音盤狂日録


2月28日(木): 

 

ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮)北ドイツ放送響
モーツァルト;交響曲第41番&ベートーヴェン;交響曲第7番ほか(Ars Nova)
大判紙ジャケットの"Live in Russia"シリーズからイッセルシュテットが出ていたので購入。
モーツァルトは1961年4月18日のレニングラード、ベートーヴェンは4月15日のモスクワでのライヴ。
ベートーヴェンと同日のワーグナー;「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲をフィルアップ。
メロディア盤LPでは架蔵済みだが、復刻状況に期待して購入してみた。
少し聴き比べたが、きれいな音に仕上がってはいるものの、残念ながら、LPを超えるというわけにはいかないようだ。
特にレニングラード録音のモーツァルトは、LPでもモスクワ録音に劣るが、CDでは更に貧弱な音質になってしまった。
 
レジナルド・グッドオール(指揮)BBC響
ブルックナー;交響曲第8番ほか(BBC LEGENDS)
リリース予告を見たときから待望していたグッドオールのブルックナーが出ていたので、即座に購入。
この指揮者は、クナッパーツブッシュに可愛がられ、50年代のバイロイトではクナのピットに入れてもらって勉強したという。
この交響曲でも、師譲りのスケール雄大な演奏を聴かせてくれるのではないかと期待している。
1969年9月3日、ロイヤル・アルバート・ホールでの収録、ハース版使用とのこと。
ワーグナー;「トリスタンとイゾルデ」第1幕前奏曲
ワーグナー;ヴェーゼンドンク歌曲集(ジャネット・ベイカー(Sop))
をカプリング。こちらは1971年11月3日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。
 
ルドルフ・ケンペ(指揮)ロンドン響ほか
チャイコフスキー;交響曲第5番&ヤナーチェク;シンフォニエッタほか(BBC LEGENDS)
ケンペのライヴも聴き逃せないので購入。存命中はずいぶん地味な存在だった彼だが、このところ復刻・発掘が続いているのは喜ばしい。
いずれもロイヤル・アルバート・ホールでのライヴで、チャイコフスキーは1964年9月16日、ヤナーチェクは1974年8月30日で管弦楽はBBC響
チャイコフスキーと同日のドビュッシー;Clのための第1狂詩曲をフィルアップ(独奏はジェルヴァーズ・ド・ペイエ)。
 
レオポルト・ストコフスキー(指揮)ロンドン響ほか
ワーグナー;管弦楽曲集(BBC LEGENDS)
ストコフスキーの復刻・発掘もののCDもずいぶん多く、とても買い尽くせないが、ワーグナー、しかも「神々の黄昏」抜粋を含む…となると購入せざるべからず。
すなわち「ジークフリートのラインへの旅」・「葬送行進曲」・「ブリュンヒルデの自己犠牲」で、1967年6月15日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでの収録。
その他の収録曲は、
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より
第1幕前奏曲・第3幕前奏曲・徒弟達の踊り・親方達の入場
(1967年9月23日、クロイドン・フェアフィールド・ホール)
「リエンツィ」序曲
これのみニュー・フィルハーモニア管
(1968年6月18日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール)
 
ボロディンQ
ショスタコーヴィッチ;弦楽四重奏曲第8番&ボロディン;弦楽四重奏曲第2番ほか(BBC LEGENDS)
バルシャイによる弦楽合奏編曲も含めて、標記のショスタコーヴィッチ作品は愛好している。
その曲を十八番にしていたボロディンQ全盛期のライヴとあれば、とても買わずにはいられない。
1962年8月31日、エディンバラ音楽祭でのライヴ録音で、同日に演奏された
ラヴェル;弦楽四重奏曲
をカプリング。
ボロディンは、その2日前、8月29日の収録である。
ともにモノラルながら、良好な音質。
 
ジュリアードQ
バルトーク;弦楽四重奏曲全集(RERTOSPECTIVE RECORDING)
かつて中古音盤堂奥座敷で、第4番の聴き比べに着手したが(未完)、課題盤エマーソンQあたりとは隔絶した緊張感・演奏力を持っていたのがジュリアードの2回目の録音。
この全集がCDで手に入らない(いちど日本盤が出たのみ)のは斯界の七不思議の一つだったが、ようやくリリースされた。
本来なら Sony Classical の"Masterworks Heritage"シリーズで丁寧に復刻してほしいところだが、このところ新しいタイトルを出していない模様。→ここを押して
簡素な造りで残念だが、廉価で再発されたことを喜びたい。
 
ベンヤミン・シュミット(Vn)クレメンス・ハーゲン(Vc)クラウディウス・タンスキ(P)
プフィッツナー;Vnソナタ・Pトリオ(MD+G)
↓に書いたとおり、「マイ・ブーム」になっているプフィッツナー、工藤さんが「中期の傑作」とされるVnソナタを聴いてみたいと思い購入。
ヴィタ・ウォレス盤(VAI AUDIO、ブルーノ・ワルターのVnソナタとカプリング)が手許にあるのだが、奏者の技量が今ひとつ頼りない。
以前、Arte Novaからバッハを出していたシュミットに期待したい。
1968年ウィーン生まれ、ザルツブルク・モーツァルテウムやウィーン・アカデミーで学んだ後、アメリカに渡ってカーチス音楽院でアーロン・ロザンドに師事した俊秀で、1992年のカール・フレッシュ国際コンクールで第1位に輝いてキャリアを築いたとのこと。
 
佐藤豊彦(Lute)
バッハ;無伴奏Vc組曲第1〜3番(Lute編)(Channel Classics)
バッハ;両無伴奏の編曲ものには、手を出さずにいられないので購入。
佐藤さんの新譜は久しぶりではなかろうか。編曲も演奏者自身による。
なお、録音に際して、すべてガット(羊腸)弦を使用したとのこと。26本の弦を持つバロック・リュートでは、なかなかの難事だそうな。
Channel Classicsの美しい音質にも期待している。

2月27日(水): 

 Compact Disc ConnectionCrotchetからCDが届く。

アイザック・スターン(Vn)ジョージ・セル(指揮)クリーヴランド管ほか
モーツァルト;Vn協全集(Sony Classical)
このところ、少しずつ買っている渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』の参考CDから。
スターンのVnとモーツァルト、音のイメージとしては相性が悪そうなのだが、渡辺氏は
そのすばらしい音程の感覚と光り輝く音色を耳にするだけで、聴き手は幸福な気持になれる。
という、この上ない讃辞を寄せている。
仮に斉諧生的には「外れ」でも、セルのモーツァルトを聴けるだけでも価値があるとオーダーしたもの。
セルの棒は第1・3・5番で、第1・5番ではオーケストラがコロンビア響と表記されているが、契約上か何かの理由による変名である。
残りの曲は、
Vn協第2・4番&アダージョK.261&ロンドK.373
アレクサンダー・シュナイダー(指揮)イギリス室内管
協奏交響曲K.364&コンチェルトーネK.190
ピンカス・ズーカーマン(Vn&Va)ダニエル・バレンボイム(指揮)イギリス室内管
が共演している。
 
