音盤狂日録


4月30日(祝): このページを読んでくださった方からメールを頂戴した。非常に有益な御教示だったので、概要を記してお礼を申し上げたい。
 アンゲルブレシュト・ディスコグラフィでは、ビゼー;「アルルの女」第2組曲でのサキソフォン独奏者について、CDの記載に従いマルセル・ミュールとしている。
 しかし、その方によると、音色・歌いまわしからしてミュールではなく、モーリス・ヴィオール Maurice Viard であると見られるとのこと。オリジナルのSPには奏者のクレジットがなく、フランスではヴィオールというのが定説になっているそうだ。
 ヴィオールは斉諧生にとって初めて聞く名前だが、当時、ミュールと肩を並べた人だったという。WWWで検索してみたが、コッポラドビュッシー;サキソフォン狂詩曲の録音があるという程度のことしかわからなかった。
 近々、アンゲルブレシュト・ディスコグラフィに加筆訂正する予定だが、この奏者のことはもう少し調べてみたい。

 シカゴ響のオンライン・ショップから自主製作CDが、jpcから大量の荷物が届いた。
 後者の荷物のうち、『クラシック輸入盤2001』(音楽之友社)を見てオーダーしたCDについては、『2001』と略記し、掲載頁と評者のコメント(抜粋)を付す。

シカゴ響自主製作CD第15巻「オーケストラの独奏者たち 2」(CSO)
先日、リンク集の見直しをしているときにふとシカゴ響の公式Webpageを覗いて、ついでにショップのページを見たら、この2枚組CDの告知があった。この4月に出たばかりらしい。
首席奏者連中を独奏にたてた放送用ライヴ音源の集成で、煩を厭わず曲目と演奏者を列挙すれば、
ドビュッシー;Clと管弦楽のための狂詩曲第1番(1994年11月25日)
  ラリー・コムス(Cl)
  ピエール・ブーレーズ(指揮)
 
モーツァルト;協奏交響曲K.297b(1977年3月31日・4月1日)
  レイ・スティル(Ob)
  クラーク・ブロディ(Cl)
  ウィラード・エリオット(Fg)
  デイル・クレヴェンジャー(Hrn)
  カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
 
アッテルベリ;組曲第3番(1992年10月8・10日)
  ヨゼフ・ゴラン(Vn)
  チャールズ・ピクラー(Va)
  デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮)
 
ヴィラ・ロボス;Fgと弦楽合奏のための7音によるセレナード(1968年3月9日)
  ウィラード・エリオット(Fg)
  モートン・グールド(指揮)
 
シベリウス;トゥオネラの白鳥(1991年1月24・26日)
  グローヴァー・シルツ(イングリッシュ・ホルン)
  ヘルベルト・ブルムステット(ブロムシュテット)
 
ヴィヴァルディ(ダンディ編);チェロ・ソナタ第5番(1967年6月8日)
  フランク・ミラー(Vc)
  アントニオ・ヤニグロ(指揮)
 
ティリエ;序奏、歌とロンド(1966年10月22日)
  エドワード・ドルジンスキー(Hp)
  ジャン・マルティノン(指揮)
 
フンメル;Trp協 変ホ長調(1983年9月30日・10月1日)
  アドルフ・ハーセス(Trp)
  ゲオルク・ショルティ(指揮)
 
ニールセン;Cl協(1993年10月17日)
  ジョン・ブルース・イエー(Cl)
  ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
 
ミヨー;打楽器と小管弦楽のための協奏曲(1986年12月18・20日)
  ジェイムズ・ロス(Perc)
  エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
 
斉諧生は特段シカゴ響のファンというわけではないが、曲目といい、ソリスト・指揮者といい、これは聴き逃せない。直ちにオーダー。
価格は2枚組で35ドルだが、速いが高いDHLを使っているので送料に23.4ドルかかる(合計で7,000円強)。ちょっと割高だが…(汗)。
なお、オーダーから到着まで約1週間。
 
トマス・ダウスゴー(指揮)スウェーデン室内管、ベートーヴェン;交響曲第4・5番ほか(SIMAX)
来年7月に来日して紀尾井シンフォニエッタを指揮するというダウスゴーとスウェーデン室内管によるベートーヴェン・チクルス第2弾。
第1弾の第1・2番同様、北欧音楽MLでの評価が高い。店頭でなかなか見かけないので、jpcへオーダーしたもの。
なお、ボリス・ベレゾフスキーを起用したピアノ協奏曲も現地では既にリリースされているそうである。
 
フランツ・ヴェルザー・メスト(指揮)ロンドン・フィル、ブルックナー;交響曲第5番(EMI)
彗星の如く現れて、さあっと転落していったヴェルザー・メストだが、その後は着実にキャリアを積み上げている様子。2002年のシーズンからはクリーヴランド管の音楽監督に就任予定とのこと。
彼についてはよしじゅんさんのWebpageに詳しいが、そこでこの演奏について
全曲に渡って凄まじいまでの緊張・気迫が貫かれている(中略)
 オケも一心同体化し、われを忘れて弾きまくり・吹きまくり・叩きまくり。
と評されており、興味を惹かれてオーダー。
1993年5月31日・6月1日の両日、ウィーン・コンツェルトハウスでのライヴ録音。
 
パーヴォ・ベリルンド(ベルグルンド)(指揮)王立デンマーク管、ニルセン;交響曲全集(BMG)
何となく買いそびれていたベリルンドのニルセン全集(1987〜89年録音)の廉価セットが出ていたのでオーダー。3枚組で約2,900円であった。
ニルセンの交響曲といえば、先日、ブロムシュテット(ブルムステット)第5番をN響定期で演奏、大阪にも来演したのだが(4月21日)、仕事の都合で聴きに行けなかったのは痛恨。
 
ミハイル・ユーロフスキ(指揮)ノールシェピング響、ラングストレム;交響曲全集ほか(cpo)
『2001』(18頁)
ラングストレムの交響曲についてはNORDIC FOREST 北欧のクラシックCDでも紹介しておられ(→ここを押して)、気になっていたところである。
斉諧生はシベリウスステーンハンマル以外の北欧作曲家については、あまり熱心には蒐集していないのだが、『2001』への掲載を期にオーダーすることにした。
というのも、jpcではcpoレーベルが格安で購入できるのである。なんと3枚組で約1,900円!
交響曲4曲に、交響詩「バッカス讃歌」「春の讃歌」劇的間奏曲をカプリング。
コメントは松沢憲氏、
古典的な厳格な形式の中で実現された優れて美しい旋律と表題性がこの音楽家の大きな特徴と言える。
 加えて豪壮なオーケストレーションが聴く者をわくわくさせる。
 
デヴィッド・ロバートソン(指揮)リヨン国立管ほか、ヒナステラ;バレエ組曲「エスタンシア」・「パブロ・カザルスの主題によるグローセス」ほか(naive)
いつもお世話になっているユビュ王の食卓@WOODMANさんのCD雑記帳で教えていただいたCD。
有名な「エスタンシア」もさることながら、「〜グローセス」も素晴らしい曲である。
カザルス生誕100年記念にプエルト・リコ・カザルス音楽祭から委嘱された作品で、最初に弦楽合奏と弦楽五重奏のために書かれ、後にロストロポーヴィッチとワシントン・ナショナル響のために管弦楽(三管編成)編曲された。このディスクには、もちろん後者のヴァージョンを収録している。
見つけるたびに買っている曲ながら、国内の輸入音盤屋で見ないので、この機会にオーダーしたもの。
イザベル・モレッティ独奏によるHp協バレエ組曲「パナンビ」をカプリングしているのも嬉しいし、ジャケットも涙が出そうなくらいに美しい(↑のページに掲載されている)。
 
サシュコ・ガヴリーロフ(Vn)ホルスト・シュタイン(指揮)北ドイツ放送響、ベートーヴェン;Vn協・ロマンス第1・2番(Landscape)
「ガヴリーロフ」で検索したらヒットしたCD。
教授のベートーヴェンがCD化されており、しかも約380円という超廉価盤というので吃驚してオーダーした。
現物を見て更に吃驚、演奏者名が一切、表記されていない。
音色・演奏的には一応そうかなと思えるので、ディスコグラフィに従って、上記のように指揮者・オーケストラ等を記載しておく。
 
