音盤狂日録


5月31日(土): 

 

スーパー・ギター・デュオ アサド兄弟@ザ・シンフォニー・ホールを聴く。
ギターの演奏会は久しぶり、というか、まだ2回目。デュオは初めて。
ピアソラの愛顧を受けた彼らが、そのピアソラを演奏するというので聴きたくなったもの。
 
前半の曲目は、
ソル;幻想曲
カステルヌォーヴォ・テデスコ;プレリュードとフーガ 第7・17番
ロドリーゴ;トナディーリャ
ドビュッシー;ベルガマスク組曲
というもの。
ソルの中間部、短調になるところの憂愁や、ドビュッシーでの玄妙な音色感(「月の光」など)が、心に沁みた。
 
期待のピアソラは後半で、
ピアソラ;3つのタンゴ & タンゴ組曲
セルジオ・アサド;ブラジル組曲
 
ピアソラ独特の、つんのめるようなリズム、熱く濃い情緒を味わうことができた。
アサド作品は、よりギタリスティックな、軽快な音楽。
 
オダイールの華麗な音色、やや地味ながら渋いセルジオの音色、ともに楽しめた。
ただ、シンフォニー・ホールのような大きな空間でギターを聴くというのは、音のボリュームを欠くきらいがあり、聴く側として集中力の続かない面があったことも、白状しておきたい。
もちろん、A席3,000円・B席1,000円という値付けは、このキャパシティゆえに可能な設定だから、文句は言えないのだが。
 
アンコールは、ブラジルのメロディを2曲。
2曲目では、ギター一挺を四手で演奏。
ギターの二人羽織というのは初めて見た。もちろん満堂大受け。

 OndineからCDが届く。このレーベルは、代理店ルートの入荷時期が遅くなる傾向があり、公式Webpageから直接購入する方が速くて(今回も1週間以内で届いた)、送料を含めてもさほど高くない(最近のユーロ高は少し痛いが)。

ミッコ・フランク(指揮) スウェーデン放送響
チャイコフスキー;交響曲第6番「悲愴」 ほか(Ondine)
第1楽章21分38秒、第4楽章14分19秒と、演奏時間が極めて長いことで既に話題となりつつあるミッコ・フランクの「悲愴」。
ブックレットに指揮者が一文を寄せている。
それによると、8歳のときに大病をして長期の入院生活を送ったおり、この曲の総譜を眺め暮らして、慰められ力づけられた、個人的な思い入れの強い曲だそうである。
この交響曲は、楽観主義の一粒、トンネルの終点にきらめく光、より良い明日への約束…といったものを含んでいる。」という。
チラッと聴いた感じでは、呼吸が極めて深々としており、「もたれる」感じは皆無。オーケストラの響きも美しい。大いに期待できそうだ。
2002年4月、ベールヴァルド・ホールでの録音。
ラウタヴァーラ;アポテオーシスをフィルアップ。こちらは2003年1月収録。
 
ユッシ・ヤラス(指揮) フィンランド放送響
マデトヤ;歌劇「ユハ」(Ondine)
先だって小伝を公開したヤラスの、代表的な録音とされるマデトヤ作品を購入。
マデトヤ(1887年生、1947年没)はシベリウスの弟子、歌劇「ポホヤの人々」の初演(1925年)は、師の交響曲第2番に匹敵する成功を収め、フィンランドを代表するオペラとなっている。
「ユハ」は、1934年に作曲され、翌年初演された。ブックレットを斜め読みしただけだが、農夫ユハとその妻マルヤ、マルヤの恋人シェメイッカの三角関係から生まれた悲劇…といったところか。
音楽的にはより完全である」と評されているが(オタヴァ刊『フィンランドの音楽』)、「ポホヤ〜」ほどの成功を収めるには至らなかったという。
1977年12月、フィンランド放送(ひょっとしたらTV局)によって製作された音源である。
実は、ヤラスの略歴等がブックレットに掲載されてはいまいかと期待してオーダーしたのだが、顔写真1枚以外には何の記載も無し。(苦笑)
 
マルッティ・タルヴェラ(Bs) ほか
「マルッティ・タルヴェラを讃えて」(Ondine)
これもユッシ・ヤラス関連盤。
1989年に急逝したタルヴェラ(シュミット・イッセルシュテット(指揮) ウィーン・フィル第九にも参加していた、1960年代に活躍したバス歌手)の、没後10年にリリースされた記念CDだが、全21曲中、4曲がヤラスの指揮にかかるもの。
シベリウス;「クッレルヴォ」より「クッレルヴォの嘆き」(1964年)
ヴェルディ;「ドン・カルロ」より「フィリッポのモノローグ」(1972年)
ワーグナー;「さまよえるオランダ人」より「ダーラントのアリア」(1972年)
ムソルグスキー(ストラヴィンスキーによる管弦楽編);蚤の歌(1972年)
が、それである(オーケストラはいずれもフィンランド放送響)
中でも「クッレルヴォ」は、わずか2分半ほどの断片、1964年のモノラル録音であるが、ヤラスのシベリウス録音として貴重である。

5月30日(金): 

 

朝比奈隆(指揮) NHK響
ブルックナー;交響曲第8番(fontec)
一時、CD化を求める署名運動まで起こった、1997年3月6日、NHKホールでのライヴ録音を購入。
朝比奈隆、特にその晩年の録音については、あまり積極的な蒐集を行っていない斉諧生であるが、この「伝説の名演」については、関心を抱かざるを得ない。
この指揮者の演奏として、当然、ハース版を使用している。
紙ジャケット、黒い蛇の目に塗られたレーベル面、解説も別刷りをジャケット内側に差し込みと、全体にLPを模した造りになっているのが面白い。
演奏時間計84分44秒、CD2枚組。

5月29日(木): 

 

アレクサンドル・ドミトリエフ(指揮) サンクト・ペテルブルク響 ほか
ラフマニノフ;交響曲第2番 ほか(Sony Classical)
先だってドビュッシーラヴェルの録音(VICTORIA)を聴いて以来気になっているドミトリエフのCDを某オークションで落札。
本当はロシア系以外の楽曲を聴きたいのだが、まあ、当面しかたあるまい。
交響詩「岩」をフィルアップした、1993年録音。
 
クラウス・テンシュテット(指揮) ロンドン・フィル
マーラー;交響曲第5番(EMI)
テンシュテットのライヴ盤(1988年12月13日、ロンドン・ロイヤル・フェスティヴァル・ホール)を某オークションで落札。
苦手な曲だが、テンシュテットのマーラー・ライヴとあらば、聴かざるべからず。
syuzo.comによれば、4種あるテンシュテットの同曲異演の最後のもので、「テンシュテットのマーラー交響曲第5番に『駄盤はない』」中でも、「テンシュテットの凄さが楽章毎に増して行くような演奏」とのこと。
大いに期待したい。
 
ジャン・クロード・カサドシュス(指揮) フランス国立リル管 ほか
オネゲル;交響的詩篇「ダヴィデ王」(EMI)
元来好きな作曲家であるオネゲルの声楽作品。
音楽はドイツ的な骨格を持ってキビキビとし、その一方でフランス音楽の香りに溢れている。
 旋律は斬新でしかも独特の香りを放ち、その響きは若々しく、(中略)管弦楽法は鮮やかな光を放つ」(大野恵正『聖書と音楽』(新教出版社))
と評される名作だが、音盤は必ずしも多くない。
JCCことカサドシュスを贔屓にして以来、ずっと捜してきた音盤を、ようやくIRVINGTON MUSICのオンライン・カタログで発見、メールで照会したところ首尾良く確保できた。
もちろんフランス録音なのだが、現品はアメリカ・プレスで、ケースにカットアウトの鋸跡が入っているし、対訳も付いていないのは、少し残念である。1992年6月の録音。
もっとも、現時点では、Berkshire Record Outletのカタログにも掲載されている。これはしたり(汗)。
 
アイザック・スターン(Vn) アレクサンダー・ザーキン(P)
エネスコ;Vnソナタ第3番 ほか(米COLUMBIA、LP)
このところ集めているエネスコ作品、その中でも傑作と評価の高い第3Vnソナタを某オークションで見つけ、落札。
1967年1月、ニューヨークでの録音だが、1984年になって初めて発売された音源。70年代以降のスターンは技巧に翳りが見られるとされるだけに、この時点での録音は確保しておきたいもの。
確か、スターンの音楽生活何十周年だったか何かの記念盤だったように記憶しているが、ちょっと定かでない。
B面には、ドヴォルザーク;4つのロマンティックな小品(1969年2月録音)、シューマン;間奏曲 & ブラームス;スケルツォ(F.A.E.ソナタより、1961年1月録音)を収める。

5月28日(水): 

 

ゲオルク・ティントナー(指揮) シンフォニー・ノヴァ・スコシア
モーツァルト;交響曲第31・35・40番(NAXOS)
「ティントナー・メモリアル・エディション」第1巻を購入。
帯に「「ハフナー」終楽章の力強さ、緊張感は出色」とあるのに心惹かれる。
カザルス盤(Sony Classical)以来、この楽章は火の出るような演奏でないと得心がいかないのである。
番号順に1989年4月19日、1991年3月20日、1994年2月1日の録音。
全12巻の発売が予告されているが、シベリウス;交響曲第7番(第6巻)など、大いに楽しみ。
第10巻はディーリアスに割かれているが、曲目は以前CBCレーベルから出ていたものとまったく同じなので、これは再発かもしれない。
 
