音盤狂日録


8月31日(日): 滞っていた音盤狂日録の記事を書き上げました。特に、指揮者・宇野功芳の執筆に没頭していた23日(土)に届いた分を書き漏らしておりましたので、そこまで遡っていただければと存じます。


8月30日(土): 

 

石川静(Vn) 飯森範親(指揮) ヴュルテンベルク・フィル
メンデルスゾーン;Vn協 & ブルッフ;Vn協第1番 ほか(EXTON)
長くチェコで活躍する石川さん久々の協奏曲録音。昨年末だったか新譜で出たときにも気になったのだが、フルプライスでは手を出しづらかったところ、某オークションで安く落札できた。
ヴュルテンベルク・フィルは飯森の手兵、こういう比較的マイナーな団体には興味を惹かれる。
ベートーヴェン;ロマンス第2番をフィルアップ。
2002年1月、オーケストラの本拠地、ロイトリンゲンでの録音。
 
ローラ・ボベスコ(Vn) ジャック・ジャンティ(P)
モーツァルト;Vnソナタ集 vol.1(日テイチク、LP)
ボベスコの音盤で買いそびれていた1枚が某オークションに出品されていた。
このヴァイオリニストのアイテムは、ややもすると競り上がることが多いのだが、幸い廉価で落札できた。
イ長調 K.402ハ長調 K.403変ホ長調 K.481を収録している。
ジャケットには1981年1月録音と表記されているが、3カ月後の発売というのは、当時としては(今でも)猛スピード。
ボベスコは、1980年に初来日を果たしたばかりで、まだ一部でしか知られていなかった(もちろん、その「一部」が熱狂していたのだが)。そんな異例の扱いを受けるようなアーティストではなかったので、この日付については疑問がなくもない。聴感上も、アナログ末期というより初期から中期のものを思わせる、レンジの狭い音である。
LIBERO原盤、1981年4月に発売された国内盤LPで、全4枚からなる選集の第1巻という。
程なくリリースされた第2巻のみ(たしか中古で)購入しているが、第3・4巻については発売された記憶がない(少なくとも国内では)。諸賢の御教示を賜れれば幸甚に存じます。

8月29日(金): 

 

ジャン・フルネ(指揮) プラハ響 ほか
フランク;交響詩「プシシェ」(Supraphon)
1960年代半ば、フルネがチェコスロヴァキア(当時)で録音した数点の音盤の一。
「プシシェ」は好きな曲でもあり、どうしてこれを買い逃していたのか不思議なのだが(東欧のオーケストラというので敬遠したのかもしれない)、某オークションで見つけて、存在に気がついた。
最初の出品は落札し損ね、二度目でようやく入手できたもの。
1964年12月プラハでの録音、合唱はチェコ・フィルハーモニー合唱団
これを書きながらWebを検索してみたら、なんと浮月斎さんのコメントがあった。
通例、フランクに展開されがちな重厚・濃密なフレームから離脱し、清澄・繊細な世界すら開示しており、そもそもが数の少ないフランクの管弦楽作品音盤上、屈指の録音と言っても過言ではない。
と絶讃しておられる。
当然、公開当時に拝読していたはずなので、これでどうして買い逃したのか、ますます不思議。もう1枚のフランク;交響詩集も、早く手に入れねば…。

8月28日(木): 

 

イヴァン・フィッシャー(指揮) ブダペシュト祝祭管
モーツァルト;交響曲第39番 ほか(HUNGAROTON)
中古音盤屋を覗いてみると、フィッシャー & ブダペシュト祝祭管の初期録音(1989年)が出ていたので、これ幸いと購入。モーツァルト録音があるとは知らなかった!
いつも書いているとおり、レコード会社や来日公演のマネージメントが、彼らに「お国もの」しか求めないのは、非常に残念である。
第19・26番をカプリング。他の曲は録音していないのだろうか? また捜してみたい。
 
ウラディーミル・ジヴァ(指揮) モスクワ響
グラズノフ;組曲「ショピニアーナ」 ほか(NAXOS)
愛惜佳曲書に掲げた軍隊ポロネーズを含む4つのショパンのピアノ曲を、グラズノフが管弦楽編曲したもの。
第1曲が上記ポロネーズ(op.40-1)、第2曲;夜想曲(op.15-1)、第3曲;マズルカ(op.50-3)、第4曲;タランテラ(op.43)という構成。
手元のスコアには、マズルカとタランテラの間にワルツ(op.64-2)が置かれているが、この曲を収録していないことについてはブックレット等に記載がない。
2000年2月、モスクワでの録音、グラズノフの管弦楽作品5曲をカプリング。
 
ヤン・ルングレン(P) ほか
「ブルー・ライツ」(Marshmallow)
CATFISH RECORDSというジャズ専門店から頂戴しているメールマガジンで、斉諧生御贔屓のジャズ・ピアニスト、ルングレン(ラングレンとも)の新譜情報に接し、急ぎオーダーしたもの。
レーベルの公式Webpageが「国内出荷枚数完全限定」とうたっているので慌てさせられたが、近隣の音盤店にもちゃんと入荷しているようだ。
イェスパー・ルンゴー(ベース)、アレックス・リール(ドラム)との共演で、「ストレンジャー・イン・パラダイス」等、11曲を収録している。
2003年1月、コペンハーゲンでの録音。

8月26日(火): 

 

イヴァン・フィッシャー(指揮) ハンガリー国立響
メンデルスゾーン;交響曲第4・5番(HUNGAROTON)
イヴァン・フィッシャー(アダムの弟)は、間違いなくハンガリーの名指揮者の系譜に連なるだろう人として、かねて注目している。
某オークションで、初期の録音(1983年?)が出ており、曲も好きな「宗教改革」なので、落札したもの。
まだブダペシュト祝祭管を発足させる前だったのか、フェレンチク治下の国立響を指揮している。
 
サカリ・オラモ(指揮) バーミンガム市響
シベリウス;交響曲第6・7番 & 交響詩「タピオラ」(ERATO)
オラモのシベリウス・チクルス、残っていた第6・7番がリリースされたので早速購入。
8番目の交響曲とも目される「タピオラ」をカプリングしているのは、後期シベリウスのファンとしては嬉しい限り。
2003年1月、バーミンガム・シンフォニー・ホールでの録音。
このチクルス、「クッレルヴォ」まで発展するのだろうか?
 
ヴィクトリア・ムローヴァ(Vn) ネヴィル・マリナー(指揮) ASMF
メンデルスゾーン;Vn協ホ短調 & ニ短調(Philips)
ムローヴァの録音が気になりだしているのだが、少し前のものは廃盤か品切れかで、意外に入手が難しい。
この1990年録音のメンデルスゾーンは、某オークションで輸入盤が出品されていたので落札した(もっとも輸入盤は輸入盤でもアメリカ・プレスだったので少しガックリ)。
演奏について、国内盤新譜で出たとき(1991年)、『レコード芸術』宇野功芳師が、
演奏自体が極上の香水のように薫っている
いじらしいまでに繊細な共感ぶり
すきとおるようなピアニッシモの幻想美
等と、いわゆる「宇野節」満開で評しておられる。どのようなヴァイオリンが聴けるのか、興味津々である。
 
マックス・ロスタル(Vn) コリン・ホースリー(P)
シューベルト;幻想曲 & シューマン;Vnソナタ第1番 ほか(SYMPOSIUM)
大好きな標記シューベルト作品の歴史的名演として有名なロスタル盤が、某オークションに出品されていたので落札。
元来はEMIからLPで出ていた音源(1955年録音)を、SYMPOSIUMがライセンスを得て覆刻・発売したもの。
更にドビュッシー;Vnソナタストラヴィンスキー;デュオ・コンチェルタントをカプリングしている。
…と書いたところで、前に新星堂から「シューベルト 名演の遺産」として覆刻されたCDを架蔵しているのに気づいてしまった。(汗)
音質も、そちらの方が良好である。SYMPOSIUM盤も悪いわけではないが、もしかしたら「板起こし」かもしれない。
なお、新星堂盤の解説によれば、ロスタルは1905年シレジア(現ポーランド、当時はハプスブルク帝国領)生れ。ウィーンでアーノルト・ロゼーに、ベルリンでカール・フレッシュに学んだ。
1934年、ナチスに追われてイギリスに逃れ、戦後、ギルドホール音楽院、ケルン音楽大学、ベルン音楽院等の教授として多くのVn奏者を育てた。

8月25日(月): 

 

ハンス・ロスバウト(指揮) バーデンバーデン南西ドイツ放送響
ベートーヴェン;交響曲第7・8番(ORIGINALS)
ロスバウトの未架蔵盤が某オークションに出品されており、落札したもの。
イタリア製、エアチェックをCD化したものと推測される。
第8番は、昨年、hänsslerレーベルから正規音源が発売されたが、第7番は今のところこれが唯一の音盤である。
ジャケットには、"Live "Recordings: Baden-Baden 1950's" とあるが、エヴァンスのディスコグラフィには、第7番は、1962年9月10〜12日の録音のみが掲載されている。
また、第8番については、1956年11月10・12日と1961年6月23・24日の2つの録音が掲載されている。hänssler盤は後者とのこと。
このORIGINALS盤も1961年の音源とする資料があるが、少し聴き比べたところ、どうもhänssler盤とは違う演奏のような気がする。ORIGINALS盤の方が、全体に速めのテンポをとっている感じだ。もちろんテープ速度の問題等があり、簡単には結論づけられないが。
 
エマニュエル・クリヴィヌ(指揮) シンフォニア・ヴァルソヴィア
モーツァルト;歌劇序曲集(DENON)
このところ蒐集に励んでいるクリヴィヌのDENON盤を某オークションで落札。
「後宮」「フィガロ」「ドン・ジョヴァンニ」「コシ」「魔笛」といった有名曲に加え、「エジプト王ターモス」の幕間音楽「皇帝ティートの慈悲」といった比較的珍しいものも演奏している。
1990年ワルシャワ、ショパン・アカデミーでの録音。

8月24日(日):  50万アクセス記念企画として、ページのデザインを全面的に改訂しました。ディスプレイ画面の大きさによっては、少し見づらいかもしれませんが、御容赦ください。<(_ _)>
 もし、リンク切れやブラウザの違いによる不具合等がございましたら、御遠慮なくお知らせください。

 50万アクセス記念企画第2弾として、これまでメニューしかなかった倭匠列伝の最初のコンテンツ、指揮者・宇野功芳を公開しました。ディスコグラフィ実演記録レコードコンサート曲目一覧がございます。
 ただし、評論家・宇野功芳については、あまり書いておりませんので、あしからず。<(_ _)>


8月23日(土): 

