音盤狂日録


3月31日(土): 一昨日のシュミット・イッセルシュテットバッハの記事に不備を発見、増補した(↓参照)。粗忽を恥じております。m(_ _)m

 関西シティフィル第32回定期演奏会(指揮:ズラタン・スルジッチ)@シンフォニー・ホールを聴く。
 アマチュアのオーケストラだが、マエストロ・スルジッチの音楽にはかねて注目しており、聴き逃せない。

今日の曲目は、
マーラー;交響曲第5番
J・シュトラウス;喜歌劇「こうもり」序曲
J・シュトラウス;ポルカ「観光列車」
J・シュトラウス;ポルカ「雷鳴と電光」
J・シュトラウス;ワルツ「ウィーン気質」
J・シュトラウス;ポルカ「狩」
というもの(演奏順)。
 
正直申して「?」な構成だが、1曲だけというのはアマチュアの団体にとって苦しいものがある一方、「マーラーの前に何か音があるということはするべきではありません」という指揮者の考えがあって、こうした構成になったとのこと。
また、マーラーに組み合わせるにシュトラウスが選ばれたのは、ともに「ウィーンの音楽が最も興味深く美しい最高の時代の作曲家」であって、しかも「まったくと言っていいほど違うカラーをもっている」ことから「非常によい対照を成している」という構想だそうだ。
 
かつてはハプスブルク帝国に属していたクロアチア出身、しかもオーストリア・グラーツでも学んだマエストロ。
実は斉諧生にとってマーラーの交響曲の中でも第5番は苦手な曲。マエストロの棒で何とか開眼できないものかと期待して臨んだ。
 
しかしながら結果的には、やはりマーラーは厳しかったか…といわざるをえない。
第1楽章冒頭のトランペット・ソロなど、実に渋い、陰のある音色が素晴らしかったし(高い音程には苦労しておられたようだが)、主題が弦に出るところのテンポ・表情・響きには、さすがと唸らされた。
ところが、第2・3楽章では、楽想の変転を表現しきれず散漫に陥ったように思う。斉諧生がひときわ苦手にしている楽章というせいかもしれないが。
全体に管楽器はまずまずよく吹いておられたが、弦合奏が人数のわりに音が小さく、また高い音程が不安定で、ゆったりしたテンポの第4楽章も、「豊麗な」というところまでいかなかったのが惜しまれる。
それでも全曲を致命的な破綻もなく、まとめ上げたのは偉とすべきだろう。
 
一転してJ・シュトラウスは愉しく元気の良い演奏で、満足できた。
特に「こうもり」序曲の終盤や「雷鳴と電光」は、マエストロの本領発揮ともいうべき、「のりのり」でしかも味の濃い演奏で、客席も大いに盛り上がったものである。
「狩」で演じられたパフォーマンス(笑)だけは、「なくもがな…」の感があったが。
 
アンコールは、お約束(?)のラデツキー行進曲
 
次回は平成13年9月15日(祝)、ベートーヴェン;交響曲第9番。このコンビでは一昨年12月に第4楽章のみを演奏しているが、立体的で緊張感のある好演だった。全曲演奏には、おおいに期待したい。

 

オスモ・ヴァンスカ(指揮)ラハティ響ほか、シベリウス;「クッレルヴォ」(BIS)
ヴァンスカ&ラハティのシベリウス録音、買わざるべからず。
合唱は「YL」ことヘルシンキ大合唱団、この曲のスペシャリストのような団体である。
 
ジョン・ブラウニング(P)レナード・スラトキン(指揮)セントルイス響、バーバー;交響曲第1番&P協ほか(BMG)
バーバーにはCD1枚分ほどのピアノ曲がある。その中の"Souvenirs"作品28が、なかなかの佳曲。演奏時間20分弱の組曲だが、もとは管弦楽曲(バレエ音楽)だったというので、それを捜していた。
スラトキンの録音があるというので、あちこちの音盤屋で気をつけて見ていたところ、今日立ち寄ったところで棚に並んでいたので早速レジへ持っていった。
ところが、あとでゆっくり見てびっくり。"Souvenirs"は、ブラウニングとスラトキンが4手連弾で演奏しているのである!
もちろんジャケットには明記されており、こちらのうっかりミスとしか言いようがない。
 
ピエール・モントゥー(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ラヴェル;バレエ音楽「ダフニスとクロエ」ほか(Audiophile)
数年前、ロシア系のちょっと怪しげな音源を多数リリースしていたAudiophileレーベルが、コンセルトヘボウ管のライヴ録音をリリースしはじめた。
タイトルの多くはメンゲルベルクベイヌムが占めているが、斉諧生的には大好きなモントゥーを購入。
モントゥーは、1924〜34年の10年間、メンゲルベルク(ニューヨーク・フィル常任指揮者兼務中)不在時に半ば常任的に指揮するなど、このオーケストラとの関係は深かった。
「ダフニス」は1955年6月23日の収録というデータ。これはLP期にアメリカのDISCOCORPレーベルから出ていた音源である。CDではどうだったろうか? (M&Aレーベルあたりから出ていたかもしれない。)
音質的には聴きやすいモノラル。
ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスが歌う歌曲集「シェヘラザード」(1963年11月20日、モノラル)をカプリング。
なぜかCDのレーベル面にはモーツァルト;イドメネオと刷り込まれているが、もちろん実際には含まれていない。
 
エミール・ギレリス(P)オイゲン・ヨッフム(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ヒンデミット;交響曲「画家マティス」&ブラームス;P協第2番(Audiophile)
ヨッフムも1960年代初めにハイティンクと共同で常任指揮者を勤め、最晩年にも帯同して来日公演を行うなど、このオーケストラとの関係は深かった。
ここでは、見れば買う曲の一つ、ヒンデミットの「画家マティス」交響曲が収められているので購入。1979年1月29日の録音で、放送録音的ではあるが、聴きやすい音質。
カプリングのブラームスは、この顔合わせで前年に録音しており(DGG、オーケストラはベルリン・フィル)、十八番といっていいものだろう。
1973年11月1日の録音だが、残念なことに弦の響きが金属的で、少し聴きづらい(ピアノはよく録れている)。

3月30日(金): 

 

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)ザールブリュッケン放送響、ブルックナー;交響曲第9番(Arte Nova)
次期「最後の巨匠」候補、Mr.Sのブルックナー全集は聴き逃せないので購入。これで第0番から第9番までが揃った。
習作ヘ短調や、第1〜4・8番あたりの異稿に手を出さない限り、これで全集が完成したことになる。
彼は、この曲をミネソタ管Reference Recordingsレーベルに録音しており、すこぶるつきの名演であった。今回も同様の成果を期待したい。
なお、版についての記載はない。

3月29日(木): 

 デトロイト響からCDが、MikrokosmosParnassus RecordsからLPが届いた。

ネーメ・ヤルヴィ(指揮)デトロイト響、「アンコール・ライヴ!」(デトロイト響)
ふとしたことから久しぶりにデトロイト響の公式Webpageを覗いた。
そういうときに真っ先にディスコグラフィのページを見るのが悪い癖(笑)。掲載されているCDのほとんどはCHANDOS盤だったが、3点、自主製作盤があった。
しかもオンライン・ショップのページから買えるようになっており、ついつい3点ともオーダー。自主製作盤には弱いのである。(汗)
「DSO-1001」の番号を与えられているのが、このアンコール集。すべてライヴ録音(1991〜96年)で、曲によっては演奏に手拍子や笑い声が重なっている。
R・コルサコフ;熊蜂の飛行イッポリトフ・イワノフ;酋長の行進J・シュトラウス;ピツィカート・ポルカといった定番や、アメリカのオーケストラしくスーザ;忠誠行進曲ミーチャム;アメリカン・パトロールが入っている。
斉諧生的には、いかにもヤルヴィらしく、次のような北欧の小品を収めているのに注目。
ブル(スヴェンセン編);山の上の孤独
スヴェンセン;Vnのためのロマンス
トゥビン;「イングリスカとキヴィカスカス」(エストニア民俗舞曲から)
ヤルネフェルト;子守歌
 
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)デトロイト響、クリスマス名曲集(デトロイト響)
デトロイト響自主製作盤その2。
原題は"Joy! A Celebration of Holiday Music"だが、選曲とジャケットからするとクリスマス名曲集。
ルロイ・アンダーソン;そり乗りに始まり、チャイコフスキー;組曲「胡桃割人形」(抜粋)で終わる間に、バッハやヘンデルの小品、あるいは「ホワイト・クリスマス」やクリスマス・キャロルの管弦楽編曲が演奏される。
CDには明記されていないが、Webpageによれば、1997年8月5日、オーケストラ・ホールでの録音とされている。
 
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)デトロイト響、「エリントンと現代の巨匠たち」(デトロイト響)
デトロイト響自主製作盤その3。
このオーケストラは、ユニシスのスポンサーシップを得て、"African-American Composers Residency"という企画を行っており、その10周年記念に製作されたCD。
デューク・エリントン;「3人の黒人の王」ほか4人の黒人作曲家の作品を収めている。収録はすべて別々、1994〜98年に及んでいる。
"African-American"とは耳慣れない単語で、最初はアフリカの作曲家の作品かと思ったのだが、ライナーノートのバイオを見ると皆アメリカ生まれなので、つまりこれは「政治的に正しい」言い方なのであろう。
 
イェジー・セムコフ(指揮)ワルシャワ国立フィル、シューマン;交響曲第2番(波MUZA、LP)
セムコフは1928年生、ムラヴィンスキーの助手をした時期もあり、父クライバーワルターセラフィンにも学んだとのこと。
デンマーク王立歌劇場の首席指揮者を勤めたほか、コヴェントガーデンでも指揮するなど、オペラ畑を中心に活動してきた人だが、シマノフスキなど交響曲・管弦楽曲にも名演がある。
彼のシューマンは、セントルイス響を振った全集が米VOXにあり、CD初期に廉価の佳演として俵孝太郎が賞揚していた。
これは故国ポーランドのオーケストラを振ったもので、録音年代等は不詳。
シューマンの第2番は好きな曲であるのと、セムコフの手腕に期待して、オーダー。
 
