音盤狂日録


5月31日(水): 

 

ヴォーチェスQ、アリアーガ;弦楽四重奏曲第1〜3番(MDG)
「スペインのモーツァルト」ことアリアーガ(1806〜26)が残した弦楽四重奏の全集盤。
夭折したため作品は少ないが独特の哀感・抒情美に富み、代表作交響曲愛惜佳曲書に掲げた。
それに次ぐのが弦楽四重奏曲で、これも見つければ購入している。
外ジャケットにはマルP+C2000年と印刷されているが、ブックレットには1985年録音とある。新譜の時に見落としていたのが不審だが、ともあれ買うしかない。
なお、演奏者はルーマニアの団体。

5月30日(火): 

 京都・国際音楽学生フェスティバル2000@京都府立府民ホール「アルティ」と題された演奏会を聴きに行く。職場の知人から招待券を頂戴したもの。
 5月27日(土)から31日(水)までの催しで、各国の代表的な音楽学校から派遣された学生が、日替わり・国別に出演する…というコンサート。
 今日はイタリアとチェコの学生が出演して、ロッシーニやドヴォルザークの管楽器作品等が演奏された。

曲目と出演者は
ロッシーニ;四重奏ソナタ第1・4番(管楽版)ミラノ・ヴェルディ音楽院(Fl、Cl、Fg、Hrn)
ドヴォルザーク;ポロネーズ、森の静けさ&マルティヌー;ロッシーニ変奏曲プラハ音楽院(Vc、P)
ドヴォルザーク;管楽器のためのセレナード
グノー;小交響曲より第2楽章以上合同演奏
合同演奏には、日本の音楽学生も参加。
 
ひそかに期待していた、未知の若い才能の発見…というわけにはいかなかったが、勢いのいい音楽を楽しませてもらった。
特にドヴォルザーク;セレナードは、好きな曲なのにこれまでライヴで聴いたことがなかったので、満足。
 
20歳前後の人ばかりだから、ステージでの立居振舞など初々しいをとおりこして不器用もいいところだし、チェリストなど腰掛けるとズボンの裾から毛臑が顔を出す有様。
腕前も大したことはないし、アンサンブルもかなり粗削り。
それでも気持ちよく聴けたのは、ひたむきさのゆえか、はたまた身銭を切っていない気楽さからか(笑)。

5月29日(月): 大束省三『北欧音楽入門』(音楽之友社)を購入。
 ありそうでなかった北欧音楽全般の紹介書である。
 シベリウスグリーグにとどまらず、斉諧生鐘愛のステンハンマルをはじめ、ゲーゼベルワルド、その他数々の北欧作曲家を簡潔に紹介している。
 索引やCD紹介等が完備されていれば…と望蜀の想いはあるが、まずもって刊行を慶びたい。
 巻末に津田忠亮さん@ノルディックサウンド広島の労作、34頁に及ぶ北欧主要音楽家人名一覧が付されており、非常に貴重な資料となっている。当『斉諧生音盤志』も、北欧人名の表記については、今後これに従うこととしたい。

 

リュセット・デカーヴ(P)ブイヨンQ、フランク;P五重奏曲ほか(EMI-新星堂)
新星堂の独自企画「フランスの弦楽四重奏団 名演の遺産」シリーズで復刻された中から、気になるものを購入。
まず、フランクの曲は見かけたら買っているもの。
ブイヨンQ(1940年結成)は、名高いカペーQの流れを汲む団体で、ヴィオラとチェロは同じ奏者が引き続き参加しているし、第1ヴァイオリンのガブリエル・ブイヨン(1896〜1984)はリュシアン・カペーの弟子とのこと。
録音は1940年12月。前身のカペーQマルセル・シャンピと同曲を録音したのは1928年10月なので、約12年を経ていることになる。
ピアニストはマルグリット・ロンの弟子で指揮者ルイ・フーレスティエの細君、フランスでは「人間国宝のごとき尊敬を集めていた」と、ライナーノートにある。
同じ演奏者によるシューマン;P五重奏曲(1941年2月録音)をカプリング。
 
ジャンヌ・マリー・ダルレ(P)パスカルQほか、フランク;P五重奏曲ほか(EMI-新星堂)
これもフランク。音源があるからには架蔵せざるべからず。
パスカルQは1941年結成、通常は第1ヴァイオリン奏者の名前を冠することが多いが、この場合はヴィオラ奏者というところが珍しい。レオン・パスカルは高名なカルヴェQにも参加していた人。
録音は1952年5月、ピアノがダルレというのが大いに期待させる。
カプリングはラヴェル;序奏とアレグロ(1955年1月録音)、こちらにはリリー・ラスキーヌジャン・ピエール・ランパルユリス・ドレクリューズと、やはり名人上手が共演している。
 
シャンペイユQ、フローラン・シュミット;弦楽四重奏曲(EMI-新星堂)
フローラン・シュミットの弦楽四重奏というのは実は初耳。演奏時間40分ほどの大作である。
彼のP五重奏曲は好きな曲なので、こちらも聴いてみたく購入。
初演は1948年6月、カルヴェQによって行われたが、そのとき第2ヴァイオリンを弾いていたのが、この団体の第1ヴァイオリン奏者ジャン・シャンペイユだった。
初演以来、シャンペイユはこの大作の録音を念願しており、1956年12月になって実現したのが、この演奏とのこと。

 上記したように、これまで「ステンハンマル」としてきたStenhammarの表記を「ステーンハンマル」に変更。


5月28日(日): 

 通販業者からLPが届いた。

和波孝禧(Vn)イザイ;無伴奏Vnソナタ(全曲)(日コロンビア、LP)
日本人ヴァイオリニストで最も好きな一人、和波さんのLP期の代表盤をカタログに見つけたのでオーダーしたもの。諦めかけていただけに、入手できて実に嬉しい。
この曲集、最近でこそ、かなりの枚数のCDが発売され、和波さん自身も再録音を果たしたばかりだが、LP期には珍曲の部類だった。
斉諧生がクラシックを聴き始めた1980年頃だと全曲盤はクレーメル盤(メロディア)しか手に入らなかったものだ。
これは1971年2〜8月の録音。国内初の全曲盤で、同年の芸術祭優秀賞受賞。名演の誉れ高かったが、すぐに廃盤になってしまったらしい。
なお、録音の前年に、和波さんはベルギーのイザイ協会から記念メダルを授与されている。

 この間の演奏会の記録を、演奏会出没表に追加。


5月27日(土): 

 長谷川陽子さんのチェロ協奏曲の午後と題された演奏会を聴く。
 会場は、神戸学院大学メモリアルホール。
 神戸学院大学「グリーン・フェスティバル」というシリーズを主催しており、けっこうメジャーな演奏家を招いて、学校関係者+一般を対象に無料で公開されている(事前申込制)。
 長谷川さんは、その「レジデント・アーティスト」の一人として、早くから繰り返し出演しておられる。
 斉諧生が聴きに行くのはこれで4回目だが、初めての協奏曲プロ。

共演はゲルハルト・ボッセ(指揮)神戸市室内合奏団ほか、曲目は
モーツァルト;アダージョとフーガK.546
同;ディヴェルティメントK.136
カバレフスキー;Vc協第1番
モーツァルト;Hrn協第3番(Hrn独奏;猶井正幸)
同(カサド編);Vc協
というもの。
とりわけ珍しいのはカサド編のモーツァルト。公演プログラムによれば、編曲者自身が1958年の来日時にピアノ伴奏で演奏して以来、本邦2回目の上演という。
 
