音盤狂日録


此の程「斉諧生音盤志」はドメイン"www.seikaisei.com"を取得し、
サーバーを移転いたしました。
平成9年8月8日の公開以来、
歳月を閲して三年有余、アクセスを数えて十三万件超、
ひとえに皆様日頃の御愛読の賜であります。
本業多忙の中、思うにまかせぬとはいえ、
今後ともタイムリーな更新とコンテンツの充実に励む所存ですので、
幾久しく御愛顧を頂戴できますよう、
恐々謹言、乞い願い上げ奉ります。  <m(_ _)m>
平成13年2月3日
斉諧生@あと2日で不惑(^^;   

2月28日(水): 

 

アンサンブル・アデル、メシアン;世の終わりのための四重奏曲ほか(assai)
日曜にルクー;P四重奏曲(未完)の聴き比べをした際に抜群のピアノを聴かせたアデルのCDを2枚購入。
共演は
クリストフ・ポイジェ(Vn)
フィリップ・ベロ(Cl、パリ管首席奏者)
イザベル・ヴェイリエ(Vc、ルクーと共通)
1930年作の歌曲"La Mort de nombre"(「数の死」?)をフィルアップ。
 
アリス・アデル(P) メシアン;幼子イエズスに注ぐ20のまなざし(ADDA)
上記の四重奏曲は昨年録音の新譜だが、こちらは1987年の収録。
近現代曲を得意とするアデルの本領が聴けるものと期待している。
以前中古屋で見かけたこともあるのだが、手を出しそびれているうちになくなってしまい、倍ほどの値段で新品を購入。

2月25日(日): 

 ↓昨日入手できた楽譜をさっそく活用することにした。
 長年、懸案としてきたルクー;ピアノ四重奏曲(未完)の聴き比べを敢行。
 

1894年、24歳で夭折したルクーが死の床で
第2楽章のしめくくりかたがわかった!
 第3楽章の主題も全部、浮かんできた。
 この曲は3楽章にするんだから、そうしたら終りだ。
 終楽章は前の二つより、もっともっと美しくなるよ!
と、うわごとのように口走ったという未完の佳曲。
 第2楽章の結尾は作曲者の死後に師ダンディが補筆した。
名作ヴァイオリン・ソナタと同様、巨匠イザイから委嘱されたもので、
その細部に至るまで考えていくと自分でも怖ろしくなるほどの情感を、この曲に盛り込もうとしているのです。
子供らしい喜び、春のあけぼのの情景…そしてまた秋と涙のメランコリー、あるいは最も痛ましい叫び…僕は自分の魂のすべてを音楽に注ぎ入れようと、心身をすりへらしています。
と書き送った、文字どおり彫心鏤骨の遺作である。
引用はSFM盤LPの解説(濱田滋郎)より。
 
斉諧生この曲を愛惜すること久しく、1930年代のSP録音は未架蔵ながら、LP・CDは手に入る限りの盤を蒐集してきた。
以下、CD9種を録音年順に配し、最後にLP2種を掲げる。
 
ダニエル・ブルーメンタール(P)タノス・アダモプーロス(Vn)クリストフ・デジャルディンス(Va)ギルバート・ザンロンギ(Vc)(KOCH)
"Musique en Wallonie"のロゴが付いている。1987年の録音。
少し以前の録音ながら音質が良い。
ヴァイオリンの音色・音程は好みではないが、ヴィオラとチェロは寂びのきいた音色が好もしい。とりわけ、こういう音のヴィオラは貴重な存在ではないか。
そうした音と切り離せないのかもしれないが、音楽が少し重い。ピアノも含め、全員がそういう音楽を目指しているようだ。
良く言えば「シンフォニックな熱演」であり、これを好む人もいるだろうが、ルクーというよりシューマンになってしまったと感じられる。
第1楽章15分39秒、第2楽章12分38秒。
 
ドーマス(RICERCAR)
英hyperionの録音で知られる、ピアノ四重奏の団体。
これはルクー没後100年記念に作られた、CD9枚からなる全集の1枚で、録音は1991年8月。
冒頭、ややせわしない感もあるが、熱に浮いた感じが良く出ている
弦楽器の線が少し細いのが残念だが、上手いことは上手いし、4人のバランスも良い。
第2楽章は速めのテンポながら、雰囲気は十分。
この曲のファースト・チョイスとして真っ先にお薦めできる演奏だと思う(まだ手に入るだろうか?)。
第1楽章14分29秒、第2楽章9分4秒。
 
E.イザイ・アンサンブル(VOX TEMPORIS)
1991年11月の録音、カプリングはルクーの初期作3曲で、世界初録音だったという。
ヴァイオリンの音色・音程が斉諧生の好みから外れることと、ピアノが伴奏然としているのがもの足りない。
採るとすれば、第1楽章が3分の1ほど進んだ部分(練習番号8)、ppp指定のあたりでの、ひそやかな味わいか。
第2楽章は速めのテンポ、ちょっと素っ気なく流れすぎ。
第1楽章14分45秒、第2楽章9分55秒。
 
ウィリアム・グラント・ナボレ(P)ブリンディシQ(Accord)
録音月日は明記してあるのに年が書いていない妙なデータ表記。マルPは1992年である。
各楽器とも音が薄っぺらく、音色の魅力に欠ける。これはこもり気味の録音のせいかもしれないが。
テュッティの響きも雑然としており、ピアノも情感に乏しい。
第1楽章14分38秒、第2楽章11分36秒。
 
