音盤狂日録


10月31日(水): 

 音盤狂昔録平成13年10月分を追加。


10月29日(月): 

 

ヘルベルト・ケーゲル(指揮)ドレスデン・フィルほか、名演集(CAPRICCIO)
CD8枚組を3,000円弱で売っていた。
そのうち5枚はベートーヴェン;交響曲全集、1枚は同じ作曲家の三重協・合唱幻想曲、もう1枚はブラームス;ドイツ・レクイエムと架蔵済みのもの。
最後の1枚が管弦楽小品集で、これに未架蔵の音源がいくつか含まれているので購入することにした。すなわち、
アルビノーニ;アダージョ
グルック;精霊の踊り
グリーグ;2つの悲しい旋律
ヴォルフ・フェラーリ;「4人の田舎者」間奏曲(*)
シベリウス;悲しきワルツ
グリンカ;「ルスランとリュドミラ」序曲(*)
ムソルグスキー;「ホヴァンシチーナ」第4幕間奏曲(*)
フランツ・シュミット;「ノートルダム」間奏曲(*)
レオンカヴァッロ;「道化師」間奏曲(*)
ファリャ;「火祭りの踊り」(*)
エルガー;「威風堂々」第1番
ストラヴィンスキー;サーカス・ポルカ(*)
というもの(収録順、*印が未架蔵音源)。
曲目だけの簡素なブックレットなのは残念。
それにしても、どこかビゼー;「アルルの女」ほかを再発してくれないものか。まるでマーラーのようなアダージェットが聴けるのだが…。
 
ジャン・マルティノン(指揮)NHK響、ベルリオーズ;幻想交響曲&ルーセル;組曲「蜘蛛の饗宴」(KING)
先月からリリースの始まったN響ライヴ・シリーズ、第2回発売分が店頭に並んでいた。全点欲しいくらいだが、最低限に絞って2枚を購入。
これは愛惜佳曲書に掲げた「蜘蛛の饗宴」の蒐集のため。そこではマルティノンのシカゴ響盤(CSO自主製作)を推薦盤として掲げたところであり、彼がN響ではどう振っているか、興味津々。
ルーセルは1963年5月11日収録なのにモノラルというのが残念だが、ステレオに聴き紛う素晴らしい音質。1953年10月13日のベルリオーズではさすがに古さを感じるが、それでも当時の水準を遙かに抜く出来である。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)NHK響、チャイコフスキー;交響曲第6番(KING)
これは待望の正規発売。ぜひぜひ耳にしていただきたい、途方もない名演である。
以前、別なWebpageで次のように書いたことがある。
第1楽章冒頭から凄まじい緊張感に覆われているが、再現部は、まさしく黙示録的な、天地の慟哭・世界の破滅を想起させる音楽となる。284小節で金管が猛烈にクレッシェンドし、トロンボーンの凄まじい呻き声、最後の審判のラッパが鳴り響く中、ティンパニのクレッシェンドが298小節で頂点に達したと思われた瞬間、299小節で更に膨れ上がる! …深い深い虚無の中への終結…。
 慰藉の歌が心に沁みる第2楽章を経た第3楽章が、また凄い。軽快な行進曲が立体感とスケールを増していった頂点、281小節で乾坤一擲のリタルダンドをかけるのだ! ここは普通の指揮者なら加速して畳みかけるところ、それを逆にテンポを落として巨大な音楽を構築する天才!
 第4楽章の嘆きの深さも、誠に言葉の及ばないものがある。126小節のアンダンテ指定を無視して加速、ホルンの呻き声を効かせながら、133小節のテヌート指定を利用して減速し、銅鑼の音を導き出す運びの感動的なこと!
1983年1月12日、死の2カ月前のNHKホールでのライヴ録音で、FMでの生中継をエア・チェック(もう死語かな)していたものである。
その後、1985年だったか、CD発売1周年を記念してソニーとNHKが共同で製作した非売品を関係者の御厚意で入手でき、秘蔵してきた。
今回、リマスタリングされたらしく、やや高域を強調した音質になっているのは好みを分かつと思うが、正規発売されたのは本当に喜ばしい。少しでも多くの人に聴いていただき、マルケヴィッチの実力を再評価していただきたいものである。
なお、同日演奏されたムソルグスキー(ラヴェル編);「展覧会の絵」の音源も、CDでの発売してもらいたいところだ。
 
平尾雅子(Gamb)ほか、「マラン・マレの横顔」第3巻(ALM)
古楽器必ずしも美音でないのが悩みだが、平尾さんのヴィオラ・ダ・ガンバの音色は美しいもので、愛聴してきた。久しぶりにマレのヴィオール曲集のCDが出ていたので購入。
なお、"Tombeau pour Monsieur de Lully"を「リュリ氏を偲んで」と訳されているのは我が意を得たり、というところ。早くラヴェルの"Le Tombeau de Couperin"が同様に訳されるようになってもらいたいものだ。
 
グレン・グールド、ラジオ・ドキュメンタリー「パブロ・カザルス」&「レオポルト・ストコフスキー」(CBC)
1972年夏、マールボロ音楽祭をグレン・グールドが訪れた。既にレコード録音に限定して活動していたグールドゆえ、もちろん演奏のためではなく、カナダ・CBC放送の番組(「カザルス−ラジオのための肖像」)製作のためである。
以前、カザルスの小伝を書いていて、ロバート・バルドック著『パブロ・カザルスの生涯』(浅尾敦則訳、筑摩書房)でこの事実を知り、ぜひ、その番組を聞いてみたいと願ってきた。
半分、まさか…と思っていたCD化が実現して狂喜乱舞して購入。
76分ほどの番組で、カザルスの語りはあまり使わず(放送に使うには英語が下手すぎるとグールドが判断したという)、アルバート・カーン(カザルスの伝記作者)やフェリックス・ガリミール(Vn)らのインタビューで構成されているようだ。初放送は1974年1月18日だったとのこと。
2枚組で、もう1枚には、グールドが尊敬してやまなかったストコフスキーのための番組を収めている。こちらは約60分、1971年2月2日に放送されたもの。
収録の模様などについては、グールド自身の文章に詳しい(『グレン・グールド著作集 2』筑摩書房所収)。
 
一噌幸弘(能管)ほか、「リーヤリ」(Victor)
一噌(いっそう)幸弘のことを初めて知ったのはNHK番組「トップ・ランナー」だったと記憶していたが、放送履歴をチェックしてみたら挙がっていないので、これは思い違いだったようだ。何の番組だったのだろう? 能管とジャズ・アンサンブルとの丁々発止の演奏ぶりは、今も瞼に残っているのだが…。
その後、このCDにも解説を寄せている玉木正之氏が、デビューCD「東京ダルマガエル」を推薦している文章を読んだりして、彼にはずっと関心を持ってきた。
「東京ダルマガエル」は残念なことに廃盤のため架蔵していないのだが、先日、どこかで入手できないものかとWWWを検索していたら、このCDがビクター伝統文化振興財団からリリースされていることを知り、音盤屋の邦楽コーナーで捜して、目出度く購入。
能楽師笛方の名流としてのみならず優れた即興演奏家としても活躍している一噌幸弘の略歴は、公式ページにも掲載されているが(→ここを押して)、1981年度の全日本リコーダー・コンクールで最優秀賞を受賞したことは特記しておこう。

10月28日(日): 

 最近入手した音盤の情報をレイボヴィッツ・ディスコグラフィに追加。


10月27日(土): 

 Berkshire Record OutletからCDが、Parnassus RecordsからLPが届いた。
 Berkshireからは久しぶりだが、オーダーするとなると大量発注してしまう…(汗)。

アントニオ・ヤニグロ(指揮)ザグレブ放送響、ハイドン;交響曲第44・45・46番(VANGUARD)
 
アントニオ・ヤニグロ(指揮)ザグレブ放送響、ハイドン;交響曲第47・48・49番(VANGUARD)
チェロ演奏ともども気になっているヤニグロの指揮盤がBerkshireに出ていたのでオーダー。
暖かい響きが聴けるのではないかと期待している。
以前買ったヤニグロの伝記本によれば、1958年頃の録音とのこと。
 
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)フィルハーモニア管、シベリウス;交響曲第6・7番、交響詩「タピオラ」(EMI)
「カラヤン・エディション、ザ・ロンドン・イヤーズ」と題されたシリーズからの1枚。
音源としては既にCD化されたことがあり、後期シベリウスのことゆえ架蔵済み。
これはEMI自慢のart方式でリマスタリングされたもので、以前買ったブリテン他のCDの音質が良かったことから、買い直しを考えていたところ、安価でBerkshireに出ていたのでオーダー。
比較試聴してみたが、弦のしなやかさ、奥行きのある音場感など、art盤が優っている。
 
シクステン・エールリンク(指揮)デンマーク国立管、ニルセン;交響曲第3番・序曲「仮面舞踏会」(AUDIOFON)
入手困難だった幻の名盤がBerkshireに出ているというので、北欧音楽MLで話題になった1枚を、遅まきながらオーダーしたもの。
1984年5月19日、アメリカ・ワシントンのケネディ・センターでのライヴ録音。
 
レフ・マルキス(指揮)新アムステルダム・シンフォニエッタ、ショスタコーヴィッチ;室内交響曲op.110a・op.118a(VANGUARD)
見つけ次第買っている、op.110aの未架蔵盤がカタログに出ていたのでオーダー。
1989年アムステルダム録音で、成立の事情を同じくする(弦楽四重奏曲からルドルフ・バルシャイが合奏用編曲した)op.118aをカプリング。
原曲はop.110aが弦楽四重奏曲第8番、118aが第10番。
 
