音盤狂日録


9月30日(金)

ユーリ・シモノフ(指揮) フィルハーモニア管
ワーグナー;管弦楽曲集(WINDSONG)
いつもオーケストラ・リンク集東西南北交響楽団でお世話になっているジュスマルダホスさんをはじめとして、偏愛される方が多いので気になっていた指揮者シモノフ
もとはCollinsレーベルから出ていたそうだが、2枚のワーグナー集が安価で某オークションに出品されていたので落札してみた。
第1集は指環(抜粋)をメインにパルジファル前奏曲トリスタン前奏曲と愛の死、第2集はリエンツィオランダ人タンホイザーローエングリンマイスタージンガーの序曲・前奏曲集となっている。
はたして「爆演系」のワーグナーが聴けるのだろうか、楽しみである。
第1集が1990年8月、第2集が1991年5月、ロンドンでの録音。
セジョン・ソロイスツ
ショスタコーヴィッチ;室内交響曲op.110a(SAMSUNG)
蒐集しているショスタコーヴィッチ作品の未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札したもの。
セジョン・ソロイスツ(団体名は李氏朝鮮の4代国王で朝鮮史上最も偉大な君主の一人とされる「世宗」に由来)は、韓国出身のジュリアード音楽院ヴァイオリン科教授ヒョー・カン氏が指導するアンサンブルで、ジュリアードの卒業生ないしアスペン音楽祭の出身者によって1995年に創立された。
メンバー(ジャケット写真では11人が数えられる)の国籍は様々だが、皆、一流の国際コンクールの入賞者だという。
更にチャイコフスキー;アンダンテ・カンタービレアレンスキー;チャイコフスキー変奏曲ストラヴィンスキー;バーゼル協をカプリングする。
1996年5月、アメリカ・ニュージャージー州プリンストンのリチャードソン・ホールでの録音。
エンリケ・ディーメッケ(指揮) ロイヤル・フィル
ヒナステラ;協奏的変奏曲 ほか(TRING)
ヒナステラの秀作の未架蔵盤が某オークションに安く出ていたので落札。
指揮者は初めて聴く人だと思うが、メキシコ国立響の音楽監督をしているようだ。
その他ヴィラ・ロボス;ブラジル風バッハ第2番などをカプリングしている。
1994年7月、ロンドンでの録音。
ニュー・センチュリー室内管
ヒナステラ;弦楽協奏曲 & ウィリアムズ;3つのアルゼンチン組曲(d'Note)
↑の盤同様、ヒナステラ作品の未架蔵盤が某オークションに出ていたので落札したもの。
オーケストラ(というか弦楽アンサンブル)は、1992年、サンフランシスコで結成された団体で、サンフランシスコ響ロサンゼルス・フィルなどカリフォルニアのオーケストラのメンバーから成るとのこと。1970〜80年にサンフランシスコ響のコンサートマスターを務めたスチュアート・ケイニンが音楽監督を務め、弾きながらリードする。
カプリングのアルベルト・ウィリアムズについては中南米ピアノ音楽研究所に紹介がある。
弦楽合奏のための「3つのアルゼンチン組曲」は1923年に作曲され、彼がアルゼンチン民謡を取り入れて作った音楽の代表作の一つという。3つの組曲は、それぞれ4楽章からなり、各10分内外の演奏時間である。
ポール・トルトゥリエ(Vc) ルイ・フレモー(指揮) バーミンガム市響 ほか
サン・サーンス;Vc協第1番 ほか(EMI)
トルトゥリエの未架蔵盤CDを某オークションで見つけたので落札したもの。
もっとも標記協奏曲とアレグロ・アパショナートは既に架蔵しており、新しい音源は「白鳥」と、息子ヤン・パスカル(Vn)のカプリス & 「ノアの洪水」前奏曲、娘マリア・デ・ラ・パウ(P)のウェディング・ケーキなのだが(苦笑)。
1974年5月、レスターのデ・モントフォールト・ホールでの録音。
ニカノール・サバレタ(Hp) ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮) スペイン国立管 ほか
アランフエス協(Hp版) ほか(EMI)
サバレタの依頼により作曲者がハープ用に編曲した版の初録音盤、既にLPでは架蔵しているが、CDが出ているとなると手元に置きたくなり、某オークションで落札したもの。
ロドリーゴ生誕100周年記念のシリーズの1枚で、「歴史的録音集」というタイトルのもと、ヴィクトリア・デ・ロスアンヘレスモンセラート・カバリエの歌曲と組み合わされている。
1974年の録音。
巌本真理Q
シベリウス;弦楽四重奏曲「親愛なる声」 & グリーグ;弦楽四重奏曲(東芝)
LP時代には秘曲に近かった両曲の代表的(というか手に入りやすい)録音だった巌本盤。
聴くなら北欧の団体でなどと考えつつ、ずっと放置していたのを某オークションでCDが出品されたのを見つけて落札したもの。
日本人のシベリウス録音、言い換えれば日本におけるシベリウス受容の歴史の上では欠かせない音源だろう。
1971年8月、杉並公会堂での録音。
高田あずみ(Vn) 野平一郎(P)
バルトーク;Vnソナタ第1・2番 ほか(メディアリング)
OLCのメンバーとして見知ったヴァイオリニストで、かねてこのバルトークや無伴奏作品のCDを聴きたいと思っていた。
偶々某オークションで安く出ていたことから落札したもの。
標記2曲とソナチネ(ピアノ曲からジェルトレルが編曲した版)、ルーマニア民俗舞曲を収録している。
1995年8月、彩の国さいたま芸術劇場での録音。
アウグスティン・レオン・アラ(Vn) ユージン・デ・カンク(P)
ロドリーゴ;Vn作品集(EMI)
↑のサバレタ盤同様、某オークションに出品されていたロドリーゴ生誕100周年記念シリーズから、比較的録音が珍しいヴァイオリン曲集を落札。
収録曲のタイトルなど詳しいことがすぐには判らないのだが、見当のつく範囲では、無伴奏Vnのカプリッチオ「7つのバレンシアの歌」「しゃれたソナタ Sonata Pimpante 」など。
1989年、スペイン録音。