レオポルト・ウラッハ(Cl)ヴァルター・カンパー(P)アントン・カンパー(Vn)ほか
プフィッツナー;五重奏曲・六重奏曲(PREISER)
先だってかぶとやま響定期で聴いた交響曲ハ長調以来、プフィッツナーが俗に言う「マイ・ブーム」になっている。
そのきっかけは、プログラム掲載の曲目解説で工藤さん
R.シュトラウスの音楽世界を豪華で華やかな鯛の活き造りに例えるとすれば、プフィッツナーのそれは海原雄山の壮大な蘊蓄と共に食する鰯の塩焼きだと言えるだろう。ワタの苦みに舌鼓を打ちながら食材を通して世界を語る、これがプフィッツナーの音楽である。
と喝破しておられたこと。
そこでも「最晩年の名作」と紹介されていた六重奏曲op.55を是非聴いてみたいとオーダーしていたもの。
新しい録音もあるようだが、ウィーン・コンチェルトハウスQのメンバーを中心にした歴史的録音に、作曲者と同時代を生きた共感を聴きたい。
 
マキシム・ヴェンゲーロフ(Vn)イタマール・ゴラン(P)ほか
モーツァルト;VnソナタK.378&ベートーヴェン;Vnソナタ第5番「スプリング」(TELDEC)
これも渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』の参考CDから。
同書序文で「『ギドン・クレーメル』を、『マキシム・ヴェンゲーロフ』を認めないヴァイオリン音楽好きなど、私には考えられない!」と絶叫し、
このCDについて「讃辞の勢い余って」、他のヴァイオリニストを酷評、「レコード会社と強い緊張関係に陥った」と告白する。
そこまでおっしゃるならばと(笑)、オーダーしてみた。
 
イーヴァル・アンレーセン(Bs)ほか
初期録音集(PREISER)
CD2枚組の中のただ1曲、ステーンハンマル;「星の瞳」を目当てにオーダーしたもの。
アンレーセンは1896年オスロ生まれ、ストックホルムで学び当地の王立歌劇場でデビュー。
1925年からはドレスデン、1931年からはベルリンで、ワーグナーやヴェルディを歌って好評を博した。
バイロイト音楽祭やグラインドボーン音楽祭にも出演したが、1940年、44歳で死去。
この盤には1921〜26年のSP録音46曲が復刻されており、ステーンハンマルのほかシンディングなどの北欧歌曲と、ワーグナーヴェルディ等のアリアなどが歌われている。

2月25日(月): 

 

ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮)北ドイツ放送響ほか
ブラームス;交響曲全集(SCRIBENDUM)
クラシック招き猫インターネット・名盤復刻プロジェクトから生まれた復刻盤が、遂に(ようやく)店頭に並びだしたので購入。
この全集はLPで3種架蔵しているが(苦笑)、CD化されたからには買わざるべからず。
かなり長い年月にわたるライヴ録音の集成で、
交響曲第1番 (1967年6月5日)
交響曲第2番 (1967年10月30日)
交響曲第3番 (1969年2月4-5日)
交響曲第4番 (1973年5月21日)
大学祝典序曲 (1970年9月2-4日)
ハイドン変奏曲 (1962年9月24日)
運命の歌 (1971年9月13-14日)
となっている。交響曲第4番は、指揮者が急逝する7日前、最後の演奏会の記録とのこと。
斉諧生の見るところ、北ドイツ放送響としては、世評の高いヴァント盤(BMG)よりも優れた演奏力を発揮していると思うのだが、読者諸賢の御感想はいかがだろうか。
なお、クラシック招き猫主宰・甲斐さんによる「運命の歌」の歌詞対訳と、指揮者の小伝(禿筆)がWeb上で公開されているので、御参考にしていただければと思う。→ここを押して
 
ジョン・バルビローリ(指揮)シュトゥットガルト放送響ほか
マーラー;交響曲第2番ほか(IMG)
『20世紀の大指揮者』シリーズ、待望のバルビローリ盤が並んでいたので購入。
まず、正規盤初出の標記曲が聴きものだろう。マーラーの中では苦手な作品だが、バルビローリのライヴならば聴かずにはいられない。(1970年4月5日、良好なステレオ録音)
また、初CD化のワーグナー;楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲も、以前どこかでスケールの大きな名演との評を読んだことがあり、楽しみにしている。
こちらはロンドン響とのEMIによるスタジオ録音(1969年9月)。
その他、
エルガー;「エニグマ」変奏曲 (ハレ管、1956年6月)
ラヴェル;組曲「マ・メール・ロワ」 (ハレ管、1957年5月)
プッチーニ;歌劇「蝶々夫人」抜粋 (ローマ歌劇場管ほか、1966年8月)
を収録。
 
ヴァーツラフ・スメターチェク(指揮)スロヴァキア・フィル
ウェーバー;舞踏への勧誘&ワーグナー;歌劇「タンホイザー」序曲ほか(GZ)
音盤屋の棚をつらつら眺めていると、"Jewels of the Masters"なるタイトルが目に入ってきた。CDの背中には演奏者名は書かれていなかったが、ふと手に取ると吃驚! 旧チェコ・スロヴァキアの名匠、スメターチェクの演奏であった。
この人やアンチェルは、通常スメタナドヴォルザークのスペシャリストと見なされているが、ドイツ音楽にも極めて優れた演奏を残している。
それゆえ標記2曲、とりわけワーグナーには絶大な期待を寄せて、購入。
その他の曲目は、
リスト;ハンガリー狂詩曲第2番
チャイコフスキー;イタリア奇想曲
なお、元来はOPUS音源で、1974年の録音。
 