シュピラー・トリオ、オスカー・リジー(Va)(ARTS)
リリースされたのはつい最近だが、1992年3月21日の録音とある。明記されていないが、会場ノイズも聴かれることからライヴ録音と判断される。
ずいぶんゆっくりと始まるのに吃驚。
上手い人が揃っていると見えて音色が美しく丁寧に弾いているが、反面、リズムが立たない。ドイツ系の団体ゆえの鈍さだろうか。
逆に第2楽章はサラサラ流れすぎて、情感に乏しくなってしまった。
第1楽章;16分20秒、第2楽章;11分ちょうど。
 
カンディンスキー四重奏団(Fnac)
どうしたことか、第1楽章のみ収録。録音は1992年8月。
ヴァイオリンは素晴らしい音を出しており、とても上手い。彼(Philippe Aiche)を聴くためだけにでも買っていいディスク。
ところがピアノがどうにも大味、ズシンズシン鳴らすばかりで、抒情が飛んでしまった。
それでもヴァイオリンは捨てがたい。第2楽章も聴きたかった。
第1楽章14分18秒。
 
アンサンブル・ミュジク・オブリク(HMF)
現代音楽弾きとしても有名なアリス・アデルのピアノが抜群に上手い。彼女を聴くためだけにでも買っていいディスク。
第2楽章の真ん中少し手前でピアノがppに沈むところなど、テンポを落とし、ペダルを巧く使って、格別の味わいを醸し出す。
逆に弦楽器は非力な感が否めず、特に第1楽章の激情的な曲想では線の細さが気に懸かる。
第2楽章は、少し粘り気のある音楽運びが心地よく、しっとりと「とばり」が下りた雰囲気が素晴らしい。ここは聴きもの。
第1楽章15分44秒、第2楽章12分21秒。録音は1994年。
 
サエ・ユン・キム(P)アンドレ・シウィ(Vn)ドミニク・フイブレヒツ(Va)ヤン・シファー(Vc)(Arcobaleno)
「ルクー;ピアノと弦楽のための室内楽曲全集」なるCD3枚組の1。1995年頃の録音。
冒頭から、熱っぽさに心うたれるものがある。
4人の中に突出している人も凹んでいる人もいないという点でバランス・まとまりは良いのだが、その代わりどの楽器もソロの表現力は今一歩。(^^;;;;
熱い共感を取るべき演奏である。
第1楽章;15分10秒、第2楽章;10分45秒
 
ガブリエル四重奏団(LYRINX)
この団体はピアノ四重奏編成。1996年の録音で、一昨年に国内盤仕様で発売された盤である。
冒頭から物凄い勢いで飛び出す。
音にカロリーがあって美しく、メカニックも達者、聴き応え十分である。
ちょっと元気が良すぎるのが難。ルクーの熱っぽさは、もう少しフワフワしていないと…。
この勢いを買う人がいても不思議ではない。一聴をお薦めできる演奏ではある。
第1楽章15分1秒、第2楽章10分24秒。
 
ナタリー・リシュナ(P)ベーカー四重奏団員(SFM、LP)
1960年頃の録音で、米Contemporary社がSFM(the Society for Forgotten Music)というレーベルで発売したもの。長くこの曲唯一のステレオ録音盤であった。
架蔵品は残念ながらオリジナルではなく、1984年に日本ワーナー・パイオニア社(当時)が復刻した盤。
NBC響の名手として知られたイスラエル・ベーカーをはじめ、みな上手で、良く弾いている。
ベルギー〜フランスの香味より、古き良きアメリカといった感じの広がりのある響きだが、これはこれで素晴らしい。
とりわけ第2楽章のトロリとした甘さは蠱惑的。CDへの復刻を望みたい佳演である。
第1楽章14分53秒、第2楽章9分29秒。
 
グレトリー四重奏団(白ALPHA、LP)
1950年代、LP初期のモノラル録音盤。LP期には、上記SFM盤とこれとSP録音が1種、計3回しか録音されなかったとか。
録音年代のせいか、ピアノの音が遠く、古めかしい。
しかしながら、弦の音はいずれも美しく録れている。もちろん、奏者の音そのものが美しいのである。
前のめりのリズムは、ルクーの熱に浮かれた感じを良く出しているという以上に、あたかも作曲家が生き急いださまを写しているかのようである。
第1楽章が3分の1ほど進んだ部分(練習番号8)では大きくテンポを落として嫋々と、楽章終結では息の長い高揚が物凄く
現代の演奏家からは得られない、音楽の振幅の大きさが貴重である。
それ以上に素晴らしいのが第2楽章で、ゆったりとした、自由に伸縮する歩みからは、夢見心地にたゆたう音楽が立ちのぼる
上記のようにピアノの音が冴えないのは残念だが、これまたCDへの復刻を望みたい名演である。
第1楽章15分32秒、第2楽章13分10秒(実測)
 
第一にお薦めしたいのはドーマスのRICERCAR盤。
これに次ぐのは、シウィ(Vn)キム(P)らのArcobaleno盤だが、前者が入手できれば不要かもしれない。
 
捨てがたいのはHMF盤でのアデルのピアノとFnac盤でのAicheのヴァイオリンで、この曲を愛する人には聴いてほしいものである。
ガブリエル四重奏団盤(LYRINX)の音色美が、これに次ぐ。
 
もっともLP両盤がCD化されれば、特にグレトリー四重奏団盤(ALPHA)は、すべてのCDを凌ぐ内容を持つのではないか。

2月24日(土): 待望の楽譜が入手できた。
 ルクー;P四重奏曲(未完)(Salabert)である。
 再版(?)されたとの情報は得ていたのだが、動き出しが遅れ、東京の某有名輸入楽譜店では品切れ。
 憂えていたところミュシユスさんからアトリエ・デ・くっきいずを教えていただいた。
 メールで問い合わせたところ、さっそく届けていただいたもの。代金は商品に同封の郵便振替用紙で払い込むことになる。
 あらためて御礼申し上げます。>ミュシユスさん