当日の白眉はカバレフスキー。
長谷川さんにとって同曲初めての公開演奏ということだったが、曲を手の内に収めた見事な演奏。
彼女らしい、熱を帯びた、粘りけのある歌い込みを久しぶりに聴けて(昨年からずっとバッハばかりだった!)、感激した。
この曲は録音を切望したい。ショスタコーヴィッチ;Vc協第1番をカプリングして…。(おっと、それではヨーヨー・マ盤と同じか。)
 
カサド編曲のモーツァルトは、まあ、なるほどこういう曲か…という程度。
独奏パートにかなり手の込んだアレンジが入っていて、ハイポジションでの音の動きや弾きづらい音程の重音奏法など、けっこう手こずっておられる印象があった。
そうした書法ゆえにモーツァルトの美質を損なう感もあり、あまり普及することもないのではないか…と思わざるをえない。
↓のような事情からか、この日はアンコールがなかったけれども、これが長めのアンコールと見れば…。(苦笑)
 
その他の3曲は、いずれもかっちりした手堅い出来。
弦合奏の編成は、5-5-3-2-1を基本としたもので、アンサンブルは堅固、もう少し内側から沸き上がる愉悦感があれば…と感じたが、これは指揮者の問題かもしれない。
なお、(あの)幸田聡子さんが第1ヴァイオリンにおられたので吃驚。
 
休憩後、恒例のインタビューは、ボッセ氏。
奥様(日本人)が通訳をされた。
長谷川さんでなかったので実はガッカリしたのだが、お話の内容はまことに興味深いものだった。
 
1922年生まれのボッセ氏は、第二次世界大戦末期にリンツで組織された幻のオーケストラ、帝国ブルックナー管に所属しておられたのだそうだ。
ドイツ中の放送局のオーケストラの首席奏者を集めたほか、優秀な音楽学生をオーディションで5名入れたそうだが、その中に選ばれたとか。
そのとき、1944年にフルトヴェングラーの指揮で、ブルックナー;交響曲第9番を、聖フロリアン修道院の礼拝堂で演奏した時の思い出を語ってくださった。
当時は電気照明がなく、譜面台の両脇に蝋燭を立てて演奏したとか。指揮者の両脇に立てられた大きな蝋燭の明かりにフルトヴェングラーの上半身だけが浮き上がって、それはそれは荘厳な雰囲気だったそうだ。
で、フルトヴェングラーというと話題になる棒の見づらさについては、ボッセ氏は
「音楽を心得ている者なら、ちゃんとした音楽家なら、全く迷うことはありませんでした。」
「彼の首の形が、一瞬、ピンと*極まる*ときがあるのです。あの長い首が、更に伸びるように見える瞬間があるのです。そこで出ればいいのです。」
と身振りを交えて語っておられた。
 
また、常任指揮者ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(オイゲンの弟)が指揮した演奏会で、客席にフルトヴェングラーが座っていたことがあり、その日のオーケストラは一世一代の名演奏をした…という。
 
そんなお話を延々とされたので、質問は2つ止まり、しかも予定の時間を大幅に超過した様子だった。アンコールがなかったのも、このせいだったかもしれない…。

 演奏会の後に神戸の音盤屋に寄る。また、帰宅するとamazon.ukから荷物が届いていた。

ジョシュア・ベル(Vn)エサ・ペッカ・サロネン(指揮)ロサンジェルス・フィル、シベリウス;Vn協&ゴルトマルク;Vn協(Sony Classical)
待望の1枚が届いた。
サロネンのシベリウスは先日WOWOWで放映された交響曲が素晴らしかったし、ロス・フィルとはクッレルヴォの名盤もあった。
またゴルトマルクは、パールマン盤以来好きで集めている曲。
録音情報に接したときからリリースを待ちこがれていた。ヴァイオリニストが自分で編集しているので発売が遅れたという情報もあったが(『グラモフォン・ジャパン』2000年1月号)、国内盤が出たのに輸入盤が入ってこない。
ついに業を煮やして上記イギリスのアマゾンにオーダー、なんと4日後に配達されたもの。
なお、ヴァイオリニストのファン・サイトは→ここを押して
 
カタリン・イレア(Vc)エミル・シモン(指揮)ルーマニア放送響ほか、オッフェンバック;Vc協ほか(OLYMPIA)
上記の長谷川さん演奏会に来ておられた方から拝領したCD。
標記オッフェンバックの他、
ボッテジーニ;「パッシオーネ・アモローザ」(VcとCbと管弦楽のための)
ヴィエル;Vc協第1番(ヴェルナー・スティーフェル(指揮)ブカレスト・ジョルジュ・エネスコ・フィル)
を収録。
とても美しい曲とのことなので楽しみである。
なおチェリストはルーマニア生まれ、ダニエル・シャフランらに学んだ人とのこと。
 
「コペンハーゲンにおける偉大な演奏家たち Vol.2」(丁danacord、LP)
1931〜35年のデンマーク放送の放送用録音をLPに復刻した5枚組を購入。
これにポール・パレーのライヴ音源が含まれている…という情報を、モイーズ研究室sonoreさんから御教示いただいて、捜していたもの。
パレーが演奏しているのは、
ゴーベール;「夜想曲とアレグロ・スケルツァンド」で、その独奏をマルセル・モイーズが吹いているのである。収録は1934年1月4日、管弦楽はデンマーク放送響
この盤についてのsonoreさんのコメントは→ここを押して
 
それ以外にも、驚喜の音源が収められていた。
カロル・シマノフスキ(P)グレゴル・フィテルベルク(指揮)シマノフスキ;交響曲第4番(抜粋)(1933年1月19日)
偏愛の曲の作曲者自演!
初演(1932年の翌年にヨーロッパ各地を演奏旅行したと年譜にあるが、そのうちコペンハーゲンでのもの。2箇所の断片で合計わずか7分弱であるが(第1楽章のカデンツァが途中で切れるのが惜しい!)、実に貴重だ。
 
その他、
ヨゼフ・シゲティアドルフ・ブッシュナタン・ミルシテイン(以上Vn)
パウル・ヒンデミット(Va)
ガスパール・カサドグレゴル・ピアティゴルスキー(以上Vc)
イゴール・ストラヴィンスキールドルフ・ゼルキンウラディミール・ホロヴィッツ(以上P)
ワンダ・ランドフスカ(Cem)
フリッツ・ブッシュニコライ・マルコ(以上指揮)
など、錚々たる顔触れ。
 
ポール・トルトゥリエ(Vc)マリア・デ・ラ・パウ(P)ブラームス;Vcソナタ第1・2番(英EMI、LP)
トルトゥリエの未架蔵盤を見つけたので購入。
これは2回目の録音に当たる唯一のステレオ録音(1978年頃)。
1回目、カール・エンゲルとのモノラル録音(1953年)はCD化されているが、この父娘共演盤は未だのはず。
トルトゥリエのアナログ末期の録音は、なぜかCD化が遅れていたりカタログから消えていたりする。EMIに何とかしてもらいたいものだが…。
 
