音盤狂日録


10月29日(土)

ロジャー・ノリントン(指揮) シュトゥットガルト放送響
ベートーヴェン;交響曲第7・8番(hänssler)
バーゲンやオークションで集めてきたノリントンのベートーヴェン新全集、最後の第7・8番をeBayで落札。
2002年9月5日、シュトゥットガルト、ベートーヴェン・ザールでのライヴ録音。
アルギス・ジュライチス(指揮) ボリショイ劇場管
グラズノフ & ケラー;「ショピニアーナ」(米Angel、LP)
ピアノを弾く家人からは気持ち悪がられているのだが(苦笑)、「軍隊ポロネーズ」はグラズノフの管弦楽編曲が「刷り込み」。
昨年、スヴェトラーノフの決定盤を得たが、未架蔵盤を見かけるとやはり入手せねばという気になってしまう。
バレエ音楽専家のジュライチスの指揮ゆえ、また一味違った音楽が聴けるのではないかと期待している。
eBayで落札したもの。蘇MELODYA盤だろうと思っていたら、米Angelのプレスだった。
グラズノフ編の「軍隊ポロネーズ」、夜想曲op32-2、マズルカ嬰ハ短調op50-3、ワルツ嬰ハ短調op.64-2、タランテラop.43と、
モーリス・ケラーなる作曲家がフォーキン(振付)から編曲を委嘱されたワルツ変ト長調op.70-1、前奏曲イ長調op.28-7、マズルカ ハ長調op.33-3、華麗なる大円舞曲 変ホ長調op.18、マズルカ ニ長調op.33-2
を収録している。ケラー編というのは初めて聴くように思う。
なお、嬰ハ短調ワルツでは独奏Vcとして "Fyodor Lazunov" という名前がクレジットされているが、 "Luzanov" を誤植したものではないか。そうであれば、名人上手として知られたソ連国立響の首席Vc奏者ルザーノフということになるのだが。

10月28日(金)

イェルジー・セムコフ(指揮) シンフォニア・ヴァルソヴィア
ベートーヴェン;交響曲第2・8番(APERTO)
ポーランド出身の実力派指揮者の一人、セムコフにベートーヴェン録音があるというので、以前何度かポーランドのオンライン・ショップにオーダーしてみたが、そのたびに品切れキャンセルの憂目にあった。
ようやく某オークションで出品されたのを発見、落札したもの。ドイツ・プレスで原産地のものではないのだが、この際贅沢は言えない。
1991年11月、ワルシャワのスタジオS1での録音とある。
グスタフ・クーン(指揮) マルキジアーナ・フィル
マーラー;交響曲第9番(OEHMS)
マーラーの交響曲中、第3・6・9番は極力聴いておきたい作品。クーン盤は新譜の時から気になっていたが、買いそびれていたところ、某オークションで安価な出品があったことから落札したもの。
オーケストラは初耳の名だが、クーンが芸術監督を務めるイタリア中部の団体とのこと。
2004年2月、アンコーナのデッレ・ムゼ劇場での録音。
ヴラディーミル・アシュケナージ(指揮) ロイヤル・フィル
ショスタコーヴィッチ;交響曲第4番(DECCA)
某オークションでアシュケナージのショスタコーヴィッチ録音を見つける。
好きな第4番なので、あまり期待はしなかったが、一応工藤さんのページをチェック。すると、
アシケナージによる交響曲シリーズ中、最も出来の良い演奏の一つ。(略)この難解な曲を分かりやすく聴かせるという点では、傑出している。
と、星4つ半の高評価。
これは聴き逃すべからずと落札したもの。
輸入盤とのことだったが、なんとアメリカ盤で、少しガッカリ。
1989年1月、ウォルサムストウ・アセンブリー・ホールでの録音。
アレクサンダー・ギブソン(指揮) スコットランド・ナショナル管
エルガー;交響的習作「フォールスタッフ」・「エニグマ」変奏曲(CHANDOS)
蒐集中の指揮者の一人、ギブソンの未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札したもの。
1978年9月グラスゴー・シティ・ホール、ブライアンとラルフのカズンズ兄弟による録音。
オリジナルはアナログ、たぶん英RCAのLPだろう。そちらもいずれ入手したいものである。
ローラン・ドガレイユ(Vn) アラン・ロンバール(指揮) 国立ボルドー・アキテーヌ管
ラロ;スペイン交響曲 & ショーソン;詩曲(FORLANE)
フランスの地方オケの好きな斉諧生、ロンバールとボルドー・アキテーヌ管の未架蔵盤である上に、独奏は現在パリ管のコンサートマスターのドガレイユ。
これは是非にと某オークションで落札したもの。
1992年5月・1993年9月、ボルドーでの録音。
フィリップ・グラフィン(Vn) マルティン・ブラビンス(指揮) BBCスコットランド響
サン・サーンス;Vn協第1〜3番(Hyperion)
ハイペリオンレーベルにフランス音楽を多数録音しているグラフィン
マイナーなレパートリーも多く、気になっているのだが、まあいつでも買えるだろうと(汗)棚上げにしてきた。
今回、某オークションで安価な出品があり、好きな第3番を聴いてみようと落札したもの。
1998年11月、エディンバラのグレイフライヤーズ教会での録音。エンジニアは名手トニー・フォークナー
なお、当盤は「ロマンティック・ヴァイオリン協奏曲シリーズ」第1巻と銘打たれているが、第2巻以降はグラフィン以外の独奏者でリリースされている。
ゾルタン・コチシュ(P) アルバート・サイモン(指揮) リスト音楽院管 ほか
バッハ;P協集(Hungaroton)
コチシュのバッハが某オークションに出品されていたので落札したもの。
2枚組で、独奏協奏曲(BWV1054〜58)が1枚に、2台〜4台協奏曲(BWV1062〜65)が1枚に収録されている。第2Pはアンドラーシュ・シフが担当。
1973年10月〜1975年12月にかけて、数回のセッションで録音された。
リリヤ・ジルベルシュタイン(P) ネーメ・ヤルヴィ(指揮) ヨェーテボリ響
グリーグ;P協 ほか(DGG)
すっかり買い損ねているものが多いことに気づいたヤルヴィとヨェーテボリ響のグリーグ作品集、P協ほかの1枚を某オークションで見つけたので落札したもの。
カプリングの抒情組曲「秋に」は架蔵済み音源の使い回しで、少しガッカリ。
P協は1993年3月、ヨェーテボリ・コンサート・ホールでの録音。
コーリッシュQ
シューベルト;弦楽四重奏曲第13・15番 ほか(Archiphon)
シェーンベルク作品の演奏などで知られたコーリッシュ四重奏団によるシューベルトのSP音源を覆刻したCDが某オークションに出品されていた。
彼の四重奏のなかで最も好きな第15番ト長調(1934年ロンドン録音)が入っているので、落札したもの。
標記のほか、第12番(四重奏断章)第14番第3楽章五重奏曲「鱒」第4楽章をフィルアップ。
マルク・コッペイ(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(aeon)
ストラスブール生まれ、パリ音楽院でフィリップ・ミュレに学び、シュタルケルトルトゥリエに師事したコッペイのバッハ。
いつも参考にさせていただいているT.S.さんのWebpageで、
楽器がふくよかによく鳴っており,なめらかで本当に美しい(略)技術的にも安定感があり,しっかりした土台の上に音楽を築いているという感じです。強烈な印象を残すことはありませんが,聴き込むほどに味わい深さが増してくる好演奏に思います。
との高評価、ぜひ聴きたいと思っていたもの。
某オークションに出品されたのを機に落札。
2003年4〜5月、パリのイルカムで録音された。使用楽器は1697年製ゴフレド・カッパ(Goffredo Cappa)とのこと。
エミール・ナウモフ(P)
「シャンゼリゼ劇場ライヴ」(Thesis)
リリー・ブーランジェ作品の紹介等で贔屓にしているピアニスト、ナウモフのライヴ盤。
1989年3月1日、パリ・シャンゼリゼ劇場でのリサイタルを収録したもので、すでにブルガリアのGEGAレーベルから発売されたものを架蔵しているが、こちらはフランス盤。
某オークションで見かけたとき、同一音源だろうと入札を見送りかけたのだが、よく調べると、収録曲が増えている。
ブルガリア盤ではアンコール曲はストラヴィンスキー;タンゴが収録されているだけだが、フランス盤では更に2曲ムソルグスキー;涙バッハ(シロティ)編;前奏曲が加わる。
これは見逃せないと落札したもの。
その他は同一で、チャイコフスキー(ナウモフ編);幻想序曲「ロメオとジュリエット」チャイコフスキー;四季(4曲抜粋)のほか、スクリャービン;練習曲op.2-1、8-11ラフマニノフ;ヴォカリーズほか4曲を演奏している。