エマニュエル・クリヴィヌ(指揮) フィルハーモニア管
モーツァルト;交響曲第33・41番 ほか(DENON)
このところ気になっている指揮者、クリヴィヌのモーツァルトを某オークションで落札したもの。
1988年11月及び1989年1月、ロンドンでの録音。
この人にはヴァイオリニスト時代にフランク;Vnソナタの録音があり、ずっと捜しているが、まだ手に入らない。オリジナルはLPだが、たしかCDでも見た記憶がある。
何にせよ、見たときに買っておかねば後悔する…ということだ(忠実に履行すると、それはそれで危険だが)。
 
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮) フィラデルフィア管
シューマン;交響曲全集 ほか(フィラデルフィア管自主製作)
いつもお世話になっているユビュ王の食卓さんの掲示板で御教示いただいた、自主製作盤。
CD3枚組で、交響曲4曲に序曲「マンフレッド」Vn協(独奏;レオニダス・カヴァコス)、クララ・シューマン;5つの歌曲(トーマス・ハンプソン(Br) サヴァリッシュ(P))などを収める。
2002年10月〜2003年4月にかけてのライヴ録音を集成したものとのこと。
サヴァリッシュのシューマンといえば、1972年にシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した決定盤がある(EMI)。それから30年、はたしてどのような円熟を聴かせてくれるのか、これも大いに期待したい。
このセットについては、公式Webpageで告知されているし、販売元のページもある。
 
本名徹次(指揮) オーケストラ・ニッポニカ
信時潔;交声曲「海道東征」 ほか(MITTENWALD)
結成以来、ほうぼうで話題になっているオーケストラ・ニッポニカ
中でも傑作と呼び声高かった信時作品を収めた第2集が発売されたので購入してみた。
早坂文雄;讃頌祝典之樂(1942年)、芥川也寸志;『赤穂浪士』のテーマ(1963年)をカプリング。
後者は、このCDが収録された演奏会(2003年2月23日、紀尾井ホール)のアンコール曲である。
なお、オーケストラの上記公式サイトのリンク集に、当「斉諧生音盤志」中のステーンハンマルのページが掲載されている。
「蘇る交響作品シリーズ・世界編」(1曲/年) ヨーロッパ、アジア、その他地域の、めったに演奏されない管弦楽作品を演奏します。」という企画があるとのこと、ステーンハンマルの上演を期待したいところだ。

5月24日(日): 

 逸匠列伝ユッシ・ヤラスを追加しました。音盤ごとのコメントが、まだ書けておりませんが、とりあえず公開に踏み切りました。近日中に掲載しますので、御容赦ください。
 この指揮者については、まったく情報不足ですので、何か御存知でしたら、ぜひ御教示ください。


5月23日(金): 

 

尾高忠明(指揮) BBCウェールズ響
ラフマニノフ;交響曲第3番 ほか(Nimbus)
先だって第2番ほかを入手した尾高さんのラフマニノフ、弱音纏綿たるヴォカリーズなど素晴らしかった。
これはほかの曲も聴きたいと思っていたところ、中古音盤屋で第3番を発見、買わざるべからず。
交響詩「死の島」をカプリングしてジャケット表紙はベックリン名画、これはお約束。
 
ラファエル・クーベリック(指揮) シカゴ響
ムソルグスキー(ラヴェル編);展覧会の絵 & バルトーク;弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(Mercury)
シカゴ響時代のクーベリック録音、以前CD化されたときに買いそびれたままになっていた「弦チェレ」を中古音盤屋で見つけたので購入。
1951年4月、名手ロバート・ファインが、たった1本のマイクで録った名録音。
 
ジャン・フルネ(指揮) 東京都響
ドビュッシー;遊戯 & ラヴェル;道化師の朝の歌 ほか(fontec)
名匠フルネの録音、聴き逃すべからず。
標記2曲のほかワーグナー;ジークフリート牧歌デュカス;魔法使いの弟子をカプリング。
2002年4月、サントリー・ホールでのライヴ録音である。
 
カメラータ・ベルン ほか
モーツァルト;セレナード第13番 K.525・コンチェルトーネ K.190 ほか(TUDOR)
弦楽合奏団の中でもとりわけ好きなカメラータ・ベルンの未架蔵盤を中古音盤屋で見つけたので購入。
あちこちのレーベルに録音している彼らだが、TUDOR盤は初めて見たように思う。もちろん地元スイスの会社だから、当たり前と言えば当たり前。
1983年3月の録音。
オーレル・ニコレ(Fl) ミュンヘン弦楽三重奏団によるFl四重奏曲第1番(1978年5月録音)をフィルアップ。
 
長谷川陽子(Vc) 福田進一(G)
「WAVE 〜ジョビンへのオマージュ」(VICTOR)
長谷川陽子さん待望の新譜、なんとボサノヴァ系。
ジョビン作品をVcとG用にアレンジしたもの、ヴィラ・ロボス;ブラジル風バッハ第5番より「アリア」は作曲者自身による編曲をベースにした演奏者による版、ニャタリ;VcとGのソナタ等、12曲を演奏している。
中でもセルジオ・アサド;ジョビニアーナ第4番は、このデュオのための書き下ろし新曲。
ブックレットの解説も演奏者が執筆しているが、長谷川さん自身が各曲に寄せたコメントがファン・クラブ公式サイトに掲載されているので注目されたい。
 
濱田徳昭(指揮) アカデミア・カントルム ほか
バッハ;ヨハネ受難曲(日本オラトリオ連盟)
故・濱田氏のバッハは、マタイ受難曲ロ短調ミサを架蔵済み(後者はロンドンでのライヴで、当時オックスフォード大留学中の皇太子殿下がVaで参加されている)。
残る「ヨハネ」が中古音盤屋に安価で出ていたので購入。
1985年12月6日、東京ゆうぽうと簡易保険ホールでのライヴ録音。
2日後に録音された「マタイ」同様、エルンスト・ヘフリガー(福音史家)、宮原昭吾(イエス)ほかの歌唱による。
 
小林研一郎(指揮) 日本フィル ほか
オルフ;カルミナ・ブラーナ(EXTON)
コバケンのオルフ、聴かざるべからず。
今年1月23・24日、サントリー・ホールでのライヴ録音。
特にハンガリー国立合唱団が参加している。

5月22日(木): 

 

アール・ワイルド(P) アナトール・フィストゥラーリ(指揮) ロイヤル・フィル ほか
チャイコフスキー;P協第1番 ほか(CHESKY)
名人ワイルドの協奏曲録音で未架蔵のものを某オークションで落札。
名匠フィストゥラーリの指揮、名手ウィルキンソンの優秀録音にも期待したい。1962年10月の収録。
ドホナーニ;童謡の主題による変奏曲と小品1曲をカプリング。
こちらは若き日のクリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮) ニュー・フィルハーモニア管、作曲者の孫による伴奏だ。

5月21日(水): 

 

ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮) ソビエト文化省響 ほか
オネゲル;交響曲第2番 ほか(OLYMPIA)
オネゲルの交響曲は好きで集めている。中でも第二次世界大戦が影を落とした第2番の沈鬱な気分には心惹かれる。
ロジェストヴェンスキーにこの曲の録音があるとは知らず、驚いて落札したもの。この人にはミヨーなどの音盤もあり、ある意味で正体がよく判らない指揮者だ。
組曲「フェードル」映画音楽「ナポレオン」(抜粋)をカプリング。前者は25分ほど、後者は3曲7分半ほど。
1986年録音。
 
アルミン・ジョルダン(指揮) バーゼル響
フランク;交響詩「プシシェ」 ほか(ERATO)
フランクの官能的な音楽には心惹かれる。
P五重奏曲などが好例だが、「プシシェ」も同様で、見つければ買っている…はずが、ジョルダン盤を見落としていたようなので、落札したもの。
交響詩「呪われた狩人」・「エリオッドたち」をカプリング、1985年の録音。
この作曲家に、いつも「晦渋」のイメージがつきまとうのは何故であろうか?
 
ウィーン・コンツェルトハウスQ & ギュンター・ヴァイス(Vc)
シューベルト;弦楽五重奏曲(VICTOR)
ハ長調五重奏曲の古典的名盤。LPでも架蔵しているが、廉価再発盤。
行方不明と言われていたオリジナル・マスターテープを発掘した、VICTORからの覆刻に期待して落札したもの。
 
エマニュエル・ストロセール(P) ロザムンデQ
フォーレ;P五重奏曲第1・2番(PIERRE VERANY)
以前、中古音盤堂奥座敷で比較試聴して以来好きになったフォーレの五重奏曲、録音の多くない曲だが、新譜が出ていたので購入。
ピアノのストロセールは、コロメール指揮でバラード・幻想曲パスキエVnソナタを録音しており、フォーレに適性のある人のようなので、期待している。
1999年の録音。
なお、四重奏団の名称は原綴 "Rosamonde" 、フランス語の読みで記すべきかもしれない。
 
エドワード・ヒギンボトム(指揮) オックスフォード・ニュー・カレッジ聖歌隊 ほか
フォーレ;レクイエム & デュリュフレ;レクイエム(crd)
大好きなデュリュフレ作品、未架蔵盤を見つけたので落札。
1990年の録音、室内管版による。

5月20日(火): 既にお目とおしの方もいらっしゃるかと思いますが、本日発売の『レコード芸術』6月号に、当「斉諧生音盤志」を取り上げていただきました。
 編集部の御意向でミクローシュ・ペレーニに限定してということですが、今号と来月号と、2回にわたって掲載される予定です。よろしければ書店で手に取っていただければ幸いです。

 高名な雑誌で御紹介くださることは誠に光栄なことながら、顔写真まで掲載されるのは、文字どおり、まことに面映ゆく、身も細る思いでございます。無理をお願いして、「斉諧生」名で登場させていただきました。

5月19日(月): 

 