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)フィルハーモニア管、バルトーク;管弦楽のための協奏曲、弦・打楽器とチェレスタのための音楽ほか(EMI)
上記シベリウス同様、artリマスタリング盤への買い直しのためオーダーしたもの。
一聴したが、最も録音年代の古い「弦・打・チェレ」(1949年11月)での改善効果は実に顕著であり、これに関しては買い換え必須といっていいだろう。
コダーイ;間奏曲 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」よりをフィルアップ、また「弦・打・チェレ」第3楽章のリハーサル風景が2分程度、収められている。
 
ユーリ・トゥロフスキー(指揮)イ・ムジチ・ド・モントリオール、ブリテン;フランク・ブリッジ変奏曲ほか(CHANDOS)
24日の項に書いたブラウン盤(Virgin)同様、フランク・ブリッジ変奏曲のベスト盤探求の一環。
ヒナステラなどで良い演奏をしていたトゥロフスキーのアンサンブルは期待できるかもしれないと捜していたところ、Berkshireで出ていたのでオーダーしたもの。
シンプル・シンフォニーヤング・アポロラクリメをカプリング。
 
アウローラ・ナトラ・ヒナステラ(Vc)マックス・ブラガド・ダルマン(指揮)カスティラ・レオン響、ヒナステラ;Vc協第1・2番(Newport)
好きな作曲家ヒナステラ。彼は夫人がチェリストだったこともあって、チェロのための曲も多く書いている。
1968年作曲(1977年改訂)の第1番と、1981年の第2番の世界初録音をカプリングしたCDがBerkshireに出ていたのでオーダー。
独奏者はその作曲者夫人、1992〜93年の録音である。
 
ヤープ・ファン・ツヴェーデン(Vn、指揮)コンセルトヘボウ室内管ほか、モーツァルト;Vn協第3番ほか(Mercury)
かつてアムステルダム・コンセルトヘボウ管のコンサートマスターを務め、今はハーグ・レジデンティ管の指揮者に転じているツヴェーデン。
ソリストとしても指揮者としても面白い人なので注目しているのだが、ヴァイオリニスト時代のCDを数点、見つけたのでオーダー。
これは1992年頃に作られたベスト盤らしく、パガニーニ;Vn協第1番ヴィニャフスキ;スケルツォ・タランテラは架蔵済みの音源。
したがって、標記のモーツァルトがメインなのだが、奇妙なことに、Cl協第2楽章P協第23番第2楽章をVn用に編曲したもの及びロンド K.269(これは元来Vn曲)を収録している(3曲ともハリー・ファン・ホーフという人が編曲を担当)。
やはり面白い人だ。(笑)
 
ヤープ・ファン・ツヴェーデン(Vn)ウベール・スーダン(指揮)ザルツブルク・モーツァルテウム管、モーツァルト;Vn協第3・4番ほか(DINO)
ツヴェーデン盤、つづく。
聞いたことのないレーベルだが、オランダの国内レーベルか。ライナーノートもオランダ語のみ。
1994年6月16・17日、ザルツブルク・モーツァルテウム大ホールでの録音とのこと。
交響曲 K.16をフィルアップ。
 
ヤープ・ファン・ツヴェーデン(Vn)コンバッティメント・コンソート・アムステルダム、ロカテッリ;Vnの技法(ASTORIA)
ツヴェーデン盤、更に続く。
かつてイ・ムジチ盤で知られたロカテッリの有名曲。
全12曲からなる曲集だが、ここでは第1・2・5・6番を演奏している。
これまたオランダ国内盤。
 
ヤープ・ファン・ツヴェーデン(Vn)ロナルド・ブロウティガム(P)ほか、モーツァルト;Vnソナタ K.526&ベートーヴェン;Vnソナタ第5番ほか(ASTORIA)
ツヴェーデン盤、なおも続く。
標記2曲にカプリングされているのがブラームスVnソナタ…ではなくHrn三重奏曲(Hrn独奏;ヤコブ・スラクター)というのが、やはりまた変わっている。
つくづく面白い人である。
 
(注) 同様のカプリングは、イツァーク・パールマンウラディミール・アシュケナージが、DECCAにフランク;Vnソナタを録音したときに採用したことがある(Hrn独奏はバリー・タックウェル)。
 
ジャンヌ・トムゼン(Fl)ゴルダン・ニコリッチ(Vn)ほか、モーツァルト;Fl四重奏曲全集(Syrius)
前にバッハ;無伴奏が良かったニコリッチ@ロンドン響コンサートマスター、新しい録音もあるだろうと捜してみたら、これが出てきたのでオーダー。
ライナーノートにフルーティストの経歴が掲載されてはいるが、コンクール入賞歴等の羅列で、どこの出身かもわからない(苦笑)。
1998年2月、フランスでの録音。
 
レジ・パスキエ(Vn)フセイン・セルメット(P)ほか、フローラン・シュミット;室内楽曲集(VALOIS)
フローラン・シュミットの作品は、サロメの悲劇P五重奏曲等、佳曲揃いゆえ、なるべく買うようにしており、Berkshireで安価になっている未架蔵盤を見つけたのでオーダー。
演奏者も標記2人にブルーノ・パスキエ(Va)、ローラン・ピドゥー(Vc)、クン・ウー・パイク(P)ら、実力派揃い。
収録曲は、Vnソナタ(正式には「2つの声部の結びあった自由なソナタ」という長い題)、3つの狂詩曲(2台Pのための)、「ハザード」(P四重奏編成)。
なお、曲名邦題等については、あんぐらCD博物館さんの記事を参考にさせていただいた。→ここを押して
 
ジョゼフ・コロン(P) モンポウ;「歌と踊り」ほか(MANDALA)
ピアノ曲はあまり聴かない斉諧生だが、モンポウは好きである。
コロンの全集は音盤屋の店頭で見るたびに気になっていたところ、Berkshireで単売ものが出ていたので、試しに最も好きな「歌と踊り」全曲の入った盤をオーダー。
 
エドワード・ヒギンボトム(指揮)オックスフォード・ニュー・カレッジ聖歌隊ほか、フォーレ;レクイエム&デュリュフレ;レクイエム(IMPRESSIONS)
グレゴリオ聖歌に基づくデュリュフレ;レクイエムは愛惜佳曲書にも掲げたように大好きな曲。
未架蔵盤がBerkshireに出ていたのでオーダー。
この曲には、フル・オーケストラ版、オルガン(+助奏チェロ)版、室内管版と3つの稿があるが、このCDは室内管版に拠っている。
 
ロバート・ショウ(指揮)ロバート・ショウ・チェンバー・シンガーズ、ブリテン;「キャロルの祭典」ほか(Telarc)
LP時代にはウィルコックス盤(EMI)くらいしか国内盤では手に入らず、輸入盤を捜しては買っていたキャロルの祭典も、近年やたらにリリースされるので食傷気味になっていた。
Berkshireで、ふと「もう一人の合唱の神様」ショウのCDを見つけたので、彼ならばとオーダー。
全体としてはクリスマス・アルバムなのだが、選曲が凝っている。
「まきびと羊を」「エサイの根から」「アデステ・フィデレス」といった超有名キャロルだけでなく、一方に「鳥の歌」バッハ;クリスマス・オラトリオのナンバー、一方にハウエルズなどの20世紀の作品を収めている。
 
御喜美江(アコーディオン) フランス・バロック曲集(ARCADE)
ミカ・ヴァユリネンシュテファン・フッソングらクラシカル・アコーディオン奏者の音楽は、編曲もの云々に拘らず傾聴すべきであると考えている。
御喜さんも気になっていたところ、現代曲の録音が多くて敬遠していたのだが、今回、Berkshireでバロックものが出ていたのでオーダー。
要するにアコーディオンは発音の素晴らしく敏感な小型オルガンのようなものであり、バロック音楽に高い適性があるのではなかろうか。
ラモークープランダカンの小品計24曲を収録。
 
ナイジェル・ノース(Lute) ダウランド;Lute曲集(ARCANA)
バッハ;無伴奏両曲集のリュート編曲(LINN)が素晴らしかったノースのダウランドが安くBerkshireに出ていたのでオーダー。
ラクリメサー・ジョン・スミスのアルメインなど有名な旋律を聴くことができる。
「第1巻」とあるが、続巻はリリースされているのだろうか?
 
