケ(指揮)ミュンヘン・フィル、ベートーヴェン・ブラームス・シューマン;交響曲集(EMI)
EMIからのチェリビダッケ・エディション第3弾を購入。京都ではタワー・レコードが最も安かった。
ちょっと散財だが、ボーナス月ゆえ、目をつむることとする。
以下、収録曲と録音日を記す。
ベートーヴェン;交響曲第2番(1996年6月4日)
ベートーヴェン;交響曲第3番(1987年4月12・13日)
ベートーヴェン;交響曲第4番(1987年4月12・13日)
ベートーヴェン;交響曲第6番(1993年1 月25日)
ベートーヴェン;交響曲第7番(1989年1月20日)
ベートーヴェン;交響曲第8番(1995年1月4日)
ベートーヴェン;交響曲第9番(1989年3月17日)
ベートーヴェン;序曲「レオノーレ」第3番(1989年1月20日)
ブラームス;交響曲第1番(1987年1月21日)
ブラームス;交響曲第2番(1991年6月8日)
ブラームス;交響曲第3番(1979年6月20日)
ブラームス;交響曲第4番(1985年3月16日)
ブラームス;ハイドンの主題による変奏曲(1980年10月16日)
ブラームス;ドイツ・レクイエム(1981年7月2日)
シューマン;交響曲第2番(1994年11月29日)
それにしても、第1弾(チャイコフスキーほか)・第2弾(ブルックナー)とも、ろくに聴いていないのはなんとかせねば。
 
イヴァン・フィッシャー(指揮)ブダペシュト祝祭管、コダーイ;ガランタ舞曲・マロシュセク舞曲&組曲「ハーリ・ヤーノシュ」ほか(Philips)
このコンビのバルトーク・リストに次いでコダーイがリリースされた。ハンガリーの作曲家のアンソロジーを作ろうということだろうか。
標記3曲のほか、歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」からの器楽曲等を収める。
ブックレットに、コダーイが「アダムとイヴァンに」と署名したハーリ・ヤーノシュのピアノ版スコアのカラー写真が掲載されているが、なかなか楽しいイラスト入りの表紙だ。
斉諧生的には、録音する曲目の範囲をハンガリーからもう少し広げてほしいところ。当面、ミクロシュ・ペレーニを起用してドヴォルザーク;Vc協を。
 
ピエール・アモイヤル(Vn)フレデリック・チュウ(P)プロコフィエフ;Vnソナタ第1・2番ほか(HMF)
彷徨えるヴァイオリニスト(?)、ピエール・アモイヤル。ずっとERATOから出ていた人だが、最近、EMIやDECCAで見るようになっていた。
それにしてもHMFから出るとは思わなかった。(HMFのヴァイオリニストといえば、オリヴィエ・シャルリエだったが、彼はどうなったのだろう?)
アモイヤルは買うことにしているので、これも購入。
行進曲(「3つのオレンジへの恋」から)5つの旋律(op.35bis)を収録。
彼のプロコフィエフは、LP期にERATOからミシェル・ベロフ(P)でソナタ集が、アラン・ロンバール(指揮)ストラスブール・フィルの付けで協奏曲集も出ていた。
 
ピーター・ハーフォード(Org、指揮)ケンブリッジ・セント・ジョンズ・カレッジ聖歌隊、バッハ;オルガン小曲集(コラール付き)(DECCA)
「オルゲルビューヒライン」BWV.599〜644の全曲盤だが、2枚組。
というのも、各コラール前奏曲(Org)の前に、その元になった教会暦コラール(合唱)を演奏しているから。
なかなか面白い企画だと思い、珍しく国内盤を購入。
 
ロッテ・レーニャ(Vo)ほか、アメリカのシアター・ソング(Sony Classical)
先日買いそびれたHeritageシリーズの1枚を購入。
ヴァイルやアイスラーのシアター・ソングに加え、『三文オペラ』「マック・ザ・ナイフ(モリタート)」を2種類収めている。その片方は、ルイ・アームストロングとの共演で録音風景付き。
もちろんブックレットは、いつもどおり、貴重な写真満載の楽しいもの。

平成11年5月9日(日): 「作曲世家」に近代フランスの作曲家リリー・ブーランジェを追加。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」に近代スウェーデンの作曲家ステンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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