 休日のこととて、あちらこちらから荷物が届く。中でもBerkshire Record Outletは久しぶりに利用したもの。

エマニュエル・クリヴィヌ(指揮) シンフォニア・ヴァルソヴィア
モーツァルト;交響曲第23・28・35番(DENON)
クリヴィヌのモーツァルトをあちらこちらで捜していたところ、Berkshire Record Outletで、「ハフナー」ほかの1枚を発見。これは今回のオーダーの目玉の一つ。
CD本体は日本プレス、欧文のみのブックレットも日本製、アウトレット独特の穴や鋸跡も皆無、お買い得といえよう。
1990年8月、ワルシャワでの録音。
 
オズヴァルト・カバスタ(指揮) ミュンヘン・フィル
ブルックナー;交響曲第4番(PREISER)
カバスタの「ロマンティッシュ」、PREISER盤がBerkshire Record Outletにあったのでオーダー。
何度も間違えて第7番を買ってしまったことがあるので、アウトレット価格で買えて少しは救われたような気がする。
1943年6月30日の録音。前月にアフリカ戦線で独伊軍が降伏、翌7月には連合軍がシチリア島に上陸するという時期である。
 
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮) ヒューストン響
ブルックナー;交響曲第6番(KOCH)
前に某オークションで競り負けた盤が、Berkshire Record Outletに出ており、シメシメとオーダーしたもの。
1999年4月ヒューストンでの録音だが、エッシェンバッハにはシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭管を指揮したライヴ盤もある(1988年、EURODISC)。よほど好きなのだろうか。
この曲からブルックナーに手をつける指揮者は多いものの、たいてい結果が芳しくない。そういう人に限ってマーラー指揮者として有名だったりする。
この「法則」、斉諧生の僻目かもしれないが、どうだろう?
 
ジェフリー・テイト(指揮) ロッテルダム・フィル
ブルックナー;交響曲第9番(EMI)
某オークション・サイトを物色していたときに見つけたCD。
そういうと未架蔵だったと、廉価でもあり、オーダーしたもの。もっとも届いた品は"RED LINE" シリーズの廉価盤だったので、ちょっと落胆。
1990年3月の録音。
この指揮者、最近新録音の情報等もないけれど健在なのかしらと思って、Webで検索してみたら、来年3月に読売日響に来演、エルガーブリテンを振るようだ。まずは目出度し。
 
ゲルト・アルブレヒト(指揮) 読売日響
マーラー;交響曲第9番(読売日響自主製作)
その読売日響の自主製作盤が某オークションに出品されていた。曲が曲なので、ぜひ聴いてみたいと思い、落札したもの。
斉諧生は関西にいるのでよく判らないのだが、定期会員向けの特典か何かだったのだろうか? ブックレットに「読売日本交響楽団第7代常任指揮者ゲルト・アルブレヒト就任記念」と刷り込まれている。
1997年12月13日、サントリー・ホールでのライヴ録音、スタッフはCANYON時代の江崎友淑氏。
 
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮) ストックホルム・フィル
ニルセン;交響曲全集(CHANDOS)
先日宮城谷昌光 『クラシック 私だけの名曲 1001曲』を読んでいると、ニルセンの交響曲に関しては当盤がスタンダードとして扱われている様子だった。
Berkshire Record OutletでCHANDOSが多数出ているというので検索してみると案の定CD3枚組が約12ドル、これはお買い得とオーダーしたもの。
ただし、オリジナルの形態ではなく、"enchant"という廉価再発シリーズだった。
1992〜94年、ストックホルム・コンサート・ホールでの録音。
 
ズデニェク・コシュラー(指揮) チェコ・フィル
ショーソン;交響曲 & ルーセル;バレエ音楽「蜘蛛の饗宴」(Supraphon)
標記両曲とも見れば買っている愛惜の作品、これまで買いそびれていたコシュラー盤がBerkshire Record Outletに出ていたのでオーダー。
原盤はSupraphonだがCD本体・ブックレットとも日本製(DENON)。
あろうことか、ブックレットは表紙以外のページがすべてモーツァルト;P四重奏曲集のものだったので唖然。
1982年9月、プラハ「芸術家の家」での録音。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(指揮) アンサンブル・オーケストラ・ド・パリ
ショーソン;劇音楽「聖チェチリアの伝説」・劇音楽「テンペスト」(EMI)
Berkshire Record Outletでカントロフを検索してみたら、彼の指揮盤が出てきたのでオーダー。
ショーソンの何とも珍しい作品なので、どういう音楽が聴けるのか興味津々。
1994年9月パリ、サル・ワグラムでの録音。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) ジャン・ピエール・ワレーズ(指揮) アンサンブル・オーケストラ・ド・パリ ほか
バッハ;三重協 ほか(EMI)
上記ショーソン盤同様、Berkshire Record Outletをカントロフで検索して出てきた未架蔵盤をオーダーしたもの。
もっともブックレットのカバー写真にカントロフは顔を見せていない。
ミシェル・ベロフジャン・フィリップ・コラールガブリエル・タッキーノブルーノ・リグットといった、4人のEMI系フランス人ピアニストが並んでいる。
収録曲は、
三重協奏曲 BWV1044(コラール(P)、カントロフ(Vn)、フィリップ・ベルノルド(Fl))
P協 BWV1054(タッキーノVn協第2番 BWV1042からの編曲)
P協 BWV1057(リグットブランデンブルク協第4番からの編曲)
P協 BWV1058(ベロフVn協第1番 BWV1041からの編曲)
1993年11月パリ、サル・ワグラムでの録音。
なお、当盤と上記ショーソンで演奏しているアンサンブル・オーケストラ・ド・パリには、公式Webpageがある。
 
エドゥアルド・グラッハ(Vn) キリル・コンドラシン(指揮)モスクワ・フィル
ブラームス;Vn協(TALENTS RUSSIA)
某オークション・サイトを物色していて見つけたもの。
グラッハ(英字綴りはGrach、ロシア語の発音は未確認)はオデッサ出身、モスクワ音楽院でヤンポリスキーに学んだというから、ダヴィード・オイストラフと同じコースを歩いたことになる。
1950年代前後に国際的な音楽コンクールに入賞、1960年代初め、若手音楽家から選抜して得意の曲目を録音させるプロジェクトが企画されたところ、グラッハに白羽の矢が立ったとのこと。
1961年という以外にデータが明らかではないが、当時としては悪くないステレオ録音である。
 
ピンカス・ズーカーマン(Vn & Va) マーク・ナイクルグ(P)
シューマン;Vnソナタ第1・2番 ほか(BMG)
Berkshire Record Outletで、あれこれ検索していたところ、大好きなシューマンの第2Vnソナタの未架蔵盤を見つけたのでオーダーしたもの。
1992年4〜5月、ニューヨークで録音されたCD2枚組で、ズーカーマンがヴァイオリンとヴィオラを持ち替えて、シューマンの弦楽器作品を演奏している。
1枚目に2曲のソナタ、2枚目には幻想小曲集(op.73)、3つのロマンス(op.94)、おとぎの絵本(op.113、ヴィオラによる)を収める。
 
ニコラス・チュマチェンコ(Vn)
パガニーニ;奇想曲(EDELWEISS)
先だってリンク集に掲載したCD試聴記を拝読していて、気になった音盤の一つが、このチュマチェンコ。
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータは、あちこちの通販サイトで検索してもヒットしなかったり、メーカー品切れで返ってきたりで、まだ入手できないが、パガニーニがBerkshire Record Outletにあったのでオーダーしてみた。
チュマチェンコはロシア人の両親の元にポーランドで生まれ、アルゼンチンで育った。南カリフォルニア大でハイフェッツのマスタークラスに出席、更にカーティス音楽院でエフレム・ジンバリストに学んで1967年に卒業。その後はスイスに移住、フライブルクで教職にあるとのこと。たしか先年、来日公演があったように思う。
Webで検索してみたところ、1966年のチャイコフスキー・コンクールで4位に入賞している。
この年のヴァイオリン部門は、1位;ヴィクトル・トレチャコフ、2位;潮田益子オレグ・カガン、3位;オレグ・クリサ佐藤陽子と、豊作だったようだ。
また翌1967年のエリーザベト王妃コンクールでも第7位になっているが、第1位;フィリップ・ヒルシュホーン、第2位;ストイカ・ミラノヴァ、第3位;ギドン・クレーメル、(中略)、第6位;ジャン・ジャック・カントロフと、けっこう不運な感じがする。
1982年録音というから、デジタル初期のもの。
 
ジル・アパップ(Vn) エリック・フェラン・ンカオウア(P)
ドビュッシー;Vnソナタ & ラヴェル;Vnソナタ & エネスコ;Vnソナタ第3番(Apapaziz)
どこから辿り着いたのかもう思い出せないのだが(汗)、先日ネットサーフ中に、このヴァイオリニスト(原綴 Gilles Apap)の公式Webpageを見つけた。
トップページからして御覧のとおりの怪しさ! 本人の責任ではないのだが某教祖を想起せずにはいられない。
それでもディスコグラフィのページにエネスコの第3ソナタを収めた盤があり、この曲を録音しているのならば聴いてみたいとオーダーしたもの。
アンケート・フォームからカード番号等を送信する式だが、セキュア・モードがかかっているので、まあ安心である。
CDのブックレットにもまとまったバイオはなく、断片的な記事からわかるのは、次のような履歴である。
1963年アルジェリア生れ、フランスで育つ。子どもの頃、メニューインの演奏を聴いてヴァイオリンを志した。メニューインには長じてから直接の薫陶を受けるようになった模様。1985年、メニューイン・コンクールで現代音楽演奏賞を獲得したとのこと。
早くから民族音楽に多大の関心を持ち、度々インドを訪れている。現在はカリフォルニア、サンタ・バーバラに住む。
ピアニストも両親は北アフリカ出身とのこと、姓は原綴"N'Kaoua"(発音には自信なし)。
ジャケットに示されている収録曲は標記の3作品だが、実際のCDにはもう1つトラックがあり、1分半ほどの小品が収められており(曲名不詳)、ますます怪しさを高めている(笑)。
 
田中信昭(指揮) 三重県合唱連盟 ほか
柴田南雄;三重五章 ほか(MASS)
先日、Webで柴田南雄先生のことを調べているときに、このCDの情報を見つけた。
先生のシアターピース作品集とあらば聴かざるべからずと、ジョヴァンニにオーダーしたもの。
1994年10月23日、「第9回国民文化祭」の一環として行われた「合唱の祭典」(三重県総合文化センター)のライヴ録音。
国民文化祭は、あまり知名度は高くないが、スポーツ分野での国民体育大会に相当する、文化芸術分野での国家的イベントである(文化庁所管)。
国体同様、都道府県持ち回りで開催されており、この年は三重県で行われた。会場が10月7日にオープンしたばかりだったというあたり、施設建設盛んなりし時代を感じさせる。
標記「三重五章」は記念委嘱作品の初演で、作曲者も臨席しておられたようだ。
演奏時間約40分、「鈴鹿馬子歌」に始まり、続日本紀の伊勢国関係記事の朗読、伊勢国にちなんだ万葉集歌、県内各地のわらべ歌等々を素材に構成されている。先生得意のパターンといえよう。
更に北越戯譜(飯倉貞子(指揮) アンジェルス児童合唱団)、銀河街道(抄)(柘植洋子(指揮) 多治見少年少女合唱団)が演奏されている。
 