ダン・ラウリン(Rec)ファン・エイク;笛の楽園(全曲)(BIS)
「笛の楽園」とは、17世紀オランダの作曲家ファン・エイクが、自作の旋律や、当時オランダで知られ親しまれていた旋律を集め、変奏を付した曲集。
先に花岡和生盤(TROUT)も出ているが、CD1枚に20曲を抜粋したものであった。
この全143曲、CD9枚に及ぶラウリンの労作は、新譜のときから欲しいものだったが、いくらCD6枚分に割り引かれているとはいえ、なかなか手が出せなかった。
今回44.9ドル(約5,500円)という破格値でBerkshireに出ていたので、ここで逢うたが百年目とばかりにオーダー。
 
テア・キング(Cl)今井信子(Va)アラン・フランシス(指揮)ロンドン響ほか、ブルッフ;Cl&Va協ほか(英Hyperion、LP)
以下はParnassus Recordsから。
前にメイエ&コセ盤(ERATO)を買ったブルッフの佳曲の未架蔵盤がカタログにあり、今井さんのヴィオラならばとオーダーしたもの。
1981年12月の収録で、アナログ録音というのがLPで聴くにふさわしい。
メンデルスゾーンクルーセルによるCl作品をカプリング。
 
ルネ・レイボヴィッツ(指揮)パドルー管ほか、ブラームス;「リナルド」(米VOX、LP)
レイボヴィッツの未架蔵音源を入手!
これはParnassus Recordsが見計らいで取ってくれたもの。有り難いサービスである。
曲はゲーテの詩によるテノール・ソロと男声合唱のためのカンタータで、1863〜68年の作曲というから、「ドイツ・レクイエム」と並行して書かれていたことになる。
演奏・録音頻度は非常に低いマイナーな作品で、レイボヴィッツはこの手の曲をよく録音している(ベルリオーズ;レリオなど)。
もっとも、ディスコグラフィにはアバド盤(DECCA)、シノーポリ盤(DGG)が並ぶのだから不思議なものだ。両者ともデビュー間もないころの仕事ではあるが。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)ラムルー管ほか、リリー・ブーランジェ;作品集(米EVEREST、LP)
ブーランジェ作品の演奏史上、画期的な1枚となったLPである。
CD化されているし、もちろんLPでも架蔵しているが、盤質の悪い廉価再発盤であった(とはいえこれがブーランジェの音楽との出会いだったのだけれど)。
今回は、おそらくオリジナルかそれに近い時期のもの(プロモーション・コピーのため白ラベル)。
添付されていたはずの曲目解説が無くなっているのは残念。
収録曲は詩篇第130番詩篇第24番詩篇第129番仏教徒の古い祈りピエ・イェズ
試聴してみたところ、オーディオファイルとして知られたEVERESTレーベルらしい、見事な録音である。CDも優れた復刻であったが、更に優れていると言っていいだろう。
 
ロバート・ショウ(指揮)ロバート・ショウ合唱団、ブリテン;「キャロルの祭典」・「キリストによりて喜べ」・「フェスティヴァル・テ・デウム」(米RCA、LP)
ショウの「キャロルの祭典」は、Telarc盤CDが来たと思ったら(↑)、旧録音(1964年頃)のLPもやってきた。同じことを考えてオーダーしたらしい。(苦笑)
もちろん少年合唱ではなく、女声合唱による演奏である。
 
ピエール・モントゥー;生誕80年記念インタビュー(米RCA、LP)
妙なものが手に入った。
1955年4月4日に満80歳の誕生日を迎えたモントゥーに、エドワード・ケリーなる人物が話を聞いたものの録音である。インタビューの場所はニューヨーク。テープレコーダーのハムノイズもしっかり入っている。
とても80歳とは思えない、しっかりした発声、語り口に驚かされる。もちろん英語で話しているが、強いフランス語訛りが聞けて面白い。
B面にはアメリカのソプラノ歌手ローザ・ポンセルのインタビューが収められている。非売品。

10月25日(木): 

 

ダニエル・ビネリ(バンドネオン)シャルル・デュトワ(指揮)モントリオール響ほか、ピアソラ;タンガーソほか(DECCA)
デュトワ&モントリオール響がピアソラを録音したとあっては聴かざるべからずと購入。
収録曲は演奏順に
アディオス・ノニーノ
天使のミロンガ
バンドネオンとギターのための協奏曲《リエージュに捧ぐ》(G独奏;エドゥアルド・イサーク)
オビリヴィオン
ブエノスアイレスのタンゴ風三楽章(管弦楽のみ)
クリオージョの踊り(管弦楽のみ、ピアノ組曲第2番第4曲からの編曲)
タンガーソ(管弦楽のみ)
バンドネオン独奏のビネッリは現存のバンドネオン奏者としては最高峰にも数えられる人。1946年生まれ、17歳の時にコンクールで優勝してピアソラに認められ、1974〜89年の間、たびたびピアソラと共演している。協奏曲は彼の再録音になるとのこと。
なお、曲名の表記は斎藤充正『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』(青土社)に従った。

10月24日(水): 

 帰宅するとamazon.ukからCDが届いていた。

アイオナ・ブラウン(指揮)ノルウェー室内管、ブリテン;ブリテン;フランク・ブリッジ変奏曲ほか(Virgin)
先だってカラヤン&フィルハーモニア管盤(EMI)で聴いて以来、フランク・ブリッジ変奏曲を集めている。
EMI盤の鉄壁アンサンブルを超える演奏を求めているのだが、なかなかピッタリ来るものに出会えない。
バルトークなどで鋭い演奏をしていたブラウンとノルウェー室内管ならば、カラヤン以上にシャープな演奏が期待できるかもしれないと捜していたのだが、店頭で見つからないのでamazon.ukにオーダーしたもの。
シンプル・シンフォニープレリュードとフーガラクリメエレジーをカプリング。
 
ローマ・フォーレ五重奏団、フォーレ;P五重奏曲第1・2番(CLAVES)
前に中古音盤堂奥座敷で取り上げて以来、第2番が好きな曲になっている。
先日、何かでWWWを検索していたおりに、この演奏を絶讃しておられるページがあった。→ここを押して
これは是非聴いてみたいと、あちこちの音盤屋や通販サイトで捜していたのだが、なかなか見つからない。↑のブリテンと同時にamazon.ukにオーダーしたもの。
現物を見て吃驚。
メンバーが、ピナ・カルミレッリフェデリコ・アゴスティーニ(以上Vn)、マッシモ・パリス(Va)、フランチェスコ・ストラノ(Vc)と、イ・ムジチ合奏団の主力メンバーである。
1985年10月、ベルンでの録音とのこと。既にアゴスティーニがリーダーになっている頃である。
なお、ピアノはモーリーン・ジョーンズというオーストラリア出身の人。

10月23日(火): 

 

千住真理子(Vn)ヴラディーミル・ヴァーレック(指揮)チェコ・ナショナル響、シベリウス;Vn協&チャイコフスキー;Vn協(Victor)
千住さんのシベリウス…というと正直申して少し意外な組合せであるのだが、1988年1月のベリルンド&ヘルシンキ・フィルの来日公演@ザ・シンフォニー・ホールで聴いたときに感心した記憶があるので、購入してみた。
チェコ・ナショナル響の録音も久しぶりに見る。コシュラーを音楽監督に戴いて華々しく登場したときには驚きもし期待もしたのだが、指揮者の急逝で、あっという間に我々の視界から遠ざかってしまった。
 
長谷川陽子(Vc)ミカ・ヴァユリネン(アコーディオン) ムソルグスキー;展覧会の絵ほか(Victor)
昨年秋に録音情報を伺って以来、鶴首待望していた新譜。
長谷川さんのみならず、超実力派アコーディオンのヴァユリネン登場とあっては期待するなという方が無理である。
ヴァユリネンには「展覧会の絵」の独奏盤もあり(MILS)、これが大変な名演なので(入手についてはノルディックサウンド広島に問い合わせを)、チェロが加わってどうなるか、興味を惹かれるところである。
編曲は演奏者二人の手になるものという。
ロシア系の小品集をフィルアップ。
ハチャトゥリアン;剣の舞チャイコフスキー;アンダンテ・カンタービレといったポピュラーな曲に加え、「隠れた名曲であるロシアの愛すべき小品たち〜例えばプロコフィエフスケルツォスクリャービンロマンスなど〜を是非聴いていただけたらとても嬉しい」とは長谷川さん御自身の弁。→ここを押して

10月21日(日): 

 

ラファエル・クーベリック(指揮)ニュー・フィルハーモニア管ほか、ベートーヴェン;交響曲第9番ほか(BBC LEGENDS)
1974年1月14日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールにおける、オットー・クレンペラー追悼演奏会のライヴ録音。
クーベリックのライヴ録音は追いかけているところだが、この曲には既に1982年5月14日のバイエルン放送響盤(Orfeo)が出ている。買うかどうするか迷ったが、試聴機で少し聴いた感じでは良い演奏のようであったので購入。
モーツァルト;フリーメーソンの葬送音楽をフィルアップ。
音質は良好。このシリーズの(というか放送用録音全般に言える)通弊で弦合奏に厚み・暖かみが欠けるが、やむを得ないところだ。
 
ヤシャ・ホーレンシュタイン(指揮)ロンドン響ほか、マーラー;交響曲第9番ほか(BBC LEGENDS)
ホーレンシュタインのマーラーは聴き逃せないので、こちらは迷わず購入。
1966年9月15日、ロイヤル・アルバート・ホールにおけるプロムスのライヴ録音。
2枚組で、ジャネット・ベイカー(M-S)スコットランド・ナショナル管との亡き子をしのぶ歌(1967年3月3日、エディンバラ)をカプリング。
やや硬いが悪くない音質。
 
ルネ・レイボヴィッツ(指揮)ロンドン・フィルほか、ロッシーニ(レスピーギ編);風変わりな店(URANIA)
ふと立ち寄った中古盤屋でレイボヴィッツの未架蔵盤を発見、狂喜して購入。
標記のロッシーニ/レスピーギは既にステレオ盤LPを架蔵しているが、次の2曲は初めての音源。
オッフェンバック;「ジェロルスティン大公妃」序曲
ロッシーニ;「セミラーミデ」序曲(この曲のみパドルー管)
後者は序曲集からの切り出しであろう。
1958年のオリジナル・ステレオ録音とあるが、しっかりした美しい音色が聴ける。
 
ライナー・ホーネック(Vn)コルデリア・へーファー(P) シューベルト;Vnソナチネ集(CANYON)
フォルカーの部屋によれば、先頃のウィーン・フィル来日公演でライナー・キュッヒル@コンサートマスターの隣で演奏していたというホーネックのソロCD。この人の暖かい音色は好き。
シューベルトのVn曲では幻想曲は蒐集しているもののソナチネはあまり聴かないので、新譜の時は見送ったが、中古格安だったので購入。
 