10月26日(水)

ヴェロニカ・ベーチ『音楽サロン』(早崎えりな・西谷頼子訳、音楽之友社)
「秘められた女性文化史」との副題を持ち、帯には「男性中心の社会のなかで、音楽史の表舞台に立てなかった才女たち。(略)知られざる女性文化の歴史と実態が、いまはじめて明らかになる!」と。
斉諧生にとっては、あまり気乗りのしないスタンスの本かもしれないが、もしかして…と思って手に取ってみた。
やはりブーランジェ姉妹が採り上げられている。
叙述の中心は19世紀後半〜20世紀初頭にあるようだが(リスト、シューマン、アルマ・マーラーあたり)、ナディア・ブーランジェが最後の「サロニエール」(サロンを主宰する女主人)と位置づけられており、「エピローグ」の主人公として大きく扱われ、それに絡んでリリーも登場する。
…となれば、買わざるべからず。
なお、著者はリリーの宿疾を結核と書いているが、この見解は初めて聞くように思う。
宇野功芳(指揮) 大阪フィル
モーツァルト;交響曲第40番 & ベートーヴェン;交響曲第5番 ほか(EXTON)
演奏会出没録にも執筆した『宇野功芳の「すごすぎる」世界』のライヴ録音盤が、遂に発売された。
偶々いつもよりは早めに退勤できたので、閉店間際の音盤店で目出度く購入。
ライナーノートは宇神幸男氏で、「絶美の『40番』、獅子吼する『運命』、宇野節全開のベスト盤」と見出しが付いている。
確かにオーケストラの技量、録音技術の面では、おそらく今後これ以上の音盤は望めないかもしれない。
内容も、上記の記事で書いたように、両交響曲の緩徐楽章については新星日響との演奏よりも、ずっと優れたものだ。
更に1曲目のモーツァルト;歌劇「フィガロの結婚」序曲、アンコールの「ハイドンのセレナーデ」も収録されている。
2005年4月10日、ザ・シンフォニー・ホールにて。
ジゼル・ベン・ドール(指揮) サンタ・バーバラ響 ほか
「ザ・ソウル・オヴ・タンゴ」(Delos)
上記宇野盤を買った音盤店のワゴン・セールで、ヒナステラの名盤があるベン・ドールが手兵サンタ・バーバラ響を振ったCDが並んでいたので購入。新譜の時に、曲目がマイナーすぎると思い買いそびれていたので、好都合であった。
ところがよく見ると、ピアソラ;3つの交響的楽章「ブエノスアイレス」が入っているではないか!
これは1951年作曲、公開初演はマルケヴィッチが振ったという、かねて一度聴きたかった曲である。いやはや、見逃していたとは迂闊であった。
ピアソラでは更にオブリヴィオンを収録。
なおメインはルイス・バカロフ;バンドネオン・ピアノ・ソプラノのための三重協奏曲(世界初録音)。
バカロフは「イル・ポスティーノ」などで知られる映画音楽作曲家らしいが、斉諧生にとっては未知の人(そのせいで買いそびれていたのだ)。
いずれの曲も、バンドネオン独奏はホアンジョ・モサリーニ(フアン・ホセ・モサリーニの息子。公式Webpageあり)。
2004年2月、サンタ・バーバラの西部音楽アカデミーでの録音。
コンラート・フォン・アルフェン(指揮) ロッテルダム室内管
グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」 ほか(Telarc)
上記ベン・ドール盤と同じくワゴン・セールで購入。
偏愛の曲グリーグ作品・ドヴォルザーク;弦楽セレナードエルガー;弦楽セレナードという、弦楽合奏名曲アルバム。
指揮者は南アフリカ共和国プレトリア生まれ、血筋的にはオランダ系で、当初、コントラバス奏者としてヨハネスブルクのオーケストラに職を得たのち、オランダへ渡って指揮の勉強を重ねたとのこと。
またオーケストラは、アルフェンと日本人Vn奏者ヒラヤマ・マキコによって2000年3月に創設された、若い演奏家たちによる団体であるという。
2003年3月、オランダ・ヒルヴェルスムのMCO第1スタジオでの録音。
トーマス・デメンガ(Vc) ほか
バッハ;無伴奏Vc組曲第4番 ほか(ECM)
ECMレーベルから、バッハ;無伴奏と現代曲のカプリング盤を出し続けているデメンガ。
実は、ずっとバッハだけでまとまるのを待っていたのだが、いっこうにその気配がないので、某オークションに安価な出品があったのを機に、落札してみたもの。
当盤では、ハインツ・ホリガーの諸作品がカプリングされており、ホリガー自身も無伴奏Ob曲を吹いている。
1986年9月、スイスのブルーメンシュタイン教会での録音。
福島章恭(指揮) ヴォイス2001 ほか
モーツァルト;ミサ・ブレヴィス K.275 & ペルゴレージ;スターバト・マーテル ほか(自主製作)
『モーツァルトをCDで究める』『交響曲CD 絶対の名盤』などを愛読している福島氏の指揮盤があるというので、アリアCDさんにオーダーしていたもの(CD-R盤)。
ヴォイス2001は、福島氏が指導する神奈川県厚木市を中心に活動しているアマチュア女声合唱団とのこと。5部10名のアンサンブルとオルガン(能登伊津子)の伴奏が付く。
2003年3月16日に開かれた第2回公演が、客席の雑音などのため不本意な出来だったことから、4月11日に再度、少数の聴衆とともに演奏しライヴ録音したという(会場は杜のホールはしもと)。
標記2曲とアンコールのモーツァルト;アヴェ・ヴェルム・コルプス、更に器楽アンサンブルによるアヴェ・ヴェルム・コルプスバッハ;アリアヴィヴァルディ;『冬』よりラルゴがフィルアップされている。