ジェラール・コセ(Va)ポール・メイエ(Cl)ケント・ナガノ(指揮)リヨン国立歌劇場管ほか、ブルッフ;VaとClのための協ほか(ERATO)
畏友かとちぇんこさんが
一生この作品と付き合っていこうと思っている。
と愛しておられる曲のベストに挙げておられる演奏。→ここを押して
ところがブルッフというと、有名なVn協第1番はともかく、Vn協第2・3番や交響曲など、あまり感心しなかったので二の足を踏んでいたのである。
昨秋、ミクローシュ・ペレーニが東京の演奏会でブルッフの小品をアンコールに弾いたとも聞き、いよいよ気になってきた。
以来、店頭で捜してきたが見当たらず、通販でオーダーすることにしたもの。
コセ、メイエ、ナガノ、いずれも評価している演奏家なので、大いに期待したい。
ペレーニが弾いたものの原曲に当たるClとVaのための8つの小品と、ロマンスをカプリング。前者のピアノはフランソワ・ルネ・デュシャーブル
 
ユーリ・バシュメト(Va)ヴィクトル・トレチャコフ(Vn)ネーメ・ヤルヴィ(指揮)ロンドン響ほか、VnとVaのための協ほか(BMG)
↑のコセ盤と同じ曲を、クラリネットをヴァイオリンに置き換えて演奏したCD。
バシュメトは今年3月に新日フィル定期でこれを演奏した。もちろん聴きに行かれたかとちぇんこさんによれば、素晴らしい出来だったそうである。→ここを押して
バシュメトは前からよく聴いているので、コセ盤と同時にオーダーすることにしたもの。トレチャコフも好きなヴァイオリニストの一人だ。
同じ作曲家のコル・ニドレロマンスに加え、ウォルトン;Va協をカプリング。ウォルトンの指揮はアンドレ・プレヴィンである。
 
ジェニー・アベル(Vn)ホリア・アンドレースク(指揮)モルドヴァ・フィル、ベルク;Vn協&レスピーギ;グレゴリオ聖歌風協(BAYER)
先月久しぶりにCD(バッハほか)を買ったアベル、ベルクの演奏で評判だというので、オーダーしてみた。
カプリングのレスピーギは録音が比較的珍しい曲であり、これも収穫。
1984年4月の録音。
 
イダ・ヘンデル(Vn)ヘルベルト・ブルムステット(ブロムシュテット)(指揮)スウェーデン放送響ほか、ペッテション;Vn協第2番ほか(CAPRICE)
このところ気になりはじめているアラン・ペッテションの代表作の一つ、Vn協第2番をオーダー。
スウェーデン放送の委嘱で1977年に書かれた単一楽章56分の作品。1980年1月25日に、この盤の演奏者によって初演され、それと前後して録音されたものである。
無伴奏混声合唱による組曲「裸足の歌」をフィルアップ。
 
アンサンブル・ウィーン、モーツァルト;ディヴェルティメント K.334ほか(KOCH)
毎日愛読させていただいているVolkerの部屋の、今年3月19日の記事で紹介されていたCD。過去ログは→ここを押して
非常に『素朴』で身のこなしの『軽い』、室内楽団というよりは『バンド』的なノリを示す(中略)
 グッゲンベルガーの『歌心』も相変わらず健在で、ほんと、実に洒落た演奏になっている
一読、聴きたくてたまらなくなり、オーダーしたもの。
行進曲 K.445を前置し、ドイツ舞曲 K.606をフィルアップ。
 
ウルフ・ヴァーリン(Vn)ブルーノ・カニーノ(P) ゴルトマルク;VnとPのための作品全集 第1・2巻(cpo)
『2001』(83頁)
ゴルトマルクのVn協はパールマン盤(EMI)以来愛聴、愛惜佳曲書にも掲載しているところ。
彼のヴァイオリン作品の佳演ならばとオーダー。『2001』に紹介されているのは第2巻だが、ついでに第1巻も頼んだのは、@約1,200円という安さゆえ。
ピアノがカニーノというのも心強い。
第1巻には組曲 ニ長調 op.11組曲 変ホ長調 op.43を、
第2巻にはVnソナタバラードロマンツェ6つのP小品を収める。
コメントは松沢憲氏、
両端楽章における熱っぽい表現や中間楽章アンダンテの心のこもった優しい歌心がわけても印象的だ。
 
ソンヤ・ヴァン・ビーク(Vn)アンドレアス・フレーリヒ(P) コルンゴルト;VnとPのための作品全集
『2001』(87頁)
ひところ交響曲や映画音楽のCDを集めていたコルンゴルトのVn作品集、やはり聴いてみたくなりオーダーしたもの。
そういえば、DGGから出たフォン・オッターらの歌曲・室内楽曲集も非常に良かった。
メインの長大なVnソナタは、16歳のときに作曲、しかもカール・フレッシュアルトゥール・シュナーベルによって初演されたというから凄い。
とはいえ、11歳で書いたバレエ音楽がワインガルトナーの指揮によってウィーン宮廷歌劇場で演奏、絶讃された神童のことだから、驚くほどではないかもしれないが。
詳しくは早崎隆志『コルンゴルトとその時代』(みすず書房)を参照されたい。
ヴァン・ビークはオランダの若手女性奏者、トーマス・ブランディス門下とのこと。
コメントは松沢憲氏、
オリジナルが泣きたくなるほどセンチメンタルな切ないナンバーだけに、こうしたアレンジで聴いてもやはり感動的である。
 
ドーラ・ブラチコーヴァ(Vn)アンドレアス・マイアー・ヘアマン(P) ゲーゼ;Vnソナタ第1〜3番(cpo)
『2001』(83頁)
愛惜佳曲書に掲げたノヴェレッテの作者、ゲーゼのVnソナタならば、さぞ美しい曲だろうとオーダーしてみた。
独奏者はブルガリア生まれ、現在はザールブリュッケン放送響の首席コンサートミストレス…ということは、スクロヴァチェフスキのブルックナーの録音にも参加しているのだろうか。
コメントは安田和信氏、
旋律の美しさはこの作曲家の真骨頂である。(中略)十九世紀の音楽に興味をもつ人間ならば絶対外せない曲目
 
ビャルネ・クリステンセン(G) イザイ;無伴奏Vnソナタ集(ギター編)(GLISSANDO)
これまた、いつもお世話になっているユビュ王の食卓@WOODMANさんの掲示板で教えていただいたCD。
ギタリスト自らの編曲で、第1・2・4・5番を演奏している。
クリステンセンは1967年デンマーク・ゼンダーボリの生まれ、公式Webpageがあるが(→ここを押して)、録音はこのイザイだけのようだ。
自撰のライナーノートによると、学生時代に第2番の実演を聴いて魅了され、自分の楽器でも弾いてみたいということで編曲に取り組みはじめたという。バッハ;無伴奏ソナタとパルティータをギターで演奏したセゴビアのことが頭にある模様。
バッハのギター・リュート編は各種架蔵しており、イザイの曲がどうなるか興味を惹かれてオーダー。
 
ジェイムズ・ラスト(指揮) ヴァイル;「三文オペラ」(抜粋)(Polydor)
『2001』(146頁)
ソニー・ロリンズ(Sax);「サキソフォン・コロッサス」以来、「三文オペラ」に目のない斉諧生ゆえ、即オーダー。
↓のコメントによれば、ラストは「ドイツ・ビッグ・バンド・ジャズの巨匠」、またメッキース役のハンネス・メッセマーは、映画「大脱走」でドイツ軍捕虜収容所長ルーゲル大佐(最後にゲシュタポに逮捕される)を演じた名優とのこと。
コメントは前島秀国氏、
ゲルマン人の肉食性が剥き出しになった迫力には震撼の一言
 
ヴィンフリート・トル(指揮)カメラータ・ヴォカーレ・フライブルク、ピツェッティ;レクイエムほか(ARS MUSICI)
ピツェッティのレクイエムは「愛惜佳曲書」にも掲載しているが、フォーレやデュルフレのレクイエムを愛好される方には、ぜひお聴きいただきたい美しい曲である。
見つけ次第買っているが、未架蔵盤を見つけたのでオーダーしたもの。
ハウエルズプッチーニの同名曲をカプリング。ただし後者は5分ほどの小品で、ヴィオラとオルガンが付く。
 