 

ネーメ・ヤルヴィ(指揮)日本フィル、マーラー;交響曲第6番「悲劇的」(日本フィル自主製作)
毎年1点がリリースされる日本フィルの自主製作盤、昨年はフルネのフランス管弦楽曲集だったが、今回は首席客演指揮者であるヤルヴィのマーラー。
2000年6月23日、サントリーホールでの第521回定期演奏会でのライヴ録音である。
日本のオーケストラの録音、特に自主製作盤はなるべく架蔵するようにしていることもあり、購入。
先日日本フィルのWebpageでリリース情報を知り、即座にメールでオーダーしたところ、今日になって現品が郵送されてきた。代金は同封の郵便振替用紙で払い込む方式。
ヤルヴィは今年6月も日フィルに来演してシベリウスの全交響曲を演奏する予定がある。都合がつけば聴きに行くつもり、今から楽しみにしている。
 
アンタル・ドラティ(指揮)ストックホルム・フィルほか、ペッテション;交響曲第7番ほか(Swedish Society)
ここから2点は北欧音楽ファンの「聖地」ことノルディックサウンド広島から届いたもの。
シベリウスステーンハンマル以外の北欧音楽にはなるべく手を広げないようにしているのだが、このところ北欧音楽MLで話題になっているアッラン・ペッテションを聴きたくなってしまった。
まずは彼の出世作、交響曲第7番を初演者ドラティが録音した記念碑的名盤で…とオーダーしたもの。1969年9月の収録である。
カプリングは最後の交響曲となった第16番
演奏者はフレデリック・ヘムケ(サキソフォン)ユーリ・アーロノヴィチ(指揮)ストックホルム・フィル。ほとんどサキソフォン協奏曲のような曲らしい。こちらは1984年10月の録音。
 
トルルス・モルク(Vc)カシュテン・アネルセン(指揮)オスロ・フィルほか、トメセン;「プリズムを通して」ほか(CAPRICE)
これもノルディックサウンド広島から。
モルクのCDは全部持っているつもりが、未架蔵のものが2点あるのに気づいて慌ててオーダー、うち1点が届いたのである。(彼のディスコグラフィは→ここを押して)
1981年2月13日の録音というから、モルク弱冠20歳、あるいは初めての録音か。
トメセンは1946年生まれのノルウェーの作曲家。代表作は、ヘッセの有名な小説から題名をとった『ガラス玉演戯』。全6部からなり、一晩のコンサートを埋めるに足るという。
「プリズムを通して」は、この大作の第5部に当たり、チェロとオルガンと管弦楽のための二重協奏曲の形式による。1990年のNOMUS(北欧音楽委員会)賞を授けられたとのこと。
カプリングはトメセンのピアノ伴奏歌曲と管弦楽付き歌曲各1曲。

 先日、「音盤狂昔録」に付けた検索窓をトップページに移した。サイト内の全文が検索可能。


2月22日(木): 

 

ナタン・ミルシテイン(Vn) バッハ;無伴奏Vnソナタ第1〜3番(EMI)
1954〜56年のモノラル録音、ミルシテインによるバッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)旧盤からソナタを抽出したもの。
対になるパルティータ第1〜3番は既にリリースされており、昨年末に架蔵済み。
ボーナストラックとでもいうのだろうか、オリジナル・マスターに含まれているアナウンス(「第1番ト短調、テイク・ワン」の類)が十数秒、収録されている。ミルシテインの肉声とも思えないし、どういう意味があるのだろう?

2月20日(火): 

 

ティボール・ヴァルガ(指揮&Vn)ティボール・ヴァルガ音楽祭管ほか、ブリュース;Vn協&シャルパンティエ;「短い交響曲」ほか(Collection Tibor Varga)
以前CLAVESレーベルから出た名演集以来、その音楽に惹かれているヴァイオリニスト、ティボール・ヴァルガのCDが2点出ていたので購入。
収録曲はフランスの現代作品が中心で、
フォーレ;エレジー(独奏Vc;スーザン・リビッキ、ヴァルガによる弦楽オーケストラ編曲)(1998年録音)
ブリュース;Vn協(独奏Vn;ティボール・ヴァルガ)(1984年録音)
ランドフスキ;ムーヴマン(1985年録音)
ジャック・シャルパンティエ;「短い交響曲」(1979年録音)
なお、フォーレのチェリストはヴァルガの娘で、ナヴァラに学び、現在はローザンヌやシオンの音楽院で教職にあるとのこと。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮&Vn)ティボール・ヴァルガ音楽祭管ほか、バッハ;管弦楽組曲第2番・無伴奏Vnパルティータ第2番ほか(Collection Tibor Varga)
大バッハと息子達の音楽を収めた1巻で、
バッハ;管弦楽組曲第2番(独奏Fl;ユルゲン・ブリュッゲボルス)(1966年録音)
バッハ;無伴奏Vnパルティータ第2番(独奏Vn;ティボール・ヴァルガ)(1953年録音)
W.F.バッハ;シンフォニア ニ短調(1982年録音)
C.P.E.バッハ;アダージョ Vc協より(独奏Vc;アンドレ・ナヴァラ)(1969年録音)
 
これら2枚のCDは"Tibor Varga Collection"の第14巻と第17巻とされている。
このシリーズは第1〜4巻が上記Clavesレーベルの名演集と同じもの、その後第12巻まで架蔵している。
海外のオンライン通販サイトで調べてみると、第23巻まで刊行されている模様なので、即オーダー。
 