田中信昭(指揮) 合唱団「うたおに」 ほか
柴田南雄;合唱曲「みなまた」 ほか(ONION)
柴田作品の未架蔵音源蒐集、続く。
これもジョヴァンニにオーダーした、合唱団の自主製作盤。上記CD同様、三重県の団体である。
コダーイ;マトラの風景(これのみ羽根功二(指揮))、一柳慧;子供の十字軍・原っぱをフィルアップ。
1995年7月9日、三重県総合文化センター大ホールでのライヴ録音。
 
サルヴァトーレ・アッカルド、ピエール・アモイヤル(Vn) ほか
チャイコフスキー;弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」(日コロムビア、LP)
某オークション・サイトでアモイヤルの未架蔵盤が出品されていたので落札したもの。
1973年11月、ナポリ国際音楽祭(スカルラッティ協会室内楽コンサート)でのライヴ録音とのこと。
標記2人以外には、ディノ・アショッラルイジ・ビアンキ(Va)、アラン・ムニエクラウス・カンギーサー(Vc)といった名前が並んでいる。

8月22日(金): 

 

ニコラウス・アーノンクール(指揮) ウィーン・フィル
ブルックナー;交響曲第9番 ほか(BMG)
話題盤、アーノンクールのブルックナーが入荷していたので購入。
2002年8月14〜20日、ザルツブルク祝祭大劇場でライヴ収録されたもので、ベンヤミン・グンナー・コールス校訂版(2000年)による世界初録音とのこと。
SACDとのコンパチブル・ディスクとなっている。
2枚組で、もう1枚は、未完成の第4楽章の復元版(断章)を、アーノンクールが解説しながら演奏する「ワークショップ・コンサート」の録音。
アーノンクールがドイツ語で喋っているものと英語のものと、2とおりの音源が収録されている(それぞれ約35分)。
 
鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ
モーツァルト;セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 ほか(TDK)
ずっと買ってきているOLCの新譜が出ていたので購入。
これまでは演奏会のライヴ録音を次の演奏会時に発売するというパターンだったが、これは2003年5月にスタジオ収録(三鷹市芸術文化センター「風のホール」)したものを、同じ曲目の演奏会(8月19日、浜離宮朝日ホール)に合わせて発売したものらしい。
また、若松夏美、高田あずみ、荒木優子、竹嶋祐子(Vn)、森田芳子(Va)、鈴木秀美(指揮 & Vc)、西澤誠治(Cb)の7人による弦楽アンサンブル編成というのも初めて。
収録曲は、標記のほかディヴェルティメント K.136〜138アダージョとフーガ K.546
食傷された『周知の名曲』が、ガット弦の暖かい音色とオリジナル楽器の澄んだハーモニーによって、再び『不朽の名作』として響いてくれることを願って」という意気込みを買いたい。
 
ソニー・ロリンズ(サキソフォン)ほか
「サキソフォン・コロッサス」(VICTOR)
モダンジャズ史上の最高傑作とも言われるアルバム。
もう20年近く前のことだが、これに「モリタート」として収められた「マック・ザ・ナイフ」(独語題「メッキー・メッサー」)でヴァイル;三文オペラへの関心を持つようになったもの。
また、それまで骨董品と思っていたモノラル録音に、いかに素晴らしい音が刻まれているのかに気づいたのも、この演奏からだった。
ずっと国内盤LPを買ったきりだったが、某オークションでXRCD盤が安く出ていたのを機に落札したもの。
1956年6月の録音ながら、最新のものと聴き紛う素晴らしい音色に、あらためて感動。

8月21日(木): 

 

ガブリエル・カスターニャ(指揮) ベルリン響
ヒナステラ;パブロ・カザルスの主題によるグローセス ほか(CHANDOS)
ヒナステラの傑作(と斉諧生は思っている)の新譜がリリースされたので早速購入…と思いきや、なんと、かつてDeutsche Schallplattenレーベルから出ていた音源の再発であった(怒)。
もちろん、この顔触れと曲目は記憶していたので、ジャケット裏面にマルP・マルC2003年の記載があるのを確認し、新録音と思って買ったのだが、中を見ると1994年録音という。
たしかにCHANDOSの公式Webpageには録音年の情報も掲載されているのだが、う〜ん、せめて輸入代理店がちゃんと既出音源である旨をアナウンスすべきではないのか。
なお、序曲「ファウスト・クリオロ」(op.9)、パンペアーナ第3番(op.24)、バレエ組曲「エスタンシア」(op.8a)をカプリング。
 
シルヴィア・マルコヴィチ(Vn) ヨエル・レヴィ(指揮) モンペリエ国立管
ニルセン;交響曲第1番 & Vn協(Accord)
これはamazon.frから。ニルセンのVn協の新録音というのでオーダーしたもの。
マルコヴィッチは、1972年6月14日に行われたストコフスキーのロンドン・デビュー60周年記念コンサートのライヴ盤で登場した人なので、もう30年以上のキャリアがあるわけだが、1952年ルーマニア生れというから、まだまだ壮年に属することになる。
2001年11月9日のライヴ録音。
 
ピエール・アモイヤル(Vn) フリーデマン・ライアー(指揮) モンペリエ国立管 ほか
ケーリンク;交響曲第3番 & Vn協 ほか(Accord)
アモイヤルの新録音ゆえ聴かざるべからずとamazon.frにオーダーしたもの。
ルネ・ケーリンクは1940年アルザス生れ、ストラスブールの音楽院でピアノやオーボエも学んでいたが、ブーレーズの勧めによりダルムシュタットでマデルナに師事、作曲の道を進むことになった。
1965年頃から各地の音楽祭で作品が演奏されるようになったというから、かなりのベテランである。作風もその時期の色濃い、今となっては古風なもののように思える。
現在、モンペリエ国立管の音楽総監督を務めているとのこと。
収録曲は、
交響曲第3番「ヨナ」(1999年作曲、2000年改訂)(2000年9月19〜24日録音)
Vn協(1992年作曲、初演もアモイヤル。1996年第2版、2000年第3(最終)版)(2000年5月19日ライヴ録音)
「アイガイオーン ヤニス・クセナキスの追憶に」(2001年6月12〜16日録音、これのみルネ・ボスク(指揮))
 
クリスティネ・ボジョ(Vc) アントン・クエルティ(P)
フランク;Vcソナタ & ヴィエルヌ;Vcソナタ ほか(DOREMI)
偶々音盤店の新譜コーナーで見つけたもの。ヴィエルヌのソナタは買い逃せない。
チェリストはブダペシュト生れ、モントリオール育ちで現在はトロント在住。シュタルケルグリーンハウスに学び、トロント響等のオーケストラに在籍する一方、独奏活動やユース・オーケストラの創設と指揮なども行っているという。
ピアニストはその配偶者、むしろ彼の方が名の知れた人だろう。
2002年3月19・20日、トロントでの録音。収録の様子はカナダCBCテレビのドキュメンタリー番組でも取り上げられたと特記されている。
クエルティ作曲の小品「マゴグ」をフィルアップ。
 
アマディンダ・パーカッション・グループ & ゾルタン・コチシュ(P)
ケージ;「4分33秒」 ほか(HUNGAROTON)
以前、HUNGAROTONレーベルからケージの打楽器作品集(3枚)が非常に良かった、アマディンダ・パーカッション・グループの未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札。
打楽器曲では古典ともいえるヴァレーズ;イオニザシオンチャベス;トッカータのほか、ケージの作品4曲を収めている。
そのうちの1曲が標記「4分33秒」で、もちろん、聴こえてくるのは鶏鳴や鳥の鳴き声、虫の羽音といった、微かな戸外の物音である。ブックレットには、録音場所として「ベルジェニ山地」と記されている。
ブックレットには、「初演の演奏時間を厳守し、30秒・2分23秒・1分40秒の3つの楽章によった。すべての楽章はアタッカで演奏される。」と、麗々しく記されている(笑)。
ヴァレーズとケージ作品の一部で、コチシュのプリペアド・ピアノが加わる。
1988年の録音。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) コンセール・ラムルー管
ベートーヴェン;序曲集(独DGG、LP)
マルケヴィッチの未架蔵LPを某オークションで落札。
序曲「コリオラン」序曲「エグモント」序曲「フィデリオ」序曲「レオノーレ」第3番序曲「献堂式」を収録している。

8月20日(水): 本日、トップページに設置したアクセスカウンタが50万件を超えました。公開以来6年、御愛読くださっていることに、心から感謝申し上げます。
 50万アクセス記念企画を準備しておりますが、予想以上に到達が早く、まだ完成しておりません(汗)。次の週末には何とか掲載したいと考えておりますので、今しばらくお待ちくださいませ。<(_ _)>


8月19日(火): 

 

レイフ・セーゲルスタム(指揮) デンマーク国立放送響 ほか
マーラー;交響曲第3番(CHANDOS)
マーラーの交響曲の中で偏愛する第3番の未架蔵盤2枚組が某オークションに安く出ていたので落札したもの。
合唱はデンマーク国立放送合唱団コペンハーゲン少年合唱団、A独唱アンネ・ギェヴァン
1991年2月、コペンハーゲンでの録音。
 
五嶋みどり(Vn) マリス・ヤンソンス(指揮) ベルリン・フィル
メンデルスゾーン;Vn協 & ブルッフ;Vn協第1番(Sony Classical)
昨年にデビュー20周年を迎え、CDを出し始めてからでも15年ほどになるMIDORIが、メンデルスゾーンとブルッフという独墺系の主要楽曲を、ようやく録音した。
彼女は、ズッカーマンに付き合ったバッハ今井信子とのモーツァルトシベリウスとカプリングされたブルッフ;スコットランド幻想曲等を除いて、これまでパガニーニドヴォルザークバルトーク等々、独墺系以外の、悪くいえば「イロモノ的」なレパートリーを録音してきた(させられてきた?)。
これだけのキャリアを有していて、ベートーヴェンブラームスの協奏曲や主要なソナタを1曲も録音していないのは、楽壇七不思議の一つかもしれない(少女時代のアンネ・ゾフィー・ムターと比較してみよ!)。
国内盤は今年6月に出ていたが、安価な輸入盤が店頭に並ぶまで待って購入したもの。