アルヴィド・ヤンソンス(指揮)ソビエト放送響、フランク;交響曲(蘇MELODIYA、LP)
前にショスタコーヴィッチ;交響曲第5番を聴いて名人ぶりに驚嘆したヤンソンス父。
さらに聴いてみたいと思っていたところ、フランクがカタログに出ていたのでオーダーしたもの。
 
ルネ・レイボヴィッツ(指揮)ロンドン・フィル、ロッシーニ(レスピーギ編);バレエ音楽「風変わりな店」(米URANIA、LP)
レイボヴィッツの未架蔵盤を見つけたのでオーダー。
これまで"CLASSICS CLUB"というレーベルの盤で持っていたが、たしかこのURANIAがオリジナルのはずである。
ジャケットが、なぜかセミ・ヌードのダンサーのポートレート。足許に"Nejla Ates"と印刷されているのは彼女の名前だろうか。
バレエ自体の筋書きは「おもちゃ屋の人形が動き出して、最後には店主や客に反乱を起こす」というもので、あまり裸と関係なさそうなのだが。
ジャケット写真は→ここを押して
 
ヨルマ・パヌラ(指揮)SIBIS室内管ほか、シベリウス;組曲「恋する人」・即興曲ほか(芬Tactus Oy、LP)
サロネンサラステヴァンスカら、最近躍進中のフィンランド人指揮者の師匠、パヌラのシベリウス演奏は聴き逃せないとオーダーしたもの。
ジャケットの記載がフィンランド語だけのため、どういうオーケストラなのか等は不詳。
サロネン;オーバードなど3曲をカプリング。サロネン作品のみ作曲者自演である。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮&Vn)ティボール・ヴァルガ室内管、バッハ;Vn協第1・2番(独Somerset、LP)
ヴァルガのLPを見つけたのでオーダー。
第2番はCLAVESからCD化されているが、第1番は初めての音源なので貴重だ。
 
アイザック・スターン(Vn)パブロ・カザルス(指揮)プラド音楽祭管、バッハ;Vn協第1番のリハーサルほか(米Columbia、LP)
カザルスのリハーサル盤がカタログにあったのでオーダー。おそらくボーナス・レコードかなにかだったものと思われる。正味11分程度。
1950年6月、第1回のプラド音楽祭における録音のはずで、本番のライヴ録音も発売されている(LP未詳、CD化済み)。
翌年のペルピニャン音楽祭で録音した、バッハ;アリアパストラーレBWV590よりハイドンを、もう一方の面に収めている。
 
ギドン・クレーメル(Vn)ほか、ロッケンハウス・エディション第1・2巻(米ECM、LP)
国内盤は1986年初め、まだLPとCDが同時に発売されていた頃にリリースされた。
好きなフランク;P五重奏曲が入っているので架蔵済みだが、中古盤CDで買ったもの。
アナログ録音なのでLPで聴きたいと思っていたところ、カタログに出てきたのでオーダー。届いた現物は残念ながら米盤だったが…。
上記のフランクはアレクサンダー・ラビノヴィチ(P)、ルーカス・ハーゲン(Vn)、クリスタ・ベニオン(Vn)、タベア・ツィマーマン(Va)、クレメンス・ハーゲン(Vc)という顔ぶれ。当時は「?」な若手と思ったものである(笑)。
その他の曲と演奏者については煩瑣にわたるので割愛する。
 
ヨルマ・パヌラ(指揮)ヘルシンキ・フィルほか、シベリウス;カンタータ「囚われの女王」・組曲「恋する人」・「フィンランディア讃歌」ほか(芬ONDINE、LP)
↑同様、パヌラのシベリウスは聴き逃せないとオーダー。
カンタータは「世界初録音」の表示がある。
組曲「恋する人」は、無伴奏混声合唱にソプラノとバリトンの独唱が付く版で、これは比較的珍しい(弦楽合奏版は勿論、無伴奏男声合唱とバリトン・ソロの版の録音が多い)。
「フィンランディア讃歌」も無伴奏混声合唱。合唱はいずれもヘルシンキ大学アカデミー合唱団である。
裏面では、コスティアイネンマデトヤの声楽作品をリトヴァ・クオッパマェキという人が指揮している。
 
ヘルベルト・ケーゲル(指揮)ライプツィヒ放送響ほか、ブリテン;戦争レクイエム(独ETERNA、LP)
ケーゲルの戦争レクイエムは、Berlin ClassicsからCDも出ており勿論架蔵済みだが、これは別録音のLP。
CDはオーケストラがドレスデン・フィル、独唱者はカリ・レファース(Sop)、アントニー・ローデンテオ・アダム(Br)という顔ぶれなのに対し、こちらの独唱者はハンネ・ロレ・クーゼ(Sop)、ペーター・シュライヤー(Ten)、ギュンター・ライプ(Br)。
確か以前、どこかでどなたかから御教示いただいた記憶はあるのだが、すっかり忘れていて、カタログで見つけたときにCDのオリジナルのつもりでオーダー、現物が来てCDと見比べて、はじめて気がついたのが恥ずかしい。(汗)
冒頭から少しだけ聴き比べてみたが、テンポが違い(LPの方が速め)、テノール独唱の声も全然違うので、間違いなく別録音だろう。
第2曲「ディエス・イレ」の冒頭など、旧録音(LP)の方が遙かに切迫した感じがある。
新録音(CD)は1989年、ケーゲル最後の録音とされているものだが、この録音が何年のものか、データの記載が無く、判然としない。
解説文の最後、署名のあとに「(1969)」とあるので、その頃だろうか。盤自体はもっと最近のプレスのようだが。
 
ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮)ハンブルク国立フィル室内合奏団、バッハ;ブランデンブルク協第4番(独TELEFUNKEN、SP)
またSPを買ってしまった。(笑)
実は、先日、78回転の可能なアナログ・プレーヤー(テクニクスSL-1200Mk4)とSP専用カートリッジ(オルトフォンOM78)を買いととのえて、ようやく再生環境を整備したのである。
シュミット・イッセルシュテットは、テレフンケン・レーベルで戦前から仕事をしているが、これはハンブルクの団体であることからして、戦後の録音であろうか。
独奏者はルドルフ・プリック(Vn)、H.ブリンクマン(第1Fl)、L.クネッバー(第2Fl)とある。
なお、彼のブランデンブルク協には、1961年4月のモスクワでのライヴ録音で第2番があった(メロディア盤LP)。
 
(附記)
この音源、昨年末にTAHRAからリリースされたCD3枚組の『ハンス・シュミット・イッセルシュテット 名演集』で復刻済みであった。(汗)
それによると録音日は1938年6月9日とされている。
架蔵していることをすっかり忘失して、いい加減なことを書き付けていたこと、まことに慚愧に堪えない。

 今日届いたLPのデータをカザルス・ディスコグラフィレイボヴィッツ・ディスコグラフィに追加。


3月27日(火): 閉店間際の音盤屋へ駆け込むと、『クラシック輸入盤2001』(音楽之友社)が積んであったので、中も見ずにつかむ。そのまま他のCDと一緒に購入。
 あとから頁を開いて、ちょっと吃驚。『レコード芸術』誌の「海外盤試聴記」を再録しただけの内容である。輸入盤レーベル紹介やオンライン・ショップ案内も付いているが、ごくごく簡単な数頁程度のもの。
 演奏者索引が付いているのは便利だが、記述は本誌掲載時のまま。「後述の○○同様」とある「○○」が前の方の頁に掲載されていたり、およそお気軽な造りである。まあ、「ムックというのはそういうもの」と言ってしまえばおしまいだが…。
 とはいえ、読み返していると、やはり何枚か気になるCDが出てくるのも事実。また店頭で捜すなりオンライン・ショップにオーダーしたりすることになるだろう。(^^;

 

高関健(指揮)大阪センチュリー響、ベートーヴェン;交響曲第1・3番(LIVE NOTES)
高関は既に群馬響と全集を完成させているようだが(←の公式Webpage参照、未架蔵)、これは大阪センチュリー響との全集の第1弾となるもの。新ベーレンライター版によりライヴ録音で完成されるという。
平成12年4月7日、いずみホールでの収録で、実はこの日、斉諧生も客席にいた。そのときの様子については、音盤狂昔録をごらんいただきたい。
ふだん高関の演奏会では、指揮者の身振りに気を取られて、今ひとつ音楽に集中できないことが多い。
音楽的実力は知られた人だが、彼の動きには、よくできた器械体操のようなところがあって、「情熱」とか「感興の高まり」とかいったものと無縁のところで棒を振っているような印象を受けてしまうのである。
背中のゼンマイのネジを巻いてあげたくなる」と喝破(笑)した人もいるほどだ。
音だけで聴いたときに実演での印象がどう修正されるか、興味を惹かれて…、というだけだったら、このCD、買わなかったかもしれない。
実は、この演奏会は斉諧生にとって、音楽とは別なところで、生涯記憶すべき演奏会となった。その記念として、何としても手元に置いておきたくて購入したもの。
そういうときの演奏がCDとして残るというのも、不思議な縁である。
 
ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送響、シューベルト;交響曲第8番&ドヴォルザーク;交響曲第9番ほか(Altus)
1965年4月24日、東京文化会館でのライヴ録音。クーベリック初来日のときである。
彼のライヴはなるべく聴いておきたいので購入。
NHK提供の音源で、一聴したところ、Altusレーベルらしい高音質の復刻である。
 