ジョス・ファン・インマゼール(指揮) アニマ・エテルナ管 ほか
モーツァルト;交響曲第39〜41番・Fg協(ZIG ZAG)
指揮者インマゼールについては、かつて中古音盤堂奥座敷シューベルト;交響曲第6・8番(Sony Classical)を取り上げたことがあり、特にアニマ・エテルナ管のサウンドを高く評価していた。
このレーベルに移ってからのJ・シュトラウスチャイコフスキーには食指が動かなかったけれども、モーツァルトであれば、ぜひ聴いてみたいと思い購入。
 
エドゥアルド・ヴァン・ベイヌム(指揮) アムステルダム・コンセルトヘボウ管 ほか
ブラームス;交響曲第2番 & R・コルサコフ;交響組曲「シェヘラザード」 ほか(IMG)
『20世紀の大指揮者』シリーズの新譜から、An die Musikさんの掲示板で話題になっていたベイヌム盤を購入。
標記「シェヘラザード」について、速めのテンポと引き締まった造型、粋で格調高い音楽が、ポール・パレーを思わせる…という評言があり、これは買わざるべからず…と決心した。
ライヴ音源は、
ブラームス;交響曲第2番(1955年9月16日、シュトゥットガルト)
R・シュトラウス;交響詩「ドン・ファン」(同上)
の2曲。音質は優れている。
スタジオ録音では、「シェヘラザード」(1956年)のほか、シューベルト;交響曲第6番(1957年)、エルガー;序曲「コケイン」(1949年、これのみロンドン・フィル)など5曲を収めている。
なお、すべてモノラルである。
 
テオドール・グシュルバウアー(指揮) リンツ・ブルックナー管
ブルックナー;交響曲第0番(カメラータ東京)
先だって第7番を入手したグシュルバウアーのブルックナーが、また某オークションに出品されていたので落札。7番がフランス系の団体だったので、オーケストラにも期待したい。
1981年7月6日、リンツ・ブルックナーハウスにおけるオーストリア放送協会による収録。
データからわかるように、この録音は、アイヒホルンが全集録音プロジェクト途中で長逝したためにグシュルバウアーにお鉢が回ってきたものではなく、それに先行して収録されている。
この点、ずっと誤解していた。お恥ずかしい。(激汗)
 
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮) ザールブリュッケン放送響
バルトーク;管弦楽のための協奏曲・弦楽のためのディヴェルティメント(OEHMS)
「Mr.S」のバルトークは1970年代にミネソタ管を指揮した管弦楽曲集(VOX)があり、傑出した演奏の一つに数えられるものだったと記憶している。
今回、そのうち2曲が再録音されたとあっては買わざるべからず。
協奏曲は2002年6月、ディヴェルティメントは同年11月の録音。

5月18日(日): 

 

北ドイツ放送交響楽団@京都コンサートホールを聴く。
指揮はクリストフ・エッシェンバッハ
この組合せは、平成12(2000)年5月20日に神戸で聴いており、3年ぶり。
その時はシューマン;交響曲第3番 & ブラームス;交響曲第1番という曲目だった。
今日は
シューベルト;交響曲第8番「未完成」
マーラー;交響曲第5番
というもの。交響曲2つという構成は、3年前と同じだ。
関西での公演は京都だけということからか、9割ほどの席が埋まる盛況ぶり。
 
「未完成」は、遅めのテンポを基本にしたロマンティックなアプローチ。
まことに濃密な音楽で、第1楽章だけで、一夜の演奏会に匹敵するのではないかと思ったくらい、堪能した。
弦合奏は第1Vnから順に14-12-10-8-6、Vcを上手手前に置くストコフスキー・スタイル。
 
冒頭、VcとCbの低音が、実に見事。ppの指定に対し、柔らかい弱音だったことはもちろんだが、それでいて、ボディを失わない充実した響きに、体ごと包まれて、陶然たる心地がした。
斉諧生の座席はステージ前縁上方の3階右側のバルコニー席、Vc最後列〜Cbの真上に当たり、ちょうど足もとから低音が立ち上ってくる位置。
 
音楽がゆったりと流れる中、Hrnの重奏が大きくリタルダンドされて導き出された第2主題、Vnの音色の柔らかく美しかったこと!
ふんわりと暖かく、羊毛か何かのフワフワしたかたまりを抱いているような響き。
一方で強奏をキビキビと鳴らすことには怠りなく、弦合奏の立体感も立派。
Vaなど内声部が充実しているのである。
 
展開部の入りでVcとCbが深く沈み込んでゆく味わい、それに続いて、Vaが陰の濃い内面の声を呟く趣、ほとほと感じ入った。
 
第2楽章も同様の濃い味わいの好演。
テンポが遅めの上に、第1楽章で提示部を繰り返したから、演奏時間は(目分量だが)30分を超えたのではなかろうか。
 
問題は木管。ヴァントのCDを聴いたときにも感じたのだが、色彩感やキャラクターの強さに欠ける。
この曲でも、Obソロは良かったが、他の楽器には不満が残った。
 
マーラーでは、弦合奏が16-14-12-10-8に増員されていた。
 
第1楽章冒頭、いきなりTrpが躓いたので吃驚。
最初の「タタタター」が「タタ・・」になってしまったのである。止まったかと思ったが、指揮者はいささかも動ぜず、そのまま進行。
 
思うに、このように完全に楽器1本で始まるような場合、楽員にかかるプレッシャーを考えると、今日のエッシェンバッハのようにカッチリ振るのは良くないのかもしれない。
小林研一郎がよくやるのだが、右手を差し伸べて「どうぞお始めください」、出のタイミングはTrp奏者にゆだねるのが適切なのかもしれない。
 
なお、Trp奏者だが、その後は吹奏も安定し、渋い音色で聴かせた。
もっとも、この曲のTrpというと、小林(指揮) チェコ・フィルの実演(平成9(1997)年11月)における名手ケイマールの吹奏が忘れられない。ほとんど一人でさらっていったものだ。
 
そのコバケンが振ると、この曲の第1・2楽章では苦悩と嘆きが黒く吐き出されるのだが、エッシェンバッハではかなり趣が異なった。
シューベルトでもそうだったように、比較的ゆっくりした部分での弱奏には、かなり思い入れを込めて、テンポを(更に)遅くしたり、柔らかく美しい音色を引き出す。
第2楽章展開部冒頭のVcが好例。
 
ところが、強奏部分では、爆発的な突進とか、特定のパートの無謀な強調とか、ねじまげるようなテンポの変更とか、そういった「強烈な表現」が見られない。決まって、壮麗かつ健康的な響きになるのである。
このあたり、エッシェンバッハという指揮者を、どう捉えればよいのか、思案しながら聴いていた。
 
正直申して、この曲の第3楽章は苦手である。いまだに音楽の形がつかめず、聴いていて、その長さが少々辛い。
この楽章では、特にHrnが印象に残っている。力強い合奏や首席奏者の見事なソロなど。
 
アダージェットでは、エッシェンバッハの良いところが前面に出て、白眉となった。
特筆すべきは、再現部の直前で大きくテンポを落とし、それ以降は遅いテンポと美しいppを維持(弦合奏の演奏力の高さ!)、場内の緊張感をいやが上にも高めたことであろう。
 
終楽章は、上記のように壮麗な響きが一貫した好演。
 
アンコールは、ドヴォルザーク;スラヴ舞曲第8番スメタナ;歌劇「売られた花嫁」より「道化師の踊り」
いずれも乗りのよい快演であった。

 今日の演奏会のデータを、演奏会出没表に追加。


5月17日(土): 

 

リボール・ペシェク(指揮) ロイヤル・リヴァプール・フィル
スーク;アスラエル交響曲(Virgin)
スークが亡妻の追憶に捧げた抒情あふれる名作、クーベリック盤(PANTON)に接して以来、揃えることにしている曲。
未架蔵だったペシェク盤をHancock & Monksで購入した。
ここは初めて利用する、イギリスの新譜・中古両方を扱う店舗で、ユビュ王の食卓さんが紹介しておられたもの。いつもいつもお世話になっていて、感謝のかぎりである。<(_ _)>
1990年5・12月の録音。
 
テルイェ・ミッケルセン(指揮) ラトヴィア国立響
スヴェンセン;ノルウェー狂詩曲第1〜4番 ほか(LA VERGNE)
ミッケルセンのスヴェンセンは、交響曲第1・2番と管弦楽曲集を架蔵済み。残る1枚をJPCで見つけたので購入したもの。
標記4曲のほか、「シーグルド・スレンベ」 op.8ノルウェー民謡による変奏曲 op.31を収録。
1998年3・4月の録音。
 
レメイ・コルテス・アヤツ(P)
モンポウ;P作品集 Vol.2(PAVANE)
ピアノ独奏曲は買い始めるとキリがなくなるので敬遠しているところだが、いくつかある例外の一つが、モンポウの作品。
クラシック招き猫の投稿で推奨されていたアヤツ盤を、JPCで購入したもの。
愛惜佳曲書に掲げた「歌と踊り」を含む第2集をオーダーした…筈が、当盤には後半の第7〜12・14番しか入っていない。
最も好きな第6番は、第1集に入っているのであった(迂闊)。またオーダーせねば…(汗)。
そのほか、「内密な印象」「ペセブレ」前奏曲集を収録している。
ピアニストは初めて名前を聞く人だが、バルセロナ生れで作曲者とも親交があり、現在はベルギーで活動しているとのこと。
1998年4月、ブリュッセルでの録音。
 