カルミナQほか、シェーンベルク;浄められた夜ほか(DENON)
実力じゅうぶんと言われつつ、売れ行きでも悪いのか、次々と廃盤になっているカルミナQのCDを中古格安で見つけた。
シェーンベルクは弦楽合奏版が有名だが、もともとの編成である六重奏版は録音も少なく、手許に置いておきたいと購入。
なお、DENONでは廃盤をCD-Rでオンデマンド生産するあ〜る盤というビジネスを始めた。カルミナQのものも何点かカタログに掲載されている。
 
エンリコ・マイナルディ(Vc) バッハ;無伴奏Vc組曲第3・4番(DECCA)
ミクローシュ・ペレーニの師、マイナルディのバッハが中古格安で並んでいたので購入(国内盤)。
以前、1960年代の全曲盤(DENON)や1957年のライヴ盤(Orfeo、1〜3番のみ)を買っているが、これは1950年1月のスタジオ録音である。
壮年期(マイナルディは1897年生まれ)の演奏に期待したい。

10月20日(土): 

 jpcほかからCDが届いた。

ボストン交響楽団 放送録音集(BSO自主製作)
シカゴ響、ニューヨーク・フィル、クリーヴランド管、フィラデルフィア管等に続き、ボストン響も「シンフォニー・ホール100周年記念」と銘打って放送用録音のCD化に踏み切った。
CD12枚組、四十数曲を収めた大物。曲目詳細は→ここを押して
指揮者・曲目に関して斉諧生的に興味深いもののみを挙げれば、
ピエール・モントゥー(指揮)
R・シュトラウス;「ドン・キホーテ」(1959年1月24日)
同;「ばらの騎士」組曲(1956年2月17日)
RVW;「タリス」幻想曲(1963年12月20日)
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)
チャイコフスキー;幻想序曲「ロメオとジュリエット」(1955年3月19日)
 
ラファエル・クーベリック(指揮)
マルティヌー;P&Timp二重協(1967年1月14日)
 
レオポルト・ストコフスキー(指揮)
モーツァルト;「ドン・ジョヴァンニ」序曲
結尾に「地獄落ち」の音楽をつないだストコフスキー版である。
チャイコフスキー;幻想序曲「ハムレット」(以上1968年1月13日)
 
ウィリアム・スタインバーグ(指揮)
ブルックナー;交響曲第8番(1972年2月26日)
 
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
ヒンデミット;交響曲「画家マティス」(1974年3月30日)
 
クラウス・テンシュテット(指揮)
ブラームス;大学祝典序曲(1974年12月14日)
 
小澤征爾(指揮)
R・シュトラウス;Cl&Fg二重協(1988年3月12日)
等々と目白押し。
定価225ドル+送料25ドル(邦貨約3万円)と安くはないが、買わざるべからず。
ブックレットは充実したもの。各指揮者について楽員たちのコメントがついていたりして面白い。
これは上記のWebpageからオンラインでオーダーしたもの。送料について確認のメールが届くので、それに返信する必要があった。
 
ウィーン・フィル、1957〜1963年(ANDANTE)
アメリカの音楽情報サイト、ANDANTEが製作したCD。4枚組の詳細は→ここを押して
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮) ブルックナー;交響曲第8番(1957年4月17日)
この演奏のリハーサルで、カラヤンは、「この弱拍は、とくに堪え忍ぶ感じで」「この部分では、その美しさが、あきらめの感覚と重なって聞こえる必要がある。」等と説明したという。
オーストリア放送協会による正規音源。モノラルで、ややエネルギー感が弱いが、良好な状態。
 
ディミトリ・ミトロプーロス(指揮) マーラー;交響曲第9番(1960年10月2日)
ミトロプーロスが急死する1カ月前の演奏。
この演奏会については、オットー・シュトラッサー@ウィーン・フィル楽団長(当時)の回想に、
比較的短期間に最大のリハーサルを要求された仕事であり、(中略)
 成功が私たちの努力の正しさを立証してくれた。
と特筆されている。
残念ながら、ラジオ放送のエア・チェック録音らしく、歪みっぽい音質である。
 
カール・ベーム(指揮) R・シュトラウス;「死と変容」・「英雄の生涯」(1963年5月19日)
これは↑カラヤン同様、オーストリア放送協会による正規音源で、モノラルながらステレオに聴き紛う分離の良さと立体感がある。
 
この時期のウィーン・フィルのライヴは聴いておきたいし、50年代のカラヤンのブルックナーや、ミトロプーロスのマーラーには非常に興味を惹かれるので、上記Webpageからオンラインでオーダー。
 
アンドレイ・ピクル(P)ピオトル・ヴィアトコウスキ(指揮)ルブリン・フィルほか、シマノフスキ;交響曲第4番(DUX)
以下はjpcから。
蒐集しているシマノフスキの曲の未架蔵盤を見つけたのでオーダー。
独奏・指揮・オーケストラとも地元ポーランドの人、民族的共感に期待したい。
タンスマン;2台P協をカプリング。
 
ソニア・ヴィダー・アサートン(Vc)アルトゥーロ・タマヨ(指揮)ルクセンブルク・フィル、オアナ;Vc協第2番「暗くブルーに」ほか(timpani)
このところ注目しているチェリスト、ヴィダー・アサートンの未架蔵盤を見つけたのでオーダー。
ロストロポーヴィッチの委嘱で1990年に書かれ、小澤征爾(指揮)桐朋学園オーケストラの共演で初演されたが、準備不足のため不出来に終わり、オアナが改訂を計画したものの、1992年に死去したために果たせなかった…とのこと。
同じ作曲家のP協(1980年)(P独奏;ジャン・クロード・ペネティエ)、タラン・ンゴ(1974年)をカプリング。
なお、作品名の表記については、coucouさんのオアナ・ディスコグラフィを参考にさせていただいた。
 
クリスチャン・テツラフ(Vn)イザベル・ファウスト(Vn)ラルス・フォークト(P)ほか、「シュパヌンゲン 2000」(EMI)
"Spannungen"はドイツ語で「電圧」の意、副題を「ハイムバッハ発電所での音楽」というアルバム。
この水力発電所は、水辺に建てられた美しいアール・ヌーヴォー様式のもので(1904年)、1998年から毎年6月に室内楽の音楽祭が開催されているとのこと。
昨年夏に1999年の音楽祭からのCDが出たが、今回は2000年の音楽祭から。
ハイドン;三重奏曲
コルネリア・ブラントカンプ(Fl)、ターニャ・テツラフ(Vc)、ラルス・フォークト(P)
シューベルト;弦楽五重奏曲
クリスチャン・テツラフ(Vn)、イザベル・ファウスト(Vn)タチヤナ・マズレンコ(Va)、ボリス・ペルガメンシコフ(Vc)、グスタフ・リヴィニウス(Vc)
ブラームス;P三重奏曲
クリスチャン・テツラフ(Vn)、ボリス・ペルガメンシコフ(Vc)、ラルス・フォークト(P)
ドヴォルザーク;P四重奏曲第2番
イザベル・ファウスト(Vn)ディームート・ポッペン(Va)、ターニャ・テツラフ(Vc)、ラルス・フォークト(P)
という曲と演奏者。
テツラフ、ファウストと御贔屓のヴァイオリニスト、しかもシューベルトの弦楽五重奏曲とあらば買わざるべからずとオーダー。
かすかに小鳥の鳴き声も聞こえるライヴ録音である。
 
クリスチャン・テツラフ(Vn)ウラディミール・アシュケナージ(指揮)ベルリン・ドイツ響ほか、ルジツカ;Vnと室内合唱と管弦楽のための「...島、縁のない...」ほか(THOROFON)
テツラフの未架蔵盤が見つかったのでオーダー。
ルジツカは1948年生まれの作曲家。指揮者やプロデューサーとしても活躍しており、2002年からザルツブルク音楽祭の芸術監督に就任するとのこと。
「...島、縁のない...」はVnと合唱と管弦楽のための、24分半ほどの作品。
そのほか「陽は沈む」(Brと管弦楽)、「形態と断絶」(合唱)、「...予感...」(管弦楽)を収める。
↑の表記は閑古鳥さんのレビューを参考にさせていただいた。→ここを押して
 
クリスチャン・テツラフ(Vn)ラルス・ウルリク・モルテンセン(Cem)ほか、ロンネフェルト;カプリッチオほか(dacapo)
これもテツラフの未架蔵盤。
勇躍オーダーしたが、届いてみれば彼が演奏しているのは標記の曲だけで、所要時間6分18秒。(苦笑)
作曲者は1959年ウィーン生まれ、コペンハーゲンで育ち、ハンブルクで学んだ。幼時から作曲を手がけ、B.A.ツィンマーマンリゲティらの影響を受けたリリカルな作品を書いていたが、1986年に27歳で夭折したとのこと。

 9月30日付けのマーラー;交響曲第6番聴き比べの記事を独立させて、作曲世家に移した。


10月18日(木): 

 

アタウルフォ・アルヘンタ(指揮)スペイン国立管ほか、未発表録音集(RTVE)
数年前に発売された、スペインの名指揮者アルヘンタの放送録音集。興味がありつつも、ちょっと値段が気になって買わずにいたところ、当時の半額程度で音盤屋に並んでいたので購入。
収録曲等は、
ベートーヴェン;交響曲第3番(1957年5月24日)
ブラームス;Vn協(Vn独奏;イェフディ・メニューイン)(1956年6月24日)
以上はスペイン国立管
 
