音盤狂日録


8月31日(水)

 

イヴァン・フィッシャー(指揮) ブダペシュト祝祭管
マーラー;交響曲第6番(CHANNEL CLASSICS)
退勤時に書店に立ち寄るはずが、ついつい隣の音盤屋に吸い込まれる。案の定、何枚かをレジに持参することに。
今年2月に録音情報を掲載した、フィッシャーのマーラーが遂に店頭に並んだからには買わざるべからず。
フィッシャーはハンガリー・マーラー協会の創設者で、毎年9月にはブダペシュト・マーラー音楽祭を開催しているという。
ブダペシュト祝祭管とは10年以上にわたってマーラーの演奏を続け、ようやく録音する段階に到達したと判断したという。
この曲で問題になるアンダンテ楽章とスケルツォ楽章の順番については、両方のやり方で何度も実演を繰り返し、アンダンテを第2楽章とする方が全曲のバランスの点で優れていると判断したと、指揮者がブックレットに寄せた文章の中で説明している。
また、同じ文章で、フィナーレでのハンマー打撃についても、2回とした方が(最後の打撃は削った方が)、終曲での絶望の噴出に釣り合うと述べている。
新築なったブダペシュト芸術センター(The Palace of Arts, Budapest)で2005年2月に収録された。この会場での初録音とのこと。
なお、SACDハイブリッド盤も出るようだが、これは通常のCD盤。
ルノー・カプソン(Vn) ニコラス・アンゲリッシュ(P)
ブラームス;Vnソナタ全集(Virgin)
期待の新進、カプソンの新譜が出ていたので購入。
第1〜3番のソナタと、いわゆるFAEソナタよりスケルツォを収録している。
2005年5月、スイス・ルガーノのスイス・イタリア語放送局での録音。
それにしても最近、ブラームス全集の増えたこと!
今月の国内新譜には古澤巌(Vn) 高橋悠治(P)という注目盤があるが、まだ買いそびれている。(汗)
オフェリア・サーラ(Sop) エンリ・ラウダレス(Vn) ゲルハルト・ツァンク(Vc) ドナルド・スルツェン(P) ほか
ヒナステラ;室内楽曲集(Orfeo)
ヒナステラのVn・Vc作品の新譜、演奏者に馴染みがないが、これはどうしても聴いておきたいと購入。
収録曲はパンペアーナ第1番(Vn & P)、Vcソナタパンペアーナ第2番(以上Vc & P)、2つの歌 op.3アルゼンチン民謡による5つの歌 op.10(以上Sop & P)、アルゼンチン舞曲 op.2(P独奏)
演奏者はおのおの生地はバラバラだが(ソプラノはスペイン・バレンシア、ピアノはアメリカ・カンザス、ヴァイオリンはグァテマラ、チェロはルーマニア)、現在ミュンヘンを本拠に活動している人たちらしい。
なお、op.10の第2曲が、フルニエの編曲でVcのための小品となった「トリステ」
録音は少し古く、1999年12月〜2001年4月に及ぶ。

8月30日(火)

 

パーヴォ・ヤルヴィ(指揮) ブレーメン・ドイツ室内フィル
ストラヴィンスキー;組曲「兵士の物語」 ほか(PentaTone)
以下3点はMDTのPentaToneレーベルのセールに追加発注した荷物が届いたもの。
パーヴォのディスクは前回R・シュトラウスを購入したが、残っていたストラヴィンスキーも聴いておきたいとオーダーしたもの。
標記のほかラグタイムダンバートン・オークス協ニ調の協奏曲組曲第1・2番を収録している。
ブックレットにパーヴォのコメントが掲載されており、
ストラヴィンスキーの音楽は作曲当時よりも今日において、より新鮮である
このCDに収録した曲目は、ずっと録音したかったものだが、長い間、ふさわしいオーケストラを見つけられなかった。ドイツ室内フィルは、理想的なパートナーだ。この団体は、ソリストの集団である
『兵士の物語』は『春の祭典』より難しい。『春祭』はストレートではっきりしているが、『兵士』はすべての声部が重要で、非常に壊れやすいテクスチュアと意図を持つ
等と語っている。
2002年8月、ブレーメン放送大ホールでの録音。
ユリア・フィッシャー(Vn) ヤコフ・クライツベルク(指揮) ロシア・ナショナル管
プロコフィエフ;Vn協第1番 & ハチャトゥリアン;Vn協 ほか(PentaTone)
先だってバッハ;無伴奏を購入したユリア・フィッシャーの協奏曲録音をオーダー。
何といっても標記2曲は愛惜佳曲書に掲げた曲、これを見落とすことはできない。
ハチャトゥリアンの作品はしばらく新録音がなかったが、このところシュタインバッハー盤(Orfeo)、セルゲイ・ハチャトゥリアン盤(naive)といった新進俊英のCDが出てきた。
これで一気にポピュラー曲への復活を果たすのだろうか。楽しみである。
更にグラズノフ;Vn協をカプリング。
2004年5月、モスクワのDZZ第5スタジオでの録音。
エド・スパンヤールド(指揮) リンブルフ響 オランダ室内合唱団
フォーレ;レクイエム ほか(PentaTone)
レクイエムの新録というより、ラシーヌの雅歌を目当てにオーダーした1枚。
『レコード芸術』9月号の「海外盤試聴記」やおやぢの部屋2にレビューが掲載されており、所謂フランス風からは遠い演奏のようだが、精緻なアプローチが「雅歌」の音楽を輝かすことを期待したい。
その他、パヴァーヌマドリガル(これも好きな曲だ)、魔神などを収録している。
2004年6月、ベルギー・トングレンでの録音。
ジャック・ティボー弦楽三重奏団
モーツァルト;ディヴェルティメント K.563 ほか(自主製作)
 
ジャック・ティボー弦楽三重奏団
ドホナーニ;セレナード ほか(自主製作)
eBayを見ていたら、凄い名前(笑)を冠した弦楽トリオのCDが出品されていた。
Web上に公式サイトもあるが、来日公演も何度か行っているようで、わりと良い評も見かけたので、落札してみた。2枚で送料込み1,000円強とお買い得。
モーツァルトの方は1998年3月、クリーヴランドのユニテリアン・ユニバーサリスト教会での、ドホナーニの方は2000年12月にニューヨークのリンカーン・センターでの、それぞれライヴ録音。
カプリングはともにベートーヴェン;弦楽三重奏曲 op.9で、前者にはop.9-3、後者にはop.9-1が選ばれている。
フラビオ・バラーニ(P) エドゥアルド・ペロン(指揮) デトロイト聖母被昇天洞窟教会管
パレー;P作品全集(GROTTO)
前にパレー作品のCDを購入した、アメリカの自主製作盤等の販売サイトCD BABYからメールが届いた。
パレー作品の新譜が出たが注文しないか、というのである。もちろん即座にオーダーしたこと、言うまでもない。
今回のディスクも、デトロイト聖母被昇天洞窟教会のエドゥアルド・ペロン師が製作されたものである。まことに頭が下がる。
パレーの作品集第5巻ということで、ピアノと管弦楽のための幻想曲のほか、独奏曲24曲・4手連弾曲1曲の計26曲がCD2枚に収録されている。
年代的には1903年作曲のスケルツェットから1930年のプレリュード 変ホ短調までに及ぶが、おおむね1909〜1913年頃に集中している。詳細は、後日、パレー・ディスコグラフィの頁に掲載する予定。
独奏者のバラーニはブラジル生まれ、7歳でテレビに出演、9歳でオーケストラと演奏旅行をしたという神童で、13歳でフランスに渡ってタリアフェロに師事。20歳でアメリカに渡りロジーナ・レヴィンアルトゥール・バルサムに学んだ。現在はミシガン州オークランド大学の教授でピアノ演奏部門の
何度か来日しているようで、チラシやレッスンの感想などをWeb上で見つけることができた。
また、今回の録音についてのインタビュー・ページもあり(英語)、概略次のように語っている。
十代の頃、タリアフェロ先生がシャンゼリゼ劇場でパレーと共演されたとき、楽屋で紹介してもらい、畏敬の念に打たれたことを覚えている。
だから、ペロン神父様からお話をいただいたとき、即座に、パレーの曲を弾いてみたい、と答えた。ちょうど大学の研修期間だったので、その間に勉強してみることにした。
パレーの音楽はリズムとイマジネーションがあって美しいし、速いパッセージも多いがバランスが良く取れていて、完璧だ。
またバラーニは、フランスへ赴き、出版社でパレーの手稿を調べて出版譜の間違いを点検し、パレーの家族にも接触して、作曲者の考えを確認したという。
2004年1月、デトロイト聖母被昇天洞窟教会での録音。

8月29日(月)

 