ウィンナ・ホルン・アンサンブル
『生きているしるし』(自主製作)
以前、Volkerの部屋で話題になった、ラルス・ミヒャエル・ストランスキーほかによる「ウィンナ・ホルンの一大デモンストレーション」が店頭に出ていたので購入。→ここを押して
いつもは、こういう「楽器のためのCD」は買わないのだが、
モーツァルト(ヤノシュツ編);歌劇「魔笛」より「復讐の心は地獄のように」
ベートーヴェン(ピツカ編);「エグモント」序曲
J・シュトラウス(ヤノシュツ編);「こうもり」組曲
フンパーディンク(ストランスキー編);「ヘンゼルとグレーテル」組曲
といった名曲のアレンジに心惹かれた。
なおアルバムの原題は"Lebenszeichen"、フォルカーの部屋〜芳名録〜での邦訳に従う。
 
レイフ・オーヴェ・アンスネス(P)
グリーグ;抒情小曲集(24曲)(EMI)
ピアノ独奏曲の音盤は買わないように心がけているのだが(購入枚数を減らすため)、俊秀アンスネスの北欧ものとあっては、手を出さないのは困難である。(汗)
ノルウェー・トロルハウゲンのグリーグ博物館(作曲家旧邸)に所蔵されている遺愛のピアノ(1892年製スタインウェイ)を用いた演奏…というのにも興味を惹かれる。
演奏者執筆のライナーノートによれば、「豊潤な中音域と透明で鐘のような高音」を持つ、この曲集には理想的なピアノだという。

2月24日(日): 

 

アレクサンドル・ラビノヴィチ(指揮)シンフォニア・ヴァルソヴィア
モーツァルト;交響曲第35番(CD ACCORD)
宇野功芳師激賞の「ハフナー」を試聴してみたが、残念ながらといおうか、恐れていたとおりといおうか、疑問を残す結果となった。
生気溌剌としたモーツァルトという程度の評価はできるし、細部のアクセントやフレージングの工夫に面白い部分も少なくない(第1楽章12小節や第3楽章トリオ後半など)。
とはいえ、響きの彫琢に無関心な点や、音楽に自然な呼吸が乏しい点など、(少なくとも当録音の時点では)未だピアニストの余技の域を出ないものと思われる。
全体に、「凄さ」ではカザルス盤(Sony Classical)、「濃厚な表現」ではマーク盤(ARTS)といった、宇野師が推薦してこられた諸盤を超えるものではない。
なお、録音機材の問題か、いくぶん埃っぽい音がしているのは残念。
以下、宇野師の賞讃に斉諧生所見を付す。
(第1楽章)74小節の休符を長くとり、突然テンポを落とす濃厚な表情は、最も過激な古楽器指揮者も真っ青、ただただ凄い! と嘆声を挙げるばかりだ。
そのとおりの現象が起こってはいるが、休符に「意味」が感じられず(「間」の長さと拍の長さの比率が変ということか)、意図的に付された表情ではなく、指揮技術とアンサンブルの関係で起こった「アクシデント」のように思える。
(第2楽章)再現部の直前では大きなリタルダンドをかけるのはよいとして、フレーズを改変、微妙なテンポ・アップで最後の3音を次の主題の方にくっつけるという名人芸
十六分音符が8つある第49小節の最後3つを、第50小節の主題の弱起であると把握したもの。着想としては面白い。ただし、「名人芸」は指揮者ではなく、弦楽器奏者たちのものであろう。
(第4楽章)フィナーレは今度は速いテンポがバクハツ寸前。
この速さにライヴで追従したオーケストラの健闘は讃えたいが、音楽の流れの起伏が感じられず、機械的なスピードの追求に陥っている。「早いなァ」とは思うが興奮は呼び起こされない。
223小節から始まる前打音連続のパッセージで、そのいちばん終わりの前打音(231小節)だけを長く扱う解釈
小洒落た表現になっているが、約20年前にアーノンクール&コンセルトヘボウ管盤(TELDEC)で実践済み。
前打音の長さだけとれば、そちらの方がずっと長いし(笑)、この演奏の国内盤LPでは宇野師が解説を執筆しておられたはずである。

 昨日届いた音盤の情報をステーンハンマル・作品表とディスコグラフィに追加。

 トップページの検索窓を、Googleに付け替え。検索結果から「キャッシュ」というリンクを開ければ、キーワードがハイライト表示されるので便利だと思われる。
 GoogleのロボットがWWWから収集したファイルしか参照されないというデメリットはあるが、試してみた感じではちゃんと集めてもらっていて、特に問題は生じないようなので、前記のメリットを採用することとした。


2月23日(土): 

 ノルディックサウンド広島Alapage.comからCDが届いた。

ミカエル・バートシュ(指揮)ムジカ・ヴィタエ
ステーンハンマル;組曲「チトラ」ほか(INTIM MUSIC)
ステーンハンマル作品の新譜が出るというのでオーダーしていた、待望の1枚。
「チトラ」は、インドの詩人・思想家ラビンドラナス・タゴールの劇に付曲した附随音楽を、ルーセンベリが3楽章からなる組曲に編んだもの。弦楽合奏とチェレスタという編成による。
その他、
ルーセンベリ;序曲「白と黒」
シベリウス;組曲「恋する人」
グリーグ;弦楽四重奏曲ト短調(弦楽合奏版)
を収録。
 
ヤン・スティグメル(Vn)クリスチャンサン室内管
グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」・「2つの悲しい旋律」ほか(INTIM MUSIC)
ノルディックサウンド広島は、毎月、魅力的なニューズレターを発行しておられる。
以前は印刷物の郵送だったが、今ではWeb上で公開し、それをメールで報せてくださる。→ここを押して
その第37号で、「わたしのお気に入りのディスク」として紹介されていたのがこの盤。
バロックの雰囲気と北欧の明るい抒情が幸せに融合した、グリーグの<ホルベルグ(ホルベア)の時代から (Fra Holbergs tid)>
恥ずかしさを承知で言えば、グリーグの<春いまひとたび(春)(Våren/Spring)>を聴きながら、ひとり、泣いてください。
とのコメントに心惹かれてオーダーしたもの。
グリーグ作品以外にも、
シベリウス;ロマンス・即興曲
ラーション;ロマンス(「田園組曲」から)
など北欧の美しい弦楽合奏、全10曲を収めている。
 
ジェームズ・エーネス(Vn)シャルル・デュトワ(指揮)モントリオール響
ブルッフ;Vn協第1・3番(CBC)
今年1月のN響定期に登場、ベートーヴェンを演奏して好評を博したというエーネス(略歴等は→ここを押して)。
少し気にしていたところ、公式Webpageを見つけた。
そこにアップされているサンプル音源を聴いてみると、なかなか良さそうなので、Alapage.comに何点かオーダーしたもの。
このブルッフは、付けがデュトワ&モントリオール響というのも魅力的、録音が珍しい第3番を収録しているのも有り難い。
2000年5月の録音。
 