9月29日(木)

ペーテル・ガズダ(指揮) フランツ・リスト室内管
「現代ハンガリー弦楽合奏作品集」(Hungaroton)
蒐集しているリスト室内管の未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札。
現代音楽というので躊躇しないでもなかったのだが、このアンサンブルの演奏ならば信用できるのではないか、コンプリートも視野に入れるのであれば外せない(苦笑)、と考えた。
収録されている作曲家のうち、聴いたことがあるのはペレーニに録音があるセーレーシだけで(協奏曲第3番(1968年))、あとのレンドヴァイシャーリホッローシュドゥカイガズダは初めて耳にするもの。
1997年9月、フンガロトン・スタジオでの録音。
ゼリア・アウメーレ・ウーケ(Vn) グンナー・スターン(指揮) スウェーデン放送響 ほか
トゥビン;Vn協第2番 ほか(Eesti Raadio)
先月、交響曲第5番の日本初演を聴いたトゥビンのヴァイオリン協奏曲がアリアCDさんのWebpageに出ていたのでオーダーしたもの。
ヴァイオリニストは1919年タリン生まれ、同地の音楽院を卒業したあとプシホダにも学んだとのこと。1944年スウェーデンに亡命、スウェーデン放送響に在籍し、現在はストックホルムで教職にある。スウェーデンにおけるトゥビンの紹介者でありVn協第2番の全曲初演を行ったとのこと。
1977年11月、ストックホルム王立音楽院での録音。
その他スメラ;「イン・メモリアム」(エリ・クラス(指揮) エストニア響)、レンバ;P協第1番(マッティ・レイマン(P) ネーメ・ヤルヴィ(指揮) エストニア響)をカプリングしている。
漆原啓子(Vn) ヤン・パネンカ(P)
ブラームス;Vnソナタ第1〜3番(fontec)
漆原さんがヴィニャフスキ国際コンクールで優勝したのが1981年、ちょうど斉諧生が東京で学生生活を送りクラシックを聴き始めた頃だったので、そのニュースは鮮烈な印象で残っている。
そのわりに音盤はあまり熱心には買っていないのだが(汗)、ポツリポツリと集めているところ。
チェコのベテラン・パネンカを招いたブラームスのソナタ全集も、新譜の時に注目しておりながら買いそびれたままになっており、今回、musicFieldで見つけたのを機に落札したもの。
1992年7月、田園ホール・エローラでの録音。
セシリア・シリアクス(Vn) ベンクト・オーケ・ルンディン(P)
バルトーク;Vnソナタ第1番 & ドホナーニ;Vnソナタ(CAPRICE)
当盤は、昨年ステーンハンマル;2つのセンチメンタル・ロマンスの美しい録音をリリースしてくれたシリアクスの、確か2枚目のCDだった。
当初は買いそびれていたが、某オークションで安く出品されたので落札したもの。
2001年11月、ストックホルムのスウェーデン放送第3スタジオで録音された。

9月27日(火)

クリスティアン・アルミンク(指揮) 新日本フィル
ブラームス;交響曲第1番 & マーラー;交響曲第3番(fontec)
これはディスクユニオン系のオークション・サイトmusicFieldで見つけ、落札したもの。
マーラーの交響曲中、最も好む曲の一つである第3番、しかも話題のアルミンク & 新日フィルということで、新譜の時から聴きたかったのだが、国内盤2枚組ゆえ買いそびれていた。
マーラーは2003年9月の就任記念演奏会、ブラームスは翌月の演奏会でのライヴ録音である(すみだトリフォニー・ホール)。

9月24日(土)

ヤーノシュ・ローラ(リーダー) リスト室内管
ミヒャエル・ハイドン;シンフォニア集(TELDEC)
蒐集しているリスト室内管の未架蔵盤が某オークションに安価で出品されているので落札したもの。
それにしても、この団体のCDが想像以上に多数リリースされているので少々驚いている。
もちろん実力のある証拠だし(ぜひ実演を聴きたい)、非ピリオド系のアンサンブルは旗色の悪い昨今、入手できるときに入手しておかねば臍を噛むことになるだろうから、弱音は吐きたくない(笑)。
収録されているのはハ長調・変ホ長調・ニ長調・イ長調の4曲。
録音データが明記されていないがマルPは1985年。
横山幸雄(P) ネーメ・ヤルヴィ(指揮) ヨェーテボリ響
グリーグ;P協 ほか(Sony)
ピアニストについて斉諧生周囲のピアノ通たちから良い評価を聞いたことがないのでパスしてきた音盤だが、やはりヤルヴィとヨェーテボリのグリーグ、聴かざるべからずと、某オークションで見かけたのを機に落札したもの。
1997年6月28日、東京芸術劇場でのライヴ録音。
なおカプリングはピアノ独奏で抒情小曲集より。
エルネスト・アンセルメ(指揮) スイス・ロマンド管
ルーセル;バレエ音楽「蜘蛛の饗宴」 ほか(英DECCA、LP)
愛惜佳曲書に掲載している「蜘蛛〜」に、フランス音楽の御本尊アンセルメの録音があると知り、捜していたところ、eBayで安価な出品を見つけ、落札したもの。
組曲ではなく、バレエ音楽の全曲盤。
ジャケット裏に "6 Juli 1957" と書き込みがあり、おそらく元の持ち主の購入年月日であろう。さすればオリジナル盤かそれに近いリリースということになる。
もちろんモノラル録音で、フィルアップは小組曲
ルミニッツァ・ペトレ(Vn) ミハーイ・ウングレアヌ(P) ほか
エネスコ;Vnソナタ第3番 ほか(羅ELECTRECORD、LP)
先だって勢い込んで買ったペトレのバッハ;無伴奏は、その前後に
「おかか1968」ダイアリーさん、浮月斎さんの偶刊-似非波塞多尼歐斯T.S.さんユビュ王の食卓さんにレビューや記事が掲載され、いずれも高評を与えておられる。
更にラ・ヴォーチェ京都以外でも取扱いが始まるようなので、目出度い限り。
ラ・ヴォーチェの永井さんが絶賛しておられたエネスコを是非聴きたいと、長期戦を覚悟でeBayのサーチに登録しようとしたところ、なんと現在出品されている!
しかもその出品者が数枚の在庫を持っている様子なので、拍子抜けというか何というか、まあ喜ばしいことと落札したもの。
ただし、独奏者名は "Luminita Petre-Rogacev" と表記されている。
1988年、ブカレストのチプリアン・ポルムベスク音楽院を卒業した翌年の録音とのこと。
なおカプリングはPソナタ第3番、演奏者は Viniciu Moroianu 。