ハンス・ツェンダー(指揮) バーデン・バーデン南西ドイツ放送響
ブルックナー;交響曲第2番(Amati)
先だってWebをうろうろしていたら、Bayerレーベルの公式サイトに行き当たった。Amati、DS、ebsなど傘下のレーベルも含めてカタログを眺めていると、数点、聴きたいものが出てきたので、ついついオーダー(汗)。10日も経たずに届いた。
以下5点は、いずれもその荷物。
これは第2番の隠れた名演として知られるツェンダー盤某オークションあたりで高値がついているのを時々見かけるが、別に廃盤でもないらしい(18ユーロ)。
使用楽譜はハース版。1990年、バーデン・バーデンのハンス・ロスバウト・スタジオでの録音。
ゲオルク・ティントナー(指揮) ボフスラフ・マルティヌー・フィル
ブルックナー;交響曲第6番(DS)
ティントナーのブルックナーはNAXOSからスコットランド・ナショナル管との全集が出ているが、中欧のオーケストラの音色で聴けるのであれば、ぜひ聴いてみたいと購入。
このCD、なぜかオーケストラの公式Webpageのディスコグラフィには掲載されていないが、syuzoさん試聴記があった。
1992年9月、チェコ・ズリーンでの録音。
ヴォイチェク・ライスキー(指揮) ポーランド室内フィル ほか
R・シュトラウス;Cl & Fg二重協・Ob協・Hrn協第1番(Amati)
毎度購入している二重協のCDがあったのでオーダーしたもの。
管弦楽はポーランドの団体だが(グダニスク近郊のソポトが本拠、公式Webpageあり)、独奏者はミュンヘンで活動している人々(所属は当時)。
サイモン・デント(Ob、バイエルン国立歌劇場管)
エリック・テルヴィリガー(Hrn、ミュンヘン・フィル)
マルティン・シュパンゲンベルク(Cl、ミュンヘン・フィル)
カルステン・ナーゲル(Fg、バイエルン国立歌劇場管)
また面白いことに、二重協の音楽に「美女と野獣」の物語を重ねた(ナレーションはサイモン・デント)、解説トラック(10分程度)が付いている。
1993年、バイエルン放送ゼンデザールでの録音。
マルティン・ブルクハルト(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(Amati)
いつも参考にさせていただいているt.sさんのWebpageで紹介されていた、ブルクハルトのバッハがカタログにあったのでオーダーしたもの。
速めのテンポできびきびとしており,また,表現が大きめでダイナミックな印象を受けます。(略)バロックチェロで演奏されているという以上の魅力が今ひとつ感じられず,印象が薄いというのが正直なところです。
とのコメント、はたしてどのような演奏であろうか。
ブルクハルトは1964年生まれ、1986年以降クリストフ・コワンやビルスマに古楽を学び、1996年からはケルン大学でチェロの助教授を務めているとのこと。
1999年10〜11月、ホンラート福音教会での録音。使用楽器は、1770年頃ドイツで製作された無銘チェロ(第1〜5番)と1996年製のバロック・チェロ(第6番。五弦の楽器であろう)。
ロルフ・シュヴァイツァー(指揮) プフォルツハイム・モテット合唱団 ほか
モンテヴェルディ;聖母マリアの夕べの祈り(Corona)
初めて見るレーベルだが、これも見つければ買う曲、ヴェスペレがあったのでオーダー。
1998年12月、福音派プフォルツハイム市教会でのライヴ録音。
指揮者は1966年以来、同教会のカントールとオルガニストを務め、プフォルツハイム・モテット合唱団などを指導してきたとのこと。
たしかにモンテヴェルディというよりバッハを聴く趣があるが、これもまたヴェネツィアの巨匠の一面か。

8月26日(金)

 

ヴァルター・ヴェラー(指揮) バーゼル響
ドヴォルザーク;交響曲第7・8番(カメラータ東京)
このところ気をつけて蒐集しているヴェラーの指揮盤、カメラータに録音した(今のところ)唯一の交響曲(あと伴奏盤が1枚)。
某オークションで安く出ていたので落札したもの。
ブックレットのプロデューサー・ノート(もちろん井阪氏)によれば、ヴェラーはチェコ人の血をひいており、イスラエル・フィルを指揮した「わが祖国」の録音についてはクーベリックから「すっかりチェコ人だね」と褒めてもらったほどであるという。
第7番が1996年9月、第8番が1994年1月、それぞれバーゼル市立カジノ音楽ホールでの録音。
このコンビでは、ドイツのレーベルにブルックナー;交響曲第4番がある筈、それを捜し続けている。
ミン・キム(指揮) 韓国室内管 ほか
バッハ;ブランデンブルク協(全曲)(EMI)
以前、日本人演奏家のWebpageをあちこち覗いていたときに、青山聖樹氏と小倉貴久子さんの両方で、この盤の情報を見つけた。
ブランデンブルク協の音盤は聴き逃すべからずと、オーケストラにメールで問い合わせたのだが梨の礫、諦めかけていた。
ところが、先だってユビュ王の食卓さんが当盤を入手した記事を掲載された。
これはしめた(笑)と、上記記事からリンクされていたあんにょん.COMさんに連絡して、取り寄せたもの。
ブックレットのメンバー表では、オーケストラは弦楽合奏(Cem含む)のみで、管楽器はすべてゲストの様子、そのうち青山聖樹・森明子(Ob)、河村幹子(Fg)、金星眞・安土真弓(Hr)の5人が日本からの参加で、更に第5番の独奏Cemを上記の小倉貴久子さんが担当しておられる。
それ以外の独奏者では、第2・4番Stéphane Réty(Fl、バーゼル響が目を惹く。
2002年2月、ソウル国立大芸術ホールでの録音。

8月25日(木)

 

ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn) ソナトリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカ
ヴィヴァルディ;Vn協集「四季」 ほか(DIVOX)
このところSony Classicalレーベルで活躍中のカルミニョーラ、DIVOXでの「四季」については福島章恭氏が『クラシックCDの名盤』(文春新書)で
まさに天才技である。ジプシー音楽以上に伸縮自在、かつ、王侯貴族の気品を湛えた演奏ぶり。
と紹介されている。
以来、入手難の音盤になっているらしいところ、さる通販サイトから直接御案内をいただき、購入したもの。
また、Webを検索していて気づいたのだが、浮月斎大人も記事を掲載しておられた。
「四季」の4曲と、3Vn協 RV551弦楽協 RV128を収録している。
1992年3・10月、イタリア・トレヴィソのサン・ヴィジリオ教会での録音。

8月24日(水)

 

ヴラディーミル・スピヴァコフ(指揮) モスクワ・ヴィルトゥオージ
モーツァルト;交響曲第15・24・28・29番(BMG)
某オークションで出品者に取り置いてもらっていた音盤が一挙に到着(汗)。
スピヴァコフにモーツァルトの交響曲録音があったとは知らず、どのような音楽をつくっているのか興味を惹かれて落札したもの。
そういえばバッハ;管弦楽組曲も録音しているが、どうもこのコンビにはショスタコーヴィッチなど近現代作品のイメージが濃いのである。
1990年8月、ロンドン・ハムステッドでの録音。
ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送響
チャイコフスキー;バレエ音楽「胡桃割人形」(全曲)(Eurodisc)
アレクサンダー・ギブソン(指揮) イギリス室内管
ブリテン;フランク・ブリッジ変奏曲 ほか(CFP)
蒐集しているギブソンの音盤に、これも蒐集しているブリテン作品の録音というので、ぜひぜひ聴きたいと某オークションで落札したもの。
更にマチネ・ミュジカルソワレ・ミュジカル両曲をカプリング。
録音データは記載されていないが、マルP1983年のデジタル録音。
バリー・ダグラス(P) 広上淳一(指揮) ロンドン響
リスト;P協第1・2番 ほか(BMG)
広上氏の音盤で買い損ねていたリストを某オークション出見つけた。
かねて見知ってはいたものの、あまり指揮者を聴く曲ではなかろうと放っておいたのだが、やはり未架蔵のままでは落ち着かないので(苦笑)、落札したもの。
標記2曲以外にハンガリー幻想曲をフィルアップしている。
1989年2月、ロンドンEMIスタジオでの録音。
タスミン・リトル(Vn) ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロイヤル・フィル ほか
ラッブラ;Vn協 & Va協(CONIFER)
ハンドリーの音盤を捜していたら、リトルと共演したラッブラが某オークションに出てきたので慌てて落札。
彼女の音盤はずっと蒐集していたつもりだったが、どうしてこれを買わずに来たのやら…。
プリムローズに献呈されたというVa協では、リヴカ・ゴラーニが独奏している。
1993年12月、イギリス・サリーのピーターシャムにあるオール・セインツ教会での録音。
アレクサンドル・ルーディン(Vc & 指揮) ムジカ・ヴィヴァ室内管
トリックリール;Vc協集(CELLO CLASSICS)
このところ蒐集中のルーディンの新譜が湧々堂さんのWebpageに掲載されていたのでオーダーしたもの。
トリックリールは1750年ディジョン生れ、ほぼモーツァルトの同世代ということになろう(没したのは1813年ドレスデン)。
16曲のチェロ協奏曲を遺したというが、当盤には第3〜6番の4曲が収録されている。ザルツブルクの神童やハイドンを思わせる、快活で悦楽に満ちた音楽といえよう。
2003年9〜10月、モスフィルム音楽スタジオでの録音。
オスカー・ダノン(指揮) ウィーン国立歌劇場管 ほか
J・シュトラウスII;喜歌劇「こうもり」(抜粋)(BMG)
ダノンという指揮者は、CHESKYレーベルのガーシュウィンを宇野功芳師が絶賛して以来、気になっている。
録音はオペラが僅かにある程度だろうと思うが、某オークションで思いがけず「こうもり」を発見したので落札したもの。旧ユーゴスラヴィア出身なので、ハプスブルク帝国つながりでウィーンと縁があったのだろうか。
ロザリンデはアンナ・モッフォ、オルロフスキーはリーゼ・スティーヴンスという旧RCAらしいキャスティング。ファルケをジョージ・ロンドンが歌っているので驚く。
英語歌唱で、おそらく抜粋盤のみと思われる。
1963年6月、ウィーンのゾフィエンザールでの録音。
Webを検索してみたら、クロアチアのホテルで彼に会ったという日本人ピアニストの日記を見つけた。
2002年2月の記事だが、元気で著書を執筆しているとのこと。
ジル・ゴメス(Sop) ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロイヤル・リヴァプール・フィル ほか
カントルーヴ;オーヴェルニュの歌 ほか(CFP)
ハンドリーが珍しく(?)フランス音楽を振っているCDを某オークションで見つけたので落札したもの。
カントルーヴ作品のほか、フォーレ;組曲「マスクとベルガマスク」・パヴァーヌをフィルアップ(こちらはロンドン・フィル)
「オーヴェルニュの歌」は、25年前に宇野功芳師のレコード・コンサートでダヴラツ盤で「バイレロ」を聴いて以来の愛聴曲だし、「マスクとベルガマスク」も好きな作品なので嬉しい限りである。
カントルーヴは1985年1月、フォーレは1974年11月の録音。
アルトゥール・グリュミオー(Vn) リッカルド・カスタニョーネ(P)
ドビュッシー;Vnソナタ & ルクー;Vnソナタ(仏Philips、LP)
グリュミオーのルクー旧盤、もちろんCDでは架蔵済み。
LPも昨年6月にオランダ盤を入手したが、状態があまり良くなく、また後年の再発らしいのが気になっていた。
今回、某オークションに、造りの良いフランス盤が比較的安価で出品されていたので落札してみた。
"Trésors Classiques" シリーズで、ジャケット表に「1959年ADF大賞」と刷り込まれているところからすると、これもオリジナルではないのだろうが、架蔵盤と聴き比べてみれば一聴瞭然の差がある。買い換えて良かった。

8月22日(月)

