音盤狂日録


6月30日(木)

 

エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮) ロシア国立管
スーク;アスラエル交響曲(Russian Disc)
スークが亡妻の追憶に捧げた抒情あふれる交響曲、クーベリック盤(PANTON)に接して以来、見れば買うようにしている。
スヴェトラーノフの録音があることには長く気づかず、某オークションなどではけっこう高値が付いていて手が出しにくかった。
今回eBayに安価で出品されており、落札したもの。
はやしさんのWebpageでは「響きそのものはいつものロシア国立響。(略)なかなかいいんじゃないかと(特にアダージョ)思う」とのコメントが付されており、楽しみである。
1993年録音と表示されている。
ワルター・レイター(Vn) コルダリア
ビーバー;ロザリオのソナタ(Signum)
以下2点はアリアCDさんから。
先だって、この偏愛の曲の特集ページが掲載されており、未架蔵盤のうち特に興味を惹かれたレイター盤をオーダーしたもの。
アリアCDさんのコメントでは
ピーンと張りつめた緊張が全体を覆い、一瞬たりとも緩みはしない。謙虚に耳を傾けるにふさわしい、屈指の名演。レイター、むちゃくちゃうまい。テクニック的には一番うまいかも。とくにパッサカリアの燃焼ぶりはすごい。
とのこと、大いに期待したい。
レイターはユダヤ系の両親(オーストリアからの亡命者か)のもとイギリスに生まれ、北アイルランドの大西洋岸で育った。グラスゴーやロンドンで学び、シャーンドル・ヴェーグにも就いたことがあるという。コルダリアは彼が創設したアンサンブルで、公式Webpageがある。
1999年3月〜2000年2月、ロンドンの聖サイラス長老派教会とサフォーク・オルフォード教区教会での録音。
辻井淳(Vn) 藤井由美(P)
「ユーモレスク」(ISODA)
京都市響コンサートマスター時代はもうずいぶん昔のことになったが、この人のヴァイオリンには独特の気品と懐かしさがあり、音盤は出るたびに買っている。
7枚目の小品集が出たというので、アリアCDさんにオーダーしていたもの。
標題のドヴォルザーク(クライスラー編);ユーモレスクをはじめ、ワックスマン;カルメン幻想曲ドビュッシー(アルトマン編);亜麻色の髪の乙女など計15曲を収めている。
2004年7月、滋賀県高島町ガリバーホールでの収録。

6月27日(月)

 

ジョルジュ・プレートル(指揮) シュトゥットガルト放送響 ほか
R・シュトラウス;歌劇「カプリッチオ」(FORLANE)
オペラの全曲盤など当分手を出すまいと思っていたのだが、プレートルのシュトラウスとなるとやはり聴いてみたい(Orfeoから出たウィーン響との管弦楽曲集は素晴らしかった)。FORLANEも入荷の不安定なレーベルだし…と思い、eBayで落札したもの。
主な歌い手はフェリシティ・ロット(Sop)、トーマス・アレン(Br)、シュテファン・ゲンツ(Br)など。
1999年5月28日にマンハイムのローゼンガルテン・モーツァルト・ザールでライヴ収録された音源を基本として、29〜31日に補足的な録音セッションを行ったとのこと。

6月26日(日)

 

カール・フォン・ガラグリ(指揮) ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
シベリウス;交響曲第2番(独ETERNA、LP)
ガラグリのシベリウス録音、特に初期交響曲については指揮列伝に記したように、屈指の名演として称賛している。
ただ第2番については録音が今ひとつ冴えないことを嘆いていたところ、このページを読まれた方からメールを頂戴し、オリジナルの白緑(扇形)レーベルでは素晴らしい音質であると御教示いただいた。
以来、探求盤に加えていたのだが、なかなか見つからない。
先日、eBayで発見、勇躍落札してから気がついた。…モノラル盤だった(涙)。

6月25日(土)

最近ネット上(blog間)を飛び交っているMusical Baton伊達でございます!から御指名をいただいたので。
(1) コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量
ネットラジオのストリーミングを保存したファイルが3.7GBほど入っています。
(2) 今聞いている曲
ハバネラ・サキソフォン四重奏団によるドヴォルザーク;四重奏曲第12番「アメリカ」
(3) 最後に買ったCD
↓を御参照くださいませ。
(4) よく聞く、または特別な思い入れのある5曲
5曲に絞るのは難しい…ステーンハンマルだけで5曲を超えそうな…
ステーンハンマル;セレナード
リリー・ブーランジェ;ピエ・イェズ
ルクー;ピアノ四重奏曲
は絶対に外せないのですが、残り2曲の枠はどれを採っても悔いが残りそうです。
とりあえずは愛惜佳曲書を御参照いただいて…。
(5) バトンを渡す5人
これはとりあえず、私のところで止めておきます。<(_ _)>

 

ジョルジュ・プレートル(指揮) フランス国立管
ルーセル;バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」・「蜘蛛の饗宴」(EMI)
「蜘蛛の饗宴」は愛惜佳曲書に掲げた偏愛の曲だが、迂闊にもプレートル盤があるとは気がついていなかった(汗)。
eBayを眺めていて出品を見つけ、慌てて落札したもの。
EMIの「フランス音楽のエスプリ」シリーズには入っていたのだろうか?
「バッカス〜」は全曲版、「蜘蛛」は「交響的断章」版による。
録音年月は明記されていないがマルPは1986年。

6月24日(金)

 

エミリー・バイノン(Fl) 上野真(P)
「ファンタジー」(CRYSTON)
コンセルトヘボウ管の首席奏者バイノンの新譜にリリー・ブーランジェ;春の朝にが含まれているというので、発売を待ちかねていたもの。
そのほかケックラン;Flソナタラヴェル;亡き王女のためのパヴァーヌエネスコ;カンタービレとプレストなどフランス系の作品を収める。
2004年11月、富山・北アルプス文化センターでの収録。