フロリアン・ヘイエリク(指揮)エクス・テンポレ、モンテヴェルディ;『聖母マリアの夕べの祈り』(Rene Gailly)
これも見つけ次第購入する曲。モンテヴェルディの最高傑作という以上に、バッハ以前の音楽の最高峰ではないだろうか。
演奏者についてはつまびらかにしないが、ベルギーの古楽団体の模様。WWWで検索すればヒットはするのだが、読めないのである(汗)。(指揮者→ここを押して 合唱団→ここを押して)

4月29日(日): 

 

ペトリ・サカリ(指揮)BBCウェールズ・ナショナル管ほか、ニルセン;交響曲第4番ほか(BBC Music Magazine)
BBC Music Magazineの付録CDである。
輸入音盤店で見かけて、指揮者と曲は魅力的だが雑誌ごと買うのは迷っていたところ(英語が骨で、どうせ読まないに決まっている)、Web上の知人が快くCDを譲ってくださったもの。この場を借りて、あらためて御礼を申し上げたい。m(_ _)m
同じ作曲家のCl協ロバート・プレーン(Cl)尾高忠明(指揮)同管による演奏でカプリング。
なお、オーケストラの公式ページは→ここを押して

4月27日(金): 

 

ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送響、マーラー;交響曲第7番(audite)
このレーベルから陸続とリリースされるクーベリックのライヴ、マーラーはこの7番で5点めになる。
彼のライヴは聴き逃せないので購入。スタジオ録音とはずいぶん違う人だったらしいので。
1976年2月5日、ミュンヘン・ヘルクレス・ザールでのライヴ録音。バイエルン放送協会の正規音源からのリリースである。音の状態は極めて良好。
 
武久源造(Cem)コンヴェルスム・ムジクム、「バロックの華」(ALM)
CDは必ず買うことにしている武久さんが昨年に結成されたばかりのアンサンブルの2点めのCDが出ていたので購入。
第1ヴァイオリンの桐山建志さんをはじめ、気鋭の奏者10人からなる団体である。
有名なパッヘルベル;カノンに始まり、ビーバー戦争描写ソナタ、またストラデルラシュメルツァの作品を演奏している。
武久さん自撰のライナーノートによれば、
バッハが生まれる少し前に書かれた弦楽器によるアンサンブル音楽の傑作選
というプログラムだそうだ。

4月26日(木): 

 amazon.ukからCDが届く。ここは送料が安く、1枚だけオーダーしても国内の輸入音盤屋のレギュラー・プライス並みですむので、好都合なときがある。

アルマン・ジョルダン(指揮)スイス・ロマンド管ほか、マルタン;小協奏交響曲ほか(CASCAVELLE)
いつもお世話になっているユビュ王の食卓@WOODMANさんの掲示板で教えていただいたCD。
ハープとチェンバロとピアノを独奏楽器に持つ、この静かな緊張感を湛えた曲は、かつて吉田秀和さんの文章を読んでマリナー盤LP(EMI)を聴いて以来、好きな曲なので、ぜひにとオーダーしたもの。
独奏者のうちEva Guibentif(Hp)とUrsula Ruttimann(P)は知らないが、チェンバロはクリスティアーヌ・ジャコテである。
イエダーマンからの6つのモノローグ7つの管楽器のための協奏曲をカプリング。
前者のバリトン独唱はGilles Cachemailleというこれまた知らない人だが、後者はおそらくロマンド管の楽員がソロを担当している筈。1989年録音ながら、ほとんどの名前が現在の楽員名簿にもある。

4月25日(水): 

 音盤屋で国内盤CD数点を買ったあと、Compact Disc Connectionから届いていたCDを郵便局で受け取る。後者の荷物は、『クラシック輸入盤2001』(音楽之友社)を見てオーダーしたCDがほとんど。該当のCDの記事では『2001』と略記し、掲載頁と評者のコメント(抜粋)を付す。

ユージン・オーマンディ(指揮)フィラデルフィア管、ブルックナー;交響曲第7番(BMG)
日BMGファンハウスから出たユージン・オーマンディ&フィラデルフィアの芸術から気になる未架蔵盤・初CD化盤を購入。
全曲で約56分というスピード演奏で、ブラームス;ハイドン変奏曲がカプリングされている。もちろんブルックナーにカットがあるわけではなく、通常のノヴァーク版による。
最近、宇野功芳師が推薦しなかったブルックナーを追いかけているところだが、こういう名人上手達が演奏したらどうなるか、ちょっと聴いてみたい。指揮者自身、晩年、
大体の作品はやり尽くしたが、これから指揮したいのはブルックナー
と語ったという。
1968年10月3日の録音(ブラームスは翌69年5月22日)。
 
ユージン・オーマンディ(指揮)フィラデルフィア管、シベリウス;交響曲第5番ほか(BMG)
 
ユージン・オーマンディ(指揮)フィラデルフィア管、シベリウス;交響曲第4・7番ほか(BMG)
一部はLPで架蔵済みだが、シベリウスの後期交響曲はともかく手元に置いておきたいと購入。
作曲者自身が、このコンビによる交響曲第2番の演奏を聴いて感激したという話は有名だし、オイストラフスターンと共演したVn協の管弦楽パートは素晴らしかった。
もっとも後期の曲でどうなるかは多少疑問を残す(LPで聴いた7番などは感心しなかった)。そもそも第3・6番を録音しなかった指揮者ゆえ、斉諧生的にはポイントが低い。(オーマンディのディスコグラフィは→ここを押して)
とはいえ、少なくとも初期の交響詩「エン・サガ」(第5番とカプリング)あたりは期待できるだろう。
上記以外に
交響詩「タピオラ」(第5番と)
交響詩「ポヒョラの娘」
交響詩「大洋女神」(以上第4・7番と)
をカプリング。
 
マッツ・オルソン管ほか、ペッテション・ベリエル;「フローセの花」(管弦楽版)(Swedish Society)
『2001』(36頁)
ペッテション・ベリエルのピアノ曲「フローセの花」と歌曲から14曲を管弦楽に編曲した盤、北欧の抒情を求めてオーダー。
演奏者は4つの指揮者・団体に、録音は1957〜74年に及ぶ。
コメントは谷戸基岩氏、
親しみやすいメロディと洒落たオーケストレーションに溢れている。
 
ヨエル・レヴィ(指揮)アトランタ響ほか、バーバー;スーヴェニアほか(TELARC)
先月31日にスラトキン盤(BMG)を買ったらピアノ連弾で落胆した、バーバーのバレエ組曲(管弦楽版)をオーダー、ようやく入手したもの。
ライナーノートによるとライナー&シカゴ響の全曲録音があるというが、ディスコグラフィ(Philip Hart "Fritz Reiner A Biography" Northwestern University Press)には記載がない。
ロバート・マクダフィー独奏のVn協ジョン・キムラ・パーカー独奏のP協をカプリング。
 
アンドレ・コステラネッツ(指揮)コステラネッツ管ほか、「スーパー・ヒッツ」(Sony Classical)
『2001』(43頁)
愛惜佳曲書に掲げたショパン;軍隊ポロネーズの管弦楽編曲が収められているというのでオーダー。
↑はグラズノフ編曲だが、ここではコステラネッツが更に改編を加えているという。
バッハ;G線上のアリア
J・シュトラウス;美しく青きドナウ
ドビュッシー;月の光
フンパーディンク;夕べの祈り
ラフマニノフ;P協第2番(第3楽章抜粋)(独奏;アイヴァン・デイヴィス)
など11曲を演奏、一部でニューヨーク・フィルを指揮している。
コメントは満津岡信育氏、
コステラネッツ特有の"ジェットコースター"的な快感に満ちたディスクになっている。
 
アンドレ・コステラネッツ(指揮)コステラネッツ管、「ガーシュウィンの音楽」(Collectables)
『2001』(30頁)
コステラネッツやモートン・グールドカーメン・ドラゴンの編曲ものには、なぜか心惹かれる。
(これは正直言って出谷啓氏の影響が大きい。)
しかもガーシュウィンとあらば聴きたい気持ちを抑えるのが難しいのでオーダー。
「魅惑のリズム」「エンバラサブル・ユー」「アイ・ゴット・リズム」「ス・ワンダフル」など11曲を収める。
コメントは満津岡信育氏、
モダンで洒脱なハーモニーや縦横無尽に交差するいきいきしたとリズムが沸き立ち、世界はたちまちバラ色に染まる。
 
ヨーラン・セルシル(イェラン・セルシェル)(G)ヤン・リスベリ(指揮)ソナンサ室内管ほか、コック;G協&ノイマン;G小協ほか(CAPRICE)
これは毎週日曜の更新を愛読しているNORDIC FOREST 北欧のクラシックCDで紹介しておられたCD。→ここを押して
コック(1910〜)作品について、
しみじみとした哀愁に満ちており、抒情的な北欧の音世界に浸ることが出来る
私はこの曲を『スウェーデンのアランフェス協奏曲』と呼びたくなった。
とのこと、かねてこれはぜひ聴いてみたいと思っており、今回オーダーしたもの。
 
アルフレッド・デュボア(Vn)マルセル・マース(P) バッハ;Vnソナタ第4〜6番ほか(BIDDULPH)
『2001』(72頁)
デュボアは1898年ベルギー生まれ、ブリュッセルの王立音楽院で学び、イザイにも師事した。
1920・30年代に活躍したものの、第2次大戦によって活動の場が狭められ、1949年には死去してしまった。
まったく視野のうちになかったヴァイオリニストだが、「グリュミオーや諏訪根自子の師」と言われると聴きたくなる。曲がバッハなので尚更だ。
標記のほか、Vnソナタ第2番の緩徐楽章とマースの独奏によるトッカータ BWV.911フーガ BWV.914を収録。
コメントは芳岡正樹氏、
柔らかな音色による重音奏法とゆったりとしたテンポが漂わせる憂愁の風情!
 