ジュリアードQ、バルトーク;弦楽四重奏曲第3・4番(日CBSソニー、LP)
中古音盤堂奥座敷の合評会、次回課題盤エマーソンQ、バルトーク;弦楽四重奏曲第4番(DGG)の比較盤としてLP時代に定評のあったジュリアードQの1963年盤を捜していた。
この演奏、前に「未CD化だそうな」と書いたが、Classical CD Information & Reviewsによると、一度だけ国内限定でCDが発売されているそうだ。(御教示ありがとうございます。>加藤さん)
ようやく、国内盤ながらLPを見つけたので購入。

5月26日(金): 

 

ドミトリー・シトコヴェツキー(Vn)ネヴィル・マリナー(指揮)ASMF、チャイコフスキー;Vn協・幻想序曲「ロミオとジュリエット」ほか(Haenssler)
 
ドミトリー・シトコヴェツキー(Vn)ネヴィル・マリナー(指揮)ASMF、シベリウス;Vn協・劇音楽「テンペスト」(Haenssler)
Orfeoレーベルにバッハやクライスラーを録音していた頃からちょっと贔屓にしているシトコヴェツキーの新盤が出た。
『レコード芸術』6月号の「海外盤試聴記」に藤野竣介の好意的なレビューもあったので、購入。
チャイコフスキーの方には、瞑想曲をフィルアップ。

5月25日(木): 

 昨日に続き、長谷川陽子;バッハ;無伴奏チェロ組曲 全曲演奏会@フェニックス・ホール。

今日の曲目は、もちろん昨日やってない3曲で、
組曲第3番
組曲第2番
組曲第6番
本業の都合で会場入りが遅れ、第3番の間はロビーで待機。残念だが、途中で入場して緊張を殺いでは申し訳ないので、やむを得ない。
面白いことに、使っておられる椅子が前日とは違っていた。
 
第2番プレリュードサラバンドは、昨秋の実演の印象が強く、それに比べると物足りない。
しかしながら、前日よりも集中度が高く、これはこれで聴き応えがあった。
 
休憩後の第6番が、2日間の白眉となった。
技巧的には昨秋より更に前進し、確実性を増しているし、高域の音程も改善されている。
「プレリュード」「アルマンド」での盛り上がり、「クーラント」の思い切ったアクセントも極まっている。
とりわけ「ガヴォット」「ジーグ」の力強さ・熱気は素晴らしかった。
 
アンコールは前日同様3曲で、
第1番から「プレリュード」
これは2日間で3回聴いたことになるが、最も「乗り」のいい演奏。
第5番から「ガヴォット」
第3番から「ブーレ」
実に気持ちよくチェロが鳴っており、繰り返しでの装飾音付加など絶好調。
 
2日間を通じて、一音々々の響きの追求や内面の充実に意を配っておられる様子が伺えた。
昨秋の実演@武蔵野市民文化会館でのスケールの大きさはないものの、こうしたアプローチが完成して、更に元のスケールが加われば、長谷川さんのバッハは次元を一つ上に進めるものと思われる。
彼女のバッハの深化に期待し続けたい。

5月24日(水): 

 今日から2日間、大阪で長谷川陽子さんのバッハ;無伴奏チェロ組曲 全曲演奏会@フェニックス・ホール。
 実を言うとこのホール、あまり好きではない。こじんまりしてステージとの距離が短いのはいいのだが、響きに妙な色づけがある。
 エントランスやロビーもぱっとせず、どうして多くの演奏会が開かれるのか、疑問に思う。

今日の曲目は、
組曲第1番
組曲第4番
組曲第5番
 
座席がステージのすぐ脇、ソリストを横から見る角度ながら最前列だったので、直接音がビンビン届いて、音響的には最善だった。
 
第1番「プレリュード」冒頭から、ゆっくりめの抑えた音楽。
「クーラント」では、やや思い切った表情も見られたが、「ジーグ」は力みからか少し汚い音も聴こえた。
 
第4番、決然と始まった「プレリュード」、中間の長いスラーのパッセージが極まりきらず、残念。後半は盛り上がりを見せたが…。
「アルマンド」ではミスも散見され、集中しきれなかった感じ。
 
第5番「プレリュード」冒頭の和音、CDや昨秋の実演では畏るべき深さ・玄妙さを顕らかにしたが、今日は、むしろ美しく・ひそやかに鳴らされた感じ。
「クーラント」の激しさが頂点を描ききれなかった分、それと対比されるべき「サラバンド」の哀しみも真っ白になりきらず、やや中途半端に終わったか。
 
全体に、安定感はあったが、スケールの大きさ・精神の羽ばたきという点では物足りなさが残った。
ホールが小さい分、インティメイトな音楽を目指したのかと想像するが、それにしても集中力・緊張感の点では足りない面が否定できないと感じた。
客席も集中を欠く人が少なからずいたのは残念だったし、第1番の途中(プレリュード終了時点)で遅刻客を入場させたホールの運営も疑問である。
終演後にサイン会もあったようだが、初日はやめた方がよいように思う。
 
アンコールは3曲。
第3番から「サラバンド」
第6番から「ジーグ」
意欲的に取り上げ、勢い込んで弾き始めた反面、粗っぽい出来になってしまった。
第1番から「プレリュード」
これは本プロよりも上出来で、彼女本来のスケールの大きさを垣間見せた。

 演奏会前にCD屋を覗く。また、MikrokosmosからLPが届いた。

大野和士(指揮)ブラティスラヴァ放送響、チャイコフスキー;「白鳥の湖」組曲・「胡桃割人形」組曲ほか(Basic Classics)
日本人若手指揮者で注目している一人が大野和士。まだコンサートで接したことがないのが残念。
店頭の試聴機に入っておりチラッと聴いたところ、フレッシュな音楽が光っていたので、購入。
イタリア奇想曲をフィルアップ。
なお、彼の準公式ファンページディスコグラフィに掲載されているものと同じ音源の再発売と思われる。
 
フリッツ・ライナー(指揮)アンサンブル、バッハ;ブランデンブルク協(全曲)(米Columbia、LP)
ライナーのピッツバーグ響常任時代(1938〜48年)、主な団員を集めて指揮した録音。
ジュリアス・ベイカー(Fl)、レナード・ローズ(Vc)らの名前も見える。
Philip Hart;"Fritz Reiner ― A Biography"(Northwesthern University Press)巻末のディスコグラフィによると、録音は1949年10〜12月とあるので演奏自体は離任後のものということになる。
ライナーの録音は集めているのだが、シカゴ響以前のものはあまりCD化されていない。LPも初期盤ゆえ入手難だったのだが、なぜか安価でカタログに掲載されていたのでオーダーしたもの。
実は、14日に届いた荷物に入っていたのだが、なぜか3枚組の1枚だけだった。すぐメールで照会したところ、さっそく残りの2枚が届いたので、今日の記事に掲載する。

5月21日(日): 

 Compact Disc ConnectionからCDが届いた。

ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮)モスクワ放送チャイコフスキー響、管弦楽曲集(RELIEF)
最近フェドセーエフの新録音を出しているRELIEFの未架蔵盤をオーダー。
曲目と録音年月日は
リスト;交響詩「オルフェウス」(1974年)
ワーグナー;「ワルキューレの騎行」、「森のささやき」、「ジークフリートの葬送行進曲」(1978年)
R・シュトラウス;Hrn協第1番(独奏;ヴィクトル・ガルキン)(1983年)
シューベルト;交響曲第2番(1991年)
特にワーグナーに興味津々。
 
