音盤狂日録


9月30日(土): クラシック招き猫の大阪オフミーティングに参加。日頃書き込みでしか存じ上げない方々の生身に接するのは、実に楽しい。(^^)

 

エミール・ナウモフ(P) シューベルト;Pソナタ第21番ほか(EMI)
ピアノ音楽に疎い斉諧生としては珍しく盛んに集めているピアニスト、ナウモフ。
彼にシューベルトの最後のソナタの録音があるとピアノ音楽に詳しい知人に聞いて、それは入手しなければと、あちこち探したのだが見つからなかった。
幸い↑の知人が、もう1枚見つけたから…と、譲ってくださった。感謝感謝。m(_ _)m
楽興の時D.780セレナードD.513(リスト編)をフィルアップ。
 
ニコラウス・アーノンクール(Vc) バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(TELDEC)
知識としては持っていたが、チェリストとしてのアーノンクールはノーマークだった。
↓21日の項に書いた『文藝別冊 カザルス』(河出書房新社)バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べのページで、
様々な実験的試みを取り入れつつ最終的には耳あたりの良い中庸の美を実現していて、名盤のひとつに数えられるべき演奏(吉村渓)
とあり、俄然、気になってしまった。
オフ会の前に立ち寄った音盤屋で見つけたので購入。
なお、録音は1965年頃。

9月27日(水): 

 加藤知子@フェニックス・ホールを聴く。
 知人に熱烈なファンがいて、いつもお薦めをいただいており、今年2月のベートーヴェン;Vn協京都市響では遠くの席からしか聴けなかった彼女の音を、間近に聴こうと思い立ったのである。

「J.S.バッハと私」と題されたホールの企画の一環で、
無伴奏Vnパルティータ第3番
無伴奏Vnソナタ第1番
無伴奏Vnパルティータ第2番
という曲目。
 
最初のパルティータ第3番で、猛然と弾き出されたプレリュードに吃驚。
全3曲を通じて、緩急や強弱の幅が広い、感興豊かなバッハであった。
その一方、どこか、「ロマン派以降の目で見たバッハ」という感じを受けた。バッハの音楽の生命に、ロマン派以降の語法でアプローチした…とでも言おうか。
斉諧生的には、もっとスタイリッシュなバッハ、バッハの音楽の内部から積み上げたような演奏が好きなので、輝かしい音を堪能しつつも、内心、ちょっと違う…という思いが拭えなかった。
特に、この曲のルールソナタ第1番シチリアーナなどの、ゆっくりした楽章で、音楽に内在する舞曲のリズムを感じ取りにくかったのは、マイナス。
 
こうした長短は、ソナタ第1番でも同様に感じた。
アダージョでは、息の長い歌い込みと盛り上がりには感心しつつも、シェリングが「受難曲」と評したような、沈痛でしかも崇高な趣は薄かった。
彼女の輝きのある強い音を聴きながら、
「これでブラームスを聴きたいな…」
などと考えていたのである。
 
前半の、バッハには大振りに思える演奏から予想したとおり、後半のパルティータ第2番、とりわけ高名なシャコンヌは、スケールの大きな名演となった。
冒頭の和音から実に力強く、雄大な演奏を聴くことができた。
聴き進むうちに、すっかり入れ込んでしまって、リズムに合わせて身体を揺らしたくなり、隣席の御迷惑を思って慎まねばという気持ちとの相剋に苦しんだほどである。
 
アンコールはソナタ第2番アンダンテパルティータ第3番ガヴォットとロンド

9月26日(火): 

 

シネ・ノミネ四重奏団ほか、シューベルト;弦楽五重奏曲ほか(CLAVES)
斉諧生が三重奏以上の室内楽では最も好む曲。新譜の棚で見つけて、買うかどうかしばらく迷っていたのだが、
『グラモフォン・ジャパン』10月号でヒューウェル・タークイ氏が
繊細でありながら力強い演奏を実現しており、(中略)どこからどう考えても、偉大な演奏だ。
と賞讃しており、購入に踏み切った。
シューベルト14歳の作序曲D.8をフィルアップ。
なお、五重奏でフランソワ・ギー(Vc)、序曲でミヒャエル・ヴォルフ(Va)が参加している。
 
ミクローシュ・ペレーニ(Vc)イムレ・ローマン(P)ほか、ボザイ;Vcソナタほか(HUNGAROTON)
ペレーニの未架蔵音源である。
ボザイの自作自演集を買ったことは14日の項に書いたが、そこで
なお、ブックレット巻末に、同じ作曲家のチェロ・ソナタをペレーニが演奏したCDの情報が掲載されていた。探求盤リスト入りである。
と書いたところ、いつも世話になっている知人が、東京の音盤屋に並んでいたのを入手して送ってくださった。またまた感謝を申し上げたい。m(_ _)m
ペレーニに献呈されたVcソナタは1988〜89年の作、2楽章構成で、第2楽章は1989年に死去したハンガリーの指揮者ジョルジ・レヘルの追憶に捧げられている。
カプリングは、Pソナタ第1・2番Vnソナタ
 
花岡和生(Bfl)ほか、オトテール;プレリュードと組曲(トラウト)
曲も演奏も録音もデザインも、それはそれは美しい花岡氏の個人レーベル、トラウトレコードの4枚目のCDが店頭に並んでいたので購入。
約30年前、花岡氏がフランス・バロック音楽を学んだ際、オトテールが書き残した教本を非常に参考になったそうだ。しかのみならず、独特の憂いと躍動感に満ちた美しい作品に魅せられ、多くのインスピレーションを与えられたという。
組曲集op.2から3曲と、プレリュードの技法op.7から6曲を収める。
共演は、福沢宏(Gamb)、野入志津子(Lute)、小島芳子(Cem)。

9月25日(月): 

 フォーグラー四重奏団@京都府立文化芸術会館を聴く。
 …といっても、注目は共演の村治佳織だろう。満席の上、補助席まで出る盛況であった。

今日の曲目は、
ハイドン;弦楽四重奏曲第75番
カステルヌオーヴォ・テデスコ;ギター五重奏曲
ロドリーゴ;祈りと踊り(G独奏)
ロドリーゴ;古風なティエント(〃)
ロドリーゴ;小麦畑にて(〃)
ヨーク;サンバースト(〃)
シューマン;弦楽四重奏曲第1番
というもの。
 