 

ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロンドン・フィル
ドヴォルザーク;交響曲第8番 ほか(CHANDOS)
ハンドリーの音盤を捜していたら、某オークションでドヴォルザークが見つかったので落札したもの。
弦楽合奏のための夜想曲をフィルアップしている。
1983年11月、トゥーティングのオール・セインツ教会での録音。
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮) ブレーメン・ドイツ室内フィル
R・シュトラウス;組曲「町人貴族」・Cl & Fg二重協 ほか(PentaTone)
イギリスの通販サイトMDTでPentaToneレーベルのセールをやっていると、Web上の知人から教えていただいた(8月26日まで)。英貨6.38ポンドだから約1,300円、国内の音盤店の半額以下である。
絞りに絞って3点をオーダーしたが、そのうちヤコフ・クライツベルク(指揮)のブルックナー;交響曲第7番は品切れで入荷せず、2点のみが届いた。
当盤もパーヴォの新録である上、愛惜佳曲書に掲げた二重協が含まれているので聴き逃すべからざる1枚なのだが、SACDハイブリッド盤のゆえか値付けが高めなので買いそびれていたのである。
フィルアップに「カプリッチオ」六重奏曲
2003年7月、ブレーメン放送大ホールでの録音。
なお、オーケストラには公式Webpageがある。
ゴルダン・ニコリッチ(指揮 & Vn) オランダ室内管
バルトーク;ディヴェルティメント & ブリテン;フランク・ブリッジ変奏曲 ほか(PentaTone)
ニコリッチはカントロフのオーヴェルニュ室内管ロンドン響でコンサートマスターを務めていた人で、Syriusレーベルにバッハ;無伴奏の全曲録音もあった。
指揮も始めており、2004年からオランダ室内管の芸術監督に就任しているとのこと。ただしこのCDでは「弾き振り」のようで、コンチェルティーノ(独奏楽器群)の1人としてクレジットされている。
上記のバッハを聴いて以来、注目してきた奏者であり、しかも標記2作品はいずれも蒐集している曲、まさに買わざるべからずと、録音情報に接してから狙っていたところ、MDTのセールで格安入手できたので目出度い。
更にハルトマン;葬送協奏曲(Vn独奏はもちろんニコリッチ自身)をカプリング。
2004年6・11月、アムステルダム、シンゲル再洗礼派教会での録音。ニコリッチの使用楽器は1794年製ロレンツォ・ストリオーニ。
ボグダン・シチェルコフスキ(Vn) トマシュ・ヨチ(P) ボフダン・ボグシェフスキ(指揮) アカデミア管
ショーソン;Vn、Pと弦楽四重奏のための協奏曲 ほか(DUX)
2つ下の記事のバッハをオーダーする際、ほかに何かあれば…と捜してみると、蒐集しているショーソン作品があった。
発注したときからあるいは…と思っていたが、現物が届いてみると、はたして弦楽四重奏部分を弦楽合奏で演奏している。その考え方についてライナーノート等に特記されていないのは疑問だが、どういう響きになるのか楽しみだ。
独奏者のうちヴァイオリニストはオーケストラのコンサートマスターで、ピアニストは彼の二重奏のパートナーとのこと。
オーケストラは正式名称が「ポメラニア演奏家協会アカデミア管」、1992年秋に当盤での指揮者ボグシェフスキが創設した団体で、翌年春にガーシュウィン;「ポーギーとベス」を演奏会形式で上演したというから面白い。
また、フィルアップにグリーグ;二つの悲しい旋律が入っているのは嬉しい。
1998年6月、ポーランド・ポメラニア地方のシュチェチン・フィルハーモニー・ホールでの録音。
ジェイムズ・レヴァイン(P) アンサンブル・ウィーン・ベルリン
モーツァルト;P管五重奏曲 & ベートーヴェン;P管五重奏曲(DGG)
某オークションを眺めていて見つけたCD。
モーツァルトの方は以前から好きな作品、特にObの出来が曲の死命を制すると思っているのだが、当盤ではハンスイェルク・シェレンベルガーが吹いており、これは聴き逃すべからずと落札したもの。
もちろん他のパートもカール・ライスター(Cl)、ミラン・トゥルコヴィッチ(Fg)、ギュンター・ヘーグナー(Hrn)と一騎当千の強者揃い。
1986年8月、ザルツブルクの大学講堂での録音。
イヴァン・モニゲッティ(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(DUX)
先だってベートーヴェン;Vcソナタ全集を入手したモニゲッティバッハ某オークションに出品されており落札を試みたところ、他にも入札者がいてDUX盤としては高額になってきたので撤退し、レーベルの公式Webpageから直接購入することにしたもの。
上記ショーソンともで約3,700円(送料含む)だったから、計算通りだったことになる。
1999年3月及び2000年1月、ワルシャワの聖マリア教会での録音。使用楽器は1693年製フランチェスコ・ルッジェーリ、ただし第6番では1750年頃に製作された無銘の5弦チェロを用いているとのこと。

8月21日(日)

山崎浩太郎『名指揮者列伝 20世紀の40人』(アルファベータ)
演奏史譚を標榜する山崎氏の新刊を購入。
もとは『レコード芸術』誌に不定期連載された記事を集成したもので、IMGレーベルの "Great Conductors of the 20th Century" シリーズ発売に合わせての企画。
したがって指揮者の人選も、それと一致しており、アルバート・コーツニコライ・マルコアルトゥール・ロジンスキーパウル・クレツキなど、日本の音楽ファンの嗜好からすると「40人」には入りにくいと思われる名前も混じっている。
(詳細は版元の新刊案内参照)
「はじめに」に曰く、
本書は、いわゆる『名指揮者お買い物ガイド』ではない。その順位づけをする本でもない。(略)四十人がそれぞれに生きた時代と状況と、その生きざまにこそ、興味があった。レコードをその存在証明として、聴きたいと思った。
まだ拾い読みの段階だが、上記に偽りなく、またリズムのよい名文(だと思う。大岡昇平さんの文章を連想した)で、読み進めるのが勿体ないくらいに感じられる。
読了する前から恐縮だが、ぜひぜひ続編を期待したい。

 

アニヤ・イグナティウス(Vn) アルマス・ヤルネフェルト(指揮) ベルリン国立管 ほか
シベリウス;Vn協 ほか(SYMPOSIUM)
1943年に録音された、標記作品最初期の音盤の覆刻。既にFINLANDIA盤で架蔵しているが、よりよい音質で聴くことができれば…と期待して購入。
カプリングはエミール・テルマーニ(Vn)によるニルセン;Vn協の1947年録音のSP覆刻。これもDUTTON盤で架蔵済み。
シベリウスを両盤で聴き比べてみた。
FINLANDIA盤は音に力があるが、周波数レンジが少し狭く音がこもっている感じがする(サーフェス・ノイズの聞こえ方からすると高域がカットされているのかも)。
SYMPOSIUM盤は、やや線が細い感じはするが、音に自然な伸びがあり、斉諧生的にはこちらの方が好み。
ルミニッツァ・ペトレ(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(自主製作)
昨日買ってきた今月の『レコード芸術』を読んで、居ても立ってもいられなくなった1枚。
それというのも『海外盤試聴記』でこのCDが紹介されており、
いや、その美しいこと! こんなに楚々として香り高く、ヨーロッパの演奏伝統を確かに感じさせ、洗練されたセンスで、聴き手の胸にすーっと滲みこんでくるバッハが今まであっただろうか。(略)
ペトレはこの演奏をバッハの自筆譜に基づいて行っている。私もファクシミリを見ながら試聴したが、スラーやエコーなどまったく指示通りの演奏であり、多声部の描き出しやリズム表現など、自筆譜の丁寧な記譜法や勢いのある筆致から生まれていることが実感でき、思わず膝を打つと同時に、その誠実さに感銘を受けた。そして背景には、彼女のどこまでも気品高く、自然な音楽性がある。
引用が長くなったが、これは賛辞のごく一部にすぎない(筆者は芳岡正樹氏)。
この曲集を愛聴する者として、この演奏を無視することができようか?
当盤唯一の取扱店というラ・ヴォーチェ京都は、幸い旧知の店である。
偶々本業で京都方面へ出かける用があり、昼休みに電話をかけてみると品切れでもなく(それが怖くて焦っていたのである)、仕事が終わってから引き取りに立ち寄った。
店主・永井さんのペトレ賛をひとくさり聞かせていただき(ルーマニア・ELECTレコードにエネスコ;Vnソナタ第3番のLPがあり、それはそれは素晴らしい演奏なのだそうである)、↑のCDと合わせて購入。
同店の『レコード芸術』広告にも幸松肇氏の
高雅な気品に満ちたその風格と曇りのない技巧は清々しい魅力にあふれており、(略)現代人が到達したいと願っている究極のバッハ像をみるような、理想の姿を実現している。
との文が掲載されているが、その全文のコピーも頂戴できた。
この記事を書きながら聴き始めているが、両氏の絶賛に見合う演奏であることは間違いなかろう。
ラ・ヴォーチェ京都には、まだ在庫もあるようなので(見えた範囲だけでも10セット弱は積んであった)、興味をお持ちの向きは、ぜひぜひ問い合わせていただければと思う。
ペトレには公式Webpageもある。
彼女はルーマニア生まれ、ブカレストで学び、またウィーンでザハール・ブロンのマスタークラスも受講したという。
「ティボール・ヴァルガ」、「ディヌ・リパッティ」、「ジョルジュ・エネスコ」などのコンクールで入賞歴があり、現在はシュトゥットガルト歌劇場管弦楽団のコンサートミストレスを務め、1628年製マテオ・ゴフリラーを使用している。
録音データは記載されていないが、上記Webpageによれば2002年夏にリリースされたようである。
ヨーラン・セルシル(イェラン・セルシェル)(G)
「11弦ギターによるバロック作品集」(DGG)
音楽ライター山尾敦史さんのblog(8月15日)で紹介されていた、ギタリスト鈴木大介さんのblogを拝読。
そうしていると鈴木さんのCDも聴きたくなってきたのはもちろんのことだが、鈴木さんが師事したことがあるという、ヨーラン・セルシル(イェラン・セルシェル)の録音について書いておられる記事「イェラン・セルシェルで泣いてみる(T T)」が気になってしかたがない。
それにしても、昨年出たバロック曲集はほんとうにびっくりでした。
なんでこんなにシンプルな和音がドラマティックに鳴らせるのでしょう、
ということは、何かが起きている、つまり不協和音に至っては、
その都度十字架に掛けられたイエスの嘆き声が聞こえてくるみたいです。(略)
で、いろいろ聴きなおしてみたけど、この、
『イレブン・ストリング・バロック』っていうのと、
チェロ組曲1番2番とバイオリン・ソナタの3番が入っている『バッハ編曲集』は、
永遠のマスト・アイテムです。
ギター節を排しリュートに近い響きを持つセルシルのバッハは、かねて愛聴している。ぜひ新しい方のバロック曲集も聴いてみたいと思っていたところ、今日立ち寄ったもう一軒の音盤店に在庫があり、貯まっていたポイントを利用して購入したもの。
何よりもバッハ(演奏者自編);無伴奏Vnソナタ第1番が収録されているのが嬉しい。
またスウェーデンのバロック音楽の巨匠ルーマンの小品が収録されているのも有り難い。
その他F.クープランヴァイスパッヘルベルらの作品を収めている。
この記事を書きながら聴いているが、本当に素晴らしい。一音一音に豊かな情感が宿っている。
静かな夜に、何か良い音楽を聴きたい、渇いた心を瑞々しく浸したいというときに、これほどふさわしい音盤はない。
鈴木さんの「永遠のマスト・アイテム」という言葉、けっして誇張ではないと申し上げたい。
2003年10月、ベルギー・モルのギャラクシー・スタジオでの録音。