6月22日(水)

 

ジョルジュ・プレートル(指揮) ニュー・フィルハーモニア管
シベリウス;交響曲第2・5番(BMG)
タワーレコードによるCD覆刻シリーズに、プレートルのシベリウスが入ったのには驚いた。
LPでは架蔵しているのだが、やはりCDでも手元に置いておきたいと購入。1967年の録音ということがはっきりしただけでも良かった。
このシリーズ、他の商品も負けず劣らずマニアックなラインナップで、欲しいものが多いのだが、ジャケットと解説が貧相なのは残念。値段(税抜1,000円)相当ということだろうけれど。
エディット・パイネマン(Vn) ギュンター・ヴァント(指揮) バイエルン放送響
プロコフィエフ;Vn協第1番 & ストラヴィンスキー;組曲「火の鳥」 ほかProfil)
ヴァントの音源発掘が進んでいるようで、DVDなども大量に出るのは嬉しいやら困ったやら(もちろん財布が夏風邪をひくから)。
中では偏愛の曲の一つ、プロコフィエフが収録されているものを、見逃しがたいと購入。ソリストがパイネマンであるからには尚更。
標記2曲以外にストラヴィンスキー;組曲「プルチネッラ」を含む。
収録は3曲ばらばらで、プロコフィエフが1983年1月13日、「火の鳥」は1978年10月26日、「プルチネッラ」が1981年5月と表示されている。

6月21日(火)

 

ヨーゼフ・クリップス(指揮) アムステルダム・コンセルトヘボウ管
モーツァルト;交響曲第32・38・40番Philips)
LPで聴いてきたクリップスの最大遺産、コンセルトヘボウ管とのモーツァルトを、少しずつCDでも買い揃えている。
某オークションに未架蔵盤が出品されていたので落札したもの。廉価盤リリースだったから、そのときに買っておけば安くついたのだろうが…(苦笑)。
1972年6月〜1973年6月の録音。
ルイジ・サグレスタノ(指揮) ヒムヌス管
アリアーガ;交響曲 ほかFSM)
愛惜佳曲書に掲げている偏愛の曲、アリアーガの未架蔵盤をeBayで見つけたので落札したもの。
よくフィルアップされる序曲「幸福な奴隷」に加え、「エルミニア」(Sopと管弦楽、演奏時間13分30秒)、スターバト・マーテル(合唱、Orgと管弦楽、演奏時間7分9秒)という珍しい作品が収められているのがたいへん嬉しい。
演奏者についてブックレットに記載がないのは残念。
1993年11月、ケルンでの録音。

6月20日(月)

 

アンドラーシュ・シフ(P) イヴァン・フィッシャー(指揮) ブダペシュト祝祭管
バルトーク;P協第1〜3番TELDEC)
イヴァン・フィッシャーとブダペシュト祝祭管のバルトークは聴き逃せないものだが、未架蔵だったシフとの共演盤をeBayで落札。
たしか廉価盤にはなっているのだが、ジャケットがあまりに貧相なのでどうしても初発盤で架蔵しておきたく、捜していたもの。
1996年4月、ブダペシュトのイタリアン・インスティチュートでの録音。
カトリーン・ショルツ(Vn) ミヒャエル・ザンデルリンク(指揮) ベルリン室内管
ベートーヴェン;Vn協 & ブルッフ;Vn協第1番Berlin Classics)
2月に実演を聴いたショルツのベートーヴェン、会場で国内盤を売っていたが、輸入盤でと考えていたところ、某オークションで安価な出品があり、国内盤の半額以下で入手できた。(^^)
指揮者はクルト・ザンデルリンクの子息で、チェリストとしても活躍しているらしい。トマスシュテファンの弟に当たるはず。
ドミトリー・シトコヴェツキー(Vn) ベラ・ダヴィドヴィチ(P)
ブラームス;Vnソナタ第1〜3番NOVALIS)
買いそびれていたシトコヴェツキーの録音の一つを某オークションで見つけ、落札したもの。
まだ母子共演時代のものだが(1987年5月、バンベルクのツェントラル・ザールでの録音)、この人は昔の録音の方が良いのかもしれない。
ダニエル・ミュラー・ショット(Vc) ハンス・シュタットルマイアー(指揮) バンベルク響
ラフ;Vc協第1・2番 ほかTUDOR)
次のシューマンと併せ、このところ贔屓のチェリストの一人になっているミュラー・ショットの新譜を湧々堂さんにオーダーしていたもの。
上記Webpageに詳細な紹介があるが、
なんという旋律の美しさ、とことん分かりやすい展開、そうしたくなる気持ちが痛いほどわかる楽器配分等、気の置けない友達みたいな親近感で音楽が擦り寄ってくるのです。
とのこと、楽しみである。
2003年6月〜2004年1月、バンベルクのヨーゼフ・カイルベルト・ザールほかでの録音。
ダニエル・ミュラー・ショット(Vc) ロベルト・クーレク(P)
シューマン;Vc曲集Orfeo)
ミュラー・ショットの最大の魅力は、湧々堂さんも書いておられるとおり、そのひたすらに甘美な音色にある。
その美音でシューマンの作品、録音が多いアダージョとアレグロ3つのロマンス民謡風の5つの小品のほか、Vnソナタ第1番「月の夜」・「夕べの歌」のVc編曲を収録している。
チェロの存在さえ忘れさせ、クリーミーな名バリトンの美声を彷彿とさせる語り口が泣けます。(略)澄み切った音色と純朴な歌心にも心打たれない人がいるでしょうか?
とのコメントは、けっして大袈裟な惹句ではない。
2003年5月、ミュンヘンのバイエルン音楽スタジオで録音された。