相曽賢一朗(Vn)サイモン・クローフォード・フィリップス(P) 「フランス・ヴァイオリン音楽の精華」(SPEX)
リリー・ブーランジェ作品が国内盤で出た!
これを快挙といわずにおれようか。さっそく購入…するはずが、マイナーレーベルのせいか店頭に並んでおらず、客注してからずいぶん時間がかかった。(-_-;)
夜想曲春の朝にを収録。
メインはフランク;Vnソナタラヴェル;Vnソナタ
その他に小品数曲を収めており、詳細はヴァイオリニスト自身によるWebpageを参照されたい。→ここを押して
 
ミヒャエル・フローンマイヤー(P) フランク;ピアノ編曲版オルガン曲集(Cypres)
『2001』(108頁)
愛惜佳曲書に掲げた前奏曲、フーガと変奏 op.18が収められているのでオーダー。
この曲をピアノで演奏したものではヴェデルニコフの超絶的な演奏が、とてつもない高みにあるが、それほどでなくとも手元に置いておきたいもの。
パストラーレ英雄的小品幻想曲第1・2番など7曲を収める。
ピアニストはアファナシェフ等に学び、併せてミュンヘン大学で哲学を修めたとか。ブックレット所収のポートレートも、何となくアファナシェフ風である。
コメントは遠山菜穂美氏、
壮麗な原曲のイメージが洗い流され、フランクの音楽の奥底にあるひそやかな親密さがしみじみと伝わってくる。
 
ヴィレム・ヴァン・オッテルロー(指揮)ハーグ・レジデンティ管ほか、ヴェルディ;レクイエム(Claves)
『2001』(169頁)
あまり聴かない曲だが、こういう少しマイナーめの指揮者のライヴ盤には妙に心惹かれてしまうところがあって、オーダー。
これがフルトヴェングラーとかクナッパーツブッシュメンゲルベルクといった、ライヴ盤海賊盤が毎月のように出てくるメジャー指揮者だと自分の世界の外を通過している気分になるのだが。
1970年12月11〜12日、ハーグでのライヴ。オッテルローは1907年生・1978年没だから、指揮者としては若からず枯れすぎずの時期ということになろうか。
独唱者はマルティナ・アーロヨ(Sop)、キャロル・スミス(M-S)、アレクサンダー・ヤング(Ten)、マルッティ・タルヴェラ(Bs)。
なお、収録時間が81分を超えており、再生には注意を要する。
コメントは諸石幸生氏、
いっさいの妥協も、甘えも、曖昧さも許さない、そんなピリピリとした中で楽員すべてを震え上がらせたであろう演奏が聴ける。

4月22日(日): 

 この間届いたCD・LPのデータをステーンハンマル 作品表とディスコグラフィペレーニ・ディスコグラフィに追加。
 また、4月15日(日)の項に、当日書ききれなかった記事を増補。


4月21日(土): 

 

デヴィッド・シャローン(指揮)ルクセンブルク・フィル、ピエルネ;バレエ音楽「シダリーズと牧羊神」(全曲)(timpani)
WWW上の知人からお薦めをいただいていたピエルネが京都の音盤屋にも並んでいたので購入。
組曲版はEMIやERATOからも出ていたが、全曲版は初録音とのこと。少し聴いてみたが、ラヴェル;「ダフニスとクロエ」に雰囲気の似た、なかなかの佳曲である。
録音は2000年5月29日〜6月2日。9月に東京で急死したシャローンの白鳥の歌ということになろう。彼は1997年以来、ルクセンブルク・フィルの首席指揮者であった。

4月20日(金): 

 

金昌国(指揮&Fl)篠崎史子(Hp)アンサンブル of トウキョウ、ベートーヴェン;交響曲第2番&モーツァルト;Fl&Hp協(MEISTER MUSIC)
京都府内唯一の「村」、南山城村で毎夏開催される「やまなみ国際音楽祭」で活動している金昌国さんと彼のアンサンブルのCDを中古格安で見つけたので購入。両方とも好きな曲なのも期待高し。
アンサンブル of トウキョウの公式ページは→ここを押して
 
シュテファン・ミレンコヴィッチ(Vn) バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(Dynamic)
またまたバッハの無伴奏全曲、中古格安にて。
ミレンコヴィッチは1977年ユーゴスラヴィア生まれ、現在はアメリカを中心に活動している模様。公認ファン・ページ(?)は→ここを押して
スラヴ系のヴァイオリニストはどちらかというと苦手な傾向があるのだが、Dynamicレーベルの見識を信頼して購入。

4月17日(火): 

 

グレゴリー・ファルカーソン(Vn) バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(BRIDGE)
またバッハの無伴奏全曲を購入。2枚組で1枚分の価格で、つい手が出てしまった。(^^;
ファルカーソンは1950年アメリカ・アイオワ生まれ。ジュリアード音楽院でガラミアンディレイに学んだというから、斉諧生的にはちょっと苦手なパターンだが、はたしてどのようなバッハを聴かせてくれるのだろうか。
なお、『クラシック輸入盤2001』(音楽之友社)柴田龍一氏がこの盤を紹介して、
作品の輪郭を精確で格調高く描出しながら、そのなかで一つ一つの音符を拍の裏まで入念に歌いあげることによって、非常に音楽的で誠実といえるバッハのこの名作の再現を可能たらしめている。
精神主義的な姿勢に貫かれた彼の表現は、その真剣な求心性や自己の理想を追求する信念ともあいまって、シゲティの歴史的名演とも通じた演奏を生んでいる。
とコメントしている。
 
エヴゼン・ラッタイ(Vc) バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(CALLIOPE)
これまたバッハの無伴奏全曲(チェロのほう)、2枚で1,000円を切るバーゲン・プライスだったので、ついつい購入。(^^;;;;
元来が廉価盤らしく、ブックレットは2ツ折りの簡便なもので曲目紹介のみ、演奏者のことは何もわからない。そもそも名前の綴りからして、ジャケットの表は"Ezven Rattay"、裏とレーベル面では"Evzen Rattay"とされている。(苦笑)
ちょっとWWWを検索してみたところ、綴りは後者が正しく、ターリヒ四重奏団のチェリストということのようだ。

4月15日(日): 

 Ars AntiquaからLPが届く。

フリッツ・ライナー(指揮)シカゴ響ほか、ハイドン;交響曲第104番&ベートーヴェン;交響曲第4番ほか(米シカゴ響自主製作、LP)
1988年にライナーの生誕100年を記念して製作されたLP2枚組。"Chicago Symphony Orchestra from the Archives VOLUME III"とタイトルが付されている。
中味は1957〜58年のシーズンの実況録音で、
ハイドン;交響曲第104番(1957年11月28日)
ベートーヴェン;交響曲第4番(1958年4月17日)
ベルリオーズ;序曲「ローマの謝肉祭」(1957年12月5日)
ヒンデミット;Vc協(独奏;ヤーノシュ・シュタルケル)(1957年12月6日)
ワーグナー;「前奏曲と愛の死」(「トリスタンとイゾルデ」より)(1958年3月27日)
ワーグナー;「聖金曜日の奇跡」(「パルジファル」より)(1958年3月27日)
を収録。演奏日はLPには明記されていないが、ディスコグラフィ(Philip Hart "Fritz Reiner A Biography" Northwestern University Press)によって補った。
ライナーのハイドン、ベートーヴェンは名盤との定評があるところだが、この2曲にはスタジオ録音がない。全盛期のシカゴ響(シュタルケルが在籍した最後のシーズンである)とのライヴに高く期待してオーダー。
なお、上記のディスコグラフィには、"CSO:LP/CD 88/2."とあるので、LPとCDが同時に出たのではないかと思われるのだが、CDは見たことがなく、シカゴ響のオンライン・ショップにも出品されていない。
 