チャイコフスキー;交響曲第4番
R・シュトラウス;「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
スメタナ;序曲「売られた花嫁」
ファリャ;「恋は魔術師」
以上はスイス・ロマンド管で、1957年8月29日のライヴ録音。
 
エスクデロ;バスク協(P独奏;マルティン・イマス、管弦楽;バイエルン放送響)(1951年5月4日)
 
またピアノを弾いている音源も収録されている。
ベートーヴェン;Vnソナタ第8番(Vn独奏;アルトゥール・グリュミオー)(1955年)
ブラームス;Vnソナタ第2番(Vn独奏;アルトゥール・グリュミオー)(1955年)
 
いずれも放送用録音で、音質は優秀。
 
フランツ・ヴェルザー・メスト(指揮)ノールショッピング響ほか、ドヴォルザーク;交響曲第8番ほか(MAP)
1986年12月7日、ストックホルム・ベルワルド・ホールで録音された、ヴェルザー・メスト若き日の演奏。
カプリングにオッコ・カムが独奏しているサッリネン;Vn協ヨルマ・パヌラ(指揮)によるフランケ・ブルム;動く彫刻のための音楽という妙なものがあったりするので興味を惹かれて購入。
ドヴォルザークでは、なぜか左右が逆になっている。

10月15日(月): 

 

ピエール・フルニエ(Vc) バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(Philips)
フルニエのバッハは先だってTDKから1972年・東京のライヴ音源が出たばかりだが、これは1976〜77年にスイス・ジュネーヴで録音されたもの。
名盤として著名な1960年の独Archiv盤に続く再録音盤という触れ込みで、1981年に国内盤LPが発売されたが、今ひとつ話題にならなかったように記憶している。
それやこれやで買いそびれていたのだが、中古格安盤を見つけたので購入。
上記3点にADDA盤の1959年ジュネーヴ・ライヴを加えて、フルニエのバッハは4とおり架蔵していることになる。

10月14日(日): 

 jpcからCDが届いた。

レオポルト・ストコフスキー(指揮)ロンドン響ほか、バッハ;管弦楽編曲集ほか(BMG)
9月6日の項に附記した、ストコフスキー編曲によるシャコンヌの1974年録音を含む盤。あちこちの通販サイトを探してオーダーしたもの。
シャコンヌ以外では定番の小フーガ BWV578甘き死よ来たれ BWV.478、また無伴奏Vnパルティータ第3番 BWV.1006 からプレリュード等全8曲を収録。
更に、花火の打ち上げ音を重ねていることで有名な(笑)ヘンデル;王宮の花火の音楽(管弦楽はRCAビクター響)をカプリング。こちらは1961年録音。
 
ジェフリー・サイモン(指揮)フィルハーモニア管、ラヴェルほか合作;バレエ音楽「ジャンヌの扇」&「エッフェル塔の花嫁花婿」(CHANDOS)
9月8日に大阪センチュリー響の定期演奏会で聴いた「ジャンヌの扇」の音盤を探し、CHANDOS盤を見つけてオーダーしたもの。1985年録音で「世界初録音」とあるが、その後、新しい録音は出ているのだろうか?
 
マルチェロ・ヴィオッティ(指揮)ウィーン響ほか、ショーソン;歌劇「アルチュス王」(KOCH)
フランスの「トリスタン」とも言える、ショーソンの「アルチュス王(アーサー王)」の未架蔵盤をオーダー。国内の音盤屋でも見かけるが、jpcの方がかなり安かった。
1996年7月20日録音、ブレゲンツ音楽祭でのプロダクションを収めたものとのこと。
歌手は知らない名前ばかりで、一部に東欧系の姓名も見られ、合唱もソフィア室内合唱団モスクワ・ロシア・アカデミー合唱団と、ショーソンとしては少し不安も残るが、このオペラの数少ない全曲盤ゆえ、架蔵せざるべからず。
 
スティグ・ヴェステルベリ(指揮)ヘルシングボリ響ほか、ベールヴァルド;歌劇「エストレッラ・デ・ソリア」(抜粋)(MUSICA SVECIAE)
ヴィルヘルム・ステーンハンマル指揮者として愛奏したのが、この歌劇の序曲。(演奏家ステーンハンマルの記録参照)
今まで気づかなかったのが迂闊なくらいだが、その歌劇としての録音(残念ながら抜粋とはいえ)を見つけたのでオーダー。
これまで題名しか知らなかったのだが、15世紀のスペイン、ムーア人との戦争に題材を採った作品ということである。

 思い立って、懸案に着手することにした。
 すなわち、「パーヴォ・ベリルンド(ベルグルンド)のシベリウスは、どの演奏を選ぶか」である。
 彼には全集が3種ある上、それ以前に個別に録音している曲もある。特に全集2回目のヘルシンキ・フィル盤と3回目のヨーロッパ室内管盤の、どちらを選択するか…というのは、なおクラシック音楽ファンの議論の種であろう。
 既に交響曲第4番については部分的に書いているが(→ここを押して)、今回、全曲の聴き比べを敢行してみたい。
 なお、本業多忙の時期ゆえ一気呵成にとはいかないと思う。年内一杯くらいを目標にしているので、御諒解いただきたい。
 
 今日は、4種の録音がある第6番を取り上げる。
 ステーンハンマルに献呈された曲だが、祝典的な第5番と、深い深い第7番に挟まれて、人気の薄い曲である。全集録音は多いが、単独で録音したり演奏会で取り上げる指揮者は非常に少ない。
 強い自己主張があるわけではなく、言うならば「背景だけ描いた絵」のような趣があるためであろうが、斉諧生としてはシベリウスの作品の中で最も愛するものである。
 その清冽さ、北欧の澄んだ空気と自然を思わせる響き、この音楽にいつまでも浸っていたい…と願わずにはいられない。

ベルリン放送響盤 (Berlin Classics) (1970年頃)
ベリルンドの最初の録音だが、架蔵のLP・CDには日時等のデータが明記されていない。
ドイツのオーケストラらしく、第1楽章冒頭の弦合奏など、ズシリと厚い響き。それにあわせて少し粘り気のある運びになっている。
これまたドイツの団体の特質か、リズムがガッチリしていて、合奏の縦の和音はしっかりしているのだが、横の線の絡みの表出に物足りなさが残る。
第2楽章終結近く、弦が十六分音符で刻み続けるところなど、ベッタリした感じになってしまった。この部分では木管楽器もリズムが重く、北欧の森の上を飛ぶ鳥の歌のような雰囲気には欠けている。
全体にシベリウスの音楽としては四角四面の感なきにしもあらず、飛翔感に乏しいのが物足りない。
採るとすれば、弦合奏の厚い質感か。
第1楽章の終わり近くで低弦がトレモロでざわめく部分の森厳さや第4楽章冒頭・終結における主題の美しさは特記しておきたい。
なお、CD復刻に際し、音がやや硬くなっている。
 
ボーンマス響盤 (Disky) (1973年11月)
LP時代にバルビローリ盤とともに親しんだ演奏である。
ベルリン放送響盤とはかなり違った表現になっている。3年ほどでは、そう大きく指揮者が変わるとも思えないので、これはイギリスのオーケストラになってベリルンドの思い通りの音楽ができるようになった…ということか。
第1楽章冒頭のコラールからして、清澄な響きで、横の線が明確に表出されるようになった。
第11小節から第26小節まで(Obが出る少し前のところまで)、息長く音を弱めていくところが面白い。途中のアクセントを強調する指揮者もいるが、ベリルンドはつとめて目立たぬように、弱めに弾かせている。
ティンパニやホルンがこだまして音楽が高揚していく部分、ここで管弦楽の響きが濁ってしまう指揮者も少なくないが、ベリルンドは大丈夫である。
ついでHpがリズムを刻みだし、FlとObが歌い始めるが、木管の響きも好ましい。Obには少し弱さも感じるが、これはイギリスの団体の通弊か。
楽章終結に向けて(練習番号Jの後半)、テンポが落ちるのに驚いた。練習番号K以下のテンポを導くためであろうが、これはやや不自然である。つづくHrnの重奏の響きは美しいけれども、楽章を結ぶ金管の響きが薄いのは残念。
第2楽章第3楽章は、上述のObの問題を除けば、間然するところのない出来栄え。
第4楽章、主題と応答が一くさりあったあと、Timpの弱奏に導かれて低弦がmfで出す一音の響きが美しいこと! こういうところがシベリウスの醍醐味である(この部分は↓の両盤でも美しい)。
この楽章の演奏も優れた出来で、コーダでの弦の主題の清らかさと、消えゆくような終結は、ほんとうに美しい。
唯一、最も高揚する部分(練習番号IからJにかけて)での追い込みから切迫感が生まれているのには、やや違和感があった。
 
ヘルシンキ・フィル盤 (EMI) (1986年5月)
弦合奏の響きは、ボーンマス響に比べて、透明感と硬質さを増しており、これこそシベリウスの響き!と嬉しくなってしまう。
第1楽章中程、Cbのピツィカート一発に導かれてバス・クラリネットとVcが主題を出すところ(練習番号F)、寂びのきいた渋いVcの音色には陶然となる。
上記ボーンマス響盤で不自然さを感じた減速も見られず、終結での金管の響きも決然たるもの。
第2楽章もボーンマス響盤を超える出来と思われる。Obの音色については、その野趣を愛でるか、もう少し繊細な音が欲しいと感じるか、好みが分かれるかもしれない。
楽章の結びで、Hpの和音をアルペジオで処理しているのが耳を惹く。これは美しい。
第3楽章では、Vnの鋭い切れ込みやFlの強めの吹奏をはじめ、全体にオーケストラの厚みを前面に出した演奏になっている。
第4楽章も素晴らしい。ボーンマス響盤で違和感を覚えた部分(練習番号IからJにかけて)では堂々たる運びで、大自然の雄々しさを表現しているかのようである。
終結部分で「エスプレッシーヴォ」と指定されている弦合奏の優しいこと! 胸にグッと来るものがある。
 