6月18日(土)

 

エルマー・オリヴェイラ(Vn) ロバート・マクドナルド(P)
ブラームス;Vnソナタ第3番 ほか米VOX、LP)
先日も新録音CDを購入したばかりのオリヴェイラ、これは1983年に第7回エイヴリー・フィッシャー賞を受賞した記念に製作されたLPの模様。チャイコフスキー・コンクールの優勝をイリヤ・グルベルトと分け合ってから5年後ということになる。
収録曲は標記以外にブロッホ;バール・シェム(「ニグン」ほか2曲)、バルトーク;ルーマニア民俗舞曲
1983年10月〜84年2月の録音。
eBayにて落札したもの。

6月17日(金)

 

カトリーン・ショルツ(Vn & 指揮) ベルリン室内管
ハイドン;交響曲第45番「告別」・Vn & Cem協 ほかBerlin Classics)
久しぶりにJPCにオーダー。「在庫あり」と表示されている品に限定して頼んだのでずいぶん早く届いたが、相変わらず梱包がヤワで、CDケースにヒビの入ったもの多し。
当盤は、2月に実演を聴いて感心したショルツの比較的最近の録音(2003年3〜6月、ベルリン、イエズス・クリストゥス教会)。
標記のハイドン;協奏曲を冒頭に、交響曲を末尾に置き、中にモーツァルト;ディヴェルティメント K.136セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を挟むという凝った構成。
協奏曲でのCem独奏は、ケヴィン・マッカッチョン (Kevin McCutcheon)。
なお、オーケストラはヘルムート・コッホが創設した団体で、1995年以来、ショルツが音楽監督の地位にあるとのこと。
ルドルフ・ブフビンダー(P & 指揮) ウィーン響
モーツァルト;P協全集Profil)
以前、CALIGレーベルから出ていたものの再発で、CD9枚組に第5・6・8・9、11〜27番ロンド K.382の22曲を収録している。
これで約42ユーロだから(JPC)、まずお買い得か。
以前、Web上の知人からお薦めいただいたもので、実にいきいきとした表情と最高に美しい緩徐楽章を聴くことができるのだそうである。非常に楽しみ。
ウィーン・コンツェルトハウスでのライヴ録音と記されているが、収録年月日の記載が抜けているのはちょっと困る。
ウィーン響の公式WebpageにCALIG盤のデータが掲載されており、それによれば1997〜98年録音ということである。
ユリア・フィッシャー(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)PentaTone)
最近話題の新進によるバッハをJPCにオーダーしてみた。29ユーロ弱なので送料を考えれば国内で買うのとあまり変わらないかも。
ただし、ブックレットが1冊余分に付いてきて、それに本人のサインが入っている。ディーラー独自の特典であろうか。
また初回発売分限定のDVDも附属しており、12分弱の映像に本人のインタビュー(英語)や収録風景などが収められている。
2004年12月、アムステルダムのシンゲル再洗礼派教会での録音。使用楽器は1750年製J.B.ガダニーニ。
アリアドネ・ダスカラキス(Vn) ログリット・イシャイ(P)
ラフ;Vnソナタ第1・3・4番TUDOR)
さるオフ会で「ラフはいいよ〜」と伺って以来、気になっていた作曲家(スイス音楽紀行さんに紹介がある)。
TUDORレーベルでシリーズ録音が始まっており、ちらちら見ていたところ、以前リサイタル盤やフォーレを聴いて好感を持っていたダスカラキスがVnソナタを録音したので、JPCにオーダーしてみた。
第1番ホ短調と第3番ニ長調は25〜30分規模の大曲、第4番ト短調は「半音階的ソナタ」の名があり15分ほどの単一楽章作品である。
2003年1月、ミュンヘンのバイエルン放送局第2スタジオでの録音。
ユリウス・ベルガー(Vc) シュテファン・フッソング(アコーディオン)
バッハ;Vcソナタ第1〜3番 ほかWERGO)
もう数年前になるが、バッハ;無伴奏Vc組曲を聴き比べたとき、聴いて面白いという点では随一だったのがベルガーの新盤(WERGO)。
偶々読んだ雑誌に、フッソングが「ベルガーとバッハのガンバ・ソナタを録音する予定」と書いていたので、ずっとリリースを待っていた。
なかなか出てこないので、話が無くなってしまったのかと落胆していたところ、JPCの新譜情報で発見し、オーダーする機会を窺っていたもの。
クラシカル・アコーディオンは小型のオルガンのような性格を持つので、ポルタティフ・オルガンと録音したビルスマ盤のような味わいが聴けるのではないかと期待している。
なお、アドリアーナ・ヘルスキー( "Adriana Hölszky" )という現代作曲家(1953年ルーマニア生れ)の作品「雲と月」「ミゼレーレ」「ナウンズ・トゥ・ナウンズ II」をカプリングしている。
最後のものはEEカミングスの詩に基づく無伴奏Vc曲とのこと。
2001年1〜2月(バッハ)、2003年11月(ヘルスキー)の録音。使用楽器は1723年製のG.B.ロジェリとあるので、無伴奏組曲の録音時とは違う楽器を使っていることになる。
ドミニク・ヴィリアンクール(Vc) エミール・ナウモフ(P)
ベートーヴェン;Vcソナタ全集EA)
昨年、録音情報を掲載したヴィリアンクールのベートーヴェン全集。
ずっとリリースを待っていたが、ようやく発売されたようなので、fnacにオーダーしたもの。
CD2枚にソナタ5曲を収録している。
2004年5月、彼が音楽祭を主宰しているフランス・サントル地方のラ・プレ修道院でのライヴ録音で、ブックレットには日本語のページもある。
ハバネラ四重奏団
グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」 ほかAlpha)
折に触れてお世話になっているThunderさんのblogで紹介されていたCD。
今年の大阪国際室内楽コンクールで第1位をとったサキソフォン四重奏の団体で、コンクールのための来日時の様子については、大阪在住のサキソフォン奏者井上麻子さんのblogに記事がある。
偏愛の曲「ホルベア〜」の名演とあらば聴かざるべからず、とfnacにオーダーしたもの。
カプリングのドヴォルザーク;弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」ともども、どういう響きになっているのか楽しみである。(^^)
もう1曲、グラズノフ;サクソフォン四重奏曲 op.109が収録されている。
2002年7月、ポワチエ国立地方音楽院のサン・ジェルマン講堂での録音。
ホアキン・アチュカロ(P)
シューマン;幻想曲・クライスレリアーナensayo)
畏友かとちぇんこさんはじめ、ピアニストに詳しい友人たちがこぞって讃仰するスペインの至宝、アチュカロの新譜。
そのうえ曲が先だって内藤晃さんのリサイタルで聴いたシューマンの作品17というので、「ピアノ独奏曲は買わない」という原則を破ってfnacにオーダーしたもの。
2003年10月、マドリッドでの録音。
シギスヴァルト・クイケン(指揮) ラ・プティット・バンド ほか
モーツァルト;歌劇「魔笛」Amati)
偏愛のオペラ「魔笛」の新録音。店頭でも見かけていたが、SACDハイブリッド3枚組ということで、かなり高い値付けになっており、47ユーロ強で買えるJPCにオーダーしたもの。
歌手は比較的馴染みの薄い名前が並んでいるが、クリストフ・ゲンツ(Ten)とシュテファン・ゲンツの兄弟がタミーノとパパゲーノを歌っている。
オーケストラには赤津真言、近藤倫代(以上Vn)、村上由紀子(Fg)はじめ何人も日本人の名前が見える。もっともブックレット掲載の写真に写っている寺神戸亮・鈴木秀美両氏は参加していないのだが(苦笑)。
2004年7月、ボーヌ国際バロックオペラ音楽祭でのライヴ録音。
シュザンヌ・ダンコ(Sop) デジレ・エミール・アンゲルブレシュト(指揮) ほか
ドビュッシー;歌劇「ペレアスとメリザンド」(抜粋) ほかINA)
アンゲルブレシュトの新しい音源、しかもダンコとカミーユ・モラーヌ(Br)の「ペレアス」抜粋が出るというので、国内の音盤屋に並ぶまではとても待てないとfnacにオーダーしたもの。
1952年4月29日、シャンゼリゼ劇場での録音で、オーケストラはフランス国立放送管。
当日は、この傑作の初演50周年に当たり、フランス国立放送による演奏会形式の公演が準備されたが、「ライバルのメリザンド歌手がめぐらした陰謀の結果として」聴衆なしで演奏されることになったものだという。
とはいえ、ダンコはアンゲルブレシュトの指揮を愛し、その不愉快な記憶よりも素晴らしい音楽の思い出を終生、大切にしたとのことである。
第2幕第1場・第3幕第1場・第4幕第4場から総計33分ほどが収録されている。
音質は極めて優秀、ちょっと声をクローズアップしすぎで管弦楽が遠くなっているのが残念だ。
また、もし全曲の録音が残っているのであれば、ぜひ全曲盤をリリースしてもらいたいと願う。
カプリングはダリウス・ミヨー(指揮) ローマ・イタリア国立放送響とのサティ;ソクラテス(1954年4月5日))とシャルル・ミュンシュ(指揮) フランス国立放送管とのラヴェル;シェヘラザード(1950年7月24日)。
ペーター・ルンデル(指揮) ミュンヘン放送管 ほか
マルケヴィッチ;詩篇 ほかProfil)
マルケヴィッチの作品の新録音をJPCで見つけたので、オーダーする機会を窺っていたもの。
「詩篇」を題材とする20世紀初め頃の作品を集めたCDで、他にツェムリンスキー;詩篇第13番コルンゴルト;過越の詩篇ブロッホ;詩篇第20番を収めている。
オーケストラは共通だが、指揮者はツェムリンスキーがペーター・ルジツカ、他2曲がマルチェロ・ヴィオッティ
マルケヴィッチ作品は1933年に書き上げられたもので、自演盤とMARCO POLO盤が出ていた。
2003年3月(ツェムリンスキー)・6月(コルンゴルト・ブロッホ)・10月(マルケヴィッチ)に行われたライヴ録音。