ヨーラン・セルシル(イェラン・セルシェル)(G)
バッハ;無伴奏Vnソナタ・Vc組曲(DGG)
バッハの無伴奏曲集は、編曲ものも含めて、聴きたいと思っている。
ギター編曲盤は多いが、「いかにもギター」的な小節(こぶし)を回す演奏は好きになれない。セルシル(セルシェル)の演奏には、バッハ演奏としての節度が十分に感じられ、あたかもリュート奏者の如し。
以前、無伴奏Vnパルティータ第3番の入った廉価盤を買っているが、当盤は、無伴奏Vnソナタ第3番無伴奏Vc組曲第1・2番無伴奏Vc組曲第6番(抜粋)を収録したもの。
1991年4月、ハノーヴァー近郊の教会での録音。
某オークションで落札し損ね(苦笑)、あちこち探したあげくJPCにオーダーした。
 
ダン・ラウリン(Rec)
Rec作品集(Acoustica)
数多あるリコーダー奏者のうち、最も信頼する一人、ラウリンの新譜…と思ってJPCにオーダーしたのだが、届いてみれば、1987年録音。
公式Webpageのディスコグラフィによれば、ソロ・デビュー盤のようだ。
古楽と新作を取り混ぜた選曲・配置になっており、ルネサンス舞曲自作の即興ファン・エイク篠原真ヴェルナーマレ廣瀬量平というラインナップ。
些事ながら、ジャケット裏のポートレートが、革ジャンのアンチャン風で笑える。
 
ルネ・レイボヴィッツ(指揮) パリ・フィル ほか
オッフェンバック;オペレッタ「美しきエレーヌ」(PREISER)
レイボヴィッツの録音が、廉価覆刻されていたので、JPCにオーダーしたもの。
"paperback opera"と記されており、対訳等は附属していない。
1952年のモノラル録音だが、音のエネルギーは十分。ときにマスターテープの劣化を感じさせる傷があるのは残念だ。
 
ローレンス・フォスター(指揮) モンテ・カルロ・フィル ほか
エネスコ;歌劇「オイディプス」(EMI)
エネスコ畢生の大作を、Hancock & Monksで購入。
数年前には音盤屋の店頭でも見かけたものだが、今も現役で入手できるかどうか不安だったので、中古盤を探したもの。
『エネスコ 回想録』でも、特に1章を割いて、作曲の経緯や音楽に凝らした思念を詳述している。
(もっとも訳者後記では「庸才の力作」と評されているが…。)
1989年6月の録音。
 
エノッホ・ツ・グッテンベルク(指揮) クラングフェアヴァルトゥング管 ほか
バッハ;マタイ受難曲(FARAO)
JPCの新入荷リストで見かけたときは、以前BMGから出ていた(国内盤もあった)1990年録音の再発だろうと思って放っておいたのだが、ユビュ王の食卓さんの記事で新録音ということを知り(またまた御恩を蒙っている)、慌ててオーダーしたもの。
合唱は旧盤と同じコーアゲマインシャフト・ノイボイエルンテルツ少年合唱団、独唱者は馴染みのない名前ばかりで、福音史家;マルクス・ウルマン、イエズス;クラウス・メルテンスといった人々。
3枚組だが、指揮者肉声の解説(約80分!)がボーナス盤として附属している。
 
アウリッキ・ラウタヴァーラ(Sop) ハンス・シュミット・イッセルシュテット(指揮) ベルリン・フィル ほか
「テレフンケン録音集成 1934〜38」(FINLANDIA)
今回Hancock & Monksにオーダーした目玉、イッセルシュテットの未架蔵音源である。
以前、「シベリウスの遺産」というタイトルのコンピレーションものに、シベリウスの管弦楽歌曲2つが収められているのを購入したが、そのもとになった覆刻盤を見つけて驚喜、ただちにオーダーしたもの。
届いたCDを見ると、全18曲中、イッセルシュテットが付けているのは14曲に及び、そのほとんどが未架蔵音源!
シベリウスのほか、モーツァルト(『フィガロ』;「愛の神様、私に安らぎを」、『魔笛』;「愛の喜びは露と消え」)、プッチーニビゼー等を収録している。
 
アウリッキ・ラウタヴァーラ(Sop) ほか
「名唱集」(FINLANDIA)
これもHancock & Monksにオーダーした中古盤。
もしやこれにもイッセルシュテット音源が…と思い、念のために併せて発注したのだが、届いてみれば彼の指揮は含まれていなかった。
曲としては、シベリウスラングストレムブラームスヴォルフを収め、ジェラルド・ムーアミハエル・ラウハイゼンといった有名伴奏者が付き合っている。
中でも斉諧生的に嬉しいのは、シベリウスの女婿ユッシ・ヤラスが管弦楽指揮やピアノで登場していること。この人のシベリウス演奏は、縁戚関係を抜きにして、貴重なものだ。
全29曲、録音は1942〜54年にわたっている。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮) ベルリン・フィル
ベルリオーズ;幻想交響曲(独DGG、LP)
マルケヴィッチがベルリンで録音した「幻想」、CDしか架蔵していなかったところ、Mikrokosmosに初期盤LPが格安で出ていたのでオーダーしたもの。
1953年11月の録音。
 
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮) ソヴィエト国立響
ガーシュウィン;「パリのアメリカ人」・交響的絵画「ポーギーとベス」(蘇MELODYA、LP)
恐ろしいディスクを手に入れてしまった。(^^;;;;
ラッセル・ベネット編の交響的絵画「ポーギー〜」を蒐集している身として、いつかは聴きたいと願っていたスヴェトラーノフ盤が、某オークションに出品されており、この指揮者のものとしては意外に安価で落札できたのである。
はやしさん@スヴェトラーノフ普及委員会コメントに曰く、
演奏も期待をはるかに越えた不適切度全開の壮絶さ。『スィングしない重々しいリズム』、『呆れるほどのスローテンポ』、『低音の効きまくった重い音』、『壮絶なロシアン・ブラスの咆哮』、『熱き濃厚なロマンティシズムに溢れた歌』、『地響きをたてる打楽器』(略)
 『ポーギー&ベス』はいわば“モスクワのポギルンスキーとベスラノワ”(略)
…まったくおっしゃるとおりで(笑)、ブルースの歌がチャイコフスキーの緩徐楽章というか、ロシア民謡になり、ルバート+ポルタメントは「濃厚」を通り越して極めて下品。
こうした演奏は二度と聴けまい、という点では非常に貴重なLPで、切にCD化を望みたい。
 
ハンス・ロスバウト(指揮) バーデンバーデン南西ドイツ放送響 ほか
シェーンベルク;管弦楽のための変奏曲 ほか(独WERGO、LP)
ロスバウトがシェーンベルクの傑作を振ったLP。M&AレーベルからCDが出ているが、正規音源としては出ていないはずなので、ぜひ入手したいと、某オークションで落札したもの。
1961年5月21日、南西ドイツ放送局でのスタジオ録音(ジャケットには1959年とあるが間違いだそうである)、モノラル収録を擬似ステレオ化した盤である。
カプリングはゲルト・ツァハー(Org)独奏によるOrgのためのレツィタティーフによる変奏曲 op.40(1967年7月録音)。
 
オットー・アッカーマン(指揮) ネーデルラント・フィル ほか
ブリテン;シンプル・シンフォニー & フランク・ブリッジ変奏曲 ほか(米Concert Hall、LP)
好きなブリテン作品の未架蔵盤がMikrokosmosのカタログに出ていたのでオーダーしてみた。
「フランク〜」はヴィクトル・デザルツェンス(指揮) ローザンヌ室内管による。
更にOb独奏のオヴィディウスによる6つのメタモルフォーシスをフィルアップ。
データ不詳のモノラル録音。
 
アルト・ノラス(Vc) ほか
「ナーンタリ音楽祭 1985」(芬ナーンタリ音楽祭自主製作、LP)
ノラス師匠が主宰する音楽祭の記念LPがMikrokosmosのカタログに出ていたのでオーダー。
1985年の音楽祭期間中(6月13〜25日)に録音されたもの。
両面に6曲を収めるが、多くは抜粋に留まり、また、師匠が参加しているのは次の2曲に限られるのは、残念である。
ジャン・ピエール・ワレーズ(Vn) アルト・ノラス(Vc) アルド・チッコリーニ(P)
シューベルト;P三重奏曲第2番より第2楽章
フィリップ・アントルモン(P) シベリウス・アカデミーQ団員
モーツァルト;P四重奏曲第2番より第3楽章
なお、残りの曲の中に、工藤重典(Fl)ほかによるバッハ;Flソナタ BWV1033がある。
 
ジョルジ・パウク(Vn) ペーター・フランクル(P)
モーツァルト;Vnソナタ集 第1・2集(米VOX、LP)
パウクの中欧的な音色が好きで、以前から、この曲集は欲しかったところ、ようやく手頃な価格のものがMikrokosmosのカタログに出ていたのでオーダー。
各3枚組2巻、計6枚のLPに、Vnソナタ17曲・変奏曲2曲を収める。
録音データは明記されていないが、解説書のマルCは1963年と表記されている。
 
レジ・パスキエ(Vn) ジャン・フランソワ・エッセール(P)
「若いヴァイオリニストのためのレパートリー Vol.1」(仏HMF、LP)
妙なタイトルの盤だが、今年2月にリリー・ブーランジェ作品を含んだVol.2を入手しており、今回、Vol.1がMikrokosmosのカタログに出ていたのでオーダーしたもの。
収録曲は、
リュリ;メヌエット
クープラン;ルイ13世の歌
フィオッコ;アレグロ
モーツァルト;メヌエット & ガヴォット
パラディス;シシリエンヌ
シューベルト;ソナチネ第3番
フォーレ;子守歌
バルトーク;ハンガリー民謡(抜粋)
ストラヴィンスキー;パストラーレ
ガロワ・モンブラン;ジャンセリーヌの夢(抜粋)
で、Vol.2同様、かなり幅広い選曲。
Vn用演奏譜が附録で付いているのも、1976年7月の録音であることも、Vol.2同様である。
 