8月20日(土)

 

ジョルジュ・プレートル(指揮) シュトゥットガルト放送響
ブラームス;ハンガリー舞曲全集(FORLANE)
新譜の時は、曲目的に弱いなぁと見送ったのだが、まあプレートルの芸は聴いておきたいしFORLANEは入手できなくなっていくしで、某オークションに出品されたものを購入。
リハーサル映像(6分弱)つきCD-EXTRA仕様、1997年1・2・6月、シュトゥットガルトでの録音。
藤川真弓(Vn) パーヴォ・ベリルンド(指揮) 日本フィル
モーツァルト;Vn協第3・5番(EMI)
1971年11月、藤川さんがチャイコフスキー・コンクールで第2位に入賞した翌年の録音である(この時の優勝者がクレーメル)。したがってバックも分裂前の日本フィル。
LPでは架蔵しているのだが、CDでも持っていたくなる悪い癖が出てしまい(汗)、某オークションで落札したもの。

8月19日(金)

『柴田南雄作品集』(サンガクシャ)
某オークションに標記の冊子が出品されていたので落札。柴田先生の関連資料は見逃せない。
1991年、かねて「自分の手頃な作品表がない」ことを不便に感じていた作曲家のために、彼を敬愛する4人の音楽学者が中心となり、サントリー音楽財団の助成を得て出版したものとのこと。
40頁強の簡素なもので、1991年以降、遺作「無限曠野」までの作品については別紙が添付されていた。

 

飯守泰次郎(指揮) 東京都響
ワーグナー;管弦楽曲集(fontec)
バイロイト音楽祭のスタッフを長く務めた飯守さんのワーグナーだけに、ぜひとも聴きたかったCDだが、国内盤新譜の常で買いそびれていたところ、某オークションに安く出ていたので落札したもの。
収録曲は、「タンホイザー」序曲「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死「ワルキューレの騎行」「夜明けとジークフリートのラインへの旅」ジークフリート牧歌
2004年1月15日、東京文化会館における都響第582回定期演奏会のライヴ録音。
アナトール・フィストゥラーリ(指揮) ロイヤル・フィル
チャイコフスキー;交響曲第4番(英DECCA、LP)
隠れた名匠フィストゥラーリ、まとまった録音がないためか、その真価が知られていないように思われる。
バレエ音楽や協奏曲の録音が多いが、珍しく(?)交響曲を録音したLPがeBayに出品されていたので落札したもの。
この指揮者の録音で最も有名なのがチャイコフスキーの「白鳥の湖」や「胡桃割人形」で、そんな関係から実現した企画であろうか。
DECCAが1960年代後半に凝っていた「フェイズ4・ステレオ」方式による収録で、録音データは明記されていないがマルPは1971年になっている。
ピエール・フルニエ(Vc) ジャン・フォンダ(P)
ショスタコーヴィッチ;Vcソナタ ほか(英CBS、LP)
eBayを見ていたら、ショスタコーヴィッチ作品の未架蔵音源、しかもフルニエの録音が出ていた。
いかにも持っていそうなレコードなのだが、調べても出てこないし、工藤さんのショスタコーヴィッチ・ページにも掲載されていない。
これは聴き逃すべからずと落札したもの。
カプリングはドビュッシー;Vcソナタマルティヌー;Vcソナタ第1番
工藤さんの探求盤リストには掲載されており、それによれば1967年録音とのこと。

8月18日(木)

 

ホアキン・アチュカロ(P)
「スペイン・ピアノ曲集」(日RVC、LP)
スペインの至宝、アチュカロのLPを某オークションで見つけたので落札したもの。
小品13曲を収録しているが、中でもモンポウ;「歌と踊り」第6番愛惜佳曲書に掲げた作品だけに、アチュカロがどのような音楽を聴かせてくれるのか、たいへん楽しみである。
そのほかファリャ;「火祭りの踊り」・「粉屋の踊り」アルベニス;「グラナダ」・「セビーリャ」グラナドス;スペイン舞曲第5番など。
録音データは記載されていないが、1970年代後半のものか。

8月17日(水)

 

エーリヒ・ベルゲル(指揮) クルージュ・フィル
バッハ(ベルゲル編);フーガの技法(BMC)
名匠ベルゲルが自ら管弦楽編曲を行い、未完フーガを補作して録音したCD2枚組。
以前からBMCの公式サイトで見ていて気にしていたのだが、買いそびれていた。
偶々某オークションで見かけ、落札したもの。出品者(ショップ)は通販サイトも運営しておられる。
輸入代理店のWebpageには、「ブルックナーの壮大な音楽に限りなく近づいた凄い編曲」と書かれている。
弦楽合奏主体の剛直な音楽で、あまり「ブルックナーに近い」とは感じないが、未完フーガのクライマックスでは金管も(控えめな音色ながら)加わって、たしかに壮大な音楽になっている。未完フーガだけでもよいから、ぜひ実演で聴いてみたい。
1991年、ブダペシュトのシナゴーグにおけるライヴ録音。
なお、オーケストラはベルゲルがブラームス;交響曲全集(BMC)を録音したトランシルヴァニア・フィルと同一の団体であろうか?
エーリヒ・ベルゲル(指揮) カメラータ・トランシルヴァニカ
オネゲル;交響曲第2番 & R・シュトラウス;メタモルフォーゼン(BMC)
↑と同時に、もう1枚ベルゲルを落札。
両曲ともなるべく集めるようにしている、好きな作品なので嬉しい。
録音データは明記されていないが、マルPは1998年・2001年と表記されている。

8月16日(火)

 

ジョルジュ・オクトール(Vn) ジェニー・ソルハイド(P)
ルクー;Vnソナタ & モーツァルト;Vnソナタ 変ロ長調 K.454(英REGAL、LP)
指揮者だ指揮者だと思っていたオクトール、実はヴァイオリニスト出身だったらしい。
1960年までベルギー領だったアフリカ・コンゴ生れ、ブリュッセルで音楽教育を受け、ヴュータン・コンクールやロン・ティボー・コンクールで入賞し、若くしてモネ歌劇場管のコンサートマスターに就任するなどのキャリアを積んでいる…とジャケット裏のバイオグラフィにある。
で、ベルギー出身のVn奏者として当然(?)、ルクーを録音しているというわけである。
eBayで見つけて、ルクー作品の未知の演奏というので色めき立ったが競り負けてしまい、嘆いていたところに他のeBay参加者(フランス人)からメールが舞い込み、同じLPを譲ってくれるというので、取引履歴(評価)を確認してから了承の返事を出し、PayPal経由で支払ったもの。
マルPは1967年となっているがモノラル盤なのは残念。ピアノの音が少し古めかしいので、もしかしたら録音はもっと遡るのかもしれない。
オーギュスタン・デュメイ(Vn) ジャン・フィリップ・コラール(P)
ルクー;Vnソナタ & ドビュッシー;Vnソナタ ほか(仏EMI、LP)
上記と同じくルクー作品で、デュメイの旧録音に当たる音盤。
ずっと国内廉価盤LPでしか架蔵していなかったので、eBayで仏盤を見つけ、落札したもの。
標記2曲以外にラヴェル;ツィガーヌをフィルアップしている。
1980年7月及び1981年2・4月にパリで録音されたもの。

8月15日(月)

二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第1〜12巻(講談社)
旅先で1、2時間つぶさねばならない空きが出来て、旅宿近隣のインターネット & コミック喫茶に足を踏み入れてみた(実はこれまでこの種の店に行ったことがない)。
なかなか清潔快適な環境で、しかも、ずっと気になっていた『のだめ』が既刊全部揃っていた。2時間弱では全12巻を読み切れず、夕食後に再度出直して、昨日の山崎著につづき、通読に成功。
一読して思ったのは、二ノ宮氏とさそうあきら氏の並行関係。
天才というより自然児と呼ぶべきピアニストが主人公である点では、さそう氏の『神童』に、臨時(特別)編成のオーケストラに集う一癖も二癖もある演奏家たちの生態(?)を描く点では『マエストロ』に、類似しているのだ。
もちろん作品世界はまったく異なり、それぞれの人物像の掘り下げや「音楽って何?」というテーマを追求する後者に対して、『のだめ』は(今のところ)ある種の青春小説であり、紙面に満載された作者のたぐいまれなギャグ感覚を楽しむべきものであるように思われる。
斉諧生にとっては『神童』は手元に置き続けたい作品であるが、『のだめ』は(今のところ)借りて目を通せば十分、という評価にとどまる。
もちろん、それゆえの親しみやすさや講談社というメジャーが手がけていることなどから、多くのファンと広がりを持ち、そのことがクラシック音楽受容の拡大につながるのであれば、非常に好ましい。むしろ、それを大いに期待したいといえよう。
作中でも、音大を卒業した登場人物たちのうち、オーケストラに就職したり演奏家として立つのは極めて少数で、レコード会社に就職したり、とりあえず居酒屋でバイトしたりする者も珍しくない様子なのだから…。