9月22日(木)

ステーンハンマルのピアノ曲シリーズ
本日付けノルディックサウンド広島の "In Brief" によれば、スウェーデンのAltara Musicから、ステーンハンマルのピアノ曲シリーズ(全3枚?)がリリースされる予定のこと。
演奏はベテラン(と言っていいだろう)スタファン・シェーヤ
またピアノ三重奏曲の予定も言及されており(アレグロ・マ・ノン・タントのことであろうか)、大いに楽しみである。鶴首して待ちたい。
渡邉暁雄(指揮) 東京都響
シベリウス;交響曲第7番 & ニルセン;交響曲第4番 ほか(fontec)
閉店間際の音盤店に駆け込み、東京都響創立40周年記念シリーズ第2回発売、斉諧生的には見逃すことのできない、渡邉先生のシベリウスを購入。
先生は都響2代目の音楽監督(在任1972〜78年)、シベリウスは1979年3月17日(第112回定期)、ニルセンは1976年3月17日(第84回定期)、それぞれ東京文化会館での録音。
更に1981年5月29日(第136回定期)でのモーツァルト;ディヴェルティメント ニ長調 K.136をフィルアップ。この選曲は定期の回数にかけたものだろうか。
このシリーズ、第3回の発売にはジャン・フルネフローラン・シュミット;詩篇第47番ペーター・マークモーツァルト;交響曲第38番が予定されており、非常に楽しみである(!)。
鈴木雅明(指揮) バッハ・コレギウム・ジャパン
バッハ;管弦楽組曲(全曲)(BIS)
鈴木雅明とBCJの録音、バッハのカンタータ全集は途中で追いかけられなくなってしまったが(汗)、「管組」が出るからには聴かねばと思っていた。
いち早くClassical CD Information & Reviewsさんのレビューが掲載され、
アンサンブルの緊密さは目を見張るばかりで,加えてそれが型に嵌ったものではなく,自在で生き生きと演奏しているところが素晴らしく,それが聴き手にも開放的な喜びを感じさせてくれている(略)正直なところ,今後この作品を聴く際にはこの録音でなければ満足できなくなってしまったかもしれないと思っているほど
と絶賛しておられることから、これは急いでと、購入してきた。
第3・1・2番を1枚目、第4番を2枚目に収めているが、価格は1枚分というところが有り難い。もっとも2枚を重ねて収納しているのには少し抵抗がある。
2003年10月、神戸松蔭女子大学チャペルでの録音。
なお、第2番の独奏Flは前田りり子
ベンジャミン・シュミット(Vn) 小澤征爾(指揮) ウィーン・フィル
コルンゴルト;Vn協 ほか(OEHMS)
ひところは隠れた佳曲だったコルンゴルトのVn協も、あれこれCDが出てきたので、これはもう止めておこうかな…などと考えているとフォルカーの部屋で「これが滅法いいんですわ。すんごく「美しい」演奏。曲が元々そういうものだけど、当団が演奏するとその美しさがまた格別で。」と太鼓判(9月21日の項)。
これもたまらず、購入してきた。
2004年ザルツブルク音楽祭のライヴで、7月24日に祝祭大劇場で収録されたもの。
更に8月1日の組曲「空騒ぎ」(ダーフィト・フリューヴィルト(Vn) アンリ・ジークフィドソン(P))、8月12日の組曲 op.23(シュミットほか、両曲とも会場はモーツァルテウム)をカプリング。
アラベラ・シュタインバッハー(Vn) ピンカス・スタインバーグ(指揮) ミュンヘン放送管
ミヨー;Vn協第1・2番 ほか(Orfeo)
ハチャトゥリアン;Vn協のCDを2種も出して驚かせたシュタインバッハーの新譜、今度はミヨーというから渋い。
標記2曲と春の小協奏曲「屋根の上の牡牛」を収録している。
2004年3月、バイエルン放送局での録音。
なお、彼女はドイツ人の父と日本人の母の間に生まれ(1981年)、アナ・チュマチェンコドロシー・ディレイイヴリー・ギトリスらに学び、アンネ・ゾフィー・ムターに認められ、弓も贈られたという。
ルドルフ・ゼルキン(P) クラウディオ・アバド(指揮) ロンドン響
モーツァルト;P協第12・20番(DGG)
 
ルドルフ・ゼルキン(P) クラウディオ・アバド(指揮) ロンドン響
モーツァルト;P協第21・23番(DGG)
 
ルドルフ・ゼルキン(P) クラウディオ・アバド(指揮) ロンドン響
モーツァルト;P協第18・24番(DGG)
 