当初、ギターは五重奏曲のみで、メインにベートーヴェンの後期四重奏曲が予告されていた。ギター・ソロの追加は、やはり集客力の問題か…。(苦笑)
なお、サンバーストは、プログラム掲載のカステルヌオーヴォ・テデスコ;タランテラから、当日に変更されたもの。
 
舞台裏からチューニングの音が聞こえ、ややあって登場したメンバーを見てびっくり、上衣が燕尾ではなく、赤と黒のドレス・シャツのみ。
この二項対立的な色彩感覚は、やはりドイツ人のものだろう。
 
さて、1曲目のハイドン、まずは手堅いアンサンブルのお披露目といったところ。
上質のハイドン演奏から感じられる弾みのある愉悦感は、薄かった。
 
カステルヌオーヴォ・テデスコは、どうも曲の書法に馴染めないまま、終わってしまった。
独奏ギターと弦楽四重奏が対比的に書かれているようなのだが、音量的に前者は後者に遠く及ばないので、面白くないのである。
セゴビアのために書かれた曲だそうだが、彼はよほど音が大きかったのだろうか?
今日は弦楽側が音量を抑え目にしていたが、かえって音楽が貧相になってしまった。
 
さて、村治嬢の独奏4曲。
ロドリーゴは、CD発売以来、ずっと演奏会で弾きこんできただけあって、見事な出来。
リズムの切れ、弱奏の夢幻的な音色、歌謡旋律の歌い回し、いずれも耳を傾けるに足るものであった。
祈りと踊りを弾きおさめても席を立たず、緊張感を前身に漲らせたまま、古風なティエントに入っていったのは、素晴らしい趣向だった。
アンコール代わり(?)のサンバースト、バリバリ弾き抜くのかと思いきや、かなり抒情的な弾奏。ロドリーゴの気分を受けたのかもしれない。
 
メインと言うには少し規模の小さいシューマン第1番
一度も聴いたことがなかったのだが、カペーQのCD(BIDDULPH)があるのを見つけ、朝からCDウォークマンで聴いてみた。
彼の交響曲に似て、緩徐部分のロマンティックな味わいと急速部分のガッチリした音楽が特徴のようだ。
で、フォーグラーQの演奏だが、全体に感傷味は控え目、第1楽章の序奏も、あまりロマンティシズム濃いものではない。
第1Vnをはじめ、音色的な美しさには恵まれないのも、そういう印象を強くした。
一方、アンサンブルは堅固そのもの、臨時編成の四重奏とは次元が異なる感じ。
となると、ロマンティシズムが後退する一方、旋律美には欠ける急速部分だけが目だつことになり、曲の弱さを出してしまった。
 
アンコールは、メンデルスゾーン;弦楽四重奏曲第2番から第3楽章
これも第1Vnに豊麗な美音が聴かれないため、今ひとつ楽しめなかった。

9月22日(金): 

 中古盤で大量に購入。

ピエール・ブーレーズ(指揮)ほか、ウェーベルン;作品集第1巻(DGG)
 
ピエール・ブーレーズ(指揮)ほか、ウェーベルン;作品集第2巻(DGG)
 
ピエール・ブーレーズ(指揮)ほか、ウェーベルン;作品集第3巻(DGG)
 
シェーンベルク・ベルク・ウェーベルンの新ウィーン楽派は、斉諧生にとって、ずっと課題のままである。シェーンベルクは、先日、ようやく「浄められた夜」を耳に馴染ませることができた。
次はウェーベルンをと、先だって発売された6枚組コンプリート・ボックスの購入を検討していたが(輸入盤だと6,000円を下回る店もある)、中古格安でブーレーズの指揮による3枚が揃っていたので購入。
 
サウリュス・ソンデツキス(指揮)リトアニア室内管、グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」・2つの悲しい旋律ほか(Sacrambow)
「ホルベア〜」は好きで集めている曲、新譜の時は買うかどうか迷ったが、中古格安で見つけたからには買わざるべからず。
モーツァルト;ディヴェルティメント第7番K.205
モーツァルト;ディヴェルティメントK.136
シベリウス;悲しきワルツ
をカプリング。
 
ボリス・ベルキン(Vn)マイケル・スターン(指揮)ロイヤル・フィル、チャイコフスキー;Vn協ほか(DENON)
ベルキンは以前に京都市響定期でプロコフィエフ;Vn協第1番の名演を聴いて以来、注目している。
新譜の時は買うかどうか迷ったが、中古格安で見つけたからには買わざるべからず。
メロディ(「懐かしい土地の思い出」より)ワルツ・スケルツォ憂鬱なセレナードをフィルアップ、チャイコフスキーのヴァイオリンと管弦楽のための作品全集となっている。
 
ピエール・ドゥカン(Vn)テレーゼ・コシェ(P) フォーレ;Vnソナタ第1・2番(ERATO)
この2曲屈指の名演奏として著名な録音(1956年頃、モノラル)、平成2年に国内盤で復刻されたもの。
当時、輸入盤で持ちたいと見送ったところ、いっこうに本国ではCD化の様子がなく、あらためて国内盤を探していた。
ちょっと時間がかかったものの、中古格安で入手できて、目出度し目出度し。
 
ピエール・ベルナック(Br)フランシス・プーランク(P) プーランク;アポリネールらの詩による歌曲集(Ades)
プーランク歌曲集の規範的名演とされる、盟友ベルナックの歌唱と作曲家自身のピアノによる録音は、Adesレーベルから2枚のCDで発売されている。
既にエリュアールらの詩による曲を集成したものは架蔵していたのだが、残る1枚は通販サイト等では品切れとなっており、長らく捜し求めていた。
これまた、ちょっと時間がかかったものの、中古格安で入手できて、目出度し目出度し。