スティーヴン・スタリク(Vn)秋山和慶(指揮)ヴァンクーヴァー響ほか
プロコフィエフ;Vn協第1番&ショスタコーヴィッチ;Vn協第1番ほか(CBC)
上記エーネスのディスク捜しの際に立ち寄ったCBCのページで、魅力的なカプリングのCDを見つけ、Alapage.comにオーダーしたもの。
スタリクは1932年トロント生まれ、24歳でビーチャムロイヤル・フィルのコンサートマスターに挙げられ、アムステルダム・コンセルトヘボウ管シカゴ響で同じポストをつとめ、1986年にトロント響で引退したとのこと。
プロコフィエフは1973年録音で、標記の秋山&ヴァンクーヴァー響との共演、
ショスタコーヴィッチは1986年録音で、付けはアンドルー・デイヴィス(指揮)トロント響
更にクライスラーの小品5曲をフィルアップ。
 
ジェームズ・エーネス(Vn)ヨアフ・タルミ(指揮)ケベック響
サン・サーンス;序奏とロンド・カプリチオーソ&ショーソン;詩曲ほか(ANALEKTA)
これもAlapage.comにオーダーしたエーネスのCD。
標記2曲のほか、
ベルリオーズ;夢とカプリッチョ
サン・サーンス;ハバネラ
マスネ;タイスの瞑想曲
ミヨー;シネマ・ファンタジー(「屋根の上の牡牛」による)
といったVnのための作品に加え、
ベルリオーズ;「海賊」序曲
ドビュッシー;スティリー風タランテラ(ラヴェルによる管弦楽編曲)
という、いわゆる「素オケ」の曲まで入っているところが面白くもある。
なお、オーケストラの公式Webpageは→ここを押して
 
ピエール・アモイヤル(Vn)フレデリック・チュウ(P)
ブラームス;Vnソナタ全集(Harmonia Mundi)
音盤を見れば買うヴァイオリニストの一人、アモイヤルの新譜。
いずれ国内の音盤店にも並ぶだろうが、早く入手したいのは人情、しかもAlapage.comでは12.56ユーロ(1500円弱)と安かったのでオーダーしたもの。
 
ジェームズ・エーネス(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(ANALEKTA)
Alapage.comから届いたエーネスのCD、続く。
バッハ;無伴奏全曲盤は、なるべく手許に置いておきたいとはいえ、無条件に全部買うわけではないのだが、公式Webpageで試聴してみたところ、良さそうな感じだったのでオーダーしたもの。

2月22日(金): 

 

アレクサンドル・ラビノヴィチ(指揮)シンフォニア・ヴァルソヴィアほか
モーツァルト;交響曲第35番「ハフナー」ほか(CD ACCORD)
…と書いてピンとこられる方は『レコード芸術』の愛読者であろう。
同誌3月号で、宇野功芳師が絶讃というか怪気炎を上げておられるのである(345頁)。
まさに目の玉がとび出るような刺戟的、個性的な凄演
  その表情が少しもあざとくなく、いとも軽々した即興に聴こえるところ、ラビノヴィチは只者ではない。
眉唾半分ながら(笑)、これは自分の耳で確かめないと…と購入。
実際にはマルタ・アルゲリッチのライヴ盤として発売されたもので、
リスト;P協第1番
ショパン;P協第1番
の、1999年5月14日、ワルシャワ国立歌劇場での収録である。
 
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)ベルリン放送響ほか
ベートーヴェン;交響曲第3番「英雄」ほか(IMG)
先日マルケヴィッチ盤を買った『20世紀の大指揮者』シリーズ、期待していたフリッチャイ盤が並んでいた。
CD2枚組に収録された8曲が全てライヴ録音で、
ベートーヴェン;交響曲第3番
ベートーヴェン;「レオノーレ」序曲第3番(以上1961年2月5日)
ショスタコーヴィッチ;交響曲第9番(1954年4月30日・5月3日)
ヒンデミット;ウェーバーの主題による交響的変容(1952年6月3・4日)
コダーイ;ガランタ舞曲(1961年8月、これのみウィーン・フィル)
など。
斉諧生はフリッチャイの熱心な聴き手ではないが、さながらフルトヴェングラーの如き芸境にあったといわれる晩年(大病から復帰した1959年以降)のライヴである「英雄」に、名演が期待できるのではないかと購入。
いずれもモノラルながら美しい音質。ベルリン放送響(1954年までベルリンRIAS響)のものは放送局の音源と思われる。
 
広上淳一(指揮)日本フィル
ラフマニノフ;交響曲第2番(自主製作)
毎年1枚程度のペースでリリースされる日本フィルのライヴ盤、今年もそろそろ出る頃と、公式Webpageを観察していたのだが何もニュースがないところ、いきなり店頭に並んでいたので吃驚。
しかもそれが日本人指揮者で最も期待している広上さんのラフマニノフ、これは買わざるべからず。実演が聴けなかったのを残念に思っていただけに、嬉しい。
2001年7月13日、サントリー・ホールでの第532回定期演奏会のライヴ収録。
 
ギドン・クレーメル(Vn)吉野直子(Hp)
『インソムニア』(Philips)
吉野さんのCDは揃えるようにしているのだが、国内盤先行発売というので買いそびれたままになっていたところ、中古格安で輸入盤を見つけたので購入。
アルバム・タイトルにもなっている高橋悠治作品では、正倉院宝物からの復元楽器「箜篌(くご)」を用いているのが、歴史好きの斉諧生には興味深い。
箜篌の姿は、このCDで用いられたのと同じ楽器ではないようだが、例えばこのページで見ることができる。

2月21日(木): 

 

フィリップ・ベンダー(指揮)カンヌ管
ルーセル;「蜘蛛の饗宴」&ミヨー;「屋根の上の牡牛」ほか(L'empreinte digitale)
見知らぬ指揮者とオーケストラだが、なんとも渋い選曲が気に入って買い求めた。すなわち標記2曲のほか、
ドビュッシー;小組曲
ジョリヴェ;「華麗な恋人たち」(原綴"Les Amants magnifiques"、邦題自信なし)
イベール;ディヴェルティメント
というもの。特にルーセルは愛惜佳曲書掲載の曲である。
指揮者はブザンソン生まれ、1970年のミトロプーロス・コンクールで金メダルを得て、ニューヨーク・フィルでバーンスタインブーレーズのアシスタントをつとめ、その後あちこちのオーケストラを指揮、現在はパルマで音楽学校の校長をつとめているという。
ベンダーが長年率いているオーケストラは、室内管編成(Vnが計14、Va4、Vc5、Cb3)で、バソン(フランス式ファゴット)に「ワカバヤシ・ミチオ」という日本人名が見える。
なお、オーケストラの簡単な公式Webpageを見つけた。→ここを押して