ルドルフ・ゼルキン(P) クラウディオ・アバド(指揮) ロンドン響
モーツァルト;P協第8・27番(DGG)
ゼルキン翁最晩年のモーツァルトは何枚か架蔵しているので揃えておきたいと願っていたところ、某オークションにまとまった出品があった。
実は、思っていた以上に欠けているのが判って焦ったのだが(汗)、入札した分はすべて落札でき、一応これで揃ったのではなかろうか。
山下和仁(G)
バッハ(山下編);無伴奏Vnソナタとパルティータ(G版)(BMG)
山下さんのバッハ再録音の輸入盤を購入。国内盤より2割方安いので有り難い。
2004年10月、秩父ミューズパーク音楽堂での録音。

9月21日(水)

前橋汀子(Vn) 東誠三(P)
「エストレリータ」(Sony)
少しずつ集めてきた前橋さんの小品集、この第6集をもって全6枚が揃ったことになる。
標題のポンセ(ハイフェッツ編)作品のほか、フィオッコ;アレグロキュイ;オリエンタルフィビヒ(ジャムリー、バセヴィッチ編);詩曲など、やや録音の少ない作品を含むが、
有名曲もバッハ(ヴィルヘルミ編);G線上のアリアチャイコフスキー;憂鬱なセレナーデドヴォルザーク(クライスラー編);我が母の教え給いし歌などが入っている。
2000年2・4・5・12月、アクトシティ浜松コンサート・ホールでの録音。
ピーター・ウィスペルウェイ(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(CHANNEL CLASSICS)
ずっと買いそびれていたウィスペルウェイの旧録音。
CHANNEL CLASSICSレーベルが市場に登場し始めた頃の盤で、ウィスペルウェイのこのバッハとベートーヴェン録音で認められたように記憶している。
もちろんウィスペルウェイの名前も、この盤とともに知られはじめたのであった。
当時の斉諧生はピリオド楽器演奏にほとんど関心がなく、横目で眺めていただけ。ようやく聴く気になった頃には店頭から姿を消し、新録音のリリース以降は更に見かけなくなった。
某オークションに出品されているのを見つけたので落札、積年の胸のつかえが取れた思いだ。
…って、ちょっと大袈裟か(苦笑)。そんな珍しいCDではないのだから、その気で捜せばちゃんと買えたはずだし。
1989年2月及び1990年8月、Renswoudeプロテスタント教会での録音。

9月19日(月)

ジャン・マルティノン(指揮) コンセール・ラムルー管
ルーセル;組曲「蜘蛛の饗宴」 ほか(蘭Philips、LP)
某オークション愛惜佳曲書に掲載しているルーセル作品が見つかった。
マルティノンとラムルー管とPhilipsという組み合わせは意外で、ちょっと吃驚した。
レーベルがEMIかERATO、あるいはオーケストラがフランス国立放送管だったら、珍しくないのだけれども。
モノラル録音で、収録データ等は記載されていない。
(この辺の事情を御存知の方いらっしゃいましたら、ぜひ御教示ください。<(_ _)>)
その他の収録曲は、ドビュッシー;「牧神の午後」への前奏曲デュカス;「魔法使いの弟子」オネゲル;夏の牧歌フォーレ;パヴァーヌ。素晴らしい。

9月18日(日)

アヌ・タリ(指揮) 広島交響楽団
第252回定期演奏会、広島厚生年金会館
エッレル;交響詩「夜明け」
ドヴォルザーク;Vc協(独奏長谷川陽子)
トゥビン;交響曲第5番(日本初演)
(とりあえず曲目・演奏者のみ掲載します。コメントは後日…<(_ _)>)
トゥイヤ・ランタマキ(Vc) カレヴィ・キヴィニエミ(Org)
「フィンランドのチェロ」(MILS)
広島入りすれば、駅からまず直行する先はノルディックサウンド広島
余裕があれば試聴と買物をいっぱいさせていただくところなのだが、マチネの開演まで時間もなく店内も各地から集まった人で凄い混雑になったので、先日Release Informationを見てオーダーした1枚を引き取るに留めた。
ランタマキというVc奏者は初めて聴くが、「オルガンの魔術師」キヴィニエミは以前から愛聴している奏者、また曲目が素晴らしい。
作曲家名だけでも、クーラハンニカイネンメラルティンシベリウスクーシストメリカントヤルネフェルトと、北欧音楽好きには堪えられないし、
特にシベリウス;「ロマンス」・「悲しきワルツ」ヤルネフェルト;子守歌といった有名曲は聴き応えがある。
ランタマキは1966年生まれ、シベリウス・アカデミーでエルッキ・ラウティオらに学び、フランス・ヘルメルソンウィリアム・プリースのもとで研鑽を積んだ。現在彼女はフィンランド放送響の首席奏者(第3席)を務めているとのこと。
1999年10月・2000年2月、トゥルク大聖堂で録音された。

9月17日(土)

ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮) ハーグ・レジデンティ管
ハイドン;交響曲第101番「時計」 & ラヴェル;スペイン狂詩曲 ほか(自主製作、LP)
このところ蒐集に努めているオッテルローの未架蔵盤、それもオーケストラの自主製作盤がeBayに出品されていたので落札。
独DGGに「告別」・「校長先生」の正規盤があるハイドンの交響曲はもちろん、ラヴェルは以前の記事へのコメントで「ダフニスとクロエ」組曲が名演との情報をいただいているので、とても楽しみである。
更にベートーヴェン;序曲「プロメテウスの創造物」ドビュッシー;「牧神の午後」への前奏曲をカプリング。
録音データは明記されていないが、ライナーノートに1972年12月の日付が入っている。

9月16日(金)