8月16日(土): 

 

チャールズ・グローヴズ(指揮) イングリッシュ・シンフォニア
ハイドン;交響曲第92・104番(FUNHOUSE)
暖かい音楽づくりが大好きなグローヴズの未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札。
彼のハイドン演奏は、きっと生命感や温もりに溢れているのではないかと期待している。
オーケストラの公式Webpageには、この録音について記載がないが、シューベルト;交響曲集などはメールでオーダーできるようだ。
1989年1月の録音、プロデューサーがジョン・ボイデン(John Boyden)。
ワン・ポイント録音で有名な人だが最近仕事を見かけないので、Webで検索してみたら、新クイーンズホール管の芸術監督などをしているようだ。
 
バリー・ワーズワース(指揮) BBCコンサート管 ほか
「ラスト・ナイト・オヴ・ザ・プロムス」(Philips)
現在、イギリス音楽のスペシャリストとしては、CHANDOSレーベルに一大アンソロジーを構築しつつあるリチャード・ヒコックスにまず指を屈することになろうが、マイナー好みの斉諧生としては(笑)、ちょっと他の人を捜したい気分である。
その際の候補としては、Argoレーベルに素晴らしいバターワース;管弦楽曲集があるグラント・ルウェリンと、同じレーベルに、やはり素晴らしいRVWの管弦楽曲集を録音した、この指揮者が上がってくる。
たしか初期のNAXOSレーベルにハイドンモーツァルトの録音が大量にあるが、イギリス音楽のCDは必ずしも多くない。
そんな中で、いわばイギリス音楽有名小品集とでも呼べる当盤が、某オークションに出ていたので落札。
収録曲は、
エルガー「威風堂々」第1・4番エニグマ変奏曲より「ニムロッド」朝の歌
RVW;グリーンスリーヴズ幻想曲
ホルスト;「祖国よ、私は誓う」(「木星」中間部の旋律による合唱曲)
ウォルトン;戴冠式行進曲「王冠」
等々、そして「ルール・ブリタニア」英国国歌
1996年1月、ロンドン・オールセインツ教会での録音。
なお、オーケストラは、現在、ワーズワースが首席指揮者を務める、ロンドンにおけるBBCの第二オーケストラ。

8月15日(金): 

 

斎藤秀雄(指揮) 新日本フィル ほか
モーツァルト;交響曲第39番 ほか(TDK)
 
斎藤秀雄(指揮) 新日本フィル ほか
ムソルグスキー(ラヴェル編);組曲「展覧会の絵」 ほか(TDK)
 
佐藤陽子(Vn) 斎藤秀雄(指揮) 新日本フィル ほか
チャイコフスキー;Vn協 ほか(TDK)
斎藤秀雄は教育者として有名だが、彼が指揮したディヴェルティメントK.136(東芝EMI)など辛口の見事なモーツァルトで、演奏家としても見過ごせない人だと考えている。
今回、晩年のライヴが出るというのでリリースを待ちかねて購入。
2晩の演奏会を3枚のCDに振り分けたもので、
(1973年4月3日、東京文化会館)
オール・モーツァルト・プロ
モテット「踊れ喜べ、汝幸いなる魂よ」(片野坂栄子) … 今回のCDには収録されず
Vn協第5番(久保陽子)
Fg協(浅野高瑛)
交響曲第39番(以上第1集)
 
(1974年2月18日、東京文化会館)
ロッシーニ;歌劇「セビリャの理髪師」序曲
チャイコフスキー;Vn協(佐藤陽子、以上第2集)
ムソルグスキー(ラヴェル編);組曲「展覧会の絵」
J・シュトラウス;皇帝円舞曲(以上第3集)
 
このうち、モーツァルトの交響曲は、かつてfontecレーベルからLPで発売されたことがある(カプリングは東京都響との「リンツ」)。
また、ロッシーニとシュトラウスは、1984年9月18日に行われた「斎藤秀雄メモリアル・コンサート1984」のライヴ録音がLP2枚組で出たときに、特典盤として附属していた(fontec。CD化されたときには省かれた)。
なお、ブックレットに掲載されている東条碩夫氏(当時FM東京プロデューサー)の回想によれば、シュトラウスは演奏会本プロではなくアンコールで同じ曲が演奏された際の録音とのことである。
 
ドミニク・ド・ヴィリアンクール(Vc) ジャン・ピエール・アルマンゴー(P) ほか
プロコフィエフ;Vcソナタ ほか(MANDALA)
贔屓のチェリスト、ヴィリアンクールの新譜が出たので購入。もっとも1990年の録音というから、再発かもしれない。
ジャック・バジーレ(指揮) パリ音楽院管によるプロコフィエフ;交響曲第4番(1930年版)をカプリング。こちらは1960年録音とのこと。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) フィレンツェ五月音楽祭管 ほか
リスト;メフィスト・ワルツ & シャブリエ;ポーランドの祭 ほか(米TEMPO、LP)
第二次世界大戦直後、イタリアで活動していたマルケヴィッチが録音した一連のSPのうち、2曲を覆刻したもの。
当時音楽監督を務めていたフィレンツェ五月音楽祭管を指揮しており、SPでしか手に入らないと思っていたので、嬉しいかぎりである。
どちらもマルケヴィッチ得意の曲目であり、その後、フィルハーモニア管と再録音している。
ライナーノートが無く(紛失?)、レコード会社の正体等は判らない。まったくの推測だが、1950年代くらいにアメリカで、ある種のレコード・クラブ組織で頒布されたものであろうか? 赤い透明の材質を用いている。
もう片面には、
ドビュッシー;夜想曲より「祭」(ヴィリー・フェレーロ(指揮) イタリア放送響)
ドビュッシー;牧神の午後への前奏曲(ベルナルディーノ・モリナーリ(指揮) ローマ・聖チェチリア音楽院管)
を収める。
Ars Antiquaから。
 
モーリス・ジャンドロン(Vc) パブロ・カザルス(指揮) コンセール・ラムルー管
ハイドン;Vc協第2番 & ボッケリーニ;Vc協(独Philips、LP)
カザルスの指揮盤のうち、輸入盤LPで架蔵していない音源がArs Antiquaのカタログにあったのでオーダーしたもの。
ジャケット裏の解説・広告等はすべてドイツ語で書かれているので、おそらく独盤かと思うが、盤自体はオランダ・プレスとなっている(あるいはオランダからドイツへ輸出されたもの?)。
 
ソルヴェイグ・フンセト
「スウェーデンのロマンス」(瑞ARIES、LP)
ステーンハンマルの作品を含むリサイタル盤。ディスコグラフィに掲載しながら未架蔵だったLPなので、Ars Antiquaのカタログに発見して勇躍オーダー、目出度く確保できたもの。
「晩夏の夜」より第1・5曲を演奏している。
その他には、ホーカンソンシェーグレンヴィークルンドの作品を演奏している。
ライナーノートからは、ピアニストはスウェーデン北部地方の出身で、スウェーデンとドイツで学び、ストックホルムで教職にある…といった程度の情報しか得られない。
ただ、この人にはSwedish Societyレーベルに「女性作曲家たち」というCDがあり、リリー・ブーランジェのピアノ曲を収録している。
ステーンハンマル、リリー・ブーランジェ両方を録音した数少ない演奏家といえるだろう。
LP盤のレーベルがオレンジ色で、どこかで見たようなレイアウトなので首を傾げたところ、エンジニアがロベルト・フォン・バール氏、BIS初期のリリースなのであった。
1980年3月、スウェーデン・ナッカにおける録音。

8月14日(木): 

 

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) コンセール・ラムルー管 ほか
ベルリオーズ;劇的物語「ファウストの劫罰」(独DGG、LP)
某オークションで、オリジナル盤LPを架蔵していない「ファウスト〜」が出品されていたので落札したもの。
1959年録音のステレオ盤ながらグルーヴガードの付いていない初期プレスの2枚組、たいへんに喜ばしい。

 この間入手したLPの情報を、マルケヴィッチ・ディスコグラフィレイボヴィッツ・ディスコグラフィに追加。


8月13日(水): 

 

イェフディ・メニューイン(指揮) ロイヤル・フィル
エルガー;交響曲第2番(Virgin)
メニューイン晩年の指揮盤は、暖かく滋味豊かな音楽が聴けるので、なるべく手元に置くようにしている。
1990年、会長(President)を務めていたロイヤル・フィルと録音したエルガーが、某オークションに極めて安価で出品されていたので落札したもの。
 
リチャード・ヒコックス(指揮) フィルハーモニア管 ほか
RVW;海の交響曲(Virgin)
ヒコックスは、CHANDOSレーベルに全集を再録音中、これは1989年に収録された旧盤。
長年指導してきたロンドン響合唱団を率いての演奏、合唱指揮者としての手腕発揮が期待できよう(それにしても管弦楽が他団体なのは何故?)。
某オークションで上記メニューインのエルガーと2枚一組で出品されており、まとめて落札したもの。
 
エマニュエル・クリヴィヌ(指揮) リヨン国立管
フランク;交響曲 & 交響詩「プシシェ」(抜粋)(DENON)
クリヴィヌのCDをあちこちで捜していて、米Amazonの "Marketplace"で当盤を見つけ、オーダーしたもの。
「プシシェ」が含まれているのも嬉しいところだ。
1992年3月、リヨンでの録音。
"Amazon Marketplace" は、捜し物が見つかりやすいところだが、送料が高くつくのが困りもの。今回もShipping & Handling で3,200円ほどもかかった。切手代は1,300円程度なので、ちょっと気に障る。
まあ、下記のとおり5枚まとめてオーダーできたから、1枚当たりにすればまずまずだが…。
 
ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響
チャイコフスキー;バレエ音楽「胡桃割人形」(VICTOR)
月刊誌『ダ・ヴィンチ』連載中の山岸涼子『舞姫 テレプシコーラ』で、先ごろ主人公姉妹が「胡桃割〜」の舞台に立っていた。
だからというわけでもないが、このCD2枚組を聴きたくなっていたところ、某オークションに出品されたので、つい落札。
フェドセーエフといえばPeterさんのWebpageコメントは大要次のとおり。
ストレートの直球勝負でオーケストラをドライヴしており,木管のヴィルトゥオーゾぶりも過度に強調させていないところに好感が持てる.かといって“退屈な伴奏音楽”とは無縁だし,この作品そのものが持っている魅力を余すところなく伝えていると言っていいだろう.特に組曲版では演奏される機会の少ない「雪片のワルツ」や第2幕の「Pas de deux」の序奏などでフェドセーエフの魅力がたっぷりと伝えられている.
1986年の録音。
 