高関健(指揮)群馬響、シューベルト(近衛秀麿編);弦楽五重奏曲&バッハ(マーラー編);管弦楽組曲(ALM)
シューベルトの弦楽五重奏曲に近衛秀麿による管弦楽編曲があることは、柴田南雄先生の著書だったか朝比奈隆の談話だったかで知っていたが、実際に音になったものを聴くことができるとは思わなかった。
それによると「後期ロマン派の響きそのもの」という話だったとおもうが、ライナーノートに引用された近衛の文章では、
シューベルト自身が一家の管弦楽法を有していた以上、(略)彼の様式を尊重すべき事は当然だと信じる。
 殊に近代の華麗な手法で彼の慎やかな時代色を塗りつぶす事は、始めよりの目的に適はない。
とされており、高関自撰の解説でも
全曲を通じて落ちついた響きを目指している。
とのことである。果たしてどんなものか、興味津々。
シューベルト(近衛)は1998年6月20日、バッハ(マーラー)は2000年3月19日の、それぞれライヴ録音である。
 
天満敦子(Vn)ウラディーミル・コジュハーリ(指揮)ウクライナ国立キエフ・オペラ・バレエ管、ポルムベスク;望郷のバラードほか(ART UNION)
またまた天満さんのCDを買ってしまった。「バラード」、これで何種類めだろう?
ライナーノート(例によって中野雄)によれば、
この夜の演奏振りはまさに格別で、指揮台に立つマエストロ、コジュハーリの眼には涙が浮かび、溢れて幾筋か頬を伝わって流れた」云々とのこと。
1995年7月13日、オーチャード・ホールでのライヴ録音で、ポルムベスクの前に演奏されたチャイコフスキー;Vn協から第2楽章のみが収められている。
2曲あわせて15分弱、そのためだろう、税込定価1,000円となっている。

3月26日(月): 

 

フィリップ・アントルモン(P)ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮)北ドイツ放送響、モーツァルト;交響曲第41番&ベートーヴェン;P協第5番(NDR)
「ハンス・シュミット・イッセルシュテット生誕100周年記念」と銘打った、北ドイツ放送の自主製作盤である(1900〜1973)。
リリース情報は昨年から伝えられており、長く捜していたところ、ようやく京都の音盤屋に並んだので随喜して購入。
両曲とも1965年の収録で、モーツァルトは9月に放送局のスタジオ、ベートーヴェンは5月にハンブルク・ムジークハレで録音されたもの。
ブックレットには指揮者のインタビューやエッセイ、ピアニストの回想などが収められ、ファンとしてこたえられない仕上がりになっている。
音質的には、いかにも放送用ライヴという感じで、歪みや聴き辛さは無いが、生々しさや彫りの深さには欠ける。特にベートーヴェンでは、ステレオの拡がりがほとんどない。

3月25日(日): 

 

クリスチャン・フェラス(Vn)ピエール・バルビゼ(P) ベートーヴェン;Vnソナタ全集(EMI)
最近、トルトゥリエハイドシェックVcソナタ全集との組合せ5枚組で出ているフェラスのベートーヴェン全集の、前に単独で発売された3枚組が安く並んでいたので購入。
その頃は「フェラス=カラヤンの言いなりになった小物」という間違ったイメージに囚われて無視してしまったのだが、ルクーフランクなどの名盤に接して誤解を悔いることになったのである。
1958年のモノラル録音だが、ステレオに聴き紛う良好な音質。
 
ジェニー・アベル(Vn) バッハ;無伴奏Vnソナタ第3番ほか(Podium)
シューマンバルトークの録音が一部で高く評価されているドイツの女性ヴァイオリニスト、アベル。
マックス・ロスタルシェリングに学んだ人である。オスカー・ココシュカが彼女の演奏姿を活写したスケッチがあるそうだが、未見。
1985年7月21日のライヴ録音が音盤店のワゴンで格安の値付けになっていたので買ってみた。
標記バッハのほか、ギリシャの現代作曲家Papaioannou(1910〜1989)の無伴奏曲Ichomorfes(1975年)とIris(1982年)をカプリング。
なお、ココシュカの霊感を引きだしたのもバッハやバルトークの無伴奏曲を弾いているところだそうである。
 
ヨースハルト・ダウス(指揮)ヨーロッパ・コール・アカデミー・バッハ・アンサンブルほか、バッハ;マタイ受難曲(ARTE NOVA)
一昨日、京都の音盤店で見つからなかったダウスのマタイを見つけたので購入。
ヨハネは1999年のライヴだったが、こちらは2000年4月のライヴ。ブレーメンとミュンヘンで行われた2回のコンサートから編集したもののようだ。
福音史家はアンドレアス・ヴァーグナー、イエズスはフリーデマン・クンダーという人が歌っている。
また、先日リリー・ブーランジェを歌ったCDを入手したばかりのブリッタ・シュタールマイスターが参加している。
少年合唱はカルヴ・アウレリウス少年合唱団という団体。

 先週の演奏会のデータを演奏会出没表に追加。


3月24日(土): 

 BerkshireCD Universeから荷物が届いた。

ジャン・フルネ(指揮)オランダ放送フィル、放送用ライヴ録音集(Q DISK)
今回のBerkshireへの発注の目玉。フルネの録音は買わざるべからず。
輸入音盤屋にも並び始めたところだが、既にBerkshireに出ていると、WOODMANさんのWebpageユビュ王の食卓の掲示板で教えていただいたもの。
CD8枚とDVD1枚が47.92ドル(約5,880円)、店頭価格の1〜3割安であった。
最近はDENONレーベルに録音しているコンビだが、ライナーノートによると、共演は1950年以来、50年間におよぶとのこと(うち18年間は首席指揮者)。
CDには全部で12曲が収録されている。主なものは
メシアン;トゥーランガリラ交響曲(1967年4月22日)
ファリャ;スペインの庭の夜(1961年9月23日)
ラヴェル;「ダフニスとクロエ」第1・2組曲(1961年9月23日)
フランク;「プシシェ」(1987年6月20日)
フランク;交響詩「贖罪」(1976年3月12日)
マルタン;降誕の秘蹟(1964年10月14日)
マスネ;歌劇「ノートルダムの曲芸師」(1985年10月27日)
またDVDはPAL方式とNTSC方式で両面に収録されており、内容は
ドビュッシー;交響詩「海」(1970年1月14日、白黒)
ラヴェル;「ラ・ヴァルス」(1970年1月14日、白黒)
ベートーヴェン;Vn協(独奏;ジノ・フランチェスカッティ)(1973年5月13日、カラー)
最後のフランチェスカッティの映像は格別に貴重なものだろう。
 
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)バイエルン国立管、ブルックナー;交響曲第5番(Orfeo)
サヴァリッシュのブルックナーは先日、第4番を買ったところだが、これはそれに先だってオーダーしていたもの。
1990〜91年の録音。
 
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)ロンドン・フィル、ブルックナー;交響曲第8番ほか(CHANDOS)
宇野功芳師非推薦のブルックナーを聴き直すプロジェクトの一環。
Berkshireに安く出ていたのでオーダーしてみた。"enchant"という廉価再発シリーズで、売価7.98ドル。
シベリウスが得意なヤルヴィならばブルックナーも透明感のあるサウンドで演奏してくれるのではないか…という期待と、けっこうコッテリした人間くさい音楽になりはしていないかという不安と両方を感じるが、果たして結果や如何。
1986年録音、ハース版使用と表記されている。
レーガー;ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガをカプリング。
 
パーヴォ・ベルグルンド(ベリルンド)(指揮)ストックホルム・フィルほか、R・シュトラウス;交響詩「ドン・ファン」・交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」ほか(BMG)
このコンビとしては珍しいドイツ音楽に興味を惹かれてオーダーしてみた。1989年の録音。
標記2曲のほか、
ブルレスケ(P独奏;セルゲイ・エーデルマン
13管楽器のセレナード
を収録。
 
イェフディ・メニューイン(指揮)ブルノ・チェコ国立フィルほか、ドヴォルザーク;弦楽セレナードほか(Supraphon)
メニューインが指揮する弦楽合奏曲には素晴らしいものが多いので、期待してオーダーしたもの。
1992年にチェコに客演したときの録音ということである。標記曲以外に
スメタナ;序曲「売られた花嫁」
サン・サーンス;「詩人とミューズ」
マルティヌー;Pトリオと弦楽合奏のためのコンチェルティーノ
を収録。
 
ボー・ホルテン(指揮)オーフス響ほか、ディーリアス;デンマーク名作集(Danacord)
ディーリアスがデンマークや同国の作家ヤコブセンから大きな影響を受けたことに因み、それに関連した作品を集めた1枚。
多くは声楽曲だが、「フェニモアとゲルダ」間奏曲が添えられているのが嬉しい。
録音は2000年3月、昨年冬にリリースされた新しい盤で、『レコード芸術』誌12月号の「海外盤試聴記」で山尾敦史氏が「ディーリアス及び十九世紀末音楽ファン、必携の一枚」とお墨付き。
それが早くもBerkshireに出ていたのでオーダー。
指揮者のホルテンは、これまで合唱指揮者として活動してきた人で、ピエール・ド・ラ・リュー;レクイエム(kontrapunkt)などルネサンス合唱曲の優れた演奏があった。
 
ジョアンナ・マグレガー(P)カール・デイヴィス(指揮)ロンドン響、ガーシュウィン;「ラプソディ・イン・ブルー」・P協・「パリのアメリカ人」(Collins)
「ラプソディ〜」を全部集めたらキリがないだろうが、オリジナルのジャズバンド版のCDは見かけたら買うようにしているのでオーダーしたもの。
1990年の録音。
 
マリオ・ブルネロ(Vc)ヴィラ・ロボス管ほか、ヴィラ・ロボス;ブラジル風バッハ第1・5番ほか(AURA)
最近集めているチェリスト、ブルネロをソロにフィーチャーしたCDがあったのでオーダー。
ヴィラ・ロボス「管」といっても実体は12人からなるチェロ・アンサンブルで、ブルネロはその首席奏者の模様。
標記2曲のほか、ジョビン(1927〜1955)という人の「4つの歌」をチェロ・アンサンブルに編曲したもの、バッハアリア(管弦楽組曲第3番より)前奏曲(平均律クラヴィーア曲集第8番より)(ヴィラ・ロボス編)を収める。
 