10月25日(火)

アレクサンドル・クニャーゼフ(Vc) コンスタンティン・オーベリアン(指揮) モスクワ室内管
チャイコフスキー;ロココ変奏曲 ほか(Warner)
このところ贔屓のVc奏者となっているクニャーゼフの新譜。
↓土曜日に店頭で発見、買わねば!と思ったが他にも必須盤が多く、後日にと棚へ戻していたところ、知人から御恵与いただけることになった。
(D様には、あらためて御礼申し上げます。<(_ _)>)
標記のほか、夜想曲アンダンテ・カンタービレ(弦楽四重奏曲から作曲者がチェロと弦楽合奏に編曲したもの)、歌曲集(Stetsuk編、10曲)を収録している。
なお、ロココ変奏曲はフィッツェンハーゲンによる改訂版と明記されている。
2005年5月、モスクワ音楽院大ホールでの録音。

10月23日(日)

メメント・モリさんによると、アラン・ギルバートがカーネギー・ホールでステーンハンマルを指揮したとのこと。
ストックホルム・フィルのアメリカ・演奏旅行で、ソリストにバーバラ・ボニーを帯同、彼女の独唱で
歌曲集「牧歌と警句」の第2曲、夏至祭前夜にリボンを結ぶ女の子
を、更にアンコールで
ステーンハンマル;カンタータ「歌」より間奏曲
を披露したという。

10月22日(土)

ルイ・ラングレー(指揮) リエージュ・フィル
フランク;交響曲 & ショーソン;交響曲(ACCORD)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ミヒャエル・ギーレン(指揮) 南西ドイツ放送響 ほか
バルトーク;弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽 & Vn協第1番 ほか(hänssler)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
シャロン・ベザリー(Fl) ユハ・カンガス(指揮) オストロボスニア室内管
モーツァルト;Fl協第1・2番 ほか(BIS)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
小林美恵(Vn) 長谷川陽子(Vc) パスカル・ロジェ(P)
ラヴェル;P三重奏曲 & ショーソン;P三重奏曲(Onyx)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
パスカル・ロジェ(P)
ドビュッシー;前奏曲集第1・2巻(Onyx)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月20日(木)

天満敦子(Vn) 田村宏(P)
ベートーヴェン;Vnソナタ第3・6・9番 ほか(ART UNION)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月19日(水)

リリー・ブーランジェ;歌曲集「空のひらけたところ」(DURAND)
 
ルクー;弦楽四重奏のための瞑想曲(BAYARD-NIZET)
di-arezzo.comにて購入
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
フランソワ・ユイブレシュト(指揮) フランダース・フィル
ルクー;弦楽のためのアダージョ ほか(自主製作、LP)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月18日(火)

ヤン・パスカル・トルトゥリエ(指揮) BBCフィル ほか
ガーシュウィン;「パリのアメリカ人」・組曲「キャットフィッシュ・ロウ」 ほか(CHANDOS)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ヨーラン・セルシル(G) ほか
「フロム・イェスタデイ・トゥ・ペニー・レイン」(DGG)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ホンティラ・クラウディウ(Vn) 竹内祥子(P) ほか
「ルーマニアの風」(自主製作)
弦楽器ストラッドにて購入
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ジュネーヴQ
アリアーガ;弦楽四重奏曲第1・2番(Concert Hall、LP)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月17日(月)

ベラ・ダヴィドヴィチ(P) ネーメ・ヤルヴィ(指揮) アムステルダム・コンセルトヘボウ管
サン・サーンス;P協第2番 & ラフマニノフ;パガニーニ変奏曲(Philips)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ジャン・ワン(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(DGG)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月16日(日)

ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮) ハーグ・レジデンティ管
オリジナル録音集成(1950-1960)(CHALLENGE CLASSICS)
このところ蒐集しているオッテルローが、Philipsに残した音源がまとまってCD覆刻されるというので、驚喜乱舞、予約特価で一番安い値段だったgoodiesにオーダーしたところ、早くも届いた。
1950〜60年にオッテルローとレジデンティ管がPhilipsに録音した125の音源から38曲と、DGGに録音したハイドンの交響曲を加えたもの。
ブックレット(約100頁、オリジナルジャケットの写真満載。白黒なのが惜しい)によると、Philipsでもマスターテープの保存状態は芳しくなく、ブラームス;大学祝典序曲はテープ不良のため収録できなかったという。
また、サン・サーンス;交響曲第3番は、曲目としては魅力的でオッテルローとオーケストラの演奏はスリリングなのだが、オルガンの状態がひどく、鑑賞に堪えないという判断で除外されたという。
…まだまだLPで蒐集を続けないといけない、ということか(苦笑)。
主な収録曲は、
ハイドン;交響曲第45・55・92番
ベートーヴェン;交響曲第4・8・9番
シューベルト;交響曲第8番「未完成」
ブルックナー;交響曲第4番
ブラームス;交響曲第1番
マーラー;交響曲第4番
ベルリオーズ;幻想交響曲
チャイコフスキー;交響曲第4番
ラヴェル;組曲「ダフニスとクロエ」第1・2番
ムソルグスキー(ラヴェル編);組曲「展覧会の絵」
といったところ。
ワヘナールディーペンブロックアンドリーセンといったオランダの作曲家やモートン・グールドの作品が含まれているのも面白そうだ。

10月15日(土)

ジェイムズ・レヴァイン(指揮) シカゴ響 ほか
マーラー;交響曲第3番(RCA)
1975年6月に録音されたもので、当時、ポスト・バーンスタイン世代のマーラー指揮者としてはレヴァイン、アバド、メータの名前が挙げられるのが常。中でもレヴァインは、最も早くマーラー全集を完成させるのではないかと言われていた。
結局のところ、彼はいまだに第2番・第8番の録音を果たしておらず(第8番第1部のみシカゴ響自主製作盤あり)、「マーラー指揮者」として数えられることも少なくなっているように思われる。
この第3番は、LPでは架蔵していたのだが、シカゴ響の機能性を十全に発揮させた痛快な演奏という記憶があり、某オークションに出品されたのを機に落札したもの。
なお、ジャケットの表紙絵は、特にモーリス・センダックに委嘱して描かれた。
このは最近見かけないのだが、センダック流の動物たちが取り囲む小屋の窓に作曲家のシルエットが浮かび、彼に天使が花を捧げているという素敵なものなので、CDのジャケットという狭い額縁に押し込めず、ぜひ広く親しまれてもらいたい。
コンサートマスターズ・クラブ・オブ・ジャパン ほか
モーツァルト;ディヴェルティメントK.136 & チャイコフスキー;弦楽セレナード ほか(萬有製薬)
 
コンサートマスターズ・クラブ・オブ・ジャパン ほか
ヴィヴァルディ;「四季」 & モーツァルト;交響曲第40番(萬有製薬)
一時期、意地のように集めていた(苦笑)、コンサートマスターズ・クラブ・オブ・ジャパンのライヴ盤、1995〜2002年の分を架蔵しており、それで終わりかなと思っていたのだが、某オークションに1993年分(6月12日、浜離宮朝日ホール)と1994年分(5月27日、浜離宮朝日ホール)が出品されていたので吃驚、慌てて落札したもの。
1993年が、CD製作のもとになった「BANYU いのちのコンサート」(主催は朝日新聞社、萬有製薬は協賛というからややこしい)の第1回というので、おそらくこれ以前のものはあるまいと、一安心。
1993年分には、標記K.136とチャイコフスキーのほか、「ミュージカル珠玉名作集」というのが入っているのだが、これがサキソフォンやリズム・セクションが加わったイージーリスニング仕様で、あまり心地よい聴き物ではない。
なお、1994年分のうち、ヴィヴァルディは「萬有製薬80周年記念アルバム」に収録されたものを架蔵済み。

10月14日(金)

オクタヴィア・レコード公式Webpageがリニューアルされた。
更新履歴では10月8日付けになっているので、1週間ほど前のことだったようだ。
以前のページはjavaか何か、ずいぶん重くて時にブラウザが落ちたりするので見に行きづらかったのだが、今回、かなりすっきりしたのは助かる。
また、久しぶりに江崎プロデューサーの日記が復活した。
数年前、活発に書いておられた頃には、録音情報や演奏家の素顔など貴重な情報を楽しみにしていたので、細く長く、続けていただきたいものである。
普段このWebpageでは直接クラシックに関係のない話題を控えているのだが、「荒俣宏のオークション博物誌」なるblogが開設されたニュースは、紹介しないわけにいかない。
なにしろ、最初の投稿のタイトルが「死ぬまで買うぞ」
わたしは変なもの、不思議なものを買うために、ちょっとこの世に遊びに来た人だから、ここにいる間はかいまくります。
とのマニフェストには感じ入った。蒐集家の端くれとして脱帽拝礼せざるべからず。
『帝都物語』以降、氏の著作はずいぶん「薄く」なったのであまり買ったり読んだりしていなかったが、やはり偉大な先達と申し上げるほかあるまい。
もちろん斉諧生のごとき貧書生、一桁二桁、いや三桁くらい下の金額レベルではあるのだが、氏の言葉を拳々服膺してまいりたい。
ヴァーツラフ・ノイマン(指揮) チェコ・フィル ほか
マーラー;交響曲第2番「復活」(CANYON)
生前にはあまり認められていなかったノイマンのマーラーだが、このところ再評価が進んでいるようだ。
宇野功芳師が第6番を絶賛していることから、斉諧生も少しずつ聴いてきたが、今回第2番が某オークションに安く出ていたので落札したもの。
全曲の演奏時間が76分強、CD1枚に収まっているのは、この曲が苦手な者にとって有り難いことかもしれない。
1993年2月、プラハ「芸術の家」ドヴォルザーク・ホールでの録音。
プロデューサー兼エンジニアは上記の江崎氏、当時CANYONが熱心だったARTONなる新素材によるCDである。
桐山建志(Vn) 諸岡範澄(指揮) オーケストラ・シンポシオン
メンデルスゾーン;Vn協(初稿) & シューマン;交響曲第2番 ほか(ALM)
↓のバッハを注文するついでに、買い損ねていた桐山さんのメンデルスゾーン協奏曲を併せてオーダー。
1989年に再発見された自筆総譜稿に基づく演奏とのことで、第1楽章終結部分が大きく異なるなど、出版稿に比べて「無数の違い」が含まれるとのこと。
カプリングのシューマンやメンデルスゾーン;序曲「真夏の夜の夢」も大好きな曲なので、とても楽しみである。
2004年2月、新座市民会館での録音。
桐山建志(Vn) 大塚直哉(Cem)
バッハ;Vn作品集 Vol.4(ALM)
しばらく毎日の巡回コースからは外していた桐山さんの公式Webpageを見に行ってみると、やはり虫の知らせだったのか(何の虫だろう)、バッハの新譜の発売ニュースが!
いつも御自分で受注メールや発送をしていただいている様子で、お手を煩わすのは申し訳ないのだが、店頭に並ぶよりもずいぶん早く手に入るので、ついつい注文してしまう。
今回は、「バッハにとってのロ短調」がテーマで、その調性を持つ無伴奏Vnパルティータ第1番Vnソナタ第1番をメインに、組曲 ホ長調 BWV1006a(Cem独奏)とフーガ ト短調(VnとCem)をカプリング。
ブックレットに掲載された桐山さんと大塚さんの対談も興味深い。
2004年8月及び2005年3月、山梨市花かげホール(旧・牧丘町民文化ホール)での録音。

