音盤狂日録


8月31日(火): 

 

コリン・カー(Vc) ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指揮) BBCフィル ほか
エルガー;Vc協 ほか(BBC music magazine)
またまたeBayでBBC music magazineの附録CDを落札。
トルトゥリエが正規録音していないレパートリーであり、かつエルガーのチェロ協奏曲となれば入手せざるべからず。
独奏者は、あまり馴染みのない人だが、ロンドンの王立音楽院(Royal Academy of Music)の教授を務めているとのこと。バッハ;無伴奏の全曲録音もあるようだ。
1992年10月9日、バーミンガムのシンフォニー・ホールでのライヴ録音。
ジョージ・ロイド;交響曲第9番の作曲者自演をカプリングしている。
 
ザビーネ・マイヤー(Cl) クリスティアン・ツァハリアス(P) ほか
モーツァルト;P管楽五重奏曲 & ベートーヴェン;P管楽五重奏曲(EMI)
モーツァルトのK.452は好きな曲なので、ツァハリアスの録音も是非聴いてみたいと思っていたのだが、海外の通販サイトでも品切れ等が多く、難渋していた。
先だってeBayに出品されたのを見つけたので勇躍入札、目出度く落札できた。
若干不安なのは、この曲の肝というべきオーボエ(Diethelm Jonas、「ディートヘルム・ヨナシュ」と読むべきか)がどういう人かよくわからない点。
1993年5月、フランクフルトでの録音。
 

8月29日(日): 

 

アダム・フィッシャー(指揮) ハイドン・フィル
ハイドン;交響曲第104番 & ベートーヴェン;交響曲第5番(EXTRAPLATTE)
フィッシャー兄弟の弟イヴァンについては以前から音盤蒐集中だが、兄アダムについては等閑視してきた。
かなり昔だが確かN響に客演したのがTVで放送されたことがあり、その時の印象が冴えなかったので(特にひょろひょろした風貌が…(^^;)、Nimbusレーベルへのバルトーク録音や、話題を呼んだハイドン;交響曲全集など、ことごとく見送っている。
先日、何か面白いものは出ていないかとマイナーレーベルの公式Webpageをあちこち見ていた折り、EXTRAPLATTEで、当盤を見つけた。
ジャケット画像を見て吃驚、あの文弱そうな青年が、ちょっと同郷の大先輩フリッツ・ライナーを思わせる面構えに変貌しているではないか!
最近の彼の活躍については老舗Webpageの一つアダム・フィッシャー & ハイドン・フィルハーモニー・ファンクラブで、かねて拝見していた(上記画像もここのファイルにリンクさせていただいております)。
これは聴いてみたいとオーダーしてみたところ、オーダーから1週間経たないうちに到着したもの。
2003年9月、アイゼンシュタット(ハイドンが仕えたエステルハージ宮廷の故地)のハイドン音楽祭におけるライヴ録音。CDには明記されていないが、収録場所もエステルハージ宮殿の大広間「ハイドン・ザール」の筈である。
古楽奏法との折衷的なアプローチのようだが、ライヴということもあるのか、覇気に富んだ演奏で楽しめた。音質も上乗。
 

 23日(月)に届いたLPの情報を、マルケヴィッチ・ディスコグラフィに掲載。


8月28日(土): 

 

広上淳一(指揮) 京都市響の演奏会へ行く。
会場は京都コンサートホール
入りは6〜7分程度か。曲目の渋さを考えるとまずまずかもしれない。すなわち今日の曲目は、
ショスタコーヴィッチ;交響詩「十月革命」
チャイコフスキー;Vn協(独奏;米元響子)
ショスタコーヴィッチ;交響曲第6番
というもの。
一瞬、オール・ショスタコーヴィッチ・プロと見間違えそうだが、う〜ん、その方が集客がよかったかも(…そうでもないか)。
 
広上は京都市響定期初登場だそうだが、平成2年に特別演奏会という名目の主催演奏会を指揮している。
曲目はハイドン;「軍隊」チャイコフスキー;「悲愴」
京都名物テンイチのラーメンのようにコッテリした演奏で、斉諧生がこの指揮者に注目するきっかけになったコンサートだったが、このあと京響は長く広上を招かなかった(苦笑)。
 
さて、「十月革命」は、序奏からずっしりした弦の響きが刮目すべき素晴らしさ、普段の京都市響とは一線を画す出来栄え。
Hrnが少し頼りない音を出していた(特に序奏)のと、相変わらずObが非力なのは、残念だが。
力感も切れ味もある、まことに堂々たる音楽で、こんなに良い曲なのにどうして実演も録音も少ないのか…と不思議がらされた。
広上はノルショピング響と録音もしており、作品を手の内に入れているのだろう。
 
チャイコフスキーの独奏者・米元響子は現在パリでジェラール・プーレに就いているそうで、ジュリアード流とはひと味違ったヴァイオリンが聴けるのではないかと期待して開曲を待った。
案に相違なく、冒頭の音色・和声感覚は温かいもので、節回しも堂に入っており、しっとりした抒情的な音楽が美しい。
一方、スケールが小さいのは気になった。
チャイコフスキーの音楽には、大向こう受けを狙ったどぎつさ・あざとさも含まれているのだが、必ずと言っていいほど、あっさり通り過ぎてしまう。
音量も小さく、激しく弾いている部分でも「迫力」として伝わってこない。
 
小規模なホールでモーツァルトの協奏曲や、室内楽作品でも聴いてみれば、さぞ快かろうと思うのだが、大ホールでオーケストラと張り合うような曲を弾くには、まだまだ…という感じだ。
また管弦楽パートは、広上が音符を掘り起こすかのように丁寧に鳴らしていくので、一層ソロの分が悪くなってしまった。
 
ともあれ昨今逸材揃いの邦人提琴家に、またまた有望な若い奏者が出現したわけで、今後の成長に強く期待したい。
若手ばかりでなく中堅実力派も定期演奏会に招いてもらいたいが。
 