ジョン・マック(Ob)ユーニス・ポディス(P)ほか、モーツァルト;Ob四重奏曲ほか(CRYSTAL)
1965年以降、ジョージ・セルの下でクリーヴランド管の首席奏者を務めたマックの独奏盤。
前にプーランク;Obソナタほかの盤をバークシャー・アウトレットから買ったとき、同時にオーダーしていたのだが入荷しなかったので、こちらへ頼んでいたもの。
ダニエル・マジェスケ(Vn)、アブラハム・スカーニック(Va)、スティーヴン・ゲーバー(Vc)の弦楽器3人はいずれもクリーヴランド管の首席奏者。
ブリテン;オヴィディウスによる6つのメタモルフォーシスレフラー;Ob、VaとPのための2つの狂詩曲他1曲をカプリング。
録音年代は明記されていないが、LPでの初発売が1975〜78年とのこと。
 
アレクサンドル・ブルシロフスキー(Vn)バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(Vol.2)(Suoni e Colori)
1953年ウクライナ生まれのヴァイオリニスト、ブルシロフスキーのバッハは、以前に第1巻をバーゲンで入手、誠実な音楽と質朴な音色が気に入ったので、第2巻をオーダーしていたもの。
こちらはソナタ第3番、パルティータ第2・3番を収録。

5月20日(土): 

 クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)北ドイツ放送交響楽団(神戸国際会館こくさいホール)を聴きに行く。
 北ドイツ放送響は、平成2(1990)年11月にギュンター・ヴァント指揮のブルックナー;交響曲第8番を聴いて以来、久しぶりの実演。

今日の曲目は、
シューマン;交響曲第3番
ブラームス;交響曲第1番
というもの。
シューマンは先だって北ドイツ放送響との全集録音も出たし、第2・4番にはヒューストン響との旧録音もあるなど得意の曲目、期待して演奏会に臨んだ。
 
ちょっと驚いたのは、指揮者が燕尾服でなく、かなり襟が詰まった黒のジャケットを着用していたこと。
 
シューマンは、期待に反して、やや速めのテンポに乗った健康的な音楽。
これでオーケストラが明るい音だったら、それはそれで面白いのだが、北ドイツ放送響は渋めの音色だけに、ちょっとちぐはぐな印象を受けた。
その分、第3楽章の深沈たる音楽が良かった。
 
この曲を通じて感心したのは、女性奏者が率いていたホルン・パートの雄壮な音色。
 
ブラームスはハンブルク出身だから、いわば御当地物、更に自信に満ちた、重厚な音楽となった。
第1楽章は、冒頭から、ホルンを強奏させ、低弦がモリモリ鳴って、ずっしりした弦合奏に聴き応えがあった。
第3楽章、フルートはなかなか良かったが、クラリネットあたりにもう少し存在感があれば…と、ちょっと残念。
終楽章は、もちろん十分に盛り上がった。
 
なお、この曲では木管を重複させていた。
 
アンコールは2曲、
スメタナ;歌劇「売られた花嫁」から舞曲第3番
ブラームス;ハンガリー舞曲第5番
 
全体に、悪くはないけど、特別な瞬間も少なかったという印象。
最も安い席を買っていたので、あまり不満は感じていない。
 
初めてのホールだが、音はちゃんと飛んでくるし、バランスも悪くない。
やや響きがこもる感じがしたが、これは3階席だからかもしれない。

5月19日(金): 

 

セルジュ・チェリビダッケ(指揮)シュトゥットガルト放送響ほか、ブルックナー;交響曲第3〜5番ほか(DGG)
EMIとDGGのチェリビダッケ・エディションは揃えておきたいので、購入。
特にブルックナーは、ミュンヘン・フィルとのセット(EMI)が、聴く者を金縛りにするような音楽だった。
曲目と録音年月日は
第3番(ノヴァーク版第3稿)(1980年11月24日)
第4番(ノヴァーク版第2稿)(1969年9月24日)
この曲のみスウェーデン放送響の演奏
第5番(ハース版)(1981年11月26日)
モーツァルト;交響曲第35番(1976年6月20日)
ボーナスCDに、第5番のリハーサル風景が40分ほど収められている(1981年11月)。
版の表記はCDに拠ったが、小石忠男氏は『レコード芸術』6月号月評で第4番をハース版としている(詳細不明)。
 
マルク・グローウェルズ(Fl)ほか、モーツァルト;管楽器のための作品集(MG)
先日買ったピアソラの演奏が殊の外に情趣深く感心したグローウェルズ、新譜の棚にモーツァルト録音が並んでいたので、購入。
彼の独奏でFlとHpのための協K.299(Hp独奏;スザンナ・ミルドニアン)、Fl四重奏曲第1番が収められている。
グラス・ハーモニカのためのアダージョとロンドK.617(グローウェルズも参加)、Ob四重奏曲K.370をカプリング。
なおレーベル名不詳、「MG」はCD番号の頭についている記号だが、あるいはフルート奏者の頭文字で自主製作盤を意味するものか。
ブックレットの作りは何かの記念盤(誰かの追悼盤?)のようなのだが、生憎フランス語が読めないので、見当がつかない。(@_@;)

5月17日(水): 出張の帰りに大阪・日本橋の電器店街に立ち寄る。
 目的は、Kna-Parc MLで教えていただいた、ソニーのアクティブ・スピーカーを買うこと。
 品番はSRS-Z1、「OZ」という愛称(?)もあるようだ。

PC外付け用としてもSRS-Z1PCという品番で販売している。
Web上のカタログは、こちらの方が詳しい。→ここを押して
 ちょうど枕頭用の小さなシステムがあれば…と思っていたところだったので、手持ちのCDウォークマンと組み合わせようと考えたのである。
 幸いすぐ見つかって、定価18,000円を13,500円で購入。帰宅してすぐ音を出してみて吃驚、話には聞いていたがこれほどとは思わなかった。
 さすがに低音のスケールはサイズと値段相応だが、音のクオリティと定位感は素晴らしい。個室でひっそり(?)聴くには最適だろう。
 デザインも秀逸、KOSSのヘッドフォンPortaPro同様、お薦めしたい。
この製品、江川三郎氏が夙に着目しておられるとのこと。手元のものでは『レコード芸術』2000年2月号329頁に記事がある。

 

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)ザールブリュッケン放送響、ブルックナー;交響曲第0番ほか(Arte Nova)
Mr.Sのブルックナー全集は、なんと"Nullte"ことニ短調の習作に及んだ。
この曲は結構、聴けるものなので、しっかりしたブルックナー指揮者の録音は大歓迎である。
アダージョ(弦楽五重奏曲より)の弦楽合奏版がフィルアップされているのも嬉しい。指揮者自編とのこと。
なお、全曲の弦楽合奏版(シュタットルマイア編)をローター・ツァグロセクが録音している(Orfeo)。
 