ヨーロッパ室内管盤 (FINLANDIA) (1995年9月)
ヘルシンキ・フィル盤でベリルンドのシベリウスは完成かと思っていたら、新録音に着手、しかもフィンランド以外の団体だというので驚いたものだ。
三度目の全集は、室内オーケストラで演奏した点に特徴がある。このCDのブックレットには楽員名簿が掲載されていないのだが、おそらく第1Vnが10人〜Cbが4人程度の編成だろうと推測される。
そのため、弦合奏は更に薄く、更にテクスチュアが明確化した。各奏者の音程が良いことや、名技師トニー・フォークナーの手による録音とも相まって、最も透明感の高い演奏になっているといっていいだろう。
Flの音色の清澄さも、上述の3つの演奏を凌いでいる。Obには相変わらず満足できないが…。
編成が小さくなったことで管楽器と弦楽合奏のバランスが良くなった。例えば、第1楽章中程でバス・クラリネットとVcが出す主題(練習番号F)の音量が揃っているのは、そのメリットだろう。
楽章終結での金管は明るい硬質の音色で強く決めていて胸がすく。
第2楽章でも、透明感と、更にそれを越えて寂寥感が漂うのには心うたれる。
弦が十六分音符で走り続ける楽章後半の繊細さは他で聴くことができないものだ。それに並ぶとClの音色は大味のそしりを免れないかもしれない。
第3楽章では、弦の刻みが克明に響いて、完璧に近い出来栄え。なぜかHpが聞こえにくく、音色が効果を挙げていないのが惜しまれる。
第4楽章冒頭、Vn群に応答するVa・Vc・Cb合奏の音色が素晴らしい。編成の小ささと音程の正確さの賜物だろう。Timpのくっきりした打撃やHrnの思い切ったクレッシェンドも素晴らしい効果を見せている。
ただ、終結での弦合奏は柔らかすぎて「エスプレッシーヴォ」の意味を失ってはいないか。響きの薄さがわざわいしたように思える。
 
総括すれば、やはり全集盤は3種とも優れた出来で、特にヘルシンキ・フィル盤とヨーロッパ室内管盤は、それぞれに素晴らしく、甲乙つけがたい。
あえて順序をつけるならば、好みの問題になるが、斉諧生としてはヘルシンキ・フィル盤を推す。しっかりした響きに身を委ねられる安心感がある。
…という端から、ヨーロッパ室内管盤の透明感、清冽さも捨てがたいと思える。(苦笑) 一部の木管楽器に不調・鈍さがなければ、こちらを挙げたかもしれない。

 この間、入手した音盤の情報をステーンハンマル・作品表とディスコグラフィに追加。


10月13日(土): 

 MikrokosmosからLPが届いた。

ハインツ・レークナー(指揮)ベルリン放送響、ワーグナー;交響曲&ジークフリート牧歌(独ETERNA、LP)
若書きの交響曲はともかく、ジークフリート牧歌がレークナー畢生の名演。これほど美しく暖かい弦楽合奏があっただろうか…?!
学生時代に東京の某公立図書館で宇野功芳師のレコード・コンサートがあり、そこで聴いて圧倒されたことを思い出す。
師曰く「フルトヴェングラーが最新のステレオで録音したら、こんな演奏に聴こえるにちがいない。
国内盤LPでも輸入盤CDでも架蔵しているが、ETERNA盤LPで聴いてみたく、オーダーしたもの。やはりCDとは比べようのない音質の差がある。
 
ヴィクトル・トレチャコフ(Vn)ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮)モスクワ放送響、チャイコフスキー;Vn協(蘇MELODIYA、LP)
これはオーダーの失敗、CDで架蔵済み。
1984年のデジタル録音であり、敢えてLPを購入する必要はなかった。。。(汗)
 
エフゲニー・キーシン(P)ウラディミール・スピヴァコフ(指揮)モスクワ・ヴィルトゥオージ、ショスタコーヴィッチ;P協第1番ほか(独EURODISC、LP)
この組合せ・曲目はBMGからも出ているが、そちらは1988年のパリ録音。これはその2年前、ピアニスト15歳の時の、モスクワにおけるライヴ録音である。
BMG盤CDのジャケット写真のキーシンも少年だが、このLPでは本当に子供! 「紅顔の美少年」そのもの。
ところが、この演奏が絶品なのだそうである。
自他ともに認める「ショスタコおたく」工藤さんのWebpageによれば、
凄まじい勢いに満ちた若々しくもスケールの大きな名演。
 ライヴにもかかわらず全くといって良いほどミスはなく、その完璧なテクニックにも脱帽。
とのこと、かねて探していたのだが、メロディア盤CDは廃盤になったらしく、まったく見つからない。ようやく独盤LPを見つけたのでオーダーしたもの。
カプリングはモーツァルト;P協第12番。この曲にも2年後のスタジオ録音@パリがある(BMG)。
なお、工藤さんのコメント全文は→ここを押して
 
アルト・ノラス(Vc)タパニ・ヴァルスタ(P) シューベルト;アルペジオーネ・ソナタ&ショスタコーヴィッチ;Vcソナタ(芬finnlevy、LP)
ノラス師匠のLP、買わざるべからず。特にショスタコーヴィッチはベストと考えている演奏だ。
既にFINLANDIA盤LPも架蔵しているが、おそらくこちらがオリジナル。
原盤も同じで、FINLANDIA盤は番号を書き変えただけでプレスしているようだが、聴き比べたところ、やはり音の鮮度は今回の盤が明らかに上である。(^^)
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn)ほか、フォーレ;P四重奏曲第1番ほか(芬Ondine、LP)
カントロフの未架蔵盤を見つけたのでオーダー。
1985年7月、クフモ室内音楽祭でのデジタル録音である。
共演は、クリスチャン・イヴァルディ(P)、ウラディミール・メンデルスゾーン(Va)、フィリップ・ミュレ(Vc)。
カプリングはサン・サーンス;動物の謝肉祭だが、共通している演奏者はピアニストのみ。パトリック・ガロワ(Fl)の名も見える。
 
モナ・ノルディン(Vn)リリアン・カールソン(P) シェーグレン;Vnソナタ第2番&アウリン;スウェーデン舞曲(瑞FERMAT、LP)
シェーグレンとアウリンのVn曲となると聴きたくなり、オーダー。
1978年にストックホルムで録音されたようだ。

10月12日(金): 

 

ユーリ・トゥロフスキー(Vc) バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(CHANDOS)
某音盤屋のサービス・ポイントが貯まったので、何かないかと探しに行ったら、ちょうどCHANDOSの組物がバーゲン価格で並べられていた。
その中から、バッハ;無伴奏の未架蔵盤を購入。1991年の録音。
トゥロフスキーはモスクワ生まれ、今はカナダに移住してイ・ムジチ・ド・モントリオールを指揮していることで知られている。
 
「1997 ハーモニーの祭典 一般部門BグループI」(BRAIN)
第50回全日本合唱コンクール全国大会の記録CD。
なんと、ステーンハンマル;3つの無伴奏合唱曲が収録されている!
歌っているのは名古屋を本拠に活動している合唱団ノース・エコー。Webpageは→ここを押して
3年前から出ているCDなのだが、つい最近まで気がつかなかった迂闊…!
ステーンハンマルには合唱曲も少なくないが、日本の合唱界ではどの程度知られているのだろうか? こういうディスクが他にもないとは限らない。探さなければ!!
 
ヤン・ラングレン(P)ほか、「ロンリー・ワン」(M&I)
これも某音盤屋(↑とは別)のサービス・ポイントが貯まったのだが、京都の支店はクラシックを扱っていないので、ジャズで気になっていた新譜を購入。
スウェーデンの美音ピアニスト、ラングレン(本来なら「ルンドグレン」だろう)が海峡を渡ってデンマーク・コペンハーゲンで当地のベーシスト(イエスパー・ルンゴー)、ドラマー(アレックス・リール)と共演したCD。
超有名な曲は収められていないが、なかなかに凝った選曲の模様。紙製ジャケットの造りも美麗で、素敵なアルバムに仕上がっている。日本でプロデュースされたCDゆえ、国内盤のみ。

10月10日(水): 

 

フランス・ブリュッヘン(指揮)ブレーメン・ドイツ室内フィル、モーツァルト;交響曲第25番・セレナード第10番(IPPNW)
先だって室内楽を数枚購入した核戦争防止国際医師会議の自主製作盤から、ブリュッヘンの指揮盤を購入。彼の表現は聴き逃せない。
1997年10月10日(ちょうど4年前!)、ベルリン・フィルハーモニー・カンマームジークザールでのライヴ録音。やはり「チェルノブイリの子供たちのために」とある。
オーケストラは↓8日の項に書いた"白面郎君"ハーディングの手兵。
後半の曲はいわゆる「グラン・パルティータ」だが、個々の楽員氏名は表記されていない。
 
ジャン・フルネ(指揮)東京都響、ビゼー;交響曲第1番&ブラームス;交響曲第3番(fontec)
フルネの音盤は買わざるべからず。
ビゼーは2000年5月13日(サントリー・ホール)、ブラームスは2001年6月20日(東京芸術劇場)のライヴ録音。ブラームスは、この3日前に京都で実演を聴いている。
斉諧生的に最も期待しているのはビゼーの第2楽章、Obの可憐な旋律である。
 