6月15日(水)

 

ジェニファー・フラウチ(Vn) ジェラード・シュウォーツ(指揮) シアトル響
プロコフィエフ;Vn協第1・2番ARTEK)
下記オリヴェイラの個人レーベルに近いARTEKだが、このフラウチという女性Vn奏者のCDを3枚、カタログに掲載している。
中でも偏愛のVn曲の一つ、プロコフィエフの第1協奏曲を含む1枚はぜひ聴きたいと思い、↓のオリヴェイラ盤とまとめてオーダーしたもの。
フラウチはカリフォルニア・パサデナの生れ、ロサンゼルスで学んだあと、ジュリアードでロバート・マンに師事したとのこと。
アメリカのさる財団から貸与された1722年製のストラディヴァリウス「エクス・カディス」を使用、とブックレットに記載されている。
2003年6月、シアトルのベナロヤ・ホール(オーケストラの本拠)での録音。
エルマー・オリヴェイラ(Vn) ロバート・ケーニック(P)
エルガー;Vnソナタ & フォーレ;Vnソナタ第1番ARTEK)
いつも拝読しているユビュ王の食卓さんの記事を見て、そうそう最近チェックしていなかったと、ARTEKのWebpageに行ってみると、なんと、オリヴェイラの新譜が出ていた。
しかもエルガーのソナタという渋い選曲、これはこれはというわけで、指定のbuythiscd.comにオーダーしたもの。
2002年1月、ニューヨークのロホ・スタジオでの録音。
アレクサンドル・ブルシロフスキー(Vn) アレクサンドル・クニャーゼフ(Vc) ほか
ブラームス;P四重奏曲第1番・Va三重奏曲Suoni e Colori)
 