アンテロ・サイケ(指揮)オリンピア響、シベリウス;交響曲第7番・「ペレアスとメリザンド」抜粋(米Allegro、LP)
シベリウスの珍しいLPがあると思ってオーダーしたのだが、どうやらAllegroレーベル特有の偽名指揮者・オーケストラらしい。→ここを押して
その上、第2面の曲を「カレリア」組曲と表記しているのだから、曲まで偽名になっている。(笑)
ちょっと聴いた感じでは悪い演奏ではない。上記のWebpageではニルス・エーリク・フーグステット(指揮)ヘルシンキ・フィルによる放送用録音ではないかと推定しているが、その可能性を否定できない味わいがある。
 
アントニオ・ヤニグロ(Vc)カルロ・ゼッキ(P) ベートーヴェン;Vcソナタ全集(米Westminster、LP)
往年の名チェリスト、ヤニグロのソロ録音は、前から聴いてみたいと念願していた。
ベートーヴェンについてはイェルク・デムスらとの新録音もあるが、年齢的なことやピアノが名指揮者ゼッキであることから、旧盤を捜していたところ、ようやく見つけたのでオーダーしたもの。
今回届いたのは再発の箱物2枚組。オリジナル(1950年代前半)はバラ売り3枚(魔笛変奏曲付き)だが、そちらは貧書生に手が出せるようなものではないだろう(汗)。
ちょっと聴いてみたところ、音質は良好、チェロやピアノの響きも美しい。良好なCD復刻を期待したいところだ。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn)スザンナ・ミルドニアン(Hp) シュポーア;ソナタ&サン・サーンス;幻想曲ほか(蘭BILAS、LP)
カントロフの未架蔵音源が出ていたのでオーダー。
標記2曲のほか
フォーレ;子守歌
ドビュッシー;夢・小舟にて
を収録。
 
ヤーノシュ・ソリュオム(P) ステーンハンマル;3つの幻想曲ほか(瑞CBS、LP)
ステーンハンマルの大物が引っかかったのでオーダー、めでたく入荷して歓喜、歓喜。
なんといっても演奏がP協第2番の名演のあるソリュオム、あるいは幻想曲のベスト盤となるかもしれない。
ジャケット裏には晩夏の夜もリリースされているとあり、これまた何とかして入手したいものである。
リスト;愛の夢(3つの夜想曲)をカプリング。
 
エイドリアン・ボールト(指揮)ハレ管、バターワース;シュロップシャーの若者(英HMV、SP)
愛惜佳曲書に掲げたバターワース作品を見つけたのでオーダー。
しかも初演者・ボールトによる貴重な録音である。ひょっとしたら、彼のバターワース録音として唯一のものではないか。
なお、VAIからCDに復刻されている模様。
 
ピエール・モントゥー(指揮)ニューヨーク・フィル、スティル;「オールド・カリフォルニア」(米V-Disc、SP)
モントゥーの稀少盤である。ディスコグラフィに記載されていないものなので、半信半疑でオーダーしてみたが間違いない。
V-Discについては大西さんのページに詳しいが、1940年代に米軍が戦地慰問用に製作した78回転レコード。"V"はおそらく"Victory"の略。
今回届いたのは海軍用のもので、材質はシュラックではなく軽くて割れにくいものが使われている。乱暴に扱われたのであろう、傷だらけだが、幸い音楽はちゃんと聴ける。
モントゥーとニューヨーク・フィルの顔合わせは珍しい…と思って、NYP自主製作の"An American Celebration"を見てみたら、この音源が収録されていた(第1巻Disc4)。作曲者や曲については谷口昭弘さんのページに解説がある。→ここを押して
CDのデータによると1944年11月5日、カーネギー・ホールでの放送録音とのことだが、V-Discについては記載されていなかった。
それにしても、1944年11月といえば、太平洋戦争の末期、フィリピン・レイテ島で戦闘が行われていた頃である。
米軍の上陸が10月20日。24〜25日にレイテ沖海戦(戦艦「武蔵」ほかが沈没)と最初の神風特攻隊の出撃があり、11月上旬には最大の激戦となったリモン峠の死闘が始まっていた。

 懸案だった電網四方八通路の更新を行った。
 かねて相互リンクをお約束していた個人のWebpageを一挙掲載したほか、オーケストラやレコード会社のサイトも多く追加、更に既掲載サイトのURL変更等に対応した(コメントは未修整)。
 何人ものWebmaster、Webmistressを長くお待たせしましたこと、この場を借りてお詫び申し上げます。m(_ _)m


4月14日(土): 

 CLASSICAのリンク集が更新され、fontecレーベルの公式Webpageを御教示いただいた。→ここを押して
 オンラインでカタログの検索と注文ができるようになっており、5月20日までは送料無料のサービスがあるというのでオーダーしてみた。支払いは宅急便の代金引換。

アメデオ・バルドヴィーノ(Vc) バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(fontec)
このところあれこれ集めているバッハ;無伴奏について、前にWWW上の知人からお薦めいただいていたのがバルドヴィーノ盤。ペレーニの実演の感動を語り合った人からの御推輓であり、ぜひ聴きたいと思っていた。
国内盤ながら意外に店頭では見当たらず客注を検討していたところ、↑のようなことでオーダーしてみたもの。
バルドヴィーノは1912年生まれ、1960年代にイタリア弦楽三重奏団トリエステ・トリオでDGGなどに録音していた。このディスクの製作(1989〜90年)当時は、80歳に近かったわけである。
一聴してみたが技巧はまったく揺るぎない。音楽もきわめて立派、じっくり聴くのが今から楽しみである。

4月13日(金): 

 

ミクローシュ・ペレーニ(Vc)ヤーノシュ・ロッラ(指揮)リスト室内管、C.P.E.バッハ;Vc協集(HMF)
ペレーニの未架蔵盤で、長く捜していたもの。
データだけはペレーニ・ディスコグラフィに掲載していたが、未入手を嘆いたところ、天才的な音盤探索眼を有する知人が、東京の中古音盤屋で発見したのを送ってくださった。いつも世話になっているのだが、またまた感謝を申し上げたい。m(_ _)m
 
塩川悠子(Vn)アンドラーシュ・シフ(Fp) モーツァルト;Vnソナタ集(DECCA)
塩川さんの未架蔵盤を中古音盤屋で見つけたので購入。1992年の録音である。
ジャケットに「モーツァルトが生まれた部屋で、彼が所蔵していたヴァイオリンとピアノを使って演奏」とある。歴史的な意義はともかく、音的には多くを期待できないかもしれない。
ホ短調 K.304ト長調 K.379変ロ長調 K.454のソナタとト短調K.360(「ああ、私は恋人をなくした」による)の変奏曲を演奏している。
 
ベンジャミン・シュミット(Vn)ほか、バッハ;Vn作品集(ARTE NOVA)
Vn協第1・2番ほか
無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)
VnとCemのソナタ(全曲)
の5枚組が2,280円で売っていたので購入。
この人のバッハは、けっこう評判になっていたので聴いておきたかったもの。
 
アンドレ・プレヴィン(P)デヴィッド・フィンク(Cb) 「ライヴ・アット・ザ・ジャズ・スタンダード」(DECCA)
プレヴィンのジャズ演奏は大好き、その新譜とあっては買わざるべからず。
ニューヨークの新しいジャズ・クラブ「ザ・ジャズ・スタンダード」でのライヴ録音(2000年10月)。拍手や客席ノイズも聞こえる中、マイ・ファニー・ヴァレンタインアイ・ゴット・リズム、プレヴィン自作など12曲を演奏している。
今年5月のN響客演が健康上の理由でキャンセルされたが、この盤のジャケット写真では眼鏡をかけて元気にピアノ(ベーゼンドルファー)に向かっている。
なお、共演のフィンクとはDGGに2枚のアルバムを録音済。
 