マリオ・ブルネロ(Vc)マッフェオ・スカルピス(指揮)パドヴァ室内管ほか、ダラピッコラ;「シャコンヌ、間奏曲とアダージョ」ほか(FONIT CETRA)
これまたブルネロのチェロを聴こうとオーダーしたもの。ダラピッコラの無伴奏曲での名演を期待したい。
その他にはハルトマン;葬送協奏曲(Vn独奏;マウロ・ロゲルキオ)とマリピエロの歌曲(器楽合奏付き)を収録。
 
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)ブルーノ・カニーノ(P)ほか、ショーソン;Vn、Pと弦楽四重奏のための協奏曲ほか(DYNAMIC)
見かければ買うことにしているショーソンが入っているのに、何となく買いそびれていた盤がBerkshireに安く出ていたので(4枚組が15.96ドル)オーダー。
その他には
ドヴォルザーク;P五重奏曲
ドヴォルザーク;弦楽五重奏曲op.77
ヴェルディ;弦楽四重奏曲
ボロディン;弦楽四重奏曲第2番
サン・サーンス;Vnソナタ第1番
ドヴォルザーク;ロマンティックな小品
を収録。
 
トッド・オックスフォード(バリトン・サキソフォン)カルラ・マッキルハニー(P) フランク;Vnソナタ&バッハ;無伴奏Vc組曲第1番ほか(EQUILIBRIUM)
おそろしく低い音の出る楽器、バリトン・サキソフォンによるフランクとバッハ。妙な編曲好きとしては買わざるべからず。(笑)
オックスフォードはアメリカ生まれ、テキサス大でサキソフォンを学んだとか。
バリトン・サキソフォンが他の独奏楽器と同等の高い表現力を持っていることを実証すべく、ほとんど自主製作盤として録音されたもののようである(全著作権を独奏者が保有)。編曲も自身が行っている。
ボッザボノーによるサキソフォン独奏曲をフィルアップ。
 
ハリー・クリストファーズ(指揮)ザ・シックスティーン、バーバー;アニュス・デイほか(Collins)
バーバーの弦楽のためのアダージョを無伴奏合唱曲に編んだのが標記の「アニュス・デイ」。
原曲にも増して美しい曲となっているのだが、手元にCDがないのでBerkshireに安く出ていた盤をオーダーしたもの。
同じ作曲家の「輪廻(Reincarnations)バーンスタインコープランドらの合唱曲と、打楽器奏者2名によるライヒ;クラッピング・ミュージックを収録。
ライヒは一度、音を聴いてみたかった曲なので嬉しい。(^^)

3月23日(金): 

 

ルドルフ・ケンペ(指揮)チューリヒ・トーンハレ管、ベートーヴェン;交響曲第5番&ドヴォルザーク;交響曲第9番(SCRIBENDUM)
ケンペの復刻盤が並んでいたので購入。
昨年5月にブルックナー;交響曲第8番が復刻されたが、これも同じex libris原盤の1971年録音。
ベートーヴェンはブルックナーとカプリングされてLP2枚組の国内盤(日本フォノグラム)が出ていた。
 
ニコラウス・アーノンクール(指揮)ウィーン・フィル、ブルックナー;交響曲第7番(TELDEC)
アーノンクールのブルックナーは先日第8番の新譜を買ったばかり。
チラッと聴いた感じでは、なかなか堂々たるものだったので、前から某音盤店のバーゲン・ワゴンに入っていた第7番も購入してみた。
1999年6月のライヴ録音、使用楽譜についてはコメントがない。
 
桐五重奏団、フランク;P五重奏曲&サン・サーンスP五重奏曲(MEISTER MUSIC)
見れば買う曲、フランクの新譜が出ていたので購入。
その名のとおり桐朋出身者からなる五重奏団で、弘中孝(P)、久保陽子(Vn)、中村静香(Vn)、店村真積(Va)、毛利伯郎(Vc)という面々である。
ライナーノートのプロフィールに「殆どのピアノクインテットを演奏し」とあるが、それならばヴィエルヌマニャールあたりも、ぜひ演奏・録音していただきたいもの。
 
天満敦子(Vn)ライナー・ホフマン(P) ベートーヴェン;Vnソナタ第9番&フランク;Vnソナタ(Virgo)
またまた天満さんの新譜が出たので、ふらふらと(笑)購入。
彼女の音楽は、少々演歌調ながら、表現力・説得力は極めて強い。速い音が潰れ気味なのは閉口だが、フランクのソナタならば長所が十全に発揮されるのではなかろうか。
2000年9月の録音、ライヴではないらしい。
 
ヨースハルト・ダウス(指揮)ヨーロッパ・コール・アカデミー・バッハ・アンサンブルほか、バッハ;ヨハネ受難曲(ARTE NOVA)
中古音盤堂奥座敷同人・野々村さんから、このコンビのマタイ受難曲が素晴らしいとお薦めをいただいた。
調べてみればギーレン指揮のラヴェル;ダフニスとクロエ全曲盤で実に見事な合唱を披露していたのが、この団体。
これは聴いてみなければ…と思って店頭を捜したところ、マタイは見あたらず、代わりにヨハネを買ってきた。これもお薦めとのこと。
ブレーメン・コンチェルトハウス大ホールでのライヴ録音、1999年3月29日というから受難節の記念上演であろう。
独唱者はあまり知らない名前が並んでいる。テノール(明記されていないが福音史家のはず)はローター・オディニウスという人。

3月22日(木): 

 京都市交響楽団第432回定期演奏会(指揮:ウーヴェ・ムント)を聴く。
 周知のように、この演奏会でムント氏は3年間の任期を終えることになる。彼が指揮したときの京都市響が、一段上のオーケストラに変貌することを思えば、惜しまれてならない。
 来年度も10月に客演が予定されてはいるが、常任指揮者としての最後の定期に「告別」の色濃い曲を演奏される。これを聴かないわけにはいかない。

マーラー;交響曲第9番
もちろん1曲だけのプログラム。遅刻したら大変と、少し冷や冷やした。
 
この曲は昨年の大晦日に小澤征爾サイトウ・キネン・オーケストラで聴いたばかり。
第1楽章冒頭から、指揮者が作曲家と音楽的風土を共有していることを実感させられた。第2Vnに出る「大地の歌」終結のこだまの音型の響きが、まさしく「ウィーン」だったのである。
その後も終始、音楽的な美感を失わない演奏で、例えば楽章のクライマックス、銅鑼が強打されたあと331小節以下のヴァイオリンのフレーズも音を汚さない程度にとどめられた。
したがってバーンスタイン的な荒れ狂い方、「地獄がひらいた…」という終末感を期待していた向きには少し不満が残っただろう。
 
第2楽章の主題にも土臭いアクセントが強烈に付されており、これまたまさしくウィーンのレントラー舞曲。
 
第3楽章も、ウィーン的な甘美な音楽に不安と心の痛みが交錯する趣が素晴らしい。
ふだんは非力と感じるトランペットも、見事な弱音を美しく・意味深く吹奏。
終結へ向けての加速と破滅感も十全に表出された。
前の楽章ともども色彩感も十分で、この曲の中間2楽章がこれほど聴き応えのある音楽として演奏された例を知らない
 
これならば終楽章はさぞかしと思ったところ、期待を裏切らないというより期待を遙かに超える出来映え。ムント&京都市響の集大成として誇るに足る高みに達していた。
冒頭から弦合奏は暖かい響きが一貫、他の指揮者のときとは次元の違う(別な団体のような)精度の高さ・音色の美しさを聴かせてくれた。
終結、死んだようにかすかな第2ヴァイオリンの上に、ごくわずか生気のぬくもりを帯びたヴィオラが重なってきた精妙さ・美しさは筆舌に尽くしがたい。
最近好調なフルート、クラリネット、ホルンはもとより、ファゴットも含めて管楽器も終始好調(オーボエの音程には少し問題を感じるが)。
この楽章に流れていた惜別の情あふれる感動は、誠に素晴らしいものがあった。
 
こう書いては失礼ながら、京都市響がここまで出来るとは…。返す返すもムント氏の離任が惜しまれる。
かなり本格的にマイクがセッティングされており、ひょっとしたら放送かCD化が行われるかもしれないと期待している。

 Alapage.comからCDが届いた。最近、配送にFedexを使うようになったようだが、斉諧生の居住地では土日祝日の配達をしないというので勤務先に届け直してもらうことになった。

ミシェル・スヴィエルチェフスキ(指揮)リスボン・グルベンキアン管、ルーセル;バレエ音楽「蜘蛛の饗宴」ほか(Accord)
生物学者岡田節人氏は音楽好きとしても有名で、当ページでも氏が推薦されるラウタヴァーラ;「極北への頌歌 Cantus Arcticus」を取り上げたことがある。
節人さんの音楽関係の文章を集めた『アルマ・マーラーに恋した生物学者』(哲学書房)を読み返していたところ、この盤が「蜘蛛の饗宴」の全曲版をオリジナルの小編成で演奏した珍しいものであるという記載があった。
組曲版はポール・パレールネ・レイボヴィッツも録音しており、ちょっと好きな曲になっている。
1987年の録音で、オリジナルはAdesレーベルで出たもの。ひところは輸入音盤屋の店先やバーゲンでよく見かけたが、最近は出回っていないようだ。
AlapageでAccordから廉価再発されているのを見つけたのでオーダーしたもの。
同じ作曲家の管弦楽のためのコンセール小組曲をカプリング。
なお、岡田先生は「くもの宴」との訳題を唱えておられるが、通用に従う。
 