 

コリン・デイヴィス(指揮) ドレスデン・シュターツカペレ ほか
ベートーヴェン;交響曲全集(Philips)
このところ品切れ(廃盤?)状態が続いていたデイヴィス・ドレスデンのベートーヴェン全集が廉価復活したので、旅行先の音盤屋で早速購入。
実は新譜で出た頃から長く等閑視していたのだが(汗)、今年4月に発行された福島章恭『交響曲CD 絶対の名盤』(毎日新聞社)に、次のような紹介があったことから、ぜひ聴きたいと捜していたもの。
全九曲のどこもかしこも、ただただ音楽的な造型、フレーズ感と和声感、そして、適度なカンタービレがあるばかりである。(略)当たり前のことを追求し尽くしての非凡さ、というのは、まさに演奏芸術の神髄ではなかろうか。(略)番号による出来不出来はなく、録音もいずれも美しい。
以来、中古やオークションで網を張っていたが、まったくと言っていいくらい、かからなかった。今回の復活は誠に悦ばしい。
CD6枚組だが2(〜4)枚組と同等のケースに収まってくれているのも、正直助かる。
なお、「エグモント」「レオノーレ」第3番の序曲をフィルアップしている。
録音は1991年2月〜1993年11月、ドレスデンのルカ教会にて。
ジャン・ピエール・ワレーズ(指揮) オーケストラ・アンサンブル金沢
ビゼー;交響曲第1番 & ルーセル;小管弦楽のためのコンセール ほか(Warner)
中古盤屋を巡回していると、気になっていたCDが安価で並んでいたので購入。
ワレーズはヴァイオリニストとして馴染みがあり、かつルーセルのあまり聴いたことのない作品が含まれているので、聴きたいと思っていたのである。
更にレスピーギ;組曲「鳥」をカプリング。
2002年6月、石川県立音楽堂での録音。
レオニド・コーガン(Vn) ニーナ・コーガン(P) ほか
シューベルト;幻想曲・二重奏曲 ほか(TRITON)
上記中古盤屋に、TORITONレーベルで大量に出たコーガン・エディションのうち数枚が並んでいた。
彼について二十世紀の重要なヴァイオリニストの一人として強い関心を持っているのだが、あのエディションはあまりに膨大すぎて、これまでのところ1枚を架蔵するのみ。
今回も全部は買えないので、愛惜するシューベルトの幻想曲を収める1枚だけをレジへ持参。
愛娘と共演した標記2曲は1980年1月、モスクワ音楽院大ホールでの録音。
更に1949年の録音で(音質は悪くない)、同じ作曲者のソナチネ第2番をカプリングしている。

8月14日(日)

ジョン・カルショー『レコードはまっすぐに』(山崎浩太郎訳、学研)
盆休みの小旅行に出かける。…とはいっても、ごくごく近場のホテルに2泊するだけだが(苦笑)。
以前ならば、あそこを観光して、ここの美術館へ行って、宿に戻ればどの音盤を聴いて、と綿密な予定を立てたところだが、ようやくそれは非現実的、ということを悟った。
今回必須のテーマはただ一つ、本書を読了すること。
上梓されたのは本年4月のこと。
すぐに関心ある項目の拾い読みはしているのだが、通読はまだだった。読み始めたら途中で止めることは不可能になることは明々白々(笑)、通勤電車に持ち込む等は下策、まとまった時間を確保できるときにと考えていたのである。
当初は黄金週間に読破する予定だったが、本業等の忙しさにかまけて、今までずれ込んだもの。ここを逃すと次は正月かもしれないと、不退転の決意で旅宿に持参した。
幸い、初日にそこそこ時間が取れ、深更に及んだものの、一気通読。
なるほどDECCAの関係者や各演奏家に関するゴシップや辛辣きわまりない評価が、歯に衣着せぬタッチで述べられている。これでも、あえて伏せられた事実も多いのだろうけれど(カラヤン絡みのエピソードや裏話など、もっとあるはずだ。本国出版時点では指揮者健在だったから…)。
斉諧生的には、ハンス・シュミット・イッセルシュテットのCAPITOL録音をカルショーがプロデュースしていたこと、またカルショーの同僚として採用された子息エリック・スミスに関する
父親譲りの辛辣なユーモアが趣を添えていた。
との記述に目を惹かれた(エリックをカルショーに紹介したのはピアニストジュリアス・カッチェンだったとのこと)。
 
何かにつけて対比されるEMI系のウォルター・レッグの回想録『レコードうら・おもて』同様、音盤愛好家の座右に置かざるべからざる貴重な好著であると、再度特筆大書したい。

8月13日(土)

 

ネーメ・ヤルヴィ(指揮) ヨェーテボリ響
シベリウス;交響曲全集(DGG)
今日は終日在宅するはずが、夕方どうしても外出しなければならなくなり、そのついでに音盤屋に立ち寄ってみた。
一昨日も覗いたばかり、世間は盆休みだし何も新しいものはなかろう…と思っていたら、そう言う気持ちの時ほど得てして「収穫」が多いもの(逆に、気負って乗り込めば空振りするのが常)。
なんと、今秋リリースと聞いていた父ヤルヴィの新全集が早くも店頭に!
これはもう、何が何でも買わざるべからず(苦笑)。
SACDハイブリッド4枚組、2番だけで1枚を占めているのが目を惹く(何か管弦楽曲をカプリングしてくれれば良かったのに)。
1番と2番がライヴ録音で(曲調に鑑みて適切な措置か)、前者は2002年9月、後者は2001年11月。他の5曲は2002年12月(第5番)〜2005年3月(第6番)の収録で、いずれも会場はヨェーテボリのコンサートホール。
比較的薄めの紙製ボックスに入っており、表紙及びブックレットと各CDのカバー全面にフィンランドの風景写真が掲げられている。あまり絵葉書的な風景でないのが、かえって床しく美しい。
ミクローシュ・ペレーニ(Vc) ゾルタン・コチシュ(P)
「チェロ・アンコールズ」(HUNGAROTON)
上記シベリウスを手にしてドキドキ、その下の段に目をやると、なんとペレーニ師のお姿が!
なぜCD化されないのか不思議だった小品集が、ようやく覆刻されたのである。(一部だけLaserlightレーベルから出ていたけれども)
1985年1月のデジタル録音で(なぜかADD表示になっているが)、名曲の名演揃い。
とんでもないカンタービレのラフマニノフ;ヴォカリーズを筆頭に、哀切きわまりないドビュッシー;メヌエット(小組曲)、そのほかサン・サーンス;白鳥ショパン;夜想曲 変ホ長調 op.9-2メンデルスゾーン;無言歌など14曲を収める。
ぜひぜひお聴きいただきたい。
なお、ペレーニ・ディスコグラフィで、ヴォカリーズについて
中でもラフマニノフの「ヴォカリーズ」では、7分半をかけて骨太に歌い抜き、最後に最高音域で哀切の極みを聴かせる表現力の凄さ!
とコメントしているが、CDでの演奏時間表示は6分36秒となっており、実測もその程度。
謹んで誤記をお詫びし、訂正させていただきます。<(_ _)>
ウート・ウーギ(Vn) ブルーノ・カニーノ(P)
フランク;Vnソナタ & グリーグ;Vnソナタ第3番(Amadeus)
著名なわりに録音の少ない、イタリアの美音家ウーギのフランク。聴かざるべからずと某オークションで落札。
2000年1月、イタリア北部イヴレアでの録音。
武久源造(Org)
「オルガンの銘器を訪ねて vol.3」(ALM)
この奏者の暖かく美しい音楽は愛聴しているところ。
1999年に第1・2巻が出て以来、中断していたシリーズの新譜が出ていたので購入。
数年をかけて、日本で建造された特徴的なオルガン、印象に残ったオルガンを訪ねて順々に録音していくという企画だった筈で、第1巻ではカザルス・ホール、第2巻では日本基督教団阿佐ヶ谷教会のオルガンが使用された。
今回は、名古屋学院大学チャペルに設置されている辻宏氏の製作による、北ドイツ・バロック様式の楽器が演奏されている(楽器についての演奏者のコメントが無いのは残念)。
収録されている曲目は、「16世紀末から17世紀にかけて、特にその世紀の変わり目に起こった鍵盤音楽の大きな変革に焦点をあてた」というもの。
作曲家ではスヴェーリンクフレスコバルディを中心に、ガブリエリブルなど14曲と、即興演奏を収めている。
2004年1月の録音。
 
なお、辻宏氏のオルガン工房の公式Webpageがあり、自宅にオルガンがほしいという人のための住宅建築オルガン購入の案内が掲載されている。

8月12日(金)

ルネ・レイボヴィッツ『現代音楽への道』(ダヴィッド社)
「バッハよりシェーンベルクまで」という副題の付いた、レイボヴィッツの邦訳書(遠山一行・平島正郎共訳)。原著は1951年にパリで出版され、訳書はその5年後に発行されている。
副題どおりバッハハイドンモーツァルトベートーヴェンシューベルトショパンシューマンブラームスリストワーグナーマーラードビュッシーシェーンベルクの13人を採り上げ、「音楽の進化」(原題)の歴史を論じたもの。
1951年の段階でマーラーを上げていることは興味深い。
また、そもそも本書が訳されたことに、出版当時のレイボヴィッツの地位が窺えるといえよう。
某オークションで落札したもの。

 