9月21日(木): 『200CD ウィーン・フィルの響き』Volker氏を買おうと書店に赴いたものの未入荷。代わりというわけでもないが、『文藝別冊 カザルス』(河出書房新社)が発売されており、表紙に「カザルス演奏・指揮 総解説」とあったので勇躍購入。
 カザルスの指揮を論じた一章は、残念ながら、もう一つピンと来ないものだが、愛弟子平井丈一朗や1961年来日時の関係者のレポート等に稀少な証言が見られる。

 彼はオーケストラから豊かな音楽をひき出すために時には立ち上がって大声で叫び、また、ある時は身を沈めてピアニシモを指示した。
 楽員の歌い方が足りない時、カザルスは「冷たい! 冷たい!」と叫び「もっともっと暖かく、ハート、ハート!!」と連呼した。
 また、我らが長谷川陽子さんが「カザルスの音色」と題するエッセイを寄せておられるのも嬉しいかぎり。

 

ジョージ・セル(指揮)クリーヴランド管、モーツァルト;交響曲第40番&シベリウス;交響曲第2番ほか(Sony Classical)
発売早々、Webのあちこちで讃辞を見かけるセルの東京ライヴを購入。
1970年5月22日、大阪万博に際して初来日したときの東京公演初日のライヴ録音。
これに先立って大阪で4回(うち2回はブーレーズが指揮)、京都で1回の公演があったそうだが、斉諧生は当時まだ小学生、何も知らなかった。
収録は当日の全曲目、標記以外に
ウェーバー;歌劇「オベロン」序曲(1曲目)
ベルリオーズ;ラコッツィ行進曲(アンコール)
を演奏している。
 
田部京子(P)マルティン・ジークハルト(指揮)リンツ・ブルックナー管、ベートーヴェン;P協第4・5番(DENON)
先だってCHANDOSから発売されたシベリウス;P曲集が佳かった田部さんの新譜が出たので購入。
管弦楽が斉諧生贔屓のジークハルトというのも嬉しいところ。
 
チャバ・オンツァイ(Vc) バッハ;無伴奏vc組曲第1〜3番(NAXOS)
 
チャバ・オンツァイ(Vc) バッハ;無伴奏vc組曲第4〜6番(NAXOS)
オンツァイは、ハンガリー・ブダペシュトのリスト音楽院でチェロの教授を務める人。
日本人留学生も多く学んでいるようで、Webpageもいくつかある。
例えば→ここを押して。また→ここを押して。前者には写真のページもある→ここを押して
↑で名前は知っていたのだが、NAXOSのカタログを眺めていて、彼の録音があることに気づいた。
斉諧生が尊敬するミクローシュ・ペレーニと肩を並べて教授職にある人のチェロならば是非一度試してみたいと購入。
帯の宣伝文句に曰く、
こんな暖かな孤独なら幸せかも知れない
知り尽くした男の優しさが香る
人によっては失笑するかもしれないが、斉諧生的には心惹かれるものがあったことも、付記しておきたい。
前半3曲が1992年10月、後半3曲が1994年2月、ともにブダペシュト、ユニタリアン教会での録音。

9月19日(火): 

 中古屋で収穫。

オスカー・シュムスキー(Vn)アルトゥール・バルサム(P) モーツァルト;Vnソナタ集(ASV)
大ベテラン・ヴァイオリニストの中では、ジョルジ・パウクと並んで好きな、シュムスキーの未架蔵盤を見つけたので購入。
CD4枚組で、モーツァルトの主なVnソナタと変奏曲を網羅している。
ソナタはK.296、K.301、K.302、K.303、K.304、K.305、K.306、K.376、K.377、K.378、K.379、K.380、K.454、K.481、K.526、K.547、
変奏曲はK.359とK.360を収録。ピアノが老練バルサムというのも嬉しい。
Musical Heritage Society原盤、1983〜86年の製作。アナログ録音ゆえ、いずれはLPで入手したいものである。

9月17日(日): 

 関西シティフィル第31回定期演奏会(指揮:ズラタン・スルジッチ)@シンフォニー・ホールを聴く。
 アマチュアのオーケストラだが、マエストロ・スルジッチの音楽にはかねて注目しており、聴き逃せない。

今日の曲目は、
ファリャ;「三角帽子」第2組曲
R・シュトラウス;Hrn協第1番(独奏;池田重一)
ブラームス;交響曲第3番
というもの。
 
クロアチア出身、ザグレブ・フィル等でマタチッチの薫陶を受けたというマエストロが、ファリャ;「三角帽子」第2組曲を得意にしているというのは、ちょっと意外。
なんでも、賑やかな曲がお好きらしい。(^^)
 
第1曲セギディーリャ冒頭、ヴァイオリンに出る主題の表情の優しいこと! 
「お国もの」的に振る人ならもっと扇情的なアクセントをつけるところだが、それをしないところがマエストロの真っ当な音楽性を示すものか。
第2曲ファルッカでは威厳のあるリズムが迫力を生み、第3曲ホタでも的確なコントロールで見事な盛り上がりを演出した。
 
R・シュトラウス;Hrn協第1番というと、昨年3月にラルス・ストランスキー@ウィーン・フィルが、かぶとやま響で吹いた名演が印象に残っている。
彼には録音もあり(プレヴィン盤(DGG))、これまた超名演。
↑を聴いていると、この曲は、つくづくウィンナ・ホルン向けだと思わされる。
 
今日のソリストは大阪フィルの首席ということで、もちろんドイツ風の音を十分意識したホルンなのだが、どうしてもフレンチ・ホルンの明るく軽い音色が顔を出す。
破綻のない美しい吹奏だったのだが、斉諧生的には違和感を拭いきれなかった。
オーケストラも好演、第1楽章でホルンを助奏するチェロのソリなど、美しい音色に目を見張った。
 
メインのブラームス;交響曲第3番では、第1Vnに16人を擁する弦合奏に対し、木管は重複させない2管編成。
もちろん熟慮の上の措置であろうが、少なくとも斉諧生の座席(2階RGブロック)では、木管の響きが薄く聴こえた。
一方で、人数の多い弦は、音程に幅が感じられ、極めどころが極まりきらないもどかしさ。
 
ところが、そういう技術的な不満を乗り越えて、ブラームスの音楽が、どんどん心に届いてくるのには感銘を受けた。
両端楽章では、やや腰の重いリズム・にがい響きがペシミスティックな男性美を、
中間楽章では、心のこもった一節々々が、秋風の吹くような寂寥感を、
聴き手の心に伝えてやまない。
 