第6交響曲は、いきなり緩徐楽章から始まり、アレグロ、プレストと3楽章構成の特異な作品。
第1楽章のラルゴが、深沈と鳴りわたる。
オーケストラも素晴らしい出来で、ちょっとムント在任時を思い出した。
特にヴァイオリン群が高音域でも音程が乱れず音色が硬くならず美しい響きを聴かせてくれたことや、金管の肉厚の鳴りっぷりには感心した。
 
ただ、ショスタコーヴィッチの緩徐楽章における、胸を締め付けられるような悲痛さや、どこか遠くに連れ去られる心地のする透徹さを感じる瞬間は、残念ながら無かった。
 
間然とするところのない第2楽章を挟んで、第3楽章は、やや意外な音楽。
ショスタコーヴィッチ特有の、つんのめるようなリズムで弦が走り出すこの楽章、広上ならば必ずやオーケストラを煽りに煽り、指揮台の上で踊りまくるのでは…と予想していた。
ところが、さほど速くもないテンポで、それ以上に音楽が落ち着いている。つんのめったり煽ったりというところがなく、きっちりと積み上げられていく感じ。
以前の「阿波踊り」のごとき指揮ぶりも見られない。
 
ここは狂躁の音楽ではないのか…と思いつつ、まずは充実した音楽に、拍手を贈ることにした。
 
京響は今年度に入って初めて聴いたのだが、プログラムが入場時に無料で配られるようになっていた。
これまでは(20年来)、毎回、ロビーで販売されているのを購入してきた。最初の頃は100円だったが、近年では300円。
中味も少し愛想の良いものに工夫されており、喜ばしい傾向である。
 

8月27日(金): 

ペレーニ監修の楽譜(ドビュッシー)
ドビュッシー(コチシュ編);レントより遅く(EMB)
ドビュッシーのピアノ曲をコチシュがチェロとピアノのために編曲し、ペレーニがチェロ・パートのフィンガリングとボウイングを監修した楽譜。
以前、小組曲を入手しているが、今回、「レントより遅く」がアカデミア・ミュージックから届いたもの。
オーダーしたのは5月はじめだったが、在庫になく海外発注を経たため、ずいぶん時間がかかった。
 

 

ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指揮) BBCフィル
ホルスト;惑星(BBC music magazine)
一昨日のブルックナーと同様、eBayでBBC music magazineの附録CDを落札したもの。
トルトゥリエにとってイギリス音楽は比較的珍しいレパートリーだろう。
1996年7月13日、マンチェスターのブリッジウォーター・ホールでのスタジオ録音。
実はCDだけと思って入札したところ、雑誌本体(1996年9月号)と併せての出品であった。
 

8月26日(木): 

 

エーベルハルト・フィンケ(Vc) 神野明(P)
シューベルト;アルペジオーネ・ソナタ & R・シュトラウス;Vcソナタ(日SALA、LP)
偏愛の曲の一つ、アルペジオーネ・ソナタの未架蔵盤LPが某オークションに安価で出品されていたので落札した。
フィンケは1920年ブレーメン生れ、ベルリン・フィルの首席奏者を勤めた人で(1950〜1985年)、1980年2月に来日した際に録音を行ったもの(東松山文化会館)。
シュトラウス作品の録音は、当時、非常に珍しく、ロストロポーヴィッチ(EMI)が知られていた程度ではなかったか。
 

8月25日(水): 

 

ベルンハルト・クレー(指揮) BBCフィル
ブルックナー;交響曲第9番(BBC music magazine)
BBC music magazineの附録CDがeBayに出品されているのを、よく見かける。
モーツァルト指揮者として知られるクレーのブルックナーを聴いてみたいと思い落札したもの。
1991年7月、リヴァプール大聖堂音楽祭におけるライヴ録音。
 

8月24日(火): 

 

イェルジー・セムコフ(指揮) ワルシャワ国立フィル ほか
モーツァルト;交響曲選集(MUZA)
いつもお世話になっているユビュ王の食卓さんで情報をいただいて、これは買わないと…と思っていたところ、入手についてもお世話いただきました。改めて深謝申し上げます。<(_ _)>
 
ポーランド出身の指揮者としてはスクロヴァチェフスキが有名だが(そろそろ「最後の巨匠」扱いされるのではないか)、その他にもカジミシュ・コルトアントニ・ヴィットら実力のあるベテランが健在である。
セムコフもその一人で、VOXに録音したシューマン;交響曲全集があり(まだ手にはいるだろうか?)、またシマノフスキ;交響曲第4番(EMI)も愛聴盤の一つだ。
その彼が指揮したモーツァルトの交響曲集がCD4枚組で出るというから、聴き逃せない。
収録曲は、
第29・33・34・35・36・38・39・40・41番の9曲とディヴェルティメント K.136
録音は少し遡り、第33番が1970年2月、その他は1980年1・2月または1981年5月となっている。
オーケストラは、標記団体のほか、第33・36番でカトヴィツェ・ポーランド放送響が協演している。
 
タデウシ・ヴロンスキ(Vn) ほか
ブラームス;Vn協・Vnソナタ第1〜3番 & ベルク;Vn協 ほか(MUZA)
これも上記セムコフ盤同様、ユビュ王の食卓さんで情報と入手についてお世話を頂戴したもの。<(_ _)>
 