ジェラール・プーレ(Vn)ドミニク・メルレ(P) ベートーヴェン;Vnソナタ全集(MANDALA)
京都フランス音楽アカデミーの常連で昨年実演に接して感心したプーレ、ディスクでもフランス音楽のみならずバッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータなども良い人である。
ユビュ王の食卓の掲示板でWebmaster・WOODMANさんからベートーヴェン全集のリリースを教えていただき、オーダーしていたもの。
ピアノのメルレも、プーレ同様、京都フランス音楽アカデミーの講師として来日している人だ。。
CD4枚組の新譜(1999〜2000年録音)ながら215フラン(約3,750円)とお買い得。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn)ミシェル・シュトロース(Vc) コダーイ;無伴奏Vcソナタ・VnとVcの二重奏曲(Accord)
カントロフの未架蔵盤を発見したのでオーダー。
むしろチェリストがメインの盤だが、シュトロースはパリ音楽院でポール・トルトゥリエモーリス・ジャンドロンに学び、フランス放送新フィルの首席奏者を経て、パリ音楽院で教職にあるとのこと。
 
フィリップ・ベルノルド(Fl)カトリーヌ・コラール(P) モーツァルト;Flソナタ集(LYRINX)
カトリーヌ・コラールは1993年、46歳で没した、あまり有名ではない(かもしれない)ピアニストだが、斉諧生の周囲には高く評価する人が多い。
1970年代のエラート録音も有名だが、80年代以降、このLYRINXレーベルにソロや室内楽を残した。
その中でも、このモーツァルトが非常にいいと聞き、長く捜していたもの。Alapageにオーダーして品切れだったこともあるのだが、ようやく再プレスされたのだろうか。
K.296・376・377のVnソナタをフルートに置き換えた1799年の出版譜(プレイエル)によるとのこと。
 
アリス・アデル(P) ドビュッシー;前奏曲集第1巻・遊戯(pianovox)
ピアノ独奏盤を買うことは非常に珍しいのだが、先日のルクー;P四重奏曲聴き比べ以来、この人のピアノには感心しているので、いろいろ捜してみた。
輸入音盤屋の店頭ではあまり見たこと無いレーベルだが、ドビュッシーの有名な曲集があったのでオーダーしてみた。
カプリングの「遊戯」は、バレエ・リュスのために書き、ニジンスキーが踊ったバレエ音楽を作曲者自身が編曲したもの。これも楽しみ。
1998年の録音。
 
アリス・アデル(P) メシアン;前奏曲集ほか(pianovox)
これもアデル。
この人のメシアン録音は押さえておきたいと思い、馴染みの無い曲だがオーダーしたもの。
ポール・デュカスを偲ぶための小品をフィルアップ。1997年録音。

3月21日(水): 

 長谷川陽子チェロ・リサイタル@京都府民ホール「アルティ」を聴く。ピアノは及川浩治
 長谷川さんのコンサートは数多く聴いているが、ピアノ付きのリサイタルは久しぶり。

今日の曲目は
バッハ;無伴奏Vc組曲第1番
サン・サーンス;白鳥
フォーレ;エレジー
バルトーク;ルーマニア民俗舞曲
ラフマニノフ;チェロ・ソナタ
 
バッハ以外は長谷川さんの実演に初めて接することになる。
 
バッハはここ2年ほどの間に繰り返し聴いている曲だが、今日の演奏は一段と自在さを増し、歌と暖かさに満ちている。
和音の美しさがひときわ光っていた。これで高音の響きにもっと艶がのれば…とは望蜀か。
 
ポピュラーな3曲の中ではフォーレの熱い歌い込みが感動的。
バルトークは、セーケイによるヴァイオリン編曲をよく聴くが、チェロでは初めて。
けっこう手のこんだアレンジで、そのあたりを聴く(見る)とヴァイオリン版よりも面白い。
 
メインのラフマニノフは、やはり随一の聴きものとなった。
ピアニストの資質もあると思うが、ロシアの甘美な憂愁よりも、近頃の気候に似た、春が萌えたつような勢いのある演奏となった。
第1楽章のクライマックスでの競い合うような盛り上がりには「手に汗を握る…」趣があり、情熱のほとばしりを実感。
全体にピアノのリズムが独特で、弦楽器側が少し歌いづらそう…と思われたが、第3楽章第4楽章第2主題では、嫋々とした歌がたっぷり奏でられた。
 
野平一郎氏と共演したCD(長谷川さんの録音の中でも真っ先にお薦めできるものだ)とは異なる傾向だったが、これはこれで満足できる演奏であった。
最近の長谷川さんの充実ぶり、ますます期待が高まる。
 
アンコールはスクリャービン;ロマンスエルガー;愛の挨拶

3月20日(祝): 

 先週入手したCDのデータをアンゲルブレシュト・ディスコグラフィに追加。
 なお彼のページでは、これまでジャケット写真をページの下部にまとめていたが、他のディスコグラフィと同様、クリックで別窓表示するスタイル(java script使用)に改める。


3月19日(月): 本業が意外に早く仕舞えたので京都三条の十字屋に立ち寄る。ちょうど決算期のバーゲンの最終日に当たり、まあめぼしいものは売れてしまっていたのだろうが、中古盤数点を購入。更に新譜数点と『レコード芸術』4月号を買い求める。
 後者を帰り道で読んでいて、驚いた。
 片山杜秀氏の記事(80頁)に、次のようにある。

作曲のコバケンといえば、これまで日本の好楽家にとっては小林健一郎のことだった。(略)
主要作には二つのヴァイオリン協奏曲がある。(略)第一番は研一郎の作品同様、チェコのオケ(ブラティスラヴァ放送響)で録音されている。

言及されている録音は、おそらく、HUNGAROTONレーベルから出ていたCDのことだろう(未架蔵)。
 Ken'ichiro Kobayashiという作曲者名を見て、ずっと小林研一郎の作品と思っており、このページでもそのように書いたことがあるが、間違っていたようだ。
 とりあえず訂正とお詫びを申し上げる。

 

カール・ベーム(指揮)チューリヒ・トーンハレ管、ブルックナー;交響曲第8番(PALEXA)
前にシェリングのライヴ盤等が出たPALEXAレーベルからベームのブルックナーのライヴが出た。
ライヴにこそ真骨頂があるといわれるベーム、しかもブルックナー最高峰の第8番とあらば、買わざるべからず。
1978年7月4日、チューリヒ・トーンハレでの収録。音源について明記されていないが、音質は極めて良好、スタジオ録音に匹敵する。
 
ニコラウス・アーノンクール(指揮)ベルリン・フィル、ブルックナー;交響曲第8番(TELDEC)
アーノンクールのブルックナーは2番目に出た第4番(コンセルトヘボウ管)が低カロリーというかノン・カロリーというか、ちょっと肩すかしを食らわされた感じで、3番目の第7番(ウィーン・フィル)は、手に取らずにきた。
とはいえ最高峰・第8番が出たとあっては買わざるべからず。
2000年4月のライヴ録音、ノヴァーク版使用とある。
 
ウルフ・ビョーリン(指揮)ロイヤル・フィル、ベールヴァルド;交響曲第1・3番ほか(EMI)
 
ウルフ・ビョーリン(指揮)ロイヤル・フィル、ベールヴァルド;交響曲第2・4番ほか(EMI)
ベールヴァルドの交響曲録音は、つとめて集めるようにしているのだが、なぜか買いそびれてきたビョーリンのEMI盤(1976年録音)が中古格安で出ていたので購入。奇抜な(笑)ジャケットのMATRIXシリーズである。
「エストレッラ・デ・ソリア」序曲「ノルウェーのアルプスの思い出」「妖精の遊び」といった管弦楽曲を収録。
 
ヤープ・ファン・ツヴェーデン(Vn)ケネス・モントゴメリー(指揮)オランダ放送響ほか、パガニーニ;Vn協第1番ほか(Philips)
先般、ハーグ・レジデンティ管を率いての来日公演で指揮者として評価を高めたツヴェーデンのヴァイオリニストとしての録音である。
曲目が今ひとつだったので買わずにいた"Dutch Masters"シリーズの1枚が中古格安で出ていたので購入。
標記パガニーニは1987年の録音、ほかにコンセルトヘボウ室内管を弾き振りした
メンデルスゾーン;VnとPの協(P独奏;ロナルド・ブロウティガム)
ボッテジーニ;VnとCbのグラン・デュオ・コンセルタント(Cb独奏;ダンカン・マクティアー)
をカプリング(いずれも1986年録音)。
近年のCDでは個性的な風貌を強調したジャケット写真が多いが、この盤では至極まともなのが可笑しい。
 
アウリンQ、ベートーヴェン;弦楽四重奏曲第13番・大フーガ(TACET)
先日シューベルトの全集も購入したアウリンQのベートーヴェン(1994年録音)が中古格安で出ていたので買ってみた。
第5楽章カヴァティーナの次に大フーガ、そのあとに作り直された方の終楽章を置くというトラック配置をとっている。
 
ローアン・デ・サラム(Vc) ブリテン;無伴奏Vc組曲(全曲)(MONTAIGNE)
これは新譜。
ブリテンのこの作品の録音は、ついつい買ってしまう。
デ・サラムはカサドカザルスに学んだチェリストで、クセナキスリゲティベリオら現代作曲家の作品を多く演奏してきたとのこと。自身、作曲もしているらしい。
この曲集もずいぶん集まったので、ちゃんと聴き比べでもしたいところだ。
 
ウィントン・マルサリス(trp)ほか、マルサリス;「フィドラーズ・テール」組曲ほか(Sony Classical)
マルサリスによるジャズとクラシックの融合アルバムという妙なものだが、演奏者にデヴィッド・シフリン(Cl)、ミラン・トゥルコヴィッチ(Fg)、アイダ・カヴァフィアン(Vn)といった名手が揃っているので購入。
ソニーの公式ページで調べてみたら、全曲盤からの抜粋で、
ストラヴィンスキーの「兵士の物語」をベースにウイントン自身がストーリーと音楽に取り組んでいる。
とのこと。
弦楽四重奏曲第1番と副題のついた「オクトルーン・ボールズにて」をカプリング。こちらの演奏はオリオンQ

3月18日(日): 