ヴラディーミル・ホロヴィッツ(P) ジョージ・セル(指揮) ニューヨーク・フィル
チャイコフスキー;P協第1番 ほか(OTAKEN)
リリース情報は半分眉唾で読んでいたのだが、浮月斎さんがblogで詳説しておられ、当方の物知らずであったことが判明(冷汗)。
Penzance のオリジナル以外、當盤が一番よい状態の音だと申し上げておかう。
との記述を拝読してHMVへオーダーしたもの。
1953年1月12日、カーネギーホールでのライヴ録音。

9月15日(木)

ソノルQ ほか
アリアーガ;弦楽四重奏曲第3番 ほか(西DISCOPHON、LP)
偏愛の作曲家の一人、アリアーガの未架蔵盤をeBayで見つけたので落札。
ソノル四重奏団は1968年に結成されたスペインの団体とのこと。
カプリングはレスピーギ;夕暮れパーセル;ディドの嘆き。この2曲ではモンセラート・アラベドラ(Sop)が共演している。
録音データは明記されていないが、マルPは1977年の表示。あまり広くないスタジオで録音されたような、拡がりの少ないデッドな音質である。

9月14日(水)

小林研一郎(指揮) 日本フィル
チャイコフスキー;交響曲第5番(EXTON)
京都市響の常任指揮者に在任しておられた頃、たびたび名演に接したことから、コバケンさんの音盤はぜひ聴いておきたいと思っているが、ハンガリー・Hungaroton等に僅かな録音しかなかったLP時代と異なり、次々にEXTONから新譜が出てくると、ちょっとフォローしきれなくなっている。
当盤も長く買いそびれていたところ、某オークションに安く出品されたので落札したもの。
2004年6月13日、サントリー・ホールでのライヴ録音で、DVD-AudioとCDの2枚組(音源は共通)。
今月、オランダのオーケストラとの録音が同じレーベルから出たはずだし、「チャイ5」の同曲異演の数では、御本尊ストコフスキーを上回るのではなかろうか。それとも既に上回った?
『レコード芸術』10月号の新譜情報では上記EXTONのアーネム・フィル盤が7度目の録音とあり、こちらのストコフスキー・ディスコグラフィにも7種の録音が記載されている。
ナディーヌ・デルーリー(Vc) エドゥアルド・ペロン(P) ほか
ヴィエルヌ;Vcソナタ ほか(Award Audio)
ユビュ王の食卓さんから御教示いただいたCD。
ピアノを弾いているのは、ポール・パレーの作品の復活に情熱を注いでおられる、デトロイト聖母被昇天洞窟教会のペロン師その人(ジャケット裏に司祭の詰襟服に身を包んだ師の写真が掲載されている)。
子どもの頃、指揮者パレーに出会ってスパークして以来、フランス音楽に情熱を燃やすようになり、現在、19世紀末〜20世紀初のフランス音楽を演奏するためのデトロイト室内三重奏団を結成しておられる。
佳曲ヴィエルヌ作品を録音されているとあらば聴かざるべからずと、CD BABYにオーダーしたもの。
Vc奏者はフランス生まれ、パリ音楽院でナヴァラに学び、渡米してアルド・パリゾに就き、現在はミシガン歌劇場管の首席奏者とのこと。
更にダリエ(1849〜1934)のP三重奏曲ボナル(1880〜1944)のVnソナタをカプリング。
2002年11月(ヴィエルヌ)、2004年10月(ダリエ)、2004年11月(ボナル)に、ミシガン州セント・クレア・ショアのアワード・オーディオ・スタジオで録音された。
ギャレット・フィッシュバッハ(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(自主製作)
上記ペロン師盤と同時にCD BABYにオーダーしたもの。
もともとは、いつもお世話になっているT.S.さんのページで知った演奏。
サラリと流す「軽さ」が魅力の好演!(略)優しく暖かな眼差しを感じる(そして,ちょっと垢抜けない)個性的演奏
とのコメントに興味を惹かれていたところ、CD BABYで入手できることを知り、オーダーする機会を窺っていたもの。
2000〜04年、アメリカ・ニュージャージー州のリッジウッドのアパー・リッジウッド・コミュニティ・チャーチでの録音。
なお、演奏者の公式Webpageがある。
フィッシュバッハはワシントン・ナショナル響サンフランシスコ響を経て、1998年以来、メトロポリタン歌劇場管のVa奏者を務めているとのこと。
ダニエル・ホープ(Vn) セバスティアン・ナウアー(P・リュテアル)
「イースト・ミーツ・ウェスト」(Warner)
新譜の時は数多あるVn曲集の一種と思ってあまり気にしなかったのだが、syuzoさんの記事で「リュテアル」(ピアノを改造してツィンバロンに近い音色を出す楽器)を使用していることが指摘されており、俄然、気になった。
収録曲のうちラヴェル;ツィガーヌは本来リュテアルのために書かれた曲、かねてリュテアルを使用した音盤は買い漏らさぬようにしているからである。
当盤ではファリャ;スペイン民謡組曲バルトーク;ルーマニア民俗舞曲でもリュテアルを用いているというから、いよいよ買わざるべからず。
先日eBayで安く出ていたので、落札したもの。
その他シュニトケ;Vnソナタ「1955」ラヴィ・シャンカールの作品を収める。
2003年11月、ハンブルク・北ドイツ放送局のロルフ・リーバーマン・スタジオで録音された。
カール・アクセル・ハルグレン(Br) スネ・ヴァルディミル(指揮) 管弦楽団 ほか
ステーンハンマル;市民の歌 ほか(瑞EMI、LP)
ちょっと正体不明のオムニバスLPだが、ステーンハンマルの未架蔵音源を含んでいる盤を某オークションで見つけたので落札(とても安かった)。
"Föreningen för arbetarskydd (FFA)" なる組織(「労働者保護協会」?)の創立75周年記念として、1980年に製作されたものらしい。
その創立の年、1905年に初演されたステーンハンマル;カンタータ「一つの民族」の第3曲が、標記「市民の歌」である。
原曲は合唱で歌われるが、当盤ではバリトン独唱による。ずいぶん古い音源らしく、モノラル、というかSP覆刻であろう。レーベル面にもマルP1940年と表示されている。
その他、アウリン;四つの水彩画(アーヴェ・テレフセン(Vn) ヨーラン・ニルソン(P))、アルヴェーン;夏至の徹夜祭(パーヴォ・ベリルンド(指揮) ボーンマス響)、ペッタション・ベリエル;「フローセの花」より(スティグ・リビング(P))などが収録されている。