レナード・スラトキン(指揮)フランス国立管、デュカス;交響曲ほか(BMG)
デュカスの交響曲は、架蔵しておくようにしている。
これは、新譜で出たときには、何となく買いそびれていたのだが、中古格安で発見したので購入。
同じ作曲家のラ・ペリ ファンファーレと舞踊詩魔法使いの弟子をカプリング。
 
ルノー・カプソン(Vn)ダニエル・ハーディング(指揮)ブレーメン・ドイツ室内管、ミヨー;屋根の上の牡牛ほか(Virgin)
音盤屋では、ソリストよりも指揮者で売り出されている気配のあるCDだが、カプソンは以前シューベルトのCDが出ており、なかなかの美音で良かったので、このフランス曲集も購入。
カプソンは1976年生まれ、パリ音楽院を経て、ブランディススターンミンツデュメイらの薫陶を受けたとか。バイオは→ここを押して
また、来年1月には東京フィルチョン・ミュンフンと共演するようだ。
なお、↑のバイオはアンサンブル・オーケストラ・パリなる団体のWebpageから。シェフをアメリカ出身の実力派ジョン・ネルソンが務めている。
 
マッツ・リドストレム(Vc)ベンクト・フォシュベリ(P) 「スモールガスボード」(Hyperion)
原綴は"Smörgåsbord"、スウェーデン語だが英語の辞書にも載っており、手許のものには「品数の多い立食い式スカンディナヴィア料理」とある(笑)。
要するにビュッフェ形式のバイキング、すなわち小品集のこと。
比較的知られていないものばかり25曲を収める。聴き覚えがあったのはフォーレ;蝶々シベリウス;ロンディーノくらい、それ以外は推して知るべし。
クライスラー;愛の悲しみなど、ラフマニノフの独奏P用編曲に、チェロの自由なオブリガートを重ねるという趣向の凝らしようには驚いた。
最後に演奏されているのがステーンハンマル;アダージョ、op.20-5の歌曲をVcとP用にチェリスト自身が編んだもの。
…ということで、ステーンハンマル全録音蒐集の一環として購入。
リドストレムはストックホルム生まれ、ジュリアード音楽院でレナード・ローズに学び、ロイヤル・フィルの首席奏者等を経て、現在はロンドンの王立音楽院の教授職にあるとのこと。公式Webpageは→ここを押して
ところで、ブックレットの表紙に「ピアソラ」と印刷されているのに、中味に含まれていないのは何故だろう…?
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)コンセール・ラムルー管ほか、オッフェンバック;喜歌劇「ラ・ペリコール」(全曲)(EMI)
マルケヴィッチの遺産として数え落とすことのできない名録音が待望の全曲CD化! しかも2枚組で廉価盤1枚分の価格だから嬉しいかぎり。
以前CD化されていたものはCD1枚70分ほどに抜粋したもの(もちろん主要な音楽はすべて入っているが)、今回は2枚で94分、割愛されていたナレーションも完全収録。これまた嬉しいかぎり。
ここでのマルケヴィッチは、あの神経質そうな風貌からは想像もつかないのだが、底抜けの明るさ・楽しさ・哄笑を見事に音化し、沸き上がる音楽の悦楽を伝えてやまない。
このCDをひとたび耳にするや、ピキーヨが歌う「エスパニョール、ニョ、ニョ、ニョ、ニョ」が、一日中、頭の中で鳴り続けること必定ゆえ、覚悟されたい。(^^;

10月8日(祝): 

 

ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)NHK響、ベートーヴェン;交響曲第2・7番(KING)
N響ライヴ・シリーズの一。
以前、DENONレーベルから出ていたもの(もちろん架蔵済み)の再発というので、買わずにいたところ、「第7番の収録日が違う!」という情報に接し、仰天して買いに走ったもの。
すなわち、DENON盤=昭和59(1984)年3月24日、KING盤=同年3月23日と表記されている。
(なお、第2番は両盤とも同年3月13日で一致。)
ところが…
第1楽章冒頭を聴き比べてみたところ、客席ノイズや演奏上の特徴(というか縦の線の不揃い)が一致し、同一音源と考えられる
また、当時を記憶しておられる方等からの情報を総合すれば、当時もN響定期は2日制で、3月23・24日と同じプログラムが繰り返され(第7番とブラームス;交響曲第1番)、中継用のマイクがセッティングされたのは初日のみだった…とのこと。
要するに、DENON盤の表記が間違っており、それが今回訂正されたということではなかろうか。
 
ダニエル・ハーディング(指揮)ブレーメン・ドイツ室内フィル、ブラームス;交響曲第3・4番(Virgin)
話題のハーディング、これまでのリリースは正直申して今ひとつ食指が伸びなかったが、ブラームスの交響曲ならば聴いてみたいと購入。
CDのジャケットは、前のベートーヴェン;序曲集もそうだったが、指揮者の顔の大写し。色白の美男子っぷりでも売ろうということか、謹んで「白面郎君」(マルC水滸伝)の綽名を捧げん。
なお、ハーディングが芸術監督を務める、このオーケストラの公式Webpageは→ここを押して

 昨日入手した音盤の情報をブーランジェ・作品表とディスコグラフィに追加。
 また、音盤狂昔録平成13年9月分を追加。


10月7日(日): Da Capo Musicなるオーストラリア・シドニーの古書店から楽譜が届いた。

いずれもミニチュア・スコアで、
ストラヴィンスキー;詩篇交響曲
ディーリアス;ブリッグの定期市
同;Vn協
マルタン;小協奏交響曲

 各邦貨1,000円〜2,000円程度、ストラヴィンスキー以外は楽譜店の店頭で見ることも珍しいものだろう。
 なお、上記Webpageには日本語による利用案内のページもある。

 また、Barnes & Nobleからも書籍が届いた。

"The Mercury Labels Vol.IV " (GREENWOOD)

 米MERCURYレーベルのディスコグラフィの第4巻で、1969〜91年のポピュラー音楽と、すべてのクラシック音楽のデータを収めている。
 もちろんパレーのディスコグラフィのデータ用に購入したもので、先日届いたJean-Philippe Mousnier氏の本にも記載されていないモノラル初期録音の日付を知ることができ、貴重な資料である。

 Barnes & NobleからCDが届く。また、ネット上の知人から、素晴らしいSPを拝領した。

ジェラルド・リベイロ(Vn)ヴィクター・ヤンポリスキ(指揮)ノースウェスト大学響、シマノフスキ;Vn協第1番&ラフマニノフ;交響的舞曲(Northwestern University)
Barnes & Nobleを「シマノフスキ」で検索していてひっかかったCD。大学の音楽学部のオーケストラを教授連が指揮し独奏した盤のようだ。
シマノフスキのVn協は、第2番は全点、第1番もなるべく集めておきたいのでオーダーしたもの。
ヴァイオリニストはガラミアンやフェリックス・ガリミールに学び、指揮者はモスクワ・フィルのアシスタント・コンサートマスターやボストン響の第2Vn首席奏者もつとめた人という。
1993年4月の録音。
 
グレゴル・ピアティゴルスキー(Vc)ヴァレンティン・パヴロフスキー(P) リリー・ブーランジェ;夜想曲(日ビクター、SP)
ネット上の知人から拝領したSP。
お話を伺ったときにも驚いたが、現物を拝見して更に仰天した。
「百万ドル・トリオ」のチェリスト、ピアティゴルスキーがブーランジェを録音していたというだけでも大ニュースだと思うのだが、それが日本で録音されたものというのだから驚倒するほかない。
盤面の余白に、"Gregor Piatigorsky 22.X.1936 Tokyo"というサインが彫り込まれているのである。
バイオグラフィによると、この年に彼は初来日したという記録があり、あらえびす野村胡堂先生の『名曲決定盤』にも
昭和11年、軍人会館でピアティゴルスキーを聴いた時、私はその正確な技巧と、濁りのない美しい音に帽子を脱いだ。
と記されているので、この録音はその機会に行われたものだろう。
CDには(LPにも)復刻されていないはずで、非常に貴重な記録であり演奏である。これを発掘され、ブーランジェならば斉諧生へと快くくださった知人に、あらためて深甚な謝意を表したい。<m(_ _)m>
なお、ブーランジェはB面、表にはテッサリーニ;Vcソナタ ヘ長調が収められている。

10月5日(金): 

 音盤屋を覗いて帰ってきたら、amazon.comからCDが届いていた。

ベルンハルト・パウムガルトナー(指揮)ザルツブルク・カメラータ・アカデミカほか、モーツァルト;交響曲第13番・序曲「劇場支配人」ほか(Orfeo)
長くザルツブルク音楽祭を支えたモーツァルテウム音楽院長、パウムガルトナーの生気溢れるモーツァルトは、かねて斉諧生の好むところ。
その新譜が出たとあっては買わざるべからず。
1957年8月4日のライヴ録音。
クララ・ハスキルゲザ・アンダによる2台P協 K.365エリカ・ケートによるアリア2曲をカプリング。
ジャケットには「ステレオ」の表記があるが、聴感上はモノラル。音に硬さがある。
 