ヤーノシュ・フェレンチク(指揮) ハンガリー国立歌劇場管 ほか
ワーグナー;舞台神聖祝典劇「パルジファル」(洪HUNGAROTON、LP)
ハンガリーの名指揮者、フェレンチクの貴重な遺産。
1983年2月13日(?)、同歌劇場での上演を5枚のLPに収めたものである。
主な配役は、
アンフォルタス;シャーンドル・ソリュオム・ナジ
ティトゥレル;フェレンツ・サルマ
グルネマンツ;ラーズロ・ポルガー
パルジファル;アンドラーシュ・モルナー
クリングゾル;アンドラーシュ・ファラゴー
クンドリ;カタリン・カサ
…と、知らない名前ばかり。(^^;
ハンガリー語歌唱。
ついでながら、この歌劇場の建築は、ハプスブルク帝国の余慶で、非常に美しい。
 
舘野泉(P) ほか
「愛情物語」(東芝EMI、LP)
舘野さんが、なんと、ポピュラーを弾いている!
某オークションで見かけたときには、同姓同名の別人かと疑ったが(^^;、落札した現品が届いてみれば、紛うことなく、「シベリウス・アカデミーの教授」云々とある。
片面7曲ずつ14曲、標題曲のほか、イエスタディ愛の讃歌枯葉エーゲ海の真珠禁じられた遊び等々、あるいはピアノ・ソロで、あるいはドラムス・ベースを加えたトリオで演奏しておられる。
即興はほとんど見られず、端正で清潔な音楽であった。
なお、このLPは、自著『星にとどく樹』(求龍堂)巻末のディスコグラフィに掲載されていない。

 この間に入手したCD・LPの情報を、カザルス・ディスコグラフィイッセルシュテット・ディスコグラフィレイボヴィッツ・ディスコグラフィマルケヴィッチ・ディスコグラフィに追加。

 昨日の演奏会のデータを、演奏会出没表に追加。


5月16日(金): 

 大阪センチュリー交響楽団第15回いずみ定期演奏会@いずみホールを聴く。指揮は高関 健
 高関氏とセンチュリー響との惜別演奏会ということになる。

今日の曲目は
ヴォルフ;イタリアのセレナード
(管弦楽版)
ベルク;13管楽器、P、Vnのための室内協奏曲
漆原朝子(Vn)
永野英樹(P)
バルトーク;弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽
というもの。
曲目に鑑み、練習を4日間に延長して本番に臨んだ様子である。
 
ヴォルフは、ふだんは弦楽合奏版で良く聴くが、管楽器(木管とHrnの2管編成? 席の位置の関係ではっきりとは確認できなかった)を含むバージョンは、初めて耳にするもの。
ほどよい装飾が施された感じで、聴いていて面白く楽しかった。もっと演奏されてよい楽譜ではなかろうか。
演奏も、爽やかで美しく、誠に心地よい。
 
ベルクは、傑作として令名高いが、また難解で聞こえた作品。
いつだったか、「スコアを用意し、モティーフにマーカーを引きながら、繰り返し聴いていると、あるとき突然、開眼し、感動した」という体験談を読んだことがある。
そこで、スコアだけは用意したのだが、そのまま手つかず。。。(^^;;;;
また、諸井誠氏が、この曲の分析を『音楽芸術』だったか、何かの雑誌に連載しておられたというが、未見。
 
ステージ下手、手前に独奏Vn、奥にP。上手側に管楽器が三列に着席した。
 
冒頭のモティーフ(シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクの音名象徴)は、なるほどロマンティックな味わい。
ところが、第1楽章に入ると、もう駄目。結局、まったく歯が立たないまま、全曲が終了した。(激汗)
隙のない、立派な演奏だったとは思うのだが…。
 
このホールでの「弦チェレ」は2回目。
前回は、昨年9月6日若杉弘(指揮) 大阪フィル
 
指揮者の前にP、左手側(下手)にチェレスタ、右手側(上手)にHp。Timpは中央奥に、その他の打楽器はまとめて下手奥に配置されていた。
録音では埋もれがちなHpの動きが良く確認できて、面白かった。
 
ベルクの後に聴くと、バルトークの第1楽章の旋律が、実に甘美に響く。
弦合奏も精妙な音色で健闘していた。最初のクライマックスでのシンバルが、やや無神経な強打だったのが残念。
 
第2楽章のアレグロは見事な疾走、快感の極み。
 
「夜の音楽」第3楽章も、緊張感のある演奏ではあったが、もう少し呼吸の深い、冷たい「闇」を感じさせる音楽を望みたいところだ。
 
第4楽章は申し分ない出来。
終結では思い切った「粘り」を見せ、このオーケストラの黄金時代となった高関の治世を締め括った。

 

オレグ・カガン(Vn) スヴィヤトスラフ・リヒテル(P)
モーツァルト;Vnソナタ第34・35番(VICTOR)
2曲で約47分、ややコスト・パフォーマンスが悪いが(苦笑)、この2人の遺産は傾聴したく、某オークションで落札したもの。
1985年12月、モスクワ・プーシキン美術館ホールでの録音。
この2人のモーツァルトには、1974年7月のライヴ録音もあり(EMI)、両曲とも含まれている。もしや同一音源ではと心配になって聴き比べてみたところ、別なものであった。
やはり85年盤の方が、完成度の高い演奏であるといえよう。

5月14日(水): 

 

カザルス(指揮) プラド音楽祭管 ほか
「1950年 第1回プラド音楽祭」(CASCAVELLE)
最近、CASCAVELLEレーベルが覆刻盤をリリースしている。おそらく録音後50年を経過したLPからの「板起こし」と思われるが、例えばモントゥーの初期録音など、渋い線を衝いてくるので買わずにはいられない。
これも、1950年にバッハ没後200年を記念して開かれた第1回プラド音楽祭のライヴ録音をCD5枚に集成したという、斉諧生にとっては垂涎ものの企画である。
ある程度はSony Classical等から覆刻されていたが、初CD化のものや、LPでも架蔵していなかった音源が含まれており、驚喜歓喜である。
初CD化の曲は、次のとおり。
2Vnの協奏曲 BWV1043(スターンアレクサンダー・シュナイダー)
P、Vn、Flの三重協奏曲 BWV1044(ホルショフスキスターンウンマー)
ブランデンブルク協奏曲第1〜3・6番(第4・5番はCDあり)
Vn協奏曲 BWV1052a(シゲティ)
管弦楽組曲第1・2番
音楽の捧げ物(抜粋)
音質的には、残念ながら、いかにも「板起こし」という程度。もう少し音の生命感や実在感を出してもらいたかった。
 
ビシュコフ(指揮) ケルン放送響 ほか
マーラー;交響曲第3番(AVIE)
パリ管を追われたビシュコフ(両者の来日公演でもあまりいい印象がなかった)、レコーディングの面でも名前を見かけなくなっていた。
1997年以来、首席指揮者を務めるケルン放送響を指揮してマーラーの第3を出してきた。この曲ならば買わざるべからず。
アルト独唱はマルヤーナ・リポヴシェク、更にヘラー;「永遠の日」という現代作品をフィルアップ。
2002年1月(マーラー)・9月(ヘラー)のライヴ録音をもとにした製作とのこと。
 
コンサートマスターズ・クラブ・オブ・ジャパン
メンデルスゾーン;弦楽交響曲第10番 & スーク;弦楽セレナード ほか(LIVE NOTES)
萬有製薬による非売品のCDを某オークションで落札。
これで、このシリーズは1994〜2002年の分が揃ったことになる。(^^;
標記2曲、とりわけスークの佳曲を収録してくれているのは有り難い。
委嘱作品廣瀬量平;朝のセレナーデチャイコフスキー;ワルツ(弦楽セレナード第2楽章)をフィルアップ。
1998年6月12日・東京オペラシティ、同年10月23日・京都コンサートホールと、録音データが記されているが、曲ごとの収録日は不明。
 
ヴィクトリア・ムローヴァ(Vn) ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮) ORR
ベートーヴェン;Vn協 & メンデルスゾーン;Vn協(Philips)
古楽アプローチ志向を強めているムローヴァ、初録音のベートーヴェンと再録音のメンデルスゾーンで、ガーディナーと組むことになった。
ブックレットに「オリジナルの楽譜を研究した結果、多くの従来とは異なった解釈をとっている」と特記されている。
前に出たモーツァルト同様、カデンツァはオッターヴィオ・ダントーネアカデミア・ビザンティーナによるもの。
2002年6月の録音。
 
ジョルジュ・エネスコ(Vn) サンフォード・シュリュッセル(P) ほか
ヘンデル;Vnソナタ第4番 & ショーソン;詩曲 ほか(OPUS蔵)
音盤屋のワゴン・セールで、OPUS蔵が何点か安くなっていた。
しばし迷った末、愛惜佳曲書にも掲げた、エネスコのヘンデルを含む1枚のみ購入。
1929年のSP録音で、既に複数のレーベルから覆刻されているが、音質は今回のものが格段に優れている(その分、サーフェス・ノイズも盛大だが)。
標記2曲のほか、コレッリ;ラ・フォリアを収録。
更に、名教師カール・フレッシュの録音を3曲、収めている。すなわち
ヘンデル;Vnソナタ イ長調
モーツァルト;Vnソナタ第34番 K.378
ファリャ;ホタ
こちらは1935年の録音。

5月13日(火): 

 

茂木大輔(指揮) ほか
「オーケストラ人間的楽器学 Vol.3」(LIBRO)
茂木氏が企画・指揮・解説した「オーケストラ人間的楽器学コンサート」というシリーズのライヴCD2点を某オークションで落札。
これで8点中、5点が揃ったことになる(あと3点、まだまだ前途遠し…)。
この第3夜は「一発入魂 vs 多芸多才」と題されている。
前半がClで、独奏は磯部周平
後半はトライアングルで、独奏は植松透
1998年3月19日、三鷹市芸術文化センターでの収録。
 