ミシェル・ポルタル(Cl他)ほか、「ミネアポリス」(UNIVERSAL)
これもクラシックの名演奏家によるジャズ・アルバム。録音データがないが最新盤だろう。
ポルタルはバス・クラリネット、ソプラノ(アルト)・サキソフォン、バンドネオン等を取っ替え引っ替え、自作を中心に14曲を演奏している。
編成はキーボード、ベース、ドラムスを基本に、曲によってギターを加える。もちろんいずれも電子楽器系。

4月12日(木): 

 ユビュ王の食卓@WOODMANさんの通販リンク集で知った、TOCCATAからCDが届いた。いずれも国内では手に入らないので貴重。
 なお、ここはカード番号をファクシミリで送る方式。

フレッド・シェーベリ(指揮)エレブロ室内合唱団、「スウェーデン愛唱合唱曲集 第1巻」(NAXOS)
ステーンハンマル全録音蒐集プロジェクトの一環。
スヴァーリエ3つの無伴奏合唱曲を収録。
指揮者のシェーベリはエリクソンリリンクに学んだとのこと。
合唱団は約40人の編成、アマチュアながら映画・テレビ・ラジオ・商業録音に多数起用されているという。
なお、このCDはNAXOSのローカル・リリースで、正規ルートでは日本に入ってこないもの。このサイトでまず買うべきは、こうしたスウェーデン国内限定盤である。
 
ブー・アーウレール(指揮)「スウェーデンの声」室内合唱団、「スウェーデンからの響き」(自主製作)
これもステーンハンマル全録音蒐集プロジェクトの一環。
↑のNAXOS盤同様、スヴァーリエ3つの無伴奏合唱曲を収録している。
ストックホルムのアドルフ・フレドリク音楽学校の卒業生からなる約45人の団体とのこと。
ジャケットやレーベル面に会社名の表記が一切なく、どうやら合唱団の自主製作盤の模様。

4月11日(水): 

 Alapage.comからCDが届いた。何枚か頼んだのだが、品切れが多く、届いたのは1枚だけ。ちょっと送料が惜しいが、やむを得ない。

ポール・クロスリー(P)エサ・ペッカ・サロネン(指揮)ロンドン・シンフォニエッタ、ストラヴィンスキー;Pと管弦楽のための作品集(Sony Classical)
サロネンのCDの中で、一般にお薦めしやすいものとしてはストラヴィンスキーが最右翼であろう。ペトルーシュカのカッコイイこと!
彼のストラヴィンスキー録音のうち唯一未架蔵であったピアノと管弦楽のための作品集が、Alapage.comで見つかったのでオーダー。長く捜していたのだが、どこの通販サイトでも出てこないか品切れだったのである。
Pと管弦楽のためのカプリッチョ(1949年版)
管楽器のための交響曲(1947年版)
Pと管楽器のための協奏曲(1950年版)
Pと管弦楽のための楽章
を収録。

4月9日(月): 

 

ダリウス・ミヨー(指揮)フランス国立放送管ほか、フランス六人組;「エッフェル塔の花婿花嫁」ほか(Ades)
某音盤店のワゴンセールで@1,000円盤が並んでおり、その中から掘り出したもの。
古来有名な録音で、オーリックミヨープーランクタイユフェールオネゲルの合作による管弦楽曲をミヨー自身が指揮したもの。
もっともデュレは加わっていないので、厳密には「エッフェル塔〜」を「『六人組』の合作」というのは間違いなのだが、このディスクでは彼の管楽五重奏曲op.96をカプリングしているので、辻褄は合っている。
 
バラージュ・マーテー(Vc) バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(HUNGAROTON)
HUNGAROTONレーベルからバッハの無伴奏チェロ組曲が…といえば、ミクローシュ・ペレーニなのだが、CD化される気配もない。(T_T)
そのハンガリーのチェリストならば、↑のペレーニといい、チャバ・オンツァイといい、素晴らしいバッハ演奏家を聴いて育っているから悪いはずはなかろう…と妙な思いこみをして新録音を購入。
1999年の録音であるが、バロック・チェロ使用と表記されているのが目を惹く。
ライナーノートによれば、1965年生まれ、ハーグ王立音楽院や、ザルツブルクのアーノンクールのもとで学び、サヴァールミンコフスキらの古楽アンサンブルで活動したという。
全6曲以外に、無伴奏FlパルティータBWV1013を収めており、これのみチェロ・ピッコロで演奏しているとジャケットには書かれている。
それならば第6番もチェロ・ピッコロで弾けばいいのに…と思って、ちょっと聴いてみたところ、ちゃんとチェロ・ピッコロの音がしている。(爆)
なお、Psalmus Recordsというプロダクションが製作したもので、ブックレットには録音ポリシーが縷々、述べられている。音的にも期待できそうだ。
 
フィリップ・ピケット(指揮)グローブ座の楽士たち、パーセル;シェイクスピア劇の音楽(Philips)
これもワゴンセールの@1,000円もの。
パーセルは好きな方なので、新譜のときには買おうかどうしようか迷って見送ったのだが、この値ならばと購入。

 一昨日届いたCD・LPのデータをリリー・ブーランジェ 作品表とディスコグラフィアンゲルブレシュト・ディスコグラフィレイボヴィッツ・ディスコグラフィに追加。


4月8日(日): 3月31日のピエール・モントゥーラヴェルの記事に不備を発見、増補した(↓参照)。


4月7日(土): ウィーン響から創立100周年記念に製作・販売されているCD-ROMが届いた。関連記事は→ここを押して
 360オーストラリア・シリング(邦貨約3,500円)で、同響の歴史や各種の映像・音声、指揮者や作曲家のデータベース等、盛りだくさんの内容。
 とても全体は確認できていないが、サヴァリッシュの指揮映像やクナッパーツブッシュの未発売音源(ブランデンブルク協第3番第3楽章冒頭)など、貴重な記録が満載、これはお買い得だろう。
 注文方法は、上記Webpageのオーダー・フォームから申し込むと折り返しE-Mailで確認が来るので、クレジットカードの番号等をファックスで送信する…というもの。
 メジャーレーベルから発売された音源を抜粋したCD1枚や(これは大したことがない)、今シーズンのプログラム等が同梱されている。
 なお、本文は英独両文で収められているが、ファイル名にはドイツ語を使用している。そのためか、一部に開かないファイルがあった。Windowsの設定を変えれば上手くいくのかもしれない。

 Barnes&NobleからCDが、Ars AntiquaほかからLPが届く。

ピエール・バルトロメー(指揮)リエージュ・フィル、フランク;交響曲&ルクー;アダージョ(RICERCAR)
ルクーの未架蔵盤をオーダーしたつもりだったが、何のことはない、同レーベルのルクー全集に再収録されており、フランクを買ったようなもの。
こういうことがあると、やはり架蔵盤をきっちり整理しないと…という思いに駆られるのだが、それに必要な費用と労力を思うと、ちょっと怖ろしい(汗)。
 
ジュリアス・カッチェン(P)イシュトヴァン・ケルテス(指揮)ロンドン響ほか、ガーシュウィン;ラプソディ・イン・ブルーほか(DECCA)
"Gershwin Weekend"と題された廉価盤。
以前、さる掲示板で標記の曲にジョルジュ・シフラの録音があって…という話をしていたときだと思うが、カッチェンをこよなく愛しておられる畏友かとちぇんこさんから突っ込み(笑)が入り、それならば(爆)とオーダーしたもの。
『20世紀の偉大なピアニスト達』シリーズ(Philips)のカッチェン編・第2巻にも収められているのだが、こちらには
マントヴァーニ・オーケストラとのガーシュウィン;P協
も入っているのがメリット。
かとちぇんこさんのカッチェン・ディスコグラフィによれば、マントヴァーニとは「ラプソディ・イン・ブルー」も録音していたそうなので、それも聴いてみたいものである。
 
イツァーク・パールマン(Vn)ホルヘ・ボレット(P)ジュリアードQ、ショーソン;Vn、Pと弦楽四重奏のための協奏曲(Sony Classical)
この曲は見れば買う…と言いつつ、演奏者の顔ぶれに何となく気後れして(笑)、LP以来、手を出しそびれていた盤。思い立って、ようやく購入。
1982年1月の録音で、国内盤LPは翌83年11月の発売、当時ボレットは「アメリカのベテラン」というだけで、ほとんど無名だった。
1曲のみ、40分強という少し「盛り」の悪いCD。
 