アレクサンドル・ブルシロフスキー(Vn) アレクサンドル・クニャーゼフ(Vc) ほか
ブラームス;P四重奏曲第3番・P三重奏曲第3番Suoni e Colori)
アリアCDさんのカタログを見ていたら、贔屓の弦楽器奏者、ブルシロフスキーとクニャーゼフの2人が共演しているCDを見つけたのでオーダーしていたもの。
共演者はゲンナジー・フレイディネ(Va)とエドゥアルド・オガネシアン(P)。
標記のVa三重奏曲はop.114、つまりCl三重奏曲をヴィオラで演奏しているものである。
1996年11月(P四重奏曲第3番)、1997年6月(P三重奏曲)、1998年(P四重奏曲第1番・Va三重奏曲)に録音されており、全2者ではファツィオーリのピアノを使用しているとのこと。
レイチェル・バートン・パイン(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタ第1番・パルティータ第2番 ほかCEDILLE)
前にブラームスの協奏曲やヘンデルのソナタを聴いたレイチェル・バートン(結婚してパイン姓を付加したそうな)の新譜がアリアCDさんのカタログに出ていた。
標記バッハはもとより、ビーバー;パッサカリアは聴き逃せないとオーダーしたもの。
さらにヴェストホフピゼンデルの作品をカプリングしている。
既にT.S.さんがレビューを掲載しておられ、
抜群の技術力を駆使し,隅々まで神経を通わせた高い完成度を感じさせる音楽を構築しています。
とのこと、期待高し。
2004年1〜2月、シカゴでの録音。バロック・ヴァイオリン(1770年製ニコラ・ガリアーノ)を使用している。
ルイス・クラレット(Vc) ロゼ・マリー・カベスタニイ(P)
コダーイ;Vcソナタ・無伴奏VcソナタHMF)
昨冬に出たバッハ;無伴奏の新盤が佳かったクラレット、遡って聴いてみようと捜していたところ、コダーイがオペラ・パラダイスさんのWebpageに出たのでオーダーしたもの。
傑作無伴奏ソナタはもちろんだが、op.4のソナタが聴けるのも楽しみである。
ピアニストはトゥールーズ生れ、ミケランジェリやシェベックに学んだ人とのこと。
1989年12月の録音。

6月13日(月)

 

ズザンネ・ラウテンバッハー(Vn) ロベルト・ワーグナー(指揮) インスブルック響
ブラームス;Vn協The Great Composers)
コアなファンに人気があるのか、オリジナル盤はいつもオークションで高値の取引が続いているラウテンバッハー、ブラームスを聴いてみたいと思い、安価なCDをeBayで落札したもの。
テープの劣化か板起こし(?)なのか、オーケストラの音質は冴えないが、ソロはしっかりした音で聴くことができる。
廉価なシリーズ盤らしく、録音データ等はまったく記載されていない(苦笑)。

6月11日(土)

 

eBayステーンハンマル;セレナードのポケット・スコアを落札。
楽譜自体は以前にスウェーデンの版元から購入しているのだが、たまたま在庫が切れているときだったので、未製本のコピー譜(要するに紙の束)になってしまった。
今回は "Serenissima Music" というアメリカの出版社、もちろん製本されている(ペーパーバック)。
中味はスウェーデン版と同一なので、Dover版などと同じリプリントものと思われる。
念のため検索してみると、amazon.comでも購入できることがわかった。
ヤーノシュ・ローラ(Vn & 指揮) フランツ・リスト室内管 ほか
バッハ;管弦楽組曲(全曲)HUNGAROTON)
贔屓のアンサンブル、リスト室内管の未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札。
CD1枚に全4曲を収録、第2番のFl独奏はエリカ・シェベック第3・4番ではエドワード・タールのTrp部隊が加わる。
1987年、ブダペシュトでの録音。
ジネット・ヌヴー(Vn) ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮) 北ドイツ放送響
ブラームス;Vn協仏STIL、LP)
長年、未架蔵を嘆いていたLPをようやくeBayで入手。
国内盤LPやACANTAレーベルのLP、そのほかCD各種と、いったい何とおり手元にあるのかわからないくらいだが(苦笑)、いまなお最良と評価されているのが初出の仏STIL盤LP。
輸入盤新譜で店頭に並んだとき、たしか4,000円だったか5,000円だったか、えらく高い気がして買いそびれた(こちらも金の無い大学生だったし)。
あのとき買っておけばと、その後、万円単位で売られているのを見るたびに嘆じていた。
イッセルシュテット蒐集としても欠かせない1枚なので、ずっと気にしていたところ、もちろん安くはないにせよ、まずまず手頃な価格で出品されたのを機に落札したもの。
同じSTILレーベルのCD等と聴き比べてみたが、やや高域が持ち上がった感があるにせよ、もっとも生々しく、もっとも音に力がある。
1948年の録音としては、奇跡的な素晴らしさだといえよう。

6月8日(水)

 

京都大学音楽研究会の第100回記念定期演奏会を聴きに行く。
もっとも本業の都合もあって、演奏された7曲のうち、実際に聴けたのは1曲だけ。
とはいえそれがルクー;P四重奏曲(第1楽章)、この曲の実演に接することができて、ただただ感涙にむせぶのみ。
 