9月13日(火)

『藝術新潮』昭和32年9月号
古雑誌を某オークションで落札。
というのも、レイボヴィッツオッフェンバック論が「現代作曲家のみた古典」という連載の一環として掲載されているので。
この連載、9月号で「完」となっているので、遡って集めないといけないか…と思ったのだが、どうやらレイボヴィッツが書いたのはオッフェンバックだけで、あとの回は違う作曲家の文章を掲載しているらしい(安堵)。
その他、ストラヴィンスキー「34の質問に答える」近衛秀麿「ロン・ティボー・コンクール その反省」パレナン「フランス弦楽四重奏の伝統」といった記事が目次を飾っている。
短信欄にも
「カサルスの三度目の結婚」
「チェロの王者、当年八十歳のカサルス老がこの八月四日結婚した。花嫁は、彼の愛弟子マルティータ・マンタネスという二十歳の娘」
とかLP評では
「カラヤン指揮のフィルハーモニアが入れたベートーヴェンの「第四交響曲」も、大したものではない。(略)やはりカラヤンは見る指揮者だ。」
などと、やはり古雑誌は面白い。

9月12日(月)

エリック・オビエ(Trp) ジャン・ジャック・カントロフ(指揮) ブルターニュ管
エスケシュ;Trp協「復活」 & オアナ;Trp小協 ほか(PIERRE VERANY)
eBayを見ていたら、カントロフの指揮盤未架蔵品が出ていたので落札したもの。
彼がブルターニュ管を振っているのは珍しかろう。
独奏者は、14歳でモーリス・アンドレに弟子入りし、パリ音楽院を卒業、19歳でパリ・オペラ座管の首席に抜擢されたとか。金管の世界では有名な人らしい。
標記2曲のほかバクリ;Trp協第2番をカプリング、2002年4・9月の録音。

9月11日(日)

ステーンハンマル友の会の新しいコンサート・シリーズ
当「斉諧生音盤志」トップページからリンクさせていただいているステーンハンマル友の会のWebpageが更新された。
注目は、来月からスタートする新シリーズの日程・曲目・演奏者(予定)が公表されていることで、特に来月の
10月29日(土) 
和田記代(P)
ステーンハンマル;Pソナタ ト短調
には、ぜひ御注目を。
ステーンハンマルのピアノ・ソナタ4曲中、最も聴き応えのある作品である。
(ところが本業の予定が詰まっていて聴きに伺うことが叶わない…(号泣))
 
賛助会員募集のお知らせも発表されており、ぜひぜひ御厚志をお寄せくださいますよう、伏してお願い申し上げます。
<(_ _)>
ベルンハルト・パウムガルトナー(指揮) カメラータ・アカデミカ・ザルツブルク ほか
「ザルツブルクの宮廷音楽」(トリオ、LP)
某オークションにパウムガルトナーの未架蔵盤が、再発国内盤ながら安価で出ていたので落札。
墺amadeo原盤のLP3枚組、うち2枚がパウムガルトナーの演奏で、モーツァルト;ガリマティアス・ムジクム K.32・Cem協 K.107-1L.モーツァルト;橇乗りM.ハイドンムファットの作品を演奏している。
1960年の録音。

9月10日(土)

下野竜也(指揮) オーケストラ ほか
シューマン;交響曲第4番 ほか(アフィニス文化財団)
もう何枚頂戴しただろうか、アフィニス文化財団が発行しておられる「アフィニス夏の音楽祭」記念CDを、またお送りいただいた。
今日届いたのは、2004年に実施された第16回の分、第29巻。
収録曲は標記のほかストラヴィンスキー;ダンバートン・オークス協ベートーヴェン;セレナード ニ長調(Fl、Vn、Va)。
講師(北ドイツ放送響、ミュンヘン・フィル等の首席奏者などドイツ系奏者がほとんど)とセミナー参加者(日本の各プロ・オーケストラの楽員)の合同演奏で、ベートーヴェン作品ではヴォルフガング・リッター(北ドイツ放送響)がFlを吹いている。
2004年8月23日・飯田市公民館、24日・飯田文化会館(シューマン)での録音。
なお、上記財団のWebpageでは、現在、第30巻「特集・創立記念を迎える日本のオーケストラ」のプレゼントを受け付けている。
群馬響、東京都響、東京シティ・フィル、オール・ジャパン・シンフォニーオーケストラの演奏が収録されたもので、抽選で150名にプレゼント、締切は9月30日(金)とのこと。

9月9日(金)