天満敦子(Vn)チェコ・フィルハーモニー室内管、バッハ;2本のVnのための協奏曲ほか(Virgo)
天満さんは「徹子の部屋」出演あたりからやたらに有名になって、彼女をモデルにした小説まで書かれているらしい(未見)。
先年接した実演では、ほとんどの細かい音符で音が潰れるのに辟易したが、音楽の説得力には強烈なものがある人だ。
新譜が出ていたので、ついつい(笑)購入。
これは昨年12月14日、東京オペラシティ・コンサートホールでのライヴ録音で、
バッハ;2本のVnのための協奏曲(第2Vn;パヴェル・ブラントル)
バッハ;アダージョ Vn協第2番より
小林亜星;「北の宿から」・「旅人の詩」・「過ぎ去りし日々」(作曲者による室内管編)
を収録。
またオーケストラのみで
バッハ;アリア 管弦楽組曲第3番より
ドヴォルザーク;ユモレスク(弦楽合奏編)
レスピーギ;リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲
が演奏されている。
 
アール・ワイルド(P)ポール・ホワイトマン楽団、ガーシュウィン;ラプソディ・イン・ブルーほか(IVORY)
最初に音盤屋の棚で見かけたときは、いくら好きな曲でも1945年の録音というのでパスしたのだが、『レコード芸術』3月号の「海外盤試聴記」を読んで俄然ほしくなった。
委嘱者で初演者のホワイトマンが『特定の箇所に小音量のコーラスを加えてみたい』と語ったところ、作曲者が『そりゃいいね』と賛同したという事実に基づいて、グレン・オッサーが16人のコーラスを加えて再編曲した版による演奏。
そういう珍しい版ならぜひ聴いてみたいと購入。
ライナーノートによると、トスカニーニアーサー・フィードラーとの録音もある中で、ピアニスト自身はこの録音が最も気に入っているとのこと。
この録音には真のアメリカの味わい〜軽率さと生命力と当時の速かった社会のテンポ〜がある。(中略)
 1940年代以降、この曲の演奏は、より遅くなり、ひどくセンチメンタルになって、素晴らしいアメリカの味わいを失ってしまった。」(ワイルド)
カプリングはオリジナルの3つの前奏曲(1964年録音)と、
ワイルドの編曲による7つの超絶技巧練習曲「ポーギーとベス」による大幻想曲(1976年録音)
 
さっそく聴いてみたが、なるほど面白い。
コーラスといっても母音歌唱で、例えば後半の有名な「(弦)た〜ら〜り〜ら〜〜ららら(Hrn)ぱぱぱんぱんぱん云々」のところで「あ〜あ〜あ〜あ〜〜」と入るような感じで使われている。
強いていえば、グローフェの管弦楽版での弦楽パートを部分的に声に置き換えて、ジャズ・バンド版に付加したような調子である。
なお、復刻状態が芳しくないのは極めて残念。ウェイン・マーシャルあたり、この版で録音してくれないものだろうか。
 
ジョエル・シュービエット(指揮)レゼレメン室内合唱団ほか、フォーレ;ラシーヌの雅歌ほか(naive)
愛惜佳曲書に掲げた「ラシーヌの雅歌」を見つけたので是非もなく購入。
合唱団は、この盤の指揮者シュービエット(発音は自信なし、原綴Suhubiette)が1985年に創設した、トゥールーズに本拠を置くプロフェッショナルの団体とのことである。
またシュービエットについては、フィリップ・ヘレヴェッヘのアシスタントを務めていた、とのこと。
2000年5月の録音で、
フォーレ;アヴェ・ヴェルム
ジャン・アラン;ミサ・モダレ
ジャン・アラン;レクイエムほか
デュリュフレ;グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット
ロパルツ;サルヴェ・レジナ
プーランク;サルヴェ・レジナ
プーランク;アヴェ・ヴェルム・コルプス
を収めている。
オルガンはオリヴィエ・ヴェルネ
アランのミサ曲にはフルートが付くが、なぜか奏者のクレジットがない。
 
「柴田南雄と日本の楽器」(fontec)
柴田南雄先生が長逝されたのは1996年2月2日、没後5年を機に作品集の新しい盤が出たので購入。
日本の楽器による作品ばかりで構成されている。作曲年順に
霜夜の砧(長管尺八;三橋貴風)(1980年)
夢の手枕(龍笛;芝祐靖、箏・唄・語り;友渕のりえ)(1981年)
枯野凩(能管;芝祐靖、十七弦箏;沢井一恵)(1981年)
狩の使(三絃・唄・語り;高田和子)(1993年)
録音は2000年10〜11月。

2月18日(日): 

 こんどのサーバーはcgiが自由に使えるところなので、先日来、「サンプル集」本を買ったりしていたのだが、とりあえず、「音盤狂昔録」に検索窓を付けてみた。

KENT著『KENTとつくろう! PerlでCGI』(エーアイ出版)掲載のスクリプトを使用。作者のWebpageは→ここを押して

 斉諧生宅の環境(Windows+Netscape)では上手く動いているようですが、IEやMac、あるいはUnix系環境ではいかがでしょうか。エラーが出るようでしたら御一報いただければ幸いです。


2月17日(土): 