そして終楽章のコーダは、まこと壮大な落日となった。
 
マエストロの音楽性と、それに触発されたオーケストラの共感の、見事な精華だったのであろう。
 
アンコールは、これまたマエストロ十八番のブラームス;ハンガリー舞曲
第1・6・5番と、3曲がサービスされた。
 
次回は平成13年3月31日(土)、マーラー;交響曲第5番という大曲。おおいに期待したい。

 演奏会前に大阪の音盤屋を巡回。またMikrokosmosからLPが届いた。

大野和士(指揮)バーデン州立歌劇場管、チャイコフスキー;交響曲第4番ほか(ANTES)
注目の指揮者、大野和士の新譜のうち未入手のものを購入。
これは1998年6月7・8日、カールスルーエでのライヴ録音で、グバイドゥリーナ;Vc協「いまだ祭は高らかに」をカプリング。
大野和士ファンページディスコグラフィによれば、
チャイコフスキーは、都響を振った名演を髣髴とさせる、力のこもった演奏
とのこと、期待したい。
なお、協奏曲の独奏はダヴィド・ゲリンガス
 
ポール・パレー(指揮)デトロイト響、シューマン;交響曲第4番&リスト;交響詩「前奏曲」(米Mercury、LP)
先だってCD化され、好評を博したパレーのシューマン;交響曲全集のうち、唯一モノラル録音の第4番。
もちろんLPも架蔵済みだが、より状態の良い盤を求めて、オーダーしてみたもの(もちろん格安だったが)。
 
ディーター・ツェヒリン(P)ヘルベルト・ケーゲル(指揮)ライプツィヒ放送響、バルトーク;P協第3番&コハン;P協(独ETERNA、LP)
ケーゲルの未架蔵音源を発見したのでオーダーしたもの。
なかんずくバルトーク最晩年の作とあっては興味津々。
コハン(1930年生)の曲は、前に管弦楽のための協奏曲とのカプリングのLPを架蔵している。
この盤には記載がないが、↑のLPにコハンの作品は1961年録音とある。バルトークも同時期の収録であろうか。そのわりにはモノラル盤なのが残念。
 
ピエール・モントゥー(指揮)ローマ歌劇場管、ヴェルディ;歌劇「ラ・トラヴィアータ」(全曲)(米RCA、LP)
白髭翁モントゥーが遺したオペラ全曲盤3種の一。音源としては架蔵済みだが後代の廉価盤のため、より初期の盤を求めてオーダーしたもの。
1950年代半ばの録音で、主要な歌手は
  ヴィオレッタ  ロザンナ・カルテリ
  アルフレード  チェーザレ・ヴァルレッティ
  ジェルモン   レナード・ウォレン
という顔触れ。
業者の包みを開封したら、やけに分厚いボックスが出てきて吃驚したが、なんと、リブレット以外に、原作の小説(デュマ・フィス作)が、まるごと別冊で付属しているのであった(英語訳)。
3種のうち残る「マノン」「オルフェオとエウリディーチェ」はCD化されているが、これはまだ。モノラル録音であることが妨げになっているのだろうか。
早く、丁寧に復刻されることを望む。

9月16日(土): 先般公開したミクローシュ・ペレーニのページが望外の評価を頂戴して、恐縮しております。前後して、Web上の知人がペレーニの記事を掲載されているので、御紹介申し上げます。

KUMO@KUMO'S HOMEPAGEさんの「クラシックで暮らしっ苦」
 
かとちぇんこ@KLASSISCHER PLATZさんのKLASSISCHE MUSIK 1!2!3!

 ミクローシュ・ペレーニディスコグラフィに、一昨日購入したCDの情報、お知らせいただいた情報を追加。
 また、リリー・ブーランジェのページに、一昨日購入した訳書の情報と該当の訳詞を掲載。→ここを押して


9月15日(祝): 

 通販業者からLPが届く。

ミヒャエル・スチューダー(P)ティボール・ヴァルガ室内管、モーツァルト;P協第9番ほか(瑞CLAVES、LP)
名ヴァイオリニスト、ヴァルガの指揮盤ということでオーダーしたのだが、現物には指揮者の名もピアニストの弾き振りとも記載されていない。
彼がコンサートマスター席から全体をリードし、音楽を作ってくれているとよいのだが、確認のしようもない。
ピアニストはベルン音楽院からパリ音楽院に進み、イヴォンヌ・ルフェビュールに学んだとのこと。
Pソナタ第2番K.280をフィルアップ。
 
ピエール・アモイヤル(Vn)テオドール・グシュルバウアー(指揮)バンベルク響、メンデルスゾーン;Vn協ほか(仏ERATO、LP)
アモイヤルの美音はLPで聴きたいと、ずっと集めている。
未架蔵のメンデルスゾーンがカタログに出ていたのでオーダーしたもの。
指揮のグシュルバウアーは懐かしい名前。序曲「フィンガルの洞窟」序曲「美しきメルジーネ」をカプリング。

9月14日(木): 書店でフランシス・ジャム『桜草の喪・空の晴れ間』(手塚伸一訳、平凡社)を購入。
 作曲世家に掲げたリリー・ブーランジェは歌曲を多く作ったが、そのうち最も大規模な歌曲集"Clairières dans le ciel"は、フランスの詩人フランシス・ジャム(1868生〜1938没)の同名の詩集から選んだ詞に付曲したものだが、録音は輸入盤でしかリリースされておらず、訳詞に接することができなかった。
 先日、ふと思い立ってWebで検索してみたところ、手塚伸一氏が『フランシス・ジャム全詩集』(青土社、1992年)という訳業を出版されていることを知った。
 さりながら大部なものゆえ手を出しかねていたところ、更にオンライン・ブックストアで検索してみて、その一部が平凡社ライブラリーから再刊されていることがわかった。
 いくつかのサイトのうち在庫が確認できたジュンク堂BOOKWEBにオーダー。ここは最寄りの店舗での受け取りだと送料を賦課しない方式なので(当たり前と言えば当たり前だが)、今日、外出したついでに京都店で引き取ってきたもの。
 架蔵CDの英訳と対照してみたところ、付曲された詩についてはすべて収録されており、訳詞を確認することができた。
 