 所用で外出した道すがら、中古音盤屋があったので立ち寄ってみた。

ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)フィラデルフィア管、ブルックナー;交響曲第4番(EMI)
かつて宇野功芳師推薦盤以外は等閑視してきたブルックナーの交響曲を聴き直すプロジェクトを進行させているところである。
これもその一環として購入。第4番は曲趣からしてサヴァリッシュ向きかもしれない。
1993年3月、音楽監督就任(同年9月)の直前に録音されたもの。1878/80年版と表記されているから、もっとも一般的なノヴァーク第2稿。
 
朝比奈隆(指揮)大阪フィルほか、ワーグナー;ジークフリート牧歌・楽劇「神々の黄昏」抜粋(KING)
1983年10月4日、大阪フェスティバルホールでの大フィル第195回定期演奏会からのライヴ録音。
ちょうどLPからCDへの移行期で、朝比奈&大フィルはKINGに盛んに録音していた。中には、ちょっと珍しいレパートリーも含まれている。
例えばマーラー;交響曲第9番・大地の歌シベリウス;交響曲第2番ショスタコーヴィッチ;交響曲第5番R・コルサコフ;「シェヘラザード」R・シュトラウス;「ツァラトゥストラはかく語りき」といったところ、極めつけはフルトヴェングラー;交響曲第2番だ。
これもその時期のもの、曲は得意の(しかし録音はそう多くない)ワーグナーである。1980年代の朝比奈がどういう表現をみせているか、ぜひ聴いてみたいと購入。
「神々の黄昏」からは「ジークフリートのラインへの旅」「ジークフリートの葬送行進曲」「ブリュンヒルデの自己犠牲と終曲」(Sop独唱曽我栄子)を収録。

3月16日(金): 

 

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)モスクワ国立響、ワーグナー;管弦楽曲集(Jimmy Classic)
メロディア原盤というマルケヴィッチのライヴ録音(モノラル)。1963年5月25日、モスクワ音楽院大ホールでの収録とされている。
音源としては既にメロディア盤LPで架蔵しているが、マルケヴィッチとあらば買わざるべからず。
店頭の試聴機で一聴した感じでは板起こしではないかという気がするが、どうだろうか。聴きづらい音ではないが、いかにも古いライヴ録音という域を出ない。
 
ダヴィード・オイストラフ(Vn)レフ・オボーリン(P)ボロディンQ、ショーソン;Vn、Pと弦楽四重奏のための協奏曲ほか(SMC)
これまた旧ソ連でのライヴ録音(モノラル)。
ショーソンは1960年9月27日、モスクワ音楽院小ホールでの収録とされている。
リリース情報は少し前に中古音盤堂奥座敷MLで教えていただいていたのだが、ようやく京都の音盤屋にも並んだので購入。
ショーソンのこの曲は買わざるべからず。演奏者の顔ぶれからすると、半ば怖いもの見たさのところはあるが(笑)。
スヴィヤトスラフ・クヌシェヴィツキー(Vc)を加えたショスタコーヴィッチ;P三重奏曲第2番をカプリング。
こちらは1960年10月1日の録音とのこと。
 
辻井淳(Vn) バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(イソダ)
以前、京響のコンサートマスターを勤めていた辻井さんの自主製作盤。
既発の小品集も優れた出来映えだったので、バッハにも大いに期待して購入。
2000年8月、神戸女学院ソールチャペルでの録音で、ジャケットには美しい教会内部の写真が使われている。

3月14日(水): 

 

グレゴル・ツビッキー(Ob)ユッカ・ペッカ・サラステ(指揮)スコットランド室内管、R・シュトラウス;Ob協&フランセ;「花時計」ほか(SIMAX)
中古盤屋で珍しいディスクが目についた。
ノルウェーのSIMAXレーベルで、スウェーデンのサラステが振っていたりスコットランド室内管が演奏していたりするのもさることながら、フランセは、魅力的な佳曲ながら録音が少ないので購入。
1990年の録音で、独奏者はストックホルム生まれ、当時ベルゲン・フィルのメンバーとライナーノートにある。
ある人曰く「管楽器は寒いところほど良い」、この説が正しければこの盤も期待できるというもの。
シュトラウス晩年の名作とマルティヌー;Ob協をカプリング。
 
オリヴィエ・シャルリエ(Vn)ジェフリー・トーザー(P) マッキーウェン;Vnソナタ集(CHANDOS)
フランスの名手シャルリエの新録音に気づいたので慌てて購入。
全曲世界初録音というマキューン(原綴McEwen、1868〜1948)のヴァイオリンとピアノのための作品集で、ソナタ第2・5・6番と、「スコットランド狂詩曲」と副題のついた小品「チャーリー王子」を収める。
 
宇野功芳(指揮)跡見学園女子大学合唱団ほか、モーツァルト;「魔笛」ファンタジー(MUSIKLEBEN)
「モーツァルトを借りているだけのファンタジー」とはライナーノートに掲げられている指揮者の文章。
ほとんどのアリアはカット、合唱・重唱部分を中心にソロが加えられており、すべてのパートを女声で歌い、配役等も固定せず、「ひたすら今鳴っているモーツァルトの音楽に浸っていただきたい」という趣旨で構成されたとのこと。
果たしてどのような音楽が演奏されているのか不安がないではないが、宇野師の音盤ゆえ、とにもかくても購入。
ピアノは宮下恵美、ヴォイストレーナーは福島章恭氏。

3月11日(日): 

 村松楽器からCDが届いた。
 フルートのCD・楽譜の通販を行っており、輸入盤・輸入楽譜も含め充実したカタログを誇っている。支払いは代金引換郵便。

アラン・ダボンクール(Fl)イザベル・クーレ(Hp)ほか、アンゲルブレシュト;FlとHpのソナタ(ソナチネ)ほか(QUANTUM)
上記のサイトでアンゲルブレシュトを検索したところヒットしたCD。他にも数点あったのだが在庫切れとのこと。
この指揮者の作品で最もよく録音されているフルートとハープのための作品で、この盤では「ソナタ」と表記されているが、通常は「ソナチネ」とされている。
ダボンクールはパリのエコール・ノルマルの出身で、ミシェル・デボストらに学んだとか。フリーで活動しているらしい。
1996年、パリで録音されたもの。アンゲルブレシュト作品のほか、
ドビュッシー;Fl、HpとVaのためのソナタ(Va独奏;ゾルタン・トート)
クラ;FlとHpのための組曲
ダマーズ;FlとHpのためのソナタ
を収録。
聞いたこともないレーベルだが、こういうものも手に入るのがこういう特殊ルートの強みである。

3月10日(土): 

 jpcからCDが届いた。

ユーリ・シモノフ(指揮)ベルギー国立管、ショスタコーヴィッチ;交響曲第4番(Cypres)
ショスタコーヴィッチの交響曲の中で、4番は15番とともに、心に沁みる、好きな曲だ。
ショスタコーヴィッチの網羅的な音盤評を掲載した工藤さんのWebpageを読み返していたところ、何枚か、気になるCDが出てきた。これはその一枚で、
非常に安定した解釈で、曲の内容を明らかにする優れた演奏。
 全ての音に意味が感じられる。オーケストラは、音色やアンサンブルに今一つキレがなく、音の力に不足するのが残念だが、逆にこの曲が交響曲であることを再認識させるような落ち着いた仕上がりになっている。
 響きにロシア色は少ないものの、内容はロシアそのものであるところが大変素晴らしい。
とのコメントが付されている。
あちこちの通販サイトに頼んだものの品切れの目に遭い、ようやく入手できた。
1996年2月16〜18日、3回のコンサートから編集されたライヴ録音。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮、Vn&Va)ティボール・ヴァルガ音楽祭管ほか、モーツァルト;Vn協第3番・協奏交響曲ほか(Collection Tibor Varga)
先日、第14・17巻を店頭で購入した"Tibor Varga Collection"を大量に見つけたのでオーダーした。
これは第13巻で、モーツァルト作品集になっており、標記2曲のほか、
リトゥアニア国立響を指揮した序曲「ドン・ジョヴァンニ」(1998年録音)を収めている。
協奏交響曲K364(1994年録音)ではヴァルガはヴィオラと指揮、独奏ヴァイオリンはミリヤム・コンツェンという門下生が弾く。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮)ティボール・ヴァルガ音楽祭管、ショスタコーヴィッチ;室内交響曲op.110b&R・シュトラウス;メタモルフォーゼン(Tibor Varga Collection)
これは第15巻。悲痛な味わいを持つ弦楽合奏曲2曲を演奏している。
ショスタコーヴィッチ作品(1986年録音)は、弦楽四重奏曲第8番をヴァルガが弦楽合奏に編曲したもの。
同様のアレンジではルドルフ・バルシャイの仕事が知られているが、それはop.110aとされている。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮&Vn)ティボール・ヴァルガ室内管、モーツァルト;ディヴェルティメントK.334(Tibor Varga Collection)
第16巻は再びモーツァルトで、1962年の録音。
この曲はLPでも架蔵している。あるいは同じ音源か。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮&Vn)ロベルト・シドン(P)ティボール・ヴァルガ音楽祭管、フレイタス・ブランコ;Vnソナタ第1・2番&アルメイダ・プラド;Vn協(Tibor Varga Collection)
これは第19巻(第18巻は見つからなかったので、また捜さねば!)。
フレイタス・ブランコはポルトガルの作曲家(1890〜1955)。以前、PORTUGALSOMレーベルで出ていた音源だろう(1986年録音)。第1番は1907年、第2番は1928年の作品である。
アルメイダ・プラドは1943年ブラジルのサントスに生まれ、長じてはパリでメシアンナディア・ブーランジェに学んだ。
ティボール・ヴァルガによるシェーンベルク;Vn協の演奏に衝撃を受け、彼に献呈すべく1976年に作曲したもので、独奏ヴァイオリンと弦楽合奏という編成。同年のティボール・ヴァルガ音楽祭で初演された。
この録音はその直前、作曲者の立会のもとで行われたものとのこと。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮)ティボール・ヴァルガ音楽祭管ほか、モーツァルト;交響曲第39番&ストラヴィンスキー;組曲「火の鳥」(Tibor Varga Collection)
第20巻。
モーツァルトは1969年の録音。
「火の鳥」は1919年版組曲で、オデッサ国立フィルを指揮した昨年の録音である。
ティボール・ヴァルガ音楽祭管を振ったストラヴィンスキー;ニ調の協奏曲(1982年録音)をカプリング。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮)ブダペシュト室内管、ヴェイネル;「パストラーレ、幻想曲とフーガ」ほか(Tibor Varga Collection)
第21巻。バルトークと同時代に活躍したハンガリーの作曲家、ヴェイネルの作品集で、1998〜99年にブダペシュトで録音されている。
彼は、リスト音楽院で長く教職にあり、ショルティは自伝(草思社)の中で
彼は素晴らしい天性の音楽家であると同時に、演奏芸術に関する広く深い知識を持った完全なプロだった。
私が音楽家としてなし遂げたものはすべて、だれにもましてレオ・ヴェイネルのおかげだと言っても過言ではない。
と書いている。
ヴァルガもハンガリー生まれでリスト音楽院出身、やはりヴェイネルに教わった一人で、同門のチェリスト・ピアニストとともに録音を行った。
ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)とVc、Hpと弦楽合奏のためのロマンスを、
ジョルジ・シェベック(P)とはP協を演奏している。
更に小管弦楽のためのカルナヴァル(ユモレスク)をフィルアップ。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮&Vn)ティボール・ヴァルガ音楽祭管ほか、バッハ;ブランデンブルク協第4番&ヘンデル;オラトリオ「メサイア」(抜粋)ほか(Tibor Varga Collection)
第22巻はバロック作品集。
標記のほか、ヴィヴァルディマルチェッロルーマンらの作品を収める。
録音年代はまちまちで、1962年から1989年に及ぶ。
 