10月13日(木)

マルティン・ジークハルト(指揮) アーネム・フィル
マーラー;交響曲第6番「悲劇的」(EXTON)
独墺系指揮者の期待株と目しているジークハルト、買いそびれていたマーラーが某オークションに安く出ていたので落札。
アーネム・フィルは、かつてガラグリが首席指揮者を務めたこともある、創立100年を超すというオーケストラ。MARCO POLOレーベルから、マルケヴィッチの作品集を出していた団体でもある。
2003年12月、オランダ・ナイメーヘンのコンセルトヘボウ・デ・フェレエーニヒングでの録音。
 
以下余談。
このCDでは「アーネム」と表記されているが、"Arnhem"は「アーンヘム」ないし「アルンヘム」と書かれてきた。
斉諧生的には、映画「遠すぎた橋」で知った、第二次世界大戦末期の連合軍の空挺作戦マーケット・ガーデン作戦の舞台として馴染みのある地名である。
フィリップ・アントルモン(P) ピエール・モントゥー(指揮) ロンドン響
チャイコフスキー;P協第1番(CASCAVELLE)
リリース情報に接して耳を疑った、モントゥーの未発表正規録音。これまで各種の資料等でも見たことがなかった。
曲目としてはオグドンとのCDも出ているが、ともかくその実力に比べて録音が圧倒的に少ないと思われるモントゥーだけに、たいへん貴重なリリースである。
ブックレットの解説によれば、1958年に録音されながら、レコード会社の変更など契約上の理由で発売に至らなかったという。
今ではずいぶん丸くなったピアニスト(近年は指揮者としての活動の方が多いかも)だが、録音当時は24歳ほど、ジャケット表紙のポートレートは別人かと見紛う鋭い顔つきである。
音質的には今ひとつ冴えないが(音のボディが少し痩せている感じ)、演奏内容は八十翁とは思えない熱気に満ちたもの。
アントルモンも、覇気に満ちたピアノが素晴らしい。どちらがどちらに火をつけたのだろう?
もし、もっと良質なマスター・テープが残っているのなら、そちらによるCDを聴いてみたいものだ。
マティアス・メッツガー(Vn) ゲリット・ツィッターバルト(P)
ベートーヴェン;Vnソナタ第1〜3番 ほか(hänssler)
CD2枚組で、同じプログラムを1枚目はモダン楽器で、2枚目はピリオド楽器で演奏したという、ちょっと(かなり)変わった企画。
収録曲は、標記3曲と、「フィガロの結婚」の主題による12の変奏曲 WoO.40ロンド ト長調 WoO.41
使用楽器は、モダンが Josef Gagliano (1761年製だが改修されている) とスタインウェイ・ピアノ(model D)、ピリオドが Joannner Georgius Leeb (1783)と1795年製アントン・ヴァルターをコピーした新作のフォルテピアノ。
発売時には少し際物っぽい感じがして手を出さなかったのだが(笑)、独奏者が、トーマス・ファイ指揮するハイデルベルク響のコンサートマスターだというので興味を惹かれた。
たまたま某オークションに安価で出品されているのを見つけ、落札したもの。
メッツガーは1967年生まれ、ウルフ・ヘルシャーに育てられ、ラインハルト・ゲーベルヴィクトル・ピカイゼンらのマスターコースでも学んだという。
2003年4〜5月、バーデンバーデンのハンス・ロスバウト・スタジオでの録音。
寺神戸亮(Vn) ボヤン・ヴォデニチャロフ(Fp)
ベートーヴェン;Vnソナタ第9・10番(DENON)
前回のリリースから4年ほど間が空き、ようやく寺神戸さんのベートーヴェン全集の完結巻が発売されたので購入。
Vnソナタの中でも熱狂的な音楽の盛り上がりで知られる曲だけに手が着けにくかったようだが、Vn奏者自身がライナーノートで書いているような、
圧倒的なエネルギーで迫ってくるかに思えるこの曲だが、実際は5オクターヴのモーツァルト時代と変わらないピアノで弾けるように書かれているし、きっと名手ブリッジタワーは軽々と、颯爽とヴァイオリンパートを弾きこなしたのだろう。
と悟ってからは、VnとPの対話や駆け引きを楽しんで演奏されたようだ。
2005年3月、ドイツ・フィアゼンのフェストハレでの録音。
ピョートル・ヤノフスキ(Vn) ヴォルフガング・プラッゲ(P)
ヴィニャフスキ;Vn曲全集 第1巻(2L)
素晴らしい録音とアートワークで魅了する2Lレーベル
北欧の現代作品の録音が多いレーベルとしては珍しい、19世紀ポーランドの作曲家(というよりパリで活躍したヴァイオリニスト)の作品集が、某オークションに安価で出品されていたので落札したもの。
収録曲は、有名な華麗なるポロネーズのほか、ポーゼンの思い出ロシアの謝肉祭など計10曲。
独奏者は、1951年ポーランド生まれ、今はノルウェーに住み、プラッゲ(作曲家としても著名)とのデュオで活躍しているとのこと。
1876年、ヴィニャフスキがオスロでグリーグのピアノと共演したことにちなんだ企画とのことである。
1997〜1999年、オスロのソフィエンベルグ教会での録音。
天満敦子(Vn) 小林英之(Org)
「祈り」(KING)
天満敦子はクラシックでは異例のCD売上げを誇るアーティストだそうだが、そうなると敬遠したくなるのがマイナー好きの悪癖で、このところの新譜は(特にKING移籍以降のものは)全然買っていなかった。
これも店頭で見かけたまま放っていたのだが、先だって家人が「音盤店で流れているのを耳にしたが、なかなか良かった」と言う。
曲目的にはラフマニノフ;ヴォカリーズアルビノーニのアダージョバッハ(グノー編);アヴェ・マリア等々、ゆっくりしたテンポで感傷的なメロディを歌う、天満さん向きの作品ばかりなので、きっと良かろうと、購入してみた。
もちろん、十八番望郷のバラードも、アルバムの掉尾を飾っている。
その他、カタロニア民謡(カザルス編);鳥の歌ヘンデル;オンブラ・マイ・フフォーレ;夢のあとになど、計12曲を演奏。
なお、ヴァイオリニストとオルガニストは、芸大の同級生だそうな。
2005年5月、川口リリア音楽ホールでの録音。
マルク・コッペイ(Vc) エリック・ル・サージュ(P) ほか
ドビュッシー;Vcソナタ & エマニュエル;Vcソナタ ほか(K617)
某オークションで面白そうなCDを見つけた。
いつも参考にさせてもらっているT.SさんのWebpageで、バッハ;無伴奏のCDが
重心が低く派手さはありませんが,楽器がふくよかによく鳴っており,なめらかで本当に美しい
と讃えられていた、コッペイによるドビュッシー。これは聴いてみたいと落札したもの。
調べてみると、エマニュエルについてはあんぐらCD博物館さんが、ここでの演奏を「心底参りました。(略)甲種お薦めです。」と書いておられる。
これは楽しみだ。
更にトリオ・ワンダラー(公式Webpageあり)によるショーソン;P三重奏曲をカプリング。
1993年2月、フォントヴロー修道院での録音。
バイロン・ジャニス(P) ポール・パレー(指揮) フランス国立放送管
プロコフィエフ;P協第3番 ほか(EMI、DVD)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月12日(水)