ヴロンスキは、正直申して初めて名を聞くヴァイオリニストだが、1915年生・2000年没、ワルシャワ出身で同地の音楽院を卒業、のちアンドレ・ジェルトレルに師事した。
第2次大戦後のポーランド音楽界の再建に努め、ワルシャワ音楽院で教鞭を執るかたわら、ワルシャワ五重奏団の第2Vn奏者として活動(第1Vnはブロニスワフ・ギンペル)、メンバーのウワディスワフ・シュピルマン(@「戦場のピアニスト」)とはしばしば共演した。
演奏活動に加え、ヴィニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールの創設に尽力したほか、1990年には自らの名を冠した「タデウシ・ヴロンスキ無伴奏ヴァイオリン・コンクール」を始めた(その後、1992・95・97・2000年に開催)。
当盤は、今年2月に実施された第6回(国際コンクールとしては第3回)を記念してリリースされたもの(上記の公式Webpageにコンクールの結果が掲載されていないのは不審だが)。
収録曲は、
ブラームス;Vn協(ヤン・クレンツ(指揮) ワルシャワ国立フィル、1961年録音)
ベルク;Vn協 & トゥルスキ;Vn協(スタニスラフ・ヴィスロツキ(指揮) ワルシャワ国立フィル、1962年録音)
ブラームス;Vnソナタ第1〜3番 & ドビュッシー;Vnソナタ(ウワディスワフ・シュピルマン(P)、1957年録音)
MUZAのLP録音を覆刻したもので、音質には問題ない。
 
チョン・キョンファ(Vn) クリスティアン・ツィマーマン(P)
R・シュトラウス;Vnソナタ & レスピーギ;Vnソナタ(DGG)
斉諧生がクラシック音楽に親しみ始めた1980年代初め以来、チョン・キョンファの音盤は全部揃えるつもりでいるのだが、中には買いそびれてきたものもある。
当盤がその一つで、曲目がマイナーなこと、世評が芳しくなかったこと、黄色いレーベルが嫌いだったこと((笑)。当時、DGGは音楽業界の読売巨人軍という感じだった)あたりが購買心理に影響したように記憶している。
某オークションに格安で出品されていたのを機に落札したもの。
1988年7月、ビーレフェルトでの録音。
 
マイケル・レビン(Vn)
パガニーニ;奇想曲(全曲)(EMI)
名教師イヴァン・ガラミアンが、数多い弟子の中で最も高く評価していたというレビン。
1950年14歳でセンセーショナルなデビューを飾り、「パガニーニの再来」と感嘆され、コンサートや録音はもちろん映画出演まで引っ張りだこだったが、60年代半ば燃え尽きるように姿を消し、1972年1月に急逝してしまった。自殺とも事故とも噂される。
このCDは、1958年に録音された彼の代表盤。先だって翻訳が出版されたハラルド・エッゲブレヒト『ヴァイオリンの巨匠たち』(アルファベータ)では、
魅惑的な甘美さをもつクライマックスへのアプローチ、コンパスで計ったような精密さ、そしてアクロバティック
という讃辞が呈されている。
名盤と知りながらずっと買いそびれてきたが、某オークションに格安で出品されていたのを機に落札したもの。
 
ミシェル・ベロフ(P)
ドビュッシー;前奏曲集第1巻 ほか(DENON)
ベロフのドビュッシーは、LP時代に前奏曲集の旧録音(EMI)を愛聴しており、腕の故障からの再起後にDENONからリリースされたCDも、これまで前奏曲集第2巻組曲「ベルガマスク」の2点を中古盤で入手してきた。
欠けていた第1巻が、某オークションに格安で出品されており、落札したもの。
「子供の領分」及び小品4曲がカプリングされている。
1994年9月・1995年9月、スイスのラ・ショー・ド・フォンでの録音。
 

8月23日(月): 

 

荒井英治(Vn)
バルトーク;無伴奏Vnソナタ ほか(LIVE NOTES)
現今邦人提琴家はまことに多士済々、主だった人を追いかけるだけでも国内盤レギュラープライスでは少々頭が痛い。
この東京フィルのコンサートマスター、モルゴーア・カルテットの第1Vn奏者のCDも、気になりながら買いそびれているもの多数。
そのうち「初のソロ・アルバム」と銘打たれた当盤が某オークションに格安で出品されていたので落札した。
標記バルトーク作品(これはきちんと聴きこみたい曲の一つ)と、同じくメニューインのために書かれたヘンツェ;セレナーデを収めて、この大ヴァイオリニストへのトリビュート・アルバムとしている。
その他、シュトックハウゼン;十二宮(抜粋)ピアソラ(演奏者編);ブエノスアイレスの夏等を収録。
1998年12月、埼玉・田園ホール「エローラ」での録音。
 
ハンス・ロスバウト(指揮) バイエルン放送響 ほか
ハイドン;交響曲第82番 ほか(米Mercury、LP)
ロスバウトの古典派録音は聴き逃せないと、未架蔵音源をMikrokosmosにオーダーしたもの。
1950年にリリースされた盤らしいが、録音データ等は未詳。
カプリングはアルフォンス・ドレッセルなる指揮者と同じオーケストラによる第104番
かなり音溝が痛んでおり、残念である。
 
渡邉暁雄(指揮) 京都市響
シベリウス;交響曲第2番・組曲「テンペスト」第1番(日東芝、LP)
先だってCDで入手した、渡邉先生と京響のシベリウス。
アナログ録音はやはりLPで架蔵しておきたいと思い、Mikrokosmosにオーダーしたもの。カナダからの逆輸入というのも妙な気分だが(帯付き、白レーベルの見本盤)。
1972年4月13〜15日、奈良県文化会館での録音。
 
デジレ・エミール・アンゲルブレシュト(指揮) フランス国立放送管 ほか
ビゼー;組曲「カルメン」(抜粋) & グノー;「ファウスト」より第1幕の前奏曲 ほか(加SELECT、LP)
今回のMikrokosmosへのオーダーの目玉だったのだが、結果的には外れ。
カタログの記載を見て、ピエレット・アラリー(Sop)とレオポルト・シモノー(Ten)が歌った「カルメン」「ファウスト」をアンゲルブレシュトが指揮していると思い、未架蔵音源と判断してオーダーした。
ところが現物では、アラリーとシモノーに付き合っているのはピエール・デルヴォーで、アンゲルブレシュトは管弦楽だけの曲を指揮している。
これらはいずれもDUCRETET-THOMSON原盤で、ビゼーはTESTAMENTからCD覆刻済み、グノーは仏盤LPを架蔵済み。
 