イェホナタン・ベリック(Vn)ジェームズ・トッコ(P)アメルネットQ、ショーソン;Vn、Pと弦楽四重奏のための協奏曲ほか(GASPARO)
これも通販サイトでは見かけていた盤をようやくオーダーしたもの。
ピアニストはちょっと名の知れた人だが、ヴァイオリニスト(イスラエル出身でドロシー・ディレイにも学んだとのこと)とカルテット(ジュリアード音楽院出身者からなる)はまず無名。
ドビュッシー;弦楽四重奏曲をカプリング。
録音データの記載がないが、マルC・Pは1998年。
 
パトリス・マイケルズ(Sop)レベッカ・ロリンズ(P) リリー・ブーランジェ;歌曲集「空のひらけたところ」ほか(Cedille)
ブーランジェで検索していたら、「空のひらけたところ」の未知の全曲盤を見つけたのでオーダー。
2000年6月の録音というから最新盤であろう。
標記の曲以外に、ブーランジェの独唱歌曲4曲(「映像」「期待」「ユリシーズの帰還」「はかりしれない悲しみに包まれて」)を収めており、大収穫である。(^^)
マイケルズはアメリカ東部を中心に活躍している人らしく、レパートリーもバロックから現代曲まで幅広い。ショルティバッハ;マタイ受難曲(DECCA)の独唱者に名を連ねている。
Cedille Recordsはシカゴに本拠があるレーベルで、地元のアーティストやゆかりの作曲家の作品を中心に録音しているらしい。公式Webpageは→ここを押して
 
パトリス・マイケルズ(Sop)ほか、「パトリス・マイケルズのすべて」(Cedille)
↑のマイケルズのベスト盤で、リリー・ブーランジェの作品が入っているとオーダーしたのだが、要するに上記の盤からの抜粋で、すべて重複。(汗)
もう少し慎重に収録曲などを比較してからオーダーすべきだった。恥を忍んで公開する次第。
彼女の8枚のソロCDからヴィヴァルディリュリハイドンメンデルスゾーンメノッティヴォーン・ウィリアムズらの作品を収録している。
 
ハンス・ロスバウト(指揮)南西ドイツ放送響ほか、ベートーヴェン;交響曲第8番ほか(独SWF、LP)
ロスバウトが振ったベートーヴェンの交響曲! これは放っておけないとオーダーしたもの。
南西ドイツ放送局の自主製作盤で、データ(Joan Evans "Hans Rosbaud A Bio-Bibliography"、Greenwood)によると、1961年6月23〜24日の録音。
Kugelgestalt der Zeitのロスバウト・ディスコグラフィによれば、OriginalsレーベルからCDで出ており、同じ作曲家の第7番(1962年)とカプリングされていた模様。
なお、この盤でのカプリングは、 エルネスト・ブール(指揮)南西ドイツ放送響、ストラヴィンスキー;「花火」&ラヴェル;「ダフニスとクロエ」第2組曲
 
エサ・ペッカ・サロネン(指揮)バイエルン放送響ほか、ロシア管弦楽名曲集(蘭Philips、LP)
サロネンの初期録音(1984年)。実は未架蔵の音源。
もちろんデジタルなのでCDで架蔵すべきところ、安っぽい国内発売の廉価盤ではどうも買う気が起こらず(汗)、ふとカタログで見かけたLPをオーダーしたもの。
チャイコフスキー;序曲「1812年」
バラキレフ;「イスラメイ」
ボロディン;「韃靼人の踊り」・「中央アジアの草原にて」
グリンカ;歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
という、今のサロネンからは考えにくいプログラム。
 
サシュコ・ガヴリーロフ(Vn)ホルスト・シュタイン(指揮)北ドイツ放送響、メンデルスゾーン;Vn協ほか(米Alshire、LP)
現代曲の録音が多いガヴリーロフのロマン派名曲。はたしてどのような演奏であろうか?とオーダーしたもの。
オリジナルは独Somersetレーベルらしいが、これは米盤なのが残念。
ベートーヴェン;ロマンス第1・2番をカプリング。
 
ロバート・エイトケン(Fl)エリカ・グッドマン(Hp) アンゲルブレシュト;ソナチネほか(加CBC、LP)
アンゲルブレシュト作品の音盤、買わざるべからず。
この2人は、BISにもこの曲を録音しているが、そちらは1993年。これは1971年2月10〜11日とあるので、まったくの別音源。この曲を2回録音した人がいたとは!
クルムホルツ;ソナタなど計4曲を演奏している。
 
レーヌ・アルプス・サキソフォン四重奏団、レイボヴィッツ;変奏曲ほか(仏REM、LP)
レイボヴィッツ作品の音盤、買わざるべからず。
この曲にはモントリオール・サキソフォン四重奏団の録音もあり、2件めの録音である。
フンメルドビュッシーらの作品計6曲を収める。
 
ヴィクトル・ピカイゼン(Vn) バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(蘇MELODIYA、LP)
ピカイゼンは旧ソ連のヴァイオリニスト、1955年のエリーザベト王妃国際音楽コンクールで入賞、1958年の第1回チャイコフスキー国際コンクールで第2位(優勝はヴァレリー・クリモフ)となっている。
彼のバッハは、一部の中古音盤店@国内では「知る人ぞ知る名演」と吃驚するような値が付けられているのだが、Ars Antiquaでは、ごく普通の値段であった。
メロディアとしては盤質も良い。解説がなく紙1枚だけというのは寂しいが。
ソナタ第1番の冒頭を少し聴いてみたが、なるほど刮目すべき演奏である。この人、今はどうしているのだろうか?
 
ポール・ズーコフスキー(Vn) バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(米VANGUARD、LP)
これも一部では名高い演奏、現代音楽弾きとして知られたズーコフスキーのバッハをカタログに見つけたのでオーダー。
彼にはパガニーニ;奇想曲の録音もあり、それはCDにもなっているのだが、バッハは未CD化。
長らく捜しており、一度は某百貨店での中古レコード・セールで見つけたのだが、プレス・ミスの凹凸だらけのわりには吃驚するような値が付いており見送った。
今回、Ars Antiquaでは普通の値段。盤は薄目だが綺麗な状態なので、喜ばしい。
 
エンリケ・カザルス(指揮)ラムルー管ほか、カザルス;オラトリオ「エル・ペセーブレ」(瑞IOS、LP)
カザルス畢生の大作「エル・ペセーブレ」に未知の録音があって驚愕、ただちにオーダーしたもの。
1967年5月29日、ジュネーヴのヴィクトリア・ホールでのライヴ録音。
作曲者の録音(実体はA.シュナイダーがほとんどを指揮)は1972年録音とされているので、これは世界初録音ということになる。
どういう会議かよくわからないが、同年5月28〜31日に開催された"The Pacem in Terris II"(第2回「地に平和を」会議)に際しての演奏という。
会議のスポンサーであったIOS財団がLPを製作し、出資者(?)に配布したというものらしい。
 
ピエール・モントゥー(指揮)パリ響、ベルリオーズ;歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲・歌劇「トロイ人」第2部序曲(英HMV、SP)
またまたSP。
再生環境も整ったので、好きな演奏家のものがカタログに安価で出ているとオーダーしてしまう。(汗)
データは記載されていないが(オーケストラ名もレーベルには"Symphony Orchestra"としか書かれていない)、ディスコグラフィによると1931年6月のパリ録音である。
SP2枚のうち3面に「ベンヴェヌート・チェッリーニ」が、1面に「トロイ人」が吹き込まれている。

4月6日(金): 『開拓者 長岡鉄男』なるムックを購入(FMfan編、共同通信社刊)。
 内容は、『FMfan』誌に掲載された「ダイナミックテスト」(オーディオ機器のレビュー)や「ダイナミックソフト」(優秀録音盤のレビュー)の記事を再録したものが中心。特に後者は興味深い。
 なお、付録のCDがあり、長岡氏の自宅リスニングルーム「方舟」でのガムラン演奏や、氏がレポートした自衛隊総合火力演習の生録、はたまた氏が仲人をつとめた某オーディオ・マニアの結婚式でのスピーチ(!)が収められている。

 