ピオトル・パレチニ(P) イェジー・マクシミウク(指揮) シンフォニア・ヴァルソヴィア ほか
シマノフスキ;交響曲第4番・Vn協第1番 ほか(BeArTon)
愛惜佳曲書に掲げた交響曲第4番(協奏交響曲)の新譜情報at the end of the dayで教えていただいた。
ポーランドの通販サイトにオーダーを出そうか等々、入手の算段をしていたところ、某オークションに出品があったので、手間を省こうと落札したもの。
Vn協は、1981年ワルシャワ生まれの新進ヤクブ・ヤコヴィッツが独奏(曲が第2番なら、なお斉諧生の好みだったのだが)。
更に演奏会序曲 op.12をフィルアップ。
ポーランド盤らしからぬ(?)高級感あるブックレットには、製作スタッフの顔写真まで掲載されている。
SACDハイブリッド盤で、録音にも相当力が入っている様子だが、斉諧生宅の装置ではなぜか高域の持ち上がった耳に優しくない音がする。
2004年12月・2005年2月、ポーランド放送局ヴィトルド・ルトスワフスキ・スタジオでの録音。
カジミシュ・コルト(指揮) スイス・ロマンド管 ほか
マスネ;歌劇「ドン・キホーテ」 ほか(DECCA)
贔屓の指揮者の一人コルトにマスネのオペラ録音があることは、かねてマークしていた。輸入盤LPをオーディオ評論家・長岡鉄男氏が採り上げていたのだ。
実はCD化されていることを知らず(汗)、先だってeBayを見ていて出品に気がつき、落札したもの。
主な歌手は、ニコライ・ギャウロフ(ドン・キホーテ)、ガブリエル・バキエ(サンチョ)、レジーヌ・クレスパン(ドルシネア)など。
LPは3枚組だったはずだが、CDでは2枚組になり、かつリチャード・ボニング(指揮) ナショナル・フィルによる組曲「アルザスの風景」をフィルアップしている。
1978年9月、ジュネーヴのヴィクトリア・ホールでの録音。

8月11日(木)

 

ネーメ・ヤルヴィ(指揮) ヨェーテボリ響
グリーグ;交響的舞曲・抒情組曲 ほか(DGG)
父ヤルヴィがDGGに録音したグリーグは全部架蔵しているつもりだったのだが、某オークションの出品をチェックしていたときに見覚えのないジャケットがあり、慌てて調べてみると、買い漏らしていたことが判明、それはならじと落札したもの。
標記2曲とノルウェー舞曲 op.35をカプリングしている。
1986年5月、ヨェーテボリのコンサートホールでの録音。
ネーメ・ヤルヴィ(指揮) スコットランド・ナショナル管
「エストニアの音楽 第2集」(CHANDOS)
夕刻、所用あって乗換駅で途中下車、届け物を済ませた足で某商業ビルに立ち寄ると、催事スペースで中古CDフェアを開催していた。
閉店まで30分ほど、大急ぎでチェックして2枚購入。
偶々↑と同じく父ヤルヴィで、1987〜88年、まだエストニアがソ連の一部だった頃に録音された啓蒙的な音盤である。
収録曲はレムバ;交響曲 嬰ハ短調トビアス;序曲「ユリウス・カエサル」エッレル;音詩「黄昏」トルミス;序曲第2番ペルト;ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌
中でもアヌ・タリが来月、京都市響で演奏するトルミス作品を「予習」しておこうと購入したもの。ずいぶん「かっこいい」音楽らしい。
リヴカ・ゴラーニ(Va) ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロイヤル・フィル
エルガー;Vc協(Va版)・3つの性格的小品 ほか(CONIFER)
上記同様、中古CDフェアにて。
かつて京都で「Cafe ELGAR」を開いておられたamadeus 管理人さんがオススメのエルガー!の1枚として紹介しておられるCDである。
ヴィオラ版の『チェロ協奏曲』にはかなり違和感を覚えます。(略)そんなことより3つの性格的小品。これは最高です。なかでも『ムーア風セレナード』のしっとりした歌わせ方は絶品。ハンドリーは間違いなく最高のエルガー指揮者のひとりです。録音も美しくこれはお薦め出来ます。
とのこと、かねて入手の機会を窺っていたもの。
なお、バックス;幻想曲(Va・管弦楽)をカプリングしている。
1988年7月、ロンドン・トゥーティングのオール・セインツ教会での録音。
イェフディ・メニューイン(Vn) ヘフツィバー・メニューイン(P)
フランク;Vnソナタ & ルクー;Vnソナタ ほか(NAXOS)
メニューインが1938年3月に録音したルクー作品の新覆刻がNAXOSからリリースされたというので、買ってきた。
同じ音源が、以前、Biddulphから出ていたので聴き比べようと思って棚から取り出してみると、なんと、どちらも Ward Marston による覆刻。
音質的にも同傾向で、まさか同じマスターを使用しているのではないだろうと思うが、一聴してわかるような違いはない。
フランクも同じ音源だし(1936年1月)、あとはBiddulph盤がショーソン;詩曲、NAXOS盤がベートーヴェン;Vnソナタ第3番というカプリング曲に着目して選ぶしかないのかもしれない。
それにしても、同じメニューインのルクーで、モノラル期にRCAに録音した演奏(ピアノはマルセル・ガゼレ)は、なぜCD化されないのだろう?

8月9日(火)

 

アレクサンダー・ギブソン(指揮) スコットランド・ナショナル管
エルガー;序曲集(CHANDOS)
蒐集中の指揮者の一人、ギブソンの未架蔵盤がeBayに出ていたので落札したもの。
収録曲は、「フロワッサール」「コケイン」「南国にて」ヘンデル(エルガー編);序曲ニ短調
録音は1982年9月、グラスゴーのヘンリー・ウッド・ホール。
プロデューサー;ブライアン・カズンズ、エンジニア;ラルフ・カズンズという、CHANDOS初期の体制による製作で、金管強奏時などまことに豪壮華麗な音がする。
ジョン・リル(P) ヴァルター・ヴェラー(指揮) バーミンガム市響
ベートーヴェン;P協第5番 & 序曲集(CHANDOS)
先だって同じeBay交響曲全集を入手したヴェラー、その補遺のつもりで序曲3曲(「プロメテウスの創造物」「コリオラン」「レオノーレ」第3番)を収録したCDを落札。
カプリングのP協は「ついで」のつもりだったが、こうして手元に来てみると、第1〜4番も入手したくなってくる(汗)。
録音年月はバラバラで、1988年6月〜1991年5月に及んでいる。交響曲が分売されたときのフィルアップだったのだろうか。
録音場所は共通で、バーミンガムのタウン・ホール。
ビエロフラーヴェク(指揮) プラハ・フィル ほか
マルティヌー;P、Timpと弦楽のための二重協奏曲 ほか(Warner)
2004年のプロムスでのライヴ録音(BBC音源)が音盤屋の新譜棚に並んでいた。愛惜佳曲書に掲げた標記マルティヌー作品の新録音なので、聴かざるべからず。
この曲、バルトーク「弦チェレ」と同程度に演奏されてもいいくらいの名作だと思うのだが、そうならないのは「フィボナッチ数列」とか「亡命先アメリカでの客死」といった「物語」に欠けているせいだろうか?
録音は2004年7月21日、もちろんロイヤル・アルバート・ホールにて。
その他、さまざまな演奏者でマルティヌーとヤナーチェクの作品を収録。
マルティヌーでは「ピエロ・デ・ラ・フランチェスカのフレスコ画」(アンドルー・デイヴィス(指揮) BBC響)、ヤナーチェクでは「フクヴァルディの歌」「主の祈り」(演奏者名省略)。
ラルフ・ゴトーニ(指揮 & P) アンサンブル
サッリネン;「バラバの対話」(cpo)
新譜の棚から北欧ものということで手に取ってみると、アルト・ノラス(Vc)とミカ・ヴァユリネン(アコーディオン)が参加しているので、買わざるべからず。
調べてみると、既にノルディックサウンド広島のニューズレターには掲載されている。すっかり失念していたようだ。
バラバはキリスト受難の際、身代わりに釈放された極悪人。
祭の時には、総督群衆の望にまかせて、囚人一人を之に赦す例あり。
ここにバラバといふ隠れなき囚人あり。されば人々の集まれる時、ピラト言ふ
『なんぢら我が誰を赦さんことを願ふか。バラバなるか、キリストと称ふるイエスなるか』(略)
祭司長・長老ら、群衆にバラバの赦されん事を請はしめ、イエスを亡さんことを勧む。
総督こたへて彼らに言ふ『二人の中いづれを我が赦さんことを願ふか』
彼らいふ『バラバなり』
ピラト言ふ『さらばキリストと称ふるイエスを我いかにすべきか』
皆いふ『十字架につくべし』
ピラト言ふ『かれ何の悪事をなしたるか』
彼ら烈しく叫びていふ『十字架につくべし』」(マタイ傳福音書第二十七章)
このくだりはバッハ;マタイ受難曲でも非常に劇的な場面であり、群衆(合唱)の「バラバを!」の叫びは肺腑をえぐる。
聖書にバラバはそれ以上登場しないが、彼がその後どう生きたか?というテーマは人々の関心を呼ばずにはいないだろう。
早くから「バラバは改心し、熱心にキリストの教えを述べ伝えて殉教した」という伝説が発生し、下っては20世紀スウェーデンの文学者ラーゲルクヴィスト『バラバ』を著してノーベル文学賞を受け、更にそれが映画化されたこともある。
本作は、ナーンタリ音楽祭の委嘱に基づき、ラッシ・ヌンミと作曲家がテキストを書き下ろし(フィンランド語)、2002〜2003年に作曲された。
「夜想曲」「復活祭 I」「復活祭 II」「復活祭 III」「パ・ド・ドゥ」「パッサカリア」「終曲」の7つの「対話」からなるオラトリオ的な構成。
5人の歌手と1人の語り、アコーディオン、Vn、Vc、Fl、Cl、Perc、Pのアンサンブルによって演奏される。
2004年6月12日、ナーンタリ音楽祭での録音。

8月8日(月)

 

イェフディ・メニューイン(指揮) 「メニューインの若い名手たち」
エルガー;弦楽セレナード ほか(CLASSIC fM)
eBayを見ていたら、メニューインの指揮盤が出品されていた。
彼の指揮する音楽の暖かさには心惹かれるのだが、まあ子どもに近い年齢層の演奏だし…と思って二の足を踏んでいたところ、メニューイン & ミルシテインのページに、
(メニューインは)指揮者としてもエルガーを重要なレパートリーとしていた。
特に感動的なのが弦楽セレナードである。Classic fMレーベルの"Yehudi Menuhin's Young Virtuosi"というメニューイン・スクールの生徒達の演奏を集めたCDの最後に収録されている。同じ曲でもイギリス室内管を振ったArabesqueレーベルのCDは大きく落ちる。
という記述があった。
実はArabesque盤の演奏を好んで聴いていたこともあり、それを大きく上回る成果が出ているのであればと、期待して落札したもの。
エルガー以外は、各人の独奏が13曲とヴェルディ;弦楽四重奏曲より第1楽章が収録されている。
13人のうちにはオノ・アキコ、チバ・アキコといった日本人名も見える。
1996年3月、イングランド北部シェフィールドのブルームヒルでの録音。
ニナ・カルモン(Vn) マリア・ゾフィアンスカ(P)
ブラームス;Vnソナタ第1番 & シマノフスキ;Vnソナタ ほか(Animato)
以前、クーラVnソナタほかのCDを買ったことがあるカルモン、また渋いところでシマノフスキ作品の録音がeBayに出ていたので落札。
録音データは不詳だが、マルPは1999年、こちらがデビュー盤らしい。
標記2曲にサラサーテ;カルメン幻想曲をフィルアップ。
なお、ヴァイオリニストの公式Webpageがある。