ティボール・ヴァルガ(指揮) ティボール・ヴァルガ室内管
テレマン;組曲「昔と今の諸国の人々」 ほか(瑞シオン・ティボール・ヴァルガ音楽祭協会、LP)
ティボール・ヴァルガの指揮盤で未架蔵のものをMikrokosmosにオーダーしたもの。
カプリングはチャイコフスキー;弦楽セレナードで、こちらはCDになっていたが、テレマンは覆刻されていないはず。
録音データ等は記載されていない。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) チェコ・フィル ほか
グノー;ミサ曲「聖チェチリア」(独DGG、LP)
マルケヴィッチのDGG録音のうち、廉価再発盤しか架蔵していなかった音源のオリジナル盤(?)LPをMikrokosmosにオーダーしたもの。
独唱者はイルムガルト・ゼーフリート(Sop)、ゲルハルト・シュトルツェ(Ten)、ヘルマン・ウーデ(Br)、合唱はプラハ・チェコ合唱団
それにしても、どうしてマルケヴィッチとチェコ・フィルで、グノーなのか…? この指揮者のレパートリーの選び方(選ばれ方)には不可解なところがある。
 

8月21日(月): 

 

宇野功芳(指揮) 日本女声合唱団 ほか
「故郷を離るる歌」(日TRIO、LP)
宇野功芳師の最初の「合唱リサイタル」のLPが、ようやく入手できた。
師の音楽を聴きはじめた頃にはまだ現役盤だったが、学生時代の金欠に災いされて買いそびれているうちに廃盤となり、以来、四半世紀、探求盤として気に懸けていたもの。
その間にCD化されて音としては聴けるようになったが、やはり元のLPを…と捜し続けていたところ、先日某オークションに出品されたので勇躍入札、目出度く格安で落札できた。
収録曲についてはディスコグラフィを御参照いただきたい。
1975年3月11日、東京文化会館小ホールでのライヴ録音。エンジニアは菅野沖彦氏。
 
宇野師の音盤で未架蔵のものは次のとおり。
ベートーヴェン;交響曲第9番(近衛版)
日本大学管
オーケストラの自主製作盤だが、銀座・山野楽器のベストセラーになったという噂も聞いた。東京まで買いに行くのは無理でも、通信販売ができないか問い合わせるべきだったと後悔している。
一度某オークションで見かけたが、ちょっと手の出ない価格だったので断念。
 
高田三郎;「水のいのち」ほか
カラコレス女声合唱団
CDは架蔵しているが、LPでも発売されていたらしい。
 
その他、跡見学園女子大学合唱部の自主製作盤が存在するようだが、詳細不明。
 

8月20日(金): 

 16日(月)に購入したCDの情報を、マルケヴィッチ・ディスコグラフィに掲載。


8月19日(木): 

 

ユベール・スダーン(指揮) ザルツブルク・モーツァルテウム管 ほか
モーツァルト;交響曲第35番・協奏交響曲K.297b ほか(OEHMS)
スダーンのモーツァルトというだけでなく、愛聴しているK.297bのレヴィン補筆版の新録音が出たというので購入。
管楽器の独奏者は、オーケストラの首席連中、それぞれ楽員紹介頁に簡単なバイオがある。
カプリングはベリオ;レンダリング、シューベルトの未完の交響曲(第10番)のスケッチを下敷きに、ときにシューベルト風、ときに現代音楽風のオーケストレーションを施したもの…ということだけは知っていた曲。
井上道義が京都市響で振ったこともあるらしいが、その演奏会は聴いていない。
1999年8月8日及び2002年8月29日、ザルツブルク・モーツァルテウム大ホール(といっても客席数400弱とのこと)でのライヴ録音。どの曲がどの日の演奏かは不明。
 
トリエステ・トリオ
シューベルト;P三重奏曲第2番 ほか((NUOVA ERA))
名チェリスト、アメデオ・バルドヴィーノを擁するトリエステ・トリオのシューベルト。
昨年、第1番を中古音盤店で見つけて購入したが、第2番も録音していたとは知らず、某オークションに出品されていたのを見つけて吃驚、落札したもの。
「ソナタ断章」(P三重奏編成、演奏時間約8分)をフィルアップ。
録音データは明記されていないが、マルPは1987年になっている。
 
(附記)
読者の方からメールを頂戴し、再確認してみたところ、ちゃんと録音データが記載されていた。
1987年3月25〜27日、フィレンツェの Villa "Il Ruspolo" とある。
 

8月18日(水): 

 

江藤俊哉(Vn) エドワード・ダウンズ(指揮) ニュー・フィルハーモニア管 ほか
「江藤俊哉の芸術」(BMG)
江藤氏は言わずとしれた楽壇の大御所だが、斉諧生は長く敬遠してきた。
昨年バッハ;無伴奏を聴いて感心した上、提琴列伝で取り上げた和波孝禧にとっては最大の恩師ということで、聴き直さねば…と考えていたところ、偶々今日立ち寄った音盤店の棚にCD4枚組の協奏曲集が並んでいる。
これまで時々見かけては買いそびれていたセット、いつまでも放っておいて廃盤になり悔を千載に残してはならじと思い、購入したもの。
収録曲は
ベートーヴェン;Vn協(フェルディナント・ライトナー(指揮) ロンドン響、1970年録音)
メンデルスゾーン;Vn協
ブラームス;Vn協
ブルッフ;Vn協第1番
チャイコフスキー;Vn協
ラロ;スペイン交響曲(以上ダウンズ指揮、1971〜72年録音)
と小品11曲。
録音は1970〜72年、江藤氏40歳代前半の演奏ということになる。
 
サイモン・ラトル(指揮) バーミンガム市響 ほか
シマノフスキ;歌劇「ロジェ王」 ほか(EMI)
カプリングの交響曲第4番(P独奏レイフ・オーヴェ・アンスネス)がかねて愛聴する曲ゆえ、新譜発売時(5年ほど前)に買っている盤。
その後「ロジェ王」の架蔵盤も増えたのだが、いずれも輸入盤で歌詞対訳が附属していない。いつまでも「?」のまま聴いているわけにもいかないので、某オークションに国内盤が出品されたのを落札したもの。
やや勿体ない気もするが、うーん、やむを得ない。
 