2月20日(水): 

 

ペーター・エトヴェシュ(指揮)アンサンブル・モデルンほか
ベートーヴェン;交響曲第5番ほか(BMC)
いつもお世話になっているユビュ王の食卓@WOODMANさんの「CD雑記帳」で教えていただいたCD。(→ここを押して)
管楽器の重要なパッセージが弦の中に埋もれてしまうこともなく、バランスが大変良い (中略) 予想とはまったく逆の熱い演奏!
とのこと。
出回り始めた頃、同時にリリースされたバルトークの1枚だけを買い、あとで上記の記事を確認して、ベートーヴェンは見送ったことをずっと悔やんでいた。
その後も音盤屋で見なくもなかったのだが高めの値付けに手を出しかねていたところ、今日立ち寄った店ではまずまず低い価格だったので購入に踏み切った。
フランクフルト放送による収録とのことだが、かなりオン・マイクに録音されており、各楽器の音色が実にヴィヴィッドに聴こえ、ついでに楽譜をめくる音も盛大に聞こえる。(^^;
それにしても元来は約20人の団体のはずだが、いったいどれくらいの編成で演奏したのだろう?
指揮者の自作「ゼロ・ポインツ」をフィルアップ、こちらはヨェーテボリ響の演奏。

2月18日(月): 

 退勤後、電車待ちの時間つぶしだけのつもりで立ち寄った音盤屋で超格安のワゴンセール。ついつい漁ってしまう。(^^;;;;

イェフディ・メニューイン(指揮)フィルハーモニア・フンガリカほか
「フィルハーモニア・フンガリカの40年」(自主製作)
メニューインの指揮盤が含まれているのでリリースされたときから垂涎していた4枚組が、当初売価の3分の1近い値でワゴンに並んでいたので、とにもかくにも購入。
(特に晩年の)彼の指揮盤には、とてもとても暖かい音楽が流れており(Arabesque盤エルガー;弦楽作品集などが好例)、少しでも聴き逃したくない。
このオーケストラが名誉会長に戴いていたメニューインの指揮で
ハイドン;交響曲第96番「奇跡」
ブラームス;交響曲第2番
ブラームス;大学祝典序曲
バルトーク;管弦楽のための協奏曲
シューマン;P協 (ジェレミー・メニューイン(P))
を収録。
メニューイン以外では、
シューベルト;未完成交響曲 (ルドルフ・バルシャイ(指揮))
ブラームス;交響曲第1番 (ギルバート・ヴァルガ(指揮))
などが含まれている。
なお、現在ユストゥス・フランツが首席指揮者をつとめるオーケストラの公式Webpageは→ここを押して
 
ユハ・カンガス(指揮)オストロボスニア室内管ほか
ショスタコーヴィッチ;室内交響曲op.110a・フィンランドの主題による組曲ほか(BIS)
これは新譜。
素晴らしい団体が多い北欧の室内管の中でも注目のコンビが、見れば買う曲、ショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲第8番の弦楽合奏版(op.110a)をリリースしたからには買わざるべからず。
更に弦楽四重奏曲第10番の弦楽合奏版も収録している。ともに編曲はルドルフ・バルシャイの手になるもの。
ジャケット表に「世界初録音」と銘打たれている「フィンランド〜」は、1939年12月の作曲。
当時、ソ連は11月30日からフィンランドに侵入して交戦中(いわゆる「冬戦争」)。担当のレニングラード軍管区はヘルシンキ占領を当て込んで、戦勝祝賀式典で上演すべく、作曲家にフィンランド民謡を編曲し管弦楽化した作品を委嘱したのだとか。
破竹の征服が予想されたため、ショスタコーヴィッチは交響曲第6番のモスクワ初演を欠席、大急ぎで筆を進めた。
ところが、民族の運命を背負ったフィンランド軍は、各地でソ連軍の進撃を阻止、あるいは逆に包囲殲滅するなど大善戦。翌年3月の講和ではカレリア地峡を割譲させられるなど厳しい条件を付されたものの、独立を守り抜いた。このあたりは梅本弘『雪中の奇跡』(大日本絵画)もしくは植村英一『グスタフ・マンネルヘイム』(荒地出版社)等に詳しい。
赤軍の苦戦のためか、ショスタコーヴィッチの新曲は初演されることもなく埋もれてしまい、2000年にようやく発見、出版されることになった。
なお、ショスタコーヴィッチのために付け加えると、序奏のみ"energico"指定の力強い曲想だが、あとはむしろ可憐で抒情的な音楽である(全7曲でうち5曲はSop又はTenの歌唱つき、演奏時間12分弱)。
 
ピンカス・ズーカーマン(Vn)マーク・ナイクルグ(P)
ベートーヴェン;Vnソナタ全集(BMG)
これは渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』の参考CDから。
音の作り方がていねいになり、内省的で心優しい音楽を心がけている(中略)
 この人特有の、何種類もあるヴィブラートを使い分け、ひとつひとつの音をていねいに紡ぐように作りだす。
これはぜひ聴きたいと思って、あちこちの音盤屋や通販サイトを捜したのだが見つからなかった。
その4枚組が、ワゴンの中に元値の半分以下で鎮座している! 即座に購入。(^^)

2月17日(日): ネット上の知人宅でのオフ会に出席。斉諧生自身は聴くのみながら、参加者によるピアノ演奏、連弾演奏で楽しいひとときを過ごした。(^^)

 

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)ウィーン・フィル
プフィッツナー;交響曲&ブラームス;交響曲第4番ほか(Orfeo)
昨日の演奏会の曲目のうち、最も気に入ったが音盤は未架蔵だったプフィッツナー作品のCDを探したところ、cpoレーベルからの全集のほかは、フルトヴェングラーのザルツブルク音楽祭ライヴくらいしか見つからなかった。
それが音盤屋の店頭にあったので即購入。1940年の作曲から間もない時期の実演ゆえ、時代の雰囲気、精神が聴けるのではないかと期待している(1949年8月7日)。
残念ながら音質的には年代相応で、ビリつきや歪みも耳につく。
メインのブラームスも、1950年8月15日のライヴだが、音質はほぼ同様。
ベートーヴェン;「レオノーレ」序曲第3番をフィルアップ(1948年7月31日録音)。

2月16日(土): 