 なお、この歌曲集の題名の邦訳には長く悩んでおり(直訳すれば「空の空き地」となる)、これまで「空のひらけたところ」としてきた。
 この曲集の歌詞は、元来、「悲しみ Tristesses」という題の長詩からの抜粋だが、原題ではあまりに暗いことから、作曲者が詩人の諒解を得て、詩集全体の題名"Clairières dans le ciel"を採ったものである。更に遡ると、これは別な詩の題名で、詩集を編む際に、詩は「神のうちに En Dieu」と改題、"Clairières dans le ciel"は詩集全体の題名とされた。訳者は書名のとおり「空の晴れ間」とされているところである。
 原詩「神のうちに En Dieu」を閲するに、"Clairières dans le ciel"は宗教的な意味をこめて「天の入り口が開く」とでもする方が適当かもしれない…という気もする。
 しかしながら、曲集に採られた「悲しみ Tristesses」は、ある少女との実らなかった恋を詠う悲歌であり、宗教的色彩は薄い。
 これらの情況を勘案して、宗教的な「天」も即物的な「空き地」や「晴れ間」も避け、これまでどおりの「空のひらけたところ」を用いることとしたい。

 

ヤーノシュ・フェレンチク(指揮)ハンガリー国立管、ベートーヴェン;交響曲第3番(DENON)
フェレンチク最晩年の遺産(1983年12月録音)が、CD最初期に国内発売されたもの。
さきにLPで入手したのだが、
(デジタル録音ゆえ)できればCDで聴きたい(略)LPでは第2楽章の途中で盤をひっくり返さなくてはならず、興をそぐ
云々と書いたところ、知人が中古盤を発掘して送ってくださった。ここでも感謝を申し上げたい。<(_ _)>
 
ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮)モスクワ放送チャイコフスキー響、ショスタコーヴィッチ;交響曲第10番ほか(RELIEF)
今月、東フィルへの客演が突如中止になってファンを落胆させたが、最近のフェドセーエフからは目が離せなくなってきた(スヴェトラーノフも同様)。
RELIEFレーベルからの新譜はなるべく買おうと思っているところ、未架蔵のショスタコーヴィッチが音盤屋に並んでいたので購入。
1998年の録音、ロマンス(映画音楽「馬あぶ」より)をフィルアップ。
 
レオニード・コーガン(Vn)ピエール・モントゥー(指揮)ボストン響、ハチャトゥリアン;Vn協ほか(BMG)
幻の名演の待望のCD化、買わざるべからず。
1958年1月、33歳のコーガンは、ボストン響とブラームス;Vn協を演奏してアメリカ・デビューを果たした。これは、その直後、RCAによってスタジオ録音されたもの(サンサーンス;ハバネラを併録)。
初演を担当したオイストラフの録音が知られているが、コーガンが技巧の冴えを聴かせる当盤も重要。長らく入手困難だったので、LIVING STEREO規格による丁寧なCD化は大いに歓迎したい。名匠モントゥーの貴重な遺産でもある。
フリッツ・ライナー(指揮)シカゴ響によるプロコフィエフ;アレクサンドル・ネフスキーをカプリング。
 
アンドラーシュ・シフ(Fp)塩川悠子(Vn)エーリヒ・へーバルト(Va)ミクローシュ・ペレーニ(Vc) モーツァルト;P四重奏曲第1・2番(DECCA)
日曜日に情報を頂戴したCD。オンライン・ショップで検索しても出てこないので絶望していたところ、運良く京都の音盤屋の棚に埋もれているのを発掘でき、狂喜して購入。\(^o^)/
ザルツブルク・モーツァルテウム所蔵のモーツァルト遺愛のフォルテピアノ(アントン・ヴァルター作、1780年頃)・ヴァイオリン(ミッテンヴァルト製、18世紀中葉)を使用したという、TELDECから出たピアノ三重奏曲集と同趣向の企画。録音はDECCAが1年先行している。
 
アッティラ・ボザイ(ツィター、リコーダー)ミクローシュ・ペレーニ(Vc)ほか、ボザイ;自作自演集(HUNGAROTON)
ペレーニの新音源が発売されていたので購入。録音自体は1978年だが…。
ペレーニが参加しているのは
即興第2番、リコーダーと弦楽三重奏のための作品で、作曲者がリコーダー、エステル・ペレーニ(Vn)、シャーンドル・パップ(Va)というメンバー。
その他、作曲者がツィターを弾いての
ツィター独奏のための即興
ツィターと管弦楽のためのペッツォ・コンチェルタート第2番(ジェルジ・レヘル(指揮)ハンガリー放送響)
ツィターとツィンバロンのための「鏡」(マールタ・ファービアーン(ツィンバロン))
等を収録。
ボザイは1939年生まれ、1999年没。あるいは追悼盤として企画されたものかもしれない。
なお、ブックレット巻末に、同じ作曲家のチェロ・ソナタをペレーニが演奏したCDの情報が掲載されていた。探求盤リスト入りである。

9月13日(水): 

 バークシャー・アウトレットから荷物が届いた。枚数を多く注文すればするほど安くつく仕組みなので、今回のオーダーはちょっと少な目だが、それでも@1,250円程度。

イヴァン・フィッシャー(指揮)ブダペシュト祝祭管、ブラームス;ハンガリー舞曲集(全曲)(HUNGAROTON)
この組み合わせは、先だってPhilipsから発売されたが(1998年録音)、これは1985年録音のもの。
新録音について、前に
いつもの彼らの演奏よりは、粗いものを感じる。
等と不満をこぼしたところ、読者の方から「旧録音はもっと精彩があった」とメールをいただき、長らく捜していた。
一般のオンライン・ショップでは出てこなかったのだが、ここで見つかったのでオーダー。このへんがアウトレット・ショップの醍醐味だろう。
Philips盤同様、ツィンバロン(カールマーン・バログ)や独奏Vn(アンドラーシュ・ケラー)をフィーチャーした演奏。
管弦楽編曲は、一部を除いて新盤と共通、ただし指揮者の手が入っているかどうかについて異同がある。
 