8月17日(火): 

 

ザグレブ・ソロイスツ
グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」 ほか(IMP)
偏愛のグリーグ作品の未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札したもの。
マルティヌー;六重奏曲ヤナーチェク;組曲ルーセル;シンフォニエッタをカプリング。
1991年6月22〜28日、ザグレブのフランチェスコ・ザビエル教会における録音。…ということは、ユーゴスラヴィア内戦が始まった、ちょうどその時に収録されていたということになる。
 

8月16日(月): 

 

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) フランス国立放送管 ほか
ヴェルディ;レクイエム & ムソルグスキー(ラヴェル編);展覧会の絵(TAHRA)
マルケヴィッチ得意のレパートリーをCD2枚組に収めている。
ヴェルディは1953年4月30日、シャンゼリゼ劇場でのライヴ録音。
以前、怪しげなレーベルから出たことがあったように記憶している(入手せず)。今回はTAHRAからの発売ということで、もしかしたら放送局の正規音源からCD化されたのかと思ったが、そういう表記はなかった。
年代相応の音質で、ときどき低域のハム・ノイズが入り、強奏は盛大に歪む。オン・マイクの収録らしく、独唱の声はリアルに録れているが、楽器や独唱・合唱のバランスが何やらよくわからない(苦笑)。
ムソルグスキーはベルリン・フィルとの演奏、1953年1月31日ベルリンでのスタジオ録音。
こちらの音質は随分ましで、いくぶんのノイズや歪みを免れていないとはいえ、音に力があり、オン・マイクなりに自然な遠近感がついている。
演奏自体は両曲とも力のこもったもので、ファンにとっては貴重なリリースだ。
 
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P) イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) 聖チェチーリア音楽院管
ラヴェル;P協 ほか(TAHRA)
マルケヴィッチ・ディスコグラフィに初登場となるラヴェルの協奏曲。
1952年5月28日、パリ、シャンゼリゼ劇場でのライヴ録音で、INAの正規音源からのCD化である。
ピアノはきれいに録れているが、管弦楽はマイクから遠く頼りない音にしか聴こえないのが残念。
スカルラッティのソナタ3曲とモーツァルト;P協第13番をカプリング。後者の管弦楽はマリオ・ロッシ(指揮) トリノRAI放送管が付けている。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) コンセール・ラムルー管 ほか
ビゼー;組曲「カルメン」第1・2番 & 組曲「アルルの女」第1・2番 ほか(Philips)
先日、読者の方からメールを頂戴し、マルケヴィッチ・ディスコグラフィ他のデータ不備について御教示をいただいた。
その中で、従来「パストラール」、「メヌエット」、「ファランドール」の3曲だけだった「アルルの女」第2組曲について、欠けていた間奏曲を含むCDが発売されているとの御指摘があった。
これは一大事と音盤店に駆けつけたところ、そのCD(UCCP-9058)の再発盤(UCCP-9484)が並んでいたので購入したもの。
録音データはもちろん他の3曲と共通で、演奏に傷があるわけでも音質に差があるわけでもなく、なぜ長く未発売だったのか理解に苦しむ。
ライナーノートはUCCP-9058と共通のようだが、音源発掘や収録の経過等については触れられていない。
ここであらためて御教示に感謝申し上げたい。<(_ _)>
なお、スペイン放送響を振ったラヴェル;ボレロがフィルアップされている。
 

8月15日(日): 

提琴列伝に、和波孝禧の頁を公開しました「名演・名盤」は現在5点を掲載していますが、おいおい追加していく予定です。
 ディスコグラフィも作成しています。
 


8月14日(土): 

 

ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) ウラディミール・メンデルスゾーン(Va) 藤原真理(Vc) ジャック・ルヴィエ(P)
モーツァルト;P四重奏曲第1・2番(DENON)
カントロフの未架蔵盤を某オークションで見つけたので落札。
メンデルスゾーン・藤原との「モーツァルト・トリオ」としての音盤だが、1985年10月オランダでの録音だから、この名義で活動を始めてから間もない頃ということになる。
 

8月12日(木): 

 

イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) コンセール・ラムルー管
ブラームス;交響曲第4番 ほか(独DGG、LP)
CDでは架蔵済みだがLPを持っていなかったマルケヴィッチの音盤をArs Antiquaにオーダーしたもの。
1958年11月にパリで収録されたもので、その後、ソ連・日本でのライヴ録音もある、マルケヴィッチ得意のレパートリー。
ベートーヴェン;序曲「命名祝日」をフィルアップ。
 
ヴァレリー・クリモフ(Vn) エフゲニー・スヴェトラーノフ(P)
ヘンデル;Vnソナタ第6番 & フランク;Vnソナタ(蘇MELODYA、LP)
数多あるVnソナタ曲中随一の名作、フランク。ヴァイオリン独奏以上にピアノ・パートが重要であり演奏も難しいといわれる(斉諧生の知人が音大時代に演奏しようとしたが、伴奏を引き受けてくれるピアノの友達が見つからず断念したそうである)。
それを「御大」スヴェトラーノフが弾いているというので興味津々、Ars Antiquaにオーダーしたもの。
注しておくが、この指揮者のピアノは、かなり上手い。メトネルの独奏曲集など、佳い味わいであった。
1982年4月の録音。
なお、ヘンデルはホ長調、クリュザンダー版で作品1−15とされている曲である。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) フィリップ・ミュレ(Vc) パスカル・ドワイヨン(P)
メルレ;Vnソナタ・P三重奏曲 ほか(仏cybelia、LP)
カントロフの未架蔵盤がeBayに出品されていたので落札したもの。
メルレ(ミシェル、1939〜)はパリ音楽院に学び、1966年のローマ大賞を獲得したフランスの作曲家。母校で教鞭を執るとともに、池内友次郎に招かれて、1979年から夏に日本で講習を行っている…とジャケット解説にある。
三重奏曲は1973年の作、ピアノをチェンバロに、又はヴァイオリンをフルートに置き換えても演奏できるように書かれているということである。またVnソナタは1963年作曲者24歳の作品とのこと。
「ノアンの夜」と題されたVc小品をフィルアップ。
録音データは明記されていないが、1980年代初めのデジタル録音盤である。
 