アンシ・カルトゥッネン(Vc)トゥイヤ・ハッキラ(Fp)ベートーヴェン;Vcソナタ第1番ほか(FINLANDIA)
前から気になっていたカルトゥッネンのベートーヴェン録音、全集をいきなり買うのは冒険すぎると思っていたところ、好きな第1番を収めた巻が中古格安で出ていたので購入。
フォルテピアノ使用というのは必ずしも好みではないが、結果が良ければ残りの巻も買ってみたい。
ユダス・マカベウス変奏曲Vcソナタ変ホ長調(op.64、弦楽三重奏曲op.3の編曲)をカプリング。

5月14日(日): 大型連休の後遺症(?)か、輸入盤店にめぼしい新入荷がないようだ。

 今日は、通販業者からCD・LPが届いた。
 CDはCompact Disc Connection、LPはMikrokosmosParnassus Recordsである。

エマーソンQ、バルトーク;弦楽四重奏曲全集(DGG)
中古音盤堂奥座敷の合評会、次回の課題盤である。
1988年の録音、新譜で出た頃には、けっこうな話題になったらしい。
 
ヴェーグQ、バルトーク;弦楽四重奏曲全集(Valois)
上記の中古音盤堂奥座敷合評会の、比較試聴盤として購入。
ヴェーグはハンガリー出身、作曲家と親交のあったゾルタン・セーケイと四重奏を組んでいた時期もあり、楽曲把握に特別なものを期待したいところだ。
1972年の録音、当初はTelefunkenレーベルで出ていた。
なお、この団体にはモノラル録音もあり、タワーレコードからCD復刻されていたのだが、入手し損なっている。
 
カール・フォン・ガラグリ(指揮)ドレスデン・フィル、シベリウス;交響曲第1・7番(英Philips、LP)
ガラグリのシベリウス、なかんずく第1番は逸匠列伝でも取り上げた非常な名演。
もちろんETERNA音源だが、英プレスではどうなるか興味がありオーダーしたもの。これはFESTIVOシリーズ、廉価盤か。
ガラグリのお薦め盤にも記したとおり、彼の芸術との出会いがこの組み合わせで出た国内盤、ジャケットの挿画も同じだ。
 
タウノ・ハンニカイネン(指揮)モスクワ放送響ほか、シベリウス;交響詩「フィンランディア」ほか(蘇MELODYA、LP)
ハンニカイネンはフィンランドの名指揮者、シベリウス演奏に秀で、EMI系に交響曲第2・5番ほか、Vanguard系にVn協ほかを録音しているのは有名だが、MELODYAに交響曲第4番「レミンカイネン」組曲があった。
更に「フィンランディア」の音源が残されているのも承知していたが、なかなか入手難・高価であったところ、バーゲン価格でカタログに出ていたのでオーダーしたもの。
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーの指揮による交響曲第7番・組曲「恋する人」をカプリング。
 
ルネ・デフォッセ(指揮)ベルギー国立管ほか、ルクー;管弦楽曲集(白DECCA、LP)
LP期に比べるとルクーの録音も増えたが、室内楽曲が多く、管弦楽曲は珍しい。CDでもRicercarから出た全集に含まれた2枚分くらいだろう。
その珍しい曲の未知の音源をカタログに見つけたのでオーダー。
収録曲は、
(1) アンジュ地方の二つの民謡に基づく幻想曲(フェルナン・クイネ(指揮)リェージュ管)
(2) 「オフェリア」(交響的練習曲第2番第2楽章)
(3) 弦楽のためのアダージョ(以上ルネ・デフォッセ(指揮)ベルギー国立管)
(4) ラルゲット(独奏チェロ、弦楽五部と二つのホルン、バスーンのための)(E.ヴァン・ルモーテル(Vc)エドガー・ダヴィニョン(指揮)ベルギー国立管)
LPでは(1)と(3)にアルマン・ジョルダン(指揮)モンテ・カルロ・フィル盤(ERATO)、(2)にポール・シュトラウス(指揮)リェージュ響盤(Musique en Wallonie)があった。
 
ハンス・ロスバウト(指揮)南西ドイツ放送響ほか、シェーンベルク;管弦楽のための変奏曲ほか(独WERGO、LP)
イーゴリ・マルケヴィッチが「レコードを出したおかげでいつも春の祭典を振らされているが、本当に指揮したいのは…」と、この曲を挙げたという。
その話を読んで以来、気になっている曲の、ロスバウト盤を見つけたのでオーダー。まだCDでは出ていないのではないか。
1959年、バーデン・バーデン南西ドイツ放送局スタジオでの録音、擬似ステレオらしい。
なお、ロスバウト・ディスコグラフィは竹内さんの労作がある。→ここを押して
ゲルト・ザッヒャー(Org)シェーンベルク;オルガンのための変奏曲op.40をカプリング。
 
デジレ・エミール・アンゲルブレシュト(指揮)シャンゼリゼ劇場管ほか、アンゲルブレシュト;子守歌ほか(英DUCRETET-THOMSON、LP)
アンゲルブレシュトの自作自演、しかも4手ピアノのための作品と思っていた「子守歌」の管弦楽版、驚喜してオーダー。
LP片面の半分に2つの組曲が収まっており、第1番は5曲、第2番は3曲からなる。
ポール・ボノー(指揮)シャンゼリゼ劇場管、デュティユ;バレエ音楽「狼」をカプリング。
 
ミクロシュ・ペレーニ(Vc)アンドラーシュ・コーロディ(指揮)ハンガリー国立管ほか、ベートーヴェン;三重協(洪HUNGAROTON、LP)
ペレーニのLPがカタログにあったのでオーダー。
CDでは架蔵している音源だが、それに1970年の録音とあるので、「アナログ録音はLPで」の原則に基づいて捜していたのである。
アニコ・セゲディ(P)、デネシュ・コヴァーチュ(Vn)との共演。
 
ミエチスラフ・ミェジェイェフスキ(指揮)ワルシャワ国立歌劇場管ほか、シマノフスキ;歌劇「ロジェ王」(英AURORA、LP)
キリスト教を捨てディオニュソス神に従ってゆく12世紀のシチリア王を主人公としたこのオペラは、シマノフスキ随一の大作。
最近、サイモン・ラトル盤(EMI)が出て話題になり、以前にはアントニ・ヴィット盤(Marco Polo)があった。
これはその世界初録音。ポーランドMUZA音源で、1965年11月23日のワルシャワ国立歌劇場再建記念の公演に前後して録音されたものであろう。
この英盤のリリースは1977年頃の模様。その後CD化された記録もあるが、斉諧生は見たことがない。
 
ポール・パレー(指揮)デトロイト響ほか、パレー;ジャンヌ・ダルク没後500年記念のミサ曲(米Mercury、LP)
名指揮者ポール・パレーは、例のローマ大賞を受賞したこともある作曲家で、代表作と目されるのが、このミサ曲。
ジャンヌ・ダルクの没後500年に当たる1931年に作曲・初演したもの、これはその自演による世界初録音(1956年)で、既にCD化されている(Mercury、432 719ー2)。
LPではモノラル盤しか架蔵していなかったところ、ステレオ盤が安価でカタログに載っていたのでオーダーしたもの。
このほか晩年の自演盤と2種の最近の録音(Reference Recordings盤、Grotto盤)もある。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)モンテ・カルロ国立歌劇場管ほか、リリー・ブーランジェ;「ファウストとヘレネ」・「兵士の埋葬のために」(仏Festival、LP)
マルケヴィッチによるリリー・ブーランジェのローマ大賞受賞作「ファウストとヘレネ」の録音は、米Varese Sarabande盤LPで架蔵しているが、それ以前に発売された仏Festival盤を見つけたのでオーダーしたもの。
1977年6月の録音。オリジナルはConcert Hall盤だが、これも全録音蒐集の一環としては逸することができない。