ギュンター・ヴァント(指揮)北ドイツ放送響、ベートーヴェン;交響曲第1・2番(BMG)
昨年11月の来日公演におけるブルックナー;交響曲第9番他は超名演であったと伝えられ、もはや押しも押されぬ「最後の巨匠」となったヴァント。
彼のベートーヴェンには、このオーケストラとのスタジオ録音もあったが、新しいライヴ録音がリリースされたので購入。
第1番は1997年12月7〜9日、第2番は1999年2月21〜23日の、それぞれハンブルク・ムジークハレでの収録。
 
ペーター・マーク(指揮)マドリッド響、メンデルスゾーン;交響曲第1・5番(ARTS)
マークのARTSレーベルへのメンデルスゾーン全集の最後の1枚が出たので購入。
最初に出た第3番「スコットランド」など、同曲のベスト盤に挙げても良い名演・名録音だった(音盤狂昔録(平成10年6月)参照)。
今回の2曲、とりわけ好きな曲である第5番「宗教改革」には、熱烈に期待している。2000年6月のライヴ録音。
なお、先に3枚組全集の形で店頭に並んでいたが(しかもかなり廉価)、第2番と第3・4番は架蔵済みなので、バラ売りが出るまで辛抱していたもの。

4月5日(木): 

 

ミヒャエル・ギーレン(指揮)南西ドイツ放送響、マーラー;交響曲第3番ほか(haenssler)
独ヘンスラー・レーベルの"faszination musik"シリーズの新譜が音盤屋に並んでいたので、最も聴きたいギーレンのマーラーを購入。
1997年2月、フライブルクでのライヴ録音。合唱に、先だってバッハの受難曲のCDを買ったヨーロッパ・コール・アカデミーが参加している。
なおカプリングは、シューベルト;劇音楽「ロザムンデ」のナンバーにウェーベルン;管弦楽のための6つの小品op.6を挟みながら演奏したという奇態なもの。
ウェーベルンにはシューベルトのドイツ舞曲を指揮した録音も遺されており、因縁浅からぬものがあるのだろうが、果たしてどのような結果が得られているのであろうか?

4月3日(火): 本業で職場が変わりました。当「斉諧生音盤志」の公開を始めてから2回目の異動になります。
 今度の仕事は週末や祝日に出勤することが多そうなので、また更新が少し寂しくなるかもしれません。事情御賢察の上、どうぞお許しください。

 …とか何とか言って、帰りにはしっかり音盤屋を巡回。(爆)

ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送響、モーツァルト;交響曲第35番&フランク;交響曲ほか(Altus)
先日「新世界」ほかを購入したクーベリック初来日時のライヴの残り2点を購入。
彼のライヴ、しかもモーツァルトとなれば聴き逃せないし、フランクも楽しみ。
ヒンデミット;ウェーバーの主題による交響的変容
ワーグナー;歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
をカプリング。後者はアンコールか。
1965年4月23日、東京文化会館でのライヴ録音。
これもNHK提供の音源で、少しテープ・ヒスが耳に付くものの、Altusレーベルらしい高音質の復刻である。フランクで指揮者が台上で踏み込む足音も聞こえる。
 
ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送響、バルトーク;管弦楽のための協奏曲ほか(Altus)
前2点と異なり、大阪フェスティバル・ホールでの録音である。
標記バルトークとドヴォルザーク;スラヴ舞曲第2・7番は1965年4月13日、
ワーグナー;楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲は4月12日の録音。
ホールが違うせいかテープの保存状態の問題か、こちらの方が少し音質に疵がある。
 
ベルナルト・ハイティンク(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管ほか、マーラー;交響曲選集(Philips)
ハイティンクにはマーラーの録音も多いが、これは"Dutch Masters"シリーズの第50巻、"Eurovision Christmas Matinee Concerts"と題された9枚組。
マーラーをまとめて買うのは非常に珍しいのだが、『クラシック輸入盤2001』(音楽之友社)で気になったCDの一つ。
評者は山崎浩太郎氏、
第三番がスピーカーから響きだしたときの驚きと、それがやがて喜悦をへてふかい感動に変わっていく時間の流れを、わたしは一生忘れまい。
こういう文章を書かしめる演奏ならば聴かざるべからず、と購入。某音盤店のポイント交換と併用したので実質3,000円弱だったのも有り難い。
すべてライヴ録音、いずれも12月25日、タイトルどおりクリスマスの演奏会のもので、
交響曲第1番(1977年)
交響曲第2番(1984年)
交響曲第3番(1983年)
交響曲第4番(1982年)
交響曲第5番(1986年)
交響曲第7番(1985年)
交響曲第9番(1987年)
「さすらう若人の歌」(Br独唱;ベンジャミン・ラクソン)(1978年)
「子供の魔法の角笛」抜粋(Br独唱;トム・クラウゼ)(1981年)
が収録されている。
 
クリストファー・リンドン・ギー(指揮)アーンヘム・フィルほか、マルケヴィッチ;管弦楽曲全集Vol.5(MARCO POLO)
第4巻が出たのが1998年10月、ずいぶん間が空いたが、マルケヴィッチ作品集の続巻がリリースされたので購入。
録音は1997年6月なので、ずいぶん寝かされていたことになる。
CD1枚を「ある男の肖像 (La Taille de l'Homme)」という曲が占めている。邦題は斉諧生試訳。
1939年に書かれ未完に終わった、ソプラノ独唱と12の楽器のための作品である。ようやく1982年になって初演が果たされたとか。
 
トルルス・モルク(Vc)大植英次(指揮)ミネソタ管、カーニス;Vc協「染められた大地」ほか(Virgin)
聴き逃せないチェリストの一人、モルクの新盤が出たので購入。大植&ミネソタ管はVirgin初登場ではないか?
カーニスは1960年生まれ、表題作はモルクに献呈されたもので、1989年にアウシュビッツやビルケナウの強制収容所跡を訪れたときに霊感を得て書かれたという。原題は"Colored Field"、邦題は斉諧生試訳。
3楽章からなり、第1楽章は曲名と同じ「染められた大地 Colored Field」、第2楽章は「パンドラの踊り」、第3楽章は「讃歌と碑」と題されている。
少し聴いた感じでは、最近よくあるヒーリング系のロマンティックな作風のようだ。
10分程度の小品、ムジカ・セレスティスエアの2曲をフィルアップ。
前者は弦楽四重奏曲第1番の緩徐楽章を、後者はジョシュア・ベルに委嘱されたヴァイオリンとピアノのための曲を、それぞれチェロと管弦楽用に編曲したものとのこと。
 
イヴリー・ギトリス(Vn)マルタ・アルゲリッチ(P) ベートーヴェン;Vnソナタ第9番「クロイツェル」&フランク;Vnソナタ(EMI)
ギトリスの新盤、1927年生まれだから録音時には70歳を超えていたわけで、ちょっと恐る恐る(笑)ではあるが、彼の録音を見逃すにはいかないので購入。
ベートーヴェンは1999年11月20日、フランクが1998年11月28日、別府アルゲリッチ音楽祭でのライヴ録音。
この2人は、1976年に伊RICORDIへフランクとドビュッシーを録音しており、国内盤LPで発売されたこともある。最近、CD化の予告もあったが、発売が延期になったとのこと。
 
ポール・トルトゥリエ(Vc)アルド・チッコリーニ(P)ほか、ショパン;Vcソナタ&ラフマニノフ;Vcソナタほか(EMI)
長らく入手難となっていたトルトゥリエのショパンとラフマニノフのCDが2枚組で再発されたので購入。LPでは架蔵しているが、トルトゥリエの音盤を見逃すことはできない。
この演奏については、柴田南雄先生が著書『レコードつれづれぐさ』(音楽之友社)で次のように書いておられる。
(ラフマニノフ)
情熱的な身振りだがよく知的に統禦された弾き方で、複雑なピアノ・パートとの対話を楽しみ、またサロン風パセージとスラヴ風の絶唱型旋律とを変わり身の早さではっきり弾き分けてもいる。
(ショパン)
少し熱演すぎるが、完ぺきに弾いている。
標記2曲は1967〜68年の録音、そのほか
メンデルスゾーン;Vcソナタ第1・2番(P;マリア・デ・ラ・パウ、1976年)
フォーレ;Vcソナタ第1・2番(P;エリック・ハイドシェック、1974年)
を収録。

4月1日(日): 

 音盤狂昔録平成13年3月分を追加。

 先週の演奏会のデータを演奏会出没表に追加。


平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。

平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。

平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。

平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。

平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。

平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


音盤狂昔録へ戻る

トップページへ戻る

斉諧生に御意見・御感想をお寄せください