演奏者は、中古音盤堂奥座敷同人の工藤庸介さん(Vn)に加え、吉川昌毅(Va)、山形崇(Vc)、西村嘉晃(P)といった顔ぶれ。
 
何より工藤さんの共感に溢れたVnが素晴らしい。ピアノも達者、またコーダの追い込みもかっこよく、ルクーの音楽の美しさが大勢の人にアピールされた場に居合わせる幸福を味わうことができた。

6月7日(火)

 

ネーメ・ヤルヴィ(指揮) エストニア国立響 ほか
トゥビン;交響曲第6・10番FORTE)
先週の第4番の実演など、じわじわと身近な作曲家になっているトゥビンの比較的珍しいCDがeBayに出品されていたので落札した。
父ヤルヴィのエストニア時代の音源がCD化されたもので、第6番は1962年にエストニア放送響を振ったモノラル録音、第10番は1979年の録音。
CD自体はアメリカ製で、ジャケット表に "The Estonian Orchestral Series vol.1" とある。第2巻以下が存在するのであれば、その内容が気になるところだ。
マイケル・パーマー(指揮) アメリカン・シンフォニエッタ ほか
バーバー;Vn協 & ベートーヴェン;交響曲第2番 ほかベリンガム音楽祭自主製作)
eBayを眺めていたら、面白そうな自主製作盤があったので落札してみた。
CD2枚組で、1枚目には標記ベートーヴェンとモーツァルト;「フィガロの結婚」序曲サン・サーンス;「動物の謝肉祭」
2枚目はヴィヴァルディ;2Vn協 RV522を冒頭に置くほかはバーバー名曲集で、ノックスヴィル・1915年の夏弦楽のためのアダージョVn協
特にハイジ・グラント・マーフィー(Sop)がノックスヴィル〜で独唱しているのが目を惹く。この人は、リリー・ブーランジェ;「空のひらけたところ」の全曲盤を録音しているのだ。
またVn協はTelarcへの録音もあるロバート・マクダフィー、これも聴いてみたい。
1995年8〜9月に開催された第3回ベリンガム音楽祭でのライヴ録音で、西ワシントン大のコンサートホールで収録されたものとのこと。
オーケストラには公式Webpageがあり、指揮者のプロフィールはジョージア大音楽学部で発見。
ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指揮) BBCフィル ほか
ヒンデミット;歌劇「聖女スザンナ」 ほかCHANDOS)
これもeBayでトルトゥリエの未架蔵盤が安く出品されていたので落札。
「聖女スザンナ」は歌劇といっても上演時間20分強の短編、三部作のひとつを取り出して録音したもののようだ。
ヒンデミットの表現主義時代を特集しようという企画のようで、ヌシュ=ヌシ舞曲「トゥティフェントヒェン」組曲3つの歌 op.9をカプリングしている。
「聖女スザンナ」の名題役とop.9はスーザン・バロック(Sop)が歌っている。斉諧生は歌手には(も)疎いのだが、新国立劇場の「指環」でブリュンヒルデを歌った人らしい。
1997年、マンチェスターの放送会館での録音。
エリーザベト・バティアシュヴィリ(Vn) ほか
バッハ;無伴奏Vnパルティータ第1番 ほかBBC music magazine)
来年も来日が予定されている期待のVn奏者、バティアシュヴィリの演奏が含まれているCD。
前から気になっていたところeBayに安価で出ていたので落札したもの(送料含め500円程度)。
もっともよく見てみると、EMIのdebutシリーズで出た音源の転用らしい。ガッカリ。
1999年10月、サフォークのポトン・ホールでの録音。
そのほか、アレクサンドル・メルニコフショパン;Pソナタ第1番などを収録している。

6月6日(月)

 

下野竜也(指揮) アンサンブル
バッハ;ブランデンブルク協第5番 & R・シュトラウス;組曲「町人貴族」 ほかアフィニス文化財団)
JT(日本たばこ)系のアフィニス文化財団が開催している「アフィニス夏の音楽祭」の記録CD。財団のWebpageから「CDプレゼント」に申し込んだもの。
今回届いたのは2003年の分だが(vol.27)、いつ申し込んだのか、失念してしまった(汗)。このあいだvol.29を申し込んだような気がするが、まあ無償でお送りくださるのだから、文句を言っては罰が当たろう。
バッハは講師によるアンサンブルで、独奏Vnはヴァルター・フォルヒャート(フランクフルト音大)、Flはヴォルフガング・リッター(北ドイツ放送響)、Cemは金井玲子(東京芸大)。
R・シュトラウスは四方恭子がコンサートミストレスで率いる講師・受講者(国内各オーケストラ団員)のアンサンブルによる。
そのほかフランセ;木管五重奏曲(抜粋)をフィルアップ。
2003年8月、飯田文化会館及びJTアートホールでの録音。
下野竜也(指揮) 広島響 ほか
ドヴォルザーク;交響曲第7番 ほかアフィニス文化財団)
これも↑と同時に届いた、アフィニス文化財団が製作されたCD。こちらは、財団が助成した国内各オーケストラの公演を記録したもの。
収録されているのは、標記ドヴォルザーク(2003年11月14日、広響定期)のほか、
梅田俊明(指揮) 仙台フィル
スメタナ;「モルダウ」「ボヘミアの森と草原から」(2002年4月12日、仙台市青年文化センター)
 
秋山和慶(指揮) 東京響
ヤナーチェク;歌劇「死者の家から」前奏曲(2003年12月13日、サントリーホール)
ここのCDは届いてみるまで詳しい演奏者などがわからないのが悩みだが、まあ福袋のようなものかもしれない(笑)。
ウルフ・ヘルシャー(Vn) ヴォルフガング・ベッチャー(Vc)
ラヴェル;Vn & Vcソナタ ほか独EMI、LP)
贔屓のVn奏者の一人、ヘルシャーの未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札したもの。この人にラヴェルの録音があったとは意外。
同じ編成の曲ばかり、アイスラーマルティヌーヴォルフ・フェラーリが収録されている。
1984年1月、ノイマルクトでの録音。