5月7日(日): 

 昨日届いたCDの情報をアンゲルブレシュト・ディスコグラフィに追加。


5月6日(土): 

 今日の入手盤は、2枚を除いて、バークシャー・アウトレットから届いたもの。
 25点32枚(^^;;;;で送料を含めて264.48ドル、1枚当たり約900円という計算である。

ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮)モスクワ放送チャイコフスキー響、チャイコフスキー;交響曲第1番「冬の日の幻想」ほか(RELIEF)
 
ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮)モスクワ放送チャイコフスキー響、チャイコフスキー;交響曲第3番ほか(RELIEF)
大阪のCD店でフェドセーエフのRELIEF盤2点を見つけた。
このチャイコフスキーの新録音については、フェドセーエフのページに絶讃のレビューがあり、非常に気になっていたので購入。
第1番は1998年の録音で劇音楽「雪娘」(抜粋)を、第3番は1999年の録音で幻想序曲「ハムレット」をフィルアップ。
 
ブライデン・トムソン(指揮)ロンドン・フィル、エルガー;交響曲第2番(CHANDOS)
名指揮者トムソンのエルガーは、以前に第1番を中古で入手しており、いずれ第2番も…と思っていたところ、バークシャーのカタログにあったのでオーダー。
この人、師匠筋がハンス・シュミット・イッセルシュテットイーゴリ・マルケヴィッチ、斉諧生としては注目せざるべからず。
エルガー十八番の"nobilmente"指定の活かし方など素晴らしく、早世が惜しまれてならない。
 
クレメンス・クラウス(指揮)ウィーン・フィル、第2集(PREISER)
ウィーンの名指揮者、クラウスとウィーン・フィルの1940〜41年のテレフンケン録音の復刻盤。
PREISER盤の優秀な音質は評判になっていたところ、バークシャーのカタログにあったのでオーダー。
主な収録曲は、
ヨハン・シュトラウス;喜歌劇「こうもり」序曲
同;ワルツ「美しく青きドナウ」
R・シュトラウス;「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
同;七つのヴェールの踊り
ファリャ;3つの舞曲「三角帽子」より
なお、音楽探訪倶楽部クラウスのページ(ディスコグラフィ付き)がある。
 
キリル・コンドラシン(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ラヴェル;スペイン狂詩曲・「ラ・ヴァルス」&ガーシュウィン;「パリのアメリカ人」ほか(Philips)
コンドラシンが亡命直後に急逝したとき客演していたのがコンセルトヘボウ管、そのライヴ・シリーズがLP末期にPhilipsから出ていた。
LPやCDで、ぼちぼち集めていたところ、未架蔵のラヴェルとガーシュウィンのアルバムがバークシャーのカタログにあったのでオーダー。
標記3曲のほか、
ダニエル・ワイエンベルク(P)ラヴェル;左手のためのP協
ヘルマン・クレバース(Vn)同;ツィガーヌ
を収録。特に後者のソロは楽しみ。
録音年代は、「スペイン〜」が1971年、その他は1978〜80年。
 
アレクサンドル・ラスケー(指揮)アリオン・アンサンブル、バルトーク;ディヴェルティメント&プロコフィエフ(バルシャイ編);束の間の幻想ほか(Partridge)
バルトークの弦楽ディヴェルティメントは集めているところ、バークシャーのカタログにあったのでオーダー。プロコフィエフのカプリングも嬉しい。
指揮者はルーマニア出身、ヴァイオリンをベルギーで学び、同国やオランダを中心に活動している人。この約20人の奏者による弦楽オーケストラも彼が組織したものとか。
18世紀オーケストラなどで有名なヴェラ・ベスが独奏Vnを弾くチャイコフスキー;懐かしい土地の思い出(ラスケーによる弦楽合奏編曲)をカプリング。
 
ゴルダン・ニコリッチ(Vn)アリー・ファン・ベーク(指揮)オーヴェルニュ室内管、タルティーニ;Vn協 第1集(OLYMPIA)
 
ゴルダン・ニコリッチ(Vn)アリー・ファン・ベーク(指揮)オーヴェルニュ室内管、タルティーニ;Vn協 第2集(OLYMPIA)
前にバッハ;無伴奏をバーゲンで買ったニコリッチ。
カントロフ門下らしい清潔で美しい音色が気に入り、ネットで検索してみたらタルティーニの独奏盤があるとわかったので気になっていたところ、バークシャーのカタログに出てきたのでオーダー。
指揮者は1951年生まれ、ロッテルダムでエド・デ・ワールトらに指揮を学んだとのこと。
オーケストラ(24名)は、以前、ニコリッチがソリストとして在籍した団体。チェロ・パートに日本人(コンドウ・タカシ、オノ・ヒサシ)の名前も見える。
 
イズラエラ・マルガリット(P)ドナルド・バラ(指揮)モスクワ・フィル、ショスタコーヴィッチ;P協第1番&シュニトケ;P協第2番ほか(KOCH)
ショスタコーヴィッチの第1協奏曲は集めているところ、バークシャーのカタログに未架蔵盤があったのでオーダー。カプリングのシュニトケも面白そう。
ピアノ独奏によるショスタコーヴィッチ;人形たちの踊り・3つの幻想的な舞曲をフィルアップ。
なお、ピアニストはロリン・マゼールの配偶者と記憶している。
 
ジュリアン・ギャラント(P)シュテファン・アスベリー(指揮)オックスフォード・オーケストラ・ダ・カメラ、ショスタコーヴィッチ;P協第1番(Whitehall Associates)
↑同様、ショスタコーヴィッチの第1協奏曲の未架蔵盤がバークシャーのカタログにあったのでオーダーしたもの。
カプリングは、
グレツキ;P協(1980年)
ヒンデミット;四つの気質
ウィリアムソン;P協第2番(1960年)
なお、この曲のディスコグラフィが、工藤さんのページSugitaさんのページにある。
 
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)マリオ・ディ・ボナヴェントゥラ(指揮)ホプキンス・センター・オーケストラ、ヒナステラ;Vn協ほか(DYNAMIC)
集めている作曲家ヒナステラのVn協は、1963年にルッジェーロ・リッチ(Vn)レナード・バーンスタイン(指揮)ニューヨーク・フィルで初演され、委嘱したオーケストラに献呈された作品。
アッカルド盤(1968年ライヴ録音)は、かねて店頭で見かけて迷っていたところ、バークシャーのカタログにあったのでオーダー。
カプリングはバルトークの初期のVnソナタ(1903年)、ピアノはノエル・リーがつきあっている。
 
アン・ホブソン・パイロット(Hp)アイザイア・ジャクソン(指揮)イギリス室内管、ヒナステラ;Hp協ほか(KOCH)
これも集めているヒナステラの未架蔵盤、店頭で見かけて気になっていたところ、バークシャーのカタログにあったのでオーダー。
ソリストはボストン響の首席ハーピスト。
指揮者は1945年生まれ、ストコフスキーのアシスタント等を務め、ロイヤル・バレエ(コヴェント・ガーデン)の首席指揮者・音楽監督の経歴もあるとか。
ウェールズ出身の作曲家ウィリアム・マサイアス(1934〜1992)のHp協(1970年)をカプリング。
 