久保田巧(Vn) 井上喜惟(指揮) アルメニア・フィル ほか
伊福部昭;協奏狂詩曲 ほか(Altus)
タワーレコードのセールを眺めていると、久保田巧さんの未架蔵盤が、当初の半額ほどで出ていたのでオーダー。
CD2枚組で、久保田さんが演奏しているのは標記の1曲だけだが、その他に緒方恵(Vn)独奏で伊福部昭;Vn協第2番チェクナヴォリアン;P協(古曳真則(P))、外山雄三;ラプソディなどを収録している。
協奏狂詩曲は1993年10月、他は2000年9月にアルメニア・イェレヴァンのアラム・ハチャトゥリアン・ホールでの録音。
アレクサンドル・ギンジン(P) ヴラディーミル・アシュケナージ(指揮) ヘルシンキ・フィル
ラフマニノフ;P協第1・4番(Ondine)
上記久保田盤をオーダーする際、送料無料にするため(汗)、かねて聴きたいと思っていた第4協奏曲初稿版の世界初録音を上積みしたもの。
Ondineレーベル創立20周年記念で出たエディションで、帯にノルディックサウンド広島の津田忠亮氏の解説文が付されているのが嬉しい。発売された20タイトル全部の帯だけ欲しいのだが(笑)。
田中信昭(指揮) ひばり児童合唱団
「太陽にむかって」(自主製作)
ひばり児童合唱団の自主製作CD(2枚組)で、柴田南雄;北越戯譜が収録されている。
先だって某オークションに出品されていたのだが落札できず、もしやと思ってWebで検索したところ上記公式pageが見つかった。
メールで問い合わせたところ、同団から頒布しておられるというので、代金を現金書留で送り、折り返し送付されたもの。
柴田作品のほか、三善晃;オデコのこいつ一柳慧;ヴォイス・フィールド高橋悠治;ぼくは12才間宮芳生;マンモスの墓林光;島こども歌1三善晃(編);唱歌の四季を収録。
三善の2作品を除き、1991年4〜6月に秋川キララホールで録音されたもの。

9月8日(木)

当ページを御覧下さっている方から、音楽之友社発行の『名作オペラブックス「ベルク;ヴォツェック」』に、レイボヴィッツの評論(邦訳)が掲載されていると、御教示をいただいた。
それならたしか…と本棚を捜してみると、案の定、架蔵していた(汗)。ケーゲル盤を入手した頃に購入した記憶がある。
レイボヴィッツの文章は、「アルバン・ベルクの『ヴォツェック』概説」というタイトルで、著書『オペラの歴史』(1957年)から転載されたもの。譜例入りで13ページほど。
 
あらためて御教示に感謝申し上げたい。
アンドルー・マンゼ(Vn & 指揮) エンシェント室内管
ヴィヴァルディ;ポーランド王子のためのコンサート(HMF)
マンゼの未架蔵盤が某オークションに安く出ていたので落札したもの。
ザクセン選帝侯兼ポーランド国王の嫡子、フリードリヒ・クリスティアン王子が、ヴェネツィアを訪問した際、1740年3月21日に行われた歓迎コンサートの曲目を再現するという企画とのこと。
有名曲Vn協「海の嵐」・「喜び」を含め6曲が収録されている。
1996年4月、ロンドンの聖ユダ教会での録音。
ホルヘ・ボレット(P) ジュリアードQ ほか
フランク;P五重奏曲 ほか(Sony Classical)
ジュリアード四重奏団の結成50周年記念盤のうち、共演者を迎えての録音を集成した2枚組。リリースされたときには迂闊にも気がつかなかったのだが、フランク作品を含んでいる。
某オークションで見つけて吃驚、慌てて落札したもの。
1978年1月、ニューヨークのCBS30番街スタジオでの録音で、メンバーはロバート・マンアール・カーリス(以上Vn)、サミュエル・ローズ(Va)、ジョエル・クロスニック(Vc)という時期である。
その他の収録曲は、
シューマン;P五重奏曲(レナード・バーンスタイン(P)、1964年4月)
ドヴォルザーク;P五重奏曲(ルドルフ・フィルクスニー(P)、1975年10月)
シェーンベルク;浄められた夜(ワルター・トランプラー(Va)、ヨーヨー・マ(Vc)、1991年4月)
コープランド;六重奏曲(ハロルド・ライト(Cl)、作曲者(P)、1966年10月)
バーバー;ドーバー・ビーチ(ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ(Br)、1967年4月)
ピエール・モントゥー(指揮) ロンドン響
シベリウス;交響曲第2番(英RCA、LP)
モントゥーのシベリウスは、かつて輸入盤LPというものを買い始めた頃に、国内盤LPとの音質の差に愕然とさせられ、アナログの奥深さに気づかされた1枚だが、その時に聴いていたのは仏プレスの廉価再発盤だった。
いつかはぜひオリジナル(に近い)盤で…と願っていたところ、eBayで英盤が出品されたのを機に思い立って、落札したもの。

9月7日(水)