エサ・ペッカ・サロネン(指揮)ストックホルム室内管、シェーンベルク;「浄められた夜」・弦楽四重奏曲第2番(弦楽合奏版)(Sony Classical)
超有名曲ながら、ずっと苦手にしていた「浄められた夜」。
先日、『グラモフォン・ジャパン』9月号の「名盤コレクション」欄で取り上げられており、それとスコアを見ながらブランディスQ盤(NIMBUS)を聴いてみると、実にわかりやすかった。
で、ずっと手が出なかった当盤を買う決心がついて、オーダーしたもの。
もっとも上記欄では
サロネンの演奏はアンサンブルに際だった特徴がなく、感情的カタルシスが不足気味
と評されているのだが…。
 
ミクローシュ・ペレーニ(Vc)ジョルジ・クルターク(チェレスタ)ケラーQ、クルターク;弦楽のための音楽(ECM)
Webをペレーニの名で検索、ECMにCDを見つけた。ハンガリー系の現代作曲家の録音に参加することが多い人である。
ここではリガトゥーラ:フランセス・マリーへのメッセージ(答のない質問への答)という曲の演奏に加わっている。即興的な動きのある曲だそうで、2とおりのバージョンが収められている。
その他、
遠方よりIII小聖務日課弦楽四重奏曲等を収録。
あちこちの通販サイトを調べて、最も安かったバークシャーにオーダーしたのだが、直後に地元の音盤屋の店頭で発見、臍を噛んだ。(苦笑)
 
ポーラ・ロビソン(Fl)エリオット・フィスク(G) 「ラテン・アメリカの歌」(MUSIC MASTERS)
現存のフルーティストの中では、けっこう好きなロビソン。日本ではあまり発売されないが、輸入盤ではかなりの録音がある。
折を見て少しづつ買っているのだが、ピアソラ;タンゴの歴史など、ラテン・アメリカ系の楽曲をギターと演奏した盤をオーダーしてみた。
残念ながらピアソラは全曲ではなく、「ナイトクラブ1960」「売春宿1900」のみを収める。
その他、ヴィラ・ロボス;アリア(バッキアーナス・ブラジレイラス第5番より)カザルス;鳥の歌(プエルト・リコということでラテン・アメリカ扱い!)、ポンセ;エストレリータといった馴染み深い曲、ヒナステラポンセの小品、各国の民謡編曲等々、全部で18曲を収録。

9月12日(火): 

 Swedish Music Shopから荷物が届いた。

ペトリ・サカリ(指揮)ムジカ・ヴィタエ、「ライヴ・イン・ロンドン」(Chamber Sound)
この弦楽アンサンブルは、前にCapriceレーベルから出たヒナステラほかのアルバムを架蔵しているが、今回はChamber Soundという初めて見るスウェーデンのレーベルからのCD。
この盤のことはWOODMAN@ユビュ王の食卓さんのCD雑記帳で知った。
1曲目の『アンダンテ・フェスティヴォ』は今まで聴いたどんな演奏よりも清々しい響きに満ちている。『北欧的』というイメージにぴったりな、ひんやりとした弦の響きと、若手らしい情熱的なアーティキュレーションという相反する要素が不思議に解け合っている。
とのこと、これは聴いてみたいとWOODMANさんが入手先と示しておられるSwedish Music Shopにオーダーしたもの。
収録曲は
シベリウス;アンダンテ・フェスティヴォ
ラーション;小セレナード
シベリウス;ロマンス
サリネン;ペルトニエミ・ヘンドリクの葬送行進曲の諸相
ラウタヴァーラ;ヴァイオリン弾きたち
ニールセン;小組曲
1990年6月24日、ロンドン、聖ジョン・スミス教会でのライヴ録音。「全く編集していない」とブックレットに明記されている。
 
ペーテル・ツァバ(指揮)ムジカ・ヴィタエ、ショスタコーヴィッチ;室内交響曲op.110aほか(Chamber Sound)
上記サイトでムジカ・ヴィタエのCDを検索したところ、ずっと集めている標記の曲を録音していることがわかったので、併せてオーダーしたもの。
こちらは1994年の録音で、
ドヴォルザーク;夜想曲
アレンスキー;チャイコフスキーの主題による変奏曲
ヤナーチェク;弦楽合奏のための組曲
をカプリング。

9月10日(日): 

 遅くなりましたが、「斉諧生音盤志」10万アクセス&3周年記念企画を公開します。
 3年間手つかずだった(笑)コンテンツ、提琴列伝を初めて更新、ハンガリーのチェリスト、ミクローシュ・ペレーニのページをアップしました。
 ディスコグラフィのページもあります。

 ミクローシュ・ペレーニのページをアップしたところ、さっそく、ディスコグラフィから漏れている音源の情報を頂戴したので、追加しました。


9月9日(土): 

 通販業者からLPが届く。

ヴァーツラフ・スメターチェク(指揮)日本フィルほか、ハイドン;交響曲第73番「狩」ほか(日本フィル自主製作、LP)
1973年11月30日、東京文化会館でのライヴ収録である。
当日の演奏については、宇野功芳師が『音楽には神も悪魔もいる』の中で、次のように書いておられる。
このハイドンにはびっくりした。日フィルが世界最上級のオーケストラのように響く。音色の美しさと香ぐわしさ、入念なバランスの妙、そして匂うばかりの表情、実にほれぼれするような名演である。端正なスタイルを一貫させながら、これだけこくのあるハイドンも珍しいだろう。
それがレコード化されていたとは知らなかった。カタログで見つけて吃驚、ただちにオーダーしたもの。
この日に演奏された曲目ではドヴォルザーク;交響曲第9番「新世界より」も名演奏とのことで、これもLP化されているらしい。
カプリングはエルヴィン・ルカーチの指揮で、同じ作曲家の交響曲第101番「時計」(1975年11月13日)。いずれも日フィル分裂後、初期の時期の演奏ということになる。
 