アンドルー・ハーディ(Vn)リュック・デヴォス(P)シューベルト;幻想曲ほか(talent)
集めている幻想曲の未架蔵盤がバークシャーのカタログにあったのでオーダー。
ヴァイオリニストは1960年ボルチモア生まれ、ジュリアードでドロシー・ディレイに学んだというのが少し不安。斉諧生的には、ディレイ門下とは相性が悪いのである。
同じ作曲家のソナタ(デュオ)D.574華麗なるロンドD.895をカプリング。
 
アレクサンドル・ブルシロフスキー(Vn)インゲル・セーデルグレン(P)ブラームス;Vnソナタ第1〜3番(CALLIOPE)
前にバッハ;無伴奏をバーゲンで買ったブルシロフスキー。
メニューインの薫陶を感じさせる誠実な音楽と質朴な音色が気に入り、ネットで検索してみたらブラームスのソナタ全集があるとわかったので気になっていたところ、バークシャーのカタログに出てきたのでオーダー。
 
レイナルド・パロット(Ob)モーリス・アラール(Fg)ほか、テレマン;組曲とソナタ(STUDIO SM)
フランスの木管楽器の音色には独特の魅力を感じる。バソンの名手、アラールの録音がバークシャーのカタログにあったのでオーダー。
ObとFgとCemの組曲を冒頭に、以下VcとCemのソナタFgとCemのソナタObと通奏低音のソナタを収録している。
Cemはリシャール・シーゲル、Vcはエティテンヌ・ペクラールという奏者。
1983年9月の録音。演奏時間が総計36分ほどというのは寂しいが…。
 
ジョン・マック(Ob)ユーニス・ポディス(P)シューマン;3つのロマンス&プーランク;Obソナタほか(CRYSTAL)
1965年以降、ジョージ・セルの下でクリーヴランド管の首席奏者を務めたマックの独奏盤がバークシャーのカタログにあったのでオーダー。
標記2曲のほか、
サンサーンス;Obソナタ
ヒンデミット;Obソナタ
と小品4曲を収録。
このディスク、もとはTelarcレーベルから1970年代後半にリリースされた音源とか。
 
マルク・グローウェルズ(Fl)イヴズ・ストームズ(G)ほか、「ピアソラ。。。シャンカール」(SYRINX)
最近ポピュラー名曲の仲間入りをした(?)「タンゴの歴史」をピアソラに委嘱したグローウェルズによるピアソラほかの録音が、バークシャーのカタログにあったのでオーダー。
ピアソラでは、「タンゴの歴史」から「娼家1900」「ナイト・クラブ1960」を演奏。全曲でないのが残念。前者では打楽器を加えている。
ヒナステラヴィラ・ロボスガルシア・ロルカ等、ラテン系の作曲家とバルトークの小品、最後にタブラを加えてのラヴィ・シャンカール;ラーガ「魔法の朝」を置く。
ギタリストは、グローウェルズ同様、ベルギー出身の人。
 
フィリップ・コレ&エドゥアルド・エセルジャン(P)「4手ピアノのためのフランス音楽」(LE CHANT DU MONDE)
CD2枚組の連弾曲集、
名匠列伝に立伝した指揮者アンゲルブレシュトの作品子守歌から5曲を収めているのでオーダーしたもの。
その他では
ビゼー;子供の遊び
フォーレ;ドリー
ラヴェル;マ・メール・ロワ
といった有名曲やミヨーセヴラックキャプレらの作品を収録している。
 
シュテファン・フッソング(アコーディオン)バッハ;イギリス組曲第2・3・5番(DENON)
 
シュテファン・フッソング(アコーディオン)バッハ;パルティータ第2・4番ほか(DENON)
フッソングのバッハ・アルバムがバークシャーのカタログにあったのでオーダー。逆輸入品ではなくアメリカでプレスされたもの。
クラシック・アコーディオンは、キレのいい小型オルガンのように機能するので、バッハの鍵盤音楽の演奏には面白いと思う。
後者には有名なコラール「来たれ、異教徒の救い主よ」「主よ、人の望みの喜びよ」「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」をフィルアップ。
イギリス組曲が1994年12月、パルティータ他が1996年12月、それぞれフィリア・ホールでの録音。
 
サイモン・ラトル(指揮)啓蒙時代管ほか、モーツァルト;歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」(EMI)
ラトルの古典派録音は、前にハイドン;交響曲第102番等に感心しているので、このモーツァルトの全曲録音も聴いてみたかったところ、バークシャーのカタログで18ドルほどと格安だったのでオーダー。
アメリカ・プレスは好きではないが、CDでは問題になることは少ない。
録音は1995年12月、バーミンガム・シンフォニー・ホールでのライヴ収録(演奏会形式?)だが、元来は1991年のグラインドボーン音楽祭でのプロダクションだったという。独唱者に知った名前は少ない。
先日書店で立ち読みした(笑)、礒山雅『モーツァルト=2つの顔』(講談社選書メチエ)では、このオペラに一章が割かれ、推奨盤としてラトル盤が挙げられていたようだ。
 
セルジュ・ボド(指揮)リヨン管ほか、ドビュッシー;歌劇「ペレアスとメリザンド」(eurodisc)
オペラにはうとい斉諧生だが、アンゲルブレシュトが得意にしていたこともあって、この曲には関心があるところ、未架蔵盤がバークシャーのカタログにあったのでオーダー。
ちょっと調べてみて驚いたのだが、ボドは、このオペラをミラノ・スカラ座で指揮したことでキャリアを築いた…ということのようだ(招聘したのはカラヤン)。
録音は1978年9月、ミシェル・コマンは、このときメリザンド役に抜擢されたことで一躍有名になったそうな。
 
ペーター・ホフマン(Ten)イヴァン・フィッシャー(指揮)シュトゥットガルト放送響、ワーグナー;アリア集(Sony Classical)
ホフマンにはクリスマス・アルバムやロック・アルバムで楽しませてもらってきたが(笑)、本業のワーグナーも聴かないと申し訳ない…と思っていたところ、バークシャーのカタログでこれが出てきたのでオーダー。
収録曲は
「マイスタージンガー」より優勝の歌
「ワルキューレ」より「冬の嵐は過ぎ去り」
「タンホイザー」よりローマ語り
「ローエングリン」より聖杯の物語
等、全8曲。
録音は1983年6月、バックが駆け出し(?)時代のイヴァン・フィッシャーというのも一興か。
 
エノッホ・ツ・グッテンベルク(指揮)ミュンヘン・バッハ・コレギウムほか、バッハ;ヨハネ受難曲(BMG)
最近集めはじめたヨハネ、マタイも架蔵しているグッテンベルクの録音がバークシャーのカタログにあったのでオーダー。
合唱は手兵コアゲマインシャフト・ノイボイエルン、福音史家はクラエス・アーカン・アーンシェ(Ten)。
独唱にナタリー・シュトゥッツマン(A)やトマス・クヴァストホフ(Bs)の名が見られるのが驚き。録音当時(1991年)は、ほとんど無名だったと思う。
 