 "BBC LEGENDS"の新譜が並んでいたので4点購入。

ピエール・モントゥー(指揮)BBCノーザン響ほか、ブラームス;交響曲第3番&シューマン;交響曲第4番ほか(BBC LEGENDS)
モントゥーが最も愛した作曲家はブラームスだったが、交響曲の正規録音は第2番しか遺さなかった。
先年、TAHRAレーベルからアムステルダム・コンセルトヘボウ管とのライヴ録音で第1・3番が発売されて積年の渇を癒したが、今回はBBCノーザン響(マンチェスター)との音源が登場。
1962年11月21日の演奏会をモノラル収録したものである(TAHRA盤は1960年10月30日、やはりモノラル)。
カプリングのシューマンはBBC響との1961年10月18日のライヴ(これもモノラル)。
こちらはサンフランシスコ響とのスタジオ録音があるが(RCA/BMG)、CD化されていないので貴重。
ブラームスと同日に演奏されたロッシーニ;序曲「アルジェのイタリア女」と、1分強のインタビューをフィルアップ。
先日のマスネ同様、モントゥーは買わざるべからず。
音質はいずれもまずまず良好、インタビューでは意外に若々しい声に驚かされた。
 
ルドルフ・ケンペ(指揮)BBC響、ドヴォルザーク;交響曲第9番ほか(BBC LEGENDS)
先日、尾埜善司著『指揮者ケンペ』(芸術現代社)を読了、マニアの志に感銘を受けたところである。
この「新世界」は1975年8月29日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音で、ケンペの「プロムス」最後の出演となってしまった演奏会である。
上記『指揮者ケンペ』の表カバーには、この日のケンペの雄姿が飾られ、袖に
ケンペがとりわけ愛した、そのロンドン・プロムスでの、火を吹くラストコンサート『新世界』
とキャプションが入り、また本文でも
この夕べの指揮は常と異なり極めてエキサイティングであった。
と述べられている。
その演奏がCD化されたとあっては買わざるべからず。
同日1曲目のプロコフィエフ;組曲「3つのオレンジへの恋」と前々日のベートーヴェン;序曲「レオノーレ」第3番をカプリング。
 
ダヴィード・オイストラフ(Vn)ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)フィルハーモニア管ほか、ショスタコーヴィッチ;Vn協第1・2番ほか(BBC LEGENDS)
オイストラフのショスタコーヴィッチは聴き逃すことができないので購入。
ともに既出、1962年9月7日の第1番(Carltonからの"BBC Classic"シリーズ)は架蔵済みだが、1968年8月22日の第2番(intaglio)は買い損ねているので正規音源からの再発は有り難い。いずれも音質は良好。
後者の付けはエフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)ソビエト国立響
なお、ショスタコーヴィッチの網羅的な音盤評を掲載した工藤さんのWebpageは、非常に参考になる。→第1番 →第2番
息子イーゴリとのイザイ;アミティエ(マルコム・サージェント(指揮)ロンドン・フィル、1961年2月26日)をフィルアップ。
 
クリフォード・カーゾン(P)アマデウスQほか、フランク;P五重奏曲ほか(BBC LEGENDS)
フランクは見つけしだい買っている曲なので、是非もなく購入。
1960年6月21日、オールドバラでの録音。モノラルだが、しっかりした美しい音質である。
カーゾンには、ウィーンフィルQとのスタジオ録音があった(DECCA)。
カプリングは、
モーツァルト;Cl五重奏曲(独奏;ジェルヴァーズ・ド・ペイエ)(1966年6月12日、オールドバラ)
R・シュトラウス;「カプリッチオ」前奏曲(1971年5月4日、ロンドン)
いずれもステレオ録音で音質も素晴らしい。
なお、後者はセシル・アロノヴィッツウィリアム・プリースが参加した弦楽六重奏。

2月16日(金): 

 

古典Q、バルトーク;SQ第5番&ベートーヴェン;SQ第14番(Excelfon)
かねて評価の高い古典四重奏団にバルトークの録音があると聞き、ずっと気になっていたが、店頭で見かけることがなかった。
先日、ふとしたことで公式Webpageを見つけ、そこで購入。
Webpageのアンケートフォームでオーダー、現品に同封される郵便振替で支払う方式である。

2月14日(水): 

 

ピエール・モントゥー(指揮)パリ・オペラ・コミーク座管ほか、マスネ;歌劇「マノン」ほか(TESTAMENT)
白髭翁モントゥーが遺したオペラ全曲盤3種の一。
1955年6月のモノラル録音で、タイトル・ロールをヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスが歌い、長く名盤と讃えられてきた。
夙に仏EMIからCD化されており(もちろん架蔵済み)、3枚組はちょっと財布に負担だが(苦笑)、TESTAMETのリマスタリングに期待して購入。
少し聴いてみたところ、新盤の方が中音域が充実した暖かい音色、買い換えの値打ちはあろう。
カプリングは、仏EMI盤と今回の盤で異なる。いずれもロス・アンヘレスの独唱による管弦楽付き歌曲だが、
仏EMI盤;ショーソン;愛と海の詩(ジャン・ピエール・ジャキャ(指揮)コンセール・ラムルー管)
TESTAMENT盤;ドビュッシー;選ばれし乙女&ベルリオーズ;夏の夜(シャルル・ミュンシュ(指揮)ボストン響)
もちろん後者はRCA/BMG音源、EMI音源の「マノン」との組合せには驚いた。

2月12日(休): 三連休というのは結構使いがいがあるもので、久しぶりにゆっくり音盤を聴くことができた。

 ここに←のマークを立てるのも久しぶり。ちょっと感慨深い(苦笑)。

ピエール・ブーレーズ(指揮)ウィーン・フィルほか、マーラー;大地の歌(DGG)
この盤を購入したとき、↓に、
ウィーン・フィルを起用したのは、初演以来の演奏伝統を買ってのことであろうか?
と書いたが、これは大外れ。ワルターバーンスタインとの録音に見られるような演奏伝統とは訣別した演奏であると言えるだろう。
これまでDGGからリリースされてきた他の交響曲同様、スコアの絵解きのように明快なバランスで、各パートが聴こえてくる。
元来この曲はオーケストレーションが薄いので、混濁するような演奏は少ないが、それ以上に明快。中でもハープの動きが実に明瞭。
テンポの取り方やオーケストラの鳴らし方もバランスの取れたもので、例えばバーンスタインが猛烈なテンポで走り抜けようとする第4楽章の中間部など、ゆっくり目のテンポで91小節の8分音符についた装飾音がちゃんと聴き取れる。
各楽器のソロも上手いし、独唱者2人もきちんと歌っていて、ブーレーズの音楽の中にちゃんと納まっている。
 