藤原真理(Vc) ジャン・ジャック・カントロフ(指揮 & Vn) オランダ室内管
ハイドン;Vc協第1番 ほか(DENON)
↑のクリヴィヌ同様、"Amazon Marketplace" でDENONのアメリカ・リリース盤をまとめてオーダーしたうちの1枚。
アメリカ・リリース盤といっても、ジャケットやブックレットが日英併記だったりCDが日本製だったり、もちろん英語だけのブックレットやアメリカ製CDも含まれていたりするが、内容は様々。
当盤は、国内盤と(おそらく)完全に同じものだった。
カプリングは、J.C.バッハ;協奏交響曲 ヘ長調モーツァルト;Vn & Vcソナタ K.46e & K.46fで、いずれもカントロフがVnで共演しており、聴き逃せないのでオーダーしたもの。
1985年の録音。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) 藤原真理(Vc) ジャック・ルヴィエ(P) エマニュエル・クリヴィヌ(指揮) オランダ室内管
ベートーヴェン;三重協 & ロマンス第1番(DENON)
カントロフとクリヴィヌの両方が聴けるディスク、オーダーせざるべからず。
まして、カントロフ独奏の「ロマンス」(ト長調の方)がカプリングされており、嬉しいかぎり。
1985年のオランダ録音。
なお、アメリカ・リリース盤ながら日本語解説も掲載されており、これが宇野功芳師の執筆。
かくてこの演奏はベートーヴェンの人間味豊かな崇高さが全曲に漲り、和やかで豊かな雰囲気を湛え、なんという美しい、魅力的な音楽だろう、と思わせる。
 
チー・ユン(Vn) ヘスス・ロペス・コボス(指揮) ロンドン・フィル
メンデルスゾーン;Vn協 & ヴュータン;Vn協第5番(DENON)
美しい音色と趣味の良さを感じる音楽が好きなチー・ユンがDENONに録音した5枚のCDが、これですべて揃ったことになる。
ずっと「全部買った」と思いこんでいたところ、先年、音盤棚の整理のおり、3枚しかないことが判って吃驚、慌てていたもの。
1994年2月の録音。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) ジャック・ルヴィエ(P)
メンデルスゾーン;Vnソナタ集(DENON)
カントロフの未架蔵盤を "Amazon Marketplace" で見つけてオーダーしたもの。
メンデルスゾーンのVn作品では、ホ短調協奏曲のみが超有名、それ以外の曲、ソナタ等はあまり演奏されない。
作品番号(op.4)が付いているヘ短調と、後年発見された2曲のヘ長調の、計3曲を収録している。
ヘ長調の片方は1953年にメニューインが発見した1838年の、もう片方は1977年になってようやく出版された1820年(作曲者11歳)の作品である。
1992年1月、オランダ・ライデンでの録音。
 
ルネ・レイボヴィッツ(指揮) 声楽器楽アンサンブル
プッチ;痕跡(仏BYG、LP)
レイボヴィッツの現代音楽(1961年作品)録音、前に国内盤LPを入手しているが、オリジナルの仏盤が某オークションに出ていたので落札したもの。
プッチは1930年生れ、レイボヴィッツに作曲を学んだ。「痕跡」は、アルジェリア独立戦争(1954〜62年)に材を採った室内オペラで、国内盤の解説(秋山邦晴)によれば、「シェーンベルクの<ワルシャワの生き残り>のアルジェリア版」とのこと。
なお、従来、作曲家の姓を「ピュイグ」と書いてきたが、彼に直接学んだという木下健一氏によると、Puigはカタロニア人で、「プッチ」と名乗っていたそうである。
爾後、これに従う。
 
ミリアム・フリード(Vn) ジャン・クロード・ヴァンデン・エインデン(P)
ドヴォルザーク;Vnソナチネ & ヤナーチェク;Vnソナタ ほか(Queen Elisabeth International Music Competition)
フリードの珍しい盤が某オークションに出品されており落札したもの。
エリザベト王妃国際コンクールのレーベルで、ヴァイオリニストは1971年の優勝者、ピアニストは1964年に3位入賞し審査員としても度々参画している人だ。
録音自体は1980年代初めのものなので(マルPは1982年)、製作趣旨がもう一つよくわからないが、もしかしたらフリードの優勝10周年記念でもあろうか?
スメタナ;「わが故郷より」をフィルアップ。

8月12日(火): 

 Alapage.comからCDが届く。先だっての品物と、まとめてオーダーしておけば送料が節約できたのだが…、勿体ない(嘆)。

アレクシス・ガルペリーヌ(Vn) ジャン・ルイ・アグノエール(P)
ロパルツ;Vnソナタ第1・2番(La Guilde des Musiciens)
仏蘭西近代樂はかねて斉諧生の好むところである。
従って、『レコード芸術』誌の「海外盤試聴記」では、相場ひろ氏等の手になるディスク評を楽しみに読んでいるのだが、去る7月号で紹介しておられたのが、当盤。
翳り濃いロマンが漂う第1番(略)先行盤をしのぐと言っていいだろう。
等々とのコメントで、ずっと気になっていたところ、↓を捜したついでにオーダーしたもの。
2000年12月の録音。
なお、この作曲家に関するWebpageが公開されている。また、いつもお世話になっているあんぐらCD博物館さんでも取り上げられている。
 
ラファエル・クレティアン(Vc) マチエイ・ピクルスキ(P)
デュパルク;Vcソナタ & ロパルツ;Vcソナタ第1・2番(Daphénéo)
一昨年のこと、さるチェリスト(特に名を秘す)から直々にお尋ねをいただいた。
デュパルクのチェロ・ソナタのCDは出ていませんか?
恥ずかしながら歌曲で有名な作曲家にチェロ・ソナタがあることすら知らず、ひたすら冷や汗を流すばかり。
あれこれ調べてみると、ブルガリアのGEGAレーベルからロバン・クラヴルールというVc奏者の演奏が出ており、1994年に国内盤仕様の輸入盤で発売されていたことがわかった。
当時既に廃盤、入手の見込みも立たず、爾来、宿題として負うていたところ、先日、いつもお世話になっているあんぐらCD博物館さんで当盤の情報を見つけ、Alapage.comで検索したところヒットしたので、嬉やとオーダーしたもの。
Vcソナタは作曲家19歳の作品で、永く出版されず、上記クラヴルール盤が世界初録音であった。デュパルクは、師フランク譲りの完璧主義から多くの楽譜を廃棄したから、残存したこと自体が奇跡といっていい。
ロパルツ作品も佳曲とのこと、期待している。
クレティアンは1972年パリ生れ、アラン・ムニエに学び、1999年以来、ロンドン響の首席奏者を務めている(…とライナーノートにあるが、オーケストラの公式Webpageの楽員名簿には名前がない)。
この人の演奏は、前に同じレーベルのヒナステラ作品集を入手している。
2000年7月の録音。

8月11日(月): 

 

ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響
R・コルサコフ;交響組曲「シェヘラザード」 & グラズノフ;バレエ組曲「ライモンダ」(抜粋)(CANYON)
フェドセーエフの名盤を紹介しておられるPeterさんのWebpageで、次のようなコメントを拝見し、ぜひ聴いてみたいと思っていた。
極めて緻密にオーケストラをコントロールしている.(略)そこには変に色付けられたいやらしさは皆無で,ほのかに甘い夢の香りが漂っている.(略)終結部近くになってくると,ぐっと抑えたテンポと金管の神々しい音色とが言い知れぬ感情を呼び覚ます.」(「シェヘラザード」)
第4曲はハープの独奏曲といっても差し支えないほどだが,この上ない天上を夢見るような美しさに我を忘れてしまう.第5曲の「シーン・ミミック」では,弦楽合奏がこれほどまでの静寂さを表現できることに驚きを隠せない」(「ライモンダ」)
先日某オークションに出品されているのを見つけ、落札したもの。
なお、「シェヘラザード」の独奏Vnは、木野雅之が担当している。
1994年5月モスクワでの録音、主材料に当時キャニオンが熱心にPRしていた「高音質素材アートン」を用いた再発盤。

8月10日(日): 

 久しぶりに電網四方八通路に、新規サイトを追加。いつも、掲載をお約束してから、長い間お待ち願っているWebmaster諸氏にはお許しを請いたい。<(_ _)>

 この間入手したCDの情報を、リリー・ブーランジェ 作品表とディスコグラフィマルケヴィッチ・ディスコグラフィペレーニ・ディスコグラフィに追加。


8月9日(土): 

 JPCMDTから荷物が届く。

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) モンテ・カルロ国立歌劇場管 ほか
コンサート・ホール・レーベル録音集(SCRIBENDUM)
本業の関係で外出したついでに音盤屋に立ち寄ったところ、リリースを待ちかねていた当盤が並んでいたので即座に購入。
CD3枚組に、次の各曲を収録。
メンデルスゾーン;交響曲第4番
シューベルト;序曲集(以上日本フィル)
チャイコフスキー;序曲「1812年」・組曲「胡桃割人形」
プーランク;牝鹿
ソーゲ;牝猫
ミヨー;青列車
オーリック;うるさ方
サティ;びっくり箱(以上モンテ・カルロ国立歌劇場管)
プーランク以下は、「モンテ・カルロのディアギレフ」という、この稀代のインプレサリオ生誕100年記念に企画されたLP2枚組の覆刻である。
メンデルスゾーンはfnac、プーランク以下はAdesから、それぞれCDが出ていたが、シューベルトとチャイコフスキーは初CD化だろう。
fnac・Adesとも、このところ入手が難しくなっていたはずなので、今回のリリースは歓迎できる。
もっとも、SCRIBENDUMの箱物復刻の通弊で、コンプリートになっていないのは嘆かわしい。
チャイコフスキーには「ロメオとジュリエット」イタリア奇想曲スラヴ行進曲が残っているはずだし、ビゼー;「アルルの女」第1・2組曲も含まれていない。
何より、リリー・ブーランジェ;「ファウストとヘレネ」の世界初録音が、埋もれたままになっているのは痛惜の極み。
覆刻の音質は、メンデルスゾーンはもともと冴えない録音とはいえ、既発盤に比べれば改善著しく、まずまず抵抗なく聴けるレベルになっている。
「モンテ・カルロのディアギレフ」分は、聴き比べると、Ades盤のほうは音が自然に伸びている。SCRIBENDUM盤は、イコライジングで音質を補い、更に音場を人工的に拡げる操作を施しているような印象。
なお、ブックレット等での表示に大きな錯誤がある。
DISC3の1曲目をソーゲ;牝猫、3曲目をサティ;びっくり箱としているが、これは逆で、1曲目がサティ、3曲目がソーゲ。
 