パーヴォ・ベリルンド(指揮) ロンドン・フィル
シベリウス;交響曲第2・7番(LPO自主製作)
ロンドン・フィルの自主製作盤で、ベリルンド(ベルグルンド)が登場しようとは…!
しかもシベリウス、しかも第7番!!
あの感動的なヨーロッパ室内管盤から9年(録音時点では7年)、
ヴァーノン・ハンドリー(指揮) アルスター管
ブリテン;4つの海の間奏曲 & ブリッジ;組曲「海」 ほか(CHANDOS)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ジャン・ギアン・ケラス(Vc) イルジー・ビエロフラーヴェク(指揮) プラハ・フィル ほか
ドヴォルザーク;Vc協 ほか(HMF)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
アンヌ・ガスティネル(Vc) クレール・デゼール(P)
シューベルト;アルペジオーネ・ソナタ ほか(naive)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
イェラン・セルシル(G)
「ルネサンス・アルバム」(DGG)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
レオン・ボトゥスタイン(指揮) BBC響 ほか
ショーソン;歌劇「アルチュス王」(Telarc)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ケネス・アルウィン(指揮) ニュー・ワールド・ショウ管 ほか
ガーシュウィン;歌劇「ポーギーとベス」(抜粋) ほか(CFP)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
デジレ・エミール・アンゲルブレシュト(指揮) フランス国立放送管 ほか
フォーレ;レクイエム(グリーンドア)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月11日(火)

ローラン・ピドゥー(Vc) ジャン・クロード・ペヌティエ(P)
ベートーヴェン;Vcソナタ全集(SAPHIR)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月10日(祝)

家人ともども、知人が開いた音楽茶房「風韻」へお伺いする。
とても素晴らしいオーディオ装置があり、凝った食器やオーナーのもてなしなど、素敵な雰囲気の「隠れ家」であった。
(詳しい御紹介は、申し訳ありませんが、後日、掲載します。とりあえず、「風韻」が紹介されているWebpageをリンクしておきます。)
マスターが所謂「脱サラ」(もう死語かな)をして始められたお店で、
大人のくつろぎ・癒し空間の提供を目指した
との言葉どおりで、上品で落ち着いたインテリア、素晴らしいオーディオで聴く音楽、凝った食器で頂戴する美味しいコーヒーや飲み物、マスターの暖かいもてなしなど、とてもすてきな時間を過ごさせていただき、あっという間に2時間ほどが過ぎてしまった。
 
室内の様子は、とりあえず、「風韻」が紹介されているWebpageでごらんいただきたい。
実際は更に素晴らしく、マスター御夫妻の美意識で統一を与えられた、瀟洒で落ち着いた美しさが光っていた。
 
斉諧生にとって垂涎のオーディオは、およそ次のような構成。
CDプレーヤー:スチューダーD730
LPプレーヤー:ガラード301(アーム:FR64S、カートリッジ:オルトフォンMC30)
プリアンプ:KRELL KBL(自作の真空管製も併用)
メインアンプ:EL84pp(新忠篤氏の雑誌記事による)
スピーカー:ALTEC 601A(30cmフルレンジ)+パイオニアのリボンツィータ
(ALTEC 601Aはユートピア製「シンフォニーマスター」に格納。上記リンク先の画像で見ることができるが、キャビネットの高級家具のような輝きやグリルの細工の美しさは残念ながら伝わってこない)
 
けっして最高峰の機器というわけではないけれども、かなり手を掛けてこられたシステムらしく、出てくる音は、ただただ素晴らしいのひとこと。
マスターはジャズがお好きということで持参した「アート・ペッパー・ミーツ・リズムセクション」(1950年代、ステレオ初期の名演名録音)からは、身をよじるようなサキソフォンの音色や、ドラム奏者の気持ちの昂ぶりが伝わってくるような迫真のパーカッションなど、言語に絶する音が再生された。
クラシックでも、S.クイケンによるバロック・ヴァイオリンの音色の木質感などが手に取るように、実に美しく再現されており、次に来るときには、バッハの無伴奏Vn・Vc両曲集は必携と感じ入った。
マスター御推薦の「オルケストル・ド・コントラバス」の超リアルな低音・胴を叩く音には、本当にこれがスピーカーから出ている音なのか、疑いたくなった。
片チャンネル重さ100kgともいう、スピーカーが威力を発揮しているのだと思う(もちろん入口〜アンプも凄いのだが)。
自作真空管アンプを持ち寄ってもらって、聴き比べたり、オーディオや真空管の話に花を咲かせたりするような集まりも、このスペースでできればいいなと思っているんです。」と、マスターがおっしゃっていた。
そう、どなたか企画されませんか?
 