ただ、それだけでは満足できないのが、この「大地の歌」というものだろう。
両端楽章の中間部、それぞれオーケストラだけで演奏される部分など、ちょっと即物的すぎる。特に第6楽章では情感がまるで飛んでしまった。ここは、もっと胸に迫るものが欲しいところだ。
斉諧生がこの曲の要と思うオーボエと、それに次いで重要なフルートのソロも、上手いとはいえ、味わいが薄い。
もちろん過去の演奏をなぞってほしいとは言わないが、音自体の魅力・表現力にもやや欠けるように思った。
 
とはいえ、極めて高い水準で完成された演奏には違いない。
ワルターやバーンスタインが作曲者の同時代としての20世紀を代表する演奏であるとするならば、次の時代、21世紀の標準となる演奏として、このブーレーズ盤が位置することになるのではなかろうか。
 
ブーレーズ盤に触発されて、手持ちの「大地の歌」のCDを取っ替え引っ替え聴き比べ。
もちろん全曲を聴くわけにもいかず、第6楽章の冒頭約5分間のみ(オーボエのソロが出て一段落するまで)。
 
印象に残ったのは次の5枚。録音順に、
 
ブルーノ・ワルター(指揮)ウィーン・フィル(独唱;ケシュティン・トルボリ)(DUTTON)
音楽の流れが何とも流麗というか、自然に息づき・ふくらみ・うつろっていくさまが魅惑的。
これに比べるとブーレーズ盤が四角四面に思える。
オーボエ・ソロの少し鄙びた、しかし個性ある味わいも貴重。
 
エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム(指揮)コンセルトヘボウ管(独唱;ナン・メリマン)(Philips)
オーボエとフルートのソロが素晴らしい! 音そのものの魅力・表現力では、ワルター&ウィーン・フィルの演奏を凌駕する。
ベイヌムというと「端正」というイメージが先行するが、かなり濃厚な表現である。これは良しとする人も多かろう。
独唱が古い唱法なのか、ヴィブラートが耳について聴きづらい。
なお、数年後にステレオ録音されたヨッフム盤(DGG)も同傾向(濃厚さは少し後退)。
独唱者も共通しているので、どちらかと問われればベイヌム盤をお薦めしたい。これはマーラー・ファン必聴ではないか。
 
クラウス・テンシュテット(指揮)ロンドン・フィル(独唱;アグネス・バルツァ)(EMI)
管弦楽の表現力ではこれが一番、他に冠絶する。やはりテンシュテット、切羽詰まった、抜き差しならない音楽が、凄まじい。
呼吸が実に深いのだが、それに独唱がうまく乗れていないのが惜しい。アップアップしながら追いかけている感じに聴こえるのだ。
オーケストラも健闘しているのだが、木管はともかく、弦合奏が粗いのが残念。
上記のコンセルトヘボウ管をテンシュテットが振ったら超名演が誕生したのではないか…と思うと、口惜しくてならない。レコード会社の大罪の一つだろう。
なお、この演奏についてはSyuzoさん「テンシュテットを聞く 第21回」に詳しい。→ここを押して
 
ガリー・ベルティーニ(指揮)ケルン放送響(独唱;マルヤーナ・リポヴシェク)(EMI)
1991年11月サントリー・ホールでのライヴ録音。
ベルティーニとケルン放送響が出す音・音楽の強いこと! 「雄勁」と表現したい。
オーボエのソロはおそらく宮本文昭、独特の音色だが濃厚な味わいがある。
 
エサ・ペッカ・サロネン(指揮)ロサンジェルス・フィル(独唱;ボー・スコウフス)(Sony Classical)
あえてバリトンを起用した録音だが、ここでのスコウフスは素晴らしい。
バーンスタイン盤でのフィッシャー・ディースカウの存在感も素晴らしいが、ちょっとマーラーを押しのけて顔を出す(笑)ところが無きにしもあらず。
それに対してスコウフスは美声と端正な表現で音楽美を極め、それにぴたりと寄り添うサロネンの棒も見事。
 
これらに次いで挙げたいのが、
ハンス・ロスバウト(指揮)バーデンバーデン南西ドイツ放送響(独唱;グレイス・ホフマン)(VOX)
ベルティーニやブーレーズに通じる端正で強い音楽。こういう演奏を1957年に録音していたとは…!
オーケストラも上手く、録音も古びていない(しかもステレオ)。ぜひ御一聴を。

2月11日(祝): 久しぶりに楽譜店@大阪梅田に行ってみる。
 今日の収穫は、ショーソン;P、Vnと弦楽四重奏のための協奏曲。Dover版で2,000円弱。

 TESTAMENTレーベルの新譜が出ていたので購入。

アンドレ・ナヴァラ(Vc)ジョン・バルビローリ(指揮)ハレ管ほか、エルガー;Vc協&ドヴォルザーク;Vc協(TESTAMENT)
ナヴァラはこれまであまり聴いてこなかった人だが、バルビローリのエルガーならば聴き逃せない。買わざるべからず。
1957年5月、ナヴァラ少壮46歳の録音である(モノラル、Pye/Nixa原盤)。
ドヴォルザークの付けはルドルフ・シュヴァルツ(指揮)ナショナル響、録音は1954年10月、ロンドンにて(Capitol原盤)。
 