8月7日(日)

 

オットー・クレンペラー(指揮) ウィーン・フィル
名演集成(TESTAMENT)
リリース情報に接して以来、発売を鶴首していた大物。(おそらく)最も安く買える店に足を運べる機会をうかがっていて、購入が遅くなってしまった。
客演を希望したウィーン・フィルに対して「お前のところはギャラが安いから嫌だ」と、なかなか腰を上げなかったクレンペラーが、1968年5〜6月に5回のコンサートを指揮した。
1968年5月19日
バッハ;ブランデンブルク協第1番
モーツァルト;セレナード第12番 K.388
モーツァルト;交響曲第41番
1968年5月26日
ベートーヴェン;序曲「コリオラン」
ベートーヴェン;交響曲第4番
ベートーヴェン;交響曲第5番
1968年6月2日
ラモー(クレンペラー編);ガヴォットと6つの変奏
ブルックナー;交響曲第5番
1968年6月9日
モーツァルト;フリーメーソンのための葬送行進曲
マーラー;交響曲第9番
1968年6月16日
シューベルト;交響曲第8番「未完成」
R・シュトラウス;交響詩「ドン・ファン」
ワーグナー;ジークフリート牧歌
ワーグナー;「トリスタンとイゾルデ」前奏曲
ワーグナー;「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
このうち録音されなかった「フリーメーソン〜」を除く全部に、ブラームス;ドイツ・レクイエム(1958年6月15日)を加えてCD8枚組のセットになっている。
以前、DGGからオーケストラの創立150周年記念で一部(「運命」と「未完成」)が発売されたことがあり、その「凄い」としか言いようのない演奏内容に圧倒された。
特に楽しみなのはマーラーで、正規音源で聴けるのは嬉しい(以前他のレーベルから出たときに見送った甲斐があったというものだ)。
録音状態や演奏内容について、フルトヴェングラーCDレビューさんが詳細にレポートしてくださっているので、ぜひ御参照を。
ルネ・レイボヴィッツ(指揮) ロイヤル・フィル
ベートーヴェン;交響曲第2・4番(MENUET)
レイボヴィッツ蒐集で課題となっているMENUET盤だが、前回第1・3番を入手してから約10か月、ようやく2枚目が入手できた。
某オークションで出品されているのを見つけ、シメシメと思っていたら締切間際に競り合いになり、ずいぶん出費を強いられてしまった(汗)。
それはともかく、レイボヴィッツによる全9曲の録音中、最も優れていると感じる第2番を含むだけに、嬉しいことである。
小林研一郎(指揮) 日本フィル ほか
「管弦楽名曲集IV」(日本フィル自主製作)
コバケンの新譜、買わざるべからず。
リリース情報は入手していたのだが、長く店頭で見つけることができず、公式Webpageでオーダーするのも送料・手数料が惜しいしで、悩んでいたもの。
今日立ち寄った音盤屋で、ふと棚にひっそり並んでいるのを見つけ、ホッと安心、レジに持参したもの。
ポピュラー名曲10作品を収録しており、小林の指揮では、ロッシーニ;歌劇「セビリアの理髪師」序曲ビゼー;歌劇「カルメン」第3幕前奏曲ヴォルフ・フェラーリ;歌劇「マドンナの宝石」第2幕間奏曲チャイコフスキー;序曲「1812年」
また、渡邉暁雄(指揮)でビゼー;組曲「アルルの女」第2番よりメヌエット
飯守泰次郎(指揮)でプッチーニ;歌劇「マノン・レスコー」第3幕間奏曲
広上淳一(指揮)でオッフェンバック;喜歌劇「天国と地獄」序曲
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)でロッシーニ;歌劇「ウィリアム・テル」序曲
オッコ・カム(指揮)でモーツァルト;歌劇「フィガロの結婚」序曲
と、斉諧生の好きな指揮者目白押し宝石箱状態。
もちろん録音年月・場所はバラバラで、1989年3月〜2003年8月に及ぶ。
IMEに「歴史用語変換辞書」というのを入れているのだが、この辞書、「645〜2003の数字」+「年」で変換すると、「645(大化1)年」とか「平成15(2003)年」といった結果を返してくれる。
↑の記事で「1812年」を入力しようとしたら、いきなり「文化九年」と変換されて吃驚してしまった。
いや、本業的には、驚いてはいけないのだが(苦笑)。そうか、文化九年か…。

8月6日(土)

京須偕充『圓生の録音室』(青蛙房)
毎回更新を楽しみにしている唐沢俊一氏の裏モノ日記7月11日の項で「私の青春の愛読書のひとつ」と紹介されていた書籍。
 落語界に残る大業績のひとつ『圓生百席』のレコードを製作したCBSソニーのプロデューサー(当時)の製作記録である。自分が惚れ込み、入れ込んだ芸を、レコードという商品のカタチにしていく手順を、最初の交渉の段階から製作の作業、商品化に至るまでの(トラブルをも含めての)一切を克明に、冷静に、しかし興奮を秘めて記した一書。
(略)およそものを製品に作り上げるという行為に関わっている全ての人必読の書であるが、これを十数回読み直しながら、『いつか自分もこういう仕事がしたい』と思っていた。
音盤製作に関わる傑作ドキュメンタリーということならば読まざるべからず、と日本の古本屋で捜してオーダーしたところ、あっという間に届いたもの。
さっき調べていて、中公文庫に入っている(品切れ?)ことを知った。
巻を披くや擱く能わず、一気に読了。実に面白かった。
自ら編集に立ち会い、ちょっとした「間」のタイミングにもこだわり抜いた圓生が、いつもと違う録音技師に対して見せた反応、
出囃子に唄が入るときには自分が唄うと言いはって、それじゃ辻褄が合わないと反対するプロデューサー(著者)に「どうも今の方てえものは理が勝ちすぎていけませんね。お囃子は愛嬌なんですから、まァ遊びてえことで……。唄は下手くそでも、本人がやってるんだから言いじゃァありませんか」と押し切るところ、
「百席」30巻の構成を、手作りのノートに定規で線を引き、暇があればノートを見つめて想を練り、検討を重ねてはノートを作りかえした、その几帳面さ。 等々
たしかに「いつか自分もこういう仕事がしたい」という気持ちになるのが、実によくわかる(もちろん落語ではないけれど)。
あ、でも『三遊亭圓生人情噺集成』、欲しいかも…(自滅)。

 

ドミトリ・キタエンコ(指揮) ケルン・ギュルツェニヒ管 ほか
ショスタコーヴィッチ;交響曲全集(CAPRICCIO)
リリース情報は承知していたのだが、キタエンコには従来あまり高い評価は与えていなかったので、好きな曲だけ買えばよいかと思っていた。
ところが、先行して入手された方々からは、ユビュ王の食卓さんはじめ、かなり高い評価がWeb上に掲載されている(例えばCD購入日記さん、ふるたこさん、シモンさん)。
いつも貴重な情報を頂戴しているユビュ王の食卓さんの掲示板で、当全集についてはタワーレコードが格安と知り、同店限定取扱いらしい↓ともども、オンライン・ショップからオーダーしたもの。
録音は、最も古い2002年に第6・9番、翌年に第4・5・7・8・10・12・14番、残り6曲が2004年となっている。
また、第1・4・7・8・11・15番の6曲がケルン・フィルハーモニーでのライヴ収録である。
SACDハイブリッドで、録音は非常に優秀、音のリアリティが非常に高い。
フランク・ペーター・ツィンマーマン(Vn) ヨン・ストルゴーズ(指揮) RAI国立響 ほか
ブゾーニ;Vn協・Vnソナタ第2番(Sony Classical)
FPZ待望の新譜、またまたドイツSonyのローカルリリースらしく、タワーレコードのみ取り扱いの模様。
協奏曲の指揮者はフィンランド出身、もとはヴァイオリニストとして知られていた人だが、指揮活動を本格化しているのだろう。(こういう顔らしい。)
ソナタのピアノは、昨秋のFPZ来日時に帯同したエンリコ・パーチェ、その際もブゾーニを演奏していた。
演奏会評も非常に良かったので、聴きに行けなかった斉諧生としては、CDに大いに期待している(もともと「外れ」のないヴァイオリニストだが)。
Vn協は2003年4月18日、トリノのジョヴァンニ・アグネリ・オーディトリアムでの録音。ソナタは2004年10月10日、ミュンヘンのバイエルン放送局第1スタジオでの録音とのこと。

8月5日(金)

 

レイチェル・マスターズ(Hp) リチャード・ヒコックス(指揮) シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニア
ヒナステラ;Hp協 ほか(CHANDOS)
見れば買う曲の一つ、ヒナステラ作品に蒐集漏れがあることに気づいた。CHANDOSなどというメジャーなレーベルで見落としていたのは実に恥ずかしい。
通販サイトで捜したのだが、廃盤にでもなっているのか入手が難しそうだったので、eBayで気をつけていたところ、出品があって落札できたもの。
独奏者はロンドン・フィルの首席奏者で、王立音楽大学(RCM)の教授を務めているとのこと。
カプリングはグリエール;Hp協 & コロラトゥラ・ソプラノとHp協
1992年2月、ロンドン・トゥーティングのオール・セインツ教会での録音。
CHANDOSの公式Webpageには、ちゃんと掲載されているので、廃盤ではなさそうだ。

8月3日(水)

 