 西宮市を本拠に活動するアマチュア・オーケストラかぶとやま交響楽団第26回定期演奏会@伊丹アイフォニック・ホールを聴く。
 このオーケストラには中古音盤堂奥座敷同人、工藤さんが参加しておられ、この演奏会でもコンサートマスターを勤められた。

今日の曲目は
プフィッツナー;交響曲
モーツァルト;交響曲第35番「ハフナー」
ブリテン;ソワレ・ミュジカル
プーランク;シンフォニエッタ
というもの。
もうこれは、このオーケストラでしかあり得ないカルトなプログラムであろう(笑)。モーツァルト以外は実演はもとより音盤すら目にすることの稀な作品だ。
なお、指揮は団員で、中村晃之吉田徹(モーツァルトのみ)の両氏。
 
プフィッツナーは、1940年の作品で(op.46)、交響曲としては珍しいハ長調という調性。
大編成で演奏すると、プフィッツナー独特の鬱勃晦渋たる趣が表に出るのかもしれないが、第1Vnが8人というこの団体では実にクリアに響き、両端楽章の運動性と中間楽章の抒情味がクローズアップされる。
特に第1楽章でのTimpは、曲の書きぶりといい、奏者のタイミングの良さ、打ち込みの鋭さといい、誠に快感であった。
終楽章コーダの盛り上がりも素晴らしく、いっぺんにこの曲が好きになってしまった。
これは音盤を捜して愛聴したいものである。
 
モーツァルトは、オーソドックスなスタイルの上に、ちょっとしたクレッシェンドやアクセントが花開き、魅力的な演奏であった。
もう少しテンポが速いか、鋭いリズムで、音楽にスパイスが効いていれば…と思ったのは、こちらの耳がピリオド楽器系の演奏に慣れてしまったせいかもしれない。
 
後半の2曲も、浮き浮きとした演奏で、愉しめた。
特にプーランクは、このオーケストラのドイツ風の音色ゆえに、いくぶん重めに響いたが、それはそれで面白い効果があった。
弦楽器の奏法とウィンナ・タイプのHrnの響きが全体のサウンドを支配しているようだ。
 
かぶとやま響としては珍しくアンコール、ビゼー;「アルルの女」から「ファンランドール」
肩の力が抜けたのか、開放的な音楽が心地よかった。
 
次回定期(平成14年9月7日)の曲目は未定とのことだったが、今度は何が飛び出すか、とても楽しみである。京阪神の方は、是非、御注目を。
オーケストラの公式Webpageは→ここを押して

 

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)ロンドン響ほか
チャイコフスキー;マンフレッド交響曲ほか(IMG)
EMI、Philips、DGG共同企画の『20世紀の大指揮者』シリーズが店頭に並び始めた。とりあえずマルケヴィッチを購入。
標記の曲(Philips音源)は名演と知られつつも、これまでCD化されていなかった(と思う)。
ラヴェル;「ダフニスとクロエ」第2組曲 (1960年2月15日ライヴ、北ドイツ放送響)
という初出音源を含んでいるのも嬉しいかぎり。録音状態は良好。
そのほか、正規スタジオ録音で未CD化だった
R・シュトラウス;交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」 (フランス国立放送管、EMI音源)
ドビュッシー;交響詩「海」 (コンセール・ラムルー管、DGG音源)
などを収録している。
 
ヤン・フォーグラー(Vc)クリストフ・ポッペン(指揮)ミュンヘン室内管ほか
シューマン;Vc協ほか(Berlin Classics)
現役独墺系Vc奏者としては最も注目しているフォーグラーの新譜を、amazon.deから購入。
ここは船便で来るので、今回も2カ月を要した(怒)。あまり利用したくないのだが、ここでしかヒットしない音盤もあるのでやむを得ない。(-_-;)
カプリングはイェルク・ヴィトマン;「暗い糸」
ヴィトマンは1973年ミュンヘン生れ、Cl奏者だが作曲でも活躍してきているそうな。これはVcと女声2人と室内管のための作品で、フォーグラーに献呈された新作である。

2月15日(金): 

 

クリスチャン・フェラス(Vn)ピエール・バルビゼ(P)ほか
『フェラス稀覯名演集』(EMI)
先日来、渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』の参考CDからの購入を続けているところへ、フェラスの「カラヤン以前」時代、EMIへの録音集成がリリースされたので、さっそく購入。
CD5枚組に13曲を収録、
モーツァルト;Vn協第4・5番 アンドレ・ヴァンデルノート(指揮)パリ音楽院管
ベートーヴェン;Vn協 マルコム・サージェント(指揮)ロイヤル・フィル
メンデルスゾーン;Vn協 コンスタンティン・シルヴェストリ(指揮)フィルハーモニア管
ブルッフ;Vn協第1番 ワルター・ジュスキント(指揮)フィルハーモニア管
ラロ;スペイン交響曲 ワルター・ジュスキント(指揮)フィルハーモニア管
ベルク;Vn協 ジョルジュ・プレートル(指揮)パリ音楽院管
バンドー;ハンガリー風協 アラン・ロンバール(指揮)パリ音楽院管
1963年録音のベルクは注目だろう。なおバンドー作品は1958年のもの。
ソナタはすべてバルビゼとの録音で、
フォーレ;Vnソナタ第1・2番(第1番はモノラル・ステレオ2種)
フランク;Vnソナタ(モノラル、DGGとは別音源)
エネスコ;Vnソナタ第3番
これらの中ではフォーレに期待している。
 
フリッツ・クライスラー(Vn)ほか
クライスラー;弦楽四重奏曲ほか(Biddulph)
これも渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』の参考CDから。
クライスラーが小品を膨大に作曲したことは有名だが、オペレッタと弦楽四重奏も遺していることはあまり知られていないだろう。
両曲とも従来、あまり評判は芳しからず、オペレッタ「シシー」など
いったい音楽的にこのように浅薄な基盤に親しみを感じている人間が、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンの演奏家としてふさわしかったのかどうかという疑問が浮かんでくる。」(ヨアヒム・ハルトナック『20世紀の名ヴァイオリニスト』白水社)
とまで酷評されている。(苦笑)
渡辺氏はもう少し好意的で、標記の曲についても、時代的な「遅れ」を認めつつ、
『ノスタルジア・ウィーン』とでも命名したくなるほどのウィーン讃歌になっている。(中略)ブラームスとシェーンベルクのカルテットの間をつなぐミッシングリンクとして、ツェムリンスキー作品などよりもふさわしい。
と評している。
この曲ではVaにウィリアム・プリムローズが参加しているのが目を惹くが、チェリストもナイジェル・ケネディの祖父に当たるとか。
ミハエル・ラウハイゼン(P)の伴奏による小品14曲(1930年2月、HMV録音)をカプリング。
 