ダニエル・フロシャウアー(Vn) 鳥羽泰子(P)
ベートーヴェン;Vnソナタ第5・7・8番(徳間)
かねがね参考にさせていただいているびんわさんのヘンリク・シェリングWebpageで、このウィーン・フィルのVn奏者のインタビューが掲載されていた。
直接師事することはなかったものの、「大のシェリング好きであり、大のシェリング収集家であり、大のシェリング研究家である」(びんわさんによる)というフロシャウアーに関心を持ち、いちど独奏盤を聴いてみたいと思っていたもの。
某オークションに安価で出品されたのを見つけ、落札。
2001年7月、三鷹市芸術文化センターでの録音。
前橋汀子(Vn) 東誠三(P)
「悲しみのゴンドラ」(Sony)
ぼちぼちと集めてきた前橋さんの「ヴァイオリン小品100曲選」、CD6枚中4枚までは架蔵しているが、残り2枚はなかなか入手できない。販売数が少なかったのか、中古等でも滅多に見かけないのである。
ようやく第4集に当たる当盤を某オークションで発見、なんとか落札したもの。
全部で15曲を収めており、リストによる標題作、サラサーテ;ツィゴイネルワイゼンリムスキー・コルサコフ;熊蜂の飛行ポルディーニ;踊る人形モーツァルト;ロンドなどのクライスラー編曲作品、ドヴォルザーク;ラルゲット(Vnソナチネより)などのポピュラー小品に加え、
前橋が恩師シゲティの旧宅を訪問して楽譜を入手したエルガー(シゲティ編);アデューという珍しい作品も含まれている。
2000年2〜12月、アクトシティ浜松コンサートホールでの録音。
御喜美江(アコーディオン)
バッハ;作品集(AEOLUS)
クラシカル・アコーディオンによるバッハはミカ・ヴァユリネンシュテファン・フッソングなど愛聴しているところだが、御喜さんの盤が某オークションに安く出ていたので落札したもの。
収録曲はフランス組曲第5・6番フランス風序曲 BWV831アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳(6曲抜粋)
1996年9月、松本市ハーモニー・ホールでの録音。
ポール・パレー(指揮) デトロイト響
ワーグナー;管弦楽曲集(英Mercury、LP)
ゆっくり進行中の「パレーのMercury録音を英EMIプレスで買い換えるプロジェクト」。
今回はワーグナー集がeBayで比較的安価に出ていたので落札できた。
まさしく「懦夫をして起たしむる」エネルギーを放出する「リエンツィ」序曲をはじめ、「さまよえるオランダ人」序曲「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第3幕の音楽「ヴォータンの告別と魔の炎」を収録している。
それにしても、「タンホイザー」序曲「マイスタージンガー」第1幕前奏曲がステレオで再録音されなかったのは痛惜の極み。
ルネ・レイボヴィッツ(指揮) ローマ歌劇場管
マスネ;歌劇「ウェルテル」(抜粋)(英RCA、LP)
上記パレーと同時にレイボヴィッツの英プレス盤もeBayで落札できた。
これも米盤との聴き比べが楽しみである。

9月3日(土)

アレクサンドル・トラーゼ(P) ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮) キーロフ管
プロコフィエフ;P協全集(Philips)
今年6月に来日、パーヴォ・ヤルヴィ(指揮) N響と演奏したプロコフィエフ;P協第3番はTV放送され、非常に評判になった。
そのピアニストに全集録音があり、指揮がゲルギエフというので、ぜひ聴いてみたいと捜していたもの。
某オークションで安価に出ていたので落札。
1995年7月(第2・5番)・1996年7月(第3・4番)・1997年7月(第1番)と3次にわたって、フィンランド・ミッケリのミカエリ・コンサート・ホールで収録された。Jaap de Jongの真空管機器によると特記されている。
エンニオ・ボロニーニ(Vc) ドナルド・ケンプ(P)
ボロニーニ名演集(Muzelle)
副題"100 Years of the Incomparable Cellist Ennio Bolognini"
ボロニーニというチェリストのことは、中低弦倶楽部で教わった。
当盤のジャケットにも刷り込まれているが、かのピアティゴルスキーが「世界で最も偉大なチェリストは私でもなければフォイアマンでもない。アルゼンチンのボロニーニだ!」と絶賛したという。
1893年ブエノス・アイレス生まれ、父はイタリアからの移民でトスカニーニのもとで演奏したことのあるチェリストでもあった。その縁で、トスカニーニが彼の名付け親になったという。
父親に、次いでカザルスの師でもあったホセ・ガルシアに学び、12歳でデビュー。17歳の時にサン・サーンス自身の伴奏で「白鳥」を演奏したことがある。
30歳の時に渡米し、シカゴ響フィラデルフィア管の首席奏者を務めたのち、独奏者として活躍。
クリスティーネ・ワレフスカなど多くの弟子を育て、また作曲や指揮もよくした。
ボクシングや飛行機操縦に長じ、そもそもアメリカに来たのは伝説のチャンピオン、ジャック・デンプシーと対戦する「南米の猛牛」ルイス・フィルポのスパークリング・パートナーとしてだったというから驚く。
そのうえ、語学の天才で西・伊・仏・独・英を流暢に話し、イタリアの方言15種とヘブライ語、ギリシア語、ハンガリー語、ロシア語、日本語(!)で会話が可能であったという。
1979年、ラスヴェガスで没したが、晩年(1976〜78年頃)のライヴ録音等を編集したCDが当盤で、バッハ;無伴奏Vc組曲第1番(「サラバンド」を欠く)のほか、小品12曲(自作やシベリウス;悲しきワルツモシュコフスキ;ギターなど)を収録している。
中でも自作「ガウチョのセレナータ」では、セゴビア譲りの(!)ピツィカートを披露している。
eBayで落札したものだが、どうやら製造元自身が何枚も出品している模様。
エンニオ・ボロニーニ(Vc) バロン・スミス(Org)
ボロニーニ名演集II(Muzelle)
副題"Magic Sounds of Bolognini"
1957年春に製作されたモノラルLPの板起こしで、上記"100 Years 〜 "よりも遥かに力強い。
音の状態は今ひとつだが、彼の本領を聴くことができるのは、こちらだろう。
自作の小品7曲(「エコー・セレナード」・「ガウチョのセレナータ」など)とバッハ;アダージョなど、計10曲を収録。
これもeBayで製造元から落札したもの。

平成16年8月15日(日): 「提琴列伝」に和波孝禧を掲載。
平成16年1月4日(日): 「作曲世家」にルクー・ディスコグラフィを追加。
平成15年8月24日(日): 倭匠列伝指揮者・宇野功芳を掲載。
平成15年8月24日(日): 50万件アクセスを記念して、ページデザインを全面改訂。
平成15年5月24日(日): 「逸匠列伝」にユッシ・ヤラスを掲載。
平成14年10月14日(祝): 「名匠列伝」にハンス・シュミット・イッセルシュテットを掲載。
平成14年5月25日(土):黄金週間中のウィーン旅行の顛末を「維納旅行記」として公開。
平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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