 今日届いたLPの情報を、マルケヴィッチ・ディスコグラフィに掲載。
 余談だが、LPのジャケットは、A4判が基本のスキャナでは一度に読み込めないので、4回に分けてスキャンし、レタッチ・ソフトで合成している。
 これまで使っていた古いソフトでは、いちいち継ぎ目を凝視しながら手作業で貼り合わせていたのだが、先日ついに "Photoshop Elements 2.0" を導入した。
 この「パノラマ合成」機能を利用すれば瞬時に見事な1枚のジャケット画像が出来上がる。あとは従前同様、正方形に切り抜いて200ピクセル四方に縮小すればよい。
 他のレタッチ・ソフトも随分前から同様の機能を備えており何を今更という話にすぎないが、斉諧生的には今日が初めての感激(!)だったので、特に書き添えさせていただいた。


8月11日(水): 

 

小林美恵(Vn) 清水和音(P)
シューベルト;幻想曲・二重奏曲 ほか(DENON)
偏愛の曲、幻想曲の未架蔵盤が某オークションに安価で出品されていたので落札。
Vnソナチネ第2番をカプリングしている。
1997年9月、笠懸野文化ホールでの録音。
 
クリストフ・バラティ(Vn) セヴェリン・フォン・エッカルトシュタイン(P)
ラヴェル;Vnソナタ & バルトーク;無伴奏Vnソナタ ほか(SAPHIR)
以前このレーベルからリリースされたバッハ;無伴奏(全曲)が良かった、バラティの新録音がアリアCDさんに掲載されていたのでオーダーしてみた。
2004年3月29日、パリのリュクサンブール美術館で開催された「20世紀の自画像展」のオープニング・イベントとして行われたコンサートのプログラムを、スタジオ録音したCDとのこと。録音場所はオランダ・ナイメーヘンと記されているが、月日は不明。
標記2曲のほか、ボーエンというイギリスの作曲家(1884〜1961)のPソナタ第2番(1926年)をカプリング。
ピアニストは1978年デュッセルドルフ生れ、2003年のエリーザベト王妃国際コンクールで1位を獲得したとのこと。
 
ヤン・スラヴィク(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲第1〜3番(DISKANT)
これもアリアCDさんから。バッハ;無伴奏の未架蔵盤なので聴いてみたく、オーダーしたもの。
スラヴィクはブラティスラヴァ出身、スロヴァキアではずいぶん活躍している人らしい。また、ザルツブルク・モーツァルト・セレナーデ・アンサンブルのメンバーのようだ。
2001年2月、ブラティスラヴァの教会で録音されている。
残り3曲のうち第4番はガンバ・ソナタとのカプリングで出ており、同時にオーダーしたのだが未入荷。残り2曲については、録音情報が得られていない。
 

8月10日(火): 

 

ウリ・セガル(指揮) 大阪センチュリー響
モーツァルト;交響曲第41番 & ベートーヴェン;交響曲第7番(CAMERATA)
1990年3月27日、ザ・シンフォニー・ホールで開かれた、大阪センチュリー響のデビュー・コンサートのライヴ録音である。
こういうCDがあるとは知らず、某オークションに出品されていたので吃驚。センチュリー響のファンとしては聴かざるべからずと落札したもの。
ブックレット記載の楽員表を現在のものと比べると、ヴァイオリンが14名しかいないなど(現在は18名)、少し編成が小さかったようだ。楽員の異動なども窺えて興味は尽きない。
 

8月9日(月): 

 

渡邉暁雄(指揮) 東京都響
シベリウス;交響曲第1・2番(Tokyo FM)
渡邉先生のシベリウス、買わざるべからず。
CD2枚組に各1曲を収録。第1番は1972年4月28日(都響音楽監督・常任指揮者就任披露演奏会)、第2番は1973年4月17日、それぞれ東京文化会館でのライヴ録音である。
さすがに30年前、音質的には少し古さを感じるのが残念。
藤川真弓(Vn) 渡邉暁雄(指揮) 東京都響
シベリウス;交響曲第5番 & ブルッフ;Vn協第1番 ほか(Tokyo FM)
これも渡邉先生のシベリウス、しかも後期作品となれば買わざるべからず。
トゥオネラの白鳥をフィルアップ。
シベリウスは1974年7月17日、ブルッフは1975年9月22日、それぞれ東京文化会館でのライヴ録音。上記の交響曲集よりも音質が少し向上しているのがうれしい(特にブルッフ)。
 
なお、渡邉先生のシベリウス録音には、日本フィルの自主製作盤で第2番(1976年小樽)・第7番(1989年サントリーホール)が遺されており、特に前者は伝説的名演とされている。何とか再発してもらいたいものだ。
 
エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮) レニングラード・フィル
シベリウス;交響曲第3番(Altus)
以前、ヴィターリー・フォミーン『評伝 エヴゲニー・ムラヴィンスキー』(河島みどり訳、音楽之友社)を読んだとき、巻末に附されていた指揮者の演奏記録を見ていて、斉諧生偏愛の曲であるシベリウス;第3番をソ連で初演し、計4回指揮していると知って驚いたことがある。
この曲はシベリウスの7つの交響曲の中ではもっともマイナーで、演奏回数も少なく全集企画でもなければ録音されない曲だからである(カラヤンが跨いで通ったのは有名)。
ところが、ムラヴィンスキーは、それ以外には第7番と「トゥオネラの白鳥」しかシベリウスの曲を振っていない。
レニングラードから見ればヘルシンキはバルト海対岸の街なのだから、もう少し演奏していても良さそうなものだが、そこがムラヴィンスキーたる所以かもしれない。
ぜひ聴いてみたいとは思ったものの、まあ不可能な夢だろうと諦めていたのだが、それが遂にCD化されたので吃驚仰天、驚喜して発売を待っていたもの。
1963年10月27日、レニングラードでライヴ収録されたもので、上記のソ連初演の翌日の記録ということになる。
モノラル録音だが、ボーナストラックとして擬似ステレオ化された音源が加えられている。なるほどこちらの方が聴き易い。
演奏は素晴らしいものだが、最強奏時に音が飽和し盛大に歪んでいるのは残念。
 
ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響
マーラー;交響曲第5番(RELIEF)
フェドセーエフのマーラーは、平成14(2002)年5月、ウィーン響との第5番第6番を聴きに出かけたことがある。
また、音盤では第4番のLPが素晴らしかった。
録音を待望していたところ、RELIEFからリリースが始まり、来日公演での会場販売で第6番を入手。先日は第1番を通販で購入した。
会場販売では買い損なった第5番が、いよいよ店頭に並んでいたので勇躍購入。
2000年8〜9月、モスクワ音楽院大ホールでの録音。
なお、どうしたことか第4楽章あたりでビリつきのようなノイズがたびたび混入する。そういう情報は聞いていないので、今回出荷分のロットだけの不良なのだろうか?
 
ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響
チャイコフスキー;バレエ音楽「胡桃割人形」 ほか(RELIEF)
上記マーラーと一緒に「胡桃割〜」の新譜が入荷していたので、もちろん購入。
2003年3月、モスクワ音楽院大ホールでのライヴ収録とのこと。
指揮者自編の組曲「眠りの森の美女」をカプリング(こちらは1999年録音)
 

8月8日(日): 「斉諧生音盤志」を公開してから7年が経ちました。ますますの御愛読、あるいはblogへのコメントなど御愛顧を賜り、心から御礼申し上げます。
 なにとぞ引き続き御贔屓くださいますよう、お願い申し上げます。<(_ _)>
 
 なお、夏中には新しいコンテンツを追加したいと計画しております。今しばらくお待ちくださいませ。
 

 昨日届いたSPの情報をシュミット・イッセルシュテット・ディスコグラフィに掲載。


8月7日(土): 

 

アラベラ・シュタインバッハー(Vn) ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響
ハチャトゥリアン;Vn協・組曲「ガイーヌ」 ほか(VISTA VERA)
今年5月の来日時、会場販売で買えなかったハチャトゥリアンほかをレーベルの公式Webpageにオーダーしていたものが届いた。どういう郵便事情なのか、オーダーから2か月以上かかったが…。
2003年5月13日にモスクワ音楽院大ホールで開かれた、ハチャトゥリアン生誕100年記念演奏会のライヴ録音。音質的な問題はまったくなし。
Vn協の独奏者は、先だってOrfeoからも同曲のスタジオ録音が発売されており、そちらは2003年8月の録音だった。なお、彼女の公式Webpageがあり、当日の舞台写真指揮者とのポートレートが掲載されている。
標記2曲のほかバレエ音楽「スパルタクス」より「アダージョ」附随音楽「仮面舞踏会」より「ワルツ」をフィルアップ。後者のみ1990年の録音と記されている。
 
ヴィクトル・シモン(Vc) ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響
シューマン;Vc協・ミヤスコフスキー;Vc協 ほか(VISTA VERA)
モスクワ放送響の首席奏者を長年勤めたシモンについては、以前、東京フィルのコンサートマスター荒井英治氏が「人間性の最も深いところから発せられている音色」と絶讃した記事を読んだことがある。
独奏者としても活躍していたということなのだが、その面での音盤が少ないのを嘆いたところ、新譜が発売されたというので、上記ハチャトゥリアンと同時にオーダーしたもの。
録音は少し古く、1984年(シューマン)と1986年(ミヤスコフスキー)。マイクがチェロに近接しており、生々しい音色を堪能できる。録音年代が下るミヤスコフスキーの方が音質が悪く少々歪みっぽいのが残念。
チャイコフスキー;ロココ変奏曲をカプリング(1984年録音)。
 
ダヴィード・オイストラフ(Vn) スヴィヤトスラフ・リヒテル(P)
バルトーク;Vnソナタ第1番 & プロコフィエフ;Vnソナタ第1番(Victor)
先月25日の項に書いたプロコフィエフ作品聴き比べの際、本命盤と目されているにもかかわらずCD未架蔵のため参照することができなかったオイストラフ盤が、某オークションに出品されていたので落札したもの。
1972年5月、モスクワ音楽院大ホールでのライヴ録音。
 
シモン・ゴールトベルク(指揮) オランダ室内管 ほか
ヒンデミット;「四つの気質」・「5つの小品」・「葬送音楽」(米EPIC、LP)
名ヴァイオリニスト、ゴールトベルクは指揮盤も多く、聴き逃せないところ。まして盟友ヒンデミットの作品を振ったものであれば、なおさらである。
「四つの気質」のピアノ独奏はレオン・フライシャー、「葬送音楽」のヴィオラ独奏はパウル・ゴドヴィン
また、「5つの小品」は作品44の「器楽合奏のための教育用作品」から採られている。
某オークションできわめて安価に落札したもの。
 
ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮) ベルリン・ドイツ・オペラ管 ほか
ヴェルディ;歌劇「椿姫」(抜粋)(日TELEFUNKEN、SP)
シュミット・イッセルシュテットの未覆刻SPが、日本盤ながら某オークションに安価で出品されていたので落札したもの。
独唱者はペーター・アンダース(Ten)、マーガレット・プファール(Sop)など。
 
なお、シュミット・イッセルシュテットは、ステレオ初期のLPにも「椿姫」の抜粋を録音している。
そちらの独唱者はエルンスト・ヘフリガーマリア・シュターダーと、バッハのカンタータのような顔ぶれなのが面白い。
演奏の方も、いかにもドイツ風の珍品だったが、旧録音では果たして如何に…?