茂木大輔(指揮) ほか
「オーケストラ人間的楽器学 Vol.5」(LIBRO)
第5夜は中低音楽器特集、
前半がFgで、独奏は吉田将
後半はVcで、独奏は藤森亮一
後半でブルックナー;交響曲第7番の第1楽章冒頭を取り上げるあたり、
おれにとって本筋本道中の本道の芸は、ブルックナーである。オーケストラ、とくにシンフォニー・オーケストラというものは、最終的にブルックナーを演奏するために存在しており、ブルックナーをきちんと演奏できるかどうかが、ひとつのオーケストラの究極の価値判断であると思っている。」(『オーケストラは素敵だ』音楽之友社)
と言い切る茂木氏の面目躍如たるところ。
1999年2月12日、三鷹市芸術文化センターでの収録。
 

5月12日(月): 

 

吉野直子(Hp) 水戸室内管
シューベルト(マーラー編);「死と乙女」 & マーラー;アダージェット(交響曲第5番より)(Sony Classical)
吉野直子さんの録音は努めて入手するようにしているのだが、このディスクではマーラーのみの参加、しかもメインが、比較的関心の薄い「死と乙女」ということもあって買いそびれていた。
今回、某オークションで安く出ていたので落札したもの。
1993年11〜12月の録音、ライヴではなく定期演奏会のあとにセッションを組んだもの。

5月11日(日): 某オークションで入手した『ランパル自叙伝 音楽、わが愛』(吉田雅夫訳、シンフォニア)を読了。
 1950年前後、彼がフリーランスで活動していた頃にレイボヴィッツの録音に参加していることから、この指揮者について何らかの伝記的な情報・エピソードが得られないかと思って落札したもの。
 レイボヴィッツについては、1カ所、現代の作曲家の一人として名前が挙がっているだけで、特別な収穫はなかった。
 それに対し、予想していなかったことに、ポール・パレーについて、約2頁にわたって記述があった。大要下記の如し。

 ランパルの父親もFl奏者で、マルセイユの音楽院で教える傍ら、同地のオーケストラの首席奏者でもあった。
 ある日、2番奏者が病欠したとき、父親は、まだ14、5歳のランパルを演奏させるよう、指揮者・パレーに申し入れた。
 パレーは父親を信頼していたので、直ちにそれを受け入れ、ランパルは当夜のラヴェル;組曲「ダフニスとクロエ」第2番の演奏に参加することになった。
 その後しばらく、彼はレギュラーの2番奏者としてオーケストラに加わり、父親がインフルエンザにかかったときは、1番を吹いたという。
 その時のプログラムは、ベートーヴェン;交響曲第3番・序曲「レオノーレ」フランク;「プシシェ」という、いかにもパレーらしいもの。
 後年の巨匠もまだ少年、汗びっしょりになって演奏を終えたが、パレーは最後にうなずいて見せたという。

 ランパルは1922年生れだから、1936〜37年頃の挿話ということになるが、この時期にパレーがマルセイユでレギュラーの活動をしていたことは、あまり資料に出てこない事実である(戦時中にマルセイユやモンテ・カルロにいたことは有名)。


5月10日(土): 

 

若林顕(P) コンサートマスターズ・クラブ・オブ・ジャパン ほか
モーツァルト;交響曲第40番・P協第12番 ほか(LIVE NOTES)
萬有製薬による非売品のCDを某オークションで落札。このシリーズも、ほとんど揃ってきた。(^^;
今回のは2002年のもので、標記以外に
コレッリ;組曲
バッハ;G線上のアリア
ホルスト;セントポール組曲
を収録。
交響曲・協奏曲の録音は、シリーズ初か。ゲスト・プレーヤーに佐久間由美子(Fl)、樋口哲生(Hrn)らの名前が見える。
2002年2月15日・岡山シンフォニー・ホール、6月7日・サントリー・ホール、10月18日・神戸文化ホールと収録日・場所が記載されているが、曲ごとのデータは不明。
 
ジャン・ジャック・カントロフ(Vn) ウラディミール・メンデルスゾーン(Va) 藤原真理(Vc)
ベートーヴェン;セレナードop.8・弦楽三重奏曲op.3(DENON)
カントロフの未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札したもの。
1986年9月、アムステルダムでの録音。
 
ジョルジュ・エネスコ(指揮) ルイ・ド・フロマン・アンサンブル
エネスコ;八重奏曲(米REMINGTON、LP)
このところ蒐集しているエネスコの自演盤が某オークションに出品されていたので落札したもの。
何といっても作曲者の指揮、しかも本人は弦楽器の達人だから、特別な成果が挙がっているのではと期待高し。
 
レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ(G) クリストバル・ハルフテル(指揮) マヌエル・デ・ファリャ管
ロドリーゴ;アランフエス協・ある貴紳のための幻想曲(西RCA、LP)
アランフエスの初演者による高名な録音が某オークションに出品されていたので落札したもの。
好きな曲だが、この演奏はまだ聴いたことがなかった。初演は1940年11月9日とのことだが、この盤はおそらく1950年代末頃の録音。
スペイン盤は滅多と買わないのだが、こういう原産ものは例外である。
なお、このギタリストには、1940年代にアルヘンタと共演した録音もあるそうだ。そちらの演奏の方が魅力的かもしれない。
 
サイモン・ラトル(指揮) ロンドン・フィル ほか
ガーシュウィン;歌劇「ポーギーとベス」(EMI、LD)
「ポーギー〜」の管弦楽組曲盤は山のように(苦笑)架蔵しているのだが、全曲盤は、もともとあまり録音されない上、さほど熱心には蒐集していない(汗)。
それでも、やはり歌劇の全体像は承知しておきたく、機会をうかがっていたところ、新品のLDが安く某オークションに出品されていたので落札したもの。
グラインドボーン音楽祭での上演(1986〜87年)に基づき、1988年に録音された音声(CDと同一)に、1992年にスタジオ録画された映像を重ねたという、若干ややこしい成立のしかたをしている。

5月9日(金): 

 

フリッツ・ライナー(指揮) シカゴ響
ベートーヴェン;交響曲第6番(VICTOR)
凄い再生音がすると評判のxrcd2マスタリング盤。価格も凄いので(苦笑)、ずっと手を出さなかったのだが、某オークションで少し安く手に入った。
1961年4月8・10日、シカゴのオーケストラ・ホールでレコーディングされたもの。
RCAのライナー=シカゴの録音中でも最上の音で遺された」(マイケル・グレイ、『クラシックプレス』第12号)
ものというので、期待高し。
従来の架蔵品(GD60002)と比べると、圧倒的な差。聴き疲れしそうなくらいに克明に音が拾えている。
これでもう少し柔らかく暖かい音色であれば申し分ないのだが、これはビクターの技術者よりも指揮者本人に注文すべきことなのかもしれない。
 
矢崎彦太郎(指揮) 大阪センチュリー響 ほか
メンデルスゾーン;劇音楽「真夏の夜の夢」(抜粋) & カバレフスキー;組曲「道化師」(TOYOTA CLASSICS)
贔屓にしている(いた)オーケストラ、大阪センチュリー響の市販されていない音源が某オークションに出品されていたので落札したもの。
1994年8月18日、いずみホールでのライヴ収録で、メンデルスゾーンは全曲演奏から7曲を抜粋したとのこと。
ブックレットはすべて英文で、しかもCDの来歴等について説明がないが、あるいはトヨタ自動車の販促物か?
 
アレス・ラマッセ(Vc) ダリオ・ホヴァラ(P)
フォーレ;Vcソナタ第1・2番 ほか(FORLANE)
某オークションに出品されていた未知のチェリストの演奏だが、曲目、ピアニスト、レーベルに渋い線が並んでおり、興味を惹かれて落札したもの。
Web上のバイオグラフィによれば、ラマッセはトルトゥリエの弟子だそうである。
エレジーシシリエンヌ夢のあとになど有名小品6曲をフィルアップしている。
1988年2月、パリにおける録音。
 
ケイト・ブッシュ(Vo) ほか
「Never for Ever」(EMI MANHATAN)
斉諧生としては珍しいポップス購入だが、実は、 "Delius (Song of Summer) " というタイトルの曲が入っている。
以前、沼辺信一『12インチのギャラリー』(美術出版社)という、レコード・ジャケットのデザインを集成した本で、このアルバムのことを知った。
映画『夏の歌』にインスパイアされ、そこからユニークな音楽を紡ぎ出した天才少女がいる。(略)
ディーリアスの名前が呪文ふうに繰り返されるなか、透明な彼女の声が「彼は気難しい老人、その手には夏の歌が…」と歌い出す。
するとそこに、あの耳障りな老人のだみ声が聞こえてくるのだ。
「タータター、タータター」「ロ長調だ、フェンビー」。
物憂げなムードの中、夏の虫の羽音が曲をしめくくる。
これを読んで、曲中に聞こえてくる作曲家の声というのは、沼辺氏の幻聴というか、イマジネーションの世界で映画(もちろんケン・ラッセル作品)とオーバーラップしているのだろうと思っていた。
実際に聴いてみると、ちゃんと歌われて(語られて)いるのであった。このような歌詞になる。
某オークションにて落札。
 

5月8日(木): 

 

鈴木秀美(指揮) オーケストラ・リベラ・クラシカ
ハイドン;交響曲第13・31番 & モーツァルト;交響曲第25番(TDK)
OLCのライヴ、順調に3カ月に1枚のペースでリリースされての第4弾は、ホルン4本を要する交響曲を3曲。感心させられる選曲である。
特にハイドンの第31番は綽名が「ホルン信号」、マッケラス盤(Telarc)で大好きになった曲なので、嬉しいリリースだ。
2003年1月31日、東京・浜離宮朝日ホールでの収録。
 