ティボール・ヴァルガ(Vn)イェルジー・セムコフ(指揮)デンマーク王立管ほか、ニルセン;Vn協&ニューストレム;Vn協(Tibor Varga Collection)
第23巻は北欧Vn協奏曲を2つ。
ニルセンは、明記されてはいないが、演奏者の顔ぶれから見て、かつてDGGからリリースされていた音源であろう(1965年録音)。
重要なのはスウェーデンの作曲家ニューストレム(1890〜1966)の作品で、1957年1月23日に行われた世界初演をスウェーデン放送がライヴ収録した音源である。
良好なモノラル録音で、シクステン・エケエルベルイ(指揮)ヨェーテボリ響が共演している。
 
なお、ティボール・ヴァルガ財団の公式Webpageがオープンしている。→ここを押して
ヴァルガの略歴や音楽祭の歴史のほか、これらのCDの記事もある。
それによればこのシリーズ、最終的には40巻程度が予定されているとのこと。
 
マリオ・ブルネロ(指揮&Vc)オーケストラ・ダルキ・イタリアーナ、ピアソラ;「アディオス・ノニーノ」&武満徹;「シーン」ほか(AGORA)
先日来、集め始めたブルネロのCDをオーダー。
チェロと弦楽合奏のための作品集で、標記2曲のほか
ヒンデミット;葬送音楽(Va曲からの編曲)
チャイコフスキー;夜想曲・「アンダンテ・カンタービレ」
等を収録。趣味良く仕上がっているのか悪趣味なゴッタ煮か、果たして如何。
 
アウリンQ、シューベルト;弦楽四重奏曲全集(cpo)
実はシューベルトの弦楽四重奏は最後の2曲くらいしか聴いたことがない。(^^;
もちろん全集を買うのは初めて。
アウリンQはフォーレ;P五重奏曲(cpo)やバルトーク全集ブリテン作品集(いずれもAccord)で好印象があり、このシューベルト(1995〜97年録音)も気になっていた。
jpcはcpoレーベルを出している会社でもあり、このレーベルのものは格安で提供されている。これもCD6枚組が60.30マルク(約3,400円)と国内の輸入音盤屋の半額程度。
なお彼らには第13・15番の別録音がTACETレーベルにある。
 
ロエル・ディールティンス(Vc) バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(ACCENT)
以前、このページを読んでくださった方からメールをいただいた。この曲集には格別の愛情をお持ちで、御自身もチェロを演奏される。
ペレーニブロムベリトルトゥリエブルネロを評価される点で意見が一致したほか、斉諧生未聴分ではヤニグロラウティオディールティエンスなどをお好みとのこと。
前二者は現在入手困難だが、ディールティエンス盤は現役。音盤屋でも見かけたが、いざとなると手に入らないもので、jpcにオーダー。
ディールティエンスはアントワープの音楽院出身でナヴァラにも学んだ人。古楽系に傾斜して18世紀オーケストラのメンバーでもあるとのこと。
1991年の録音。第6番ではチェロ・ピッコロを使用。

3月7日(水): 

 

ニコラウス・アーノンクール(指揮)コンチェントゥス・ムジクス・ウィーンほか、バッハ;マタイ受難曲(TELDEC)
アーノンクール3度目の録音となるマタイが出ていた。なるべく買うようにしている曲なので購入。
クリストフ・プレガルディエン(福音史家)
マティアス・ゲルネ(イエズス)
らが歌っており、合唱はアーノルト・シェーンベルク合唱団ウィーン少年合唱団
3枚目の収録時間は30分強だが、エンハンストCDとなっていてバッハの自筆稿全ページの画像が音楽付きで閲覧できる(Mac、PCコンパチブル)。
ただし、要求されるシステムはCPU500MHz以上、8倍速CD-ROMドライブ、Soundblaster互換サウンドカードと、少々高度。斉諧生現用のPCでは追いつかない。(汗)

3月5日(月): 

 

マリオ・ブルネロ(指揮)オーケストラ・ダルキ・イタリアーナ、シェーンベルク;「浄められた夜」&ストラヴィンスキー;ニ調の協奏曲ほか(AGORA)
ブルネロのチェロはバッハの無伴奏やベートーヴェンのソナタ全集以来、かなり高く評価しているのだが、指揮は未知数だった。
この手兵を率いた昨年の来日公演も今一つ食指が動かなかったのだが、先日、紀尾井シンフォニエッタを振ったコンサートは、なかなか好評だったようである(例えば→ここを押して)。
で、俄然彼の指揮が気になり始め、とりあえず店頭に残っていたこの盤を購入した次第。
カザルスヴェーグメニューインら、弦の達人が指揮したときに素晴らしい成果が生まれることがある。ちょっと期待。
冒頭にデーメルによる「浄められた夜」の原詩の朗読が収められ、最後にウェーベルン;緩徐楽章をフィルアップ。
 
アルバン・バイキルヒャー(Vn)ベネディクト・ケーレン(P) シューマン;Vnソナタ全集(ARTE NOVA)
シューマンの第2番のソナタ、特にその第3楽章はとても好きな音楽なので、見かけると買ってしまう。
遺作の第3番を録音しているのも珍しい。
バイキルヒャーという人は初めてだが、南チロル生まれの若手奏者。

3月4日(日): 

 昨日入手したCD・LPのデータをリリー・ブーランジェ 作品表とディスコグラフィレイボヴィッツ・ディスコグラフィに追加。
 音盤狂昔録平成13年2月分を追加。


3月3日(土): 

 jpcからCDが、MikrokosmosArs AntiquaからLPが届く。
 転居前後、配送トラブルの懸念もあって海外通販は控えていたが、解禁後のオーダー分が届き始めた。

ピエール・フルニエ(Vc)ほか、『フルニエ稀覯名演集』(EMI)
仏EMIからのCD4枚組、フルニエの音色が苦手なもので、新譜の時は見送っていた。
ところが、上記サイトでリリー・ブーランジェを検索していると、この盤が引っかかってきたのである。
半信半疑でオーダーしてみたところ、まさしく夜想曲が収録されている。この曲をチェロで演奏したディスクは初見。
どうして新譜の時点で気が付かなかったのか悔やまれるが、その分、安く買えた(51.68マルク、約2,930円)。
それ以外の収録曲は多岐にわたるが、主なものは次のとおり。
ハイドン;Vc協第2番(ラファエル・クーベリック(指揮)フィルハーモニア管、1951年録音)
シューマン;Vc協(マルコム・サージェント(指揮)フィルハーモニア管、1956年録音)
ベートーヴェン;Vcソナタ全集(アルトゥール・シュナーベル(P)、1947〜48年録音)
といったところ。
その他、ジェラルド・ムーア(P)との小品集などが入っている。
それにしても3分弱の小品のためにCD4枚を購入、全録音蒐集は自滅への道かもしれない。(^^;
 
ヘルムート・ヴォルフ(指揮)シュトゥットガルト・フィルほか、リリー・ブーランジェ;詩篇第129・130番ほか(CARUS)
これもブーランジェ全録音蒐集の1点。
最近の女性作曲家ブームに乗った企画だろう、ファニー・ヘンゼル(・メンデルスゾーン)の曲とカプリングされているが、管弦楽付き合唱曲の録音は珍しいので嬉しい。
特に詩篇第129番「今イスラエルはいふべし」は、これまで2回しか録音されていないから、貴重なものである。
指揮者は1939年生まれ、経歴を見ると、教職や合唱指揮を中心にドイツで活動してきた人の模様。1986年以来、この合唱団の芸術監督を勤めているとのこと。
1994年11月16日、シュトゥットガルトのベートーヴェン・ザールでのライヴ録音である。
 
ローゼマリー・ラントマン(M-S)アーデルハイト・レヒラー(P)ほか、リリー・ブーランジェ;4つの歌曲ほか(Ars)
これまたブーランジェ全録音蒐集の1点。
独唱者はハイデルベルクを中心に活動しているようだが、フランス音楽と20世紀作品が得意というドイツ人らしからぬ(?)レパートリーの持ち主。
この盤の収録曲もシェーンベルクフランセプーランクという調子である。
ブーランジェの作品は、「はかりしれない悲しみに包まれて」「期待」「映像」「ユリシーズの帰還」の4曲を歌っている。
録音は1994年2月、マルPは1995年。
 