レオニード・コーガン(Vn)アンドレイ・ムイトニク(P)
ブラームス;Vnソナタ第1番&プロコフィエフ;Vnソナタ第2番ほか(TRITON)
これも渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』の参考CDから。
TRITONレーベル発足当初、全30巻に及ぶコーガン大全集がリリースされたのだが、あまりに膨大で敢えて手を着けずに来た。
これは、その第11巻で、1963年4月7日、モスクワ音楽院大ホールでの収録。彼のプロコフィエフに期待して購入。
試聴してみたところモノラルのようだが、非常に鮮明で、ヴァイオリンの音のクオリティは極めて高い。
標記2曲に加え、ファリャ(コハンスキ編);スペイン民謡組曲ほか小品3曲を収録。
 
アルチュール・グリュミオー(Vn)ジョルジ・シェベック(P)
ブラームス;Vnソナタ第1〜3番(Philips)
これも渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』から。
グリュミオーの独墺系レパートリーは、モーツァルト以外、ほとんど聴いたことがなかったが、
1976年録音のブラームスの3つのソナタも、現在の時点で耳にしても古めかしさがなく、わずかにヴィブラートの質がほのかなノスタルジーを誘うことも含めて、作品の質の高さ、美しさに安心して身を委ねることができる。
とのこと、これは聴かざるべからずと購入。

2月13日(水): 

 

チョン・ミュンフン(指揮)フィラデルフィア管
ショスタコーヴィッチ;交響曲第4番(DGG)
ショスタコーヴィッチの交響曲の中では第15番に次いで好きな曲。
それをチョン・ミュンフンが録音したというので、リリースを鶴首していた。もう4、5年も前になる。
ところが待てども待てども発売されない。ようやく昨年9月に国内盤が発売されたが、輸入盤を購入しようと思っていたら、今日になってしまった。(汗)
工藤さんは辛口のコメントを付しておられるが(→ここを押して)、とにもかくにも買わざるべからず。
ブックレットには、1994年11月の録音とある。
 
ピンカス・ズーカーマン(Va)ダニエル・バレンボイム(P)
ブラームス;Vaソナタ第1・2番ほか(DGG)
渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』の参考CDから。
ズーカーマンはVaも長く演奏しているが、渡辺氏は、本格のヴィオラの音とは違うとしつつも、
柳腰でたおやかで中性的な、不思議に音量の弱いメロウな美音」で「こういのもあっていい」と評価している。
現役盤はVnソナタ全集との2枚組のようだが、1枚ものがワゴン・セールの格安価格で出ていたので購入。
LPではVnソナタ全集のフィルアップになっていたスケルツォ(F.A.E.ソナタより)をフィルアップ。
 
クリスチャン・フェラス(Vn)ジャン・クロード・アンブロシーニ(P)
ヴァイオリン小品集(DGG)
これも渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』の参考CDから。
LP時代以来ずっと「カラヤンの言いなりになった小物」と軽んじてきたフェラスを見直したのは、2年半ほど前に聴いたルクー;Vnソナタ(DGG)だった。
渡辺氏は、そのルクーの録音をあまり評価していないが、この小品集は「良い意味でのクセモノ的名人芸を発揮」しているとのこと、楽しみである。
最近、一般の店頭ではあまり見かけなくなった国内盤CD(輸入盤はないはず)を発見したので購入。
全17曲を収録、
クライスラー;「愛の喜び」・「愛の悲しみ」・「ベートーヴェンの主題によるロンディーノ」「ウィーン奇想曲」
シューマン;「トロイメライ」
シューベルト;「アヴェ・マリア」
ドヴォルザーク;ユーモレスク
マスネ;タイスの瞑想曲
等々、まことにポピュラーなもので統一されている。

2月12日(火): 

 

ヤーッコ・クーシスト(Vn)ペッカ・クーシスト(Vn)タピオラ・シンフォニエッタ
バッハ;Vn協集(ONDINE)
1999年のラハティ響来日公演に、それぞれコンサートマスター、ソリストとして参加した美形ヴァイオリニスト兄弟の新譜が出ていたので購入。
特に兄ヤーッコの音・音楽が、上記来日公演での凛々しいコンマス振り以来、気に入っており、彼のCDは買うことにしている。
第1番BWV1041(ヤーッコ)
第2番BWV1042(ペッカ)
2Vn協BWV1043(ヤーッコ;第1Vn、ペッカ;第2Vn)
2Vn協BWV1060(Vn&Ob協からの編曲、ヤーッコ;Ob、ペッカ;Vn)
という分担である。
 
ワディム・レーピン(Vn)アレクサンドル・マルコヴィッチ(P)
「華麗なるヴィルトゥオーゾ」(ERATO)
↓、渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』での参考CD(原則として各人5点)から購入する第一弾。
著者自身、レーピンに関しては「個人的な自負と思い入れ」があり、「一種のファンレターも兼ねて」の記述であるという。
やはり、こういう思い入れのあるところが面白そうである。
収録曲は、
パガニーニ;「うつろな心」による変奏曲
エルンスト;「魔王」による大奇想曲
などの超絶技巧ものから、
チャイコフスキー;メロディ
ポンセ;エストレリータ
といったシミジミ系まで、全11曲。
パガニーニ;カプリース第24番が、アウアーの編曲で入っているのが珍しい。ピアノ伴奏付きの版である。

2月11日(祝): 先日購入した、渡辺和彦『ヴァイオリニスト33』(河出書房新社)を読みつつ、挙げておられるCDのデータを整理。このリストのうちの未架蔵盤は、またおいおいと購入することになるだろう(自滅)。
 33人の人選や、各奏者についての著者の見解に異論がないでもないが、ともあれ「現在活躍しているヴァイオリニストを(特に実演で)聴く」ことの重要性には、あらためて頷かされた。心したいものである。


2月10日(日): いつもお世話になっているKna-parc MLのオフ・ミーティングに参加。その模様(実況中継?)は→ここを押して(^^;;;;


2月9日(土): 転居以来、手つかずに近い状態だったヴァイオリン関係のCDを大整理。ほぼ全日を費やした。
 ヴァイオリニストの名前でABC順に並べ直したのだが、案の定というか何というか(汗)、二重に買ってしまったもの、リマスタリング盤を入手した結果ダブってしまったもの等がパラパラと出現。ああ、情けない。。。
 また、従来、Netscape Navigatorを使っていたブラウザを、日本語正式版が登場したOperaに乗り換え。少しメモリ消費が大きいような気もするが、表示・描画の速いこと速いこと! 無料版もあるが、画面上部の広告が煩わしく、登録料を支払うことにした。