ルドルフ・ケンペ(指揮) ミュンヘン・フィル ほか
ベートーヴェン;交響曲第3番 & ブルックナー;交響曲第4番 ほか(IMG)
『20世紀の大指揮者』シリーズの新譜から、まず「エロイカ」と「ロマンティッシュ」のライヴを擁するケンペ盤を購入。
ベートーヴェン;交響曲第3番(ロイヤル・フィル、1974年5月22日)
プラハの春音楽祭に客演したときの演奏。
ブルックナー;交響曲第4番(ミュンヘン・フィル1972年11月25日)
スタジオ録音盤(SCRIBENDUM等)は1975年録音。
ラヴェル;組曲「ダフニスとクロエ」第2番(ミュンヘン・フィル、1974年12月10日)
ヴォルフ;イタリアのセレナード(ミュンヘン・フィル、1971年6月17日)
など。
 
テオドール・グシュルバウアー(指揮) ストラスブール・フィル
ブルックナー;交響曲第7番(ERATO)
グシュルバウアーは1939年ウィーン生れ、スワロフスキーに学び、カラヤンマタチッチの薫陶を受けたという。
1970年代には随分もてはやされた人だが、どうしたことか半ば忘れられかけている感が否めない。
彼のブルックナーは、以前、カメラータ東京からクルト・アイヒホルンの没後に第0番を出したのを憶えているが、買っていない。
今回、大好きな第7番が某オークションで出品されており、この指揮者のブルックナー適性を見極めるつもりで落札したもの。
1989年11月の録音。
 
ジョージ・セル(指揮) ケルン放送響 ほか
チャイコフスキー;交響曲第5番 & ドビュッシー;交響詩「海」 ほか(IMG)
『20世紀の大指揮者』シリーズの新譜から、2点目はセルを購入。
チャイコフスキー;交響曲第5番(ケルン放送響、1966年6月24日)
というライヴ録音も魅力的だが、それ以上に、スタジオ録音ながら
ディーリアス;歌劇「イルメリン」前奏曲(クリーヴランド管、1956年10月)
は、セルの表現が非常に楽しみである。また、
ドヴォルザーク:交響曲第8番(クリーヴランド管、1970年4月、EMI)
は定評ある名演で、CDでは初めて架蔵することになる。
 
レナード・バーンスタイン(指揮) ニューヨーク・フィル ほか
ヴォーン・ウィリアムズ;交響曲第4番 ほか(Sony Classical)
バーンスタインの珍しいレパートリー、RVWの第4番は未架蔵のところ、某オークションで安く出品されていたので、これ幸いと落札。
一説に、この指揮者は「不安に満ちた音楽」を好んで録音したと言う。この曲や、ニールセンがその例とのこと。
同じ作曲家でタリス幻想曲グリーンスリーヴズ幻想曲音楽へのセレナードをカプリング。
The Royal Editionという、英国皇太子のジャケット装画が話題を呼んだ、100枚からなるシリーズの1枚である。
交響曲は1965年10月21日の録音。
 
アンドレ・プレヴィン(指揮) ロンドン響
ラフマニノフ;交響曲第3番 & ショスタコーヴィッチ;交響曲第6番(EMI)
プレヴィンのラフマニノフは定評のあるところだが、それ以上にショスタコーヴィッチを聴きたく、某オークションで落札したもの。
工藤さんのコメントに曰く、
地に足のついた、格調高い立派な演奏。オーケストラが無理なく意味深い音を積み上げているのに感心する。全体に爽やかな抒情が支配しているが、それに溺れてしまわない節度にプレヴィンのセンスの良さを感じる。
と、星4つ半(満点は5つ)の高点を与えておられる。
1973年12月・1974年4月の録音。
 
クロード・バルドン(指揮) カーン管 ほか
フォーレ;「ペレアスとメリザンド」 ほか(REM)
出張の帰りに立ち寄った中古音盤屋で手に取った1枚。フランスの地方オーケストラ録音は、とにかく気になって買ってしまう。
まして標記のフォーレは好きな曲であり、Pのための幻想曲Vnのための子守歌VcのためのエレジーFlのための幻想曲と、協奏的作品を並べたカプリングも心憎い。
指揮者は1942年生れ、ミュンシュの元でパリ管の首席奏者を務めたのち、ピエール・デルヴォーに学んで指揮者に転じた。1990年以来、カーン管の首席客演指揮者の称号を持つとのこと。
また、独奏者はすべてオーケストラの首席奏者連中である。
1993年の録音。
 
岩城宏之(指揮) NHK響 ほか
柴田南雄;コンソート・オブ・オーケストラ ほか(KING)
一昨年発売された「伝説のN響ライヴ」シリーズのうち、柴田南雄先生の作品が収められているにもかかわらず買いそびれていた1枚が、中古音盤屋の棚にあったので購入。
尾高賞受賞作品ばかり4曲、
矢代秋雄;P協(1967年度受賞作品、中村紘子(P)、1968年3月6日録音)
湯浅譲二;クロノプラスティク(1972年度受賞作品、1974年2月16日録音)
松村禎三;管弦楽のための前奏曲(1968年度受賞作品、この曲のみ指揮が森正、1968年8月26日スタジオ録音)
柴田南雄;コンソート・オブ・オーケストラ(1973年度受賞作品、1974年2月8日録音)
というラインナップである。
 
カメラータ・ベルン
「クラシカル・ハイライツ」(NOVALIS)
好きな弦楽合奏団、カメラータ・ベルンの未架蔵盤を中古音盤屋で発見、購入したもの。
コンピレーションではなく、オリジナルのオムニバス・アルバムの模様で、特に
グリーグ;2つの悲しい旋律
を含んでいるのがポイント。
そのほか、伝ハイドン;セレナードシューベルト;軍隊行進曲シュトラウス兄弟;ピツィカート・ポルカフィビヒ;詩曲マスネ;タイスの瞑想曲などを収める。
 
フー・クン(Vn) イェフディ・メニューイン(指揮) ロイヤル・フィル
シベリウス;Vn協 & ハチャトゥリアン;Vn協(Nimbus)
このメニューイン指揮盤も、中古屋での収穫である。彼の音楽の自然な温もりは貴重だ。
ヴァイオリニストは1963年中国生れ、シベリウス国際コンクールでの入賞歴などを有するとのこと。
1990年4月の録音。
 
工藤重典(Fl) 福田進一(G)
ピアソラ;タンゴの歴史 ほか(VICTOR)
「工藤&福田 黄金のデュオIII」と題されたアルバム。
標記のピアソラ作品に興味を惹かれて某オークションで落札したもの。
そのほかラテン系の作品ばかりを演奏しており、ヴィラ・ロボス;ブラジル風バッハ第5番より「アリア」ミヨー;ブラジルの郷愁第7番ディアンス;サウダージ第3番などを含む。
1991年11月、伊勢原市民文化会館での録音。
 
ロリン・マゼール(指揮) ピッツバーグ響 ほか
ワーグナー;楽劇「ワルキューレ」第1幕(Telarc)
マゼールのワーグナーといえば、同じTelarcに録音した「歌のない『指環』」(ベルリン・フィル)が、重量感のある響きで素晴らしかった。
その再現を期待して、某オークションで落札したもの。
独唱者は、クラウス・ケーニヒ(ジークムント)、スーザン・ダン(ジークリンデ)、ペーター・メーフィン(フンディング)。
1990年10月の録音。
 
茂木大輔(指揮) ほか
「オーケストラ人間的楽器学 Vol.2」(LIBRO)
茂木氏が企画・指揮・解説した「オーケストラ人間的楽器学コンサート」というシリーズのライヴCD2点を某オークションで落札。
2月にVol.4を入手しているので、これで8点中、3点が揃ったことになる(前途遠し…)。
この第2夜は、目立たない楽器と目立つ楽器、両極の組合せで、
前半が第2Vnで、独奏は堀江悟
後半はTrpで、独奏は津堅直弘
聴き物はTrpの独奏による正露丸の主題による4つの変奏曲であろうか。
「正露丸の行進」、「正露丸の点呼」、「正露丸の恋」、「正露丸と下痢軍の戦いと勝利」からなるという(笑)。
1998年2月24日、三鷹市芸術文化センターでの収録。
 
茂木大輔(指揮) ほか
「オーケストラ人間的楽器学 Vol.6」(LIBRO)
第6夜は「どっちが偉い?」という副題で、陰の指揮者と呼ぶべき2人の奏者、コンサートマスター(篠崎史紀)とTimp(久保昌一)の"対決"。
こちらの収録は、1999年3月10日。
 
オーレ・シュミット(指揮) ロンドン響
ニルセン;交響曲全集(英Unicorn、LP)
この指揮者のニールセン演奏は定評のあるところ、先だってもCDの全集を入手したが、LPの箱物が某オークションに出品されていた。
第1番から第6番までを1枚ずつに収め、各盤のレーベルがそれぞれ違った時期の肖像写真を刷り込んだ別デザイン、更にロバート・シンプソンなる音楽学者による各曲の解説(もちろん演奏入り)を収録した1枚が附録に付くという豪華版。
ついつい欲しくなって落札したもの。(^^;
1973年12月〜74年1月、ロンドンでの録音。
 
クルト・ザンデルリンク(指揮) ベルリン響
シベリウス;交響曲第5番 ほか(独ETERNA、LP)
シベリウスの後期交響曲には目がない。
この演奏もCDでは前から架蔵しているのだが、某オークションに出品されていたこのLPを見て、ついつい落札したもの。
風景写真を光学処理した、ガラグリのLPと同じコンセプトでデザインされたジャケットも魅力的である。
交響詩「フィンランディア」「悲しきワルツ」をフィルアップ。
当盤には明記されていないが、CDによれば1971年12月の録音ということである。
 