ブリッタ・シュタールマイスター(Sop)クリスティアン・シュルテ(P)ほか、リリー・ブーランジェ;歌曲集「空のひらけたところ」ほか(PRIMAVERA)
またまたブーランジェ全録音蒐集の1点。今日の3点はいずれもドイツ人演奏家によるもの、彼女もヨーロッパで広く受容されるようになってきたわけで嬉しい。
ライナーノートの経歴によると独唱者はキャリア5年そこそこ、若い人らしい。スザンナやパミーナを持ち役にしているとか。
ベルクツェムリンスキーシマノフスキの歌曲をカプリング。
 
アーヴェ・テレフセン(Vn)ホーヴァル・ギムセ(P) グリーグ;Vnソナタ全集(Sony Classical)
「北欧のオイストラフ」と異名をとったテレフセン、曲によっては3度目、全集としても2度目のグリーグ(旧全集はNKFレーベル)。
今回は、グリーグ旧邸「トロールハウゲン」(「妖精の丘」の意とのこと)で作曲家遺愛のスタインウェイのグランドピアノを用いての収録という趣向である。
録音は1999年4〜5月、つとにノルウェー・ソニーのWebpageには掲載されていたのだが、ローカル・リリースのため輸入盤としてすら発売されていない。→ここを押して
北欧音楽MLjpcの新譜リストに挙がっているとの情報を得てオーダーしたもの。
 
ピエール・モントゥー(指揮)ボストン響、ストラヴィンスキー;ペトルーシュカ(米RCA、LP)
初演者モントゥーによるペトルーシュカ、勿論CDでは架蔵しているが、オリジナルのLPでも持っておきたいもの。
あまり高くない値付けだったのでオーダーしたのだが、オリジナルのLSC番号ながらラベルから判ずるに1964〜67年頃のプレス。
 
フリッツ・ライナー(指揮)シカゴ響ほか、リーバーマン;ジャズバンドとシンフォニー・オーケストラのための協奏曲ほか(加RCA、LP)
ライナーの怪作、リーバーマンのLPが入手できた。
共演はソーター・フィネガン・バンド
録音は1954年12月6日。シカゴでのアメリカ初演の直後に録音されたとのこと。
カプリングはR・シュトラウス;交響詩「ドン・ファン」
こちらは有名で、ステレオLPやCDでもリリースされている。同日の収録だからリーバーマンにもステレオ音源はあると思うのだが、未発売であろうか?
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn)ベルナール・トマ(指揮)ベルナール・トマ室内管、パガニーニ;Vn協第1・2番(仏FORLANE、LP)
CDで出ていた音源だが、アナログ録音だったと思ってオーダーしたところ、初期のデジタル盤。これはちょっと失敗(汗)。
カントロフの同曲は、その後DENONから弾き振りの新録音が出ているが、これは1982年12月9日、パリでのライヴ。
 
ジョルジ・パウク(Vn)グンナー・スターン(指揮)ロンドン・フィル、チャイコフスキー;Vn協(加audio spectrum、LP)
好きなヴァイオリニスト、パウクのチャイコフスキーをオーダー。カタログには指揮がボールトとあり、ジャケット表にはそう表記されているが、ジャケットの裏とレーベルにはスターンの名前がある。
となると昨年1月に購入済みの音源、これまた失敗か(汗)。
 
イェフディ・メニューイン(Vn)エドモンド・デ・シュトウツ(指揮)メニューイン音楽祭管&チューリヒ室内管ほか、マルタン;ポリプティクほか(英EMI、LP)
メニューインの未架蔵盤、マルタンは好きな作曲家でもあるので購入。クオドラフォニック(4チャンネル)エンコードだったのが残念。
標記の曲は2群の弦楽合奏が必要なので両方のオーケストラが出演している。
同じ作曲家の
オーレル・ニコレ(Fl) Flと管弦楽のためのバラード(シュトウツ(指揮)チューリヒ室内管)
Vaと管楽器、打楽器のためのバラード(マイケル・ドブソン(指揮)メニューイン音楽祭管)
をカプリング。後者のVaはメニューインの持ち替え。
 
ポール・トルトゥリエ(Vc)ルイ・フレモー(指揮)バーミンガム市響ほか、サン・サーンス;Vc協第1番ほか(米KLAVIER、LP)
トルトゥリエが息子ヤン・パスカル・トルトゥリエ(Vn)、娘マリア・デ・ラ・パウ(P)を引き連れてサン・サーンスの作品を集成したLP。
標記協奏曲のほか、父親は白鳥アレグロ・アパッショナートを演奏(これでA面)。
B面では息子がカプリス「ノアの洪水」序曲、娘が「ウェディング・ケーキ」を演奏。
協奏曲と「アレグロ〜」はCD化されているが、他は未架蔵音源なのでオーダーしたもの。もっともオリジナルは英EMIなので、また捜さねば…。
 
ポール・トルトゥリエ(Vc)オットー・アッカーマン(指揮)チューリヒ・トーンハレ管、ドヴォルザーク;Vc協(仏Guilde du Disque)
トルトゥリエが3回録音したドヴォルザークの最初のもの。
未架蔵なので気にかけていたところ、格安でカタログに出ていたのでオーダー。
届いたのは造りのいい美品で、これは幸運だった。(^^)
 
ポール・トルトゥリエ(Vc&指揮)イギリス室内管ほか、フランス音楽集(英Virgin、LP)
トルトゥリエの未架蔵盤と思ってオーダーしたのだが、1987年のデジタル録音、CDで架蔵済みの音源であった。(苦笑)
ドビュッシー;牧神の午後への前奏曲・小舟にて
フォーレ;パヴァーヌ・エレジー
サティ;ジムノペディ
サン・サーンス;白鳥
トルトゥリエ;ワルツ・アラ・モード
などを収録。最後の自作では夫人と共演している。
 
シルヴィア・ローゼンバーグ(Vn)マリア・ルイザ・ファイニ(P)チェスターQ、ショーソン;P、VnとSQのための協奏曲(米PANTHEON)
未知の演奏者、未知のレーベルながら、この曲は見かければ買うことにしているのでオーダー。
マルPは1983年、はたしてどのような演奏であろうか?
 
アナイ・アジェミアン(Vn)マロ・アジェミアン(P) シューベルト;幻想曲&シューマン;Vnソナタ第1番(MGM)
これも見かければ買うシューベルトの幻想曲なのでオーダーしたもの。
演奏者の名前は、どこかで聞いたような気がするのだが、思い出せない。(^^;
 
アルト・ノラス(Vc)エーロ・ヘイノネン(P) ラフマニノフ;Vcソナタ&プロコフィエフ;Vcソナタ(芬FINLANDIA、LP)
ノラス師匠の録音のうち五指に屈すべき名演の一つ、ラフマニノフ。
もちろんCDでは架蔵済みだが、1979年のアナログ録音ゆえLPでもと気にかけていたところ、ようやくカタログに見つけたのでオーダー。目出度く入手できて歓喜、また歓喜。
ともかくこれは万人にお薦めしたい名演奏であるので、CDを見かけられたら、ぜひお聴きいただきたい。
 
エリク・エリクソン(指揮)スウェーデン放送響ほか、モーツァルト;歌劇「魔笛」(全曲)(瑞SR、LP)
その昔、非常な話題になったイングマール・ベルイマン演出によるTV映画版のサウンド・トラック盤である。なんでもスウェーデン放送の開局50周年記念の超大作だったとか。
レーザー・ディスクで国内盤も出ており、そちらも架蔵しているが、音的にはちょっと貧弱。LPがカタログに出ていたのでこれ幸いとオーダーしたもの。
たしかクリスマス向けに製作された映像だったと記憶しているが、収録は1974年4〜5月。
スウェーデン語歌唱であること、演奏者が比較的無名だったことで(ホーカン・ハーゲゴードがパパゲーノを歌っている程度)、音盤としてはほとんど話題にならなかったのではないか。
とはいえ指揮は「合唱の神様」エリクソン、注目の全曲盤であろう。
 
ルネ・レイボヴィッツ(指揮)パリ・フィルほか、サティ;交響劇「ソクラテス」(米ESOTERIC、LP)
レイボヴィッツのLPが安く出ていたのでオーダー。音源としては架蔵しているが、再発の廉価盤だった。今回のESOTERIC盤がオリジナルのはずなので嬉しい。
従来、未詳としてきた録音年月がラベルの記載から1952年5月と判明したのも、また嬉し。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)聖チェチリア音楽院管・合唱団、ダラピッコラ;「囚われ人の歌」(仏VSM、LP)
今日の最大の収穫である。
ムッソリーニのファシスト政権への抵抗を歴史上の有名な虜囚の詞に託した名作(1938〜41年作曲)を世に出した名演である。
マルケヴィッチとしても、ストラヴィンスキー以後の世代の作曲家の録音は、自作を除けば、かなり珍しい。
長年の探求盤で、一昨年にようやく再発盤が入手できたが、おそらくこれがオリジナル。原則として避けることにしている10inch盤だが、これは別だ。
 
フランチェスコ・アスティ(Vn)トゥール・マン(指揮)ヨェーテボリ響、ステーンハンマル;センチメンタル・ロマンス&シベリウス;ロマンス(英HMV、SP)
またSPを買ってしまった。(^^;;;;
音源としてはLPに復刻されたものを持っているのだが、ステーンハンマルの録音としては非常に古いもの、同曲の世界初録音だろう。ついついオーダーしてしまった。
本来2曲からなっているうちの第1曲だけの録音。裏面はシベリウスの佳曲だが、やはり第2番を入れてほしかったものである。
入手したものは盤だけでアルバムがなく、データは記載されていなかったが、上記復刻盤(BIS LP301〜03)に附されたヨェーテボリ響のディスコグラフィによれば、1930年3月13日録音とされている。

平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。

平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。

平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。

平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。

平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。

平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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