ヤープ・ファン・ツヴェーデン(指揮) ハーグ・レジデンティ管 ほか
ベートーヴェン;交響曲全集(Philips)
これはJPCから届いたもの。
先にBRILLIANTレーベルからブラームス;交響曲全集を出したツヴェーデン、早くもメジャー・レーベルからベートーヴェンの交響曲全集をリリースした。
5枚組で、2002年6月から2003年3月にかけて、このオーケストラのホームグラウンドであるドクトル・アントン・フィリップス・ザールで録音されたもの。第9番のみライヴ収録とのこと。
ちらちら聴きながらこの記事を書いているが、ピリオド系のアプローチで、前へ前へ駆り立てるような、推進力の強い演奏だ。
なお、SACDとのハイブリッド盤で、DSDとかマルチチャンネルとかサラウンドとか、いろんなシンボル・マークがジャケット裏に印刷されているが、斉諧生宅のハードにとっては無関係である(苦笑)。
 
ピエール・モントゥー(指揮) サンフランシスコ響
フランク;交響曲 & ドビュッシー;管弦楽のための「映像」(PREISER)
オーストリアのレーベルから、アメリカRCAの音源の覆刻が出てきて吃驚。
モントゥーのフランクは、シカゴ響との3回目(最後)の録音が繰り返し覆刻されてきた。
このサンフランシスコ響2回目の録音(1950年2月27日)のCD化は、初めてのはず。ちょっと聴いた感じでは、いかにも初期LPという硬い音だが、貴重だ。
LPでは架蔵済みだが、白髭翁の音盤、買わざるべからず。
「映像」は、以前、"Pierre Monteux Edition" の15枚組で出たことがあった。覆刻の音質も、そちらが上のようだ。
JPCから。
 
マーク・エルダー(指揮) ハレ管
ニルセン;交響曲第5番・Fl協 ほか(ハレ管自主製作)
これはMDTから届いたもの。
以前は珍しかったオーケストラの自主製作CDも、このところ財源の一つとして定着してきているようで、特に英米圏を中心に、リリースが相次いでいるようだ。
もう自主盤というだけでは買うわけにもいかないが、曲目的に心惹かれるものは入手せざるべからず。
ハレ管が出しているうち、好きなニルセンの5番をオーダーしたもの。
地味な指揮者だったエルダーも、2000年9月からこの団体の音楽監督に就任しているとのこと。
Fl協を独奏するアンドルー・ニコルソンは、ハレ管の首席奏者。
フィルアップの劇音楽「アラディン」から入場行進曲は、世界初録音という。
録音は2002年5・10月、マンチェスターの本拠地ブリッジウォーター・ホールにて。
なお、CD-EXTRA仕様で、パソコンに挿入するとWeb上の特設ページにアクセスできるようになっており、プロデューサー・ノートや各種の資料が閲覧できる。
 
マーク・エルダー(指揮) ハレ管
「英国管弦楽曲集」(ハレ管自主製作)
これもMDTから。
イギリス音楽の中でも偏愛のバターワースディーリアスを収録した1枚、何が何でも(笑)購入せざるべからず。
前者は「シュロップシャーの若者」2つのイギリス牧歌青柳の堤と、管弦楽3作をすべて含む。
後者では、「イルメリン」序曲「楽園への道」「ブリッグの定期市」を演奏。
更に、最後の作品に絡めて、同名のグレインジャーの合唱曲と古謡(1908年録音)をフィルアップしている。
2002年10月、マンチェスターの新放送会館BBC第7スタジオ他での録音。
上記ニルセンと同じく、CD-EXTRA仕様で、特設ページへアクセスできる。
このほかハレ管の自主製作CDにはエルガー;エニグマ変奏曲もあり魅力的なのだが、とりあえず見送った。
 
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮) ストックホルム・フィル
シベリウス;「レミンカイネン」組曲 ほか(Virgin)
もしかしたら親父殿以上に北欧音楽向きかもしれないパーヴォの、未架蔵盤をオーダーしたもの。
「夜の騎行と日の出」「ルオノンタール」をカプリング。
1996年2月、ストックホルムでの録音。
MDTから。
 
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮) エストニア国立響 ほか
シベリウス;カンタータ集(Virgin)
↑と同じくパーヴォのシベリウスだが、こちらは新譜。
即興曲「スネフリード」カンタータ「わが祖国」カンタータ「ヴァイナモイネンの歌」即興曲「サンデルス」カンタータ「大地の歌」レミンカイネンの歌「フィンランディア讃歌」と、最後の曲以外は、かなりマイナーな作品ばかりである。
歌唱はエストニア国立男声合唱団エッレルヘイン少女合唱団。合唱の国エストニアゆえ、質の高い演奏が聴けるものと期待高し。
2002年9月・2003年2月、エストニア・タリンにおける録音。
さて、既に国内の音盤店にも、この輸入盤は並んでいるのだが、それらはCCCD規格。
ところが、イギリスの通販サイトから購入すると通常のCDが送られてくる。
音質が劣化していると言われるCCCDでは聴きたくないので、敢えてMDTにオーダーしたもの。
 
ルノー・カプソン(Vn) アレクサンダー・ガーニング(P) ほか
フランク;Vnソナタ ほか(EMI)
かねて贔屓にしているカプソンの新譜は名作フランクのソナタ、聴かざるべからず。
とはいえ、これも↑同様、国内の輸入音盤店ではCCCDが売られているため、MDTにオーダーしたもの。
ゴーティエ・カプソン(Vc)とリリヤ・ジルベルシュタインとのラフマニノフ;Vcソナタをカプリング。こちらも楽しみ。
2002年6月、ルガーノ音楽祭でのライヴ録音。
 
ルノー・カプソン(Vn) ゴーティエ・カプソン(Vc)
「Vn & Vc二重奏曲集」(Virgin)
カプソン兄弟の二重奏アルバム、これもCCCDを避けてMDTにオーダーしたもの。
収録曲は、この手の定番曲であるハルヴォルセン;ヘンデルの主題によるパッサカリアコダーイ;二重奏曲のほか、ギー & セルヴェ;英国国歌による華麗な変奏曲シュルホフ;二重奏曲タンギ;Vn & Vcソナタを収録している。
タンギは1968年生れ、このソナタは2002年にカプソン兄弟のために書かれた作品とのこと。彼は、現在、ルノーのためにVn協に取り組んでおり、2005年にチョン・ミュンフン(指揮) フランス放送フィルの付けで初演される予定とのこと。
2002年10月、パリで録音されたもので、ブックレット裏表紙に掲載されている、各自5歳のときに楽器を持った写真が可愛らしい。
 
ニナ・カルモン(Vn) マリア・ゾフィアンスカ(P)
クーラ;Vnソナタ ほか(Animato)
北欧音楽ファンには佳曲P三重奏曲で知られるクーラのVnソナタが出るというので、MDTにオーダーしたもの。
ヴァイオリニストは1971年シュトゥットガルト生れ、父親はドイツ人ヴァイオリニスト、母親はフィンランド人チェリストとのこと。母方の祖父はクーラの伝記を書いた音楽学者だという。
そうした縁でクーラの作品を取り上げたものか。
ルディ・シュテファン;グロテスクシュルホフ;Vnソナタといった、20世紀前半にドイツで作られた曲をカプリング。
2001年5月の録音。
 
マイケル・ケヴィン・ジョーンズ(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(EMEC)
MDTで新譜リストをチェックしていたら、バッハ;無伴奏があったのでオーダーしてみた。
チェリストはイギリス出身、ドイツへ留学してヨハネス・ゴリツキに学んだとのこと。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵のストラディヴァリウス(1667年製)を貸与されて、2002年10月に同館内のホールで録音したもの。
 
ヴィーブケ・フーグクリマー(A) パトリック・ヴァリザー(P)
リリー・ブーランジェ;歌曲集「空のひらけたところ」 ほか(THOROFON)
りりー・ブーランジェの代表作のひとつである連作歌曲の新録音が出ていたので早速オーダーしたもの。
この曲をアルト歌手が取り上げるのは珍しい。全曲録音としては初めてのものだろう。
フーグクリマーは、ドイツ・ハノーヴァー生れ、現在はベルリン在住とのこと。ゲッツ・フリードリヒに就いてオペラ演出も学んだという。
カプリングはシューベルトマーラーの歌曲数曲ずつ。
やや不思議な組合せだが、彼女によれば、「空のひらけたところ」と「冬の旅」「さすらう若者の歌」とはテーマ的に連関があるという(ここで歌われているのは別な曲だが)。
2002年12月、ベルリンでの録音。
これはJPCから。
 
ギューヘア & ズーヘア・ペキネル(P) & ジャック・ルーシェ・トリオ
「テイク・バッハ」(TELDEC)
楽しい連弾の部屋で御教示いただいた盤。通常、音盤店ではジャズのコーナーに置かれているようだ。
詳しくは上記のWebpageをお読みいただきたいが、
今回取り上げるアレンジ、非常に完成度が高い。そして演奏も相当なハイレヴェル。(略)輝かしいタッチと抜群のアンサンブルが光っています。
とのこと、期待してJPCにオーダーしたもの。
取り上げられているのは、
3Cem協 BWV.10632Cem協 BWV.1060(Vn & Ob協からの編曲)、2Cem協 BWV.1061で、いずれもジャック・ルーシェのアレンジ。
BWV.1061など、ラプソディ・イン・ブルーのひとふしまで顔を出す楽しいアレンジだ。(^^)
最後に、ピアノ・デュオでしっとり聴かせる「主よ、人の望みの喜びよ」を、アンコールふうに収録している。

8月8日(金): 

 

山田一雄 & 飯守泰次郎(指揮) 新響
「芥川也寸志 forever」(fontec)
先日からたびたび言及している宮城谷昌光 『クラシック 私だけの名曲 1001曲』の開巻劈頭で推薦されているCD。
…といっても、1枚目から順に1,001枚を征服する計画を立てたわけではない(笑)。
上記の記事で
演奏は芥川自身が指揮したものより、良い。指揮者の情熱がつたわってくる。
とされているように、曲によって自演盤よりも高く評価されている点に興味を惹かれたもの。
収録曲は、
交響管絃楽のための前奏曲(1947年、これのみ山田一雄(指揮)、1990年1月、新宿文化センター・ライヴ)
交響三章(1948年)
交響管絃楽のための音楽(1950年)
絃楽のためのトリプティーク(1953年)
交響曲第1番(1955年)
エローラ交響曲(1958年)
といった代表的な管弦楽作品を網羅し、更に「えり子とともに」「煙突の見える場所」「猫と庄造と二人のをんな」「赤穂浪士」「八甲田山」と、有名な映画・テレビの音楽を含んでいる。
特に「赤穂浪士」は板鞭の響きとオスティナート・リズムが印象的で、NHK大河ドラマの歴代テーマ音楽の中でも一、二を争う人気曲。
また、「八甲田山」は宮城谷氏が「努力と虚しさ、生と死があり、テーマに直面して逃げない力強さがある。」と評しており、いちど耳にしてみたい(映画は未見)。
上記の1曲を除き、1999年7月、芥川没後10年の演奏会ライヴ録音。
 