ラファエル・クーベリック(指揮)フィルハーモニア管ほか、ヤナーチェク;シンフォニエッタ&マルティヌー;二重協ほか(TESTAMENT)
クーベリックの初期録音(1946〜51年)。
マルティヌーは愛惜佳曲書に掲げた曲、その未架蔵音源ゆえ買わざるべからず(録音は1950年5月)。
最も古いのはヤナーチェクで、これのみチェコ・フィルとのプラハ録音(1946年10月)。
その他には
スメタナ;組曲「売られた花嫁」(1951年9月)
ドヴォルザーク;交響詩「伝説」(1950年5月)
ドヴォルザーク;スケルツォ・カプリチオーソ(1949年9月)
を収録。
斉諧生がその演奏力を高く評価する1950年代前半のフィルハーモニア管が聴けるのも楽しみ。
 
オットー・クレンペラー(指揮)ニュー・フィルハーモニア管ほか、ワーグナー;楽劇「ワルキューレ」第1幕(TESTAMENT)
クレンペラー最晩年のワーグナー録音が復刻されたので購入。これは凄いスケールの演奏である。
既に英盤LPとCD(仏EMIから"Les Introuvables du Ring"というタイトルで復刻された4枚組)で架蔵しているが、買い直さずにはいられない。
序曲で聴き比べてみたが、新盤の方が音質的には僅かながら上。
歌手は
ジークムント;ウィリアム・コックラン
ジークリンデ;ヘルガ・デルネシュ
フンディング;ハンス・ゾーティン
LPでは2枚組3面にカッティングされ、第4面にはノーマン・ベイリーのヴォータンによる「ワルキューレ」第3幕より「ヴォータンの告別と魔の炎の音楽」が収録されていた。
後者もCDになっていたと思うが、転居後の未整理の中で見つからない。(@_@;
なお、ブックレットのデータ欄では録音日が1972年11月15日と表記されているが、ライナーノート本文では「第1幕は1969年10月に録音されることになっていた」と書かれている。
国内盤LPや仏EMI盤CDに記載されている録音日は
1969年10月22〜24日・同30〜31日・11月3日、1970年10月26〜27日であり、本文の記事と符合する(1970年のセッションでは第3幕が録音されたとのこと)。

2月10日(土): 

 

ユリウス・ベルガー(Vc)ウラディスラフ・ツァルネッキ(指揮)ヴュルテンベルク・フィル、ドヴォルザーク;Vc協(ebs)
昨年の正月休みに行ったバッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べで、非常に斬新な演奏に接して以来集めているチェリスト、ユリウス・ベルガー。
Wergoレーベルで現代音楽を中心に活躍していたが(バッハは例外)、ebsレーベルでは主にチェロのオーソドックスなレパートリーを録音している。
先だってもシューマンの協奏曲を買ったばかりだが、いよいよチェリストのドル箱(死語かな?)、ドヴォルザークがリリースされたので購入。2000年9月のスタジオ録音である。
指揮者は最近ずっと共演しているツァルネッキ、オーケストラもいつもどおり(笑)ドイツのマイナー・オーケストラ。
ただ、このヴュルテンベルク・フィル、今年9月から飯森範親が音楽監督に就任するところである。
オーケストラの名称は原綴"Württembergishe Philharmonie Reutlingen"、本来なら「ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィル」と書くべきかもしれないが、通用に従った。
フィルアップなし、そのせいかバジェット・プライスで売られていた。

2月9日(金): 

 パソコン・携帯電話等の小売店が閉店したあとのスペースで中古盤セールをやっていたので覗いてみた。
 多くはいわゆる「キオスクもの」だったが、2点ほど購入。

朝比奈隆(指揮)大阪フィル、ブルックナー;交響曲ニ短調「第0番」(日Victor、LP)
1978年6月5日、大阪フェスティバルホールでのライヴ録音。今なお朝比奈の同曲唯一の録音である。
実はこれまでこの演奏を聴いたことがなかった。70年代後半、朝比奈&大フィルのコンビが上り坂にあった頃の成果を確認してみたく、購入。
CD化もされているが、やはりアナログ録音はLPで聴きたい。
なお、ブルックナーの初期交響曲については「世田谷ブルックナーの家」に詳しい。→ここを押して
 
バリー・ダグラス(P)スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)ロンドン響、ブラームス;P協第1番(BMG)
「ミスターS」のブラームスを聴いてみたいと購入したもの。きっと剛直な名演だろうと期待している。
前からこの盤の存在は知っていたが、曲が実は今ひとつ好きではないこともあって買いそびれているうちに店頭から姿を消してしまった。今日は久しぶりに見かけたので手に取ったのである。
1988年2月の録音でエンジニアは名手トニー・フォークナー
1曲のみ、51分ほどの収録。
このピアニスト、当時スラトキンティルソン・トマス東京Qらとの共演盤が華々しくリリースされていたが、今はどうしているのやら…。

2月7日(水): いやはやお恥ずかしい。(@_@;;;
 サーバー移転以来、トップページにリンク・ミスがあり、「ミクローシュ・ペレーニ」のリンクをクリックすると「カザルス」のページに飛ぶようになっておりました。
 「音盤狂昔録」を加えるためにコピー&ペーストして組み替えた際、書き換え損なったようです。
 複数の方から御指摘・御教示をいただきました。御礼とお詫びを申し上げます。m(_ _)m

 