ベートーヴェン;イギリス諸島の歌(Sony Classical)
近頃贔屓のチェリスト、ユリウス・ベルガーの未架蔵盤を捜していたところ、これがバークシャーのカタログにあったのでオーダー。
声楽陣4人はあまり知らないが、器楽はクリスチャン・アルテンブルガー(Vn)、ヘルムート・ドイチュ(P)とお馴染みの名前。
もっとも、メイナード・ソロモン『ベートーヴェン』(岩波書店)によれば、
「1809年の終りから1818年にかけてベートーヴェンはスコットランドやアイルランド、そしてウェールズ地方の歌を180曲ほどピアノ、ヴァイオリン、チェロなどの伴奏による単声または複数声部の歌曲に編曲した。これはエディンバラの出版者、ジョージ・トムソンの注文によるものであった。(略)
 十分な報酬が支払われたが、仕事の結果はほとんど価値のないものであった。というのは、ベートーヴェンには歌詞も与えられず、彼は五音音階や六音音階による伝統的民謡に内在する旋法的な和声構造や、不規則な拍子をとらえそこねたからである。」
とある。
 
ガイル・ボトネン(P)レイドゥン・ホルヴァイ(歌)トヴェイト;ハルダンゲルの50の民謡旋律(SIMAX)
トヴェイトの民謡に基づく作品では、管弦楽のための「ハルダンゲルの100の民謡旋律」組曲(op.151)が有名だが、これはop.150に当たるピアノのための組曲に、原曲の歌唱を組み合わせた2枚組。
管弦楽用の組曲を演奏したBIS盤から、トヴェイトの美しさに興味を持ちはじめており、オーダーしたもの。
こういう珍品が出てくるのもバークシャーの面白いところ。
 
ラルフ・オットー(指揮)「イル・バッソ」器楽アンサンブルほか、モンテヴェルディ;聖母マリアの夕べの祈り(CAPRICCIO)
集めている「ヴェスプロ」(1610年)の未架蔵盤をバークシャーのカタログで見つけたのでオーダー。
指揮者は未知の名前だが、1956年生まれ、リリンクエリクソンに学んだという。
合唱は手兵フランクフルト・ヴォーカル・アンサンブル、独唱者も知らない人がほとんどだが、クリストフ・プレガルディエン(Ten)の顔が見えるのは嬉しい。

5月2日(火): 

 

ヴィレム・メンゲルベルク(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ベートーヴェン;交響曲全集(Philips)
フィリップスの"Dutch Masters"シリーズで出た1940年のライヴ録音による全集。
国内盤LPで架蔵済みなので、新譜の時には見送っていたのだが、ワゴン・セールでCD5枚組が4,000円、これはお買い得とレジへ直行。
第9番の終結を最初に聴いたときの衝撃は忘れられない。
瞬間、LPプレーヤーが壊れた!と直感したほどの急激な大減速!!
「大きくリタルダンドして締めくくる」とは聴いていたものの…、そんな生易しいものではなかったのである。
そこだけを取り上げると、まぁ多少「際物」めくかもしれないが、SP時代には世界三大オーケストラの一に数えられたこのコンビの演奏力は、60年たった今も、色褪せない。
 
ヤシャ・ホーレンシュタイン(指揮)BBC響、ブルックナー;交響曲第5番(BBC LEGENDS)
中古音盤堂奥座敷合評会で取り上げられたホーレンシュタインのブルックナー、スタジオ録音のなかった第5番がライヴで出たので購入。
1971年9月15日、ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールでの収録。
もちろんステレオ録音、音質は極めて良好。
 
ルドルフ・ケンペ(指揮)チューリヒ・トーンハレ管、ブルックナー;交響曲第8番(Somm)
長く幻の名盤とされ、CD化の噂が出ては消えていたケンペの第8番が、ついに出たので購入。
1971年11月、チューリヒでのスタジオ録音、ハース版による。
斉諧生は、ベートーヴェン;交響曲第5番と組み合わされた国内盤LP(日本フォノグラム)を架蔵していたが、この盤はマスタリングに難あり、オリジナルのex libris盤LPが良好とのことだが、もちろん極めて入手難であったから、今回の復刻は有り難い。
関係者(日本からの企画とのこと)に感謝申し上げる。
 
ジョン・バルビローリ(指揮)ハレ管ほか、マーラー;交響曲第7番&ブルックナー;交響曲第9番(BBC LEGENDS)
バルビローリのマーラーとあらば買わざるべからず。
1960年10月20日、マンチェスターでのライヴ録音、モノラルだが雑音や歪みはなく、鑑賞には十二分に堪える。
マーラー指揮者が好んで指揮するブルックナーの第9番(バーンスタインはこの曲しか振らなかったはず)がカプリングされているのも興味深い。
こちらは1966年7月29日、ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。まだモノラル収録なのが残念だが、音質は一段と良好。
なお、マーラーは、ハレ管とBBC北部響との合同演奏。
 
マリオ・ブルネロ(Vc)アンドレア・ルケシーニ(P)ベートーヴェン;Vcソナタ第3〜5番(AGOLA)
先日、1枚目を購入したブルネロのベートーヴェン、なかなか良さそうなので、残りの曲を収めた第2巻も購入。
魔笛変奏曲(「恋を知る者は」)をカプリング。
 
塩川悠子(Vn)アンドラーシュ・シフ(P)シューベルト;幻想曲・「さすらい人」幻想曲(ECM)
塩川・シフ夫妻によるシューベルト、VnとPのものとP独奏のものと、幻想曲2曲のカプリング。
特に前者は集めている曲だし、前にTELDECに録音したミクロシュ・ペレーニとのアルペジオーネ・ソナタが素晴らしかったので、期待して購入。
 
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)フィルハーモニア管・合唱団ほか、ヴェルディ;レクイエムほか(BBC LEGENDS)
ジュリーニとフィルハーモニア管・合唱団との同曲はEMIにスタジオ録音があり、聖歌四篇ともども名盤とされていた。
正規盤は1964年4月の録音、これはその前年8月5日のライヴ。ステレオで音質は極めて良好。
独唱者は、スター歌手を並べた正規盤と異なり、名前を知らない人ばかり。
ウォルター・レッグ回想録『レコードうら・おもて』(音楽之友社)によれば、
「彼の指揮するヴェルディの<レクイエム>は最高だった。(略)毎年、恒例のイヴェントになったし、これさえやれば満席まちがいなしだった。」
という。
また、このトリオで、1963年にパルマで開催されたヴェルディ生誕150年記念音楽祭に、この曲を引っ提げて乗り込んだとき、嵐のような拍手が鳴り止まず、"サンクトゥス"をアンコールしたとか。
…ということは、このCDに収められている演奏は、その前後に収録されたものであろう。大いに期待したい。
ヴェルディ;歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲シューベルト;ミサ曲第6番D.950をカプリング。
後者は1968年8月31日、エディンバラでのライヴ、ニュー・フィルハーモニア管スコットランド音楽祭合唱団による。

5月1日(月): 

 昨日届いたLPの情報をステーンハンマル 作品表とディスコグラフィレイボヴィッツ・ディスコグラフィに追加。


平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。

平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。

平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。

平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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