千住真理子(Vn) ズデニェク・コシュラー(指揮) プラハ響
ブルッフ;Vn協第1番 & ドヴォルザーク;Vn協(Victor)
千住さんのCDは少しずつ買い揃えているところだが、未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札。
故コシュラーの指揮盤という点でも貴重か。この人は、大阪センチュリー響への客演の予定があり、チケットを買って待っていたのに急逝してしまったので、妙な思い入れが出来てしまった(苦笑)。
ライナーノートを宇野功芳師が執筆しておられ、
雄弁な語りかけを見せる一方、むせるような歌やこぼれる魅惑がそれに加わり、(略)切ないほどの感情のほとばしりは千住の資質を全開させたものといえよう。
と熱のこもった賛辞を呈しておられる。
1991年12月、プラハのスメタナ・ホールでの録音。
ホン・ソンウン(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(MonoPoly)
いつも貴重な通販情報を御教示くださっているユビュ王の食卓さんで御紹介のあった、アメリカの韓国CDショップAnnyong.comを見に行く。
日本に入ってこないローカル・リリースもののうち、韓国人チェリストによるバッハ;無伴奏(全曲)を2点オーダーしてみた。
基本的にはカード決済なのだが、セキュリティ対策とのことで、向こうから添付ファイルで送ってくる承諾書にサインしたものと、カードの両面をスキャンして画像ファイルで返送してほしいと言ってきた(最初の利用時のみとのこと)。
こちらもすぐ対応できなかったりしたので、約半月を要したが、無事、2枚組2点が到着。
韓国人名の読みには不案内なので間違っている恐れもあるが、原綴は "SungEun Hong" (女性)。
8歳でチェロを始め、十代前半には各種のコンクールで優勝を飾り、ジュリアード音楽院に留学し、カーネギー・ホールでデビューを飾ったとのこと。
更にウィーンでナヴァラに師事し、1988年以降ヨーロッパやアジア各地でソロや室内楽活動を行っているという。
ブックレットには、2003年9月11日にソウルの可楽(Garak)カトリック教会で録音されたとあるので、1日で一気に全曲を収録したものであろうか(ライヴではないようだ)。
レーベルの公式Webpageが見つかった。シュトゥットガルト室内管を起用したオリジナル録音などもあるようだ。
↓ジャケットがなかなか美しい。
ヤン・ソンウォン(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(EMI)
この人(原綴 Sung-Won Yang 男性)は、4年前、韓国・ソウルに行く機会があったときに、コダーイ;Vc作品集のCDを買ってきたことがある。
ソウル生まれ、パリ音楽院とインディアナ大学で学び、現在は延世(Yonsei)大学で教授職に就いているとのこと(こちらはプロフィールがWeb上にあった)。
2004年3・4・7月に、ロンドンのヘンリー・ウッド・ホールで録音されたもので、エンジニアを名手トニー・フォークナーが務め、マイクロフォンは米RCAでルイス・レイトンが使っていた真空管式のものを使用したと特記されている。
これも↓ジャケットが美しい。

8月2日(火)

 

大山平一郎(指揮) 英国王立音楽院シンフォニエッタ ほか
モーツァルト;交響曲第29番・協奏交響曲 ほか(自主製作)
eBayで珍しいCDを見つけたので(汗)、ついつい落札。
1994年4月14日、東京・浜離宮朝日ホールでライヴ収録されたもので、コンサートマスターに座っているのが相曽賢一朗、協奏交響曲K.364のソリストはシェ・ウェイ(Vn)と篠崎友美(Va)という顔ぶれ。
相曽氏のWebpageで演奏会履歴を調べてみると、なるほどちゃんと記載されている。
また、ブックレット(といっても紙1枚だけだが)に楽員名簿が掲載されており、チェロに "Susanna Malkki" という、聞き覚えのある名前。
Webで調べてみると、やはり現在は指揮者として活動し、アンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督に就任したばかりのスザンナ・マルッキのようだ。
彼女のバイオに「ロンドン・ロイヤル・アカデミーでチェロを学び」という一項がある。
更にヴィオラには松実健太氏も参加している。
標記2曲以外にP協第14番をカプリング。この曲のソリストは森川尚美松実氏のCDで共演している人で、やはり英国王立音楽院で学んだとのことである。
イギリスの放送局 classic FM が録音し本国で放送した音源をもとに、英国王立音楽院(RAM)が製作したCDと思われる。
オイゲン・ヨッフム(指揮) バイエルン放送響 ほか
シベリウス;管弦楽曲集 & ワーグナー;管弦楽曲集(DGG)
退勤時に立ち寄った音盤店にて、ずっと気になっていたCDを購入。
紙ジャケット仕様の "The Legendary Deutsche Grammophon Sound of the 1950's" シリーズの1枚。
たしかLPだったか他の指揮者のCDのフィルアップだったかで架蔵していたような気がするが、リマスタリング盤でもあり、純ドイツ系指揮者・オーケストラによるシベリウス演奏は比較的珍しいので、聴いておきたいと考えたもの。
シベリウスの収録曲は、「テンペスト」前奏曲「オセアニデス」「夜の騎行と日の出」
LP時代では先駆的な録音であったらしい(1955年11月、ミュンヘンのヘルクレス・ザールでの収録)。
この時期、DGGはハンス・ロスバウト(指揮) ベルリン・フィル「フィンランディア」「カレリア」組曲を録音しており、それとセットになるような企画だったと思われる。
ワーグナーでは「ローエングリン」第1・3幕前奏曲(これのみベルリン・フィル、1951年6月録音)と「パルジファル」前奏曲と聖金曜日の奇跡を収めている。
ゴドリーヴ・シュラマ(Hp) ジェラール・コルステン(指揮) オランダ放送室内管
ヒナステラ;Hp協 & モンサルバーチェ;奇想的協奏曲(NorthWest Classics)
見れば買うことにしているヒナステラ作品の新録音が店頭にあったので購入。
カプリングのモンサルバーチェはカタロニアの作曲家(1912年生、2002年没)。
奇想的協奏曲は、ロカテッリのVn協が楽章間のカデンツァに奇想曲を置いていることにヒントを得て、1975年に書かれた作品。作曲者は自作の中で最良のものと考えていた…とブックレットにある。
初演はニカノール・サバレタラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮) スペイン国立管によって行われたとのこと。
ボーナス・トラックとして、ソレールのソナタ3曲を収録している。
なお、当レーベルはオランダの会社

8月1日(月)

ようやく夏休みをもらって(とりあえず今日だけ)、土日から三連休。
種々溜まっている用事を片付け、7月3日以来、滞っている「日録」の記事を書き上げた。
遅くなりましたこと、お許し下さい。<(_ _)>
 
また、音盤狂昔録に、平成17年6月分平成17年7月分を追加しました。
あれこれ調べていて、ヴァイオリニスト原田陽さんの公式Webpageにたどりついた。
「Listening Room」のページに、ルクー;Vnソナタ第1楽章のMP3音源が置かれているのを発見。
2004年5月30日、Hakujuホールでのライヴ録音とのこと。ピアノは吉田あかねさん。
高宮利行『アーサー王伝説万華鏡』(中央公論社)
1995年刊行の旧著。もともとは雑誌『マリ・クレール』への連載であったとか。
一昨日、浮月斎大人のblog即席浮月旅團を拝読していて、情報を頂戴した書籍。
なんとショーソン;歌劇『アルチュス王』に関する一文が掲載されているというから読まざるべからず。
日本の古本屋で捜してオーダーしたところ、あっという間に届いたもの。
ショーソン作品については16頁が割かれており、梗概や簡単な上演史、ワーグナーとの比較と「脱ワーグナー化」等について、説明されている。短いが、まず有用な情報であった。
そのほか、これも鍾愛の映画、ジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』も取り上げられているし、巻末の「軍艦から医療器具まで〜アーサー王伝説我楽多市」は蒐集癖者には麻薬のような章。同じものを集めたいわけではないが、非常に刺激される。
久しぶりに「アーサー王伝説」熱が、ぶり返しそうである。

 

ミハイル・プレトニョフ(P) ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮) フィルハーモニア管
チャイコフスキー;P協第2・3番(Virgin)
第1番だけ買って、これでじゅうぶんと思っていたのだが、フェドセーエフの音盤を蒐集し出すと、第2・3番が欠けているのが気になってしかたがない(汗)。
2枚組の廉価盤で出ているのも承知しているが、ダブるのも勿体ないし、やはりオリジナルのジャケットが欲しい(汗)。
ずっと捜してきたが、ようやくeBayに出品されたところを落札。ちょっと競りあいになって焦る(汗)。
届いた現物を見て吃驚、第2番第2楽章のVnとVcのソロで、後者をアレクサンドル・ルーディンが弾いている(汗)。
1990年1月、リヴァプールのフィルハーモニック・ホールでの録音。
セルゲイ・ハチャトゥリアン(Vn) ルジーネ・ハチャトゥリアン(P) ほか
ブラームス;Vnソナタ第3番 & ラヴェル;ツィガーヌ ほか(EMI)
第8回シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール(2000年)で優勝、昨年末にはNHK響にも客演して、花形ヴァイオリニストへの道まっしぐら、と思っていたハチャトゥリアンだが、先だってエリザベート王妃国際音楽コンクールにチャレンジして、見事(当然?)優勝。
eBayを見ていたら、リサイタル盤が出ていたので、興味を惹かれて落札。
標記2曲は姉上の伴奏、また父君の伴奏でショーソン;詩曲ワックスマン;カルメン幻想曲、独奏でバッハ;無伴奏Vnパルティータ第2番よりシャコンヌを演奏している。
2002年5月、イギリス・サフォークのポトン・ホールでの録音。
なお、彼の非公式ファンページというのができている。

平成16年8月15日(日): 「提琴列伝」に和波孝禧を掲載。
平成16年1月4日(日): 「作曲世家」にルクー・ディスコグラフィを追加。
平成15年8月24日(日): 倭匠列伝指揮者・宇野功芳を掲載。
平成15年8月24日(日): 50万件アクセスを記念して、ページデザインを全面改訂。
平成15年5月24日(日): 「逸匠列伝」にユッシ・ヤラスを掲載。
平成14年10月14日(祝): 「名匠列伝」にハンス・シュミット・イッセルシュテットを掲載。
平成14年5月25日(土):黄金週間中のウィーン旅行の顛末を「維納旅行記」として公開。
平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


音盤狂昔録へ戻る

トップページへ戻る

斉諧生に御意見・御感想をお寄せください。