ミハイル・ヴァイマン(Vn)アルヴィド・ヤンソンス(指揮)レニングラード・フィル、シベリウス;交響詩「タピオラ」・Vn協(露MELODYA、LP)
いまやマリスの父親としてしか知られていないような気もするが、知る人ぞ知る名匠。
前に聴いたショスタコーヴィッチ;交響曲第5番(Intaglio)が超絶の名演で、それ以来、この顔合わせのメロディア盤LPを捜しては買っている。
しかも曲目がシベリウス! これは購入せざるべからず。
録音データ未詳だが、1970年代前半のものらしい。
なお、ヴァイオリニストの経歴等は不明。

9月8日(金): 

 

ニルス・ラン・ドーキー(P)クリス・ミン・ドーキー(Cb)ほか、「ドーキー・ブラザーズ 2」(BLUE NOTE)
久しぶりにジャズのCD。
デンマーク出身のベーシスト、クリス・ミン・ドーキーについては、かねがねさる筋(笑)から、表現力が素晴らしいとお薦めをいただいていたところ、実兄との共作アルバムを中古格安で見つけたので購入。
曲目、他の参加者は多岐にわたるので、ディスコグラフィを御参照いただきたい。→ここを押して
 
しかし、「○○ブラザーズ」と聞くと反射的に「横山ホット〜」を思い浮かべるのだから、つくづく関西人だなあと思う…。

9月6日(水): 

 

エイドリアン・ボールト(指揮)ロイヤル・フィルほか、シベリウス;交響曲第7番ほか(BBC LEGENDS)
ボールトのシベリウスは珍しいので購入。正規録音では管弦楽曲集がCD2枚分あったくらいではないか(Vanguard)。
ブラームスやワーグナーなどドイツ音楽に親近感の強かった人だから、シベリウスとは相性が良くなかったのかもしれない。
標記のシベリウスは1963年3月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでの収録。
その他、フィルハーモニア管との演奏で
シューベルト;交響曲第8番「未完成」
ビゼー;組曲「子供の遊び」
ラヴェル;組曲「ダフニスとクロエ」第2番
を収める(1964年7月30日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音)。ボールトのフランス音楽も珍しい。
 
吉野直子(Hp)ニコラウス・アーノンクール(指揮)ウィーン・コンチェントゥス・ムジクスほか、モーツァルト;管楽器のための協奏曲集(TELDEC)
吉野さんのK.299は、メニューインの指揮で入れたVirgin盤があったが(フルートはサミュエル・コールズ)、新録音が出たので購入(輸入盤)。
今回はアーノンクールとの共演、フルートはロベルト・ヴォルフ。もちろん古楽器。
ハンス・ペーター・ヴェスターマン(Ob) Ob協K.314
ヴォルフガング・マイヤー(バセットCl) Cl協K.622
をカプリング。
 
オーギュスタン・デュメイ(Vn)ジェラール・コセ(Va) モーツァルト;二重奏曲ほか(EMI)
デュメイの録音は蒐集するようにしている。これも前から中古音盤屋で見かけていたのだが、曲目のマイナーさに気後れして、買いそびれていた。
収録曲は
モーツァルト;二重奏曲K.423・424
ヘンデル(ハルヴォルセン編);パッサカリア
ローラ;デュオ・コンチェルタント
というもの。
畏友かとちぇんこさんがコセのヴィオラを賞揚しておられるのを拝読(→ここを押して)、購入に踏み切ったもの。
 
ヘンリク・シェリング(Vn)イングリッド・ヘブラー(P) ベートーヴェン;Vnソナタ全集(蘭Philips、LP)
シェリング最初で最後の全集録音(第5・8・9番ルービンシュタインとの録音がBMGにある)。
CDでは架蔵しているのだが、1978〜79年のアナログ末期の録音ゆえ、LPで聴きたかった。
ふと立ち寄った中古音盤屋で発見、破格の安値に驚喜して購入。
 
ボロディンQ、ステーンハンマル;弦楽四重奏曲第3番(瑞TELESTAR、LP)
↑の中古音盤屋でまたまた狂喜乱舞の発見。
CDでは架蔵しているが(Swedish Society)、ステーンハンマルは全点蒐集が目標ゆえ買わざるべからず。
1958年6月7日、ストックホルム音楽祭来演時の録音。残念ながらモノラル。

 今日入手した音盤の情報を、ステーンハンマル 作品表とディスコグラフィに追加。


9月2日(土): 

 Compact Disc Connectionamazon.ukから荷物が届いた。

パーヴォ・ベリルンド(指揮)ボーンマス響、シベリウス;交響曲全集ほか(Disky)
ベリルンド(ベルグルンド)が1970年代に録音した、最初の全集。
これに先立って第4番(フィンランド放送響、FINLANDIA)、第6番(ベルリン放送響、Berlin Classics)の単発録音があり、更にこの後、ヘルシンキ・フィルヨーロッパ室内管と全集を完成させている。
いずれ、ベリルンドによる3種の全集を聴き比べてみたいと考えており、国内盤LPしか架蔵していない最初の全集を買い直さねば…と思っていたところ、amazon.ukで11ポンド強(日本円で1,700円強)という超安値で出ていたのでオーダー。
CD4枚組、交響詩「エン・サガ」「トゥオネラの白鳥」・「レミンカイネンの帰郷」劇音楽「ペレアスとメリザンド」をフィルアップ。
 
ズビン・メータ(指揮)イスラエル・フィル、R・コルサコフ;交響組曲「シェヘラザード」ほか(Sony Classical)
メータのCDを買うのは、本当に久しぶり。マーラー;交響曲第3番以来ではないか。
今年3月、このコンビがシンフォニー・ホールで演奏したこの曲が途轍もない名演だったと、行った人が異口同音に言う。
へ〜え、それはそれは…と思っていたところ、先日、中古音盤屋で国内盤を発見、スタジオ録音(1987年)があったことに初めて気がついた。(汗)
中古盤にしては少し高めの値段だったので買わず、はたしてCompact Disc Connectionでは遙かに安い値段で売っていたのでオーダーしたもの。
序曲「ロシアの復活祭」をフィルアップ。
 