8月6日(金): 

 

ジョン・ウィリアムズ(G) ヤーノシュ・ローラ(指揮) フランツ・リスト室内管
ヴィヴァルディ;G協集(Sony Classical)
このところ蒐集しているリスト室内管の未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札。
1990年5月にブダペシュトで録音されており、Vn協等からギター用に演奏者が編曲したものを中心に選曲している。
 

8月5日(木): 

 

ニコラス・チュマチェンコ(Vn) ダニエル・レヴィ(P)
シューマン;Vnソナタ第1・2番(EDELWEISS)
実力派ヴァイオリニストとして知られるチュマチェンコ、バッハ;無伴奏Vn曲集のCDを探しているのだが、まだ見つからない。
バッハ探索の副産物(?)として、愛惜佳曲書にも掲げたシューマン作品(第2番)が某オークションで見つかったので、落札したもの。
1989年、ヴェネツィアでの録音。
 

8月4日(水): 

 

クリストファー・シーマン(指揮) ロイヤル・フィル
ディーリアス;管弦楽曲集(RPO)
ディーリアスの管弦楽曲は愛好するところ、未架蔵盤がeBayに出品されていたので落札したもの。
収録曲は、
「ブリッグの定期市」
歌劇「コアンガ」より「ラ・カリンダ」
劇音楽「ハッサン」間奏曲・セレナード
「日の出前の歌」
「春初めての郭公を聞いて」
歌劇「村のロメオとジュリエット」より「楽園への道」
歌劇「イルメリン」前奏曲
「丘を越えて遥かに」
1994年8月、ロンドンで録音されたもので、ひところ大量に出回ったロイヤル・フィル製作盤(TRING)。
 
ヴィクトリア・ムローヴァ(Vn) マキシム・ショスタコーヴィッチ(指揮) ロンドン響
チャイコフスキー;Vn協 & ショスタコーヴィッチ;交響曲第5番 ほか(NEC、LD)
先だってから蒐集を心がけているムローヴァの音盤、CDはまずまず揃ってきたところだが、未架蔵が気になっていたLDが某オークションに比較的安価に出品されていたので落札。
1985年、ロンドン・バービカンでのライヴ収録で、ムローヴァは亡命してから2年ほどしか経たない頃に当たる。
最近の彼女と違って、ひっつめ髪に、記者会見で「私はイスラムのダンサーではありません」と言い放ったという直立不動の演奏姿を、ぜひ映像で確認してみたい。
 

8月2日(月): 

 

マイケル・ティルソン・トーマス(指揮) ロンドン響 ほか
ドビュッシー;聖セバスチャンの殉教
アンゲルブレシュトが初演に合唱指揮で参加した「聖セバスチャンの殉教」、カプレによる「交響的断章」版が通用しているが(約20分)、彼はドビュッシーの音楽すべてを上演できるヴァージョンを作成した(当盤では約66分)。
近年の録音では、このT.トーマス盤が代表的なもの。疾うに架蔵していると思いこんでいたが、先日調べると、とんだ思い違い。
慌てて通販サイトを調べてみたが品切状態。幸いeBayで出品されたのが網に掛かったので落札したもの。
独唱者にアン・マレーナタリー・シュトゥッツマンシルヴィア・マクネアーらと、強力な顔触れが揃っている。
ただ、どうしたことかブックレットが表紙だけで中味を欠いており、楽譜の詳細などが確認できないのは残念。
1991年9〜10月、ロンドンでの録音。
 

8月1日(日): まもなく「斉諧生音盤志」が8年目を迎えます。これを機に今日からblogで運用してみることにいたしました。まだまだ思うようなカスタマイズが出来ていませんので、これからも形が変わっていくかと思います。当面、御利用に不便なことがあるかもしれませんが、御海容ください。何かございましたら、御意見・御感想をお寄せくださいませ。

 

ジョン・バットリック(P) アカデミカ四重奏団
フランク;P五重奏曲・弦楽四重奏曲(伊dynamic、LP)
見れば買うことにしているフランク;P五重奏曲の未架蔵盤が某オークションに出ていたので購入。弦楽四重奏と各1枚に収められた2枚組である。
四重奏団は聞かない名前だが、第1Vnは現在イ・ムジチのリーダーを務めているはずのマリアーナ・シルブ。これは彼女が1968年に創設した団体だという。
そういえば、シルブの独奏盤CDがこのレーベルから出ていた。手元にはエネスコ;Vnソナタ集がある。
録音は1980年6月。
 
ユーヴァル・ヤロン(Vn) レナ・シュティペルマン(P)
シベリウス;Vn小曲集(芬FINLANDIA、LP)
ヤロンは1953年イスラエル生れ、シェリングに見出され、アメリカに渡ってジョゼフ・ギンゴールドハイフェッツに学んだ。
1975年のジャン・シベリウス・ヴァイオリン・コンクールで優勝、これはその記念に製作されたものであろうか(1977年7月録音)。
op.78、81、115、116を収録している(ただし81-4、116-3を欠く)。
CDでは架蔵済みだが、アナログ録音ゆえLPでもと思っていたところ、某オークションに安価で出品されたので落札。
 

平成16年8月15日(日): 「提琴列伝」に和波孝禧を掲載。
平成16年1月4日(日): 「作曲世家」にルクー・ディスコグラフィを追加。
平成15年8月24日(日): 倭匠列伝指揮者・宇野功芳を掲載。
平成15年8月24日(日): 50万件アクセスを記念して、ページデザインを全面改訂。
平成15年5月24日(日): 「逸匠列伝」にユッシ・ヤラスを掲載。
平成14年10月14日(祝): 「名匠列伝」にハンス・シュミット・イッセルシュテットを掲載。
平成14年5月25日(土):黄金週間中のウィーン旅行の顛末を「維納旅行記」として公開。
平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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