アンタル・ドラティ(指揮) ロンドン響 ほか
シベリウス;交響詩「ルオノンタール」・「エン・サガ」・「夜の騎行と日の出」・「大洋女神」(英EMI、LP)
ドラティのシベリウス、聴かざるべからずと某オークションで落札したもの。
「ルオノンタール」でのSop独唱は、ギネス・ジョーンズ

5月7日(水): 

 

ジャン・クロード・カサドシュス(指揮) フランス国立リル管
ビゼー;組曲「カルメン」第1・2番 & 組曲「アルルの女」第1・2番(FORLANE)
最近(残念なことに)あまり目立たない人だが、斉諧生としては注目している指揮者の一人、JCCの未架蔵盤を某オークションで見つけ、落札したもの。
彼の音楽は、ふっくらした豊かな響き・ハーモニーを特長とする。モーツァルト;協奏曲集(FORLANE)など、刻みのリズムの軽やかさ・流動感、各パートの浮き沈みの鮮やかさから構築される立体感が、素晴らしかった。
有名な音楽一族の出身で、往年の名ピアニストロベール・カサドシュスの甥に当たる。
1984年9月録音、国内盤。
 
ローレンス・フォスター(指揮) ローザンヌ室内管
エネスコ;室内交響曲 ほか(CLAVES)
このところ作曲家としてのエネスコが気になって、あちらこちらで探しているが、スイス音楽紀行の中に、このCDに関する記述を見つけた。
そういえば、フォスターにはエネスコの録音が多く、交響曲第1・2番(EMI)は架蔵している。
そういうスペシャリストの演奏ならば、ぜひ聴いてみたいとCrotchetにオーダーしたもの。
代表作の一つ、室内交響曲(op.33)に、弦楽合奏のための2つの間奏曲(op.12)、十重奏曲(op.14)をカプリング。
1987年12月の録音。
本稿執筆のため、更にWebを検索したところ、指揮者のインタビューを見つけた。
フォスターは両親がルーマニア人なのだそうで(これは知らなかった)、エネスコの音楽を高く評価し、上記のインタビューでもかなりの紙幅を費やしている。
もっとも、「《室内交響曲》は録音し直したい。昔の録音にかなり不満がある」のだそうな…。(^^;
 
コンスタンティン・シルヴェストリ(指揮) アンサンブル
エネスコ;八重奏曲・十重奏曲(ELECTRECORD)
エネスコ作品の演奏をあれこれ探すきっかけになった『エネスコ 回想録』(白水社)の巻末に、簡単な作品表とディスコグラフィがあり、代表作の一つ、八重奏曲(op.7)にシルヴェストリ盤があるという。
ルーマニアのレーベルELECTRECORDから出ているというので、思い当たったのが、ルーマニア音楽専門の通販サイトRomSky
ここの検索結果では演奏者名が表示されないが、たしかシルヴェストリだったはずと思ってオーダー、届いた現品は、正しく彼の演奏だった。
(なお、レーベルの公式Webpageでは、演奏者名も表示される。)
録音データは明記されていないが、モノラル収録で、音質の感じはSP末期かLP初期というレベル。
 
ルドヴィート・カンタ(Vc) ノルベルト・ヘラー(P) ほか
シューベルト;アルペジオーネ・ソナタ ほか(AEOLUS)
某オークションで見つけたCD、大好きなアルペジオーネが入っているからには落札せざるべからず。
松井晃子(P)の共演による小品6曲をカプリング。
すなわち、ブルッフ;コル・ニドライフォーレ;夢のあとにサン・サーンス;白鳥など。
1997年3月、入善コスモ・ホールでの録音である。
 
大野和士(指揮) 東京フィル ほか
ティペット;オラトリオ「我らが時代の子」 & タネジ;沈黙の都市(LIVE NOTES)
大野さんのCDはなるべく聴いておきたいと思っているところ、某オークションで安く出ていたので落札したもの。
ティペットの名作の対訳が入手できるのもメリット。
1998年12月5日、オーチャード・ホールでの第402回定期演奏会のライヴ録音。タネジ作品(演奏時間20分弱)は、委嘱新作の世界初演。

5月6日(火): 

 

ハルトムート・ヘンヒェン(指揮) オランダ・フィル
ブルックナー;交響曲第3番(DENON)
ヘンヒェンにブルックナー録音があったとは知らなかった。国内盤で出ていたのに…。
ともかくブルックナーとシベリウス後期作品に関しては、色々な指揮者で幅広く聴いて、適性のある人を見つけ出すつもり。
ヘンヒェンのブルックナーをいちど確かめてみようと、某オークションで落札したもの。
LaserLight原盤、1989年録音とのこと。
 
尾高忠明(指揮) BBCウェールズ響
ラフマニノフ;交響曲第2番 ほか(Nimbus)
この曲にはWAIWAIさんのページがあり、尾高盤については「隠れた名演としてお薦めです」とのこと。
尾高さんのラフマニノフは全集があるのだが、Nimbusが入手難となりつつある現在、ともかく2番だけでも確保しておこうと、某オークションで落札したもの。
ヴォカリーズをフィルアップしているのも嬉しい。
1991年9月録音。
 
イヴァン・フィッシャー(指揮) ブダペシュト祝祭管
ドヴォルザーク;「伝説」 ほか(Philips)
当「斉諧生音盤志」を御愛読いただいている方(アメリカ御在住)からメールを頂戴した。
その方は、先だってイヴァン・フィッシャーがボストン響に客演したおり、終演後に楽屋を訪ねられたそうだ。
サイン用にドヴォルザーク;交響曲第8・9番のCDを持参されたところ、指揮者が「この演奏も素晴らしいが、ベストは『伝説』だ」と言っていたとのこと。(あらためて御教示に感謝申し上げる。)
発売は2年ほど前、曲目のマイナーさゆえに買いそびれていたのだが、本人がそういうからには買わざるべからずと、音盤屋の店頭を探したところ、運良く見つかったので購入。
ノットゥルノミニアチュアズ(Vn曲4つのロマンティックな小品の管弦楽版)等をフィルアップしている。

5月5日(祝): 

 

ヨゼフ・レッシーニョ(指揮) メトロポリタン管 ほか
ベートーヴェン;交響曲第3番「英雄」・劇音楽「エグモント」抜粋(ANALEKTA)
某オークションにて落札したCD。未知の指揮者のベートーヴェン、第3番というところに心惹かれたもの。
ANALEKTAは悪くないレーベルだし、オーケストラはスクロヴァチェフスキとベートーヴェンの交響曲全曲を演奏しているのをCATV(SKY-A)で見かけたことがあるモントリオール所在の団体である。
指揮者はニューヨーク生れ、祖父がイタリア出身で、ニューヨーク・フィルメトロポリタン歌劇場管のTrp奏者であったという。叔父も指揮者で、ニコラ・レッシーニョ
一聴したところ、いわゆる巨匠ふうではないが、小気味よく推進力のある演奏だ。
1997年1月、モントリオールでの録音。

5月3日(祝): 

 

プラシド・ドミンゴ シセル・シルシェブー シャルル・アズナヴール ほか
「クリスマス・イン・ウィーン III」(ソニー、LD)
某オークションにて、ノルウェーの歌姫シセル・"クリスタルヴォイス"・シルシェブーの映像作品を落札。
もちろん主役はドミンゴだが、シセルも2曲でソロを歌っている(エサイの根より天にはさかえ)。
共演は、ヴジェコスラフ・ステージュ指揮のウィーン国立歌劇場少年少女合唱団ウィーン響
1994年12月22日、ウィーン・メッセパラストでのライヴ収録である。

5月2日(金): 

 

ズビン・メータ(指揮) イスラエル・フィル
ブルックナー;交響曲第8番(パイオニア、LD)
某オークションでは、かつて高価だったレーザーディスクが、比較的安価に入手できるので有り難い。
宇野功芳師が推薦しない指揮者のブルックナーを聴いてみる」プロジェクトの一環、メータの第8番を落札したもの。
1986年6月16日、フランクフルト・アルテオーパーでのライヴ収録。
 
小沢昭一(取材・構成)
「ドキュメント 日本の放浪芸」(日ビクター、LP)
愛惜佳曲書に掲げた柴田南雄;萬歳流しの素材となった、横手萬歳を収録している。
柴田師は、このLPを聴いたとたんに横手萬歳に魅せられてしまい、シアターピース形式の合唱曲に作りあげたいと考えるようになったという。
太夫がいかにも落ちつきはらって、悠然と歌っていく民謡ふうの旋律に対して、才蔵がこっけいめかしてツヅミをうまい間で打ちながら、のべつに囃子言葉をリズミックに放り込んだり、掛け合いで歌ったりする。さらにその両者の方言のえもいわれぬ魅力、特に才蔵のリズムが方言ふうのリズムで字あまりふうに崩れる面白さは独特なものである。」(『楽のない話』全音楽譜出版社より)
LP7枚の箱物で、横手萬歳は僅か数分程度しか入っていないが、現役のCDセットより遥かに安価で落札できた。写真満載の解説書が大判であることもLPのメリット。

 先日届いたLPの情報を、リリー・ブーランジェ 作品表とディスコグラフィマルケヴィッチ・ディスコグラフィに追加。

 音盤狂昔録平成15年4月分を追加。


平成14年10月14日(祝): 「名匠列伝」にハンス・シュミット・イッセルシュテットを掲載。
平成14年5月25日(土):黄金週間中のウィーン旅行の顛末を「維納旅行記」として公開。
平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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