ルドルフ・ケンペ(指揮)ミュンヘン・フィル、ドヴォルザーク;弦楽セレナードほか(Sony Classical)
ケンペ&ミュンヘン・フィルのCBS録音というと、シューベルト;交響曲第9番の質朴な好演が思い浮かぶが、こういう音源があったとはつゆ知らなかった。
先日、Webの掲示板で、この盤に触れておられる書き込みがあり、今回、Compact Disc Connectionにオーダーしたもの。
ユージン・オーマンディ(指揮)ロンドン響による交響曲第9番「新世界」をカプリング。…順序が逆か。(笑)
なお、オリジナルのカプリングはR・シュトラウス;メタモルフォーゼンだったそうな。「グレート」ともども、CD化してほしいものである。
 
ミッコ・フランク(指揮)スウェーデン放送響、シベリウス;交響詩「エン・サガ」・組曲「レミンカイネン」(HUNGAROTON)
この秋バンベルク響を率いて来日する新進フランクによる話題の新譜。彼は1979年生まれ、録音は1999年12月なので20歳そこそこでの仕事ということになる。
オーケストラが先だってサロネンとの交響曲チクルス(WOWOW放送)で素晴らしいシベリウスを聴かせてくれたスウェーデン放送響というのも期待したいところ。
輸入元品切れという情報だったのでCompact Disc Connectionにオーダーしたところ、その翌日に京都の店頭に出現したので臍を噛んだ(苦笑)。
 
リチャード・グード(P)オルフェウス室内管、モーツァルト;P協第19・27番(Nonsuch)
モーツァルト;P協の近年の録音の中では注目しているグードのシリーズ、第27番が出たとあっては買わざるべからず。
既に店頭に並んでいるが、このレーベルは海外通販で買う方が遙かに安いので、Compact Disc Connectionにオーダーしたもの。
カデンツァはモーツァルトによる、と表記されている。
 
ローラ・ボベスコ(Vn)ウジェーヌ・ビゴー(指揮)ラムルー管、ラロ;スペイン交響曲ほか(MALIBRAN)
好きなヴァイオリニスト、ボベスコの復刻盤が日本で買うよりずっと安くamazon.ukで出ていたのでオーダー。
1980年代に日本でブレイクした彼女だが、1937年のイザイ国際コンクールで入賞したあたりがキャリアの出発点。
これは1942年(ドイツ占領時代!)にパリで録音されたSPの復刻。彼女は当時、20歳代初めだったはず。
昔は省略されることが多かった第3楽章も、ちゃんと演奏されている。
「ヴァイオリンのフランコ・ベルギー楽派 第1巻」というタイトルが付され、アンリ・メルケルの演奏(曲は珍しいものがほとんど)をカプリングしている。
 
ヨーヨー・マ(Vc)アンドレ・プレヴィン(指揮)ロンドン響、エルガー;Vc協&ウォルトン;Vc協(Sony Classical)
ヨーヨー・マの主な録音は持っているつもりだったが、これが欠けていることにようやく気づき(汗)、慌ててCompact Disc Connectionにオーダーしたもの。
1984年の録音。
そういえば、1981年11月にN響定期でブロムシュテットの棒で、彼のエルガーを聴いたことを思い出した。
 
イザベル・ファウスト(Vn)フローラン・ボファール(P) バルトーク;Vnソナタ第2番・ラプソディ第1・2番ほか(HMF)
ファウストのデビュー録音が同じ作曲家のソナタ第1番無伴奏ソナタ。これが非常に優れた演奏だったので、彼女に注目するようになったのだが、はたして続編が録音された。
今月には国内盤も出るようだが、レギュラープライスでの発売。amazon.ukでは6ポンド弱(日本円で900円強)、オーダーせざるべからず。
なお、ピアニストは1964年生まれ、アンサンブル・アンテルコンタンポラン在籍、パリ音楽院教授とのこと。
 
ジャン・ギアン・ケラス(Vc) ブリテン;無伴奏Vc組曲第1〜3番(HMF)
ケラスの名前を知ったのは、ブーレーズ(指揮)のリゲティ;Vc協(DGG)のソリストとして。
悪くない演奏だが、ペレーニ盤(エトヴェシュ(指揮)アンサンブル・モデルン、Sony Classical)と比べると、ちょっと聴き劣りがしたので、実はあまり印象が良くなかった。
この盤も既に店頭で見ており、ブリテンの無伴奏はなるべく買うようにしているのだが、↑のようなわけで、買いそびれていたのである。
先だって、ネットサーフの折りに、ハンガリーに留学しておられるチェリスト(ペレーニマリオ・ブルネロのレッスンを受けておられたりする!)のページで、この盤が絶讃されているのを拝読(→ここを押して)、やはり聴かねば…という気になっていた。
これもamazon.ukでは6ポンド弱(日本円で900円強)、オーダーせざるべからず。

9月1日(金): 

 

ウーヴェ・ムント(指揮)京都市響、バルトーク;管弦楽のための協奏曲・組曲「不思議なマンダリン」(ARTE NOVA)
ムント&京都市響の第3弾が並んでいたので購入。何といっても我が街のオーケストラである。
録音は2000年4月18〜20日、京都コンサートホール。京都市響は同月10日の定期演奏会で「マンダリン」を演奏している。
録音で仕上げてから演奏会というのが通常の順序だから、やはり力を入れて臨んでいるのだろう。
これまでのリリースはスメタナシベリウスだったから、いわば「イロモノ」路線。
いずれはムント十八番のブルックナー等、ドイツ正統派音楽で勝負してもらいたいが、う〜ん、スクロヴァチェフスキ盤があるから無理かなァ…。
 
ミクローシュ・ペレーニ(Vc)イヴァン・フィッシャー(指揮)ブダペシュト祝祭管、ドヴォルザーク;Vc協&チャイコフスキー;ロココ変奏曲(HUNGAROTON)
これは待望の1枚、ようやく入手できて狂喜乱舞である。
ドヴォルザークはLaser Light盤で入手できるが、チャイコフスキーはHUNGAROTON盤しかない。
信頼できる友人の話では、ペレーニの協奏曲録音中、このチャイコフスキーが最上であるという。
通販サイト等で、ずっと捜していたが入手できず、切歯扼腕していた。今日、運良く(目ざとく?)陳列される前に発見、店員さんに無理を願って販売してもらったもの。

平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。

平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。

平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。

平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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