漆原朝子(Vn) ベリー・スナイダー(P)
シューマン;Vnソナタ第1〜3番 ほか(fontec)
2002年6月19日、神戸新聞松方ホールでのライヴ録音。
ソナタ第2番第3楽章 "Leise, einfach" の、哀感と慰藉に満ちた音楽は愛惜擱く能わざるところゆえ、本来なら当日聴きに参じたかったのだが、本業の都合もあって果たせなかった。
今回、ライヴ盤がリリースされるというので買わざるべからずと思い定めていたもの。
普通にはObで奏される3つのロマンス op.94をフィルアップ。
以上2点は、レコード会社の公式Webpageから購入。宅急便の代引ながら送料無料。
なお、当盤の録音レポートが掲載されている。

8月7日(木): 

 

ダニエル・ミュラー・ショット(Vc) リチャード・トネッティ(Vn & 指揮) オーストラリア室内管
ハイドン;Vc協第1・2番 & ベートーヴェン;ロマンス第1・2番(Orfeo)
それはそれは甘い美音が魅力的なチェリスト、ミュラー・ショットの新譜が店頭に出ていたので購入。
ベートーヴェンが書いた美しいメロディ、Vnのための「ロマンス」を、Vc奏者が自分で編曲、演奏しているのが珍しい。
また、ハイドン作品のカデンツァも、第1番ではスティーヴン・イッサーリス、第2番ではハインリヒ・シフのものを、それぞれ自分で手を入れた上で用いている。
付けは、一昨日、グリーグほかのCDを入手したばかりのオーストラリア室内管。こだわるようだが、この盤の録音風景でも、全員、椅子に腰掛けて演奏している。
2001年10月、イギリス・モンマスシャー、ニンバス・コンサート・ホールでの録音。
 
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮) エルンスト・ゼンフ合唱団 ベルリン・フィル
ヴェルディ;聖歌四篇 ほか(Sony Classical)
ヴェルディの第1曲、無伴奏合唱によるアヴェ・マリアは、斉諧生の中学・高校時代、クリスマス行事の開幕を告げる音楽であった。
暗闇の中、蝋燭を手にした合唱団員がしずしずと入場する。講堂の寒い舞台裏で本番の緊張感に包まれながら、凍りつくように美しい無伴奏合唱に聴き入っていたものである。
ジュリーニには、1964年にフィルハーモニア合唱団を振った名盤(EMI)があったが、この新盤は買いそびれたままになっていた。
先日、某オークションで見かけ、ここで入手しておかねばと、落札したもの。
ヴィヴァルディ;クレド RV.591をカプリング。
ヴェルディは1990年9月7〜8日、ベルリン・フィルハーモニーでのライヴ、ヴィヴァルディは翌年2月16日、同地のイエズス・クリストゥス教会におけるセッション収録。

8月6日(水): 

 

エマニュエル・クリヴィヌ(指揮) リヨン国立管
ドビュッシー;小組曲 ほか(DENON)
このところ蒐集を心がけているクリヴィヌのDENON録音のうち、ドビュッシーの管弦楽曲集は、先日、第2集を中古音盤屋で購入した。
残る第3集が手に入らないものかとWebで検索してみると、リクエストタイム日本橋店というサイトで見つかった。
直ちにメールでオーダーしたもの(支払いは郵便振替)。
収録曲は、
小組曲(ビュッセル編)
神聖な舞曲と世俗的な舞曲(マルギット・アンナ・ジュス(Hp))
アルト・サキソフォン狂詩曲(独奏;ジャン・イヴ・フルモー)
Cl狂詩曲第1番(独奏;フランソワ・ルゾー)
P幻想曲(独奏;ジャン・フィリップ・コラール)
けっこう著名なソリストを起用しているのが目を惹く。
1994〜95年の録音。

8月5日(火): 

 

リチャード・トネッティ(指揮) オーストラリア室内管
グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」 & エルガー;弦楽セレナード ほか(Sony)
先だって、林田直樹 『読んでから聴く 厳選クラシック名盤』(全音楽譜出版社)を読んだ。
「アダージョ・カラヤン」などのコンピレーションもの、「ハリー・ポッターと賢者の石」(作曲ジョン・ウィリアムズ)などサウンドトラック系を中心に据えているのが売りという本で、斉諧生としては多少食い足りないが、1点、気になるCDがあった。
それが、このオーストラリア室内管のベスト盤で、見れば買う曲、「ホルベア〜」を収録している。
上記オーケストラの公式Webpageの "cd shop" には、全曲を収録した盤が掲載されており、直ちにオーダーしたもの。
この団体は、「全員が立ったまま演奏する」スタイルを採用し、全員が視線を合わせるために、小柄な奏者は台の上に立たせているとのこと。(原文ママ。Vc奏者も立っているのかは疑問だ。またジャケットの写真では普通に座って演奏している。)
その成果かどうか、求心的なアンサンブルを聴くことができるというので期待したい。
バッハ;管弦楽組曲第3番モーツァルト;交響曲第29番をカプリング。
1992年10月20〜23日、シドニーでの録音で、自主製作盤ではなく、オーストラリア・ソニーがリリースしたもの。
 
実は、同時にもう1枚オーダーしたのだが、そちらは届かなかった。
カード勘定には2枚分の代金が請求されているので、現在、メールで照会中。
 
海野義雄(Vn) 堤剛(Vc) 朝比奈隆(指揮) 新日本フィル
ブラームス;Vn&Vc協・大学祝典序曲(Sony)
うっかり存在を失念していた海野氏のブラームス録音が、某オークションに出品されていたので落札した。
指揮者の追悼盤だから、そう古い発売ではないものだが、見落としていたようだ。
ライナーノートは例によって宇野功芳師、
第一楽章のものすごい遅さ、響きの拡げ方、激しい燃焼は個性味満点(略)問題があるとすれば、全体に指揮者の体臭が出すぎていること。
等々という筆の乗り具合である。
1988年5月11・12日、神奈川県綾瀬市文化会館での、朝比奈氏には珍しい完全なスタジオ録音。
 
マリー・アニク・ニコラ(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(ALPEE)
先日のラーラ・レフ盤同様、T.S.さんのバッハ;無伴奏聴き比べのレビューを拝読していて、心惹かれたもの。
これはいい!と思わず心の中で叫んでしまいました。(略)正統的で派手さはありませんが,緩急,抑揚,ヴィブラートなど絶妙にコントロールされていて,力強さの中にも繊細さ,やさしさが感じられます。
とのこと、大いに期待したい。
ニコラは1956年生れ、13歳でパリ音楽院を卒業し、ロン・ティボー、チャイコフスキー、エリーザベト等の国際コンクールでの入賞歴があり、1993年以来、ジュネーヴ音楽院で教職にあるとのこと。
録音データは明記されていないが、マルPは2000年。
Alapage.comから届いたもの。
 
マリー・アニク・ニコラ(Vn) アンドレア・ボナッタ(P)
ブラームス;Vnソナタ第1〜3番(VALOIS)
上記のニコラをAlapage.comで検索した中からオーダーしてみたもの。バッハを弾いて良ければブラームスもさぞかし…と期待したい。
1993年10月の録音。
 
マリー・アニク・ニコラ(Vn) ボリス・ペトロフ(P)
フォーレ;Vnソナタ第1番 & フランク;Vnソナタ(VALOIS)
これもAlapage.comにオーダーしたもの。
フランス系のヴァイオリニストで、しかもオイストラフに学んだというから、フランクには期待せざるべからず。
1991年11月の録音。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) 上田晴子(P)
R・シュトラウス;Vnソナタ & プロコフィエフ;Vnソナタ第2番(音楽之友社)
ずっと集めているカントロフの新譜が音楽之友社から発売されると『レコード芸術』8月号の広告にあり、期待していたが店頭に出てこないので、公式Webpageからオンラインでオーダーしたもの。
発注が先週木曜、実質的には中2日で届いたことになる。
地味な曲同士の組合せだが、ブックレットにカントロフが一文を寄せ、
夢のようなプログラムに酔って身をまかす事ができるのは、とても稀な事である。(略)私たちが夢に見た白紙委任を認めて下さった貴社に感謝。
としているのも、頷けないことはない。
CDのタイトルを「心の深淵から」としたのも、ヴァイオリニスト本人とのこと。
2002年10月17〜18日、ひまわりの郷(横浜市港南区民文化センター)での録音。
 
ベルンハルト・パウムガルトナー(指揮) カメラータ・アカデミカ・モーツァルテウム・ザルツブルク
モーツァルト;交響曲第35・36番(日コロンビア、LP)
たびたび特記してきているが、長くザルツブルク音楽祭を支えたモーツァルテウム音楽院長、パウムガルトナーの生気溢れるモーツァルトは、斉諧生の好むところ。
その未架蔵音源が某オークションに出品されたので逃すべからずと落札したもの。
ずいぶん古い時期の国内盤(廉価盤?)で、状態もさほど良くないようだが(ジャケットなどシミだらけである)、メジャーレーベルとは縁の薄かったこの指揮者の、後期交響曲録音は貴重だろう。
 
ワルター・ノータス(Vc) 井上直幸(P)
シューベルト;アルペジオーネ・ソナタ & ブラームス;Vcソナタ第2番(日CAMERATA、LP)
シューベルトの作品中、最も好きな曲の一つ、アルペジオーネ・ソナタの未架蔵盤が某オークションに出品されており、ここぞと落札したもの。
カメラータ東京レーベルの初期録音で(1976年3月)、もちろんアナログ収録。
このレーベルのアナログ音源はCD化されていないものが多い。これもその一つで、数年前にシューベルト室内楽曲全集として出ただけで、単売されていないようだ。
ノータスは当時、バイエルン放送響の首席Vc奏者で、このレーベルには、尾高忠明(指揮) 東京フィルとのドヴォルザーク;Vc協も録音していた。
ピアニストは先ごろ亡くなったが、井上氏のシューベルト演奏には定評があったところで、それが聴けることにも心惹かれる。

 先日届いたCDの情報を、ステーンハンマル 作品表とディスコグラフィに追加。

 音盤狂昔録平成15年7月分を追加。


8月4日(月): 

 