ブランディスQ、ナターリャ・グートマン(Vc) シューベルト;弦楽五重奏曲(IPPNW)
IPPNWとは"International Physicians for the Prevention of Nuclear War"、「核戦争防止国際医師会議」と訳される。
ここが開いたチャリティ・コンサートのライヴ録音は、以前、BISレーベルからアンタル・ドラティ指揮のミサ・ソレムニスルドルフ・バルシャイ指揮のショスタコーヴィッチ;交響曲第7番などが出ていた。
直営でCDを出し始めたらしく、今回、大量に音盤屋に並んだ中からめぼしいものを購入。
演奏者はベルリン・フィルの楽員が中心のようで、会場もベルリン・フィルハーモニーの小ホール(カンマームジークザール)となっている。
このシューベルトは、1991年6月23日のライヴ録音で、「チェルノブイリの子供たちとカザフスタンの核実験被害者のために」と銘打たれている。
ブランディスQは、この曲をNimbusにスタジオ録音しているが、それとは異なり、第2Vcにナターリャ・グートマンを迎えている。
 
ライナー・クスマウル(Vn)ヴォルフラム・クリスト(Va)ゲオルク・ファウスト(Vc)ほか ブルックナー;弦楽五重奏曲(IPPNW)
アルノルト・シェーンベルク・トリオという名前でも活動している、少し前までのベルリン・フィルの首席メンバーによるブルックナー。
曲にも惹かれるが、それ以上に、この3人の演奏は聴き逃せないと購入。
マドレーヌ・カルッツォ(Vn)・ターニャ・シュナイダー(Va)を加えている。
1998年12月1日、やはりベルリン・フィルハーモニー・カンマームジークザールでのライヴ録音。
 
シャンドール・ヴェーグ(指揮)マールボロ音楽祭弦楽アンサンブル、バルトーク;弦楽のためのディヴェルティメントほか(BRIDGE)
これはamazon.comから。
「マールボロ音楽祭50周年記念アルバム」と題されたCD2枚組である。
『レコード芸術』10月号の輸入盤情報ページで満津岡信育氏が
弱音器付きの弦の波動ひとつをとっても息をのむような演奏になっていて、
  自然な緩急や抑揚から極めて味の濃い音楽が鳴り響く。
と紹介しておられるのを拝読。
ヴェーグの指揮盤は全点蒐集と思っているので、直ちにあちこちの通販サイトを検索してオーダーしたもの。
1974年7月の収録とブックレットにあるが、斉諧生所蔵のマールボロ音楽祭記録本及びCD-ROMによれば、7月27日の演奏と知れる。同音楽祭50年の歴史の中で、この曲はこの1回しか演奏されていないようだ。
弦楽合奏には塩川悠子ユージン・ドラッカー(以上Vn)、キム・カシュカシアン(Va)らの名前がある。
ブックレットの終わりに掲載されている、ヴェーグの指揮姿の写真も気迫に溢れたもので素晴らしい。
バルトーク以外では、
セシル・リカド&ミエチスラフ・ホルショフスキ(P) ベートーヴェン;四手のための3つの行進曲op.45(1979年7月7日)、
ピーナ・カルミレッリ(Vn)が率いたヴェルディ;弦楽四重奏曲(1969年8月16日)、
ジークフリート・パルム(Vc)が支えるクルターク(1997年8月)やリゲティ(1996年8月)などが目立つ。

10月2日(火): 

 amazon.ukDirect-To-Tape RecordingからCDが届いた。

チャールズ・グローヴズ(指揮)BBC響、ドヴォルザーク;交響曲第9番ほか(BBC Music)
グローヴズは好きな指揮者ではあるのだが、あまり熱心に買い集めてはいなかった。
新譜の時にはあまり考えずに見送っていたのだが、『名指揮者120人のコレを聴け!』(洋泉社)を読み返していると竹内貴久雄氏が
リラックスした気分が満載された幸福なひとときが聴かれる。
 グローヴズの人間性にあふれる暖かさが最大の魅力だ(後略)」
と絶讃しておられ、慌てて捜したが見つからなかった。
最近、「後生畏るべし」KUMOさんが入手され、御自身の掲示板に「素朴さが魅力的な期待通りの名演」と書いておられたので、あらためて探してみたところ、英アマゾンで見つかったので即オーダー。
米独に比べればイギリスのサイトは一般的に送料が安いので、こういうときには助かる。
1975年6月16日、演奏旅行先の東京武道館(!)でのライヴ録音。
同日に収録されたスラヴ舞曲 ホ短調と、前年のプロムスにおける交響的変奏曲をカプリング。
 
マイケル・ステアーズ(Org) ディーリアス;Org編曲集(DTR)
ようやく見つけた!
先年、『レコード芸術』の輸入盤情報ページで見て以来、聴いてみたくて聴いてみたくてしようがなかったのだが、ついぞ音盤屋や通販サイトで見かけたことがなかった。
このあいだ、ふらふらWWWをサーフしていたときに、偶然、レコード会社の公式Webpageをみつけ、オンラインでオーダーしたもの。
いずれも有名な管弦楽曲のオルガン編曲で、
夜明け前の歌そり乗り二つの水彩画「イルメリン」前奏曲「フェニモアとゲルダ」間奏曲春初めての郭公を聴いて「ハッサン」セレナード「村のロメオとジュリエット」楽園への道等々、ディーリアス好きにはこたえられない曲目が並ぶ。
オルガニストは、ムーティ時代からフィラデルフィア管としばしば共演し、1993年5月にサントリー・ホールのオルガンを弾いてサヴァリッシュR・シュトラウス作品をEMIに録音したこともある…とブックレットにあるが、そんなCDがあっただろうか?
EMIからCDが出ているサヴァリッシュ&フィラデルフィア管「ツァラトゥストラはかく語りき」は、たしかにステアーズのOrg独奏ではあるが、1996年4〜5月のニュージャージー州コリングズウッドでの録音となっている。
 
チャールズ・アブラモヴィッツ(P) ディーリアス;P作品集(DTR)
↑のOrg編曲集をオーダーするついでに、あまりCDが出ていないP作品集も購入。
3つの前奏曲5つの小品ハープシコードのための舞曲の他、世界初録音の小品や、春初めての郭公を聴いて夏の庭で「フロリダ」組曲(抜粋)のピアノ編曲を収録している。
なお、DTRレーベルは、"Direct-To-Tape Recording"の名のとおり、マイクは2本のみ、イコライジングや圧縮は一切、行わない…というポリシーで製作しているとのこと。

10月1日(月): 

 音盤屋を覗いて帰ってきたら、Swedish Music ShopからCDが届いていた。

ヘルベルト・ブルムステット(ブロムシュテット)(指揮)NHK響、ニルセン;交響曲第3・4番(KING)
N響ライヴのうち、一昨日買えなかったものを購入。ブルムステットのニルセンは買い逃せない。
第3番は1998年10月14日の、第4番は1988年10月7日の、NHKホールでの収録。
ブルムステットとN響といえば、学生時代にエルガー;Vc協(独奏;ヨーヨー・マ)&ブラームス;交響曲第1番という演奏会を聴いた。
NHKホールの3階席で、とにかく音が遠くて頼りなく、演奏の内容にまで気持が届かなかった…という記憶しかない。(汗)
 
ペーター・ツァバ(指揮)ムジカ・ヴィタエ、バルトーク;ディヴェルティメント&ヤナーチェク;牧歌ほか(CAPRICE)
北欧の弦楽アンサンブルで注目しているムジカ・ヴィタエの未架蔵盤をオーダーしたもの。バルトークのこの曲は好きなので、なるべく集めるようにしているので。
指揮者はハンガリー出身で、ヴァイオリニストでもあり、仕上がりに期待したい。この曲は、ヴィルトゥオージ・ディ・クフモを指揮したONDINE盤もあり、得意のレパートリーなのであろう。
ヴァイネル;ディヴェルティメント第1番をカプリング。Swedish Music Shopから届いたもの。
 
ラファエル・オレグ(Vn)ソニア・ヴィダー・アサートン(Vc) ラヴェル;VnとVcのソナタほか(BMG)
先日、電網四方八通路公式Webpageを掲載したヴィダー・アサートンの未架蔵盤を店頭で見つけたので購入。
グリエール;8つの二重奏曲
ハルヴォルセン;ヘンデルによるパッサカリア
シュルホフ;二重奏曲
をカプリング。
そういえば、この二人はコダーイマルティヌーをカプリングしたCDも出していた。また入手せねば…。
 
ペーター・グッリン・トリオ、「テンダーネス」(DRAGON)
Swedish Music Shopから届いたもの。最近では珍しくジャズのCDである。
サクソフォン(テナー又はバリトン)、ギター、ベースによる若い団体で、1992年に録音した全15曲のアルバム。
そのうち1曲が、ステーンハンマル;メロディ 5つの歌(遺作)よりなので、蒐集せざるべからずとオーダーしたもの。
 
「アート・オブ・ヴァイオリン」(ワーナーヴィジョン、DVD)
話題のDVDを購入。収録時間約113分とある。
とにかく、動くジネット・ヌヴーが見られるというだけでも買わねば…と思わされる(ショーソン;詩曲の結尾部分。残念ながらサイレントで、音は既存の音源から流用したものとか)。
その他、シゲティがハリウッド映画に出演してドルドラ;思い出なぞを弾いていたり、神童時代のマイケル・レビンがTVショーで「中国の太鼓」を弾いていたり。
アメリカで活躍した・有名だった人が中心になるのはやむを得ないところか。
エルマンハイフェッツミルシテインスターンフランチェスカッティメニューインオイストラフコーガン 等々。。。
中でもオイストラフショスタコーヴィッチ;Vn協第1番のカデンツァを弾いている映像は見もの。
コメンテーターとしてメニューインギトリスパールマンヒラリー・ハーンを起用して、記録映像の合間に彼らのインタビューを挟んでいくという構成になっている。
斉諧生的には、「魔人」ギトリスのコメントが興味津々。

平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。

平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。

平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。

平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。

平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。

平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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