2月7日(木): 

 

マックス・ロスタル(Vn)ヘルマン・シェルヘン(指揮)BBC響ほか
ベルク;Vn協ほか(SYMPOSIUM)
ふと音盤屋の店頭で見つけたCD。
イギリスで活躍した名手ロスタルの追悼企画、BBCの放送音源と思しい2枚組。
標記、シェルヘンとのベルクはじめ、魅力的な曲目だったので購入。
バルトーク;Vn協第2番 ノーマン・デル・マー(指揮)BBCスコットランド管(1962年12月23日)
ショスタコーヴィッチ;Vn協第1番 マルコム・サージェント(指揮)BBC響(1956年8月22日)
あと未知の曲だがスティーヴンス;Vn協 チャールズ・グローヴズ(指揮)BBCノーザン管(1948年1月9日)
もっともショスタコーヴィッチに関しては工藤さんが痛烈なコメントを付しておられる(苦笑)。→ここを押して
62年録音のバルトークはまずまず美しい音だが、それ以外は古い音だ。スクラッチ・ノイズも多いので、アセテート盤への録音であろうか。

2月6日(水): 

 スタイルシートの書法を少し変えてみた(2月分から)。従来の書き方だとNetscape4.7では妙な表示になっていたようだが、これでIEやNetscape6.2とほとんど差がなくなるはず。


2月5日(火): 

 

高関健(指揮)大阪センチュリー響
ベートーヴェン;交響曲第4・6番(LIVE NOTES)
新ベーレンライター版によりライヴ録音で完成されるという、このコンビの全集第3弾。
2001年7月7日、いずみホールでのライヴ収録だが、残念ながら実演には参じることができなかった。
このオーケストラは弦合奏の質感、木管のニュアンスなど関西随一の演奏力ではないかと思っているのだが、経営母体の大阪府の財政危機による補助金の削減などで厳しい状況にあるとのこと、応援の気持も込めて購入。
なお、オーケストラの楽員による半公式Webpageがあり、そこの掲示板に高関氏が版やメヌエット(スケルツォ)の反復の問題について書き込んでおられる。(→ここを押して)
 
ウラディミール・スピヴァコフ(Vn)ジェイムズ・コンロン(指揮)ケルン・ギュルツェニヒ管
ショスタコーヴィッチ;Vn協第1番・組曲「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(CAPRICCIO)
少し前にフランク;Vnソナタ等のCDを買ったスピヴァコフの新譜が出ており、関心の強い曲ということもあって購入。
Vn協は2000年8月26〜29日のライヴ録音、組曲は2001年6〜7月のスタジオ録音。いずれも会場はケルン・フィルハーモニー。
なお組曲は指揮者自編。初演は1992年、日本において…と記されているが、どこでやったのだろう?

2月4日(月): 

 

イェルク・ペーター・ヴァイグレ(指揮)ベルリン放送局音楽学校管
グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」ほか(Berlin Classics)
集めている曲「ホルベア〜」の未架蔵盤がワゴンセールに出ており、超格安だったので購入。
オーケストラの名称は原綴"Rundfunk-Musikschul-Orchester Berlin"、標記は仮訳である。現在は、"Deutschen Musikschulorchester (DMO)"と名乗っているようで、公式Webpageもある。(→ここを押して)
それによると、全独の音楽学校から選抜された、13〜19歳の学生からなる弦楽オーケストラとのことである。
シューベルト;5つのメヌエットと6つのトリオD.89
レスピーギ;古代舞曲とアリア第3組曲
ブリテン;シンプル・シンフォニー
をカプリング。レスピーギとブリテンも好きな曲なのでポイント高し。
1990年頃の録音。
 
フェスティヴァル四重奏団ほか
ブラームス;P四重奏曲第1〜3番&シューベルト;P五重奏曲「鱒」(BMG)
フェスティヴァル四重奏団は、アスペン音楽祭の講師として集まった音楽家によって結成されたのでこの名があるとのこと。メンバーが凄い。
シモン・ゴールトベルク(Vn)
ウィリアム・プリムローズ(Va)
ニコライ・グラウダン(Vc)
ヴィクター・バビン(P)
ゴールトベルクとプリムローズは著名なソリストであり、グラウダンもフルトヴェングラーベルリン・フィルの首席奏者だった。
特にゴールトベルクのヴァイオリンを是非聴きたいと思い購入。
「RCAレッドシール・ヴィンテージ・コレクション」の新譜で、ブックレットにゴールトベルク夫人・山根美代子の貴重な回想も掲載されている。
1957〜60年のステレオ録音。
 
リノス・アンサンブル
ブルックナー;交響曲第7番(室内楽編曲)(CAPRICCIO)
白神典子(P)
ブルックナー;交響曲第7番よりアダージョ(P編) ほか(BIS)
ブルックナーの編曲ものを2点購入。いずれも迷っていたのだが、試聴してみると、まずまず良い雰囲気だったので。
前者は、Cl・Hrn・Vn(2)・Va・Vc・Cb・P・ハルモニウムという編成。シェーンベルクの「私的演奏協会」で上演すべく弟子3人(ハンス・アイスラーエルヴィン・シュタインカール・ランクル)が編曲したもの。
試聴した感じでは金管パートをピアノで代用している感じだが、演奏の方は弦楽器の感じ方などニュアンス十分。
 
後者は既に国内盤扱いで発売されているが、輸入盤が流通するのを待っていたもの。
編曲者は明記されていないが、ブックレットを読むかぎりでは作曲家の弟子ツィリル・ヒューナイス Cyrill Hynais の模様。
アダージョの演奏時間は26分40秒と表記されており、試聴した感じでは、遅いテンポを良く保たせて荘重な感じに仕上がっているようだ。
初期のピアノ曲7曲をカプリング。
 
ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送響ほか
ブラームス;ドイツ・レクイエム(audite)
ずっとリリースされているクーベリックのライヴ、いずれも良い内容だが、冒頭を試聴してみたところ誠に荘厳な様子だったので、ついつい購入。
1978年9月29日、ヘルクレス・ザールでのライヴ録音。
独唱はエディット・マティス(Sop)とヴォルフガング・ブレンデル(Br)。

2月3日(日): 

 月曜日・木曜日のコンサートを演奏会出没表に追加。
 また、音盤狂昔録平成14年1月分を追加。


平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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