上記の機器以外に、EMTのプレーヤーRCAの励磁型スピーカーも待機中とのこと。う〜ん、羨ましい…(絶句)
その他にも、マスター御自慢のコーヒーは、ここ数年、どこの喫茶店でも味わったことのない香り高いもの、お嬢さんが練習しておられるというピアノも円やかな音色の美しい楽器。
 
個人での利用のほか、貸切も実施されており、このスペースの特長を生かせる企画があれば、ぜひ申し込んでいただきたいというお話であった。
「隠れ家」的な場所にしたいというコンセプトで、神戸市垂水区の山手の住宅街の一角にさりげなく建っている(看板を出しておられない)。また最初の利用には紹介者が必要なので、とりあえずは斉諧生までお問い合わせを。
知人がやっているからといって大袈裟なことは申しておりません。実地にお訪ねいただければ納得していただけると確信しております。<(_ _)>
古澤巌(Vn) 高橋悠治(P)
ブラームス;Vnソナタ第1〜3番(avex)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月8日(土)

京都フランス歌曲協会によるレクチャー・コンサートを聴きに行く。
会場は関西日仏学館内の稲畑ホールという、100人程度収容の小ホール。
「稲畑」とは、この会館の建設に尽力した稲畑勝太郎氏の名を採ったもの。
余談だが、稲畑勝太郎は京都市出身、染色の研究のためフランスに派遣され、帰国して染料や染色機械の輸入販売を行う稲畑染料店(現稲畑産業)を創業した。
氏は大阪商工会議所の会頭を務めるなど実業界で活躍したが、フランスとの文化交流にも熱心に取り組んだのである。
また、この人は日本に初めて映画を持ち込み上映した人物としても有名。
 
閑話休題、今夕のテーマは「フランス近代の女性作曲家たち」
シャミナードタイユフェールリリー・ブーランジェの作品が演奏されるというので、馳せ参じたもの。
京都フランス歌曲協会は、かねて彼女の作品をたびたび演奏しておられるのだが、なかなか都合が合わず、今回、初めてコンサートに伺ったのである。
 
なお、解説は中村順子さん、大阪大学・神戸大学で仏文学・音楽学を専攻され、現在甲陽音楽学院で教鞭を執られているとのこと。
 
前半はセシル・シャミナードの音楽。
解説の主旨は、「シャミナードというとサロン音楽という評価だったが、その機知やユーモア、歌曲での旋律と韻律の一致など、芸術音楽としての再評価が必要。」というもの。
演奏されたのは、ピアノ独奏曲2作品と歌曲9作品。
全体に、屈託のない明るさがあり、たしかにまだまだ評価されてよい作曲家だと思われる。
演奏者では歌曲の後半5曲を歌われた緋田芳江さんの繊細な美声が印象に残った(略歴。バッハ・コレギウム・ジャパンにも参加されているとのこと)。
 
後半の初めはジェルメーヌ・タイユフェール
フランス六人組の紅一点として有名だが、作品はそれほど聴かれているとは言えない。
解説によれば「歌曲の代表作」である「6つのフランスの歌」と「晩年の代表作」というピアノ独奏のパルティータが演奏された。
前者は、題名からは想像がつきにくい、女性の奔放な官能を歌った作品。歌手(津山和代)の声質も少し陰のあるものでふさわしかった。
音楽はいずれも「シンプルで軽やか」(解説より)、「パルティータ」の第2曲「夜曲(ノットゥルノ)」でも深刻にはならない。
 
最後にリリー・ブーランジェ;「空のひらけたところ」から5曲が歌われた。
当日のプログラムでは曲名を「空のぽっかり明るい場所」と表記。
第1曲冒頭の和音が響いただけで、他の2人とは次元の違う芸術性が感じられる。
歌われたのは第1・4・5・9・12曲だったが、もう何というか、聴いているだけで幸せ(笑)。
できれば冒頭の和音が再現する第13曲で締めくくってほしかったところ。もっとも9分以上かかる長大な曲なので、構成上、難しかったのかもしれない。
歌唱は下田和恵さんというソプラノの方。初めは少し硬いかな?と思ったが、音楽が進むにつれ、不満を忘れさせる出来栄え。
 
聴くたびに思うことだが、「女性作曲家」という括りでは片付けられない、音楽の深さ・強さを持っているのが、ブーランジェの音楽である。
いつか、「空のひらけたところ」全13曲がまとめて演奏される機会の訪れることを願ってやまない。
終演後に伺ったお話では、歌手には相当な負担がかかる曲集らしい。

10月6日(木)

アルトゥーロ・トスカニーニ(指揮) NBC響
シベリウス;交響曲第2番 & アッテルベリ;交響曲第6番(dell'Arte)
1928年、シューベルト没後100年記念作曲コンクールで第一位と賞金一万ドルを獲得した別名「ドル・シンフォニー」のトスカニーニ音源(この作曲家については神戸CD倉庫さん、北欧クラシック音楽さんを御参照ください)。
アッテルベリ・ファンには隠れもない盤で、よそながら斉諧生も店頭等で見かけていたのだが買いそびれていたところ、某オークションに超安価で出ていたので購入したもの。
シベリウスは1939年2月18日、アッテルベリは1943年11月21日の、それぞれライヴ録音。
クリストファー・オライリー(P) バリー・ワーズワース(指揮) ロイヤル・フィル
ガーシュウィン;ラプソディー・イン・ブルー ほか(RPO)
御贔屓の指揮者の一人、ワーズワース(DECCAに録音したRVWアルバムの素晴らしかったこと!)のディスクがeBayに出ていたので落札したもの。
ロバート・コーエン(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(Collins)
どんどん蒐集している(苦笑)、標記バッハ曲集の未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札。
コーエンは1959年ロンドン生まれ、ウィリアム・プリースに学び、12歳のロンドン・デビューをロイヤル・フェスティヴァル・ホールで飾ったという。使用楽器は「ボンジュール」のニックネームを持つ1692年製ストラディヴァリ。
録音データは明記されていないが、○Pは1990年。