6月5日(日)

 

京都フィロムジカ管弦楽団の第17回定期演奏会@京都府長岡京記念文化会館を聴きに行く。
指揮は遠藤浩史公式Webpageもある。
 
今日の曲目は、
マスネ;管弦楽組曲第3番「劇的風景」
ワーグナー;ジークフリート牧歌
トゥビン;交響曲第4番「抒情」
というもの。
目的はもちろん、珍しい北欧作品、トゥビン。ちょうど10年前の6月5日に父ヤルヴィ大阪フィルで日本初演して以来、本邦再演ということになるのだそうである。
このオーケストラを前に聴いたのは、たしか一昨年の6月。
そのときはニルセン;交響曲第3番「ひろがり」だったから、いつも珍しい曲を取り上げていただいてお世話になっているわけだ。
 
そのトゥビンは、期待にそぐわぬ、いやそれ以上に素晴らしい出来。
↓のヴォルメル盤で聴いたときには、わりとサラサラしたリリカルな曲という印象を持ったのだが、今日の実演に接してイメージが一変した。
これほど熱いものを閉じこめた曲であったとは…!
プログラムに、この曲を提案した団員の方が曲目解説を執筆しておられたが、その文章も実に熱い。
特に第2楽章の緊迫感や第4楽章の「人類の未来への希望」(プログラムより)を託した輝かしさには、深く心を打たれた。
なお、指揮者のWebpageにも、この曲への思い入れが吐露されている。
 
隔年で(?)北欧の佳曲を演奏してくださっている団体なので、いつかステーンハンマル;交響曲第2番を聴かせていただけることを念願したい。
 
1曲目のマスネも分厚い響きが立派。
シェイクスピアの戯曲の場面をイメージして書かれた曲だそうだが、『オセロー』の「デスデモーナの眠り」に基づく第2楽章「メロドラマ」が美しく、印象に残った。
 
弦の美しかったワーグナーは、Hrnが少し不安定だったのが残念。

6月4日(土)

 

カルロ・ゼッキ(指揮) アムステルダム・コンセルトヘボウ管 ほか
ハイドン;交響曲第100番「軍隊」 & シューベルト;交響曲第5番蘭Philips、LP)
Mikrokosmosから荷物が届く。
ゼッキの指揮盤で未架蔵の「軍隊」とシューベルトの変ロ長調交響曲のカプリング。オーケストラが前者はコンセルトヘボウ、後者がウィーン響なので、おそらく初出は別々の10インチ盤だったものではないか。
録音データは不明だがモノラル期と思われる。
それにしても、この人の音盤、CDこそ少ないが、けっこう出ているのに驚かされる。ぜひまとまったCD化を期待したい。
ハイドンの第1楽章を聴いているが、ゆったりしたテンポと切れ味の良いフレージング、まことに名匠と讃うべし。
イヴァン・フィッシャー(指揮) ブダペシュト祝祭管
ヨハン2世 & ヨーゼフ・シュトラウス;ポルカ集洪QUINTANA、LP)
贔屓のコンビの一つ、フィッシャーとブダペシュト祝祭管の未架蔵盤がMikrokosmosのカタログに出ていたのでオーダー。
ご当地もの「ハンガリー万歳!」を冒頭に置き、トリッチ・トラッチ・ポルカアンネン・ポルカピツィカート・ポルカ新ピツィカート・ポルカ雷鳴と電光クラップフェンの森で常動曲など計15曲を盛り込んでいる。
1991年2月に録音されたもののようだ。おそらくCDにもなっているのだろう。
ガスパール・カサド(Vc) ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮) ベルリン・フィル ほか
ハイドン;Vc協第2番 ほか蘇MELODYA、LP)
イッセルシュテットのSP録音のうち、まだCD化されていない(はずの)音源。ソ連時代のMELODYAがLPにしたものがMikrokosmosのカタログに出ていたのでオーダー。
…念のためにと、ガスパール・カサドのページで確認してみると、あらら、LYSレーベルからCD化されているとのこと(汗)。
おそらく1930年代のTELEFUNKEN録音、LPそのものは1981年製作。
第2面には小品7曲、「白鳥」「愛の挨拶」などが収録されている。
ジャック・デュモン(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)日コロンビア、LP)
某オークションに、バッハ;無伴奏Vnの珍しいLPが出品されていた。
独奏者は、1940〜60年代に活躍したパスカル弦楽四重奏団の第1Vnとして著名なフランスの人。
1913年生れ、パリ音楽院で名教師ブシューリに師事し、幸松肇氏によれば
ブシューリ譲りの軽快でフレキシブルなアクロバット的奏法をもつラテン的名人芸がそのままこの人に乗り移り、さらに圧縮するような力強い弓捌きがそれに加わって大胆にして個性的な輝きを放つ
とのこと。
オリジナル盤がeBayに出たこともあるが、まさに目の玉が飛び出るような値で落札されていた。
今回、あまり目立たない形で出品されたせいか、格安で落札することができ、嬉しい限り。国内盤ではあるが、まずこれで十分ではないか。
LPには演奏者の紹介も録音データも記載されていないが、ステレオ録音の表示がある。マルPは1972年になっているが、これはオリジナルの日付ではないだろうと思う。
カジミシュ・コルト(指揮) ワルシャワ国立フィル ほか
ヘンデル;「メサイア」波MUZA、LP)
贔屓の指揮者の1人、コルトの未架蔵盤がMikrokosmosのカタログに出ていたのでオーダー。
LPバラ4枚組で、独唱者は主にイギリスから招き、合唱団も英語で歌っている。
ライヴ録音と記されており、「ハレルヤ・コーラス」の後など熱烈な拍手が入っているが、録音データは明記されていない。
演奏者の略歴の記載からは、1970年代終わり頃のものではないかと推定しているが、どうだろうか。