ポール・トルトゥリエ、モード・マルタン・トルトゥリエ、アルト・ノラス(Vc)ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指揮&Vn)ほか、「ポール・トルトゥリエへのオマージュ」(CHANDOS)
新譜情報で見て以来、待望していた一枚が出ていたので購入。
名チェリスト、ポール・トルトゥリエは作曲もよくしたが、彼の作品を集めたCD。
それだけでも嬉しいのに、アルト・ノラス師匠(トルトゥリエの愛弟子である)の演奏が聴けるのだから、狂喜乱舞の一枚である。
収録曲と演奏者は次のとおり。
 
2本のVcのための二重協奏曲(1950)
 アルト・ノラス、モード・マルタン・トルトゥリエ(Vc)
 ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指揮)BBCフィル (1999年9月16日、マンチェスター、新放送会館での録音)
 モード・マルタン〜はトルトゥリエ夫人、ヤン・パスカル〜は長男。
 
無伴奏Vc組曲(1944)
 ポール・トルトゥリエ(Vc) (1977年4月2〜4日・1978年2月7日、アビー・ロード・スタジオ)
 英EMIからLPで発売されていた音源(コダーイ;無伴奏Vcソナタとのカプリング)。
 
弦楽のためのオフランド(1970)
 ポール・トルトゥリエ(指揮&Vc)マールボロ音楽祭アンサンブル (1989年7月19日、マールボロ音楽祭でのライヴ録音)
 この曲にはロンドン室内管を振ってスタジオ録音したLPがあった(英ユニコーン)。
 
「君の青灰色の瞳」(1990)
 ヤン・パスカル・トルトゥリエ(Vn)アルスター管 (1989年6月24〜25日、ベルファスト、アルスター・ホール)
 CHANDOSから既発の音源。ヤン・パスカル〜独奏によるVn曲集のCDだった。
 
CDは1枚ながら、約60頁に及ぶブックレットが付されており、チェリストのポートレートもふんだんに掲載されている。
 
アテナ・トリオ、「すごい女性たち」(Centaur)
近頃流行の女性作曲家のアンソロジーもの。
きっとリリー・ブーランジェが入っているだろう…と手に取ると案の定、「春の朝に」が。
彼女の作品の録音はすべて蒐集するので、即購入。
同様に常連のクララ・シューマンファニー・ヘンゼルジェルメーヌ・タイユフェールの他、現代の作曲家も数人取り上げられている。
その一人マーガレット・ガーウッド(1927〜)の作品は6つの日本の歌(1988)。俳句をテキストにした連作歌曲だが、ブックレットに歌詞が掲載されておらず、出典を確認できない。
アテナ・トリオはナネット・マッギネス(Sop)、ジャン・ロバーツ・ハイドン(Fl)、シルヴィ・ボーデット(P)の3人で、ブーランジェ作品ではFlとPの2人だけが演奏している。
 
アマディンダ・パーカッション・グループ、ケージ;打楽器のための作品全集 第2巻(HUNGAROTON)
 
アマディンダ・パーカッション・グループ、ケージ;打楽器のための作品全集 第3巻(HUNGAROTON)
この全集は昨年4月に第1巻が出ており、中古音盤堂奥座敷同人・野々村さんからお薦めをいただいて購入したところ、非常に面白かった。
続巻が出ていることを、これまた教えていただいたので買ってきたもの。
第2巻には1941〜50年の作品を9曲収めている。一部にゾルタン・コチシュらがプリペアド・ピアノで参加。
第3巻は、1991年の作品"FOUR4"の世界初録音(1曲で72分!)。
この曲は、この団体の委嘱によって書かれ、彼らに献呈された。初演は1992年に東京で行われた…というのだが、迂闊なことにまったく知らなかった(汗)。

 今日入手したCDのデータをリリー・ブーランジェ 作品表とディスコグラフィに追加。


2月5日(月): 

 

クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)バンベルク響、シューマン;交響曲全集(Virgin)
エッシェンバッハのシューマンは、一昨年に北ドイツ放送響との全集録音(1998〜99年)が出たばかりだが(BMG)、これは1990〜91年の録音。
CD2枚組ながら1枚分の価格(しかもミッド・プライス)で売られていたが、第1・3番は初出だろう。
再発になる第2・4番は既に架蔵しているが、全体としてはともかく(^^;、4番の第4楽章の序奏など思い入れたっぷりの素晴らしい音楽で、感心したことを記憶している。
そういう瞬間が第1・3番でも聴けることを期待して購入。
 
諏訪内晶子(Vn)イヴァン・フィッシャー(指揮)ブダペシュト祝祭管、ドヴォルザーク;Vn協・マズレックほか(Philips)
ヴァイオリニスト・指揮者とも新譜が出れば買っている人、国内盤の発売から約1年遅れて輸入盤が店頭に並んだので購入。
サラサーテ;ツィゴイネルワイゼン・カルメン幻想曲をフィルアップ。
「ツィゴイネル〜」を聴いてみたが、ツィンバロンを加えたりはしていないようだ。

2月3日(土): 昨年12月に転居したことは当「音盤狂日録」でもお知らせしましたが、今回、念願の「ヴァーチャル転居」(マルC;飯尾@CLASSICAさん)を果たしました。サーバーがWebARENAのホスティング・サービスというところまで、CLASSICAさんのお知恵を拝借しております。<(_ _)>

 ドメイン取得記念企画…と申しても、本業多忙の時期に当たり、新しいコンテンツを作る時間がありません。
 苦肉の策ではありますが、当「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」としてお目にかけることといたしました。→ここを押して
 リンク切れはもとより、恥さらしな記事も多々あろうかと存じますが、何卒御海容のほどを。m(_ _)m

 トップページのタイトル画像を公開当初のものに戻しました。


平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。


平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。

平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。

平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。

平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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