10月5日(水)

ナージャ・サレルノ・ゾネンバーグ(Vn) マリン・オールソップ(指揮) コロラド響
チャイコフスキー;Vn協 ほか(NSS MUSIC)
先日、「おかか1968」ダイアリーさんで、ナージャが自分のレーベルNSS MUSICを発足させたという記事を拝読した。
興味を惹かれて上記Websiteへ跳んでみた。"store"のページもあるが、販売自体はCD-Babyに委託している。送料含め2枚で4,000円強だから、まずまずリーズナブルといえようか。
カプリングはアサド;Vn協。ナージャが委嘱した作品だが、作曲者はギタリストセルジオ・アサドの令嬢クラリスとのこと。
2004年11月、オーケストラの本拠、デンバーのベッチャー・コンサート・ホールでのライヴ録音。
ナージャ・サレルノ・ゾネンバーグ(Vn) アン・マリー・マクダモット(P)
ベートーヴェン;Vnソナタ第7番 & プーランク;Vnソナタ ほか(NSS MUSIC)
こちらは一夜のリサイタルをCD1枚に収めたという趣向で、ナージャのアナウンスに始まり、アンコールと即興演奏(?)で終わる、というもの。
メインは標記2曲とシューベルト;華麗なるロンド、アンコールはクライスラー;真夜中の鐘バッハ;Vnソナタ第3番よりアレグロ
2004年4月、ニューヨーク、カウフマン・センターのマーキン・コンサート・ホールでのライヴ録音。

10月4日(火)

ボロディンQ
「ロシア小品集」(TELDEC)
musicFieldに出品されているのを見かけ、演奏者は期待できる団体ゆえ、おそらくはと調べてみた。
さてこそ、
ロシア室内楽ファン倶楽部では
ボロディンの「ノクターン」、チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」といった“超”有名曲から、このCD以外ではなかなか聴けそうにないマイナー・プログラムまでを収録した、珠玉のオムニバス集。1995年の発売当初、CD屋の店頭で感涙にむせんだものです。
また工藤さんは、ショスタコーヴィッチ;2つの小品について
音色の多彩さはオーケストラ版に全く引けをとらず、しかも弦楽四重奏ならではのツボを押えた絶妙の演奏。(略)ちなみにこの演奏が収められているアルバムは、ちょっと凝った選曲も含めて、お薦めの逸品です。
と御両所特選、これは聴かざるべからずと落札したもの。
1994年11月、第1Vnコペルマン時代にベルリンのTELDECスタジオで録音されたもの。

10月3日(月)

ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロンドン・フィル
RVW;管弦楽曲集(EMI)
このところ蒐集しているハンドリーの指揮盤、RVWの作品で最も好きな「富める人とラザロ」の5つの異版を収めているのを某オークションで発見、これは聴かねばと落札したもの。
その他「揚げ雲雀」(独奏Vnデヴィッド・ノーラン)、組曲「雀蜂」を収録している。
1985年ロンドンのキルバーンにある聖アウグスティヌス教会での録音。
ニコライ・ズナイダー(Vn) ズビン・メータ(指揮) イスラエル・フィル
ベートーヴェン;Vn協 & メンデルスゾーン;Vn協(BMG)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
閉店間際の音盤店に駆け込むと、えてしてそうしたときほど欲しいCDがあれこれ並んでいるもの。
絞り込む時間もなくて、つかんだままレジへ持って行く羽目になってしまった(自滅)。
ジェラール・シュウォーツ(指揮) ロイヤル・リヴァプール・フィル ほか
R・シュトラウス;家庭交響曲・アルプス交響曲 ほか(AVIE)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
久保陽子(Vn) 弘中孝(P)
ブラームス;Vnソナタ第1〜3番(自主製作)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ローレンツ・ドゥフトシュミット(Gamb) アンドレア・マルコン(Cem)
バッハ;Gambソナタ第1〜3番(AnLeuT)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
録音:2003年、ヴェネツィア、サン・ジョルジョ修道院      使用楽器:1679年、ヤコブス・シュタイナー製(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、 1997年、ウィリアム・ホーン複製[モデル:ミートケ製](チェンバロ)
ギドン・クレーメル(Vn)
バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(ECM)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
井上頼豊(Vc) 村上弦一郎(P)
「日本のチェロ曲半世紀」(音楽センター)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
リチャード・マーロウ(指揮) ケンブリッジ・トリニティ・カレッジ合唱団 ほか
デュリュフレ;レクイエム ほか(CHANDOS)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ヴァルター・ヴェラー(指揮) ロンドン・フィル
デュカス;交響曲・交響詩「魔法使いの弟子」(英DECCA、LP)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)
ヴァルター・ヴェラー(指揮) スイス・ロマンド管
ショスタコーヴィッチ;交響曲第1・9番(英DECCA、LP)
(申し訳ありませんが、本文は後ほど掲載します。)

10月1日(土)

スレン・バグラトゥーニ(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(BLUE GRIFFIN)
eBayで見つけたバッハ;無伴奏Vcの未架蔵盤を落札。
名前(Suren Bagratuni)だけ見るとイタリア人のようだが、アルメニアの出身で、モスクワでナターリャ・シャホスカヤに学び、1986年のチャイコフスキー・コンクールで2位に入賞している(第1位はマリオ・ブルネロキリル・ロディン)。現在は演奏活動のほかアメリカのイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で教鞭を執っているとのこと。
2000年6・7月、上記勤務校クラナート・センターで録音された。
なお、レーベルの公式Webpageでも購入できるようだ。

平成16年8月15日(日): 「提琴列伝」に和波孝禧を掲載。
平成16年1月4日(日): 「作曲世家」にルクー・ディスコグラフィを追加。
平成15年8月24日(日): 倭匠列伝指揮者・宇野功芳を掲載。
平成15年8月24日(日): 50万件アクセスを記念して、ページデザインを全面改訂。
平成15年5月24日(日): 「逸匠列伝」にユッシ・ヤラスを掲載。
平成14年10月14日(祝): 「名匠列伝」にハンス・シュミット・イッセルシュテットを掲載。
平成14年5月25日(土):黄金週間中のウィーン旅行の顛末を「維納旅行記」として公開。
平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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