6月2日(木)

 

エマニュエル・クリヴィヌ(指揮) フランス・ジュネス管
ベルリオーズ;幻想交響曲Classica)
Web上の知人から拝領したCD。フランスの音楽雑誌の附録盤とのこと。
整理しているときに見つけられ、斉諧生がクリヴィヌの音盤を蒐集していることを思い出して送ってくださったのである。あらためて、この場でも感謝申し上げたい。<(_ _)>
2001年9月、パリのシテ・ド・ラ・ミュジークでの録音。
ミヒャエル・ギーレン(指揮) 南西ドイツ放送響
マーラー;交響曲第9番 ほかhänssler)
hänsslerレーベルからのギーレンのマーラーは、1曲ずつこつこつ買っていたら、この9番と5番がいきなり全集箱ものに含まれる形で発売され、手が出せなかった。
ようやく単売されるというので待ちわびていたところ、今日の帰宅途中に立ち寄った音盤屋に並んでおり、購入したもの。
ギーレンの同曲は、Intercordレーベルから出ていたが、そちらは1990年の録音、当盤は2003年6〜7月にフライブルクのコンサートホールで録音されたとのこと。
2枚組の余白にブーレーズ;「リテュエル」・「ノタシオンI〜IV・VII」を収録。
渡邉暁雄(指揮) 日本フィル ほか
シベリウス;交響曲第7番 ほか自主製作)
十数年来の探求盤が入手できた。まさに歓喜雀躍。
渡邉先生の生誕70周年記念演奏会のライヴ録音で、1989年6月5日にサントリーホールで収録されたもの。
日本シベリウス協会の会報で、御家族が私的に製作された非売品CDがあると知り、爾来いつか聴ける日が来ることを念願していた。
収録曲は柴田南雄;シンフォニアシベリウス;トゥオネラの白鳥、アンコールのシベリウス;フィンランディア
更に「ハッピー・バースディ・トゥ・ユー」ハレルヤ・コーラス(小林研一郎の指揮)が収められている。
演奏会の曲目のうち江藤俊哉(Vn)とのベートーヴェン;Vn協がCDに入っていないのは残念。
ブックレットには、後日NHK-FMで放送された際の柴田南雄先生との対談が活字に起こされているとともに、木之下晃氏による渡邉先生の温容が多数掲載されている。
柴田・渡邉両先生に私淑する斉諧生にとって、宝物のようなディスクだ。
クリスティアン・ツァハリアス(P & 指揮) ローザンヌ室内管
ショパン;P協第1・2番MDG)
このところ御贔屓ピアニストの筆頭に数えるようになったツァハリアスの新譜、ショパンの弾き振りが店頭に並んでいたので早速購入。
2003年3月(第2番)、2004年10月(第1番)に、それぞれメトロポール・ローザンヌで収録された。
ジャン・ギアン・ケラス(Vc) パスカル・ロフェ(指揮) イタリア国立放送響
ダラピッコラ;管弦楽作品集stradivarius)
注目のチェリストの1人、ケラスの新録音が店頭に並んでいたので早速購入。
彼が演奏しているのは、チェロと管弦楽のための対話という20分弱の作品(1959〜60年)。
そのほか2つの小品(1946〜47年)、管弦楽のための変奏曲(1954年)、「3つの問と2つの答」(1962〜63年)が収録されている。
指揮者はパリ生まれ、1988年のブザンソン指揮者コンクールで2位、その後ブーレーズのアンサンブル・アンテルコンタンポランなどを指揮するなど現代音楽のスペシャリストとして活躍している人とのこと。
2002年9月、トリノでの録音。
漆原朝子(Vn) ベリー・スナイダー(P)
「ハンガリー・ヴァイオリン音楽の20世紀」fontec)
上記の音盤屋のワゴン・セールで半額になっていた国内盤から、漆原さんの未架蔵盤を取ってレジへ持参。
難曲バルトーク;無伴奏Vnソナタをはじめ同;狂詩曲第1番 & ルーマニア民俗舞曲ドホナーニ;Vnソナタクルターク;「サイン・ゲーム・メッセージ」(抜粋)を収録している。
2001年1・6月、秩父ミューズパークでの録音。

6月1日(水)

 

ダヴィド・ゲリンガス(Vc) イアン・ファウンテン(P)
ベートーヴェン;Vcソナタ第3〜5番 ほかEXTON)
ゲリンガスのベートーヴェンは先日第1・2番 ほかのCDが出て完結したばかりだが、昨冬に出た第1集を某オークションで見つけたので落札。
これまでゲリンガスはあまり積極的には聴いてこなかったが、たしか当盤は新譜の時の評判も良かったように記憶しており、機会あれば聴いてみたかったもの。
2004年3月、スイス・ヴィンタートゥーアのシュタットハウスで録音された。

平成16年8月15日(日): 「提琴列伝」に和波孝禧を掲載。
平成16年1月4日(日): 「作曲世家」にルクー・ディスコグラフィを追加。
平成15年8月24日(日): 倭匠列伝指揮者・宇野功芳を掲載。
平成15年8月24日(日): 50万件アクセスを記念して、ページデザインを全面改訂。
平成15年5月24日(日): 「逸匠列伝」にユッシ・ヤラスを掲載。
平成14年10月14日(祝): 「名匠列伝」にハンス・シュミット・イッセルシュテットを掲載。
平成14年5月25日(土):黄金週間中のウィーン旅行の顛末を「維納旅行記」として公開。
平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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