ピエール・フルニエ(Vc) 小林道夫(P)
シューベルト;アルペジオーネ・ソナタ & ドビュッシー;Vcソナタ ほか(Sony)
1981年4月、フルニエの来日時に石橋メモリアル・ホールで録音された、チェリストの生誕75周年記念アルバム。
ソニーのデジタル初期録音で、当初はLPのみで発売された(1981年10月)。そちらも架蔵しているが、デジタル収録ゆえCDでも持っておこうと思い、某オークションで落札したもの。
シューマン;アダージョとアレグロと、フルニエのために作曲されたマルティヌー;Vcソナタ第1番をカプリング。

8月3日(日): 7月31日の項で紹介した、宮城谷昌光 『クラシック 私だけの名曲 1001曲』を読み進めている。大作ゆえ、また、書き抜きを作りながらなので、ようやく3分の2といったところである。
 さすがに漢字漢語の使い方は独特で、

(うそ)、象(かたち)、幽(くら)さ、憑(の)る、幽(ほの)か、盈(み)ちる、衍(ゆた)か、嘉(よ)
凝滞、蹶然、玄通、志尚、心術、深妙、繊婉、清幽、頽落、淡愁、芳艶、豊潔、豊美、淪没

といった調子である。まったく嬉しくなってしまう(笑)。
 なお、前稿で、ハイドンとモーツァルトが選ばれていない、と書いたが、ブルックナーとマーラーも省かれていることを付け加えておきたい。


8月2日(土): 

 

ミシェル・ルティエク(Cl) ジェラール・プーレ(Vn) ブルーノ・パスキエ(Va) アルト・ノラス(Vc) ほか
ベートーヴェン;Cl三重奏曲 & P三重奏曲第5番「幽霊」 ほか(LYRINX)
ノラス師匠の新譜が出るというので、ノルディックサウンド広島にオーダーしていたものが届いた。
輸入代理店の都合か何かで、リリース情報から入荷まで、ずいぶん時間がかかったので、待ち侘びていたもの。
プラド・カザルス音楽祭のライヴ録音で、ジャケット表紙にはカザルスのLPで馴染み深い当地の修道院の写真が用いられている。
もっとも初期LPではイラストか白黒写真しか使われていなかったから、カラー写真で見るのは珍しく、やや違和感がある(苦笑)。
演奏者と曲目は次のとおり。
ミシェル・ルティエク(Cl) ブルーノ・パスキエ(Va) カール・エンゲル(P)
モーツァルト;ケーゲルシュタット・トリオ(1987年8月)
ミシェル・ルティエク(Cl) アルト・ノラス(Vc) ジャン・クロード・ヴァンデン・エインデン(P)
ベートーヴェン;Cl三重奏曲(2001年8月)
ジェラール・プーレ(Vn) アルト・ノラス(Vc) ジャン・クロード・ヴァンデン・エインデン(P)
ベートーヴェン;P三重奏曲第5番「幽霊」(2001年8月)
昨日購入したNAXOS盤と中心メンバーは共通しているのが興味深い。
 
塩川悠子(Vn) 遠山慶子(P)
モーツァルト;Vnソナタ集 I(CAMERATA)
昨日訪れた中古音盤屋で見つけていたのだが、未架蔵かどうか自信がなかったので見送り、帰宅して確認の上、今日、出直して購入したもの。
ハ長調 K.303ホ短調 K.304ハ長調 K.403イ長調 K.526の4曲を収めている。中ではK.526が聴き応えもあり好きな作品だ。
1983年3月または1985年4〜5月のデジタル収録、当初LPで発売され、1990年になってCDで出直した盤である。
この2人のモーツァルトは、前後3枚分の録音があるが、第3集は既に架蔵、残るは第2集のみとなった。
 
前橋汀子(Vn) 東誠三(P)
「モスクワの思い出」(Sony)
前橋さんがライフワークとして録音したCD6枚100曲の小品集は、ぼちぼち揃えていきたいと思っている。
既に3枚を架蔵しているところ、第5集に当たる盤が中古音盤屋で安く出ていたので購入したもの。
アルバム・タイトルとなったヴィニャフスキ作品のほか、
タルティーニ(クライスラー編);悪魔のトリル
バルトーク(セーケイ編);ルーマニア民族舞曲
マスネ(マルシック編);タイスの瞑想曲
といった有名小品、あるいは
シベリウス(ブレス編);ノクターン(ベルシャザールの饗宴より)
レーガー;子守歌
といった珍しい小品まで、16曲を演奏している。
2000年2・4・5・12月、アクトシティ浜松コンサート・ホールでの録音。
 
カーリン・ヴィンテル(指揮) ストックホルム・アカデミック男声合唱団
「春よ、ようこそ」(proprius)
これもノルディックサウンド広島にオーダーしていたもの。
ステーンハンマル;スヴァーリエが収録されており、全録音蒐集の一環として購入せざるべからず。
名称を直訳すれば「ストックホルム学生歌手連盟」となる、この合唱団の創立は1905年11月に遡り、1909年以来、ノーベル賞受賞式や晩餐会で歌う慣例があるという。現在、40名強の団員を中核として、コンサートや演奏旅行、王立スウェーデン歌劇場やストックホルム・フィル等との共演を行っているとのこと。
先々月に来日公演を聴いたスヴァンホルム・シンガーズ同様、男声合唱団が女性指揮者に率いられているという組合せ。
ヴィンテルは1967年生れ、ストックホルムで教会音楽、オルガンと指揮を学び、スウェーデン放送合唱団エーリク・エーリクソン室内合唱団をはじめ、スウェーデン国内の様々な合唱団と共演、1998年秋から、この合唱団を率いているとのこと。
ステーンハンマル作品は1曲だけ(苦笑)、それ以外にはヴィカンデル;鈴蘭の王様など、副題「春と愛を歌うスウェーデンの伝統の歌」のとおり、計24曲、古謡から20世紀の作品までを歌っている。
2003年2月の録音で、SACDとのハイブリッド仕様となっている。
 
江藤俊哉(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(日RCA、LP)
江藤氏は数々の名ヴァイオリニストを育てた名教師。
一斑を挙げるだけでも、加藤知子諏訪内晶子千住真理子天満敦子戸田弥生古澤巌堀米ゆず子安永徹和波孝禧と、綺羅星のごとし(五十音順)。
もちろん演奏家としても、国内のみならずアメリカ等でも認められた存在で、録音も数多いのだが、斉諧生としては、あまり重視してこなかった。
正直申して、たいした理由はなく、でっぷり・どっしりした風貌を、虫が好かないというだけのこと(汗)。直接存じ上げているわけではなく、まったくの偏見で申し訳ない。
ところが、一転、このバッハを血眼で捜し始めたわけは、長谷川陽子さんが、
一音一音研ぎ澄まされ一歩ずつ聖域に近づくような、まるで修行僧のような邪念の一切ない演奏である。一心不乱に弾き進むその音楽は痛いほどの真剣さである。(略)その深みと成熟と"これしかない"という音楽に対する信念の強さを前に、私たちはただただ頭を下げるのみだと思う。
と評しておられたのを読んだから(『レコード芸術』2002年5月号)。
思えば、ペレーニ師に出会ったのも、長谷川さんの手になるバッハ;無伴奏評を拝読してから。
ペレーニの境地に比肩するバッハがあるのなら、何をおいても聴かざるべからず!とCDを捜し始めたのだが品切か廃盤かで入手できない。
T.S.さんのレビューを拝読するにつけても、ますます心逸るのだが、どうにもならない…と思っていたところ、思いがけずオリジナルのLP3枚組が某オークションに出品されているのを見つけ、気合を入れて(苦笑)落札したもの。

8月1日(金): 

 久しぶりに音盤屋であれこれと買い物。

オトマール・スウィトナー(指揮) シュターツカペレ・ベルリン
ブルックナー;交響曲第8番 ほか(WEITBLICK)
スウィトナーのライヴ録音3点が店頭に出ていた。どれも気になるのだが、とりあえず、聴き落とせないブルックナー;第8を含む2枚組のみ、購入することにした。
1986年9月9日、ベルリン・シャウシュピールハウスにおける演奏会を収録したもの。
得意のモーツァルト;交響曲第38番(1984年10月3日)及びR・シュトラウスの前奏曲3曲(1970年7月14日)をカプリング。
残りの「エロイカ」「グレート」も非常に気になるのだが、しばらくは辛抱である(嘆)。
 
エマニュエル・クリヴィヌ(指揮) リヨン国立管
ドビュッシー;管弦楽のための「映像」 & バレエ音楽「おもちゃ箱」(DENON)
このところ蒐集を心がけているクリヴィヌのDENON録音が、中古音盤屋に出ていたのでシメシメと購入。
「映像」は有名だが、「おもちゃ箱」はドビュッシー本人が管弦楽譜を完成することなく死去、弟子カプレの手で仕上げられた作品である。
とはいえ、アンゲルブレシュトが初演(1919年12月10日)の指揮をとったというから、斉諧生としては注目せざるべからず。
ドビュッシー管弦楽曲選集の第2巻に当たるもので、録音は1995年4月。
 
ラーラ・レーフ(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(apex)
いきなり廉価盤で発売されたFINLANDIA系の音源。
実は、新譜で出たときには見過ごしていた。
先だって、久しぶりにT.S.さんのバッハ;無伴奏聴き比べのWebpageを拝読していて、
スピード感と力感に満ちた演奏です。そして,絶妙な緩急,アクセントが現代性溢れる独特のフレージング,音楽の横の流れを生み出しています。単に「速い」「力強い」に留まらない個性,魅力を感じます。
とのコメントに心惹かれたもの。
廉価盤らしくブックレットに演奏者の紹介がないのだが、Webを検索してみたところ、マネージメントのサイトらしきページが見つかった。
シベリア生れ、ヤンケレヴィチスピヴァコフの薫陶を受け、1990年代以降、フィンランドに移住したとのこと。
 
デュオ・ハヤシ
ベートーヴェン;Vcソナタ第3〜5番(CROWN)
音盤屋の棚を眺めていたら、デュオ・ハヤシの新譜が出ていたので吃驚、直ちに購入。
彼らの音楽は、神戸でのライヴ盤を聴いて以来、気に入っている。ここ数年、演奏会に行けていないのが残念だが、CDはずっと買ってきた。
今回のリリースはデュオ結成30年記念とのこと。上記Webpageによれば11月にショスタコーヴィッチ;Vcソナタをメインに据えた演奏会もあるようで、本業の都合が許せば聴きに参じたいものである。
2003年4月、群馬県・笠懸野文化ホール・PALにおける録音。

平成15年5月24日(日): 「逸匠列伝」にユッシ・ヤラスを掲載。
平成14年10月14日(祝): 「名匠列伝」にハンス・シュミット・イッセルシュテットを掲載。
平成14年5月25日(土):黄金週間中のウィーン旅行の顛末を「維納旅行記」として公開。
平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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